JP6948272B2 - 導電性布帛の製造方法 - Google Patents

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本発明は、導電性繊維及びその製造方法、導電性布帛並びに生体電極に関する。
繊維又は布帛に導電性を付与して、繊維又は布帛の機能を向上させることがある。導電性を付与した繊維又は布帛は、例えば、心電図等を測定するための生体電極等として使用される。
繊維又は布帛に導電性を付与する方法としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸を含む導電性高分子水分散液を繊維又は布帛に塗布する方法が知られている(特許文献1)。繊維又は布帛に前記導電性高分子水分散液を塗布することにより、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸を繊維又は布帛に付着させて、導電性繊維又は導電性布帛を作製する。
国際公開第2017/183463号
しかし、従来の導電性繊維、導電性布帛及び生体電極は水洗すると、導電性が低下することがあった。
本発明は、水洗しても導電性が低下しにくい導電性繊維及びその製造方法、導電性布帛並びに生体電極を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1]基材繊維と、基材繊維の表面の少なくとも一部に付着している導電性物質とを備え、前記導電性物質が、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体を含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基にアミン化合物が付加している、導電性繊維。
[2]繊維基材と、繊維基材の表面の少なくとも一部に付着している導電性物質とを備え、前記導電性物質が、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体を含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基にエポキシ化合物が付加している、導電性繊維。
[3]前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である、[1]又は[2]に記載の導電性繊維。
[4]前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、[1]から[3]のいずれか一に記載の導電性繊維。
[5][1]から[4]のいずれか一に記載の導電性繊維を含有する、導電性布帛。
[6][5]に記載の導電性布帛を有する、生体電極。
[7]基材繊維に導電性高分子分散液を塗布又は含浸する工程を有し、前記導電性高分子分散液として、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と有機溶剤とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基にアミン化合物が付加している分散液を使用する、導電性繊維の製造方法。
[8]前記導電性高分子分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体の水分散液にアミン化合物を添加し、前記導電性複合体を析出させて析出物を形成させる工程と、前記析出物を回収する工程と、回収した前記析出物に有機溶剤を添加する工程と、を有する方法によって調製する、[7]に記載の導電性繊維の製造方法。
[9]前記導電性高分子分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体の水分散液を凍結乾燥して凍結乾燥体を得る工程と、前記凍結乾燥体にアミン化合物及び有機溶剤を添加する工程と、を有する方法によって調製する、[7]に記載の導電性繊維の製造方法。
[10]基材繊維に導電性高分子分散液を塗布又は含浸する工程を有し、前記導電性高分子分散液として、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と有機溶剤とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基にエポキシ化合物が付加している分散液を使用する、導電性繊維の製造方法。
[11]前記導電性高分子分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体の水分散液にエポキシ化合物を添加し、前記導電性複合体を析出させて析出物を形成させる工程と、前記析出物を回収する工程と、回収した前記析出物に有機溶剤を添加する工程と、を有する方法によって調製する、[10]に記載の導電性繊維の製造方法。
[12]前記有機溶剤が、ケトン系溶剤及びアルコール系溶剤の少なくとも一方である、[7]から[11]のいずれか一に記載の導電性繊維の製造方法。
[13]前記ケトン系溶剤がメチルエチルケトン、前記アルコール系溶剤がイソプロパノールである、[12]に記載の導電性繊維の製造方法。
[14]前記導電性高分子分散液が高導電化剤をさらに含有する、[7]から[13]のいずれか一に記載の導電性繊維の製造方法。
[15]前記高導電化剤がプロピレングリコールである、[14]に記載の導電性繊維の製造方法。
[16]前記基材繊維が布帛を形成している、[7]から[15]のいずれか一に記載の導電性繊維の製造方法。
本発明の導電性繊維、導電性布帛及び生体電極は、水洗しても導電性が低下しにくい。
本発明の導電性繊維の製造方法によれば、水洗しても導電性が低下しにくい導電性繊維を容易に製造できる。
<導電性繊維>
本発明の導電性繊維の一態様について説明する。
本態様の導電性繊維は、基材繊維と、前記基材繊維の表面の少なくとも一部に付着している導電性物質とを備える。
導電性物質は、その殆どが基材繊維の表面に付着しているが、基材繊維の内部に入り込んでいることもある。
(基材繊維)
基材繊維は、導電性繊維の芯となる繊維である。
基材繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、レーヨン、アセテート、炭素繊維、セルロース繊維、綿、麻、絹等が挙げられる。これら基材繊維は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
基材繊維の形態としては特に制限はなく、例えば、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸、ステープル糸等が挙げられる。
基材繊維の断面形状についても特に制限はなく、例えば、円形状、三角形状、星形状等が挙げられる。
基材繊維の直径は、導電性繊維の用途及び基材繊維の種類に応じて適宜選択され、例えば、0.01μm以上100μm以下、0.05μm以上50μm以下、0.1μm以上10μm以下とすることができる。
基材繊維の長さは、導電性繊維の用途及び基材繊維の種類に応じて適宜選択され、例えば、10mm以上10000mm以下、50mm以上5000mm以下、100mm以上1000mm以下とすることができる。
(導電性物質)
本態様における導電性物質は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体を含有する組成物である。
本態様において、前記ポリアニオンは前記π共役系導電性高分子に配位し、ポリアニオンのアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープするため、導電性を有する導電性複合体を形成する。
ポリアニオンにおいては、全てのアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープせず、余剰のアニオン基を有している。本態様においては、前記の余剰のアニオン基の少なくとも一部に、アミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方が付加している。これにより、導電性複合体が疎水化されている。
[π共役系導電性高分子]
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば本発明の効果を有する限り特に制限されず、例えば、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン類及びポリアニリン系導電性高分子が好ましく、透明性の面から、ポリチオフェン系導電性高分子がより好ましい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)が挙げられる。
ポリピロール系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)が挙げられる。
上記π共役系導電性高分子のなかでも、導電性、透明性、耐熱性の点から、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
導電性複合体に含まれるπ共役系導電性高分子は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
[ポリアニオン]
ポリアニオンとは、アニオン基を有するモノマー単位を、分子内に2つ以上有する重合体である。このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、スルホ基、又はカルボキシ基であることが好ましい。
このようなポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)、ポリメタクリルオキシベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を有する高分子が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
これらポリアニオンのなかでも、導電性をより高くできることから、スルホン酸基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
前記ポリアニオンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンの質量平均分子量は2万以上100万以下であることが好ましく、10万以上50万以下であることがより好ましい。ポリアニオンの質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて溶出時間を測定し、分子量既知のポリスチレン標準物質から予め得た、溶出時間対分子量の校正曲線に基づいて求めた質量基準の分子量のことである。
ポリアニオンのアニオン基の一部にアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方が付加されることにより、疎水性置換基を形成している。アミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方によってポリアニオンに疎水性置換基を形成することにより、導電性複合体の疎水性が高くなる。
なお、導電性複合体の詳細な分析は必ずしも容易ではないが、ポリアニオンのアニオン基とアミン化合物との反応によって、−HNRで示される疎水性置換基が形成されると推測される。前記R,R,Rは、後述するアミン化合物に由来する置換基である。例えば、R,R,Rの少なくとも1つは炭化水素基(但し、その炭化水素基の水素原子の少なくとも一つがアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基等で置換されていてもよい。)である。R,R,Rのうち炭化水素基でないものは水素原子である。
ポリアニオンのアニオン基とエポキシ化合物との反応によって、−CHCHOHRで示される疎水性置換基が形成されると推測される。前記Rは、後述するエポキシ化合物に由来する置換基である。例えば、Rは炭化水素基(但し、その炭化水素基の水素原子の少なくとも一つがアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基等で置換されていてもよい。)である。
前記疎水性置換基は、アニオン基の酸素原子に結合する。
アミン化合物は、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。アミン化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第一級アミンとしては、例えば、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、エタノールアミン等が挙げられる。
第二級アミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、ジナフチルアミン等が挙げられる。
第三級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリナフチルアミン等が挙げられる。
前記アミン化合物のうち、本態様の導電性繊維を容易に製造できることから、第三級アミンが好ましく、トリブチルアミン及びトリオクチルアミンの少なくとも一方がより好ましい。
エポキシ化合物は、1分子中にエポキシ基を1つ以上有する化合物である。凝集又はゲル化を防止する点では、エポキシ化合物は、1分子中にエポキシ基を1つ有する化合物が好ましい。
エポキシ化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
1分子中にエポキシ基を1つ有する単官能エポキシ化合物としては、例えば、プロピレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシテトラデカン、グリシジルメチルエーテル、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、エチルグリシジルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテル、tert−ブチルグリシジルエーテル、1,2−エポキシエイコサン、2−(クロロメチル)−1,2−エポキシプロパン、グリシドール、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、ブチルグリシジルエーテル、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシ−9−デカン、2−(クロロメチル)−1,2−エポキシブタン、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−1H,1H,2H,2H,3H,3H−トリフルオロブタン、アリルグリシジルエーテル、テトラシアノエチレンオキサイド、グリシジルブチレート、1,2−エポキシシクロオクタン、グリシジルメタクリレート、1,2−エポキシシクロドデカン、1−メチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロペンタデカン、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−1H,1H,2H,2H,3H,3H−ヘプタデカフルオロブタン、3,4−エポキシテトラヒドロフラン、グリシジルステアレート、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、エポキシコハク酸、グリシジルフェニルエーテル、イソホロンオキサイド、α−ピネンオキサイド、2,3−エポキシノルボルネン、ベンジルグリシジルエーテル、ジエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、3−[2−(パーフルオロヘキシル)エトキシ]−1,2−エポキシプロパン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−(3−グリシジルオキシプロピル)トリシロキサン、9,10−エポキシ−1,5−シクロドデカジエン、4−tert−ブチル安息香酸グリシジル、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン、2−tert−ブチル−2−[2−(4−クロロフェニル)]エチルオキシラン、スチレンオキサイド、グリシジルトリチルエーテル、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−フェニルプリピレンオキサイド、コレステロール−5α,6α−エポキシド、スチルベンオキサイド、p−トルエンスルホン酸グリシジル、3−メチル−3−フェニルグリシド酸エチル、N−プロピル−N−(2,3−エポキシプロピル)ペルフルオロ−n−オクチルスルホンアミド、(2S,3S)−1,2−エポキシ−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フェニルブタン、3−ニトロベンゼンスルホン酸(R)−グリシジル、3−ニトロベンゼンスルホン酸−グリシジル、パルテノリド、N−グリシジルフタルイミド、エンドリン、デイルドリン、4−グリシジルオキシカルバゾール、7,7−ジメチルオクタン酸[オキシラニルメチル]、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、C12,C13混合高級アルコールグリシジルエーテル等が挙げられる。
1分子中にエポキシ基を2つ以上有する多官能エポキシ化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,7−オクタジエンジエポキシド、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2:3,4−ジエポキシブタン、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジル、イソシアヌル酸トリグリシジルネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,2:3,4−ジエポキシブタン、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトール系ポリグリシジルエーテル、エチレンオキシドラウリルアルコールグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート等が挙げられる。
導電性複合体中の、ポリアニオンの含有割合は、π共役系導電性高分子100質量部に対して1質量部以上1000質量部以下の範囲であることが好ましく、10質量部以上700質量部以下であることがより好ましく、100質量部以上500質量部以下の範囲であることがさらに好ましい。ポリアニオンの含有割合が前記下限値以上であれば、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が強くなる傾向にあり、導電性がより高くなる。一方、ポリアニオンの含有量が前記上限値以下であれば、π共役系導電性高分子を充分に含有させることができるから、充分な導電性を確保できる。
[導電性物質の付着量及び厚さ]
基材繊維に対する導電性物質の付着量は、0.001g/m以上100g/m以下であることが好ましく、0.005g/m以上50g/m以下であることがより好ましく、0.01g/m以上10g/m以下であることがさらに好ましい。基材繊維に対する導電性物質の付着量が前記下限値以上であれば、導電性繊維の導電性を充分に高くでき、前記上限値以下であれば、導電性繊維の可撓性低下を防止できる。ここで、基材繊維に対する導電性物質の付着量は、(導電性繊維の質量[g]−基材繊維の質量[g])/基材繊維の長さ[m]の式より求められる。
また、導電性繊維の導電性をより向上させる点で、導電性物質はある程度厚みを有した層状になっていることが好ましい。具体的に、基材繊維の外表面に形成された導電性物質層の厚さは、0.01μm以上100μm以下であることが好ましく、0.1μm以上10μm以下であることがより好ましい。導電性物質層の厚さが前記下限値以上であれば、導電性繊維の導電性を充分に高くでき、前記上限値以下であれば、導電性繊維の可撓性低下を防止できる。ここで、導電性物質層の厚さは、電子顕微鏡を用いて導電性繊維の断面を少なくとも10か所で観察して導電性物質層の厚さを計測し、それらの値を平均することにより求める。
導電性物質層が形成されている場合には、本態様の導電性繊維は、基材繊維が芯、導電性物質層が鞘となる芯鞘構造の繊維となる。
[高導電化剤]
導電性物質は、導電性繊維の導電性をより向上させるために、高導電化剤を含んでもよい。ここで、前述したπ共役系導電性高分子、ポリアニオン、アミン化合物及びエポキシ化合物は、高導電化剤に分類されない。
高導電化剤は、糖類、窒素含有芳香族性環式化合物、2個以上のヒドロキシ基を有する化合物、1個以上のヒドロキシ基および1個以上のカルボキシ基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ラクタム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。高導電化剤のなかでも、水及び有機溶剤への分散性が高く、導電性向上効果に優れることから、2個以上のヒドロキシ基を有する化合物が好ましく、プロピレングリコールがより好ましい。
導電性物質に含有される高導電化剤は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
高導電化剤の含有割合は導電性複合体100質量部に対して、1質量部以上10000質量部以下であることが好ましく、10質量部以上5000質量部以下であることがより好ましく、100質量部以上2500質量部以下であることがさらに好ましい。高導電化剤の含有割合が前記下限値以上であれば、高導電化剤添加による導電性向上効果が充分に発揮され、前記上限値以下であれば、π共役系導電性高分子濃度の低下に起因する導電性の低下を防止できる。
[その他の添加剤]
導電性物質には、公知のその他の添加剤が含まれてもよい。
添加剤としては、本発明の効果が得られる限り特に制限されず、例えば、界面活性剤、無機導電剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。ただし、添加剤は、前述したπ共役系導電性高分子、ポリアニオン及び高導電化剤以外の化合物からなる。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられるが、保存安定性の面からノニオン系が好ましい。また、ポリビニルピロリドンなどのポリマー系界面活性剤を添加してもよい。
無機導電剤としては、金属イオン類、導電性カーボン等が挙げられる。なお、金属イオンは、金属塩を水に溶解させることにより生成させることができる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンオイル等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニル基又はアミノ基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
導電性物質が上記添加剤を含有する場合、その含有割合は、添加剤の種類に応じて適宜決められるが、例えば、導電性複合体の固形分100質量部に対して、0.001質量部以上5質量部以下の範囲とすることができる。
(導電性繊維の製造方法)
本態様の導電性繊維は、基材繊維に導電性高分子分散液を塗布又は含浸する工程を有する製造方法によって製造される。
本態様において使用する導電性高分子分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と有機溶剤とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基にアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方が付加している分散液である。ポリアニオンの一部のアニオン基にアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方が付加することによって導電性複合体が疎水化されている。そのため、導電性複合体は有機溶剤中に安定に分散できる。
導電性繊維の導電性をより向上させることから、導電性高分子分散液には、前述した高導電化剤が含まれることが好ましい。
基材繊維に導電性高分子分散液を塗布する方法としては、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファウンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等のコーターを用いた方法、エアスプレー、エアレススプレー、ローターダンプニング等の噴霧器を用いた噴霧方法等を適用することができる。
上記のうち、導電性高分子分散液を簡便に塗工できることから、バーコーターを用いることがある。バーコーターにおいては、種類によって塗工厚が異なり、市販のバーコーターでは、種類ごとに番号が付されており、その番号が大きい程、厚く塗工できるものとなっている。
基材繊維に導電性高分子分散液を含浸する方法としては、例えば、複数本の基材繊維を引き揃えるなどして密集させて束状にし、その束状の基材繊維を、容器に入った導電性高分子分散液に漬け込む方法が挙げられる。
また、基材繊維に導電性高分子分散液を含浸する他の方法としては、導電性高分子分散液が入った容器内に、基材繊維を走行させる方法を適用することもできる。
本態様の導電性高分子分散液においては、分散媒として有機溶剤を使用する。但し、分散媒は有機溶剤のみでなくてもよく、水を含有してもよい。
有機溶剤としては、導電性複合体の分散性を高くできることから、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤を用いることが好ましく、ケトン系溶剤及びアルコール系溶剤の少なくとも一方を用いることがより好ましい。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(「イソプロパノール」ともいう。)、2−メチル−2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、アリルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等が挙げられる。
導電性複合体の分散性をより高くできることから、ケトン系溶剤のなかでもメチルエチルケトンが好ましく、アルコール系溶剤のなかでもイソプロパノールが好ましい。
本態様においては、導電性複合体が疎水化されているから、分散媒の主成分は有機溶剤であることが好ましい。
具体的に、本態様の導電性高分子分散液における有機溶剤の含有量は、導電性高分子分散液を100質量%とした際、50質量%以上100質量%未満であることが好ましく、80質量%以上100質量%未満であることがより好ましく、90質量%以上100質量%未満であることがさらに好ましい。導電性高分子分散液は水を全く含まなくてもよい。
導電性高分子分散液の総質量に対する、前記導電性複合体の含有量は、例えば、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下がさらに好ましい。
本態様において使用する導電性高分子分散液は、下記(a)又は(b)の方法によって調製することができる。
(a)π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体の水分散液にアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方を添加し、前記導電性複合体を析出させて析出物を形成させる工程と、前記析出物を回収する工程と、回収した前記析出物に有機溶剤を添加する工程と、を有する方法。
(b)π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体の水分散液を凍結乾燥して凍結乾燥体を得る工程と、前記凍結乾燥体にアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方と有機溶剤とを添加する工程と、を有する方法。
前記(a)及び(b)の方法において使用する導電性複合体の水分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水とを含有する水分散液である。前記水分散液は有機溶剤を含んでもよいが、この時点では導電性複合体は疎水化されていないため、導電性複合体の分散性を高める観点から、有機溶剤の含有量が少ないことが好ましい。具体的には、前記水分散液中の有機溶剤の含有量は、0質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。
導電性複合体の水分散液を製造する方法としては、例えば、ポリアニオンの水溶液中で、π共役系導電性高分子を形成するモノマーを化学酸化重合する方法が挙げられる。
また、導電性複合体の水分散液は、π共役系導電性高分子とポリアニオンとの導電性複合体を含む市販の水分散液を使用しても構わない。
前記化学酸化重合には、公知の触媒を適用してもよい。例えば、触媒及び酸化剤を用いることができる。触媒としては、例えば、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。酸化剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩が挙げられる。酸化剤は、還元された触媒を元の酸化状態に戻すことができる。
導電性複合体の水分散液に含まれる導電性複合体の固形分濃度は、水分散液の総質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
(a)の方法において、前記水分散液にアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方を添加した場合には、前記導電性複合体を構成するポリアニオンの一部のアニオン基、具体的にはπ共役系導電性高分子へのドープに関与しないアニオン基にアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方が付加してアニオン基が消失する。これにより、導電性複合体が疎水化される。
但し、π共役系導電性高分子へのドープに関与しないアニオン基の全てにアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方が付加しなくてもよく、ドープに関与しないアニオン基が一部残留してもよい。
疎水化された導電性複合体は、水系分散媒中で分散することができないため、析出して析出物となる。
アミン化合物を添加する場合、アミン化合物の添加量は、導電性複合体100質量部に対して、1質量部以上100000質量部以下であることが好ましく、10質量部以上50000質量部以下であることがより好ましく、50質量部以上10000質量部以下であることがさらに好ましい。アミン化合物の添加量が前記下限値以上であれば、導電性複合体の疎水性を充分に向上させることができ、前記上限値以下であれば、導電性繊維の導電性低下を防止できる。
エポキシ化合物を添加する場合、エポキシ化合物の添加量は、導電性複合体100質量部に対して、10質量部以上10000質量部以下であることが好ましく、100質量部以上5000質量部以下であることがより好ましく、200質量部以上500質量部以下であることがさらに好ましい。エポキシ化合物の添加量が前記下限値以上であれば、導電性複合体の疎水性を充分に向上させることができ、前記上限値以下であれば、導電性繊維の導電性低下を防止できる。
導電性複合体を析出させる際には、有機溶剤を添加してもよい。析出の際に添加する有機溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤が挙げられる。析出の際に添加する有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性高分子水分散液にアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方を添加する前、添加している最中、又は添加した後には、反応促進のために加熱してもよい。
(a)の方法における、析出物を回収する工程では、例えば、ろ過、沈殿、抽出等の公知の分取方法を適用できる。これらの分取方法のなかでも、ろ過が好ましく、導電性複合体の形成に用いたポリアニオンがろ液とともに通過する程度に粗い目のフィルターを用いてろ過することが好ましい。このろ過方法によれば、析出物を分取するとともに、導電性複合体を形成していない余剰のポリアニオンをろ液側に残して、析出物と余剰のポリアニオンとを分離することができる。余剰のポリアニオンを除くことにより、析出物の導電性を高めることができる。
ろ過に使用するフィルターとしては、化学分析分野で用いられるろ紙が好ましい。このろ紙としては、例えば、アドバンテック社製ろ紙、保留粒子径7μm等が挙げられる。ここで、ろ紙の保留粒子径は目の粗さの目安であり、JIS P 3801〔ろ紙(化学分析用)〕で規定された硫酸バリウムなどを自然ろ過したときの漏えい粒子径により求められる。ろ紙の保留粒子径は、例えば2μm以上20μm以下とすることができる。この保留粒子径は、余剰のポリアニオンを透過させて容易に分離できることから、5μm以上10μm以下であることが好ましい。
(a)の方法における、析出物に有機溶剤を添加する工程では、析出物に有機溶剤を添加した後、析出物を含む有機溶剤に分散処理を施すことが好ましい。
分散処理においては、分散機を用いることが好ましい。分散機としては、例えば、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ビーズミル等が挙げられる。分散機のなかでも、有機溶剤への析出物の分散性を高くできる点では、高圧ホモジナイザーが好ましい。
高圧ホモジナイザーは、例えば、分散処理する被処理液を加圧する高圧発生部と、分散を行う対向衝突部、オリフィス部又はスリット部とを備える装置が挙げられる。高圧発生部としては、プランジャーポンプ等の公知の高圧ポンプが用いられる。高圧ホモジナイザーの具体例としては、例えば、吉田機械興業製の商品名ナノマイザー、マイクロフルイディスク製の商品名マイクロフルイダイザー、スギノマシン製のアルティマイザーなどが挙げられる。
(b)の方法における凍結乾燥では、導電性複合体の水分散液中の水分を凍結させ、真空乾燥する。これにより、凍結乾燥体を得る。
凍結乾燥の際の温度は、−60〜60℃とすることが好ましく、−40〜40℃とすることがより好ましい。凍結乾燥温度が前記下限値以上であれば、温度調整しやすく、前記上限値以下であれば、導電性複合体の水分散液を容易に凍結乾燥できる。
凍結乾燥体に、アミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方と、有機溶剤とを添加する際、アミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方と有機溶剤との添加の順序に特に制限はない。例えば、アミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方を有機溶剤より先に添加してもよいし、アミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方よりも有機溶剤を先に添加してもよい。また、アミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方と有機溶剤とを同時に添加してもよい。
凍結乾燥体にアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方と有機溶剤とを添加した後には、分散処理を施すことが好ましい。分散処理を施せば、導電性高分子分散液における導電性複合体の分散性を向上させることができる。分散処理は、(a)の方法における分散処理と同様である。
(a)及び(b)の方法において、高導電化剤及び添加剤は適宜添加すればよいが、有機溶剤と共に添加することが好ましい。
(作用効果)
本態様の導電性繊維においては、基材繊維に付着した導電性複合体がアミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも一方の付加によって疎水化されている。そのため、導電性繊維を水で洗浄しても、疎水化された導電性複合体は水と共に洗い流されることなく、基材繊維に付着し続けることができる。したがって、本態様の導電性繊維は、水洗しても導電性が低下しにくい。
また、基材繊維としては疎水性の繊維が多い。本態様では、導電性複合体が疎水化されているため、導電性複合体は疎水性の繊維基材に対する親和性が高い。そのため、導電性複合体は高い接着力で繊維基材に付着できる。
<導電性布帛>
本発明の導電性布帛の一態様について説明する。
本態様の導電性布帛は、前記態様の導電性繊維を含有する。
本態様の導電性布帛は、基材繊維の布帛に前記導電性物質が付着しているものでもよいし、前記導電性繊維の布帛でもよい。
基材繊維の布帛は、織物、不織布、編物(ニット)のいずれであってもよい。織物は、平織、綾織、朱子織のいずれであってもよい。
基材繊維の布帛の目付量としては、1g/m以上10000g/m以下であることが好ましく、5g/m以上5000g/m以下であることがより好ましい。基材繊維の布帛の目付量が前記下限値以上であれば、導電性布帛が充分に高い強度を有し、前記上限値以下であれば、導電性布帛の可撓性が高くなり、布としての風合いを維持できる。
基材繊維の目付量は、次の方法により求められる。布帛の任意の10か所以上において、面積1cmの測定用布を切り出し、質量を測定し、各測定用布の目付量を算出する。次いで、全ての測定用布の目付量を平均することにより、基材繊維の布帛の目付量を求める。
基材繊維の布帛の厚さとしては、1μm以上10000μm以下であることが好ましく、5μm以上5000μm以下であることがより好ましく、5μm以上1000μm以下であることがさらに好ましい。基材繊維の布帛の厚さが前記下限値以上であれば、導電性布帛が充分に高い強度を有し、前記上限値以下であれば、導電性布帛の可撓性が高くなり、布としての風合いを維持できる。
基材繊維の厚さは、布帛の断面を光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用い、任意の10箇所について厚さを測定し、その測定値を平均した値である。
基材繊維の布帛に対する導電性物質の付着量は、0.001g/m以上100g/m以下であることが好ましく、0.005g/m以上50g/m以下であることがより好ましく、0.01g/m以上10g/m以下であることがさらに好ましく、0.1g/m以上1g/mであることが特に好ましい。基材繊維の布帛に対する導電性物質の付着量が前記下限値以上であれば、導電性布帛の導電性を充分に高くでき、前記上限値以下であれば、導電性布帛の可撓性低下を防止できる。ここで、基材繊維に対する導電性物質の付着量は、(導電性布帛の質量[g]−基材繊維の布帛の質量[g])/基材繊維の布帛の面積[m]の式より求められる。
本態様の導電性布帛を製造する方法としては、基材繊維の布帛に導電性高分子分散液を塗布又は含浸させて導電性布帛を得る方法、導電性繊維から織布、不織布又は編物を作製して導電性布帛を得る方法が挙げられる。
前記製造方法のなかでも、本態様の導電性布帛を容易に製造できることから、基材繊維の布帛に導電性高分子分散液を塗布又は含浸させる方法が好ましい。
基材繊維の布帛に導電性高分子分散液を塗布又は含浸させる方法としては、前述した導電性繊維を製造する方法において、基材繊維を基材繊維の布帛に置き換えた方法が挙げられる。
本態様の導電性布帛は、疎水化された前記態様の導電性繊維を含有するものであるから、水で洗浄しても導電性が低下しにくい。
<生体電極>
本発明の生体電極の一態様について説明する。
本態様の生体電極は、前記態様の導電性布帛を有する。生体電極は、直接又は間接的に人間又は動物の皮膚に接触されて使用される電極である。生体電極を間接的に人間又は動物の皮膚に接触する場合には、例えば、導電性ゲルを介して接触させる。
例えば、生体電極は、人間又は動物の生体情報を取得するための電極と使用される。生体情報としては、例えば、心電図、心拍数、筋電位、脳波等が挙げられる。生体電極が生体情報を取得するための電極である場合、生体電極には、配線を介して、生体情報を測定するための測定機器に接続される。
また、生体電極は、人間又は動物に電気刺激を付与するための電極として使用することもできる。生体電極が生体に電気刺激を付与するための電極である場合、生体電極には、配線を介して、電気刺激を発生する機器に接続される。
生体電極の形状は、生体電極を接触させる部分に応じて適宜選択すればよい。生体電極の形状の具体例としては、例えば、円形状、楕円形状、四角形等の多角形状、その他任意の形状等が挙げられる。多角形状の場合、角を曲面状に加工してもよい。生体電極の面積は、生体情報を充分に取得できる面積又は生体に電気刺激を充分に付与できる面積とされる。
生体電極は、導電性布帛のみから構成されてもよいし、導電性布帛と導電性布帛以外の布帛とから構成されてもよい。導電性布帛以外の布帛は、衣服であってもよい。
生体電極は、皮膚に接触させるものであるから、繰り返し使用する場合には、衛生上、洗浄が必要となる。本態様の生体電極は、前記態様の導電性布帛が使用されているから、水で洗浄しても導電性が低下しにくく、生体電極としての性能低下を防止できる。
(製造例1)
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃にて攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、その溶液を12時間攪拌した。
得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に、10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の1000mlの溶媒を除去した。残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶媒を除去し、ポリスチレンスルホン酸を水洗した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
(製造例2)
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、製造例1で得た36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。これにより得られた混合溶液を20℃に保ち攪拌を行いながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくりと添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶媒を除去した。この操作を3回繰り返した。次に、得られた溶液に、200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶媒を除去した。残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶媒を除去し、ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSS)を水洗した。この操作を8回繰り返して、固形分濃度1.2質量%のPEDOT−PSS水分散液を得た。
(製造例3)
2.5gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、12.5gの製造例1のポリスチレンスルホン酸を500mlのイオン交換水に溶かした溶液とを30℃で混合させた。
これにより得られた混合溶液を30℃に保ち、掻き混ぜながら、44.35mlのイオン交換水に溶かした5.5gの過硫酸アンモニウムと0.15gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、8時間攪拌して反応させた。これにより、2.7質量%のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水分散液(PEDOT−PSS水分散液)を得た。
前記PEDOT−PSS水分散液565.0gに、トリオクチルアミン53.0gとイソプロパノール500gの混合液を添加し、PEDOT−PSSのトリオクチルアミン付加物を析出させた。析出したPEDOT−PSSのトリオクチルアミン付加物をろ過により分取し水100gで洗浄した後、アセトン100gで洗浄してPEDOT−PSSのトリオクチルアミン付加物18.8gを固体として取り出した。
得られた固体に3760gのイソプロパノールを添加し、高圧ホモジナイザーを用いて分散処理して、導電性高分子分散液を得た。
(製造例4)
製造例2で得たPEDOT−PSS水分散液1000gを凍結乾燥して、12gの凍結乾燥体を得た。
イソプロパノール1000gに前記凍結乾燥体5.0gとトリブチルアミン1.4gとを添加し、高圧ホモジナイザーを用いて分散処理して、導電性高分子分散液を得た。
(製造例5)
製造例2で得たPEDOT−PSS水分散液100gに、メタノール300gとエポキシ化合物(共栄社化学株式会社製、エポライトM−1230、C12,C13混合高級アルコールグリシジルエーテル)25gを添加し、60℃で4時間加熱攪拌した。このとき、前記エポキシ化合物のエポキシ基がPSSのスルホン酸基に反応するため、フリーのスルホン酸基が消失し、PEDOT−PSSの水分散性が低下してPEDOT−PSSが析出した。これにより得られた析出物をろ過により回収した。前記析出物1.575gを315gのメチルエチルケトンに添加し、高圧ホモジナイザーを用いて分散処理して、導電性高分子分散液を得た。
(製造例6)
製造例2で得たPEDOT−PSS水分散液100gに、メタノール300gとブチレンオキシド25gを添加し、60℃で4時間加熱攪拌した。このとき、ブチレンオキシドのエポキシ基がPSSのスルホン酸基に反応するため、フリーのスルホン酸基が消失し、PEDOT−PSSの水分散性が低下してPEDOT−PSSが析出した。これにより得られた析出物をろ過により回収した。前記析出物1.45gを290gのメチルエチルケトンに添加し、高圧ホモジナイザーを用いて分散処理して、導電性高分子分散液を得た。
(実施例1)
製造例3の導電性高分子分散液95gとプロピレングリコール5gとを混合して、プロピレングリコール含有導電性高分子分散液を得た。このプロピレングリコール含有導電性高分子分散液を、No.14のバーコーターを用いて、布帛(東レ株式会社製、トレシーMK、ポリエステル繊維、高密度ニット、目付210g/m、厚さ0.56mm)に塗布し、120℃で3分間乾燥させた。これにより、導電性物質の付着量が0.14g/mの導電性布帛を得た。
(実施例2)
製造例3の導電性高分子分散液を製造例4の導電性高分子分散液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性物質の付着量が0.18g/mの導電性布帛を得た。
(実施例3)
製造例3の導電性高分子分散液を製造例5の導電性高分子分散液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性物質の付着量が0.14g/mの導電性布帛を得た。
(実施例4)
製造例3の導電性高分子分散液を製造例6の導電性高分子分散液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性物質の付着量が0.14g/mの導電性布帛を得た。
(比較例1)
製造例3の導電性高分子分散液95gを製造例2のPEDOT−PSS水分散液39.6gと水55.4gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、PEDOT−PSSの付着量が0.14g/mの導電性布帛を得た。
(実施例5)
製造例3の導電性高分子分散液を塗布する布帛を、東レ株式会社製トレシーPW(ポリエステル繊維70%、ナイロン30%、高密度織物(綾織)、目付130g/m、厚さ0.35mm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性物質の付着量が0.14g/mの導電性布帛を得た。
(実施例6)
製造例3の導電性高分子分散液を製造例4の導電性高分子分散液に変更したこと以外は実施例5と同様にして、導電性物質の付着量が0.18g/mの導電性布帛を得た。
(実施例7)
製造例3の導電性高分子分散液を製造例5の導電性高分子分散液に変更したこと以外は実施例5と同様にして、導電性物質の付着量が0.14g/mの導電性布帛を得た。
(実施例8)
製造例3の導電性高分子分散液を製造例6の導電性高分子分散液に変更したこと以外は実施例5と同様にして、導電性物質の付着量が0.14g/mの導電性布帛を得た。
(比較例2)
製造例3の導電性高分子分散液95gを製造例2のPEDOT−PSS水分散液39.6gと水55.4gに変更したこと以外は実施例5と同様にして、PEDOT−PSSの付着量が0.14g/mの導電性布帛を得た。
<評価>
各例の導電性布帛の表面抵抗値を、抵抗率計(三菱化学アナリテック社製ハイレスタ)を用い、印加電圧10V、印加時間10秒の条件で測定した。その後、導電性布帛を水で洗浄し、120℃で3分間乾燥させた後、表面抵抗値を前記条件で再度測定した。測定結果を表1に示す。また、表1には、洗浄前の表面抵抗値に対する洗浄後の表面抵抗値の変化率を示す。
Figure 0006948272
<結果>
導電性複合体を構成するポリアニオンにアミン化合物又はエポキシ化合物を付加させて疎水化した各実施例の導電性布帛は、洗浄前後での表面抵抗値の変化率が小さく、水で洗浄した際の導電性低下が抑制されていた。
導電性複合体を構成するポリアニオンが疎水化されていなかった各比較例の導電性布帛は、洗浄前後での表面抵抗値の変化率が大きく、水で洗浄した際の導電性低下が顕著であった。

Claims (10)

  1. 基材繊維からなる布帛に導電性高分子分散液を塗布又は含浸した後、乾燥することにより、前記布帛に導電性物質が付着した導電性布帛を得る工程を有し、
    前記導電性高分子分散液として、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と有機溶剤と、2個以上のヒドロキシ基を有する化合物とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基にアミン化合物が付加している分散液を使用し、
    前記乾燥後の前記布帛に対する前記導電性物質の付着量が0.01g/m 以上10g/m 以下である、導電性布帛の製造方法。
  2. 前記導電性高分子分散液は、
    π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体の水分散液にアミン化合物を添加し、前記導電性複合体を析出させて析出物を形成させる工程と、
    前記析出物を回収する工程と、
    回収した前記析出物に前記有機溶剤を添加する工程と、
    を有する方法によって調製する、請求項に記載の導電性布帛の製造方法。
  3. 前記導電性高分子分散液は、
    π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体の水分散液を凍結乾燥して凍結乾燥体を得る工程と、
    前記凍結乾燥体にアミン化合物及び前記有機溶剤を添加する工程と、
    を有する方法によって調製する、請求項に記載の導電性布帛の製造方法。
  4. 基材繊維からなる布帛に導電性高分子分散液を塗布又は含浸した後、乾燥することにより、前記布帛に導電性物質が付着した導電性布帛を得る工程を有し、
    前記導電性高分子分散液として、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と有機溶剤と、2個以上のヒドロキシ基を有する化合物とを含有し、前記ポリアニオンの一部のアニオン基にエポキシ化合物が付加している分散液を使用し、
    前記乾燥後の前記布帛に対する前記導電性物質の付着量が0.01g/m 以上10g/m 以下である、導電性布帛の製造方法。
  5. 前記導電性高分子分散液は、
    π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体の水分散液にエポキシ化合物を添加し、前記導電性複合体を析出させて析出物を形成させる工程と、
    前記析出物を回収する工程と、
    回収した前記析出物に前記有機溶剤を添加する工程と、
    を有する方法によって調製する、請求項に記載の導電性布帛の製造方法。
  6. 前記有機溶剤が、ケトン系溶剤及びアルコール系溶剤の少なくとも一方である、請求項からのいずれか一項に記載の導電性布帛の製造方法。
  7. 前記ケトン系溶剤がメチルエチルケトン、前記アルコール系溶剤がイソプロパノールである、請求項に記載の導電性布帛の製造方法。
  8. 前記2個以上のヒドロキシ基を有する化合物がプロピレングリコールである、請求項1から7のいずれか一項に記載の導電性布帛の製造方法。
  9. 前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である、請求項1から8のいずれか一項に記載の導電性布帛の製造方法。
  10. 前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、請求項1から9のいずれか一項に記載の導電性布帛の製造方法。
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