JP6948231B2 - 繰出式筆記具 - Google Patents
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Description
この特許文献1では、リフィール固定用受具の内面の設けた第1のリフィール嵌着孔の奥に内径が小さい第2のリフィール嵌着孔を設けることで、各々の嵌着孔に長さと外径の異なる二種類のレフィルを選択的に固定できるようになっている。
また、特許文献1及び特許文献2ではレフィル後部のインキ収容筒の外径や長さが異なるものを交換可能とすることができるが、レフィル前端に固定される先端チップなどの筆記部の外径が異なる場合には適用できないものであった。
「1.軸筒内に、筆記部である先端チップと筆記具用インキ組成物を収容するインキ収容筒とを備えたレフィルと、該レフィルを前記軸筒の前端開口部から出没させる出没機構と、を備えた繰出式筆記具であって、
前記先端チップが、筆記部材としてのボールと、前記ボールを抱持するためのボール抱持室と当該ボール抱持室の底壁の中央に形成されたインキ流通孔とを有するチップ本体と、を備え、前記ボール抱持室に挿入した前記ボールを、前記チップ本体に設けた前端傾斜部の前端部を内側にかしめることにより、該ボールの一部が該チップ本体の先端縁より突出した状態で回転自在に抱持させ、
前記軸筒内に、該軸筒に対して前後動自在に形成されたスライド部材が配設され、前記スライド部材と前記軸筒との間に弾発部材を配設することで該スライド部材を後方へ弾発し、
前記スライド部材の内周部に、軸方向前方へ向って縮径するよう傾斜して形成された前部内段を備え、前記出没機構に、前記レフィルの後部を着脱自在に保持するレフィル支持部が設けれており、
前記スライド部材の前部内段に前記先端チップの前端傾斜部を当接させ、前記スライド部材の前部内段と前記出没機構のレフィル支持部とで前記レフィルを狭持して保持することで、前記レフィルを、前記弾発部材により前記スライド部材を介して後方に弾発させたことを特徴とする繰出式筆記具。
2.前記スライド部材が、前部外側面に形成され軸方向に沿って延びる第一側面と、後部外側面に外方へ向って突出するように形成された第二側面と、を備え、
前記軸筒の内周面に、軸方向に沿って延び前記スライド部材の第一側面をガイドする第一孔部と、軸方向に沿って延び前記スライド部材の第二側面をガイドする第二孔部と、を備えたことを特徴とする前記1項に記載の繰出式筆記具。
3.前記レフィルを前記軸筒の前端開口部から突出させた筆記状態における前記弾発部材の弾発力を2.0N以上、3.9N以下としたことを特徴とする前記1項または2項に記載の繰出式筆記具。
4.前記軸筒の第二孔部の後方に、内方へ向って突出する内突起を備え、前記内突起と前記スライド部材とを当接可能に構成することで、該スライド部材の後方への移動を制限したことを特徴とする前記1項ないし3項の何れか1項に記載の繰出式筆記具。」である。
尚、軸筒内面に設けスライド部材のガイドとなる第一孔部及び第二孔部は、軸筒内面に直接形成してもよく、別部品で形成して固着、係止、螺着等により固定させてもよい。
尚、軸筒内周部に設ける内突起は、軸筒に対して一体的に形成されていてもよく、別体で形成したものを圧入、接着、螺号等により固着させて一体化させてもよい。
また、本実施例では、軸筒の長手方向において、ボールペンチップがある方を前方と表現し、その反対側を後方と表現する。更に、軸筒の軸径方向において、ボールペンレフィルがある方を内方と表現し、その反対側を外方と表現する。
尚、説明を分かりやすくするために、図面中の同様の部材、同様の部分については同じ符号を付してある。
本実施例の繰出式筆記具1は、図1から図9に示すように、軸本体2の前方に配設した先口3を螺合することで軸筒4を形成してあり、先口3内に前後動可能に配設されたスライド部材5と、軸筒4内に前後動可能に配設されスライド部材5の前端開口部5aから出没可能な第1ボールペンレフィル6(レフィル)と、軸本体4内に配設され第1ボールペンレフィル6を着脱自在に保持する出没機構7と、軸筒の後方に着脱自在に装着されたキャップ体8と、により構成してある。
また、前方内筒12の前部内周部には雌螺子部12bを形成してあり、後部内周部には内段部12cを形成してある。
また、内孔3aには前後に摺動可能なスライド部材5が後方から挿入してあり、内段部3bとスライド部材5の外周部に形成した後部外段5bとの間に第1コイルスプリング13(弾性部材)を張架して、第1コイルスプリング13によりスライド部材5を後方に弾発してある。
尚、前部内段5cの軸方向に対する傾斜角度と、チップ本体9の前端傾斜部9cの軸方向に対する傾斜角度と、の差は、チップ本体9の前端傾斜部9cとスライド部材5の前部内段5cとの隙間が小さく、安定した状態で当接するよう±5°以内に形成することが好ましい。本実施例では、チップ本体9の前端傾斜部9cの軸方向に対する傾斜角度は17.5°で形成してあり、前部内段5cの傾斜角度は15°で形成してある。
また、ストッパリング14の内突起14bとスライド部材5の後端部5fとを当接するよう構成することで、スライド部材5の後方への移動を制限して先口3から当該スライド部材5が抜けることを防止してある。
尚、後方内筒15の側面には内外を貫通し軸方向に延びるスリット15bを形成すると共に、後部に縮径された後段部15cを形成してある。
また、図4から図6に示すように、回転カム16の側面には内外を貫通し軸方向(前後方向)に対して傾斜したカム溝16cが形成してある。そして、カム溝16cの両端部には繰出用カム斜面16d(第一カム斜面16d1、第二カム斜面16d2)が形成され、2つの繰出用カム斜面16dの間には長さ調整用カム斜面16eを形成してある。更に、長さ調整用カム斜面16eと2つの繰出用カム斜面16dとの境には軸周方向に沿って延びる段部16f(第一段部16f1、第二段部16f2)が形成してある。尚、第一カム斜面16d1の前端部にも同様に、軸周方向に沿って延びる段部16f(第三段部16f3)が形成してある。
更に、回転カム16は、後方内筒15の後部内段15dと前方内筒12の後端との間に配設することで、回転可能且つ前後動不能に構成してある。
また、カム突起18aは、後方内筒15のスリット15bへ遊嵌すると共に、回転カム16のカム溝16cにも遊嵌させることで、カム突起18aがスリット15b及びカム溝16cに対して摺動できるようにしてある。
尚、後方内筒15と回転カム16と摺動コマ17と第2コイルスプリング19とにより、回転カム16を回転させることで摺動コマ16を前後動させ、第1ボールペンレフィル6を軸筒3の前端開口部3dから出没させるための出没機構7が構成される。
尚、嵌合リング21の内周面と回転カム16の突起部16bとを係合した際の嵌合力は、キャップ体8を回転させた際に回転カム16がキャップ体8に連動して回転するよう、5N以上の嵌合力を備えた状態に調整してある。
図1の状態から、キャップ体8を右方向(図1における矢印方向)に回転させると、キャップ体8に係合している回転カム16が連動して同右方向に回転し、後方内筒15のスリット15b及び回転カム16に形成したカム溝16cの第一カム斜面16d1の後部に摺接しているカム突起18a(図7(a)参照)が、第2コイルスプリング19の弾発力に抗してスリット15b及び第一カム斜面16d1に摺接しつつ前方側に移動していく。
これに伴って、摺動コマ17がカム突起18aと共に前方へと移動していき、摺動コマ17によって把持されている第1ボールペンレフィル6も前進する。そして、第1ボールペンレフィル6のボールペンチップ24の前端傾斜部9cに前部内段5cが当接しているスライド部材5も第1コイルスプリング13の弾発力に抗して同時に前進し、先口3の前端開口部3dからボールペンチップ24の前端部とスライド部材5の前端部の両方が突出する図8の状態となる。
尚、図8の状態では、スライド部材5は第1コイルスプリング13及び第2コイルスプリング19の弾発力により後方へ弾発されているため、カム突起18aの摺接位置が第一段部16f1から第一カム斜面16d1に移ると、後はキャップ体8から手を離しても第1コイルスプリング13及び第2コイルスプリング19の弾発力だけで回転カム16が回転し、第1ボールペンレフィル6は自動的に図1の状態まで後退するよう構成してある。
また、チップ本体61の前端傾斜部61aの軸方向に対する傾斜角度は、スライド部材5の前部内段5cの軸方向に対する傾斜角度15°と同じく15°で形成してあり、これにより前端傾斜部61aと前部内段5cは面全体で当接し、第二ボールペンレフィル60(チップ本体61)はスライド部材5により安定した状態で支持される。
そして、図10のように第2ボールペンレフィル60を後端側から軸本体2の内部に挿入して摺動コマ17の内方突起17aで把持させ、先口3を螺合により再度取り付けることで第2ボールペンレフィル60が軸筒4内に装着された図11の状態となる。
これに伴って、摺動コマ17がカム突起18aと共に前方へと移動していき、摺動コマ17によって把持されている第2ボールペンレフィル60も前進していく。そして、第2ボールペンレフィル60のボールペンチップ61の前端傾斜部61aに前部内段5cが当接しているスライド部材5も第1コイルスプリング13の弾発力に抗して同時に前進し、先口3の前端開口部3dからボールペンチップ61の前端部とスライド部材5の前端部の両方が突出する図13の状態となる。
尚、第2ボールペンレフィル60を没入させる際、使用者は、カム突起18aが第二カム斜面16d2から第二段部16f2に移動する際の回転抵抗の変化により、第2ボールペンレフィル60の没入が終了したことを目視だけでなく触感でも認識でき、第2ボールペンレフィル60を没入させすぎることを防止できる。
更に、第1ボールペンレフィル6の場合と同様に、図13の状態では、スライド部材5は第1コイルスプリング13及び第2コイルスプリング19の弾発力により後方へ弾発されているため、カム突起18aの摺接位置が第三段部16f3から第二カム斜面16d2に移ると、後はキャップ体8から手を離しても第1コイルスプリング13及び第2コイルスプリング19の弾発力だけで回転カム16が回転し、第2ボールペンレフィル60は自動的に図11の状態まで後退するよう構成してある。この際、第二カム斜面16d2に沿って後退したカム突起18aの摺接位置が第二カム斜面16d2から第二段部16f2に移った時点で回転カム16は回転力を喪失し、それ以上は回転しなくなるため、ボールペンレフィル60が更に没入した図11の状態まで戻ることはない。
図14に示すように、紙面Hに垂直な方向に対して30°傾斜した状態で繰出式筆記具100を把持して通常の筆圧(約3N)で筆記すると、ボールペンチップ64は軸方向に対して直交する方向(図14の矢印P方向)に約1.5Nの力を受ける。この際、ボールペンチップ64の外径寸法はボールペンチップ24の外径寸法より0.2mm小さいことから、スライド部材5の内周面とボールペンチップ6のチップ本体61との間には隙間S(0.1mm)が形成され、チップ本体61の前端傾斜部61aと前部内段5cとで当接するスライド部材5には前端傾斜部61aに沿って前方側へ約0.4Nの力が掛かる。
この時、スライド部材5は、第1ボールペンレフィル6が装着されていた場合と同様に筆記時では第1コイルスプリング13により後方へ弾発力3.5Nで弾発されている。このため、筆圧が掛かっても第1コイルスプリング13の弾発力によりスライド部材5が前進することはなく、ボールペンチップ64をしっかり支持し、横方向(軸方向に対して直交する方向)に軸ぶれすることなく筆記を継続することができる。
また、インキ収容筒に収納するインキも特に限定されることはなく、油性、水性、ゲルインキ等、任意に組合わせることができる。
2…軸本体、2a…前方開口部、2b…内周面、
3…先口、3a…内孔、3a1…前部内孔(軸筒の第一孔部)、
3a2…後部内孔、3b…内段部、3c…雄螺子部、3d…前端開口部、
4…軸筒、
5…スライド部材、5a…前端開口部、5b…後部外段、5c…前部内段、
5d…鍔部(第二側面)、5e…前部外周面(第一側面)、5f…後端部、
6…第1ボールペンレフィル(レフィル)、
7…出没機構、
8…キャップ体、8a…内孔部、
9…チップ本体、9a…ボール抱持室、9b…インキ流通孔、9c…前端傾斜部、
9d…カシメ部、
10…インキ収容筒、
11…チップホルダー、
12…前方内筒、12a…外周部、12b…雌螺子部、
12c…内段部、12d…後部外周面、
13…第1コイルスプリング(弾発部材)、
14…ストッパリング、14a…内孔(軸筒の第二孔部)、14b…内突起、
15…後方内筒、15a…前端内周部、15b…スリット、
15c…後段部、15c…後段部、後部内段15d、
16…回転カム、16a…外段部、16b…突起部、16c…カム溝、
16d…繰出用カム斜面、16d1…第一カム斜面、16d2…第二カム斜面、
16e…長さ調整用カム斜面、16f…段部、16f1…第一段部、
16f2…第二段部、16f3…第三段部、
17…摺動コマ、17a…内方突起(レフィル支持部)、17b…長孔部、
17c…孔部、
18…棒状ピン、18a…カム突起、
19…第2コイルスプリング、
20…固定リング、
21…嵌合リング、
22…摩擦体、
23…ボール、
24…ボールペンチップ(先端チップ)、
25…尾栓、
60…第2ボールペンレフィル(他のレフィル)、
61…チップ本体、61a…前端傾斜部、61b…カシメ部、
62…インキ収容筒、
63…ボール、
64…ボールペンチップ(先端チップ)、
100…繰出式筆記具、
H…紙面。
Claims (4)
- 軸筒内に、筆記部である先端チップと筆記具用インキ組成物を収容するインキ収容筒とを備えたレフィルと、該レフィルを前記軸筒の前端開口部から出没させる出没機構と、を備えた繰出式筆記具であって、
前記先端チップが、筆記部材としてのボールと、前記ボールを抱持するためのボール抱持室と当該ボール抱持室の底壁の中央に形成されたインキ流通孔とを有するチップ本体と、を備え、前記ボール抱持室に挿入した前記ボールを、前記チップ本体に設けた前端傾斜部の前端部を内側にかしめることにより、該ボールの一部が該チップ本体の先端縁より突出した状態で回転自在に抱持させ、
前記軸筒内に、該軸筒に対して前後動自在に形成されたスライド部材が配設され、前記スライド部材と前記軸筒との間に弾発部材を配設することで該スライド部材を後方へ弾発し、
前記スライド部材の内周部に、軸方向前方へ向って縮径するよう傾斜して形成された前部内段を備え、前記出没機構に、前記レフィルの後部を着脱自在に保持するレフィル支持部が設けれており、
前記スライド部材の前部内段に前記先端チップの前端傾斜部を当接させ、前記スライド部材の前部内段と前記出没機構のレフィル支持部とで前記レフィルを狭持して保持することで、前記レフィルを、前記弾発部材により前記スライド部材を介して後方に弾発させたことを特徴とする繰出式筆記具。 - 前記スライド部材が、前部外側面に形成され軸方向に沿って延びる第一側面と、後部外側面に外方へ向って突出するように形成された第二側面と、を備え、
前記軸筒の内周面に、軸方向に沿って延び前記スライド部材の第一側面をガイドする第一孔部と、軸方向に沿って延び前記スライド部材の第二側面をガイドする第二孔部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の繰出式筆記具。 - 前記レフィルを前記軸筒の前端開口部から突出させた筆記状態における前記弾発部材の弾発力を2.0N以上、3.9N以下としたことを特徴とする請求項1または2に記載の繰出式筆記具。
- 前記軸筒の第二孔部の後方に、内方へ向って突出する内突起を備え、前記内突起と前記スライド部材とを当接可能に構成することで、該スライド部材の後方への移動を制限したことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の繰出式筆記具。
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