JP6947558B2 - 二次電池用構造体、及び二次電池用構造体の作成方法 - Google Patents

二次電池用構造体、及び二次電池用構造体の作成方法 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池用構造体、及び二次電池用構造体の作成方法に関する。
近年、固体電解質や半固体電解質等、流動性の少ない電解質を用いて二次電池を形成する技術が知られている。特許文献1には、固体電解質及び二次電池に関する技術が開示されている。同文献の段落[0025]には、「本発明の固体電解質は、少なくともオン液体(A)、アニオンを包接する機能を有する化合物(B)、電解質塩(C)及び無機化合物粒子(D)により構成されていることを特徴とする」と記載されている。また、段落[0068]には、「本発明の固体電解質では、上記構成材料に加えて、更に高分子化合物を含有することが好ましい。」と記載されている。
特開2011−81934号公報
電解液を含有する固体又は半固体の電解質を含む二次電池の構造体を生成する場合、電解質における粘着性の発現が課題となる。固体又は半固体の電解質を絶縁層に有する構造体の生成過程において、例えば生成に用いられる機器など、絶縁層以外の部分に粘着性のある電解質が付着することで、絶縁層表面が部分的に剥離する。絶縁層の厚みが減少すれば、短絡の要因となる。また、リチウムイオンを用いて二次電池を構成する場合、絶縁層の表面が不均一化することにより、部分的にリチウムが析出してリチウムデンドライトが発生し、短絡を招く。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、電解質の粘着性発現を抑制する二次電池用構造体の提供を目的とする。
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下の通りである。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る二次電池用構造体の作方法は、前記電解質層の各々に、該電解質層よりもポリマーを多く有するポリマーリッチ層を形成するポリマーリッチ層形成手順と、前記正極層に形成された前記ポリマーリッチ層と、前記負極層に形成された前記ポリマーリッチ層と、を重ね合わせて二次電池用構造体を生成する構造体生成手順と、を備え、前記ポリマーリッチ層は、前記電解質層よりも粘着性が低いことを特徴とする。
本発明によれば、電解質の粘着性発現を抑制する二次電池用構造体を提供することができる。
上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
二次電池用構造体の一例を示す模式図である。 二次電池用構造体の断面の一例を示す模式図である。 実施例及び比較例のポリマー分布を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の例を説明する。また、以下において、リチウムイオン二次電池用構造体を例に挙げて説明する。しかしながら、本実施形態における二次電池用構造体は、リチウムイオン二次電池に用いられる構造体に限定されない。以下の実施形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。さらに、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。また、実施形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、二次電池用構造体10の一例を示す模式図である。二次電池用構造体10は、正極電極1と、負極電極2とが交互に、絶縁層3を介して積層されている。正極電極1は、正極集電箔4及び正極塗工層5を有する。負極電極2は、負極集電箔6及び負極塗工層7を有する。正極集電箔4及び負極集電箔6は、例えばその一部において図示しない外装体の外側に延出する。
図1に示す正極電極1は、正極集電箔4の両面に正極塗工層5を塗工することにより作成される。また、図1に示す負極電極2は、負極集電箔6の両面に負極塗工層7を塗工することにより作成される。図1において、正極電極1の両面に絶縁層3を設けることにより構造体10Aが作成され、負極電極2の両面に絶縁層3を設けることにより構造体10Bが作成される。図1に示す二次電池用構造体10は、構造体10Aと、構造体10Bとを交互に積層してなる。
なお、二次電池用構造体10の有する電極の数及び積層方法は、図1に示す例に限定されない。二次電池用構造体10は、少なくとも1つの正極電極1と、少なくとも1つの負極電極2が、絶縁層3を介して積層されていればよい。
図2は、二次電池用構造体10の断面の一例を示す模式図である。図2は、二次電池用構造体10を積層方向(図1におけるY方向)に平行に切断した状態の断面図である。図2における正極電極1は、正極集電箔4の片面に正極塗工層5を塗工することにより作成される。このように、正極電極1は、正極集電箔4及び正極塗工層5を少なくとも1つずつ有していればよい。図2において、正極電極1の正極塗工層5に対して絶縁層3を形成することにより、構造体10Aが作成される。
また、図2における負極電極2は、負極集電箔6の片面に負極塗工層7を塗工することにより作成される。このように、負極電極2は、負極集電箔6及び負極塗工層7を少なくとも1つずつ有していればよい。図2において、負極電極2の負極塗工層7に対して絶縁層3を形成することにより、構造体10Bが作成される。なお、図1と同様に、二次電池用構造体10に含まれる電極の数は、図2に示す態様に限定されない。
構造体10Aと構造体10Bについて、各々の有する絶縁層が接するよう重ね合わせることにより、二次電池用構造体10が作成される。その結果、二次電池用構造体10は、一対の正極電極1及び負極電極2に対し、1つの絶縁層3を有する。
絶縁層3は、少なくとも1つの電解質層3aと、少なくとも1つのポリマーリッチ層3bとを有する。図2に示す構造体10Aは、正極電極1の正極塗工層5に電解質層3aを形成し、その電解質層3aに対しポリマーリッチ層3bを形成することにより作成される。また、図2に示す構造体10Bは、負極電極2の負極塗工層7に電解質層3aを形成し、その電解質層3aに対しポリマーリッチ層3bを形成することにより作成される。ポリマーリッチ層3bは、電解質層3aに比べてポリマーを多く含有している。なお、ポリマー量は質量%を基準とする。
図2に示す二次電池用構造体10は、正極電極1に形成されたポリマーリッチ層3bと、負極電極2に形成されたポリマーリッチ層3bとが重なり合うように、構造体10Aと構造体10Bとを重ね合わせることにより作成される。その結果、二次電池用構造体10は、一対の正極電極1及び負極電極2に対し、1つのポリマーリッチ層3bと、該ポリマーリッチ層3bの両面に隣接する一対の電解質層3aが形成され、電解質層3aの1つは正極塗工層5に隣接し、電解質層3bの他の1つは負極塗工層7に隣接する。
なお、図2に示す絶縁層3は、構造体10Aの有するポリマーリッチ層3bと、構造体10Bの有するポリマーリッチ層3bとの間に境界線を有している。これは、二次電池用構造体10の作成方法を説明するために便宜的に記載したものであり、ポリマーリッチ層3bが層内部に境界線を有することを意味していない。
なお、絶縁層3の構造は、図2に示す例に限定されない。例えば、絶縁層3の有する一対の電解質層3aの厚さは均一でなくてもよい。また、絶縁層3は、例えば1つの電解質層3aと、1つのポリマーリッチ層3bにより形成されてもよい。
<正極集電箔4>
正極集電箔4には、例えばステンレス箔、アルミニウム箔、銅箔等の金属箔が用いられる。正極集電箔4の厚さは、好ましくは1μm〜20μmである。
<正極塗工層5>
正極塗工層5は、正極活物質、結着剤、導電助剤、及び電解質を有する正極合剤を用いて作成される。正極活物質には、例えばコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等が用いられるが、これらに限定されるものではない。正極活物質は、リチウムを挿入・脱離可能な材料であり、予め充分な量のリチウムを挿入したリチウム含有遷移金属酸化物であればよい。また、正極活物質は、Mn、Ni、Co、Feなどの単体、または、2種類以上の遷移金属を主成分とする材料であってもよい。
また、正極活物質の結晶構造についても、スピネル結晶構造や層状結晶構造等、リチウムイオンを挿入・脱離可能な構造であれば特に限定されない。さらに、結晶中の遷移金属やリチウムの一部をFe、Co、Ni、Cr、Al、Mgなどの元素で置換した材料や、結晶中にFe、Co、Ni、Cr、Al、Mgなどの元素をドープした材料を正極活物質として使用してもよい。
結着剤は、正極合剤中の材料間の密着性を確保するために用いられる。結着剤には、例えばポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴムやこれらの混合物などを使用することができる。
導電助剤は、正極塗工層5内の電子伝導性を担うために用いられる。導電助剤には、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、人造黒鉛、カーボンナノチューブ等の炭素材料を使用することができる。
電解質は、電解液を含む。電解液は、非水電解液であれば特に限定されない。電解質塩としては、例えば、(CFSO)NLi、 (SOF)NLi、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLiなどのリチウム塩や、これらの混合物を使用することができる。
なお、非水電解液の溶媒としては、例えば、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等の有機溶媒や、これらの混合液を使用することができる。
また、電解質は、担持材を含んでいてもよい。担持材は、例えば粒子であって、表面に電解液を担持するために用いられる。そのため、担持材は、単位体積当りの粒子表面積が大きい微粒子であることが望ましい。担持材には、例えば二酸化シリコン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、ポリプロピレン、ポリエチレンやこれらの混合物が用いられる。しかしながら、担持材は本例に限定されず、例えば上述の導電助剤が担持材としての役割を果たすものであってもよい。
<正極電極1の作成方法>
正極電極1を作成する方法として、まず、正極活物質、結着剤、導電助剤、及び電解質を混合し、さらに分散溶媒中に分散させることで、正極スラリーを作製する。なお、分散溶媒は、正極塗工層5の材料を分散可能であればよく、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いることができる。
次に、正極スラリーを正極集電箔4上に塗工し、乾燥させる。例えば、正極スラリーが塗工された正極集電箔4を乾燥炉で加熱することにより、正極集電箔4上に塗布されている正極スラリーを乾燥させる。ここでの加熱処理は、電解質中の電解液が分解しない温度(例えば120℃以下)に設定することが望ましい。
そして、乾燥した膜をプレス圧縮することで、正極塗工層5が得られる。正極塗工層5の厚みは、容量によるが、例えば、10μm〜200μmである。その結果、正極集電箔4と正極塗工層5とを含む正極電極1を得ることができる。
<負極集電箔6>
負極集電箔6には、例えばステンレス箔、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔が用いられる。負極集電箔66の厚みは、例えば1μm〜20μmである。
<負極塗工層7>
負極塗工層7は、負極活物質、結着剤、導電助剤、及び電解質を有する負極合剤を用いて作成される。この他、負極塗工層7は増粘剤を含んでいてもよい。負極活物質には、例えば、結晶質の炭素材料や非晶質の炭素材料を使用することができる。ただし、負極活物質はこれらの物質に限定されるものではなく、例えば、天然黒鉛や、人造の各種黒鉛剤、コークスなどの炭素材料などを使用してもよい。そして、負極活物質の粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状など様々な粒子形状のものが適用可能である。
結着剤には、例えばポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴムやこれらの混合物などを使用することができる。
導電助剤には、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、人造黒鉛、カーボンナノチューブなどの炭素材料を使用することができる。電解質は、正極塗工層5に用いられる電解質と同様であるため、説明を省略する。
<負極電極2の作成方法>
負極電極2を作成する方法として、まず、負極活物質、結着剤、導電助剤、及び電解質を混合し、さらに分散溶媒中に分散させることで、負極スラリーを作製する。なお、分散溶媒は、負極塗工層7の材料を分散可能であればよく、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いることができる。
次に、負極スラリーを負極集電箔6上に塗工し、乾燥炉で乾燥させる。例えば、負極スラリーが塗工された負極集電箔6を120℃以下で加熱することにより、負極集電箔6上に塗布されている負極スラリーを乾燥させる。
なお、加熱処理は、電解液が分解しない温度に設定することが望ましい。そして、乾燥した膜をプレス圧縮することで、負極塗工層7が得られる。負極塗工層7の厚みは、容量によるが、例えば、10μm〜200μmである。その結果、負極集電箔6と負極塗工層7とを含む負極電極2を得ることができる。
<電解質層3a>
次に、電解質層3aについて説明する。電解質層3aは、半固体電解質と、結着剤とを含む材料により作成される。半固体電解質は、正極合剤及び負極合剤に用いられる電解質と同様に、電解液と、電解液の溶媒とを含んでいる。電解液と溶媒については、正極合剤に用いられるものと同様であるため、説明を省略する。
なお、電解質層3aは、正極合剤及び負極合剤と同様に用いられる電解質と同様に、担持材を含んでいてもよい。しかしながら、絶縁層3は絶縁性を有するため、正極合剤及び負極合剤と異なり、導電助剤を担持材として用いることはできない。
結着剤には、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴムやこれらの混合物などを使用することができる。
<ポリマーリッチ層3b>
ポリマーリッチ層3bは、ポリマーを含む。ポリマーは、例えばフッ素を含有しており、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレンやこれらの混合物を使用することができる。
ポリマーリッチ層3bは、他に電解質又は担持材を含んでいてもよい。電解質は、正極合剤、負極合剤、及び電解質層3aに用いられる電解質と同様であるため、説明を省略する。ポリマーリッチ層3bに電解質を含有させることにより、電極間のイオン伝導性を向上させることができる。
担持材は、電解質層3aに用いることのできる担持材と同様に、導電助剤を除く二酸化シリコン等の微粒子を用いることができる。ポリマーリッチ層3bに担持材を含有させることにより、二次電池用構造体10におけるポリマーリッチ層3bの強度が増すと考えられる。
<絶縁層3の作成方法>
絶縁層3は、正極電極1と負極電極2との間を絶縁し、電気的な接触を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるスペーサーとしての機能を有している。
絶縁層3の生成方法として、まず電解質層3aを電極層に形成する。半固体電解質、結着剤、及び必要に応じて担持材を混合し、さらに分散溶媒として、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させることで、半固体電解質スラリーを作製する。
次に半固体電解質スラリーを正極塗工層5上に塗工し、乾燥させる。例えば、半固体電解質スラリーが塗工された正極電極1を乾燥炉で加熱することにより、正極電極1上に塗布されている半固体電解質スラリーを乾燥させる。ここでの加熱処理は、電解液は分解しない温度(例えば120℃以下)に設定する必要がある。以上のようにして、正極電極1上に電解質層3aを形成することができる。
次に、電解質層3aに対してポリマーリッチ層3bを形成する。一例として、ポリマーをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の分散溶媒に分散させたポリマー含有溶液を作成し、電解質層3a上に塗工する。ポリマー含有溶液は、ポリマー以外にも、電解質層3aに含まれるものと同様の電解液、又は電解質層3aに含ませることのできるものと同様の担持材、又はこれらの組合せを含むものであってもよい。
次に、電解質層3a上に塗布されているポリマー含有溶液を乾燥させる。例えば、ポリマー含有溶液が塗工された電解質層3aを乾燥炉で加熱することにより、ポリマー含有溶液を乾燥させる。ポリマー含有溶液に電解液が含まれている場合、ここでの加熱処理は、電解液が分解しない温度(例えば120℃)に設定することが望ましい。これにより、電解質層3a上にポリマーリッチ層3bを形成することができる。
また、他の例として、ポリマーの粉末を電解質上に直接添加させてもよい。この例によっても、電解質層3a上に形成されたポリマーリッチ層3bを得ることができる。なお、ポリマーリッチ層3bは、例えば1μm〜10μmの厚さを有する。この例によれば、電解質層3aの製造工程の簡素化が期待できる。
同様にして、負極電極2に対しても、負極塗工層7上に電解質層3aとポリマーリッチ層3bとを形成する。
なお、1つの絶縁層3が、1つの電解質層3aと1つのポリマーリッチ層3bとを有する場合の絶縁層3の形成方法はこの限りでない。その場合、例えば正極塗工層5と負極塗工層7との一方に電解質層3aを設け、他方にポリマーリッチ層3bとを設ければよい。なお、電解質層3aとポリマーリッチ層3bとが接するように各電極を重ね合わせることにより、一対の正極電極1と負極電極2とに対し1つの絶縁層3が形成される。
<二次電池用構造体10>
電解質層3aとポリマーリッチ層3bとを形成した正極電極1及び負極電極2を用いて、二次電池用構造体10を得る。具体的には、正極電極1に形成されたポリマーリッチ層3bと、負極電極2に形成されたポリマーリッチ層3bとが隣接するように、正極電極1と負極電極2とを重ね合わせる。また、必要に応じて、さらに正極電極1と負極電極2とを絶縁層3を介して重ね合わせる。これにより、ポリマーリッチ層3bに一対の電解質層3aが隣接し、電解質層3aの各々に正極電極1及び負極電極2が隣接する二次電池用構造体10を得ることができる。
本実施形態では、絶縁層3を電解質層3aとポリマーリッチ層3bとにより構成する。また、ポリマーリッチ層3bは、電解質層3aよりもポリマーを多く含有する。これにより、絶縁層3における粘着性の発現が抑制され、性能のよい二次電池用構造体10を効率的に得ることができる。
<実施例1>
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、半固体電解質として、 (CFSO)NLiを電解質塩として含んだテトラエチレングリコールジメチルエーテルを準備した。また、担持材として、二酸化シリコン粉末を準備した。また、結着剤として、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を準備した。
次に、半固体電解質、担持材、結着剤の重量%が63、25、12となるように混合し、さらにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させることで、半固体電解質スラリーを作製した。上記半固体電解質スラリーをステンレス箔上に塗布し、100℃の熱風乾燥炉で10分間乾燥させることにより、電解質層3aを得た。
次に、ポリマーとして、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を準備した。ポリマーの重量%がN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に12となるように溶解させ、ポリマー含有溶液を作製した。ポリマー含有溶液を電解質層3a上に塗布し、100℃の熱風乾燥炉で10分間乾燥させることにより、ポリマーリッチ層3bを得た。即ち、電解質層3aとポリマーリッチ層3bとを含む絶縁層3を得た。
<実施例2>
次に実施例2について説明する。実施例1と同様に、ステンレス箔上に電解質層3aを形成した。
次に、半固体電解質として、 (CFSO)NLiを電解質塩として含んだテトラエチレングリコールジメチルエーテルを準備した。また、担持材として、二酸化シリコン粉末を準備した。また、ポリマーとして、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を準備した。半固体電解質、担持材、ポリマーの重量%が45、19、36となるように混合し、さらにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させることで、ポリマー含有溶液を作製した。
次に、ポリマー含有溶液を電解質層3a上に塗布し、100℃の熱風乾燥炉で10分間乾燥させることにより、ポリマーリッチ層3bを得た。即ち、電解質層3aとポリマーリッチ層3bとを含む絶縁層3を得た。
<実施例3>
次に実施例3について説明する。実施例1と同様に、ステンレス箔上に電解質層3aを形成した。
次に、ポリマーとして、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を準備した。ポリマーの粉末を乳鉢により粉砕後、目開き32μmの篩を用い、電解質層3a上に添加した。その後、電解質層3a表面を窒素ブローにより、電解質層3a表面の余分な粉末を除去することにより、ポリマーリッチ層3bを得た。即ち、電解質層3aとポリマーリッチ層3bとを含む絶縁層3を得た。
<比較例>
次に比較例について説明する。実施例1と同様に、ステンレス箔上に電解質層3aを形成した。その後、電解質層3aに対してポリマーリッチ層3bを形成させなかった。即ち、比較例における絶縁層3は、電解質層3aを含み、ポリマーリッチ層3bを含んでいない。
<実施例及び比較例の評価>
実施例1、2、3及び比較例で得られた構造体について、以下の方法により評価を行った。
各構造体を1cmに切り出し、厚さ0.015mm、縦横2cm角のステンレス箔を重ね、さらに厚さ1mm、縦26mm、横76mmのスライドガラスを絶縁層3上に配置し、1kgf/cm2の圧力を印加した。なお、実施例1、2、及び3については、ポリマーリッチ層3b上にステンレス箔を重ね、比較例については電解質層3a上にステンレス箔を重ねた。
その後、ステンレス箔を剥離し、剥離面を目視にて観察した。剥離面に転写物が全く観られなかったものを「○」、剥離面に転写物が観られたものを「×」と評価した。評価した結果を表1に示す。
Figure 0006947558
表1に示すように、本実施例の1〜3において剥離面に転写物は確認されなかった。即ち、絶縁層3の粘着性が抑制され、電解質表面のダメージを防ぐことができたことが分かった。
次に、実施例の1〜3及び比較例における絶縁層3のポリマー分布の定量評価を行った。
図3は、実施例及び比較例のポリマー分布を示す図である。ポリマー分布の定量評価は、走査型電子顕微鏡(SEM)に搭載されたエネルギー分散型蛍光X線分光(EDX)装置を利用して実施した。倍率4000倍のSEM像において、幅30μm、高さ3μm程度の分析領域を、絶縁層3におけるポリマーリッチ層3b側からステンレス箔側に6領域に分割し、そのうちポリマーリッチ層3b側から1〜5番目の領域でEDX分析を実施した。絶縁層3の構成元素のうち、フッ素の含有量をその領域におけるポリマー量の指標として算出し、各領域でのフッ素含有量の相対変化を評価した。
なお、図3における分析領域は、数字が小さいほど絶縁層3の表面(即ちポリマーリッチ層3b側)に近く、数字が大きいほどステンレス箔側に近いことを示している。また、ポリマー量は、分析領域「3」での値を基準とし、他の分析領域におけるポリマー量の分析領域「3」におけるポリマー量に対する割合を算出することにより、相対値を取得した。
図3に示すように、実施例1〜3における分析領域「1」(即ち絶縁層3の表面付近)のポリマー量は、絶縁層3の積層方向の中央部付近である分析領域「3」のポリマー量の1.2倍以上となった。従って、絶縁層3を電解質層3a及びポリマーリッチ層3bにより構成し、ポリマーリッチ層3bのポリマー量が電解質層3aよりも多くなるように絶縁層3を構成することで、電解質の粘着性発現が抑制されることが分かった。
以上、本発明に係る各実施形態及び変形例の説明を行ってきたが、本発明は、上記した実施形態の一例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態の一例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。
1:正極電極、2:負極電極、3:絶縁層、3a:電解質層、3b:ポリマーリッチ層、4:正極集電箔、5:正極塗工層、6:負極集電箔、7:負極塗工層、10:二次電池用構造体、10A・10B:構造体

Claims (5)

  1. 正極層及び負極層に電解質層を形成する電解質層形成手順と、
    前記電解質層の各々に、該電解質層よりもポリマーを多く有するポリマーリッチ層を形成するポリマーリッチ層形成手順と、
    前記正極層に形成された前記ポリマーリッチ層と、前記負極層に形成された前記ポリマーリッチ層と、を重ね合わせて二次電池用構造体を生成する構造体生成手順と、を備え
    前記ポリマーリッチ層は、前記電解質層よりも粘着性が低いことを特徴とする、二次電池用構造体の作方法。
  2. 請求項1に記載の二次電池用構造体の作製方法であって、
    前記ポリマーはフッ素を含有することを特徴とする、二次電池用構造体の作製方法
  3. 請求項1に記載の二次電池用構造体の作製方法であって、
    前記ポリマーリッチ層のフッ素含有量は、前記電解質層のフッ素含有量よりも多いことを特徴とする、二次電池用構造体の作製方法
  4. 請求項1に記載の二次電池用構造体の作製方法であって、
    前記ポリマーリッチ層に一対の前記電解質層が隣接し、前記電解質層の各々に前記正極層及び前記負極層が隣接することを特徴とする、二次電池用構造体の作製方法
  5. 請求項1に記載の二次電池用構造体の作製方法であって、
    前記ポリマーリッチ層の有するポリマーの含有量は、前記電解質層の有するポリマーの含有量の1.2倍以上であることを特徴とする、二次電池用構造体の作製方法
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