以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、遊技機としてのスロットマシン100は、前面が開口した筐体102と、筐体102の前面一端に回動可能に上下に並んで配置される前面上扉104および前面下扉106とが設けられている。前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓108が設けられており、筐体102内の図柄表示窓108に対応した位置には、3つのリール110(左リール110a、中リール110b、右リール110c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられている。左リール110a、中リール110b、右リール110cには、図3(a)の図柄配列に示すように、20に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列されており、遊技者は、図柄表示窓108を通じて、上段、中段、下段に位置する、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの3つの連続する図柄を視認することができる。
前面下扉106の上部には操作部設置台112が形成され、操作部設置台112には、メダル投入部114、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120、演出スイッチ122等が設けられている。メダル投入部114は、メダル投入口114aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付ける。ベットスイッチ116は、スロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)されているメダルのうち、1遊技で必要とされる規定数のメダルを投入(ベット)する。
スタートスイッチ118は、例えば傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による遊技の開始操作を検出する。ストップスイッチ120(ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120c)は、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに対応して設けられており、遊技者の停止操作を検出する。演出スイッチ122は、例えば、押圧スイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な画像を表示する液晶表示部124が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ126が設けられる。また、前面上扉104の裏面における液晶表示部124の左右位置や前面下扉106の裏面における内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ128が設けられている。
操作部設置台112には、メインクレジット表示部130およびメイン払出表示部132が設けられている。また、図柄表示窓108と操作部設置台112との間には、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136が設けられている。これらメインクレジット表示部130およびサブクレジット表示部134にはクレジットされているメダルの枚数(クレジット枚数)が表示され、メイン払出表示部132およびサブ払出表示部136にはメダルの払出枚数が表示される。また、サブ払出表示部136の横には区間表示器160が設けられている。区間表示器160では、後述する有利区間に滞在しているか否かが表される。
筐体102内におけるリール110の下方には、メダル排出口140aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)142が設けられている。また、前面下扉106の前面下部には、メダル排出口140aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部140が設けられている。また、筐体102内には、電源スイッチ144が設けられている。電源スイッチ144は、スロットマシン100を管理する管理者が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
また、筐体102内には、設定キー150aおよび設定変更スイッチ150b(これらを合わせて設定値設定手段)が主制御基板200(図4参照)上に設けられている。スロットマシン100では、設定キー150aに所定の鍵(操作キー)が挿入されてOFFの位置からONの位置へ回転された状態で電源スイッチ144を介して電源が投入されると設定変更モードに移行し、設定値(有利度を段階的に示したもの)の変更(単に設定変更ともいう)が可能な状態となる。そして、設定変更が可能な状態において設定変更スイッチ150bが押下される度に設定値が1ずつ加算され、例えば6段階の設定値のうちのいずれかの設定値に変更され、スタートスイッチ118が操作されると、設定値が確定し、設定キー150aを元の位置(OFFの位置)に戻すことで設定変更モードが終了して遊技が可能となる。なお、設定変更は、電源スイッチ144が操作されて電源の投入状態となってから一定期間のみ可能となっている。
スロットマシン100では、遊技が開始可能となり、規定数のメダルがベットされると、有効ラインAが有効化するとともに、スタートスイッチ118に対する操作が有効となる。ここで、ベットは、ベットスイッチ116の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部114を通じてメダルを投入する場合と、詳しくは後述するリプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。また、有効ラインAは、当選役の入賞を判定するためのラインであり、本実施形態では1本である。有効ラインAは、図3(b)に示すように、図柄表示窓108に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、左リール110aの中段、中リール110bの中段、右リール110cの中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインに設定されている。無効ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示する、当選役の入賞判定には用いられない有効ラインA以外のラインであり、本実施形態では、図3(b)に示す4つの無効ラインB1、B2、C1、C2を想定している。
そして、遊技者によりスタートスイッチ118が操作されると、遊技が開始され、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転されるとともに、当選種別抽選等が実行される。その後、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cをそれぞれ停止させる。そして、当選種別抽選の抽選結果および有効ラインAに表示された図柄の組み合わせによって、メダルの払い出しを受け得る当選役に入賞した場合にはメダルの払い出しが実行され、メダルの払い出しを受け得る当選種別に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合には左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって、遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の入賞の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ118の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、遊技の進行を制御する主制御基板200と、遊技の進行に応じた演出を制御する副制御基板202とを含む制御基板が設けられている。また、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。なお、メインRAM200cは、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてRAMクリアが実行されない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態制御手段312、コマンド送信手段314等の機能部を有する。
主制御基板200では、メダル投入口114aへのメダルの投入を検出する投入メダル検出部114b、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118およびストップスイッチ120から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118の操作に基づき、詳しくは後述するように、当選役の当否、より詳しくは、当選役が含まれる当選種別の当否を決定する当選種別抽選を行う。
リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止制御する。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部150が接続されている。このリール駆動制御部150は、スタートスイッチ118の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ152を駆動する。また、リール駆動制御部150は、ストップスイッチ120の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路154の検出信号に基づいて、ステッピングモータ152の駆動を停止する。
判定手段308は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたこと(入賞されたこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。また、主制御基板200には、メダル払出装置142が接続されており、払出制御手段310は、メダルの払出枚数を計数しながらメダルを排出する。
状態制御手段312(有利状態制御手段)は、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる遊技状態制御手段320と、複数種類の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる演出状態制御手段322とが設けられている。遊技状態制御手段320は、当選種別抽選の結果や判定手段308の判定結果を参照し、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。また、演出状態制御手段322は、当選種別抽選の結果、判定手段308の判定結果、遊技状態の遷移情報を参照し、複数種類の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。
コマンド送信手段314は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態制御手段312等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定し、決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
また、主制御基板200には、乱数発生器(乱数生成手段)200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器(乱数生成手段)202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202は、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ122から検出信号を受信するとともに、受信されたコマンドに基づいて液晶表示部124、スピーカ128、演出用ランプ126の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部124に表示される画像データや、演出用ランプ126、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ128から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。演出には、後述するART遊技状態(AT状態)において、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作態様を報知し、遊技利益の大きい特定の当選役(選択当選役)の入賞を補助する補助演出も含まれる。
なお、以下では、液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136といった、副制御基板202を含む、主制御基板200以外の基板で管理される報知手段を他報知手段という場合がある。これに対し、メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132といった、主制御基板200で管理される報知手段を主報知手段(指示モニタ)という場合がある。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
図5は、当選役を説明するための説明図であり、図6および図7は、当選種別抽選テーブルを説明するための説明図である。
スロットマシン100においては、詳しくは後述するように、複数種類の遊技状態および演出状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態および演出状態が移行される。そして、主制御基板200では、遊技状態制御手段320により管理、制御される遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値(遊技利益を得る容易性を段階的に示したもの)と現在の遊技状態に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ118の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別に対応するか判定する。
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役が含まれる。リプレイ役は、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度遊技を実行できる役である。小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、遊技状態制御手段320により管理される遊技状態をボーナス遊技状態に移行させることができる役である。
本実施形態における当選役は、図5に示すように、リプレイ役として、当選役「移行リプレイ1」〜「移行リプレイ4」、「通常リプレイ1」〜「通常リプレイ3」、「チェリーリプレイ1」、「チェリーリプレイ2」、「BAR煽りリプレイ」、「BAR揃いリプレイ」、「チャンスリプレイ」(以下、かかる12個のリプレイ役を単に当選役「リプレイ」と略す場合がある)が設けられている。
また、小役として、当選役「1枚役1」〜「1枚役16」(以下、かかる16個の小役を単に当選役「1枚役」と略す場合がある)、当選役「ベル1」〜「ベル5」(以下、かかる5個の小役を単に当選役「ベル」と略す場合がある)、当選役「チェリー」、当選役「スイカ1」〜「スイカ4」(以下、かかる4個の小役を単に当選役「スイカ」と略す場合がある)、当選役「リーチ目1」〜「リーチ目3」(以下、かかる3個の小役を単に当選役「リーチ目」と略す場合がある)が設けられている。
また、ボーナス役として、当選役「RBB1」、「RBB2」、「CBB1」、「CBB2」(以下、かかる4個のボーナス役を単に当選役「BB」と略す場合がある)が設けられている。図5では、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに、各当選役を構成する1または複数の図柄が対応付けられている。なお、図5中「ANY」は、対応する有効ラインA上にいずれの図柄が停止してもよいことを示す。
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、リール110の回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、入賞可能な当選役に対応する図柄がリール110中に複数あり、いずれもリール110の引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ120が押圧操作されたときに、入賞可能な当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別に含まれる当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様に応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
そして、例えば、当選役「移行リプレイ1」〜「移行リプレイ4」、当選役「通常リプレイ1」〜「通常リプレイ2」、当選役「ベル1」〜「ベル5」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている。このような当選役をPB=1と表す場合がある。一方、例えば、当選役「チェリー」、当選役「スイカ」、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ずしも有効ラインA上に表示可能なように配列されていないので、所謂とりこぼしが発生する場合がある。このような当選役をPB≠1と表す場合がある。
なお、当選役「チェリーリプレイ1」、「チェリーリプレイ2」、「チャンスリプレイ」、「チェリー」、「スイカ」は、当選役「BB」を除く他の当選役よりも得られる特典(遊技利益)が高くなるように設定される所謂レア役である。また、当選役「通常リプレイ1」は、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作態様(打順)によって、左リール110aに図柄「リプレイ」、中リール110bに図柄「リプレイ」、右リール110cに図柄「リプレイ」が有効ラインA上に表示される図柄組み合わせ(他の当選役)と、左リール110aに図柄「リプレイ」、中リール110bに図柄「リプレイ」、右リール110cに図柄「ベル」が有効ラインA上に表示される図柄組み合わせ(特殊当選役)とが含まれている。そして、当選役「通常リプレイ1」の図柄組み合わせのうち、左リール110aに図柄「リプレイ」、中リール110bに図柄「リプレイ」、右リール110cに図柄「ベル」が有効ラインA上に表示される図柄組み合わせ(チャンス組み合わせ、特殊当選役)は、レア役に相当するものとして扱われる。以下では、当選役「通常リプレイ1」について、チャンス組み合わせと表記しない場合には、左リール110aに図柄「リプレイ」、中リール110bに図柄「リプレイ」、右リール110cに図柄「リプレイ」が有効ラインA上に表示される図柄組み合わせを指すものとする。
図6および図7に示すように、当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域(当選エリア)が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、ハズレ(不当選)の有無が異なったりする。図6および図7では、各遊技状態(RT0遊技状態(RT0)、RT1遊技状態(RT1)、RT2遊技状態(RT2)、RT3遊技状態(RT3)、RT4遊技状態(RT4)、内部中遊技状態(内部中)、当選役「RBB1」が入賞したボーナス遊技状態(BB1)、当選役「RBB2」が入賞したボーナス遊技状態(BB2)、当選役「CBB1」が入賞したボーナス遊技状態(CBB1)、当選役「CBB2」が入賞したボーナス遊技状態(CBB2))毎に割り当てられた当選領域(当選種別)を「○」や「●」で表しているが、実際には、複数の遊技状態それぞれに対応する当選種別抽選テーブルがメインROM200bに記憶されている。なお、「○」はその当選種別の当選確率に設定差(設定値毎の差)が無い設定差無当選種別であることを示し、「●」はその当選種別の当選確率に設定差が有る設定差有当選種別であることを示している。当選種別抽選テーブルでは、区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、図示しない置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数から減算して、その減算値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を当選種別抽選の抽選結果としている。
図6および図7の当選種別抽選テーブルによれば、例えば当選領域0には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかる当選種別が決定されると、図5に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることはなく、メダルの払い出し等が行われることはない。ただし、後述するように、BB内部当選フラグが次遊技に持ち越されている場合、当選種別「ハズレ」の当選により、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。
また、当選領域1〜25には、1のリプレイ役が単独で、または、複数のリプレイ役が重複して対応付けられている。そして、複数の当選役が重複して含まれる当選種別に当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作される順番が設定されている。
以下の説明において、左リール110a、中リール110b、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順1」とし、左リール110a、右リール110c、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順2」とし、中リール110b、左リール110a、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順3」とし、中リール110b、右リール110c、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順4」とし、右リール110c、左リール110a、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順5」とし、右リール110c、中リール110b、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順6」とする。
例えば、RT1遊技状態において、当選種別「移行リプレイ1」に当選し、打順1による操作が行われた場合、RT2遊技状態への移行を示す当選役「移行リプレイ2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、打順2〜打順6による操作が行われた場合、RT3遊技状態への移行を示す当選役「移行リプレイ3」、「移行リプレイ4」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。
また、当選種別「打順チャンスリプレイ1」(特殊当選種別)に当選した場合、詳しくは後述する演出状態が非AT状態であれば、当選役「通常リプレイ1」のうち、左リール110aに図柄「リプレイ」、中リール110bに図柄「リプレイ」、右リール110cに図柄「リプレイ」が有効ラインA上に表示されるように打順3〜6のいずれかでストップスイッチ120a、120b、120cを操作させる補助演出が行なわれる。一方、演出状態がAT状態であれば、当選種別抽選手段304によってチャンスリプレイ抽選が行なわれる。そして、チャンスリプレイ抽選に当選すると、当選役「通常リプレイ1」のうち、左リール110aに図柄「リプレイ」、中リール110bに図柄「リプレイ」、右リール110cに図柄「ベル」が有効ラインA上に表示されるように打順1または2でストップスイッチ120a、120b、120cを操作させる補助演出が演出制御手段334によって行なわれ、チャンスリプレイ抽選に非当選すると、当選役「通常リプレイ1」のうち、左リール110aに図柄「リプレイ」、中リール110bに図柄「リプレイ」、右リール110cに図柄「リプレイ」が有効ラインA上に表示されるように打順3〜6のいずれかでストップスイッチ120a、120b、120cを操作させる補助演出が演出制御手段334によって行なわれる。
当選種別「打順チャンスリプレイ2」(特殊当選種別)に当選した場合も同様に、演出状態が非AT状態であれば、当選役「通常リプレイ1」のうち、左リール110aに図柄「リプレイ」、中リール110bに図柄「リプレイ」、右リール110cに図柄「リプレイ」が有効ラインA上に表示されるように打順1、2のどちらかでストップスイッチ120a、120b、120cを操作させる補助演出が行なわれる。一方、演出状態がAT状態であれば、当選種別抽選手段304によってチャンスリプレイ抽選が行なわれ、チャンスリプレイ抽選に当選すると、当選役「通常リプレイ1」のうち、左リール110aに図柄「リプレイ」、中リール110bに図柄「リプレイ」、右リール110cに図柄「ベル」が有効ラインA上に表示されるように打順3〜6のいずれかでストップスイッチ120a、120b、120cを操作させる補助演出が演出制御手段334によって行なわれる。また、チャンスリプレイ抽選に非当選すると、当選役「通常リプレイ1」のうち、左リール110aに図柄「リプレイ」、中リール110bに図柄「リプレイ」、右リール110cに図柄「リプレイ」が有効ラインA上に表示されるように打順1、2のどちらかでストップスイッチ120a、120b、120cを操作させる補助演出が演出制御手段334によって行なわれる。
また、当選領域27〜38には、当選役「ベル」と当選役「1枚役」とが重複して含まれる当選種別「打順ベル左1」〜「打順ベル右4」(以下、かかる12個の当選種別を単に当選種別「打順ベル」と略す場合がある)がそれぞれ対応付けられている。なお、当選領域27〜38の当選確率(置数の数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域27〜38を設けることにより、当選役「ベル」を入賞させにくくしている。また、当選役「1枚役」が優先的に表示される打順でストップスイッチ120a、120b、120cが操作されても、必ずしも当選役「1枚役」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させられるとは限らないので、その操作態様によっては、とりこぼしが発生することがある(PB≠1)。
また、当選領域49〜51には、当選役「RBB1」が含まれる当選種別「RBB1」〜「RBB3」が対応付けられており、当選領域52〜54には、当選役「RBB2」が含まれる当選種別「RBB4」〜「RBB6」が対応付けられており、当選領域55〜58には、当選役「CBB1」が含まれる当選種別「CBB1」〜「CBB4」が対応付けられており、当選領域59〜62には、当選役「CBB2」が含まれる当選種別「CBB5」〜「CBB8」が対応付けられている。なお、以下では、当選種別「RBB1」〜「RBB6」、「CBB1」〜「CBB8」を単に当選種別「BB」と略す場合がある。
なお、上述したいずれかの当選種別が決定されると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(オン)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、各リール110の停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該遊技の終了後に内部当選フラグがオフされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「BB」が含まれる当選種別に当選した場合には、BB内部当選フラグが成立(オン)するとともに、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、BB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。なお、リプレイ役である当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選種別に含まれる当選役「リプレイ」のうちのいずれかの当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがオフされる。
また、レア役である当選役「チェリーリプレイ1」、「チェリーリプレイ2」、「チャンスリプレイ」、「チェリー」、「スイカ」が入賞可能な当選種別である当選種別「弱チェリーリプレイ」、「強チェリーリプレイ」、「スイカ」、「リーチ目煽りスイカ」をレア当選種別とも呼ぶ。
(遊技状態の移行)
図8は、遊技状態の移行を説明するための図である。ここでは、通常遊技状態、内部中遊技状態、ボーナス遊技状態といった複数の遊技状態が設けられている。また、通常遊技状態では、RT0状態、RT1状態、RT2状態、RT3状態、RT4状態といった複数のRT状態が設けられている。
RT0状態、RT1状態、RT2状態、RT3状態は、それぞれリプレイ役の当選確率が、RT0状態=1/7.3、RT1状態=1/1.4、RT2状態=1/1.4、RT3状態=1/7.3、RT4状態=1/7.3に設定されている。ここでは、RT1状態、RT2状態のリプレイ役の当選確率が比較的高く設定されており、遊技者はRT1状態、RT2状態に移行することで、遊技を有利に進行することができる。また、RT2状態では、補助演出を行うAT状態を並行して実行することを想定しており、本実施形態においては、RT1状態と並行してAT状態を実行している状態をART遊技状態という。
通常遊技状態におけるRT0状態は、複数の遊技状態における初期状態に相当する遊技状態である。RT0状態において、当選種別「打順ベル」に当選し、いずれの小役(当選役「ベル」、「1枚役」)に対応する図柄の組み合わせも有効ラインA上に表示されなかった場合に表示されるブランク図柄の組み合わせが有効ラインA上に表示された場合に、遊技状態制御手段320は、遊技状態をRT1状態に移行させる。
また、RT1状態において、当選種別「移行リプレイ1」〜「移行リプレイ6」のいずれかに当選し、かつ、当選役「移行リプレイ2」に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、遊技状態制御手段320は、遊技状態をRT2状態に移行させる。かかるRT2状態では、所定の条件下で補助演出を行う、所謂、ATを並行して実行すること(AT状態)を想定しており、本実施形態においては、RT2状態と並行してATを実行している状態をART遊技状態という。
また、RT1状態において、当選種別「移行リプレイ1」〜「移行リプレイ12」のいずれかに当選し、かつ、当選役「移行リプレイ3」または当選役「移行リプレイ4」に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、遊技状態制御手段320は、遊技状態をRT3状態に移行させる。
また、RT2状態において、当選種別「移行リプレイ13」〜「移行リプレイ15」のいずれかに当選し、かつ、当選役「移行リプレイ1」に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、遊技状態制御手段320は、遊技状態をRT1状態に移行させる。また、RT2状態において、当選種別「打順ベル」に当選し、いずれの小役(当選役「ベル」、「1枚役」)に対応する図柄の組み合わせも有効ラインA上に表示されなかった場合、つまり、ブランク図柄の組み合わせが有効ラインA上に表示された場合に、遊技状態制御手段320は、遊技状態をRT1状態に移行させる。
また、遊技状態制御手段320は、RT3状態において、当選種別「BB」が決定されることなく、規定遊技数(例えば、16遊技)が経過すると、遊技状態をRT0状態に移行させる。
また、通常遊技状態において、RT0状態、RT1状態、RT2状態、RT3状態、RT4状態のいずれであっても、当選種別「BB」が決定され、BB内部当選フラグが成立すると、遊技状態制御手段320は、遊技状態を、ボーナス遊技状態の準備状態に相当する内部中遊技状態に移行させる。このとき、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、そのままBB内部当選フラグが次遊技に持ち越される(内部中遊技状態が維持される)。また、当選種別抽選手段304は、BB内部当選フラグが持ち越されている遊技においても、リプレイ役や小役を抽選している。したがって、リプレイ役や小役が当選種別抽選により決定されると、リプレイ役や小役の当選フラグと、BB内部当選フラグとがいずれも成立していることとなる。ここで、本実施形態では、リプレイ役>小役>ボーナス役の順に優先順位が定められている。すなわち、リプレイ役や小役が含まれる当選種別が決定した遊技や、当選種別「BB」が決定した遊技において、リール制御手段306は、リプレイ役や小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御し、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせは、遊技者が狙ったとしても、有効ラインA上に表示されることはない。
そして、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技状態制御手段320は、遊技状態をボーナス遊技状態に移行させる。また、ボーナス遊技状態において、ボーナス遊技状態に移行する契機となった当選役「BB」それぞれに設定されている所定枚数以上のメダルが払い出されると、遊技状態制御手段320は、遊技状態をRT4状態(通常遊技状態)に移行させる。ただし、当選種別「BB」が成立した遊技で、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させた場合、遊技状態制御手段320は、内部中遊技状態を経由せず、直接、ボーナス遊技状態に移行させる。
RT4状態において、当選種別「打順ベル」が決定され、いずれの小役(当選役「ベル」、「1枚役」)に対応する図柄の組み合わせも有効ラインA上に表示されなかった場合、つまり、ブランク図柄の組み合わせが有効ラインA上に表示された場合に、遊技状態制御手段320は、遊技状態をRT1状態に移行させる。
(演出状態の移行)
図9は、主制御基板200における演出状態の移行を説明するための説明図である。ここでは、非AT状態、AT準備状態、AT状態(特定演出状態)といった複数の演出状態が設けられている。演出状態制御手段322は、遊技状態が通常遊技状態である場合に、複数の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる(設定する)。
非AT状態は、非AT通常状態とCZ(チャンスゾーン)状態とが設けられている。演出状態が非AT状態である場合、補助演出の実行頻度がAT状態より極めて低く、ほぼ補助演出が行われない、または、補助演出が全く行われないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。非AT通常状態は、複数の演出状態のうち、初期状態に相当する演出状態である。
演出状態制御手段322は、非AT通常状態における所定の契機、例えば、非AT状態における遊技数や、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいて、演出状態を非AT状態からAT準備状態を経由したAT状態へ移行させるか否かをAT抽選により決定する。そして、非AT通常状態において、AT抽選に当選すると、演出状態制御手段322は、演出状態をAT準備状態に移行させる(1)。
また、演出状態制御手段322は、非AT通常状態における所定の契機、例えば、当選種別抽選で決定された当選種別に基づいて、演出状態をCZ状態に移行させるか否かをCZ抽選により決定する。そして、非AT通常状態において、CZ抽選に当選すると、演出状態制御手段322は、演出状態をCZ状態に移行させる(2)。つまり、非AT通常状態において、演出状態制御手段322は、AT抽選とCZ抽選とを遊技ごとに行っている。なお、AT抽選およびCZ抽選は独立して抽選してもよいし、一度に抽選(どちらかのみが当選する抽選)してもよい。
CZ状態は、所定の遊技数に亘って継続する。演出状態制御手段322は、CZ状態の各遊技においてAT抽選を行う。そして、CZ状態において、AT抽選に当選すると、演出状態制御手段322は、演出状態をAT準備状態に移行させる(1)。ここで、CZ状態のAT抽選では、非AT通常状態よりAT抽選の当選確率が高く設定されている。例えば、非AT通常状態およびCZ状態のいずれの演出状態においてもAT抽選が行われるが、当選種別抽選により当選種別「スイカ」が決定された場合において、演出状態が非AT通常状態であれば1/20の確率でAT抽選に当選するのに対し、CZ状態であれば1/5の確率でAT抽選に当選する。
一方、CZ状態において、所定の遊技数が経過するまでに、AT抽選に当選しないと、演出状態制御手段322は、演出状態を非AT通常状態に戻す(3)。なお、AT状態に移行することなく非AT状態で所定の遊技数が消化されると(所謂、ゾーンや天井に到達)、演出状態制御手段322は、演出状態をAT準備状態へ移行させる(1)。また、非AT状態において、当選種別「RBB1」に当選すると、AT抽選に必ず当選し(AT状態への移行が確定し)、当選種別「RBB2」、「CBB1」、「CBB2」に当選すると、ボーナス遊技状態において所定の確率でAT抽選に当選する。
AT準備状態では、遊技状態をRT2状態へ移行させるための待機状態であり、遊技状態が例えばRT1状態である場合には、当選種別「移行リプレイ1」〜「移行リプレイ6」のいずれかに当選すると、演出制御手段334によって、当選役「移行リプレイ2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように補助演出を行う。そして、当選役「移行リプレイ2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、演出状態制御手段322は、演出状態をAT状態に移行させる(4)。そして、AT状態とRT2状態が並行して進行するART遊技状態が実行される。
AT状態では、補助演出によって操作態様が報知されることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。したがって、AT状態は、非AT状態と比べ、有利な状態といえる。
AT状態(特定演出状態)は、AT通常状態(第1特定演出状態)、ジャッジ状態(第2特定演出状態)が設けられている。演出状態制御手段322は、演出状態を非AT状態からAT状態に移行させる場合、まず、AT通常状態に移行させる。AT通常状態は、詳しくは後述するように、予め設定された継続遊技数を1セットとするセット単位で管理され、継続遊技数の遊技が終了すると、演出状態制御手段322は、演出状態をジャッジ状態に移行させる(5)。
ジャッジ状態において、演出状態制御手段322は、詳しくは後述するジャッジ抽選(継続抽選)を行い、ジャッジ抽選によりAT状態を終了させる抽選結果が得られた場合、演出状態を非AT状態に移行させる(6)。このとき、演出状態制御手段322は、非AT状態のうち、非AT通常状態またはCZ状態のどちらかに移行させる。
一方、ジャッジ状態においてジャッジ抽選によりAT状態を継続させる抽選結果が得られると、演出状態制御手段322は、演出状態をAT通常状態に移行させる(7)。
(有利区間について)
図10は、有利区間を説明するための説明図である。ところで、上述したようなボーナス遊技状態やAT状態への移行頻度が偏ると射倖性が過度に高まってしまう懸念がある。そこで、メダルの獲得性能が高い遊技状態が偏っているか否かを統括的かつ画一的に判定すべく、有利区間比率といった判断基準を設ける。有利区間比率は、有利区間に滞在している遊技数である滞在遊技数を、遊技数の総数である総遊技数で除算し、%(パーセント)で示した値を言う。ここで、有利区間は、指示機能に係る性能を有する区間、すなわち、補助演出(指示機能)が実行させる区間を含んだ遊技者にとって有利な区間である。したがって、メダルの払い出しに関し遊技者にとって有利でなくてはならず、ボーナス遊技状態等を経由しない場合、補助演出がないと選択当選役(遊技利益が大きい当選役)を取りこぼしてしまう当選態様のうち、選択当選役の配当が最大(ここでは、8枚)となる選択当選種別において、選択当選役の入賞を補助する補助演出(最大払出枚数を獲得できる補助演出)を少なくとも1回行わなければ有利区間を終了してはならないこととなる(終了条件)。
ただし、有利区間は、最大で1500遊技までと決まっており、1500遊技を超えた場合、現在の遊技状態が、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態、内部中遊技状態、ボーナス遊技状態のいずれであるか、また、その1500遊技の有利区間において最大払出枚数を獲得できる(最大払出枚数の選択当選役を入賞し得る操作態様を報知する)補助演出が行われたか否かに拘わらず(最大払出枚数を獲得できる補助演出が実行されなかったとしても)、それまで継続していた有利区間を強制的に終了させ、有利区間で更新された情報をリセットする初期化処理を行うこととなる。
また、このような有利区間に属している状態を有利状態と総称し、有利区間に属していない(有利区間ではない非有利区間に属する)状態を非有利状態と総称する。なお、上述したAT状態は、最大払出枚数を獲得できる補助演出が少なくとも1回実行される点で有利状態に含まれ、そのような有利状態中(有利区間中)に実行されるボーナス遊技状態や内部中遊技状態も有利状態に含まれる。
したがって、有利区間比率は、AT状態および非AT状態における全ての遊技数に対する、AT準備状態、AT状態およびCZ状態、ならびに、そのような演出状態中の内部中遊技状態およびボーナス遊技状態で遊技した滞在遊技数の比率を表すこととなる。かかる有利区間比率を導出し、それが所定の範囲に含まれているか否かを判定することで、スロットマシン100の適正さを把握できる。また、このような有利区間比率を、管理者が、所定の確認処理を通じて目視できる構成とすることで、不正行為を防止することが可能となる。
なお、上述の有利区間に属する有利状態が開始されると、演出状態制御手段314は、有利区間に滞在していることを、区間表示器160の点灯を通じて報知する。
例えば、図9で説明した非AT通常状態において、AT抽選に当選し、AT準備状態を介したAT状態への移行が決定されると、演出状態制御手段322は、図10(a)のように、そのAT抽選に当選した遊技の次遊技が開始可能となる以前までに区間表示器160を点灯させ、AT状態が終了すると(その遊技で、ストップスイッチ120a、120b、120cのうち既に2つのストップスイッチが有効に操作された後における、最後(3番目)のストップスイッチの操作(以下、単に「第3停止」という)以降に)、区間表示器160を消灯させる。ここで、遊技が開始可能となるとは、その遊技(ここでは次遊技)に関し、メダル投入部114を通じたメダルの投入が可能になる、ベットスイッチ116の操作を通じたクレジットされているメダルの投入が可能になる、または、リプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づくメダルの自動投入が行われてから、遊技者によるスタートスイッチ118の操作が可能になるということである。また、遊技が開始可能となる以前とは、有利状態への移行が決定されてから、このような遊技が開始可能となる時点より所定時間前を示す。
なお、非AT通常状態等、非有利区間に属する非有利状態においては、AT状態等、有利状態への移行を決定することができ、有利区間中においては、その有利状態中に行う補助演出(指示機能)に係る処理を決定することができる。かかる補助演出に係る処理としては、継続遊技数の上乗せ、AT状態の継続等、補助演出に係る直接的な処理、抽選条件や演出状態の移行等の間接的な処理、および、有利状態の終了に係る処理が含まれる。このような有利状態への移行や補助演出に係る処理は、全ての設定値で当選確率が同一である当選種別(設定差無当選種別)の決定に基づき実行することができる。また、ボーナス遊技状態においては、そのボーナス遊技状態へ移行するための当選種別の当選確率が全ての設定値で同一であることを条件に、全ての設定値で当選確率が同一の当選種別の決定に基づき補助演出に係る処理を実行することができる。
これは、AT状態への移行確率が設定値に応じて変化すると、スロットマシン100の技術上の規格に定められていない手法でメダルの獲得性能を変化させることになるので、当選種別抽選の結果に基づくAT状態の移行確率(AT抽選の当選確率)は、予め定められた全ての設定値で同一の確率が望ましいという要請に基づいている。かかる要請に則り、ここでは、設定値毎に当選確率が異なる設定差有当選種別に基づいては新たに有利状態への移行を決定しないようにする。なお、本実施形態において、ボーナス役を含む設定差無当選種別には、当選種別「RBB1」〜「RBB6」、「CBB2」〜「CBB4」、「CBB6」〜「CBB8」が該当し(以下、単に当選種別「設定差無ボーナス種別」と称する場合がある)、ボーナス役を含む設定差有当選種別には、当選種別「CBB1」、「CBB2」が該当する(以下、単に当選種別「設定差有ボーナス種別」と称する場合がある)。
したがって、当選種別「BB」(ボーナス役を含む当選種別)のうち、当選種別「設定差無ボーナス種別」にのみ、その当選に基づいてAT抽選を行い、AT抽選に当選することで、区間表示器160を点灯することができる。ただし、当選種別「設定差無ボーナス種別」の当選に基づいてAT状態への移行も決定する場合、すなわち、当選種別「設定差無ボーナス種別」に基づくボーナス遊技状態の後に、AT状態に移行する場合、当選種別「設定差無ボーナス種別」に基づくボーナス遊技状態中、および、当選種別「設定差無ボーナス種別」の当選時にAT状態への移行も決定することになる。
ここで、当選種別「設定差無ボーナス種別」の決定に基づいてAT抽選に当選した場合は、AT状態のみならず、その前のボーナス遊技状態も有利状態(有利区間)となる。したがって、当選種別「設定差無ボーナス種別」の決定に基づいてAT抽選に当選した場合、演出状態制御手段322は、図10(b)のように、少なくとも、ボーナス遊技状態の最初の1遊技が開始可能となる以前までに区間表示器160を点灯していなければならない。ここで、当選役「RBB1」、「RBB2」、「CBB1」、「CBB2」等、レギュラーボーナス(RB:第1種特別役物)またはボーナス遊技状態(役物連続作動装置)のいずれかに該当する場合には、その当選時(内部中遊技状態への移行時)ではなく、ボーナス役が入賞した遊技が終了してから区間表示器160を点灯することができる。具体的には、少なくともボーナス役が入賞した遊技の次の遊技が開始可能となる以前に区間表示器160を点灯すれば足りる。ここで、ボーナス役が入賞した遊技の次の遊技とは、ボーナス役に基づくボーナス遊技状態の開始遊技(最初の1遊技)である。したがって、例えば、ボーナス役が入賞した遊技の次の遊技が開始可能となる直前のタイミングや、入賞した遊技の第3停止タイミングで区間表示器160が点灯されることとなる。そして、当選種別「設定差無ボーナス種別」の当選に基づくAT状態が終了し、所定の遊技数消化等、有利状態の終了条件を満たすと、区間表示器160を消灯する。
また、AT状態において、当選種別「BB」が決定され、ボーナス遊技状態に移行された場合、演出状態設定手段322は、ボーナス遊技状態の終了後に、AT準備状態を介してAT状態に移行させる。この場合、図10(c)のように、当選種別「BB」が決定される前のAT状態において点灯させていた区間表示器160を、ボーナス遊技状態、その後のAT準備状態およびAT状態でも継続して点灯させる。なお、この場合、当選種別「BB」が、当選種別「設定差無ボーナス種別」および当選種別「設定差有ボーナス種別」のどちらであっても、区間表示器160を継続して点灯させる。
また、非AT通常状態において、CZ抽選に当選し、CZ状態への移行が決定されると、演出状態制御手段322は、図10(d)のように、そのCZ抽選に当選した遊技の次遊技が開始可能となる以前までに区間表示器160を点灯させる。また、CZ状態においてAT抽選に当選し、AT準備状態を介したAT状態への移行が決定されると、演出状態制御手段322は、区間表示器160の点灯を維持する。さらに、AT状態の終了後、CZ状態への移行が決定されると、演出状態制御手段322は、CZ状態中も区間表示器160の点灯を維持する。
なお、非AT状態において、当選種別「設定差有ボーナス種別」が決定された場合、その後のボーナス遊技状態は有利状態(有利区間)とはならない。したがって、演出状態制御手段322は、図10(e)のように、ボーナス遊技状態が開始されたか否かに拘わらず、区間表示器160の消灯状態を維持することとなる。
図11は、AT状態終了後の演出状態を説明する図である。上記したように、有利区間は、継続可能な最大遊技数が1500遊技と決まっている。また、CZ状態は、有利区間に属する演出状態である。そのため、図10(d)に示したように、AT状態の終了後、CZ状態への移行が決定されると、演出状態制御手段322は、CZ状態中も区間表示器160の点灯を維持するとともに、有利区間(有利状態)の遊技数も加算していく。
したがって、有利区間の遊技数が相当数経過している場合において、AT状態が終了してCZ状態に移行され、CZ状態においてさらにAT抽選に当選すると、その間も有利区間としての遊技数が加算(継続)されるため、その後に移行されるAT状態が、有利区間の最大遊技数(1500遊技)によって制限(強制的に終了)されるおそれがある。このような場合、AT状態において、例えば、複数の遊技に亘って行われるストーリー演出が途中で終了したり、AT状態の継続遊技数を多く獲得したにも拘らず途中でAT状態が終了したりすることになり、遊技者に損失感を与えてしまうおそれがある。
そこで、AT状態の終了時における有利区間の遊技数が、有利区間の最大遊技数(1500遊技)の半分である750遊技以下である場合には、演出状態制御手段322は、非AT状態のうち、非AT通常状態またはCZ状態のどちらかを抽選により決定し、決定した演出状態に移行させる。例えば、抽選によりCZ状態への移行が決定されると、図11(a)のようにCZ状態へ移行させ、抽選によりCZ状態への移行が決定されないと、図11(b)のように非AT通常状態へ移行させる。このとき、演出状態がCZ状態に移行され、CZ状態においてさらにAT抽選に当選しても、少なくとも有利区間の最大遊技数の半分以上が、AT状態の継続可能な遊技数として残っているため、上記のような事態が起こりにくく、遊技者に損失感を与えてしまうおそれが少ない。
一方、図11(c)に示すように、AT状態の終了時における有利区間の遊技数が、有利区間の最大遊技数(1500遊技)の半分である750遊技よりも多い場合には、演出状態制御手段322は、抽選を実行することなく、非AT状態のうち、非AT通常状態に必ず移行させ、有利区間を強制的に終了させる。これにより、上記のような事態が起こらなくなり、遊技者に損失感を与えてしまうおそれを低減することができる。
ただし、有利区間を強制的に終了させるか否かを決定させるための遊技数として、750遊技は一例に過ぎず、例えば、1回のAT状態の平均遊技数や、最大遊技数に対する所定の割合や、AT状態において実行される演出の長さ(遊技数)等によって、適宜決定することができる。
(AT状態)
図12は、AT状態の概略を説明する図である。演出状態が非AT状態からAT通常状態に移行されると、演出状態制御手段322は、AT通常状態の継続遊技数として40回を設定する。また、演出状態制御手段322は、図12に示すように、初期のキャラクタ(キャラ)としてキャラAを設定する。そして、演出状態制御手段322は、AT通常状態における各遊技で、当選種別抽選の抽選結果に基づいた当選確率で、キャラ追加抽選を行う。なお、キャラ追加抽選は、当選種別抽選において設定差無当選種別が決定された場合にのみ行われる。そして、キャラAが設定されている状態で、キャラ追加抽選に当選すると、演出状態制御手段322は、キャラBを追加設定する。また、キャラA、Bが設定されている状態でキャラ追加抽選に当選すると、演出状態制御手段322は、キャラCを追加設定する。
そして、AT通常状態において継続遊技数の遊技が終了すると、演出状態制御手段322は、演出状態をAT通常状態からジャッジ状態に移行させる。ジャッジ状態では、詳しくは後述するように、AT通常状態において設定されたキャラと、敵キャラとが対戦するバトル演出が演出制御手段334によって行われる。そして、演出状態制御手段322は、ジャッジ状態における各遊技で、キャラA〜Cが敵キャラに勝利するか(当選するか)、敗北するか、または、維持(引分)するかをジャッジ抽選により決定する。
例えば、キャラA〜Cが設定されている場合、キャラCについてのジャッジ抽選が行われ、キャラCが敗北する抽選結果が得られると、演出状態制御手段322は、キャラCの設定を解除する(キャラCを脱落させる)。また、キャラA、Bが設定されている場合、キャラBについてのジャッジ抽選が行われ、キャラBが敗北する抽選結果が得られると、演出状態制御手段322は、キャラBの設定を解除する(キャラBを脱落させる)。また、キャラAが設定されている場合、キャラAについてのジャッジ抽選が行われ、キャラAが敗北(不当選)する抽選結果が得られると、演出状態制御手段322は、AT状態(ART遊技状態)を終了させる。
一方、いずれのキャラのジャッジ抽選においても勝利する抽選結果が得られると、演出状態制御手段322は、そのキャラおよびジャッジ抽選を行っていないキャラを減少させることなく、演出状態をジャッジ状態からAT通常状態に移行させる(つまり、AT状態を継続させる)。また、いずれのキャラのジャッジ抽選においても維持する抽選結果が得られると、演出状態制御手段322は、演出状態を維持するとともに、設定されているキャラも維持する。
したがって、AT通常状態において設定されるキャラの数に応じて、ジャッジ抽選を受けることができる。また、ジャッジ抽選に当選すると、AT状態が継続される(特典が付与される)ことになるので、AT通常状態において設定されたキャラは、ジャッジ抽選を受けることができる権利であるともいえる。言い換えれば、AT通常状態においては、その後に移行されるジャッジ状態においてジャッジ抽選を受ける権利(特典)を抽選により決定している。
このように、AT通常状態において設定されたキャラの数は、ジャッジ状態においてジャッジ抽選を受けるといった特典が与えられる権利の数となり、キャラの増減によって、得られる特典(AT状態の継続)も異なることになり、キャラの増減を調整することで、遊技意欲を向上させることができる。
図13は、継続遊技数および仮上乗せ遊技数を説明する図である。ここで、AT通常状態におけるキャラ追加抽選は、ジャッジ状態においてジャッジ抽選を受けるといった特典が与えられる権利の数を決めるものであることから、補助演出に係る処理である。また、ジャッジ状態におけるジャッジ抽選は、AT状態を継続させる抽選を行うことから、補助演出に係る処理である。そのため、キャラ追加抽選およびジャッジ抽選は、設定差無当選種別が決定された場合に行うことができるが、設定差有当選種別が決定された場合に行うことができない。
したがって、ジャッジ状態において、設定差有当選種別である当選種別「設定差有ボーナス種別」が決定された場合、ジャッジ抽選を行うことができない。そして、ジャッジ状態において、当選種別「設定差有ボーナス種別」が決定され、ボーナス遊技状態を経由して、再び、演出状態がジャッジ状態に移行されるとなると、ボーナス役が入賞したにも拘わらず、ジャッジ抽選に当選していないこととなる。このような場合、通常のスロットマシンにおいては、ジャッジ状態で当選種別「BB」が決定されるとAT状態の継続も確定することから、遊技者は、遊技意欲が減退することになるとともに、不信感を抱くことになる。
そこで、図13に示すように、演出状態制御手段322は、演出状態がAT通常状態からジャッジ状態に移行する際、より具体的には、ジャッジ状態に移行した遊技において、ジャッジ抽選において勝利する抽選結果(継続結果)が仮に得られた場合に移行される次のAT通常状態における継続遊技数を仮上乗せ遊技数(40遊技)として設定する。そして、ジャッジ状態においてジャッジ抽選により勝利する抽選結果が得られ、演出状態がAT通常状態に移行されると、そのAT通常状態の継続遊技数に仮上乗せ遊技数(40遊技)を設定するとともに、仮上乗せ遊技数を初期化する(0にする)。
また、ジャッジ状態において、当選種別「BB」(当選種別「設定差無ボーナス種別」および「設定差有ボーナス種別」)が決定され、ボーナス役が入賞すると、遊技状態制御手段320は、遊技状態をボーナス遊技状態に移行させる。そして、当選種別「設定差無ボーナス種別」が決定されたことを契機として移行されたボーナス遊技状態(設定差無ボーナス遊技状態)では、仮上乗せ遊技数の加算抽選を例えば毎遊技行う。一方、当選種別「設定差有ボーナス種別」が決定されたことを契機として移行されたボーナス遊技状態(設定差有ボーナス遊技状態)では、仮上乗せ遊技数の加算抽選を行うことはない。
そして、ボーナス遊技状態が終了すると、演出状態制御手段322は、演出状態をAT準備状態を経由してAT通常状態に移行させる。また、演出状態制御手段322は、当選種別「設定差無ボーナス種別」が決定された場合であっても、当選種別「設定差有ボーナス種別」が決定された場合であっても、共通処理として、継続遊技数に仮上乗せ遊技数を加算するとともに、仮上乗せ遊技数を初期化する。なお、仮上乗せ遊技数が設定されていない場合、つまり、AT通常状態において当選種別「BB」が決定されてボーナス遊技状態に移行され、再びAT通常状態に移行された場合には、演出状態制御手段322は、AT通常状態の継続遊技数に仮上乗せ遊技数(0)を加算することになるので、ボーナス遊技状態に移行される前のAT通常状態の継続遊技数がそのまま維持されることになる。
このように、ジャッジ状態に移行された際に仮上乗せ遊技数を設定するとともに、仮上乗せ遊技数が設定されている状態でAT通常状態に移行された際に、共通処理として、継続遊技数に仮上乗せ遊技数を設定するとともに、仮上乗せ遊技数を初期化する。
これにより、ジャッジ状態において、たとえ当選種別「設定差有ボーナス種別」が決定されボーナス遊技状態に移行された場合であっても、AT通常状態において初期の継続遊技数(40遊技)が設定されることになる。つまり、ジャッジ状態において当選種別「設定差有ボーナス種別」に当選した際にジャッジ抽選が行えなかったとしても、ボーナス遊技状態後に、AT通常状態において初期の継続遊技数が設定されることになり、ジャッジ状態においてジャッジ抽選に当選した場合と同等に扱うことができる。
このように、ジャッジ状態において、当選種別「設定差有ボーナス種別」が決定されても、当選種別「設定差無ボーナス種別」が決定されても、当選種別「BB」が決定されれば(ボーナス役が入賞すれば)、AT通常状態が継続するように扱うことができるので、当選種別「設定差有ボーナス種別」が決定されてもジャッジ抽選に当選しないといった不信感を遊技者に与えることなく、遊技意欲を向上することができる。
図14は、AT通常状態の演出の一例を説明する図である。演出制御手段334は、演出状態制御手段322によってキャラAのみが設定されている場合、図14(a)に示すように、液晶表示部124にキャラAの画像を表示する。そして、キャラAが設定されている状態で、演出状態制御手段322は、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいてキャラ追加抽選を行い、キャラ追加抽選に当選すると、キャラ追加抽選に当選したことを示すコマンドを副制御基板220に送信する。
副制御基板220において、キャラ追加抽選に当選したことを示すコマンドを受信すると、演出制御手段334は、予め設定された1または複数の遊技数、または、1または複数の遊技数のなかから抽選で決定した遊技数(以下、これらの遊技数を連続遊技数と称する)に亘って、図14(b)に示すように、キャラ(ここでは、キャラB)を追加することを示唆する前兆画像を液晶表示部124に表示する前兆演出を実行する。その後、演出制御手段334は、前兆遊技数が経過した次の遊技で、図14(c)に示すように、「キャラB参戦」と記されたキャラ参戦画像を液晶表示部124に表示する参戦演出を実行する。そして、演出制御手段334は、図14(d)に示すように、キャラBが加わったキャラA、Bを液晶表示部124に表示する。このように、前兆演出および参戦演出(これらを合わせて報知演出とも呼ぶ)を実行することにより、キャラが追加されたことを報知する。
また、キャラ追加抽選に当選しなかった場合であっても、演出制御手段334は、当選種別ごとに予め決定確率で前兆演出(所謂、ガセ前兆演出)の実行可否を抽選により決定し、抽選に当選した場合、前兆演出を実行する。この場合、演出制御手段334は、図14(b)に示すように、前兆遊技数に亘って前兆演出を実行した後、次の遊技で、図14(e)に示すように、新たなキャラを液晶表示部124に表示することなく、キャラ追加抽選に当選しなかったことを間接的に報知する。
このように、演出制御手段334は、AT通常状態において、演出状態制御手段322によって設定されているキャラの画像を液晶表示部124に表示することで、演出状態制御手段322によって設定されているキャラを遊技者に報知している。また、演出制御手段334は、キャラ追加抽選に当選した場合、および、キャラ追加抽選に当選しなかった場合の所定の確率で前兆演出を行うことで、キャラが追加されるか否かを遊技者に示唆し、キャラが追加されるかもしれないといった期待感を遊技者に与えることができる。
なお、キャラA、Bが設定されている状態でキャラ追加抽選に当選すると、上記と同様に、演出制御手段334は、前兆遊技数に亘って前兆演出を実行した後、次の遊技で、「キャラC参戦」と記されたキャラ参戦画像を液晶表示部124に表示する参戦演出を実行し、キャラCが加わったキャラA〜Cを液晶表示部124に表示する。
また、報知演出では、詳しくは後述する勝ち予約フラグに基づいて、液晶表示部124に表示するキャラ参戦画像を変更する場合がある。例えば、ジャッジ抽選により勝利する抽選結果が必ず得られる勝ち予約フラグがオンである場合には、例えば、キャラ参戦画像をレインボーで表示する(継続の期待度が高い演出で表示する)ことで、遊技者に継続することが確定していることを報知する。
図15は、キャラ追加抽選に用いられるテーブルを説明する図である。ここで、演出状態制御手段322は、当選種別抽選の抽選結果、つまり、決定された当選種別に基づいて、図15(a)に示すキャラ追加抽選テーブルに示した当選確率で、キャラ追加抽選を行う。なお、図15(a)に示すキャラ追加抽選テーブルにおいては、RT2状態において決定される当選種別のみを示しているが、実際には、RT2状態において決定されない当選種別についても当選確率が設定されている。また、キャラ追加抽選は、上記したように、設定差有当選種別が決定された場合には行われないため、キャラ追加抽選テーブルにおいて設定差有当選種別の当選確率は「―」で示している。
なお、キャラ追加抽選テーブルにおいては、レア当選種別が決定された場合、当選種別「打順チャンスリプレイ1」、「打順チャンスリプレイ2」が決定された場合においてチャンスリプレイ抽選に当選した場合(チャンス組み合わせが表示される場合)にキャラ追加抽選に当選する可能性が高くなるように設定されている。
そして、キャラ追加抽選に当選すると、演出状態制御手段322は、図15(b)に示す勝利確定抽選テーブルに示した当選確率で、追加されるキャラについての勝利確定抽選を行う。ここで、勝利確定抽選テーブルによれば、決定された当選種別によらず、10%の確率で勝利確定抽選に当選する。そして、勝利確定抽選に当選すると、演出状態制御手段322は、そのキャラについて、詳しくは後述する勝利予約フラグをオンにする。なお、勝利確定抽選では、決定された当選種別毎に、異なる当選確率が設定されていてもよい。
勝利確定抽選に当選した場合、その後に移行されるジャッジ状態において、追加されたキャラでは必ずAT状態が継続することになる。ただし、ジャッジ抽選において、勝利確定抽選に当選したキャラよりも前のキャラでジャッジ抽選を受け、勝利する抽選結果が得られた場合には、その後(再びジャッジ状態に移行されたとき)、AT状態が継続する権利は消失しており、必ずしも、勝利する抽選結果が得られるとは限らない。
図16は、ジャッジ状態の演出(バトル演出)の一例を説明する図である。演出制御手段334は、キャラA〜Cが設定されている場合、図16(a)に示すように、キャラA〜Cと、敵キャラとが対戦する画像を液晶表示部124に表示する。そして、ジャッジ抽選により勝利する抽選結果が得られると、演出制御手段334は、図16(b)に示すように、キャラA〜Cが敵キャラに勝利する画像を液晶表示部124に表示する勝利演出を実行する。一方、ジャッジ抽選により敗北する抽選結果が得られると、演出制御手段334は、図16(c)に示すように、キャラCが敵キャラに敗北して、キャラCが脱落する画像を液晶表示部124に表示する敗北演出(非継続演出)を実行する。
また、演出制御手段334は、キャラA、Bが設定されている場合、つまり、AT通常状態においてキャラA、Bだけが設定された場合、または、キャラA、B、Cが設定されていたがジャッジ状態においてキャラCが脱落(設定解除)した場合、演出制御手段334は、図16(d)に示すように、キャラA、Bと敵キャラとが対戦する画像を液晶表示部124に表示する。そして、ジャッジ抽選により勝利する抽選結果が得られると、演出制御手段334は、図16(e)に示すように、キャラA、Bが敵キャラに勝利する画像を液晶表示部124に表示する勝利演出を実行する。一方、ジャッジ抽選により敗北する抽選結果が得られると、演出制御手段334は、図16(f)に示すように、キャラBが敵キャラに敗北して、キャラBが脱落する画像を液晶表示部124に表示する敗北演出を実行する。
また、演出制御手段334は、キャラAが設定されている場合、つまり、AT通常状態においてキャラAのみが設定された場合、または、キャラA、Bが設定されていたがジャッジ状態においてキャラBが脱落(設定解除)した場合、図16(g)に示すように、キャラAと敵キャラとが対戦する画像を液晶表示部124に表示する。そして、ジャッジ抽選により勝利する抽選結果が得られると、演出制御手段334は、図16(h)に示すように、キャラAが敵キャラに勝利する画像を液晶表示部124に表示する勝利演出を実行する。一方、ジャッジ抽選により敗北する抽選結果が得られると、演出制御手段334は、図16(i)に示すように、キャラAが敵キャラに敗北する画像を液晶表示部124に表示する敗北演出を実行し、AT状態(ART遊技状態)が終了することを報知する。
図17は、ジャッジ状態の演出(逆転演出)の一例を説明する図である。演出制御手段334は、ジャッジ抽選により勝利する抽選結果が得られた場合であっても、図17(a)、(b)に示すように、例えばキャラCが敵キャラに敗北して、キャラCが脱落する画像を液晶表示部124に表示する敗北演出を実行した後、図17(c)に示すように、キャラCが復活する画像を液晶表示部124に表示し、その後、図17(d)に示すように、キャラCが敵キャラに勝利する画像を液晶表示部124に表示する逆転演出を行うこともある。
図18は、ジャッジ抽選に用いられるテーブルを説明する図である。ここで、演出状態制御手段322は、当選種別抽選の抽選結果、つまり、決定された当選種別に基づいて、図18に示すジャッジ抽選テーブルに示した当選確率で、ジャッジ抽選を行う。なお、図18に示すジャッジ抽選テーブルにおいては、RT2状態において決定される当選種別のみを示しているが、実際には、RT2状態において決定されない当選種別についても当選確率が設定されている。また、ジャッジ抽選は、設定差有当選種別が決定された場合には行われないため、ジャッジ抽選テーブルにおいて設定差有当選種別の当選確率は「―」で示している。さらに、当選種別「BB」(当選種別「設定差無ボーナス種別」および当選種別「設定差有ボーナス種別」)が決定された場合には、上記したように、必ず、AT状態が継続するため、ジャッジ抽選テーブルにおいてジャッジ抽選を行わないので、ジャッジ抽選テーブルにおいて設定差有当選種別の当選確率は「―」で示している。
キャラ追加抽選テーブルによれば、当選種別「通常リプレイ2」(非継続当選種別)が決定された場合にのみ、ジャッジ抽選において敗北する抽選結果が得られるように設定されている。したがって、当選種別「通常リプレイ2」が決定され、敗北する抽選結果が得られた場合、液晶表示部124にはキャラが敗北する画像が表示され、また、当選役「通常リプレイ1」(特定当選役)に対応する図柄組み合わせが停止表示されることによっても敗北する抽選結果が得られたことを遊技者は把握することが可能となる。
しかしながら、当選種別「RBB1」、「RBB4」、「CBB2」、「CBB6」(これらを纏めて継続当選種別と称する)は、当選役「RBB1」、「RBB2」、「CBB1」、「CBB2」と、当選役「通常リプレイ1」とが重複して決定され、かつ、リプレイ役>小役>ボーナス役の順に停止制御の優先順位が定められている。したがって、当選種別「RBB1」、「RBB4」、「CBB2」、「CBB6」が決定された場合も、当選種別「通常リプレイ2」が決定された場合と同様に、当選役「通常リプレイ1」に対応する図柄組み合わせが停止表示されることになる。ただし、当選種別「RBB1」、「RBB4」、「CBB2」、「CBB6」が決定された場合は、AT状態の継続が確定することになる。
そこで、演出制御手段334は、当選種別「RBB1」、「RBB4」、「CBB2」、「CBB6」が決定された場合、当選役「通常リプレイ1」に対応する図柄組み合わせが停止制御される遊技において、キャラが敗北する画像を液晶表示部124に表示する敗北演出を実行し、恰も敗北したかのように見せる。そして、次の遊技以降において、演出制御手段334は、図17(c)、(d)で示した逆転演出を行う。
このように、当選役「通常リプレイ1」に対応する図柄組み合わせが停止表示される当選種別「RBB1」、「RBB4」、「CBB2」、「CBB6」が決定された場合にも、当選種別「通常リプレイ2」が決定された場合と同様に、敗北演出を実行した後に逆転演出を実行するので、当選役「通常リプレイ1」に対応する図柄組み合わせが停止表示されたことで、ジャッジ抽選の抽選結果を遊技者に判別させることができないようにすることができる。これにより、より効果的な逆転演出を行うことができ、演出効果を向上することができる。
ところで、上記したようにAT状態は有利区間に属する有利状態であるため、AT状態において、最大払出枚数を獲得できる補助演出が少なくとも1回実行されるか、当選種別「BB」が決定されボーナス遊技状態に移行させる必要がある。
そして、AT状態は、少なくともAT通常状態(40遊技)に一度は移行されることから、最大払出枚数を獲得できる補助演出が1回は実行される可能性が高い。しかしながら、AT状態において、最大払出枚数を獲得できる補助演出が1回も実行されず、かつ、当選種別「BB」が決定されないことも起こり得る。
そこで、演出制御手段334は、AT状態に移行されてから、最大払出枚数を獲得できる補助演出が1回も実行されず、かつ、当選種別「BB」が決定されていない場合に、最後まで設定されているキャラAについてのジャッジ抽選で敗北する抽選結果が得られた場合には、抽選結果を継続する抽選結果に差し替える。
これにより、AT状態に移行されてから、最大払出枚数を獲得できる補助演出が1回も実行されず、かつ、当選種別「BB」が決定されていない状態で、AT状態が終了してしまうことを回避することができる。また、有利区間の継続可能な残り遊技数が少ない状況(例えば、最大遊技数が1500遊技であるのに対して1400遊技が経過した状況)でART遊技状態が終了するときに有利区間を強制的に終了させることができなってしまうといった事態を防止することができる。また、ジャッジ状態を継続させることになるので、その後に、補助演出が1回実行されれば、速やかにAT状態を終了させることができる。
図19は、勝利予約フラグおよび勝利確定フラグを説明する図である。上記したようにAT通常状態においてはキャラ追加抽選を遊技毎に行っており、キャラ追加抽選に当選すると、勝利確定抽選が行われる。そして、勝利確定抽選に当選すると、その後のジャッジ状態において、勝利確定抽選に当選したキャラでは、AT状態が継続するようになっている。
しかしながら、勝利確定抽選に当選したキャラについて、AT状態が必ず継続する勝利確定フラグ(確定フラグ)を、勝利確定抽選に当選した時点でオンにしてしまうと、ジャッジ状態において、勝利確定フラグがオンになっているキャラで当選種別「BB」が決定されると、勝利確定フラグがオンのまま、ボーナス遊技状態を経てAT通常状態に復帰してしまう。そのため、次のジャッジ状態においても、そのキャラでAT状態が継続してしまい、二重の利益を与えてしまうことになるので、ボーナス遊技状態を経由してAT状態に復帰する際には勝利確定フラグを初期化する必要がある。
一方で、いずれかのキャラについて勝利確定フラグがオンになっている状態でAT通常状態において当選種別「BB」が決定され、ボーナス遊技状態を経由してAT通常状態に復帰した際に、勝利確定フラグを初期化すると、ジャッジ状態において一度もAT状態が継続しないおそれがある。
そこで、図19に示すように、演出状態制御手段322は、AT通常状態において勝利確定抽選に当選した場合、そのキャラについて、勝利確定フラグを予約するための勝利予約フラグ(予約フラグ)をオンにする。そして、演出状態がAT通常状態からジャッジ状態に移行された際に、勝利予約フラグがオンになっているキャラについて、AT状態が継続することが確定することを示す勝利確定フラグをオンにするとともに、全ての勝利予約フラグを初期化(オフ)する。
また、演出状態制御手段322は、AT状態において当選種別「BB」が決定され、ボーナス遊技状態を経てAT通常状態に復帰した際に、勝利予約フラグを維持するとともに、勝利確定フラグを初期化する。
これにより、勝利確定フラグがオンのまま、ボーナス遊技状態を経てAT通常状態に復帰し、次のジャッジ状態においても、そのキャラでAT状態が継続してしまい、二重の利益を与えてしまうことを防止することができる。また、勝利確定フラグがオンになっている状態で例えばAT通常状態において当選種別「BB」が決定され、ボーナス遊技状態を経てAT通常状態に復帰した際に、勝利確定フラグを初期化することにより、勝利確定フラグがオンになっているにも拘らず、一度もAT状態が継続しないといったことも防止することができる。
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のメイン処理)
図20は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS100)
電源スイッチ144を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、各リール110の回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各リール110が回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cのRAMクリアは行われない。
(ステップS200)
続いて、遊技者によるベットスイッチ116の操作、または、メダル投入部114へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。また、コマンド送信手段314は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ118の操作待ち状態に移行する。ここで、当選種別抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数から、スタートスイッチ118が操作された時点における当選種別抽選乱数を取得する。そして、当選種別抽選手段304は、複数の当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別またはハズレを抽選結果として決定する。また、コマンド送信手段314は、スタートスイッチ118の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選種別抽選の抽選結果(当選種別またはハズレ)、遊技状態、演出状態に関する情報(キャラ追加抽選の抽選結果、ジャッジ抽選の抽選結果、上乗せ抽選の抽選結果)等を含む当選種別コマンドを生成し、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。かかる抽選処理S300は後程詳述する。
(ステップS400)
スタートスイッチ118が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ152を駆動して左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転を開始し、左リール110a、中リール110b、右リール110cの全てが定速回転となったところで、ステップS500に処理を移す。
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cを有効化し、遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を受け付けると、その操作に対応するリール(左リール110a、中リール110b、右リール110cのいずれか)を停止制御する。また、コマンド送信手段314は、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップスイッチ120a、120b、120cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
(ステップS600)
次に、判定手段308は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、コマンド送信手段314は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。また、遊技状態制御手段320は、内部中遊技状態において当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたことに基づき、遊技状態をボーナス遊技状態に移行させる。また、演出状態制御手段322は、遊技の進行に応じて、複数の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。かかる判定処理S600は後程詳述する。
(ステップS700)
続いて、払出制御手段310は、ステップS600における判定結果に基づき、例えば、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、遊技状態制御手段320は、ボーナス遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をRT0状態に移行させ、その遊技状態に対応する当選種別抽選テーブルを設定する。このように、払出制御手段310は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、当該遊技を終了する。また、コマンド送信手段314は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、生成された払出コマンドを副制御基板202に送信する。
ステップS200からステップS700までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
(抽選処理S300)
図21は、上記ステップS300の抽選処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS301)
まず、当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に応じた当選種別抽選テーブルを参照し、スタートスイッチ118の操作に基づき、複数種類の当選種別のいずれかを当選種別抽選により決定する。
(ステップS302)
当選種別抽選手段304は、当選種別抽選により決定された当選種別に当選役「BB」が含まれるか、すなわち、BB内部当選フラグが成立しているか否か判定する。その結果、当選役「BB」が含まれていればステップS303に処理を移し、当選役「BB」が含まれていなければステップS304に処理を移す。
(ステップS303)
遊技状態制御手段320は、遊技状態を内部中遊技状態に移行する。
(ステップS304)
演出状態制御手段322は、演出状態が非AT状態であるか否か判定する。その結果、演出状態が非AT状態であればステップS305に処理を移し、演出状態が非AT状態でなければステップS308に処理を移す。
(ステップS305)
演出状態制御手段322は、当選種別抽選の抽選結果に基づいてAT抽選を行う。また、遊技状態制御手段320は、演出状態が非AT通常状態であれば、当選種別抽選の抽選結果に基づいてCZ抽選(チャンス抽選)を行う。
(ステップS306)
演出状態制御手段322は、AT抽選に当選したか否か判定する。その結果、AT抽選に当選していればステップS307に処理を移し、AT抽選に当選していなければステップS310に処理を移す。
(ステップS307)
演出状態制御手段322は、キャラAについて勝利確定抽選を行い、勝利確定抽選に当選した場合には勝利予約フラグをオンにする。
(ステップS308)
当選種別抽選手段304は、上記ステップS301において当選種別「打順チャンスリプレイ1」または「打順チャンスリプレイ2」が決定されたか否か判定する。その結果、当選種別「打順チャンスリプレイ1」または「打順チャンスリプレイ2」が決定されていればステップS309に処理を移し、当選種別「打順チャンスリプレイ1」および「打順チャンスリプレイ2」が決定されていなければステップS310に処理を移す。
(ステップS309)
当選種別抽選手段304は、チャンスリプレイ抽選を行う。チャンスリプレイ抽選の抽選結果は、当選種別コマンドに含まれて副制御基板202に送信される。これにより、副制御基板202においては、当選種別「打順チャンスリプレイ1」または「打順チャンスリプレイ2」が決定された場合に、チャンスリプレイ抽選の抽選結果に応じた補助演出を実行することができる。
(ステップS310)
演出状態制御手段322は、演出状態がAT通常状態であるか否か判定する。その結果、演出状態がAT通常状態であればステップS311に処理を移し、演出状態がAT通常状態でなければステップS312に処理を移す。
(ステップS311)
演出状態制御手段322は、AT通常状態処理を実行する。かかるAT通常状態処理S311は後程詳述する。
(ステップS312)
演出状態制御手段322は、演出状態がジャッジ状態であるか否か判定する。その結果、演出状態がジャッジ状態であればステップS313に処理を移し、演出状態がジャッジ状態でなければステップS314に処理を移す。
(ステップS313)
演出状態制御手段322は、ジャッジ状態処理を実行すし、当該抽選処理S300を終了する。かかるジャッジ状態処理S313は後程詳述する。
(AT通常状態処理S311)
図22は、上記ステップS311のAT通常状態処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS311−1)
演出状態制御手段322は、AT通常状態に移行された最初の遊技であるか否か判定する。その結果、AT通常状態に移行された最初の遊技であればステップS311−2に処理を移し、AT通常状態に移行された最初の遊技でなければステップS311−5に処理を移す。
(ステップS311−2)
演出状態制御手段322は、継続遊技数に仮上乗せ遊技数を加算する。
(ステップS311−3)
演出状態制御手段322は、仮上乗せ遊技数を初期化(0)する。
(ステップS311−4)
演出状態制御手段322は、勝利予約フラグを維持する。
(ステップS311−5)
演出状態制御手段322は、設定されていないキャラがあるか否か判定する。その結果、設定されていないキャラがあればステップS311−6に処理を移し、設定されているキャラがない、つまり、全てのキャラA〜Cが設定されていればキャラの追加を行うことなく当該AT通常状態処理S311を終了する。
(ステップS311−6)
演出状態制御手段322は、上記ステップS301で決定された当選種別が設定差無当選種別であるか否か判定する。その結果、設定差無当選種別であればステップS311−7に処理を移し、設定差無当選種別でなければ当該AT通常状態処理S311を終了する。
(ステップS311−7)
演出状態制御手段322は、上記ステップS301における当選種別抽選の抽選結果に基づいて、キャラ追加抽選を行う。
(ステップS311−8)
演出状態制御手段322は、上記ステップS311−7におけるキャラ追加抽選に当選したか否か判定する。その結果、キャラ追加抽選に当選していればステップS311−9に処理を移し、キャラ追加抽選に当選していなければ当該AT通常状態処理S311を終了する。
(ステップS311−9)
演出状態制御手段322は、追加するキャラについて勝利確定抽選を行い、勝利確定抽選に当選した場合には勝利予約フラグをオンにし、当該AT通常状態処理S311を終了する。
(ジャッジ状態処理S313)
図23は、上記ステップS313のジャッジ状態処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS313−1)
演出状態制御手段322は、ジャッジ状態における最初の遊技であるか否か判定する。その結果、ジャッジ状態における最初の遊技であればステップS313−2に処理を移し、ジャッジ状態における最初の遊技でなければステップS313−5に処理を移す。
(ステップS313−2)
演出状態制御手段322は、勝利予約フラグがオンであるか否か判定する。その結果、勝利予約フラグがオンであればステップS313−3に処理を移し、勝利予約フラグがオンでなければステップS313−5に処理を移す。
(ステップS313−3)
演出状態制御手段322は、勝利予約フラグがオンになっているキャラについて、勝利確定フラグをオンにした後、勝利予約フラグを初期化(オフ)する。
(ステップS313−4)
演出状態制御手段322は、仮上乗せ遊技数として40遊技を設定する。
(ステップS313−5)
演出状態制御手段322は、当選種別「BB」が決定されたか否か判定する。その結果、当選種別「BB」が決定されていれば当該ジャッジ状態処理を終了し、当選種別「BB」が決定されていなければステップS313−6に処理を移す。
(ステップS313−6)
演出状態制御手段322は、勝利確定フラグがオンになっているキャラについてジャッジ抽選を行うか否か判定する。その結果、勝利確定フラグがオンになっているキャラについてジャッジ抽選を行うのであればステップS313−9に処理を移し、勝利確定フラグがオンになっているキャラについてジャッジ抽選を行わないのであればステップS313−7に処理を移す。
(ステップS313−7)
演出状態制御手段322は、上記ステップS301における当選種別抽選の抽選結果に基づいて、ジャッジ抽選を行う。
(ステップS313−8)
演出状態制御手段322は、上記ステップS313−7におけるジャッジ抽選において、勝利する抽選結果が決定されたか否か判定する。その結果、勝利する抽選結果が決定されていればステップS313−9に処理を移し、勝利する抽選結果が決定されていなければステップS313−12に処理を移す。
(ステップS313−9)
演出状態制御手段322は、演出状態をAT通常状態に移行させる決定をする。
(ステップS313−10)
演出状態制御手段322は、勝利確定フラグがオンであるか否か判定する。その結果、勝利確定フラグがオンであればステップS313−11に処理を移し、勝利確定フラグがオンでなければ当該ジャッジ状態処理S313を終了する。
(ステップS313−11)
演出状態制御手段322は、勝利確定フラグを初期化(オフ)し、当該ジャッジ状態処理S313を終了する。
(ステップS313−12)
演出状態制御手段322は、上記ステップS313−7におけるジャッジ抽選において、敗北する抽選結果が決定されたか否か判定する。その結果、敗北する抽選結果が決定されていればステップS313−13に処理を移し、敗北する抽選結果が決定されていなければ当該ジャッジ状態処理S313を終了する。
(ステップS313−13)
演出状態制御手段322は、キャラAのみが設定されているか否か判定する。その結果、キャラAのみが設定されていればステップS313−14に処理を移し、キャラA以外も設定されていればステップS314−15に処理を移す。
(ステップS313−14)
演出状態制御手段322は、補助演出が1回も行われておらず、かつ、当選種別「BB」が一度も決定されていないか否か判定する。その結果、補助演出が1回も行われておらず、かつ、当選種別「BB」が一度も決定されていなければステップS313−16に処理を移し、補助演出が1回でも行われている、または、当選種別「BB」が一度でも決定されていればステップS313−15に処理を移す。
(ステップS313−15)
演出状態制御手段322は、キャラCが設定されていればキャラCの設定を解除し、キャラBが設定されていればキャラBの設定を解除し、キャラAが設定されていればART遊技状態の終了を決定し、当該ジャッジ状態処理S313を終了する。
(ステップS313−16)
演出状態制御手段322は、ジャッジ抽選の抽選結果を維持する抽選結果に差し替え、当該ジャッジ状態処理S313を終了する。
(判定処理S600)
図24は、上記ステップS600の判定処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS600−1)
演出状態制御手段322は、有利状態(有利区間)であるか否か判定する。その結果、有利状態であればステップS600−2に処理を移し、有利状態でなければステップS600−3に処理を移す。
(ステップS600−2)
演出状態制御手段322は、有利状態(有利区間)の遊技数(経過遊技数)をカウントする有利状態カウンタの値を1加算する。
(ステップS600−3)
演出状態制御手段322は、有利状態が終了したか否か判定する。その結果、有利状態が終了していればステップS600−5に処理を移し、有利状態が終了していなければステップS600−5に処理を移す。
(ステップS600−4)
演出状態制御手段322は、有利状態カウンタの値を初期化(0)する。
(ステップS600−5)
演出状態制御手段322は、AT状態が終了したか否か判定する。その結果、AT状態が終了していればステップS600−6に処理を移し、AT状態が終了していなければ当該判定処理S600を終了する。
(ステップS600−6)
演出状態制御手段322は、有利状態カウンタの値が750以下であるか否か判定する。その結果、有利状態カウンタの値が750以下であればステップS600−7に処理を移し、有利状態カウンタの値が750より大きければステップS600−8に処理を移す。
(ステップS600−7)
演出状態制御手段322は、移行する遊技状態として、非AT通常状態またはCZ状態のどちらかを抽選により決定し、決定した非AT通常状態またはCZ状態に移行させ、当該判定処理S600を終了する。
(ステップS600−8)
演出状態制御手段322は、演出状態を非AT通常状態に移行させ、当該判定処理S600を終了する。
(副制御基板202のサブ処理)
図25は、副制御基板202のサブ処理を示したフローチャートである。
(ステップS1100)
電源スイッチ144を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化決定手段330は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化決定手段330は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをサブRAM202cに保持している。
(ステップS1200)
コマンド受信手段332は、主制御基板200からのコマンドが受信されているか否か判定する。その結果、コマンドが受信されていれば、ステップS1300に処理を移し、コマンドが受信されていなければ、ステップS1400に処理を移す。
(ステップS1300)
上記ステップS1200においてコマンドが受信されていると判定されれば、コマンド受信手段332は、当該受信されたコマンドに基づいて種々の処理を実行する。かかるコマンド受信処理S1300は後程詳述する。
(ステップS1400)
演出制御手段334は、演出スイッチ122の検出信号を解析し、その解析結果に基づいて種々の処理を行う。
(ステップS1500)
演出制御手段334は、実行が決定された各種演出の実行情報(タイムテーブル)を参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行い、ステップS1200からの処理を繰り返す。この処理では、液晶表示部124の表示画像を挿入したり切り替えたりし、また、各種のコマンドを各デバイスに送信する。これにより各種演出が実行されることとなる。
(コマンド受信処理S1300)
図26は、上記ステップS1300のコマンド受信処理を示したフローチャートである。ここでは、特に、AT状態の遷移について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS1301)
まず、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが投入コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが投入コマンドであれば、ステップS1302に処理を移し、受信したコマンドが投入コマンドでなければ、ステップS1303に処理を移す。
(ステップS1302)
上記ステップS1301において受信したコマンドが投入コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、次の遊技のための遊技開始準備が行われたとして、それまで実行されていた演出を所定条件下で切り換えたり、終了させる。
(ステップS1303)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが当選種別コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが当選種別コマンドであれば、1遊技が開始されたとし、ステップS1304に処理を移し、受信したコマンドが当選種別コマンドでなければ、ステップS1306に処理を移す。
(ステップS1304)
上記ステップS1303において受信したコマンドが当選種別コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、当選種別コマンドに基づいて遊技の演出を決定する。例えば、AT通常状態において、キャラ追加抽選に当選した場合、キャラが追加することを報知する画像を液晶表示部124に表示する決定をする。また、ジャッジ状態において、ジャッジ抽選の抽選結果や、連続演出を示す画像を液晶表示部124に表示する決定をする。かかる演出決定処理S1304は後程詳述する。
(ステップS1305)
次に、演出制御手段334は、決定した演出を実行開始する。例えば、決定した演出が補助演出であれば、演出制御手段334は、当該補助演出をタイムテーブルに設定する。
(ステップS1306)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが停止コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが停止コマンドであれば、ステップS1307に処理を移し、受信したコマンドが停止コマンドでなければ、ステップS1308に処理を移す。
(ステップS1307)
上記ステップS1306において受信したコマンドが停止コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、その停止コマンドが、第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンドのいずれであるか、また、その停止操作は、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれになされた停止操作かを判定し、その判定結果と演出の内容に基づいて、種々の処理を行うとともに、演出態様を変動させる。
(ステップS1308)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが入賞コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが入賞コマンドであれば、ステップS1309に処理を移し、受信したコマンドが入賞コマンドでなければ、ステップS1310に処理を移す。
(ステップS1309)
上記ステップS1308において受信したコマンドが入賞コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、当該入賞コマンドに基づく演出をタイムテーブルに設定する。
(ステップS1310)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが払出コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが払出コマンドであれば、ステップS1311に処理を移し、受信したコマンドが払出コマンドでなければ、当該コマンド受信処理S1300を終了する。
(ステップS1311)
上記ステップS1310において受信したコマンドが払出コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、当該払出コマンドに基づく演出をタイムテーブルに設定し、当該コマンド受信処理S1300を終了する。そうすると、メダルの払出に応じて、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136の数値が更新される。
(演出決定処理S1304)
図27は、上記ステップS1304の演出決定処理を示したフローチャートである。ここでは、特に、ジャッジ状態の敗北演出および逆転演出の決定について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS1304−1)
演出制御手段334は、ジャッジ状態であるか否か判定する。その結果、ジャッジ状態であればステップS1304−2に処理を移し、ジャッジ状態でなければ当該演出決定処理S1304を終了する。
(ステップS1304−2)
演出制御手段334は、当選種別「BB」が決定されたか否か判定する。その結果、当選種別「BB」が決定されていればステップS1304−4に処理を移し、当選種別「BB」が決定されていなければステップS1304−3に処理を移す。
(ステップS1304−3)
演出制御手段334は、ジャッジ抽選により勝利する抽選結果が得られたか判定する。その結果、ジャッジ抽選により勝利する抽選結果が得られていればステップS1304−5に処理を移し、ジャッジ抽選により勝利する抽選結果が得られていなければステップS1304−7に処理を移す。
(ステップS1304−4)
演出制御手段334は、当選役「通常リプレイ1」を含む当選種別「RBB1」、「RBB4」、「CBB2」、「CBB6」が決定されたか否か判定する。その結果、当選種別「RBB1」、「RBB4」、「CBB2」、「CBB6」が決定されていればステップS1304−5に処理を移し、当選種別「RBB1」、「RBB4」、「CBB2」、「CBB6」が決定されていなければステップS1304−6に処理を移す。
(ステップS1304−5)
演出制御手段334は、敗北演出および逆転演出の実行を決定し、当該演出決定処理S1304を終了する。
(ステップS1304−6)
演出制御手段334は、勝利演出の実行を決定し、当該演出決定処理S1304を終了する。
(ステップS1304−7)
演出制御手段334は、当選種別「通常リプレイ2」が決定され、かつ、ジャッジ抽選により敗北する抽選結果が得られたか判定する。その結果、ジャッジ抽選により敗北する抽選結果が得られていればステップS1304−8に処理を移し、ジャッジ抽選により敗北する抽選結果が得られていなければ当該演出決定処理S1304を終了する。
(ステップS1304−8)
演出制御手段334は、敗北演出の実行を決定し、当該演出決定処理S1304を終了する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上述した実施形態では、状態制御手段312が、主制御基板200において遊技状態や演出状態を管理する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、状態制御手段312は、副制御基板202において遊技状態や演出状態を管理してもよい。また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
また、上述した実施形態では、当選種別「通常リプレイ2」が決定された場合には当選役「通常リプレイ1」が入賞(表示)するようにしたが、当選役「通常リプレイ1」〜「通常リプレイ3」のいずれかが入賞(表示)するようにしてもよく、また、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作態様(打順)に応じて当選役「通常リプレイ1」〜「通常リプレイ3」のいずれかが入賞(表示)するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、有利状態カウンタは、有利状態(有利区間)の遊技数(経過遊技数)をカウントするようにしたが、有利区間の最大遊技数(1500遊技)から遊技数が行われる度に減算していくようにしてもよい。この場合、AT状態が終了する際に、有利状態カウンタが750より大きければCZ状態に移行でき、750以下であれば非AT通常状態(非有利状態)に移行させるようにすればよい。
また、上述した実施形態では、AT状態に移行されてから、最大払出枚数を獲得できる補助演出が1回も実行されず、かつ、当選種別「BB」が決定されていない場合に、最後まで設定されているキャラAについてのジャッジ抽選で敗北する抽選結果が得られた場合には、抽選結果を継続する抽選結果に差し替えるようにした。しかしながら、AT状態に移行されてから、最大払出枚数を獲得できる補助演出が1回も実行されず、かつ、当選種別「BB」が決定されていない場合に、最後まで設定されているキャラAについてのジャッジ抽選で敗北する抽選結果が得られた場合には、勝利する抽選結果に差し替える(AT状態を継続させる)ようにしてもよい。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。