JP6946629B2 - 加飾シート、加飾樹脂成形品、及び加飾樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
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項1. 少なくとも、金属薄膜層と、絵柄層と、第1の保護層と、第2の保護層とをこの順に有する積層体からなり、
前記絵柄層は、前記金属薄膜層の一部の上に設けられており、
前記第2の保護層は、前記絵柄層の上であり、かつ、前記第1の保護層の一部の上に設けられている、加飾シート。
項2. 前記金属薄膜層が、金属蒸着層、金属スパッタリング層、金属イオンプレーティング層、高輝度インキ層、または金属めっき層である、項1に記載の加飾シート。
項3. 前記第1の保護層が、前記加飾シートの片面の全面に設けられている、項1または2に記載の加飾シート。
項4. 前記金属薄膜層と前記絵柄層との間に、透明樹脂層を有する、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項5. 前記第1の保護層が、無機粒子及び樹脂粒子の少なくとも一方を含む、項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
項6. 前記第2の保護層が、無機粒子及び樹脂粒子の少なくとも一方を含む、項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。
項7. 前記加飾シートを前記第2の保護層側から観察距離1mで平面視した際に、前記金属薄膜層を目視で視認することができる、項1〜6のいずれかに記載の加飾シート。
項8. 前記加飾シートの厚み方向の断面において、前記第2の保護層と前記絵柄層とが共に設けられていない領域Aの幅xが、1mm以上である部分を有する、項1〜7のいずれかに記載の加飾シート。
項9. 前記第1の保護層上において、前記第2の保護層が設けられた部分と設けられていない部分とによって形成された凹部形状が、前記絵柄層の模様と同調している、項1〜8のいずれかに記載の加飾シート。
項10. 少なくとも、成形樹脂層と、金属薄膜層と、絵柄層と、第1の保護層と、第2の保護層とをこの順に有する積層体からなり、
前記絵柄層は、前記金属薄膜層の一部の上に設けられており、
前記第2の保護層は、前記絵柄層の上であり、かつ、前記第1の保護層の一部の上に設けられている、加飾樹脂成形品。
項11. 項1〜9のいずれかに記載の加飾シートを射出成形型に挿入し、前記射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂を前記射出成形型内に射出して前記樹脂と前記加飾シートとを一体化する一体化工程、
を備える、加飾樹脂成形品の製造方法。
項12. 前記加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形する真空成形工程を前記一体化工程の前に供える、項11に記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
本発明の加飾シートは、少なくとも、金属薄膜層と、絵柄層と、第1の保護層と、第2の保護層とをこの順に有する積層体からなり、記絵柄層が、金属薄膜層の一部の上に設けられており、第2の保護層が、絵柄層の上であり、かつ、第1の保護層の一部の上に設けられていることを特徴とする。本発明の加飾シートは、このような特定の構成を備えていることにより、従来の加飾シートでは表現できなかった、優れた質感を発揮することができる。特に、本発明の加飾シートを第2の保護層側から平面視(観察距離としては、例えば、1m程度)した際に、金属薄膜層を目視で視認することができるように設計されている場合、例えば図5の模式図に示されるように、目視で視認できる金属薄膜層の光沢領域Pと、部分的に設けられた第2の保護層と絵柄層とによって表現された優れた意匠(優れた立体感)を備える絵柄領域Q(例えば、木目柄)との組み合わせによって、優れた質感を発揮することができる。
本発明の加飾シートは、少なくとも、金属薄膜層と、絵柄層と、第1の保護層と、第2の保護層とがこの順に積層された積層構造を有する。例えば図1に示されるように、絵柄層3は、金属薄膜層4の一部の上に設けられている。また、第2の保護層2は、絵柄層3の上であり、かつ、第1の保護層1の一部1aの上に設けられている。第1の保護層1の表面上においては、第2の保護層2が設けられた部分1aと、当該第2の保護層2が設けられていない部分1bとによって、凹凸形状が形成されている。
[金属薄膜層4]
金属薄膜層4は、加飾シートに部分的な金属光沢を付与する層である。本発明の加飾シートにおいては、金属薄膜層4と、金属薄膜層4の一部の上に設けられた絵柄層3と、第1の保護層1と、絵柄層3の上であり、かつ、第1の保護層1の一部の上に設けられた第2の保護層2とをこの順に有する積層体からなるため、本発明の加飾シートを平面視した際に、金属薄膜層4に基づく金属光沢が部分的に視認される。前述の通り、本発明の加飾シートにおいては、このような部分的に視認される金属光沢と、部分的に設けられた第2の保護層2と絵柄層3とによって表現された優れた立体感の意匠との組み合わせにより、高い質感を発揮することができる。
第1の保護層1は、加飾シートの耐傷付き性、耐候性などを高め、さらに後述の第2の保護層2と共に加飾シートに高い質感を付与するために設けられる層である。加飾シートの耐傷付き性、耐候性などを高めつつ、さらに後述の第2の保護層2と共に加飾シートに高い質感を付与する観点から、第1の保護層1は、加飾シートの片面の全面に設けられていることが好ましい。
第1の保護層1の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂である。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含む。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、第1の保護層1の形成において好適に使用される。
多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを2個以上有するものであれば、特に制限されず、例えば、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートなどであってもよい。また、当該(メタ)アクリレートは、架橋、硬化を良好にするという観点から、1分子当たりの官能基の数として、好ましくは2〜6個が挙げられる。多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールと、多価イソシアネート化合物と、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られる。
第2の保護層2は、絵柄層3の上に設けられている。また、第2の保護層2は、第1の保護層1の一部の上に設けられている。本発明の加飾シートにおいては、このような構成によって形成された凹凸形状によって、加飾シートに高い立体感を付与している。また、第2の保護層2と第1の保護層1との間に艶差を設けることよって、加飾シートに高い立体感を付与することができる。例えば、第2の保護層2を高艶状態(グロス)とし、第1の保護層1を低艶状態(マット)とし、両層間、ひいては第2の保護層2の形成部と非形成部との間に艶差を発現させることにより、加飾シートに高い質感を付与することができる。なお、第1の保護層1と第2の保護層2とは、好ましくは互いに接面している。
絵柄層3は、樹脂成形品に装飾性を与える層であり、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。前述の通り、本発明の加飾シートにおいては、絵柄層は部分的に設けられており、加飾シートを平面視した際に、金属薄膜層4による金属光沢を視認できるように設けられる。なお、前述の幅xは、絵柄層が設けられていない部分の幅に対応している(図1を参照)。
透明樹脂層5は、本発明の加飾シートの耐傷付き性や耐候性を高めると共に、成形性を高める支持体としての役割を果たし、必要に応じて、金属薄膜層4と絵柄層3との間に設けられる。また、透明樹脂層5は、金属薄膜層4を保護することを目的として設けることもできる。透明樹脂層5は、金属薄膜層4による意匠を隠蔽しないものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、またはアクリル樹脂などが挙げられる。
基材層6は、本発明の加飾シートにおいて支持体としての役割を果たすために、必要に応じて設けられる。基材層6に使用される樹脂成分については、特に制限されず、三次元成形性や射出樹脂層との相性等に応じて適宜選定すればよいが、好ましくは、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、具体的には、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」と表記することもある);アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタラート(PET)等が挙げられる。これらの中でも、ABS樹脂が三次元成形性の観点から好ましい。基材層6を形成する樹脂成分としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、基材層6は、これら樹脂の単層シートで形成されていてもよく、また同種又は異種樹脂による複層シートで形成されていてもよい。
隠蔽層は、基材層6の色の変化やバラツキを抑制する目的で、基材層6と第1の保護層1との間、基材層6と絵柄層3との間などに、必要に応じて設けられる層である。
プライマー層7は、金属薄膜層4と、これに隣接する層との密着性を高めることなどを目的として、これらの層間に必要に応じて含まれる層である。プライマー層7は、樹脂により形成することができる。
接着層8は、透明樹脂層5や基材層6と、これらと隣接する層との密着性を向上させることなどを目的として、必要に応じて設けられる層である。また、接着層8は、基材層6の裏面に設けられてもよい。
本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シートに成形樹脂を一体化させることにより成形されてなるものである。即ち、本発明の加飾樹脂成形品は、成形樹脂層10と、金属薄膜層4と、絵柄層3と、第1の保護層1と、第2の保護層2とをこの順に有する積層体からなり、絵柄層3が、金属薄膜層4の一部の上に設けられており、第2の保護層2が、絵柄層3の上であり、かつ、第1の保護層1の一部の上に設けられていることを特徴とする。本発明の加飾樹脂成形品では、必要に応じて、加飾シートに上述の透明樹脂層5、基材層6、プライマー層7、接着層8、隠蔽層などの少なくとも1層がさらに設けられていてもよい。
本発明の加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形する真空成形工程、
真空成形された加飾シートの余分な部分をトリミングして成形シートを得るトリミング工程、及び
成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂を射出成形型内に射出して樹脂と成形シートを一体化する一体化工程。
本発明の加飾シートを、所定形状の成形面を有する可動金型の当該成形面に対し、加飾シートの金属薄膜層側の表面が対面するように設置した後、当該加飾シートを加熱、軟化させると共に、可動金型側から真空吸引して、軟化した加飾シートを当該可動金型の成形面に沿って密着させることにより、加飾シートを予備成形する予備成形工程、
成形面に沿って密着された加飾シートを有する可動金型と固定金型とを型締めした後、両金型で形成されるキャビティ内に、流動状態の樹脂を射出、充填して固化させることにより樹脂成形体を形成し、樹脂成形体と加飾シートを積層一体化させる一体化工程、及び
可動金型を固定金型から離間させて、加飾シート全層が積層されてなる樹脂成形体を取り出す取出工程。
(加飾シートの作製)
基材層6としてABSフィルム(厚さ475μm)を用い、基材層6の表面に、アクリル樹脂からなる蒸着密着のためのプライマー層7を、グラビアコートにより厚さが1μmとなるよう印刷した。その後、真空蒸着機を用いてスズ(Sn)を、50nm程度の厚みで積層し、金属薄膜層4とした。続いて、アクリル樹脂からなる透明樹脂層5を、グラビアコートにより、厚さが1μmとなるよう印刷した。次に、アクリル−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含む絵柄層形成用インキを用い、グラビアコートにより、木目柄の絵柄層3(厚さ1μm)をパターン状(部分的)に形成した。次に、絵柄層3の表面に、第1の保護層1を形成するための電子線硬化性樹脂(多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレート)を、厚さ1〜6μmの範囲でグラビアコートにより塗工した。続いて、前述の絵柄層3によって形成された木目の非導管部と同調するように、第2の保護層2を形成するための電子線硬化性樹脂(多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレート)を、厚さ2〜3μmの範囲で、グラビアコートによりパターン状(部分的)に形成した。最後に、第1の保護層1及び第2の保護層2を形成するための電子線硬化性樹脂に、加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射し、電子線硬化性樹脂を硬化させて、第1の保護層1及び第2の保護層2を形成し、図2に示されるような積層構成を備える加飾シートを得た。なお、実施例1で得られた加飾シートは、厚み方向の断面において、第2の保護層と絵柄層とが共に設けられていない領域Aの幅xが、2〜10mmの部分が複数設けられており、例えば図5の模式図に示されるように、観察距離1mから平面視した場合に、金属薄膜層が模様として認識できる意匠を有している。
(加飾シートの作製)
転写基材シートとして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)を用いた。転写基材シートの表面に、アクリル樹脂からなる蒸着密着のためのプライマー層7を、グラビアコートにより、厚さが1μmとなるよう印刷した。その後、真空蒸着機を用いてスズ(Sn)を、50nm程度の厚みで積層し、金属薄膜層4とした。続いて、ポリエステルからなる接着層8(ヒートシール層)をグラビアコートにより印刷した後、熱ラミネートにより、基材層6としてのABSフィルム(厚さ400μm)に転写した。
一方、厚さ75μmのアクリルフィルム(透明樹脂層5)の片側に、アクリル樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含む絵柄層形成用インキを用い、グラビアコートにより、木目柄の絵柄層3(厚さ1μm)をパターン状(部分的)に形成した。次に、絵柄層3の表面に、第1の保護層1を形成するための電子線硬化性樹脂(多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレート)を、厚さ1〜6μmの範囲でグラビアコートにより塗工した。続いて、絵柄層3によって形成された木目の非導管部と同調するように、第2の保護層2を形成するための電子線硬化性樹脂(多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレート)を、厚さ2〜3μmの範囲で、グラビアコートによりパターン状(部分的)に形成した。最後に、第1の保護層1及び第2の保護層2を形成するための電子線硬化性樹脂に、加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射し、電子線硬化性樹脂を硬化させて、第1の保護層1及び第2の保護層2を形成した。
次に、得られた積層体のアクリルフィルムの他方側に、ポリエステルポリオールからなる接着層8をグラビアコートにより印刷し、ドライラミネートにより、前述の金属薄膜層4を設けた積層体のプライマー層7側と貼り合わせることにより、図3に示されるような積層構成を備える加飾シートを得た。なお、実施例2で得られた加飾シートは、厚み方向の断面において、第2の保護層と絵柄層とが共に設けられていない領域Aの幅xが、2〜10mmの部分が複数設けられており、例えば図5の模式図に示されるように、観察距離1mから平面視した場合に、金属薄膜層が模様として認識できる意匠を有している。
(加飾シートの作製)
基材層としてABSフィルム(厚さ475μm)を用いた。基材層の表面に、アクリル−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含む絵柄層形成用インキを用い、グラビアコートにより、木目柄の絵柄層(厚さ1μm)を形成した。次に、絵柄層の表面に、第1の保護層を形成するための電子線硬化性樹脂(多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレート)を、厚さ1〜6μmの範囲でグラビアコートにより塗工した。続いて、第1の保護層の表面に、絵柄層によって形成された木目の非導管部と同調するように、第2の保護層を形成するための電子線硬化性樹脂(多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレート)を、厚さ2〜3μmの範囲で、グラビアコートによりパターン状(部分的)に形成した。最後に、第1の保護層及び第2の保護層を形成するための電子線硬化性樹脂に、加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射し、電子線硬化性樹脂を硬化させて、第1の保護層及び第2の保護層を形成して、加飾シートを得た。なお、比較例1で得られた加飾シートでは、絵柄層が実質的に全面に設けられており、観察距離1mから平面視した場合に、全体として優れた立体感の木目柄の意匠を有しているが、金属薄膜層を備えていないために金属調の意匠感は有していない。
(加飾シートの作製)
転写基材シートとして、2軸延伸したマット化ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)を用い、表面保護層形成用樹脂として、硬化後の厚さが10μmとなるようにして、電子線硬化性樹脂(多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレート)を、転写基材シートの表面にグラビアコートにより印刷した。この未硬化樹脂層に、アクリル樹脂からなるプライマー層を、グラビアコートにより、厚さが1μmとなるよう印刷した。次に、アクリル−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含む絵柄層形成用インキを用い、グラビアコートにより、木目柄の絵柄層(厚さ1μm)をパターン状(部分的)に形成した。アクリル樹脂からなる蒸着密着のためのプライマー層を、グラビアコートにより、厚さが1μmとなるよう印刷した。次に、真空蒸着機を用いてスズ(Sn)を、50nm程度の厚みで積層し、金属薄膜層とした。続いて、ポリエステルからなる接着層(ヒートシール層)をグラビアコートにより印刷した後、熱ラミネートにより、基材層としてのABSフィルム(厚さ475μm)に転写して、加飾シートを得た。なお、比較例2で得られた加飾シートは、厚み方向の断面において、第2の保護層と絵柄層とが共に設けられていない領域Aの幅xが、2〜10mmの部分が複数設けられており、例えば図5の模式図に示されるように、観察距離1mから平面視した場合に、金属薄膜層が模様として認識できる意匠を有しているが、木目柄部分の立体感がない意匠となっている。
工業デザイナー20人をモニターとし、上記で得られた各加飾シートの質感が十分な質感を有するか否かの官能評価を行った。質感が優れているとの評価が、15人以上20以下の加飾シートを、質感が特に良好「〇」と評価し、5人以上15人未満の加飾シートを、質感が普通「△」と評価し、5人未満の加飾シートを、質感が良くない「×」と評価した。結果を表1に示す。
一方、比較例1の加飾シートは、優れた立体感の木目柄を備えているものの、質感は実施例1,2の加飾シートよりも劣った評価であった。また、比較例2の加飾シートは、部分的に視認される金属光沢の存在により、良好な質感を有しているものの、木目柄の立体感に欠け、全体として実施例1,2の加飾シートよりも劣った評価となった。
2…第2の保護層
3…絵柄層
4…金属薄膜層
5…透明樹脂層
6…基材層
7…プライマー層
8…接着層
10…成形樹脂層
Claims (11)
- 少なくとも、金属薄膜層と、絵柄層と、第1の保護層と、第2の保護層とをこの順に有する積層体からなり、
前記絵柄層は、前記金属薄膜層の一部の上に設けられており、
前記第2の保護層は、前記絵柄層の上であり、かつ、前記第1の保護層の一部の上に設けられており、
前記絵柄層が設けられていない部分の上には、前記第2の保護層が設けられておらず、
前記第1の保護層上において、前記第2の保護層が設けられた部分と設けられていない部分とによって形成された凹部形状が、前記絵柄層の模様と同調していない、加飾シート。 - 前記金属薄膜層が、金属蒸着層、金属スパッタリング層、金属イオンプレーティング層、高輝度インキ層、または金属めっき層である、請求項1に記載の加飾シート。
- 前記第1の保護層が、前記加飾シートの片面の全面に設けられている、請求項1または2に記載の加飾シート。
- 前記金属薄膜層と前記絵柄層との間に、透明樹脂層を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
- 前記第1の保護層が、無機粒子及び樹脂粒子の少なくとも一方を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
- 前記第2の保護層が、無機粒子及び樹脂粒子の少なくとも一方を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。
- 前記加飾シートを前記第2の保護層側から観察距離1mで平面視した際に、前記金属薄膜層を目視で視認することができる、請求項1〜6のいずれかに記載の加飾シート。
- 前記加飾シートの厚み方向の断面において、前記第2の保護層と前記絵柄層とが共に設けられていない領域Aの幅xが、1mm以上である部分を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の加飾シート。
- 少なくとも、成形樹脂層と、金属薄膜層と、絵柄層と、第1の保護層と、第2の保護層とをこの順に有する積層体からなり、
前記絵柄層は、前記金属薄膜層の一部の上に設けられており、
前記第2の保護層は、前記絵柄層の上であり、かつ、前記第1の保護層の一部の上に設けられており、
前記絵柄層が設けられていない部分の上には、前記第2の保護層が設けられておらず、
前記第1の保護層上において、前記第2の保護層が設けられた部分と設けられていない部分とによって形成された凹部形状が、前記絵柄層の模様と同調していない、加飾樹脂成形品。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の加飾シートを射出成形型に挿入し、前記射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂を前記射出成形型内に射出して前記樹脂と前記加飾シートとを一体化する一体化工程、
を備える、加飾樹脂成形品の製造方法。 - 前記加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形する真空成形工程を前記一体化工程の前に供える、請求項10に記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
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