JP6492878B2 - 化粧シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
このような状況下、本発明は、化粧シートの製造装置の大型化を抑制することができ、耐傷付き性にも優れた化粧シートを提供することを主な目的とする。
項1. 少なくとも、基材層と、絵柄層と、第1の保護層と、前記第1の保護層の上に、前記絵柄層に同調するように部分的に設けられた第2の保護層とをこの順に有し、
前記第1の保護層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されおり、
前記第2の保護層が、熱硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されている、化粧シート。
項2. 前記第2の保護層を形成する熱硬化性樹脂組成物の硬化物が、2液硬化型ウレタン樹脂を含む、項1に記載の化粧シート。
項3. 前記第1の保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物が、ポリカーボネート(メタ)アクリレートを含む、項1または2に記載の化粧シート。
項4. 前記第1の保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物が、多官能(メタ)アクリレートをさらに含む、項3に記載の化粧シート。
項5. 前記第1の保護層及び前記第2の保護層の少なくとも一方が、艶消し剤を含む、項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
項6. 前記第1の保護層の表面に占める前記第2の保護層が形成されている部分の面積の合計割合が、5〜95%の範囲にある、項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
項7. 基材層の上に、絵柄層を積層する工程1と、
前記絵柄層の上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布して、未硬化の第1の保護層を積層する工程2と、
前記未硬化の第1の保護層の上に、熱硬化性樹脂組成物を、前記絵柄層に同調するように部分的に積層した後、加熱して熱硬化性樹脂組成物の硬化物により形成された第2の保護層を積層する工程3と、
前記工程1〜工程3で得られた、前記基材層と、前記絵柄層と、前記未硬化の第1の保護層と、第2の保護層とが積層された化粧シート原反を巻き取る工程4と、
前記化粧シート原反の巻取体から前記化粧シート原反を巻き出し、前記未硬化の第1の保護層に電離放射線を照射して、前記未硬化の第1の保護層を硬化させて第1の保護層を形成する工程5と、
を順に備える、化粧シートの製造方法。
項8. 少なくとも、基材層と、絵柄層と、未硬化の第1の保護層と、前記未硬化の第1の保護層の上に、前記絵柄層に同調するように部分的に設けられた第2の保護層とをこの順に有し、
前記未硬化の第1の保護層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の未硬化物により形成されおり、
前記第2の保護層が、熱硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されている、化粧シート原反。
項9. 基材層の上に、絵柄層を積層する工程1と、
前記絵柄層の上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布して、未硬化の第1の保護層を積層する工程2と、
前記未硬化の第1の保護層の上に、熱硬化性樹脂組成物を、前記絵柄層に同調するように部分的に積層した後、加熱して熱硬化性樹脂組成物の硬化物により形成された第2の保護層を積層する工程3と、
前記工程1〜工程3で得られた、前記基材層と、前記絵柄層と、前記未硬化の第1の保護層と、第2の保護層とが積層された化粧シート原反を巻き取る工程4と、
を順に備える、化粧シート原反の製造方法。
項10. 項1〜6のいずれかに記載の化粧シートを成形樹脂層上に積層してなる加飾樹脂成形品。
項11. 項1〜6のいずれかに記載の化粧シートを被着材に貼着してなる化粧板。
本発明の化粧シートは、少なくとも、基材層と、絵柄層と、第1の保護層と、前記第1の保護層の上に、前記絵柄層に同調するように部分的に設けられた第2の保護層とをこの順に有し、第1の保護層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されおり、第2の保護層が、熱硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されていることを特徴とする。本発明の化粧シートにおいては、このような構成を備えていることにより、電離放射線硬化性樹脂の硬化をオフラインで行って製造することができ、化粧シートの製造装置の大型化を抑制することができる。さらに、本発明の化粧シートにおいては、耐傷付き性にも優れている。
本発明の化粧シートは、少なくとも、基材層1と、絵柄層2と、第1の保護層3と、第2の保護層4とがこの順に積層された積層構造を有する。例えば図1に示されるように、絵柄層2は、基材層1の上に設けられている。また、第1の保護層3は、絵柄層2の上に設けられている。さらに、第2の保護層4は、第1の保護層3の表面の一部4aの上に設けられている。第1の保護層3の表面上においては、第2の保護層4が設けられた部分4aと、当該第2の保護層4が設けられていない部分4bとによって、凹凸形状が形成されている。
[基材層1]
基材層1は、本発明の化粧シートにおいて支持体としての役割を果たす層である。基材層1としては特に限定されず、化粧シートの用途に応じて繊維質シート、樹脂シート、金属シート、木質系基材シート等を使用できるが、加飾樹脂成形品の製造に用いられる場合など、三次元成形性が要求される場合は、樹脂シート(樹脂フィルム)により形成されていることが好ましい。基材層1に使用される樹脂成分については、特に制限されず、三次元成形性や成形樹脂層との相性等に応じて適宜選定すればよいが、好ましくは、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、具体的には、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」と表記することもある);アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタラート(PET)等が挙げられる。これらの中でも、ABS樹脂が三次元成形性の観点から好ましい。基材層1を形成する樹脂成分としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、基材層1は、これらの単層シートで形成されていてもよく、また同種又は異種のシートによる複層シートで形成されていてもよい。
通常50〜800μm程度、好ましくは100〜600μm程度、さらに好ましくは200〜500μm程度が挙げられる。基材層1の厚みが上記範囲内であると、化粧シートに対してより一層優れた三次元成形性、意匠性などを備えさせることができる。
絵柄層2は、基材層1の上に設けられ、化粧シートに装飾性を与える層であり、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。絵柄層2によって形成される模様は、特に制限されず、例えば、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様など挙げられ、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様も挙げられる。これらの模様は、通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
第1の保護層3は、化粧シートの耐傷付き性、耐候性などを高め、さらに後述の第2の保護層4と共に化粧シートに高い質感を付与するために設けられる層である。第1の保護層3は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されている。第1の保護層3の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、及びモノマーなどのうち少なくとも1種を適宜混合したものが挙げられる。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、第1の保護層3の形成において好適に使用される。
電離放射線硬化性樹脂として使用される上記モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートモノマーが好適であり、中でも多官能(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)、好ましくは3個以上(3官能以上)有する(メタ)アクリレートモノマーであればよい。多官能(メタ)アクリレートとして、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを2個以上有するものであれば、特に制限されない。また、当該(メタ)アクリレートは、架橋、硬化を良好にするという観点から、1分子当たりの官能基の数として、好ましくは2〜6個が挙げられる。多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、多官能ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にウレタン結合を有し、かつ末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを2個以上有するものであれば、特に制限されない。このような多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。また、多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、架橋、硬化を良好にするという観点から、1分子当たりの官能基の数として、好ましくは2〜12個が挙げられる。また、多官能(メタ)アクリレートは、シリコーン変性されたものであってもよい。多官能(メタ)アクリレートは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
第2の保護層4は、本発明の化粧シートにおいて、第1の保護層3の一部の上に設けられており、これにより形成された凹凸形状によって、化粧シートに高い質感を付与している。また、第2の保護層4と第1の保護層3との間に艶差を設けることよって、化粧シートに高い質感を付与することができる。例えば、第2の保護層4を高艶状態(グロス)とし、第1の保護層3を低艶状態(マット)とし、両層間、ひいては第2の保護層4の形成部と非形成部との間に艶差を発現させることにより、化粧シートに高い質感を付与することができる。
プライマー層5は、第1の保護層3とその下に位置する層との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて含まれる層である。プライマー層5は、樹脂により形成することができる。
透明フィルム層6は、本発明の化粧シートの耐傷付き性や耐候性を高めると共に、成形性を高める支持体としての役割を果たし、必要に応じて、基材層1や絵柄層2などの上に設けられる。透明フィルム層6は、樹脂フィルムにより形成される。透明フィルム層6を備えることで成形性が高まり、化粧シートを三次元成形した際に第1の保護層3や第2の保護層4にクラックが生じ難くなる。透明フィルム層6を形成する樹脂フィルムとしては、化粧シートの成形性を高められると共に、絵柄層2の上に設けられる場合において絵柄層2による意匠を隠蔽しないものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、またはアクリル樹脂などのフィルムが挙げられる。
隠蔽層は、基材層1の色の変化やバラツキを抑制する目的で、基材層1と第1の保護層3との間、絵柄層2を設ける場合であれば基材層1と絵柄層2との間などに、必要に応じて設けられる層である。
接着層は、化粧シートと被着材や射出樹脂との密着性を向上させることなどを目的として、基材層1の裏面に必要に応じて設けられる層である。接着層を形成する樹脂としては、化粧シートと被着材や射出樹脂との密着性を向上させることができるものであれば、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
前述した本発明の化粧シートは、以下の工程1〜5を含む方法により製造することができる。
基材層の上に、絵柄層を積層する工程1
前記絵柄層の上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布して、未硬化の第1の保護層を積層する工程2
前記未硬化の第1の保護層の上に、熱硬化性樹脂組成物を、前記絵柄層に同調するように部分的に積層した後、加熱して熱硬化性樹脂組成物の硬化物により形成された第2の保護層を積層する工程3
前記工程1〜工程3で得られた、前記基材層と、前記絵柄層と、前記未硬化の第1の保護層と、第2の保護層とが積層された化粧シート原反を巻き取る工程4
前記化粧シート原反の巻取体から前記化粧シート原反を巻き出し、前記未硬化の第1の保護層に電離放射線を照射して、前記未硬化の第1の保護層を硬化させて第1の保護層を形成する工程5。
基材層の上に、絵柄層を積層する工程1
前記絵柄層の上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布して、未硬化の第1の保護層を積層する工程2
前記未硬化の第1の保護層の上に、熱硬化性樹脂組成物を、前記絵柄層に同調するように部分的に積層した後、加熱して熱硬化性樹脂組成物の硬化物により形成された第2の保護層を積層する工程3
前記工程1〜工程3で得られた、前記基材層と、前記絵柄層と、前記未硬化の第1の保護層と、第2の保護層とが積層された化粧シート原反を巻き取る工程4。
本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の化粧シートに成形樹脂を一体化させることにより成形されてなるものである。即ち、本発明の加飾樹脂成形品は、少なくとも、成形樹脂層7と、基材層1と、絵柄層2と、第1の保護層3と、前記第1の保護層3の上に、前記絵柄層2に同調するように部分的に設けられた第2の保護層4とをこの順に有し、第1の保護層3が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されおり、第2の保護層4が、熱硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されていることを特徴とする。本発明の加飾樹脂成形品では、必要に応じて、前述の絵柄層2、隠蔽層、透明フィルム層6、プライマー層5、接着層などの少なくとも1層がさらに設けられていてもよい(図3,4を参照)。
本発明の化粧シートを真空成形型により予め立体形状に成形する真空成形工程、
真空成形された化粧シートの余分な部分をトリミングして成形シートを得るトリミング工程、及び
成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂を射出成形型内に射出して樹脂と成形シートを一体化する一体化工程。
この時の加熱温度は、特に限定されず、化粧シートを構成する樹脂の種類や、化粧シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、例えば基材層としてABS樹脂フィルムを使用する場合であれば、通常120〜200℃程度とすることができる。また、一体化工程において、流動状態の樹脂の温度は、特に限定されないが、通常180〜320℃程度とすることができる。
本発明の化粧シートを、所定形状の成形面を有する可動金型の当該成形面に対し、化粧シートの基材層の表面が対面するように設置した後、当該化粧シートを加熱、軟化させると共に、可動金型側から真空吸引して、軟化した化粧シートを当該可動金型の成形面に沿って密着させることにより、化粧シートを予備成形する予備成形工程、
成形面に沿って密着された化粧シートを有する可動金型と固定金型とを型締めした後、両金型で形成されるキャビティ内に、流動状態の樹脂を射出、充填して固化させることにより樹脂成形体を形成し、樹脂成形体と化粧シートを積層一体化させる一体化工程、及び
可動金型を固定金型から離間させて、化粧シート全層が積層されてなる樹脂成形体を取り出す取出工程。
これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記本発明の化粧シートを被着材上に貼着することにより、化粧板とすることができる。被着材は、限定的でなく、公知の化粧板に用いられるものと同様のものを用いることができる。上記被着材としては、例えば、木質材、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等が挙げられる。特に、上記化粧シートは、木質材に好適に使用することができる。木質材としては、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、チップボード、又はチップボードが積層された複合基材等が挙げられる。上記木質材としては、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)を用いることが好ましい。
(化粧シートの作製)
基材層としてのABS樹脂フィルム(厚み400μmm)上に、塩化ビニル樹脂/酢酸ビニル−アクリル系共重合体(質量比50:50)を含むインキを用いて、グラビア印刷により絵柄層(厚み5μm)を形成した。絵柄層の模様は、木目模様とした。次に、絵柄層の上に表1に記載の組成を有する樹脂組成物を用いて、グラビア印刷により未硬化の第1の保護層(厚み3μm)を形成した。次に、未硬化の第1の保護層の上に、表1の組成を有する樹脂組成物を用いて、絵柄層の木目模様の導管部に対応する位置が非形成部となるように、木目模様と同調した第2の保護層(厚み3μm)をパターン状に形成し、加熱硬化(温度80℃)させ、化粧シート原反を得た。次に、化粧シート原反(長さ500m)を円断面の直径が48cmの円柱状のコア管に巻き取った。得られた巻取体から、化粧シート原反を巻き出し、化粧シート原反の第2の保護層側から電子線を照射(加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad))して、第1の保護層または第2の保護層を硬化して、表1に示されるような構成を有する、基材層/絵柄層/第1の保護層/第2の保護層がこの順に積層された化粧シートを得た。なお、実施例1〜2及び比較例1〜3で得られた化粧シートにおいて、第1の保護層の表面に占める第2の保護層が形成されている部分の面積の合計割合は、約50%であった。
実施例及び比較例の各化粧シート原反の巻取体を室温(20℃)で1週間保管した。次に、巻取体から化粧シート原反を巻き出した際のブロッキングを以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
〇:ブロッキングは見られず、巻き出し後の第1の保護層及び第2の保護層の状態に変化がない。
×ブロッキングが見られ、巻き出し後の第1の保護層及び第2の保護層の状態に変化がある。
実施例及び比較例の各化粧シートを、それぞれ赤外線ヒーターで160℃に加熱し、軟化させた。次に、真空成形用型を用い、最大延伸倍率が150%になる条件で真空成形し、真空成形用型の内部形状となるように化粧シートを成形した。次に、化粧シートを冷却後、真空成形用型から離型した。離型した各化粧シートについて、以下の評価基準に従い成形性を評価した。結果を表1に示す。
〇:離型した化粧シートの表面に割れや白化が全く見られず、真空成形用型の内部形状に良好に追従していた
×:100%未満の延伸部の表面にも割れや白化が見られ、真空成形用型の内部形状に追従できていなかった
実施例及び比較例の各化粧シートの表面を爪で10往復ひっかき、表面の状態を目視で観察し、以下の基準に従い評価した。結果を表1に示す。
〇:表面に傷付きがなく、艶の上昇も認められなかった
△:表面に微細な傷や、艶の上昇が認められたが、実用上問題がない
×:表面に著しい傷があり、艶の上昇が認められた
(樹脂)
AU:アクリルポリオール/ウレタン樹脂(質量比8:2)100質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート7質量部の2液硬化型樹脂
EB:2官能ポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量1万)/2官能ポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量2万)/4官能シリコーン変性ウレタンアクリレート(重量平均分子量6千)の混合樹脂(質量比64.7/32.3/3)
(無機粒子)
1.3S:粒子径1.3μmのシリカ粒子
2S:粒子径2μmのシリカ粒子
(添加剤:樹脂粒子)
3U:粒子径3μmのウレタンビーズ
(添加剤:ワックス)
WAX:粒子径5μmのポリプロピレンワックスとポリエチレンワックスの混合物
一方、未硬化の電離放射線硬化性樹脂組成物を第2の保護層に用いた比較例1,2の化粧シート原反においては、ブロッキングが生じてしまった。さらに、比較例2の化粧シートにおいては、成形性及び耐傷付き性が劣っていた。また、第1の保護層と第2の保護層を共に熱硬化性樹脂組成物の硬化物により形成した比較例3の化粧シート原反においては、ブロッキングは効果的に抑制されたが、化粧シートの成形性及び耐傷付き性が劣っていた。
2…絵柄層
3…第1の保護層
4…第2の保護層
5…プライマー層
6…透明フィルム層
7…成形樹脂層
Claims (3)
- 基材層の上に、絵柄層を積層する工程1と、
前記絵柄層の上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布して、未硬化の第1の保護層を積層する工程2と、
前記未硬化の第1の保護層の上に、熱硬化性樹脂組成物を、前記絵柄層に同調するように部分的に積層した後、加熱して熱硬化性樹脂組成物の硬化物により形成された第2の保護層を積層する工程3と、
前記工程1〜工程3で得られた、前記基材層と、前記絵柄層と、前記未硬化の第1の保護層と、第2の保護層とが積層された化粧シート原反を巻き取る工程4と、
前記化粧シート原反の巻取体から前記化粧シート原反を巻き出し、前記未硬化の第1の保護層に電離放射線を照射して、前記未硬化の第1の保護層を硬化させて第1の保護層を形成する工程5と、
を順に備える、化粧シートの製造方法。 - 少なくとも、基材層と、絵柄層と、未硬化の第1の保護層と、前記未硬化の第1の保護層の上に、前記絵柄層に同調するように部分的に設けられた第2の保護層とをこの順に有し、
前記未硬化の第1の保護層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の未硬化物により形成されおり、
前記第2の保護層が、熱硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されている、化粧シート原反。 - 基材層の上に、絵柄層を積層する工程1と、
前記絵柄層の上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布して、未硬化の第1の保護層を積層する工程2と、
前記未硬化の第1の保護層の上に、熱硬化性樹脂組成物を、前記絵柄層に同調するように部分的に積層した後、加熱して熱硬化性樹脂組成物の硬化物により形成された第2の保護層を積層する工程3と、
前記工程1〜工程3で得られた、前記基材層と、前記絵柄層と、前記未硬化の第1の保護層と、第2の保護層とが積層された化粧シート原反を巻き取る工程4と、
を順に備える、化粧シート原反の製造方法。
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