JP6946446B2 - ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜及び塗装物品 - Google Patents

ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜及び塗装物品 Download PDF

Info

Publication number
JP6946446B2
JP6946446B2 JP2019546648A JP2019546648A JP6946446B2 JP 6946446 B2 JP6946446 B2 JP 6946446B2 JP 2019546648 A JP2019546648 A JP 2019546648A JP 2019546648 A JP2019546648 A JP 2019546648A JP 6946446 B2 JP6946446 B2 JP 6946446B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
compound
less
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019546648A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019069761A1 (ja
Inventor
和子 中島
和子 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Publication of JPWO2019069761A1 publication Critical patent/JPWO2019069761A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6946446B2 publication Critical patent/JP6946446B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/70Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the isocyanates or isothiocyanates used
    • C08G18/72Polyisocyanates or polyisothiocyanates
    • C08G18/80Masked polyisocyanates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D175/00Coating compositions based on polyureas or polyurethanes; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D175/04Polyurethanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D7/00Features of coating compositions, not provided for in group C09D5/00; Processes for incorporating ingredients in coating compositions
    • C09D7/20Diluents or solvents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D7/00Features of coating compositions, not provided for in group C09D5/00; Processes for incorporating ingredients in coating compositions
    • C09D7/40Additives
    • C09D7/60Additives non-macromolecular
    • C09D7/63Additives non-macromolecular organic

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

本発明は、ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜及び塗装物品に関する。
本願は、2017年10月2日に日本に出願された特願2017−193093号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、ポリウレタン塗料は優れた耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性を有している。さらに、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる1種以上のジイソシアネートから誘導されたポリイソシアネートを含むポリウレタン塗料はより耐候性が優れ、その需要は増加する傾向にある。
一般に、ポリウレタン塗料は、ポリオール成分(主剤)とポリイソシアネート成分(硬化剤)との二成分からなる。これらを別々に貯蔵し、塗装時に両成分を混合する必要があり、混合した塗料は数時間でゲル化して使用できなくなるのが現状であった。
従来の上記欠点を改善するために、ポリイソシアネートが有する活性なイソシアネート基の全てを活性水素基含有化合物(以下、「ブロック剤」と略記する)でブロックしたブロックポリイソシアネートを用いることが提案されている。このブロックポリイソシアネートは、常温ではポリオールとは反応しない。一方、比較的高温ではブロック剤を解離し、活性なイソシアネート基が再生されてポリオールと架橋反応する性質を有する。
ブロックポリイソシアネートのブロック剤としては、例えば、オキシム類、フェノール類、アルコール類、ラクタム類等が知られている。これらのブロック剤を使用して形成されたブロックポリイソシアネート組成物は、一般に高い焼付け温度を必要とするため、エネルギーコストが非常に大きくなる。また、耐熱性の低いプラスチックへの加工には、高温焼付けが必要なブロックポリイソシアネート組成物は使用することができないという制限がある。
比較的低温の焼付け温度で架橋塗膜を形成することが可能なブロックポリイソシアネート組成物としては、例えば、ピラゾール系化合物又は脂肪族2級アミン系化合物をブロック剤として使用したブロックポリイソシアネート組成物が挙げられる。
また、架橋塗膜形成時における焼付け温度の更なる低温化が可能なブロックポリイソシアネート組成物としては、例えば、イミダゾール類をブロック剤として使用したブロックポリイソシアネート組成物(例えば、特許文献1、2、3及び4参照)が挙げられる。
特開2014−091769号公報 国際公開第2015/025776号 特開2003−048951号公報 特開平04−065475号公報
しかしながら、特許文献1、2、3及び4に記載のブロックポリイソシアネート組成物においては、比較的低温で硬化が可能ではあるものの、一方で、主剤中のポリオールとの反応性も高く、主剤と混ぜ合わせた一液型コーティング組成物のポットライフ(可使時間)が短いという課題を有している。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、低温硬化性を保持しつつ、主剤と混ぜ合わせた一液型コーティング組成物のポットライフに優れるブロックポリイソシアネート組成物を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係るブロックポリイソシアネート組成物は、ブロックポリイソシアネートと非プロトン性の極性化合物とを含み、前記ブロックポリイソシアネートは、脂肪族及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる1種以上のジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含み、該ポリイソシアネートのイソシアネート基の一部又は全部が下記一般式(I)で表される化合物(但し、下記一般式(I−2)で示されるベンゾイミダゾール系化合物、2−フェニルイミダゾール、及び5−メチルイミダゾールは除く)でブロックされて構成されており、前記非プロトン性の極性化合物が、SP値が9.3以上の化合物であるブロックポリイソシアネート組成物。
Figure 0006946446
[一般式(I)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、又は、イミノ基及びエーテル結合からなる群より選ばれる1種以上を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。RとRとは互いに結合して環を形成してもよい。Rは、水素原子又は炭素数1以上18以下の炭化水素基である。R、R及びRのうち少なくとも1つが水素原子である。Rは、水素原子、又は、イミノ基を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。]
Figure 0006946446
[式中、R 122 及びR 123 は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1以上18以下の炭化水素基である。R 121 は、炭素数1以上18以下の炭化水素基である。n121は0以上4以下の整数である。n121が2以上4以下の整数である場合、n121個のR 121 は互いに同一でも異なっていてもよい。]
前記一般式(I)で表される化合物が、イミダゾール系化合物、イミダゾリン系化合物、ピリミジン系化合物及びグアニジン系化合物からなる群より選ばれる1種以上であってもよい。
前記非プロトン性の極性化合物が、SP値が10.0以上の化合物であってもよい。
前記非プロトン性の極性化合物が、三級アミド系化合物及びスルホキシド化合物からなる群より選ばれる1種以上であってもよい。
前記非プロトン性の極性化合物が、下記一般式(II)で表される化合物及び下記一般式(III)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上であってもよい。
Figure 0006946446
[一般式(II)中、R及びRは、それぞれ独立に、イミノ基、エーテル結合及びカルボニル基からなる群より選ばれる1種以上を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。RとRとは互いに結合して環を形成してもよい。Rは水素原子、シアノ基、又は、イミノ基、エーテル結合、カルボニル基及びエステル結合からなる群より選ばれる1種以上を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。RとRとは互いに結合して環を形成してもよく、窒素原子又は酸素原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。]
Figure 0006946446
[一般式(III)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下の炭化水素基である。]
上記第1態様に係るブロックポリイソシアネート組成物は、前記ブロックポリイソシアネート及び前記非プロトン性の極性化合物の合計質量に対して、前記非プロトン性の極性化合物を10質量%以上90質量%以下含んでもよい。
本発明の第2態様に係る一液型コーティング組成物は、上記第1態様に係るブロックポリイソシアネート組成物を含む。
本発明の第3態様に係る塗膜は、上記第2態様に係る一液型コーティング組成物により形成されている。
本発明の第4態様に係る塗装物品は、上記第3態様に係る塗膜を備える。
上記態様のブロックポリイソシアネート組成物は、低温硬化性に優れる。また、前記ブロックポリイソシアネート組成物と主剤と混ぜ合わせた一液型コーティング組成物のポットライフは、良好である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
なお、本明細書において、「ポリオール」とは、2つ以上のヒドロキシ基(−OH)を有する化合物を意味する。
本明細書において、「ポリイソシアネート」とは、1つ以上のイソシアネート基(−NCO)を有する単量体化合物(以下、「イソシアネートモノマー」と略記する)が複数結合した反応物を意味する。
≪ブロックポリイソシアネート組成物≫
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、ブロックポリイソシアネートと非プロトン性の極性化合物とを含む。また、前記ブロックポリイソシアネートは、脂肪族及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる1種以上のジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含む。さらに、該ポリイソシアネートのイソシアネート基の一部又は全部が下記一般式(I)で表される化合物(以下、「化合物(I)」と略記する)でブロックされて構成されている。非プロトン性の極性化合物は 、SP値が9.3以上の化合物である。
Figure 0006946446
[一般式(I)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、又は、イミノ基及びエーテル結合からなる群より選ばれる1種以上を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。RとRとは互いに結合して環を形成してもよい。Rは、水素原子又は炭素数1以上18以下の炭化水素基である。R、R及びRのうち少なくとも1つが水素原子である。Rは、水素原子、又は、イミノ基を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。]
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物の各構成成分について、以下に詳細を説明する。
<ブロックポリイソシアネート>
本実施形態において、ブロックポリイソシアネートは、ポリイソシアネートと化合物(I)との反応により得られる反応物である。また、ブロックポリイソシアネートにおいて、ポリイソシアネートのイソシアネート基の一部又は全部が化合物(I)でブロックされて構成されている。好ましくは、ブロックポリイソシアネートにおいて、ポリイソシアネートのイソシアネート基は、化合物(I)のみでブロックされて構成されている。
[イソシアネート基平均数]
本実施形態において、ブロックポリイソシアネートのイソシアネート基平均数の下限値は、2.0であることが好ましく、2.4であることがより好ましく、2.8であることがさらに好ましく、3.0であることが特に好ましい。イソシアネート基平均数が上記下限値以上であることで、低温硬化性がより良好となる傾向にある。
また、ブロックポリイソシアネートのイソシアネート基平均数の上限値は、6.0であることが好ましく、5.6であることがより好ましく、5.4であることがさらに好ましく、5.2であることが特に好ましい。イソシアネート基平均数が上記上限値以下であることで、一液型コーティング組成物のポットライフがより良好となる傾向にあり、また、ブロックポリイソシアネート組成物の粘度をより好適な範囲に調整できる傾向にある。
なお、一般に、「ポットライフ」とは、塗料、接着剤等の組成物において、主剤と硬化剤とを混合して組成物を調製後、硬化前の組成物としての性能を確保している時間を意味する。可使時間ともいう。
すなわち、本実施形態において、ブロックポリイソシアネートのイソシアネート基平均数は、低温硬化性及び一液型コーティング組成物のポットライフの観点から、2.0以上6.0以下であることが好ましく、2.4以上5.6以下であることがより好ましく、2.8以上5.4以下であることがさらに好ましく、3.0以上5.2以下であることが特に好ましい。
また、イソシアネート基平均数は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
[有効イソシアネート基含有量(有効NCO含有量)]
本実施形態において、ブロックポリイソシアネートの総質量に対する、ブロックポリイソシアネートの有効イソシアネート基含有量(以下、「有効NCO含有量」と略記する)の下限値は、1.0質量%であることが好ましく、2.0質量%であることがより好ましく、4.0質量%であることがさらに好ましく、4.5質量%であることが特に好ましい。ここで、「有効NCO」とは、ブロック化反応後のブロックポリイソシアネート組成物中に存在する架橋反応に関与しうるイソシアネート基を意味する。
有効NCO含有量が上記下限値以上であることにより、低温硬化性がより良好となる傾向にある。
また、ブロックポリイソシアネートの有効NCO含有量の上限値は、20質量%であることが好ましく、18質量%であることがより好ましく、16質量%であることがさらに好ましく、14質量%であることが特に好ましい。有効NCO含有量が上記上限値以下であることにより、一液型コーティング組成物のポットライフがより良好となる傾向にある。
すなわち、本実施形態において、ブロックポリイソシアネートの有効NCO含有量は、低温硬化性及び一液型コーティング組成物のポットライフの観点から、1.0質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以上18質量%以下であることがより好ましく、4.0質量%以上16質量%であることがさらに好ましく、4.5質量%以上14質量%であることが特に好ましい。
有効NCO含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
次いで、本実施形態におけるブロックポリイソシアネートの構成成分について、以下に詳細を説明する。
[ポリイソシアネート]
化合物(I)と反応させるポリイソシアネートは、1つ以上のイソシアネート基(−NCO)を有するイソシアネートモノマーを複数反応させて得られる反応物である。中でも、本実施形態で用いられるポリイソシアネートとしては、脂肪族及び脂環族ジイソシアネートからなる群から選択される1種以上のジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートであることが好ましい。すなわち、本実施形態で用いられるポリイソシアネートとしては、イソシアネートモノマーとして、脂肪族及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる1種以上を用いたものであることが好ましい。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、以下のものに限定されないが、例えば、1,4−ジイソシアナトブタン、1,5−ジイソシアナトペンタン、エチル(2,6−ジイソシアナト)ヘキサノエート、1,6−ジイソシアナトヘキサン(以下、「HDI」と略記する)、1,9−ジイソシアナトノナン、1,12−ジイソシアナトドデカン、2,2,4−又は2,4,4−トリメチル−1、6−ジイソシアナトヘキサン等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、以下のものに限定されないが、例えば、1,3−又は1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(以下、「水添XDI」と略記する)、1,3−又は1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、3,5,5−トリメチル1−イソシアナト−3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(以下、「IPDI」と略記する)、4−4’−ジイソシアナト−ジシクロヘキシルメタン(以下、「水添MDI」と略記する)、2,5−又は2,6−ジイソシアナトメチルノルボルナン等が挙げられる。
中でも、イソシアネートモノマーとしては、一液型コーティング組成物のポットライフがより良好となる傾向にあることから、HDI、IPDI又は水添XDIが好ましい。
また、イソシアネートモノマーとして、上記ジイソシアネートの他に、さらに、例えば、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナートメチルオクタン、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナト−ヘキサノエート等の脂肪族トリイソシアネートを用いてもよい。
上記ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートとして具体的には、例えば、以下の(1)〜(8)に示すものが挙げられ、これらに限定されない。
(1)2つのイソシアネート基を環化二量化して得られるウレトジオン構造を有するポリイソシアネート化合物。
(2)3つのイソシアネート基を環化三量化して得られるイソシアヌレート構造及びイミノオキサジアジンジオン構造を有するポリイソシアネート化合物。
(3)3つのイソシアネート基と1つの水分子とを反応させて得られるビウレット構造を有するポリイソシアネート化合物。
(4)2つのイソシアネート基と1分子の二酸化炭素とを反応させて得られるオキサダイアジントリオン構造を有するポリイソシアネート化合物。
(5)1つのイソシアネート基と1つの水酸基とを反応させて得られるウレタン基を複数有するポリイソシアネート化合物。
(6)2つのイソシアネート基と1つの水酸基とを反応させて得られるアロファネート構造を有するポリイソシアネート化合物。
(7)1つのイソシアネート基と1つのカルボキシル基とを反応させて得られるアシル尿素基を有するポリイソシアネート化合物。
(8)1つのイソシアネート基と1つの1級又は2級アミンとを反応させて得られる尿素構造を有するポリイソシアネート化合物。
すなわち、ポリイソシアネートとしては、上記ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートの他に、さらに、複数のイソシアネートモノマー(上記ジイソシアネートを含む)と、上記ジイソシアネート以外の化合物(例えば、アルコール、水、アミン)とを反応させて得られる反応物であるポリイソシアネートを含む。
これらのポリイソシアネートは、単独で使用してもよく、二種類以上併用してもよい。
また、これらのポリイソシアネートは、水酸基及びノニオン性親水基を有する化合物によって変性されていてもよい。
(ポリイソシアネートの製造方法)
ポリイソシアネートの製造方法について、以下に詳細を説明する。
ポリイソシアネートは、例えば、ウレトジオン構造を形成するウレトジオン化反応、イソシアヌレート構造を形成するイソシアヌレート化反応、ビウレット構造を形成するビウレット化反応、オキサダイアジントリオン構造を形成するオキサダイアジントリオン化反応、ウレタン基を形成するウレタン化反応、アロファネート構造を形成するアロファネート化反応、アシル尿素基を形成するアシル尿素化反応、及び/又は、尿素構造を形成する尿素化反応を、過剰のジイソシアネート存在下で一度に行い、反応終了後に、未反応のジイソシアネートを除去して得ることができる。すなわち、上記反応により得られるポリイソシアネートは、上述のジイソシアネートが複数結合したものであり、且つ、ウレトジオン構造、イソシアヌレート構造、ビウレット構造、ウレタン基、アロファネート構造、アシル尿素基、及び、尿素基からなる群から選択される1種類以上を有する反応物である。
また、上記の反応を別々に行ない、それぞれ得たポリイソシアネートを特定比率で混合してもよい。
製造の簡便さからは、上記反応を一度に行いポリイソシアネートを得ることが好ましく、各構造のモル比を自由に調整する観点からは、別々に製造した後に混合することが好ましい。
これらのポリイソシアネートの製造方法としては公知の方法を用いればよい。例えば、イソシアヌレート型ポリイソシアネートの製造方法をする場合については、ジイソシアネートからイソシアヌレート構造を含有するポリイソシアネートを誘導するための触媒を用いればよい。当該触媒としては、一般的に使用されるイソシアヌレート化反応触媒が挙げられる。
イソシアヌレート化反応触媒としては、特に限定されないが、一般に塩基性を有するものであることが好ましい。イソシアヌレート化反応触媒として具体的には、例えば、以下に示すもの等が挙げられる。
(1)テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド;その酢酸塩、オクチル酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩。
(2)トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド;その酢酸塩、オクチル酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩。
(3)酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛等の金属塩。
(4)ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート。
(5)ヘキサメチレンジシラザン等のアミノシリル基含有化合物。
(6)マンニッヒ塩基類。
(7)第3級アミン類とエポキシ化合物との混合物。
(8)トリブチルホスフィン等の燐系化合物。
中でも、不要な副生成物を生じさせにくい観点からは、イソシアヌレート化反応触媒としては、4級アンモニウムの有機弱酸塩であることが好ましく、テトラアルキルアンモニウムの有機弱酸塩であることがより好ましい。
また、反応時にはジイソシアネート以外の化合物として、モノアルコール、ジオール、又は、3価以上の多価アルコールを添加し、一緒に反応を行ってもよい。
モノアルコールとして具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール等が挙げられる。
ジオールとして具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチルヘキサンジオール等が挙げられる。
トリオールとして具体的には、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリトリトール等が挙げられる。
多価アルコールとして具体的には、例えば、脂肪族炭化水素ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、エポキシ樹脂類、フッ素ポリオール類及びアクリルポリオール類等が挙げられる。
また、イソシアヌレート化反応後、反応を停止することが好ましい。反応を停止する方法としては、例えば、触媒を失活する方法等が挙げられる。触媒を失活する方法としては、例えば、リン酸、酸性リン酸エステル等の酸性物質による中和、熱分解、化学分解等が挙げられる。
[ブロック剤]
本実施形態において、ポリイソシアネートと反応させるブロック剤としては、下記一般式(I)で表される化合物(化合物(I))が好ましい。
Figure 0006946446
[一般式(I)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、又は、イミノ基及びエーテル結合からなる群より選ばれる1種以上を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。R及びRは互いに同一でも異なっていてもよい。RとRとは互いに結合して環を形成してもよく、窒素原子又は酸素原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。Rは、水素原子又は炭素数1以上18以下の炭化水素基である。R、R及びRからなる群から選択される1つ以上が水素原子である。Rは、水素原子、又は、イミノ基を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。]
(化合物(I))
及びR
一般式(I)におけるR及びRは、それぞれ独立に水素原子、又は、イミノ基(−NR−(式中、Rは水素原子、又は、炭素数1以上18以下の炭化水素基を表す))及びエーテル結合(−O−)からなる群より選ばれる1種以上を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。R及びRは互いに同一でも異なっていてもよい。
イミノ基及びエーテル結合からなる群より選ばれる1種以上を含まない炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、例えば、1価の炭素数1以上18以下の脂肪族炭化水素基、1価の炭素数6以上18以下の芳香族炭化水素基(アリール基)等が挙げられる。
1価の炭素数1以上18以下の脂肪族炭化水素基としては、例えば、1価の飽和又は不飽和の炭素数1以上18以下の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
1価の飽和の炭素数1以上18以下の脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数1以上18以下のアルキル基が挙げられる。前記炭素数1以上18以下のアルキル基としては、例えば、炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基、炭素数3以上18以下の環状アルキル基等が挙げられる。中でも、炭素数1以上18以下のアルキル基としては、炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であることが好ましい。
炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基としては、直鎖又は分岐の炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基が挙げられる。前記直鎖又は分岐の鎖状アルキル基において、炭素数は1以上18以下であり、1以上10以下であることが好ましく、1以上8以下であることがより好ましく、1以上6以下であることがさらに好ましい。
好ましい前記直鎖又は分岐の鎖状アルキル基として具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、2,3−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘキサン−2−イル基、ヘキサン−3−イル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、3,3−ジメチルブチル基等が挙げられる。
1価の不飽和の炭素数2以上18以下の炭化水素基としては、例えば、炭素数2以上18以下のアルケニル基、炭素数3以上18以下のアルカジエニル基、炭素数2以上18以下のアルキニル基等が挙げられる。中でも、不飽和の1価の炭素数2以上18以下の炭化水素基としては、炭素数2以上18以下のアルケニル基であることが好ましい。
炭素数2以上18以下のアルケニル基としては、炭素数2以上18以下の鎖状アルケニル基、炭素数3以上18以下の環状アルケニル基が挙げられる。中でも、炭素数2以上18以下のアルケニル基としては、炭素数2以上18以下の鎖状アルケニル基であることが好ましい。
炭素数2以上18以下の鎖状アルケニル基としては、直鎖又は分岐の炭素数2以上18以下の鎖状アルケニル基が挙げられる。前記直鎖又は分岐の鎖状アルケニル基において、炭素数は1以上18以下であり、1以上10以下であることが好ましく、1以上8以下であることがより好ましく、1以上6以下であることがさらに好ましい。
好ましい前記直鎖又は分岐の鎖状アルケニル基として具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、イソペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。
炭素数6以上18以下の芳香族炭化水素基(アリール基)としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アズレニル基、ビフェニル基等が挙げられる。
中でも、Rがイミノ基及びエーテル結合からなる群より選ばれる1種以上を含まない炭素数1以上18以下の炭化水素基である場合、Rとしては、炭素数1以上18以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であることがより好ましく、炭素数1以上6以下の直鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
また、中でも、Rがイミノ基及びエーテル結合からなる群より選ばれる1種以上を含まない炭素数1以上18以下の炭化水素基である場合、Rとしては、炭素数1以上18以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であることがより好ましく、炭素数1以上6以下の直鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
及びRがイミノ基及びエーテル結合からなる群より選ばれる1種以上を含む炭素数1以上18以下の鎖状の炭化水素基である場合、例えば、下記一般式(IV)で表される基(以下、「基(IV)」と略記する)、又は、下記一般式(V)で表される基(以下、「基(V)」と略記する)等が挙げられる。
−(CHn41−O−R41 (IV)
−(CHn51−N(R51)−R52 (V)
・R41及びR52
41及びR52は、それぞれ独立に、炭素数1以上18以下の炭化水素基である。炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、上述において例示されたものと同様のものが挙げられる。
中でも、R41及びR52としてはそれぞれ、炭素数1以上18以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であることがより好ましく、炭素数1以上6以下の直鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
・R51
51は、水素原子、又は、炭素数1以上18以下の炭化水素基である。炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、上述において例示されたものと同様のものが挙げられる。
中でも、R51としては水素原子又は炭素数1以上18以下のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であることがより好ましく、水素原子又は炭素数1以上6以下の直鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
また、メチレン基の繰り返しである−(CHn41−に含まれる炭素数(m41)は、それぞれ0以上18以下の整数である。R41の炭素数(m42)は、1以上18以下の整数である。また、m41とm42との関係は、1≦m41+m42≦18で表される。すなわち、m41=0のとき、m42は1以上18以下の整数である。また、m42=1のとき、m41は0以上17以下の整数である。
中でも、m41及びm42としては、m41が1以上18以下であり、m42が1であることが好ましい。
また、メチレン基の繰り返しである−(CHn51−に含まれる炭素数(m51)、及び、R51の炭素数(m52)は、それぞれ0以上18以下の整数である。また、R52の炭素数(m53)は、1以上18以下の整数である。また、m51とm52とm53との関係は、1≦m51+m52+m53≦18で表される。すなわち、m51=0(単結合)及びm52=0(R51が水素原子)のとき、m53は1以上18以下の整数である。また、m51=0(単結合)及びm53=1のとき、m52は0以上17以下の整数である。また、m52=0(R51が水素原子)及びm53=1のとき、m51は0以上17以下の整数である。
中でも、m51、m52及びm53としては、m51及びm53の和が1以上18以下であり、m53は0ではなく、m52が0であることが好ましい。
・n41及びn51
n41及びn51はそれぞれメチレン基(−CH−)の繰り返し数である。n41及びn51はそれぞれ独立して0以上18以下の整数である。
中でも、n41及びn51としてはそれぞれ、1以上10以下であることが好ましく、1以上5以下であることがより好ましく、1以上3以下であることがさらに好ましい。
及びRがイミノ基及びエーテル結合からなる群より選ばれる1種以上を含む炭素数1以上18以下の環状の炭化水素基である場合、例えば、窒素原子又は酸素原子を環に含む1価の複素環基が挙げられる。
また、RとRとは互いに結合して環を形成してもよく、窒素原子又は酸素原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。また、RとRとが形成する環としては、単環であってもよく、2つ以上の単環がそれぞれの環の辺を互いに1つだけ供給してできる縮合環であってもよい。なお、RとRとが形成する環は少なくとも窒素原子を2つ含む複素環である。
とRとが互いに結合して環を形成する場合、R及びRにおけるイミノ基及びエーテル結合からなる群より選ばれる1種以上を含まない炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、上記において炭素数1以上18以下の炭化水素基として例示されたものから、さらに1つ又は2つの水素原子を取り除いたものが挙げられる。
とRとが互いに結合して環を形成する場合、R及びRにおけるイミノ基及びエーテル結合からなる群より選ばれる1種以上を含む炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、例えば、下記一般式(IV−1)で表される基(以下、「基(IV−1)」と略記する)、又は、下記一般式(V−1)で表される基(以下、「基(V−1)」と略記する)等が挙げられる。
*1−(CHn411−O−(CHn412*2 (IV−1)
*3−(CHn511−N(R511)−(CHn512*4 (V−1)
上記一般式(IV−1)中、結合手*1は上記一般式(I)中のNと結合し、結合手*2は上記一般式(I)中のRとRとが互いに結合して環を形成するために用いられる結合手にあたる。
上記一般式(V−1)中、結合手*3は上記一般式(I)中のNと結合し、結合手*4は上記一般式(I)中のRとRとが互いに結合して環を形成するために用いられる結合手にあたる。
・R511
511は、水素原子、又は、炭素数1以上18以下の炭化水素基である。炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、上述のR及びRにおいて例示されたものと同様のものが挙げられる。
また、メチレン基の繰り返しである−(CHn511−に含まれる炭素数(m511)、R511の炭素数(m512)、及び、−(CHn512−に含まれる炭素数(m513)は、それぞれ0以上18以下の整数である。また、m511とm512とm513との関係は、1≦m511+m512+m513≦18で表される。すなわち、m511=0(単結合)及びm512=0(R511が水素原子)のとき、m513は1以上18以下の整数である。また、m511(単結合)及びm513=0(単結合)のとき、m512は1以上18以下の整数である。また、m512=0(R511が水素原子)及びm513=0(単結合)のとき、m511は1以上18以下の整数である。
中でも、m511、m512及びm513としては、m511及びm513が1以上18以下であり、m512が0であることが好ましい。
・n411及びn412
n411及びn412はそれぞれメチレン基の繰り返し数である。n411及びn412は、それぞれ0以上18以下の整数である。また、n411とn412との関係は、1≦n411+n412≦18で表される。すなわち、n411=0のとき、n412は1以上18以下の整数である。また、n412=0(単結合)のとき、n411は1以上18以下の整数である。
中でも、n411及びn412としては、いずれも1以上10以下の整数であることが好ましい。
・n511及びn512
n511及びn512はそれぞれメチレン基の繰り返し数である。n511及びn512は、それぞれ0以上18以下の整数である。
中でも、n511及びn512としては、いずれも1以上10以下の整数であることが好ましい。
とRとが形成する環が単環である場合、好ましい単環としては、例えば、イミダゾール、イミダゾリン、ピリミジン、トリアジン、トリアゾール等が挙げられる。
とRとが形成するが縮合環である場合、好ましい縮合環としては、例えば、ベンゾイミダゾール、プリン、プテリジン等が挙げられる。
中でも、RとRとが形成する環としては、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、イミダゾリン又はピリミジンであることが好ましい。

は、水素原子、又は、炭素数1以上18以下の炭化水素基である。炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、上述のR及びRにおいて例示されたものと同様のものが挙げられる。
中でも、Rとしては、水素原子又は炭素数1以上18以下のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であることがより好ましく、水素原子又は炭素数1以上6以下の直鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
、RとRのうち少なくとも1つが水素原子である。中でも、RとRとが互いに結合して環を形成している場合は、Rが水素原子であることが好ましい。また、RとRとが互いに結合して環を形成していない場合は、R又はRが水素原子であることが好ましく、Rが水素原子であることがより好ましい。

は、水素原子、又は、イミノ基を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。
イミノ基を含まない炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、上述のR及びRにおいて例示されたものと同様のものが挙げられる。
中でも、Rがイミノ基を含まない炭素数1以上18以下の炭化水素基である場合、Rとしては、炭素数1以上18以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であることがより好ましく、炭素数1以上6以下の鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、メチル基、エチル基又はイソプロピル基であることが特に好ましい。
がイミノ基を含む炭素数1以上18以下の鎖状の炭化水素基である場合、例えば、上記基(V)で例示されたものと同様のものが挙げられる。
がイミノ基を含む炭素数1以上18以下の環状の炭化水素基である場合、例えば、1価の複素環基が挙げられる。なお、この複素環は少なくとも1個の窒素原子を含む。
化合物(I)で好ましいものとしては、例えば、下記一般式(I−1)で示されるイミダゾール系化合物(以下、「化合物(I−1)」と略記する)、下記一般式(I−2)で示されるベンゾイミダゾール系化合物(以下、「化合物(I−2)」と略記する)、下記一般式(I−3)で示されるイミダゾリン系化合物(以下、「化合物(I−3)」と略記する)、下記一般式(I−4)で示されるピリミジン系化合物(以下、「化合物(I−4)」と略記する)、下記一般式(I−5)で示されるグアニジン系化合物(以下、「化合物(I−5)」と略記する)等が挙げられる。なお、これら化合物は、好ましい化合物(I)の一例に過ぎず、好ましい化合物(I)はこれらに限定されない。
Figure 0006946446
[式中、R111、R112、R113、R114、R122、R123、R131、R132、R133、R134、R135、R136、R142、R143、R151及びR152は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1以上18以下の炭化水素基である。R121及びR141は、それぞれ独立して、炭素数1以上18以下の炭化水素基である。R153は、水素原子、又は、イミノ基を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。n121は0以上4以下の整数である。n121が2以上4以下の整数である場合、n121個のR121は互いに同一でも異なっていてもよい。n141は0以上3以下の整数である。n141が2以上3以下の整数である場合、n141個のR141は互いに同一でも異なっていてもよい。]
111、R112、R113、R114、R122、R123、R131、R132、R133、R134、R135、R136、R142、R143、R151及びR152
111、R112、R113、R114、R122、R123、R131、R132、R133、R134、R135、R136、R142、R143、R151及びR152は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1以上18以下の炭化水素基である。炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、上述のR及びRにおいて例示されたものと同様のものが挙げられる。
中でも、R111、R112、R113、R114、R122、R123、R131、R132、R133、R134、R135、R136、R142、R143、R151及びR152としてはそれぞれ、水素原子又は炭素数1以上18以下のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であることがより好ましく、水素原子又は炭素数1以上6以下の直鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
121
121はベンゾイミダゾール環を構成するベンゼン環の置換基であり、炭素数1以上18以下の炭化水素基である。また、n121個のR121は互いに同一でも異なっていてもよい。中でも、合成が容易であることから、R121を2つ以上有する場合、R121は同一であることが好ましい。
炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、上述のR及びRにおいて例示されたものと同様のものが挙げられる。
中でも、R121としては、水素原子又は炭素数1以上18以下のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であることがより好ましく、水素原子又は炭素数1以上6以下の直鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
141
141はピリミジン環の置換基であり、炭素数1以上18以下の炭化水素基である。n141個のR141は互いに同一でも異なっていてもよい。中でも、合成が容易であることから、R141を2つ以上有する場合、R141は同一であることが好ましい。
炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、上述のR及びRにおいて例示されたものと同様のものが挙げられる。
中でも、R141としては、水素原子又は炭素数1以上18以下のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であることがより好ましく、水素原子又は炭素数1以上6以下の直鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
153
水素原子、又は、イミノ基を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。
イミノ基を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、上述のRにおいて例示されたものと同様のものが挙げられる。
中でも、R153としては、炭素数1以上18以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であることがより好ましく、炭素数1以上6以下の鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、メチル基、エチル基又はイソプロピル基であることが特に好ましい。
n121:
n121は置換基R121の数を示し、0以上4以下の整数である。中でも、合成が容易であることから、n121は0以上3以下であることが好ましく、0以上2以下であることがより好ましく、0以上1以下であることがさらに好ましい。
n141:
n141は置換基R141の数を示し、0以上4以下の整数である。中でも、合成が容易であることから、n141は0以上3以下であることが好ましく、0以上2以下であることがより好ましく、0以上1以下であることがさらに好ましい。
化合物(I)のうち、化合物(I−1)(イミダゾール系化合物)で好ましいものとしては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。
化合物(I)のうち、化合物(I−2)(ベンゾイミダゾール系化合物)で好ましいものとしては、例えば、ベンゾイミダゾール、2−メチルベンゾイミダゾール等が挙げられる。
化合物(I)のうち、化合物(I−3)(イミダゾリン系化合物)で好ましいものとしては、例えば、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等が挙げられる。
化合物(I)のうち、化合物(I−4)(ピリミジン系化合物)で好ましいものとしては、例えば、2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン等が挙げられる。
化合物(I)のうち、化合物(I−5)(グアニジン系化合物)で好ましいものとしては、例えば、ジアルキルグアニジン、テトラアルキルグアニジン等が挙げられる。前記ジアルキルグアニジンとしては、例えば、1,1−ジメチルグアニジン、1,3−ジメチルグアニジン、3,3−ジメチルグアニジン等が挙げられる。前記テトラアルキルグアニジンとしては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン等が挙げられる。
なお、これら化合物は、好ましい化合物(I)の一例に過ぎず、好ましい化合物(I)はこれらに限定されない。
また、これらのブロック剤を単独で使用してもよく、二種類以上併用してもよい。
中でも、本実施形態において、ポリイソシアネートと反応させるブロック剤としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール及び1,1,3,3−テトラメチルグアニジンからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましく、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール及び1,1,3,3−テトラメチルグアニジンからなる群より選ばれる1種以上であることがより好ましく、2−メチルイミダゾール及び2−エチルイミダゾールからなる群より選ばれる1種以上であることがさらに好ましい。これらの化合物をブロック剤として用いたブロックポリイソシアネート組成物は、後述の実施例に示すように、低温硬化性が特に優れ、さらに、一液型コーティング組成物のポットライフも特に良好である。
上記ブロック剤は、市販のものを用いてもよく、公知の方法を用いて合成してもよい。
<非プロトン性の極性化合物>
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物に含まれる非プロトン性の極性化合物は、SP値が9.3以上の化合物である。
なお、ここでいう「SP値(δ)」は、下記式(1)で表される凝集エネルギー密度の平方根で定義される。
δ=(ΔE/V)1/2 (1)
式(1)において、Vは溶媒のモル分子容、ΔEは凝集エネルギー(蒸発エネルギー)である。また、一般に、SP値のSI単位は、(J/cm1/2、(MPa)1/2であるが、本明細書においては、従来慣用的に使用される(cal/cm1/2を用いる。
ΔEは蒸発エンタルピーΔHと式(2)の関係にある。また、PΔT=RTである。そのため、式(1)と式(2)とから、式(3)が得られる。
ΔH=ΔE+PΔV (2)
δ=[(ΔH−RT)/V]1/2 (3)
従って、SP値は1cmの液体が蒸発するために必要な蒸発潜熱から計算することができる。
中でも、非プロトン性の極性化合物としては、SP値が10.0以上の化合物が好ましく、11.0以上の化合物がより好ましい。
前記SP値が9.3以上の化合物として具体的には、例えば、以下に示すものが挙げられる。
(1)アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;
(2)アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類;
(3)アセトニトリル、ブチロニトリル、カプリルニトリル等のニトリル類;
(4)ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジアミル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のエステル類;
(5)フラン、ジオキサン、ジベンジルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル類;
(6)シクロヘキサノールアセテート、エチレングリコールジアセテー ト、プロピレングリコールジアセテート、1,4−ブタンジオールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のグリコールエーテルエステル類;
(7)炭化水素類;
(8)トリフェニルホスファイト等の亜リン酸エステル類;
(9)硫化ジメチル、チオフェン、二硫化炭素等の硫黄化合物類;
(10)塩化メチル、テトラクロロエチレン、ペンタクロロエタン、クロロホルム、臭化メチル、臭化エチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル等のハロゲン化炭化水素類;
(11)下記一般式(II)で表される化合物(以下、「化合物(II)」と略記する);
Figure 0006946446
[一般式(II)中、R及びRは、それぞれ独立に、イミノ基、エーテル結合及びカルボニル基からなる群より選ばれる1種以上を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。RとRとは互いに結合して環を形成してもよい。Rは水素原子、シアノ基、又は、イミノ基、エーテル結合、カルボニル基及びエステル結合からなる群より選ばれる1種以上を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。RとRとは互いに結合して環を形成してもよく、窒素原子又は酸素原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。]
(12)下記一般式(III)で表される化合物(以下、「化合物(III)」と略記する)
Figure 0006946446
[一般式(III)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下の炭化水素基である。]
中でも、本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物に含まれる非プロトン性の極性化合物としては、一液型コーティング組成物のポットライフがより良好となる傾向にあることから、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジオキサン、エチレングリコールジアセテート、アセトニトリル、化合物(II)及び化合物(III)からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましく、化合物(II)及び化合物(III)からなる群より選ばれる1種以上であることがより好ましい。
[化合物(II)]
(R及びR
及びRは、それぞれ独立に、イミノ基(−NR−(式中、Rは水素原子、又は、炭素数1以上18以下の炭化水素基を表す))、エーテル結合(−O−)及びカルボニル基(−C(=O)−)からなる群より選ばれる1種以上を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。R及びRは互いに同一でも異なっていてもよい。中でも、合成が容易であることから、R及びRは互いに同一であることが好ましい。
及びRがイミノ基、エーテル結合及びカルボニル基からなる群より選ばれる1種以上を含まない炭素数1以上18以下の炭化水素基である場合、R及びRとしては、上述のR及びRにおいて例示されたものと同様のものが挙げられる。
中でも、R及びRがイミノ基、エーテル結合及びカルボニル基からなる群より選ばれる1種以上を含まない炭素数1以上18以下の炭化水素基である場合、R及びRとしては、炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であることが好ましく、炭素数1以上10以下の鎖状アルキル基であることがより好ましく、炭素数1以上6以下の鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
及びRがイミノ基、エーテル結合及びカルボニル基からなる群より選ばれる1種以上を含む炭素数1以上18以下の鎖状の炭化水素基である場合、例えば、上記基(IV)(エーテル結合を含む)、上記基(V)(イミノ基を含む)、及び下記一般式(VI)で表される基(以下、「基(VI)」と略記する)等が挙げられる。
−(CHn61−C(=O)−R61 (VI)
61
61は、炭素数1以上17以下の炭化水素基である。炭素数1以上17以下の炭化水素基としては、上述のR及びRにおいて例示されたもののうち、炭素数が1以上17以下のものが挙げられる。
中でも、R61としては、炭素数1以上17以下の鎖状アルキル基であることが好ましく、炭素数1以上10以下の鎖状アルキル基であることがより好ましく、炭素数1以上6以下の鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
また、メチレン基の繰り返しである−(CHn61−に含まれる炭素数(m61)は、0以上17以下の整数である。R61の炭素数(m62)は、1以上17以下の整数である。また、m61とm62との関係は、1≦m61+m62≦17で表される。すなわち、m61=0のとき、m62は1以上17以下の整数である。また、m62=1のとき、m61は0以上16以下の整数である。
中でも、m61及びm62としては、いずれも1以上10以下の整数であることが好ましい。
n61:
n61はメチレン基(−CH−)の繰り返し数である。n61は0以上17以下の整数である。
中でも、n61としては、1以上10以下であることが好ましく、1以上5以下であることがより好ましく、1以上3以下であることがさらに好ましい。
及びRがイミノ基、エーテル結合及びカルボニル基からなる群より選ばれる1種以上を含む炭素数1以上18以下の環状の炭化水素基である場合、例えば、窒素原子、酸素原子及びカルボニル基からなる群より選ばれる1種以上を含む1価の複素環基が挙げられる。
また、RとRとは互いに結合して環を形成してもよく、窒素原子又は酸素原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。また、RとRとが形成する環としては、単環であってもよく、2つ以上の単環がそれぞれの環の辺を互いに1つだけ供給してできる縮合環であってもよい。なお、RとRとが形成する環は少なくとも窒素原子を1つ含む複素環である。
とRとが互いに結合して環を形成する場合、イミノ基、エーテル結合及びカルボニル基からなる群より選ばれる1種以上を含まない炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、上述のRとRとが互いに結合して環を形成する場合において例示されたものと同様のものが挙げられる。
とRとは互いに結合して環を形成する場合、イミノ基、エーテル結合及びカルボニル基からなる群より選ばれる1種以上を含む炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、例えば、上記基(IV−1)(エーテル結合を含む)、上記基(V−1)(イミノ基を含む)、及び下記一般式(VI−1)で表される基(以下、「基(VI−1)」と略記する)等が挙げられる。
*5−(CHn611−C(=O)−(CHn612*6 (VI−1)
上記一般式(VI−1)中、結合手*5は上記一般式(II)中のNと結合し、結合手*6は上記一般式(II)中のRとRとが互いに結合して環を形成するために用いられる結合手にあたる。
・n611及びn612
n611及びn612はそれぞれメチレン基の繰り返し数である。n611及びn612は、それぞれ0以上17以下の整数である。また、n611とn612との関係は、1≦n611+n612≦17で表される。すなわち、n611=0(単結合)のとき、n612は1以上17以下の整数である。また、n612=0(単結合)のとき、n611は1以上17以下の整数である。
中でも、n611及びn612としては、いずれも1以上10以下の整数であることが好ましい。
とRとが形成する環が単環である場合、好ましい単環としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ピロール、アゼピン、イミダゾール、ピラゾール、モルホリン等が挙げられる。
とRとが形成する環が縮合環である場合、好ましい縮合環としては、例えば、インドール、イソインドール、イミダゾール、プリン、カルバゾール等が挙げられる。
中でも、RとRとが形成する環としては、単環であることが好ましく、ピロリジン又はピペリジンであることがより好ましい。
(R
は水素原子、シアノ基、又は、イミノ基(−NR−(式中、Rは水素原子、又は、炭素数1以上18以下の炭化水素基を表す))、エーテル結合(−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)及びエステル結合(−COO−)からなる群より選ばれる1種以上を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。
がイミノ基、エーテル結合、カルボニル基及びエステル結合からなる群より選ばれる1種以上を含まない炭素数1以上18以下の炭化水素基である場合、Rとしては、上述のR及びRにおいて例示されたものと同様のものが挙げられる。
中でも、Rがイミノ基、エーテル結合及びカルボニル基からなる群より選ばれる1種以上を含まない炭素数1以上18以下の炭化水素基である場合、Rとしては、炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基、炭素数2以上18以下の鎖状アルケニル基又は炭素数6以上18以下のアリール基であることが好ましく、炭素数1以上10以下の鎖状アルキル基、炭素数2以上10以下の鎖状アルケニル基又は炭素数6以上12以下のアリール基であることがより好ましく、炭素数1以上以5以下の鎖状アルキル基、炭素数2以上5以下の鎖状アルケニル基又は炭素数6以上10以下のアリール基であることがさらに好ましく、エチル基、メチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、フェニル基、トリル基又はキシリル基であることが特に好ましい。
がイミノ基、エーテル結合、カルボニル基及びエステル結合からなる群より選ばれる1種以上を含む炭素数1以上18以下の鎖状の炭化水素基である場合、例えば、上記基(IV)(エーテル結合を含む)、上記基(V)(イミノ基を含む)、及び上記基(VI)(カルボニル基を含む)、下記一般式(VII)で表される基(以下、「基(VII)」と略記する)等が挙げられる。
−(CHn71−COO−R71 (VII)
71
61は、水素原子、又は、炭素数1以上17以下の炭化水素基である。炭素数1以上17以下の炭化水素基としては、上述のR及びRにおいて例示されたもののうち炭素数1以上17以下のものが挙げられる。
中でも、R71としては、炭素数1以上17以下の鎖状アルキル基であることが好ましく、炭素数1以上10以下の鎖状アルキル基であることがより好ましく、炭素数1以上6以下の鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。
また、メチレン基の繰り返しである−(CHn71−に含まれる炭素数(m71)は、0以上17以下の整数である。R71の炭素数(m72)は、1以上17以下の整数である。また、m71とm72との関係は、1≦m71+m72≦17で表される。すなわち、m71=0(単結合)のとき、m72は1以上17以下の整数である。また、m72=1のとき、m71は0以上16以下の整数である。
中でも、m71及びm72としては、いずれも1以上10以下の整数であることが好ましい。
n71:
n71はメチレン基(−CH−)の繰り返し数である。n71は0以上17以下の整数である。
中でも、n71としては、1以上10以下であることが好ましく、1以上5以下であることがより好ましく、1以上3以下であることがさらに好ましい。
中でも、Rがイミノ基、エーテル結合及びカルボニル基からなる群より選ばれる1種以上を含む炭素数1以上18以下の鎖状の炭化水素基である場合、カルボニル基を含む炭素数1以上18以下の鎖状の炭化水素基であることが好ましく、カルボニル基を含む炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であることがより好ましく、カルボニル基を含む炭素数1以上10以下の鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、オキソブチル基であることが特に好ましい。
がイミノ基、エーテル結合、カルボニル基及びエステル結合からなる群より選ばれる1種以上を含む炭素数1以上18以下の環状の炭化水素基である場合、例えば、エーテル結合、カルボニル基及びエステル結合からなる群より選ばれる1種以上を含む1価の複素環基が挙げられる。
また、RとRとは互いに結合して環を形成してもよく、窒素原子又は酸素原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。また、RとRとが形成する環としては、単環であってもよく、2つ以上の単環がそれぞれの環の辺を互いに1つだけ供給してできる縮合環であってもよい。なお、RとRとが形成する環は少なくとも1つの窒素原子及び1つのカルボニル基を含む複素環である。
とRとが環を形成する場合、Rにおけるイミノ基、エーテル結合、カルボニル基及びエステル結合からなる群より選ばれる1種以上を含まない炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、上述のRとRとが互いに結合して環を形成する場合において例示されたものと同様のものが挙げられる。
とRとは互いに結合して環を形成する場合、Rにおけるイミノ基、エーテル結合、カルボニル基及びエステル結合からなる群より選ばれる1種以上を含む炭素数1以上18以下の炭化水素基としては、例えば、上記基(IV−1)(エーテル結合を含む)、上記基(V−1)(イミノ基を含む)、上記基(VI−1)、及び一般式(VII−1)で表される基(以下、「基(VII−1)」と略記する)等が挙げられる。
*7−(CHn711−COO−(CHn712*8 (VII−1)
基(VII−1)において、結合手*7は上記一般式(II)中のCと結合している。また、結合手*8は上記一般式(II)中のRとRとが互いに結合して環を形成するために用いられる結合手にあたる。
・n711及びn712
n711及びn712はそれぞれメチレン基の繰り返し数である。n711及びn712は、それぞれ0以上17以下の整数である。また、n711とn712との関係は、1≦n711+n712≦17で表される。すなわち、n711=0(単結合)のとき、n712は1以上17以下の整数である。また、n712=0(単結合)のとき、n711は1以上17以下の整数である。
中でも、n711及びn712としては、いずれも1以上10以下の整数であることが好ましい。
とRとが形成する環が単環である場合、好ましい単環としては、例えば、スクシンイミド、ピロリドン、イミダゾリジノン等が挙げられる。
とRとが形成する環が縮合環である場合、好ましい縮合環としては、例えば、オキソインドリン、ジオキソピペリジン等が挙げられる。
中でも、RとRとが形成する環としては、単環であることが好ましく、スクシンイミド、ピロリドン又はイミダゾリジノンであることがより好ましい。
化合物(II)で好ましいものとしては、例えば、以下の(1)〜(8)に示す三級アミド系化合物等が挙げられる。中でも、化合物(II)としては、以下の(1)、(2)、(5)及び(8)に示す三級アミド系化合物であることが好ましい。
(1)R及びRが炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であり、Rが水素原子であるもの;
(2)R、R及びRが炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であるもの;
(3)R及びRが炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であり、Rが炭素数6以上18以下のアリール基であるもの;
(4)R及びRが炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であり、Rが炭素数2以上18以下の鎖状アルケニル基であるもの;
(5)R及びRが炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であり、Rがカルボニル基を含む炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であるもの;
(6)R及びRが炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であり、Rがシアノ基であるもの;
(7)RとRとが互いに結合して環を形成しており、Rが炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であるもの;
(8)Rが炭素数1以上18以下の鎖状アルキル基であり、RとRとが互いに結合して環を形成しているもの;
なお、これら化合物は、好ましい化合物(II)の一例に過ぎず、好ましい化合物(II)はこれらに限定されない。
化合物(II)で好ましいものとしてより具体的には、上記(1)の場合、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等が挙げられ、これらに限定されない。
化合物(II)で好ましいものとしてより具体的には、上記(2)の場合、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルブチルアミド、N,N−ジエチルブチルアミド、N,N−ジメチルイソブチルアミド、N,N−ジエチルイソブチルアミド等が挙げられ、これらに限定されない。
化合物(II)で好ましいものとしてより具体的には、上記(3)の場合、例えば、N,N−ジメチルベンズアミド、N,N−ジエチルベンズアミド、N,N−ジエチル−m−トルアミド、N,N−ジエチル−2,3−ジメチルベンズアミド等が挙げられ、これらに限定されない。
化合物(II)で好ましいものとしてより具体的には、上記(4)の場合、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド等が挙げられ、これらに限定されない。
化合物(II)で好ましいものとしてより具体的には、上記(5)の場合、例えば、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアセトアミド等が挙げられ、これらに限定されない。
化合物(II)で好ましいものとしてより具体的には、上記(6)の場合、例えば、2−シアノ−N,N−ジメチルアセトアミド、2−シアノ−N,N−ジエチルアセトアミド等が挙げられ、これらに限定されない。
化合物(II)で好ましいものとしてより具体的には、上記(7)の場合、例えば、1−アセチルピロリジン、1−アセチルピペリジン等が挙げられ、これらに限定されない。
化合物(II)で好ましいものとしてより具体的には、上記(8)の場合、例えば、スクシンイミド系化合物、ピロリドン系化合物、イミダゾリジノン系化合物等が挙げられる。
前記スクシンイミド系化合物としては、例えば、N−メチルスクシンイミド、N−エチルスクシンイミド等が挙げられ、これらに限定されない。
前記ピロリドン系化合物としては、例えば、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−プロピル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン等が挙げられ、これらに限定されない。
前記イミダゾリジノン系化合物としては、例えば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ、これらに限定されない。
これらの非プロトン性の極性化合物は、単独で使用してもよく、二種類以上併用してもよい。
中でも、本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物に含まれる非プロトン性の極性化合物が化合物(II)である場合、化合物(II)としては、一液型コーティング組成物のポットライフがより良好となる傾向にあることから、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−アセチルピロリジン及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
これらの化合物(II)は市販のものを用いてもよく、公知の方法を用いて合成してもよい。
[化合物(III)]
(R及びR
及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下の炭化水素基である。R及びRは互いに同一でも異なっていてもよい。中でも、合成が容易であることから、R及びRは互いに同一であることが好ましい。
及びRにおける炭素数1以上6以下の炭化水素基としては、上述のR及びRにおいて例示されたもののうち、炭素数1以上6以下のものが挙げられる。
中でも、R及びRとしては、炭素数1以上4以下の炭化水素基又は炭素数6の1価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、炭素数1以上4以下の鎖状アルキル基又はフェニル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基又はフェニル基であることがさらに好ましい。
化合物(III)で好ましいものとしてより具体的には、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジプロピルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、メチルプロピルスルホキシド、メチルブチルスルホキシド、メチルフェニルスルホキシド等のスルホキシド化合物が挙げられ、これらに限定されない。
これらの非プロトン性の極性化合物は、単独で使用してもよく、二種類以上併用してもよい。
中でも、本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物に含まれる非プロトン性の極性化合物が化合物(III)である場合、化合物(III)としては、ジメチルスルホキシド及びジエチルスルホキシドからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
これらの化合物(III)は市販のものを用いてもよく、公知の方法を用いて合成してもよい。
<ブロックポリイソシアネート組成物の製造方法>
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物の製造方法は、上記ポリイソシアネートと、上記ブロック剤とを混合反応させて、ブロックポリイソシアネートを得る工程(反応工程)と、ブロックポリイソシアネートに、上記非プロトン性の極性化合物を添加混合させる工程(添加工程)とを含む方法である。
[反応工程]
反応工程において、ポリイソシアネートと、ブロック剤との混合比率は、一液型コーティング組成物のポットライフの観点から、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基を1とした場合におけるブロック剤に含まれる活性水素基のモル比が、0.5以上2.0以下であることが好ましく、1以上1.5以下であることがより好ましい。
反応工程において、反応温度や反応時間は、反応の進行に応じて適宜決められる。反応温度は0℃以上120℃以下であることが好ましく、反応時間は0.5時間以上24時間以下であることが好ましい。
2種以上のブロック剤によるブロック化反応を行う際は、同時に行ってもよく、一方のブロック剤で先にブロックした後に残った遊離イソシアネート基を他方のブロック剤でブロックしてもよい。
また、反応工程において、必要に応じて、既知の通常の触媒を使用してもよい。前記触媒としては、特に限定されないが、例えば、以下の(1)〜(6)に示すもの等が挙げられる。以下に示す触媒は単独又は混合して使用してもよい。
(1)オクタン酸スズ、2−エチル−1−ヘキサン酸スズ、エチルカプロン酸スズ、ラウリン酸スズ、パルミチン酸スズ、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジマレート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート等の有機スズ化合物;
(2)塩化亜鉛、オクタン酸亜鉛、2−エチル−1−ヘキサン酸亜鉛、2−エチルカプロン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、アセチルアセトン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物;
(3)有機チタン化合物;
(4)有機ジルコニウム化合物;
(5)トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン等の三級アミン類;
(6)トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等のジアミン類。
なお、反応の終了は、例えば、赤外分光分析法等を用いて、イソシアネート基の消失又は減少を確認することによって、判断することができる。
[添加工程]
添加工程において、非プロトン性の極性化合物の配合率の下限値は、上記ブロックポリイソシアネート及び上記非プロトン性の極性化合物の合計質量(100質量%)に対して、10質量%であることが好ましく、20質量%であることがより好ましく、30質量%であることがさらに好ましい。非プロトン性の極性化合物の配合率が上記下限値以上であることにより、得られる一液型コーティング組成物のポットライフがより良好となる傾向にある。
また、非プロトン性の極性化合物の配合率の上限値は、上記ブロックポリイソシアネート及び上記非プロトン性の極性化合物の合計質量(100質量%)に対して、塗装効率の観点から、90質量%であることが好ましく、80質量%であることがより好ましく、70質量%であることがさらに好ましい。非プロトン性の極性化合物の配合率が上記上限値以下であることにより、得られる一液型コーティング組成物の固形分をより高くすることができる傾向にある。
すなわち、非プロトン性の極性化合物の配合率は、上記ブロックポリイソシアネート及び上記非プロトン性の極性化合物の合計質量(100質量%)に対して、10質量%以上90質量%以下であることが好ましく、20質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上70質量%以下であることがさらに好ましい。
非プロトン性の極性化合物の配合率は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
添加工程は、上記反応工程の後に行ってもよく、ポリイソシアネートと非プロトン性の極性化合物とを予め混合させておき、ブロック剤を後から添加して混合反応させてもよく、ブロック剤と非プロトン性の極性化合物とを予め混合させておき、ポリイソシアネートに添加して混合反応させてもよい。
添加工程において、混合温度は0℃以上150℃以下であることが好ましく、混合時間は0.5時間以上48時間以下であることが好ましい。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物の製造方法において、非プロトン性の極性化合物以外の溶剤を使用してもよく、使用しなくてもよい。本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物の製造方法に用いられる溶剤は、親水性溶剤であってもよく、疎水性溶剤であってもよい。
疎水性溶剤として具体的には、例えば、以下の(1)〜(3)に示すもの等が挙げられる。以下に示す疎水性溶剤は単独又は混合して使用することができる。
(1)ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、LAWS(Low Aromatic White Spirit)、HAWS(High Aromatic White Spirit)、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素類;
(2)酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル等のエステル類;
(3)メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン類
親水性溶剤として具体的には、例えば、以下の(1)〜(3)に示すもの等が挙げられる。以下に示す親水性溶剤は単独又は混合して使用することができる。
(1)ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;
(2)ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;
(3)アルコール類
また、本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物の製造方法において、ポリイソシアネートと、ブロック剤と、非プロトン性の極性化合物とに加えて、更に酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤及び界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上を添加してもよい。
酸化防止剤及び光安定剤としては、例えば、燐酸若しくは亜燐酸の脂肪族、芳香族又はアルキル基置換芳香族エステルや次亜燐酸誘導体;フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、ジアルキルビスフェノールAジホスファイト等のリン化合物;フェノール系誘導体(特に、ヒンダードフェノール化合物)、チオエーテル系化合物、ジチオ酸塩系化合物、メルカプトベンズイミダゾール系化合物、チオカルバニリド系化合物、チオジプロピオン酸エステル等のイオウを含む化合物;スズマレート、ジブチルスズモノオキシド等のスズ系化合物等が挙げられる。これらを単独で含有してもよく、2種以上含有してもよい。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン類、フェノール類、クレゾール類、カテコール類、ベンゾキノン類等が挙げられる。重合禁止剤として具体的には、例えば、 ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、p−トルキノン、p−キシロキノン、ナフトキノン、2,6−ジクロロキノン、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、カテコール、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t− ブチルハイドロキノン、モノメチルハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等が挙げられる。これらを単独で含有してもよく、2種以上含有してもよい。
界面活性剤としては、例えば、公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
<非プロトン性の極性化合物の含有率>
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物において、前記ブロックポリイソシアネート及び前記非プロトン性の極性化合物の合計質量に対して、非プロトン性の極性化合物の含有率の下限値は、10質量%であることが好ましく、20質量%であることがより好ましく、30質量%であることがさらに好ましい。非プロトン性の極性化合物の含有率が上記下限値以上であることにより、得られる一液型コーティング組成物のポットライフがより良好となる傾向にある。
また、前記ブロックポリイソシアネート及び前記非プロトン性の極性化合物の合計質量に対して、非プロトン性の極性化合物の含有率の上限値は、塗装効率の観点から、90質量%であることが好ましく、80質量%であることがより好ましく、70質量%であることがさらに好ましい。非プロトン性の極性化合物の含有率が上記上限値以下であることにより、得られる一液型コーティング組成物の固形分をより高くすることができる傾向にある。
すなわち、本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物において、前記ブロックポリイソシアネート及び前記非プロトン性の極性化合物の合計質量に対して、非プロトン性の極性化合物の含有率は、10質量%以上90質量%以下であることが好ましく、20質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上70質量%以下であることがさらに好ましい。
非プロトン性の極性化合物の含有率を上記範囲に制御する方法としては、以下のものに限定されないが、例えば、ブロックポリイソシアネートと非プロトン性の極性化合物との配合比を調整する方法が挙げられる。また、非プロトン性の極性化合物の含有率は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
<ブロックポリイソシアネート組成物の不揮発分>
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物の不揮発分とは、加熱前の質量に対する、105℃で1時間加熱後の質量の比率(%)である。不揮発分は、10質量%以上90質量%以下であることが好ましく、20質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。不揮発分が上記上限値以下であることで、ブロックポリイソシアネート組成物の粘度がより低くなるため、より取扱いやすくなる傾向にある。一方、不揮発分が上記下限値以上であることで、有機溶剤使用量をより減少させることができるため、環境問題がより改善される傾向にある。
不揮発分を上記範囲に制御する方法としては、以下のものに限定されないが、例えば、ブロックポリイソシアネート組成物と溶剤との配合比を調整する方法が挙げられる。また、不揮発分は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
≪一液型コーティング組成物≫
本実施形態の一液型コーティング組成物は、上記実施形態のブロックポリイソシアネート組成物と、多価活性水素化合物とを含む。
本実施形態の一液型コーティング組成物は上記ブロックポリイソシアネート組成物を含むことで、従来の一液型コーティング組成物よりもポットライフが良好である。
<多価活性水素化合物>
多価活性水素化合物としては、特に限定されないが、例えば、ポリオール、ポリアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。これらの多価活性水素化合物を、1種単独で含んでいてもよく、2種以上組み合わせて含んでいてもよい。中でも、多価活性水素化合物としては、ポリオールであることが好ましい。
[ポリオール]
ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が挙げられる。これらポリオールを、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上組み合わせて含んでいてもよい。
中でも、ポリオールとしては、ポリエステルポリオール又はアクリルポリオールが好ましい。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールは、例えば、二塩基酸の単独又は2種類以上の混合物と、多価アルコールの単独又は2種類以上の混合物とを、縮合反応させることによって得ることができる。
前記二塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のカルボン酸等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチルペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、2−メチロールプロパンジオール、エトキシ化トリメチロールプロパン等が挙げられる。
又は、例えば、ε−カプロラクトン等のラクトン類を、多価アルコールを用いて開環重合して得られるようなポリカプロラクトン類等もポリエステルポリオールとして用いることができる。
(ポリエーテルポリオール)
ポリエーテルポリオール類としては、特に限定されないが、例えば、以下(1)〜(3)に示すもの等が挙げられる。
(1)触媒を使用して、アルキレンオキシドの単独又は混合物を、多価ヒドロキシ化合物の単独又は混合物に、ランダム又はブロック付加して、得られるポリエーテルポリオール類。
前記触媒としては、例えば、水酸化物(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、強塩基性触媒(アルコラート、アルキルアミン等)、複合金属シアン化合物錯体(金属ポルフィリン、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛錯体等)等が挙げられる。
前記アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられる。
(2)ポリアミン化合物にアルキレンオキシドを反応させて、得られるポリエーテルポリオール類。
前記ポリアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン類等が挙げられる。
前記アルキレンオキシドとしては、(1)で例示されたものと同様のものが挙げられる。
(3)(1)又は(2)で得られたポリエーテルポリオール類を媒体として、アクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類。
前記多価ヒドロキシ化合物としては、例えば、以下の(i)〜(vi)に示すものが挙げられる。
(i)ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等。
(ii)エリトリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等の糖アルコール系化合物。
(iii)アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類。
(iv)トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース等の二糖類。
(v)ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトース等の三糖類。
(vi)スタキオース等の四糖類。
(アクリルポリオール)
アクリルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物と、を共重合させることにより得られるものが挙げられる。
前記ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル等が挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、アクリル酸ヒドロキシエチル又はメタクリル酸ヒドロキシエチルであることが好ましい。
上記単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体としては、例えば、以下の(1)〜(4)に示すもの等が挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(1)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル。
(2)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル等のメタクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
(3)アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等の不飽和アミド。
(4)メタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル等のビニル系単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するビニル系単量体。
(ポリオレフィンポリオール)
ポリオレフィンポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン等が挙げられる。
ポリオールの統計的1分子が持つ水酸基数(以下、「水酸基平均数」と称する場合がある)は2以上であることが好ましい。ポリオールの水酸基平均数が2以上であることによって、本実施形態の一液型コーティング組成物を硬化させて得られる塗膜の架橋密度の低下をより抑制することができる傾向にある。
(フッ素ポリオール)
本明細書において、「フッ素ポリオール」とは、分子内にフッ素を含むポリオールを意味する。フッ素ポリオールとして具体的には、例えば、特開昭57−34107号公報(参考文献1)、特開昭61−275311号公報(参考文献2)等で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体等が挙げられる。
(ポリカーボネートポリオール)
ポリカーボネートポリオール類としては、特に限定されないが、例えば、以下の(1)〜(4)に示すもの等が挙げられる。
(1)ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート;
(2)エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート;
(3)ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート等の低分子カーボネート化合物;
(4)上記(1)〜(3)のポリエステルポリオールに用いられる低分子ポリオールを縮重合して得られるもの。
(ポリウレタンポリオール)
ポリウレタンポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、常法によりカルボキシル基を含有しないポリオールとイソシアネート成分とを反応させることにより得ることができる。
前記カルボキシル基を含有しないポリオールとしては、例えば低分子量のものとして、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。また、例えば高分子量のものとして、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
[ポリオールの水酸基価]
ポリオールの樹脂あたりの水酸基価は、特に限定されないが、10mgKOH/樹脂g以上300mgKOH/樹脂g以下であることが好ましい。
樹脂あたりの水酸基価が上記下限値以上であることによって、架橋密度が減少することを抑制し、目的とする物性をより十分に達成することができる傾向にある。樹脂あたりの水酸基価が上記上限値以下であることによって、架橋密度が過度に増大することを抑制し、本実施形態の一液型コーティング組成物を硬化させて得られる塗膜の機械的物性をより向上させることができる傾向にある。
なお、ポリオールの水酸基価は、JIS K1557に準拠して測定することができる。
[ポリアミン]
ポリアミンとしては、特に限定されないが、一級アミン基又は二級アミン基を1分子中に2個以上有するものが好ましく、一級アミン基又は二級アミン基を1分子中に3個以上有するものがより好ましい。
ポリアミンとして具体的には、例えば、以下の(1)〜(3)に示すもの等が挙げられる。
(1)エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン等のジアミン類;
(2)ビスヘキサメチレントリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタメチレンヘキサミン、テトラプロピレンペンタミン等の3個以上のアミノ基を有する鎖状ポリアミン類;
(3)1,4,7,10,13,16−ヘキサアザシクロオクタデカン、1,4,7,10−テトラアザシクロデカン、1,4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン等の環状ポリアミン類。
[アルカノールアミン]
本明細書において、「アルカノールアミン」とは、1分子中に、アミノ基と水酸基とを有する化合物を意味する。
アルカノールアミンとして具体的には、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、モノ−、ジ−(n−又はイソ−)プロパノールアミン、エチレングリコール−ビス−プロピルアミン、ネオペンタノールアミン、メチルエタノールアミン等が挙げられる。
<その他樹脂成分>
本実施形態の一液型コーティング組成物は、上記ブロックポリイソシアネート、上記非プロトン性の極性化合物、及び、上記多価活性水素化合物以外に、必要に応じて、既存のメラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等のその他樹脂成分をさらに含有してもよい。
<その他添加剤>
また、本実施形態の一液型コーティング組成物がカルボキシル基を有するポリオールを含有する場合には、オキサゾリン基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物等のその他添加剤をさらに含有してもよい。これらの化合物を1種単独で含有してもよく、2種以上組み合わせて含有してもよい。
また、本実施形態の一液型コーティング組成物がカルボニル基を有するポリオールを含有する場合には、ヒドラジド基含有化合物、セミカルバジド基含有化合物等のその他添加剤をさらに含有してもよい。これらの化合物を1種単独で含有してもよく、2種以上組み合わせて含有してもよい。
また、本実施形態の一液型コーティング組成物は、上記ブロックポリイソシアネート、上記非プロトン性の極性化合物、及び、上記多価活性水素化合物以外に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤(光安定剤)、顔料、金属粉顔料、レオロジーコントロール剤、硬化促進剤等のその他添加剤をさらに含んでもよい。
酸化防止剤及び紫外線吸収剤としては、上記ポリイソシアネートにおいて例示されたものが挙げられる。
顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、インジゴ、キナクリドン、パールマイカ等が挙げられる。
金属粉顔料としては、例えば、アルミ等が挙げられる。
レオロジーコントロール剤としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、尿素化合物、マイクロゲル等が挙げられる。
硬化促進剤としては、例えば、錫化合物、亜鉛化合物、アミン化合物等が挙げられる。
<一液型コーティング組成物の製造方法>
本実施形態の一液型コーティング組成物は、上記ポリイソシアネート及び上記非プロトン性の極性化合物と、上記多価活性水素化合物と、必要に応じて、その他樹脂成分及びその他添加剤等とを、公知の方法を用いて、混合することで得られる。
<用途>
本実施形態の一液型コーティング組成物は、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、静電塗装、ベル塗装、浸漬、ローラー塗装、刷毛塗装等によって、鋼板や表面処理鋼板等の金属、プラスチック、無機材料等のセラミック、ガラス、コンクリートに対して、プライマー、中塗り又は上塗りとして好適に使用される。
本実施形態の一液型コーティング組成物は、防錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車塗装部、プラスチック塗装部等に、美粧性、耐候性、耐酸性、防錆性、耐チッピング性、密着性等を付与するために好適に用いられる。
また、本実施形態の一液型コーティング組成物は、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、表面処理剤等としても有用である。
≪塗膜≫
本実施形態の塗膜は、上記実施形態の一液型コーティング組成物により形成されたものである。
本実施形態の塗膜は、上記実施形態の一液型コーティング組成物を、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の公知の方法を用いて塗装し、常温乾燥又は焼付け工程を経て、硬化させることで得られる。
上記一液型コーティング組成物を硬化させて得られる塗膜は、ブロック化反応前のポリイソアネート由来のウレタン結合を形成する。そのため、上記一液型コーティング組成物から形成された本実施形態の塗膜は、一般的なウレタン架橋塗膜の特徴である耐薬品性、耐熱性、耐水性等に優れる傾向にある。
≪塗装物品≫
本実施形態の塗装物品は、上記実施形態の塗膜を備える。
本実施形態の塗装物品は、耐薬品性、耐熱性、耐水性等に優れる上記塗膜を備えており、さらに、美粧性、耐酸性、防錆性、耐チッピング性、密着性等が付与されている。
以下、実施例によって本実施形態を更に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。以下に、各種物性の測定及び各種評価の方法について説明する。なお、特に明記しない場合は、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を意味する。
<測定方法及び評価方法>
[物性1]不揮発分
実施例及び比較例で製造された各ブロックポリイソシアネート組成物を試料として用いた。まず、底直径38mmのアルミニウム製カップの質量を精秤した。次いで、試料約1gを入れて、加熱乾燥前のカップ質量を精秤した。次いで、試料を入れたカップを105℃の乾燥機中で1時間加熱した。次いで、加熱後のカップを室温まで冷却した後、再度カップの質量を精秤した。試料中の乾燥残分の質量%を不揮発分とした。不揮発分の計算方法は以下の式(A)に示すとおりである。
不揮発分[質量%]
=(加熱乾燥後のカップ質量−アルミニウム製カップ質量)/(加熱乾燥前のカップ質量−アルミニウム製カップ質量)×100% (A)
[物性2]ブロックポリイソシアネート組成物中の非プロトン性の極性化合物の含有率
実施例及び比較例で製造された各ブロックポリイソシアネート組成物を試料として用いて、非プロトン性の極性化合物の含有率[質量%]を、ガスクロマトグラフィー(GC)により分離した後の質量分析の測定から、求めた。
GCに用いた装置及び条件は以下のとおりである。
GC装置:Agilent6890
カラム:DB−1(0.25mm i.d.×30m)
液相厚:0.25μm
カラム温度:40℃(5分)から10℃/分で昇温し、300℃9分保持。
カラム流量:1.0mL/分
注入口温度:300℃
注入法:スプリット法(スプリット比:1/10)
注入量:1μL
MS装置:日本電子AutomassII
イオン源温度:240℃
インターフェイス温度:300℃
イオン化法:電子衝撃イオン化(EI)法、PM=350V
[物性3]有効NCO含有率
実施例及び比較例で製造された各ブロックポリイソシアネート組成物を試料として用いて、ブロックポリイソシアネート組成物の有効NCO含有率は、次のように求めた。なお、ここでいう「有効NCO含有率[質量%]」とは、ブロック化反応後のブロックポリイソシアネート組成物中に存在する架橋反応に関与しうるイソシアネート基量を定量化したものである。有効NCO含有率は、イソシアネート基の質量%として表し、下記式(B)により算出した。
有効NCO含有率[質量%]
=(ポリイソシアネート[質量部]×ポリイソシアネートのNCO含有率[質量%])/(ポリイソシアネート[質量部]+ブロック剤[質量部]+非プロトン性の極性化合物[質量部]+溶剤[質量部]) (B)
[物性4]イソシアネート基平均数
実施例及び比較例で製造された各ブロックポリイソシアネート組成物に含まれるブロックポリイソシアネートのイソシアネート基平均数は、使用したポリイソシアネートのイソシアネート基平均数に等しい。又は、[物性3]で測定した有効NCO含有率と、[物性1]で測定した不揮発分と、ゲルパーミエーションクロマトグラフから求めた数平均分子量とから下記式(C)に基づいて算出した。
イソシアネート基平均数
=有効NCO含有率[質量%]
/{不揮発分[質量%]×(数平均分子量/42)} (C)
[評価1]低温硬化性
実施例及び比較例で製造された各一液型コーティング組成物をPP板に、エアースプレーガンで乾燥膜厚30μmになるように塗装した。次いで、23℃で15分間乾燥させた。次いで、100℃で30分間焼付けし、硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜を、23℃で1時間放置し、PP板から剥がした。次いで、質量(以下、「浸漬前質量」と称する)を精秤後、アセトン中に20℃で24時間浸漬した。次いで、浸漬後の質量(以下、「未溶解部質量」と称する)を精秤した。次いで、浸漬前質量に対する未溶解部質量の割合(ゲル分率)を計算した。次いで、算出されたゲル分率について、下記の評価基準に基づいて、低温硬化性を評価した。
(評価基準)
○:ゲル分率が90%以上
△:ゲル分率が60%以上90%未満
×:ゲル分率が60%未満
[評価2−1]一液型コーティング組成物のポットライフ(1)
まず、一液型コーティング組成物(a−1)〜(a−4)及び(b−1)〜(b−4)について、それぞれの粘度(以下、「保存前の初期粘度(1)」と称する)を測定した。
次いで、各一液型コーティング組成物を40℃10日間保存した。次いで、各一液型コーティング組成物について、保存後の粘度(1)を測定した。次いで、保存前の初期粘度に対する粘度変化(1)を以下の式(D−1)により求めた。
粘度変化(1)
=(保存後の粘度(1))/(保存前の初期粘度(1)) (D−1)
次いで、得られた保存前の初期粘度に対する粘度変化(1)について、下記の評価基準に基づいて、ポットライフを評価した。
(評価基準)
○:1.5倍未満
×:1.5倍以上
[評価2−2]
まず、一液型コーティング組成物(a−5)〜(a−13)及び(b−5)〜(b−6)について、それぞれの粘度(以下、「保存前の初期粘度(2)」と称する)を測定した。次いで、各一液型コーティング組成物を10℃20日間保存した。次いで、各一液型コーティング組成物について、保存後の粘度(2)を測定した。次いで、保存前の初期粘度に対する粘度変化(2)を以下の式(D−2)により求めた。
粘度変化(2)
=(保存後の粘度(2))/(保存前の初期粘度(2)) (D−2)
次いで、得られた保存前の初期粘度に対する粘度変化(2)について、下記の評価基準に基づいて、ポットライフを評価した。
(評価基準)
◎:2倍未満
○:2倍以上、2.6倍未満
△:2.6倍以上、3倍未満
×:3倍以上
[製造例1]ポリイソシアネート(P−1)の製造
撹拌器、温度計及び冷却管を取り付けた四ツ口フラスコ(反応器)の内部を窒素置換し、該反応器に、HDI 500gを仕込んだ。撹拌下反応器内温度が70℃に到達したら、該反応器に、イソシアヌレート化触媒としてN,N,N−トリメチル−N−ベンジルアンモニウムヒドロキシドを0.05g加えた。次いで、反応液の屈折率の変化が0.011になった時点でリン酸85%水溶液を0.04g加え、反応を停止させた。その後、該反応液を90℃で1時間保持して触媒を完全に失活させた。該反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、濾液から未反応のHDIを除去して、ポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート(P−1)の物性は、不揮発分が100質量%、NCO%が23.4質量%、平均イソシアネート官能基数が3.4であった。
[製造例2]ポリイソシアネート(P−2)の製造
製造例1と同様の反応器に、HDI 500gを仕込み、撹拌下反応器内温度を90℃にした。次いで、該反応器にイソシアヌレート化触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを0.05g加えて、イソシアヌレート化反応を行い、反応液の屈折率の変化が0.026になった時点でリン酸85%水溶液を0.04g加え、反応を停止させた。その後、該反応液を100℃で1時間保持して触媒を完全に失活させた。該反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、未反応のHDIを除去して、ポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート(P−2)の物性は、不揮発分が100質量%、NCO%が21.0質量%、平均イソシアネート官能基数が3.3であった。
[製造例3]ポリイソシアネート(P−3)の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、製造例1で得られたポリイソシアネート(P−1)85.0gに、水酸基及びノニオン親水基を有するポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日油株式会社製、商品名「ユニオックスM−400」、水酸基価:140mgKOH/g、不揮発分:100質量%)15.0gを添加し、100℃で4時間撹拌して反応を行った。反応終了後、ポリイソシアネート(P−3)を得た。得られたポリイソシアネート(P−3)の物性は、不揮発分が100質量%、NCO%が18.3質量%、平均イソシアネート官能基数が3.1であった。
[製造例4]ポリイソシアネート(P−4)の製造
製造例1と同様の反応器に、HDI 1000g、3価アルコールであるトリメチロールプロパン(分子量134)22gを仕込み、攪拌下反応器内温度を90℃で1時間保持しウレタン化を行った。その後反応液温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、転化率が48%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。その後、反応液を濾過した後、未反応のHDIを薄膜蒸留装置により除去した。得られたポリイソシアネート(P−4)の物性は、不揮発分が100質量%、NCO%が19.9質量%、平均イソシアネート官能基数が5.1であった。
[実施例1]ブロックポリイソシアネート組成物(a−1)及び一液型コーティング組成物(a−1)の製造
(1)ブロックポリイソシアネート組成物(a−1)の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、製造例1で得られたポリイソシアネート(P−1)(100質量部)に、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(63.0質量部)、N,N−ジメチルホルムアミド(33.0質量部)及びメチルイソブチルケトン(MIBK)(130.0質量部)を添加し、室温から50℃を超えないように、2時間撹拌して反応を行った。その後、FT−IRスペクトルを測定し、イソシアネート基がブロックされていることを確認した。反応終了後、ブロックポリイソシアネート組成物(a−1)を得た。得られたブロックポリイソシアネート組成物(a−1)の物性は、不揮発分が49.8質量%、非プロトン性の極性化合物の含有率が10.6質量%、有効NCO%が7.1質量%、イソシアネート基平均数が3.4であった。また、ブロックポリイソシアネート組成物(a−1)の物性を下記第1表にも示す。
(2)一液型コーティング組成物(a−1)の製造
次いで、アクリルポリオール(Nuplex Resins社製、商品名「Setalux1767」、水酸基価:148.5mgKOH/樹脂g、固形分濃度:65質量%)と、ブロックポリイソシアネート組成物(a−1)とを、NCO/OH=1.0になるように配合した。次いで、フォードカップNo.4を用いて、23℃の条件で、流下時間が20秒になるように酢酸ブチルを添加し、一液型コーティング組成物(a−1)を得た。得られた一液型コーティング組成物(a−1)を用いて、上記の評価方法に従い、低温硬化性及びポットライフを評価した。結果を下記第1表に示す。
[実施例2〜4及び比較例1〜3]ブロックポリイソシアネート組成物(a−2)〜(a−4)及び(b−1)〜(b−3)、並びに、一液型コーティング組成物(a−2)〜(a−4)及び(b−1)〜(b−3)の製造
(1)ブロックポリイソシアネート組成物(a−2)〜(a−4)及び(b−1)〜(b−3)の製造
下記第1表に示す配合とした以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、ブロックポリイソシアネート組成物(a−2)〜(a−4)及び(b−1)〜(b−3)を得た。
得られた各ブロックポリイソシアネート組成物の物性を下記第1表に示す。また、第1表における略号の詳細を下記に示す。また、第1表におけるSP値は、参考文献3「C.M.Hansen, “The three-dimensional solubility parameter - key to paint component affinities: solvents, plasticizers, polymers, and resins. II. Dyes, emulsifiers, mutual solubility and compatibility, and pigments. III. Independent cal-culation of the parameter components.”, J. Paint Tech., Vol. 39, No. 505, p104-117, 1967.」から引用した。
(ブロック剤)
TMG:1,1,3,3−テトラメチルグアニジン
IZ:イミダゾール
(非プロトン性の極性化合物)
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
(溶剤)
MIBK:メチルイソブチルケトン
PMA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(2)一液型コーティング組成物(a−2)〜(a−4)及び(b−1)〜(b−3)の製造
次いで、実施例1の(2)と同様の方法を用いて、一液型コーティング組成物(a−2)〜(a−4)及び(b−1)〜(b−3)を得た。また、得られた一液型コーティング組成物(a−2)〜(a−4)及び(b−1)〜(b−3)を用いて、上記の評価方法に従い、低温硬化性及びポットライフを評価した。結果を下記第1表に示す。
[比較例4]ブロックポリイソシアネート組成物(b−4)及び一液型コーティング組成物(b−4)の製造
(1)ブロックポリイソシアネート組成物(b−4)
攪拌機の付いた1Lのセパラブルフラスコに、ポリカーボネートジオール(旭化成社製、商品名「L−5651」、数平均分子量:1010、水酸基価:111mgKOH/g)(200質量部)と、DMF(30質量部)とを仕込んだ。なお、「L−5651」は、1,6−ヘキサンジオールと1,5−ペンタンジオールとを原料とした共重合ポリカーボネートジオールである。次いで、攪拌しながら温度を40℃まで昇温した。次いで、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(74.26質量部)を、DMF30gに溶解させて、MDI溶液を調製した。次いで、このMDI溶液を先のポリカーボネートジオール溶液に温度40℃で10分かけて滴下した。その後、30分間、温度を40℃に維持し、プレポリマー溶液を調製した。次いで、このプレポリマー溶液を300質量部採取した。次いで、イミダゾール13.0質量部(NCO基量の1.05倍)をDMF30質量部に溶解させて、イミダゾール溶液を調製した。次いで、採取したプレポリマー溶液300質量部に、このイミダゾール溶液を温度40℃で30分かけて滴下した。その後、30分間、温度を40℃に維持しながら撹拌を続けた後、取り出し、ブロックポリイソシアネート組成物(b−4)を得た。得られたブロックポリイソシアネート組成物(b−4)の物性を下記第1表に示す。
(2)一液型コーティング組成物(b−4)
実施例1の(2)と同様の方法を用いて、一液型コーティング組成物(b−4)を得た。また、得られた一液型コーティング組成物(b−4)を用いて、上記の評価方法に従い、低温硬化性及びポットライフを評価した。結果を下記第1表に示す。
[実施例5]ブロックポリイソシアネート組成物(a−5)及び一液型コーティング組成物(a−5)の製造
(1)ブロックポリイソシアネート組成物(a−5)の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、製造例1で得られたポリイソシアネート(P−1)(100質量部)に、2−エチルイミダゾール(53.5質量部)及びメチルエチルケトン(230.0質量部)を添加し、室温から70℃を超えないように、2時間撹拌して反応を行った。その後、FT−IRスペクトルを測定し、イソシアネート基がブロックされていることを確認した。反応終了後、ブロックポリイソシアネート組成物(a−5)を得た。得られたブロックポリイソシアネート組成物(a−5)の物性は、不揮発分が40.0質量%、非プロトン性の極性化合物の含有率が60.0質量%、有効NCO%が6.1質量%、イソシアネート基平均数が3.4であった。また、ブロックポリイソシアネート組成物(a−5)の物性を下記第2表にも示す。
(2)一液型コーティング組成物(a−5)の製造
次いで、実施例1の(2)と同様の方法を用いて、一液型コーティング組成物(a−5)を得た。また、得られた一液型コーティング組成物(a−5)を用いて、上記の評価方法に従い、低温硬化性及びポットライフを評価した。結果を下記第2表に示す。
[実施例6〜13及び比較例5〜7]ブロックポリイソシアネート組成物(a−6)〜(a−13)及び(b−5)〜(b−7)、並びに、一液型コーティング組成物(a−6)〜(a−13)及び(b−5)〜(b−7)の製造
(1)ブロックポリイソシアネート組成物(a−6)〜(a−13)及び(b−5)〜(b−7)の製造
下記第2表に示す配合とした以外は、実施例5の(1)と同様の方法を用いて、ブロックポリイソシアネート組成物(a−6)〜(a−13)及び(b−5)〜(b−7)を得た。得られた各ブロックポリイソシアネート組成物の物性を下記第2表に示す。また、第2表における略号の詳細を下記に示す。
(ブロック剤)
2MZ:2−メチルイミダゾール
2EZ:2−エチルイミダゾール
(非プロトン性の極性化合物)
MEK:メチルエチルケトン
DMAC:N,N−ジメチルアセトアミド
NMP:1−メチル−2−ピロリドン
DMI:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
DMSO:ジメチルスルホキシド
(2)一液型コーティング組成物(a−6)〜(a−13)及び(b−5)〜(b−7)の製造
次いで、実施例1の(2)と同様の方法を用いて、一液型コーティング組成物(a−6)〜(a−13)及び(b−5)〜(b−7)を得た。また、得られた一液型コーティング組成物(a−6)〜(a−13)及び(b−5)〜(b−7)を用いて、上記の評価方法に従い、低温硬化性及びポットライフを評価した。結果を下記第2表に示す。
Figure 0006946446
Figure 0006946446
Figure 0006946446
Figure 0006946446
ブロックポリイソシアネート組成物及び非プロトン性の極性化合物を含む一液型コーティング組成物である実施例1〜4は、ブロックポリイソシアネート組成物のみを含む一液型コーティング組成物である比較例1〜3よりも、低温硬化性を保ちながら、40℃10日間の保管試験におけるポットライフが良好であった。
また、ブロックポリイソシアネート組成物の構成成分としてポリイソシアネート(P−1)〜(P−4)のいずれかを用いた実施例1〜4は、ブロックポリイソシアネート組成物の構成成分としてMDIプレポリマー溶液を用いた比較例4よりも低温硬化性及び40℃10日間の保管試験におけるポットライフ共に優れていた。
また、ブロックポリイソシアネート組成物及び非プロトン性の極性化合物を含む一液型コーティング組成物である実施例5〜13は、ブロックポリイソシアネート組成物のみを含む一液型コーティング組成物である比較例6〜7よりも、低温硬化性を保ちながら、10℃20日間の保管試験におけるポットライフが良好であった。
さらに、ブロック剤として2MZ又は2EZを使用した実施例5〜13は、ブロック剤としてTMG又はIZを使用した実施例1〜4よりも、より低温硬化性に優れていた。
また、非プロトン性の極性化合物としてSP値が9.3以上である化合物を含む実施例5〜13は、非プロトン性の極性化合物としてSP値が9.0である化合物を含む比較例5よりも、10℃20日間の保管試験におけるポットライフが優れていた。
また、非プロトン性の極性化合物としてSP値が10.4〜12.9である化合物を含む実施例7〜13は、非プロトン性の極性化合物としてSP値が9.3〜9.9である化合物を含む実施例5〜6よりも、10℃20日間の保管試験におけるポットライフがより良好であった。
また、非プロトン性の極性化合物としてSP値が10.0以上である化合物を60質量%程度含む実施例7〜12は、SP値が10.0以上である化合物を9.7質量%含む実施例13よりも、10℃20日間の保管試験におけるポットライフがより良好であった。
以上のことから、本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物によれば、低温硬化性を保ちながら、ポットライフが良好な一液型コーティング組成物が得られることが確かめられた。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、低温硬化性に優れている。また、前記ブロックポリイソシアネート組成物を含む一液型コーティング組成物は、ポットライフが良好である。本実施形態の一液型コーティング組成物は、金属、プラスチック、無機材料等の素材に、プライマー、中塗り、又は、上塗りとして好適に使用される。また、本実施形態の一液型コーティング組成物は、防錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車の塗装部、プラスチックの塗装部等に、美粧性、耐候性、耐酸性、防錆性、耐チッピング性、密着性等を付与するために好適に用いられる。さらに、本実施形態の一液型コーティング組成物は、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、表面処理剤等のウレタン原料としても有用である。

Claims (9)

  1. ブロックポリイソシアネートと非プロトン性の極性化合物とを含み、
    前記ブロックポリイソシアネートは、脂肪族及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる1種以上のジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートを含み、該ポリイソシアネートのイソシアネート基の一部又は全部が下記一般式(I)で表される化合物(但し、下記一般式(I−2)で示されるベンゾイミダゾール系化合物、2−フェニルイミダゾール、及び5−メチルイミダゾールは除く)でブロックされて構成されており、
    前記非プロトン性の極性化合物が、SP値が9.3以上の化合物であるブロックポリイソシアネート組成物。
    Figure 0006946446
    [一般式(I)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、又は、イミノ基及びエーテル結合からなる群より選ばれる1種以上を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。RとRとは互いに結合して環を形成してもよい。Rは、水素原子又は炭素数1以上18以下の炭化水素基である。R、R及びRのうち少なくとも1つが水素原子である。Rは、水素原子、又は、イミノ基を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。]
    Figure 0006946446
    [式中、R 122 及びR 123 は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1以上18以下の炭化水素基である。R 121 は、炭素数1以上18以下の炭化水素基である。n121は0以上4以下の整数である。n121が2以上4以下の整数である場合、n121個のR 121 は互いに同一でも異なっていてもよい。]
  2. 前記一般式(I)で表される化合物が、イミダゾール系化合物、イミダゾリン系化合物、ピリミジン系化合物及びグアニジン系化合物からなる群より選ばれる1種以上である請求項1に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  3. 前記非プロトン性の極性化合物が、SP値が10.0以上の化合物である請求項1又は2に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  4. 前記非プロトン性の極性化合物が、三級アミド系化合物及びスルホキシド化合物からなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  5. 前記非プロトン性の極性化合物が、下記一般式(II)で表される化合物及び下記一般式(III)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上である請求項4に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
    Figure 0006946446
    [一般式(II)中、R及びRは、それぞれ独立に、イミノ基、エーテル結合及びカルボニル基からなる群より選ばれる1種以上を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。RとRとは互いに結合して環を形成してもよい。Rは水素原子、シアノ基、又は、イミノ基、エーテル結合、カルボニル基及びエステル結合からなる群より選ばれる1種以上を含んでもよい炭素数1以上18以下の炭化水素基である。RとRとは互いに結合して環を形成してもよく、窒素原子又は酸素原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。]
    Figure 0006946446
    [一般式(III)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下の炭化水素基である。]
  6. 前記ブロックポリイソシアネート及び前記非プロトン性の極性化合物の合計質量に対して、前記非プロトン性の極性化合物を10質量%以上90質量%以下含む請求項1〜5のいずれか一項に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のブロックポリイソシアネート組成物を含む一液型コーティング組成物。
  8. 請求項7に記載の一液型コーティング組成物により形成された塗膜。
  9. 請求項8に記載の塗膜を備える塗装物品。
JP2019546648A 2017-10-02 2018-09-26 ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜及び塗装物品 Active JP6946446B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017193093 2017-10-02
JP2017193093 2017-10-02
PCT/JP2018/035648 WO2019069761A1 (ja) 2017-10-02 2018-09-26 ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜及び塗装物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019069761A1 JPWO2019069761A1 (ja) 2020-04-16
JP6946446B2 true JP6946446B2 (ja) 2021-10-06

Family

ID=65994218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019546648A Active JP6946446B2 (ja) 2017-10-02 2018-09-26 ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜及び塗装物品

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6946446B2 (ja)
WO (1) WO2019069761A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7158663B2 (ja) * 2017-12-22 2022-10-24 明成化学工業株式会社 繊維または皮革用架橋剤、処理剤、および構造物

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4815922B1 (ja) * 1969-12-11 1973-05-18
JPS582940B2 (ja) * 1977-06-30 1983-01-19 日立化成工業株式会社 新規なイソシアネ−ト化合物の製造法
JP2003048951A (ja) * 2001-08-03 2003-02-21 Asahi Kasei Corp ブロックドポリイソシアナート
JP2003048950A (ja) * 2001-08-03 2003-02-21 Asahi Kasei Corp ブロックドポリイソシアナート化合物
JP6025507B2 (ja) * 2012-11-01 2016-11-16 三井化学株式会社 ブロックイソシアネート、塗料組成物、および、ブロックイソシアネートの製造方法
US10385157B2 (en) * 2013-08-23 2019-08-20 Mitsui Chemicals, Inc. Blocked isocyanate, coating composition, adhesive composition, and article

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019069761A1 (ja) 2019-04-11
JPWO2019069761A1 (ja) 2020-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107922584B (zh) 封端多异氰酸酯组合物、单液型涂覆组合物、涂膜、及涂装物品
JP5183206B2 (ja) ポリイソシアネート組成物及びそれを含む塗料組成物
JP6419197B2 (ja) ポリイソシアネート組成物、塗料組成物、塗膜及びその製造方法、並びに湿気安定化方法
JP6588203B2 (ja) ブロックポリイソシアネート組成物
JP6712311B2 (ja) ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜、及び塗装物品
CN102753596A (zh) 封闭多异氰酸酯组合物和含有其的涂料组合物
JP5527867B2 (ja) ポリイソシアネート組成物およびそれを硬化剤とする塗料組成物
JP6393122B2 (ja) ポリイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗膜
JP3905165B2 (ja) 多官能水性ブロックポリイソシアネート組成物
JP7305366B2 (ja) ポリイソシアネート組成物、塗料組成物、塗膜の製造方法及び塗膜
JP6946446B2 (ja) ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜及び塗装物品
JP2019137856A (ja) ポリイソシアネート組成物、塗料組成物、塗膜の製造方法及び塗膜
JP6849353B2 (ja) ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜、及び塗装物品
MXPA06011534A (es) Sistema reactivo, su preparacion y su uso.
JP2022041367A (ja) ブロックイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗膜
JP2022125147A (ja) ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜及び塗装物品
JP2017114959A (ja) ブロックポリイソシアネート組成物、硬化性組成物、及び物品
JP2019023291A (ja) イソシアネート組成物、塗料組成物、塗膜及び塗装物品
JP7336397B2 (ja) ポリイソシアネート組成物、ブロックポリイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗膜
JP7092613B2 (ja) 親水性ポリイソシアネート組成物、硬化剤組成物及び水系コーティング組成物
JP7058571B2 (ja) 水分散ブロックポリイソシアネート組成物、水分散体、水系コーティング組成物及びコーティング基材
JP2004161941A (ja) 2液ウレタン組成物
JP2022041366A (ja) ブロックイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗膜
JPWO2020096019A1 (ja) ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物及びコーティング基材
JP2021046461A (ja) ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物及びコーティング基材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210915

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6946446

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150