JP2021046461A - ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物及びコーティング基材 - Google Patents

ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物及びコーティング基材 Download PDF

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Abstract

【課題】水や水を含む主剤に分散した場合に優れたポットライフと分散性を得ることができ、塗膜にしたときの外観に優れるポリイソシアネート組成物を提供する。【解決手段】ポリイソシアネート組成物は、スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートと、下記一般式(1)で表されるアミン化合物の第三級アンモニウムカチオンと、を含むポリイソシアネート組成物であって、前記第三級アンモニウムカチオンに対する前記スルホン酸アニオン基のモル比は0.8以上0.99以下である。[化1]【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物及びコーティング基材に関する。
二液型ポリウレタン塗料組成物は常温硬化性があり、得られる塗膜は非常に優れた耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性を有している。近年、環境保全に鑑み、従来溶剤系塗料として利用されていた常温架橋型二液ウレタンコーティング組成物の水系化が望まれている。
親水性を付与するために、アニオンにより変性したポリイソシアネートは、水に分散しやすい特徴があり、多くの分野においてますます受け入れられている。このような水分散性ポリイソシアネートの製造方法は、これまでに多く報告されている。
例えば、特許文献1にはポリイソシアネート化合物と、少なくとも1個のスルホン酸基及びイソシアネート基を有する化合物との反応生成物が開示されている。
特許文献2及び特許文献3には、水酸基を有するスルホン酸のアミン塩と、ポリイソシアネートとの反応により得られる変性ポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物が開示されている。
特許文献4及び特許文献5には、特定構造のアミノスルホン酸と、ポリイソシアネートとの反応によって得られる変性ポリイソシアネートが開示されている。
特開平8−176267号公報 特開2015−205957号公報 特開2016−017157号公報 特許第4806511号公報 国際公開第2015/035673号
水系の二液ウレタンコーティング組成物は、家具及び建材、住宅用の木工、住宅及び学校施設の木床、電車及び建機、農耕用車等の塗装に用いられる。外観、硬度、耐水性及び耐汚染性に優れる塗膜が得られるポリイソシアネート組成物が求められている。
特許文献1に記載のポリイソシアネート組成物では、水や水を含む主剤に分散した場合に優れたポットライフと分散性を両立させることが困難である。
特許文献2〜3には、スルホン酸基を含有するポリイソシアネートを使用することにより、水への分散性を向上させることが開示されている。しかしながら、スルホン酸基とポリイソシアネートとの相溶性が悪いため、合成品に濁りが生じるという問題がある。この濁りを改善するために、有機性の高いスルホン酸やそのアミン塩を使用すると、塗膜外観が悪くなり、スルホン酸やそのアミン塩を多く変性しなければならず、耐水性不足と塗膜の硬度が低下するという問題もある。
特許文献4〜5には、特定構造のアミノスルホン酸との反応によって得られる変性ポリイソシアネートを使用することにより、塗膜硬度や塗膜の耐溶剤性を向上させることが開示されている。一方で、特定構造のアミノスルホン酸の疎水性が比較的高いため、塗膜外観が悪くなるという問題がある。また、アミノスルホン酸の疎水性が比較的高いにもかかわらず、耐水性及び耐汚染性が悪いという問題もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、水や水を含む主剤に分散した場合に優れたポットライフと分散性を得ることができ、塗膜にしたときの外観に優れるポリイソシアネート組成物を提供する。前記ポリイソシアネート組成物を用いたコーティング組成物及びコーティング基材を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係るポリイソシアネート組成物は、スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートと、下記一般式(1)で表されるアミン化合物の第三級アンモニウムカチオンと、を含むポリイソシアネート組成物であって、前記第三級アンモニウムカチオンに対する前記スルホン酸アニオン基のモル比は0.8以上0.99以下である。
Figure 2021046461
(一般式(1)中、R11、R12及びR13は、互いに独立して、エーテル結合を含んでもよい炭素数1以上10以下の炭化水素基である。R11、R12及びR13からなる群より選ばれる少なくとも1つが環構造を含んでいてもよく、R11、R12及びR13からなる群より選ばれる2つ以上は互いに結合して環構造を形成してよい。前記環構造は、芳香族環、炭素数5若しくは6のシクロアルキル基、R11とR12とが互いに結合した5員環若しくは6員環、又は、R11とR12とR13とが互いに結合した多員の多重環である。)
前記スルホン酸アニオン基と前記の第三級アンモニウムカチオンのモル比は0.9以上0.99以下であってもよい。
前記ポリイソシアネートは、イソシアヌレート基を有してもよい。
前記スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートが、水酸基を有するスルホン酸のアミン塩とポリイソシアネートとの反応により得られるものであり、前記水酸基を有するスルホン酸のアミン塩が、水酸基を有するスルホン酸と、前記一般式(1)で表されるアミン化合物との塩であってもよい。
前記水酸基を有するスルホン酸が下記一般式(2)で表される化合物であってもよい。
Figure 2021046461
(一般式(2)中、R21は水酸基、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、及び、イミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1つを含んでもよい炭素数1以上10以下の炭化水素基である。R21は環構造を含んでもよい。前記環構造は、芳香族環、窒素原子を2つ含む5員環若しくは6員環、又は、窒素原子と酸素原子とを含む5員環若しくは6員環である。)
前記ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、及び、芳香脂肪族ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。
本発明の第2態様に係るコーティング組成物は、上記第1態様に係るポリイソシアネート組成物を含む。
本発明の第2態様に係るコーティング基材は、上記第2態様に係るコーティング組成物によってコーティングされたものである。
上記態様のポリイソシアネート組成物によれば、水や水を含む主剤に分散した場合に優れたポットライフと分散性を得ることができるポリイソシアネート組成物を提供することができる。上記態様のコーティング組成物は、前記ポリイソシアネート組成物を含み、塗膜としたときの外観に優れる。上記態様のコーティング基材は、前記コーティング組成物を硬化させてなる塗膜を備え、当該塗膜は外観に優れる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
≪ポリイソシアネート組成物≫
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートと、下記一般式(1)で表されるアミン化合物(以下、「アミン化合物(1)」と称する場合がある)の第三級アンモニウムカチオンと、を含む。
Figure 2021046461
(一般式(1)中、R11、R12及びR13は、互いに独立して、エーテル結合を含んでもよい炭素数1以上10以下の炭化水素基である。R11、R12及びR13からなる群より選ばれる少なくとも1つが環構造を含んでいてもよく、R11、R12及びR13からなる群より選ばれる2つ以上は互いに結合して環構造を形成してよい。前記環構造は、芳香族環、炭素数5若しくは6のシクロアルキル基、R11とR12とが互いに結合した5員環若しくは6員環、又は、R11とR12とR13とが互いに結合した多員の多重環である。)
また、本実施形態のポリイソシアネート組成物において、前記第三級アンモニウムカチオンに対する前記スルホン酸アニオン基(スルホン酸アニオン基/第三級アンモニウムカチオン)のモル比は0.8以上0.99以下であり、0.85以上、0.99以下が好ましく、0.9以上0.99以下がより好ましく、0.95以上0.99以下がさらに好ましい。
スルホン酸アニオン基/第三級アンモニウムカチオンのモル比が上記範囲内であることで、ポリイソシアネート組成物のポットライフがより優れ、塗膜としたときの外観により優れる傾向がある。スルホン酸アニオン基/第三級アンモニウムカチオンのモル比は、スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネート及びアミン化合物(1)の第三級アンモニウムカチオンの配合量を変更することで、スルホン酸アニオン基/第三級アンモニウムカチオンのモル比が上記範囲内となるように調整することができる。スルホン酸アニオン基/第三級アンモニウムカチオンのモル比は、後述する実施例に記載の方法を用いて算出することができる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、上記構成を有することで、後述の実施例に示すように、水や水を含む主剤に分散した場合に優れた分散性が得られる。また、本実施形態のポリイソシアネート組成物を用いることで、ポットライフ及び外観に優れる塗膜が得られる。
なお、ここでいう、「ポットライフ」は、塗料、接着剤等の組成物において、主剤と硬化剤とを混合して組成物を調製後、硬化前の組成物としての性能を確保している時間を意味する。可使時間ともいう。後述の実施例に示すとおり、本実施形態のポリイソシアネート組成物(硬化剤)と主剤と混合して調製したコーティング組成物中のイソシアネート基が80%以上保持されている時間を測定することで、評価することができる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物の構成成分について、詳細を説明する。
<イソシアネート成分>
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、イソシアネート成分として、通常、未反応のポリイソシアネート、すなわちスルホン酸アニオン基を分子内に含有しないポリイソシアネートを含む。また、後述する本実施形態のポリイソシアネート組成物の各種特性は、特段言及の無い限り、スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートと、未反応のポリイソシアネート(スルホン酸アニオン基を分子内に含有しないポリイソシアネート)とを含んだ状態での特性である。
また、本実施形態のポリイソシアネート組成物において、未反応のポリイソシアネートとスルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートとの割合は、例えば、原料のポリイソシアネートのイソシアネート基100モル量に対し、スルホン酸アニオン基を分子内に含有するイソシアネート基の割合から算出することができる。
[スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネート]
本実施形態のポリイソシアネート組成物に含まれるスルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートは、水酸基を有するスルホン酸又はそのアミン塩とポリイソシアネートとを反応させて得られる反応物であり、水酸基を有するスルホン酸のアミン塩とポリイソシアネートとを反応させて得られる反応物であることが好ましい。また、水酸基を有するスルホン酸のアミン塩としては、水酸基を有するスルホン酸と、アミン化合物(1)との塩であることが好ましい。
(ポリイソシアネート)
スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートに用いられるポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート及び芳香族ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートが挙げられる。スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートに用いられるポリイソシアネートは、工業的に入手しやすいという観点から、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート及び芳香族ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、1,4−ジイソシアナトブタン、1,5−ジイソシアナトペンタン、エチル(2,6−ジイソシアナト)ヘキサノエート、1,6−ジイソシアナトヘキサン(以下、「HDI」と称する場合がある)、1,9−ジイソシアナトノナン、1,12−ジイソシアナトドデカン、2,2,4−又は2,4,4−トリメチル−1、6−ジイソシアナトヘキサン等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、1,3−又は1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(以下、「水添XDI」と称する場合がある)、1,3−又は1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、3,5,5−トリメチル1−イソシアナト−3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(以下、「IPDI」と称する場合がある)、4−4’−ジイソシアナト−ジシクロヘキシルメタン(以下、「水添MDI」と称する場合がある)、2,5−又は2,6−ジイソシアナトメチルノルボルナン等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
中でも、ジイソシアネートとしては、HDI、IPDI、水添XDI又は水添MDIが好ましい。
上記ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、以下の(a)〜(h)に示すポリイソシアネート等が挙げられる。
(a)2つのイソシアネート基を環化二量化して得られるウレトジオン基を有するポリイソシアネート;
(b)3つのイソシアネート基を環化三量化して得られるイソシアヌレート基又はイミノオキサジアジンジオン基を有するポリイソシアネート;
(c)3つのイソシアネート基と1つの水分子とを反応させて得られるビウレット基を有するポリイソシアネート;
(d)2つのイソシアネート基と1分子の二酸化炭素とを反応させて得られるオキサダイアジントリオン基を有するポリイソシアネート;
(e)1つのイソシアネート基と1つの水酸基を反応させて得られるウレタン基を複数有するポリイソシアネート;
(f)2つのイソシアネート基と1つの水酸基とを反応させて得られるアロファネート基を有するポリイソシアネート;
(g)1つのイソシアネート基と1つのカルボキシル基とを反応させて得られるアシル尿素基を有するポリイソシアネート;
(h)1つのイソシアネート基と1つの1級又は2級アミンとを反応させて得られる尿素基を有するポリイソシアネート
中でも、スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートに用いられるポリイソシアネートは、上記(b)が好ましく、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネートがより好ましい。
また、スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートに用いられるポリイソシアネートは、脂肪族トリイソシアネートを含んでもよい。前記脂肪族トリイソシアネートとしては、例えば、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナートメチルオクタン、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナト−ヘキサノエート等が挙げられる。
また、これらのポリイソシアネートは、アルコキシポリアルキレングリコール等のノニオン性親水基や、水酸基及びノニオン性親水基を有するビニル重合体によって変性されていてもよい。
また、これらのポリイソシアネートは、1種単独で、又は、2種以上組み合わせて使用することもできる。
・ポリイソシアネートの製造方法
イソシアヌレート基を含むポリイソシアネートの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、ジイソシアネートを触媒等によりイソシアヌレート化反応を行い、所定の転化率になったときに該反応を停止し、未反応のジイソシアネートを除去する方法が挙げられる。
上記のイソシアヌレート化反応に用いられる触媒としては、特に限定されないが、塩基性を示すものが好ましく、具体的には、テトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド及び有機弱酸塩、ヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド及び有機弱酸塩、アルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、金属アルコラート、アミノシリル基含有化合物、マンニッヒ塩基類、第3級アミン類とエポキシ化合物との併用、燐系化合物等が挙げられる。
テトラアルキルアンモニウムとしては、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。
有機弱酸としては、例えば、酢酸、カプリン酸等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルアンモニウムとしては、例えば、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等が挙げられる。
アルキルカルボン酸としては、例えば、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等が挙げられる。
アルカリ金属塩としては、例えば、錫、亜鉛、鉛等が挙げられる。
金属アルコラートとしては、例えば、ナトリウムアルコラート、カリウムアルコラート等が挙げられる。
アミノシリル基含有化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
燐系化合物としては、例えば、トリブチルホスフィン等が挙げられる。
これらの触媒の使用量は、原料である、ジイソシアネート(及び、必要に応じてアルコール)の総質量に対して、10ppm以上1.0%以下が好ましい。また、イソシアヌレート化反応を終了させるために、触媒を中和する酸性物質の添加、熱分解、化学分解等により不活性化してもよい。触媒を中和する酸性物質としては、例えば、リン酸、酸性リン酸エステル等が挙げられる。
ポリイソシアネートの収率は、一般的には、10質量%以上70質量%以下となる傾向にある。より高い収率で得られたポリイソシアネートは、より粘度が高くなる傾向にある。収率は、原料成分の総質量に対する得られたポリイソシアネートの質量の割合から算出できる。
イソシアヌレート化反応の反応温度は、特に限定されないが、50℃以上200℃以下であることが好ましく、50℃以上150℃以下であることがより好ましい。反応温度が上記下限値以上であることで、反応がより進み易くなる傾向にあり、反応温度が上記上限値以下であることで、着色を引き起こすような副反応をより抑制することができる傾向にある。
イソシアヌレート化反応の終了後には、未反応のジイソシアネートモノマーを薄膜蒸発缶、抽出等により除去することが好ましい。ポリイソシアネートは、未反応のジイソシアネートを含んでいた場合であっても、ジイソシアネートの含有量がポリイソシアネートの総質量に対して、3.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。残留未反応ジイソシアネートモノマー濃度が上記範囲内であることにより、硬化性がより優れる傾向にある。
(スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートの製造方法)
スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートは、水酸基を有するスルホン酸又はそのアミン塩と上記ジイソシアネート又は上記ポリイソシアネートとを反応させることで得られる。
(水酸基を有するスルホン酸)
水酸基を有するスルホン酸としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物(以下、「スルホン酸(2)」と略記する)等が挙げられる。
Figure 2021046461
前記式(2)中、R21は水酸基、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、及び、イミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1つを含んでもよい炭素数1以上10以下の炭化水素基である。R21は環構造を含んでもよい。前記環構造は、芳香族環、窒素原子を2つ含む5員環若しくは6員環、又は、窒素原子と酸素原子とを含む5員環若しくは6員環である。
・R21
一般式(2)において、R21は水酸基、エステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)、イミノ基(−NR−)、及び、環構造からなる群より選ばれる少なくとも1つを含んでもよい炭素数1以上10以下の炭化水素基である。
炭素数1以上10以下の炭化水素基としては、2価の炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基であってもよく、2価の炭素数6以上10以下の芳香族炭化水素基であってもよい。2価の炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1以上6以下の鎖状アルキレン基であることが好ましい。炭素数1以上6以下の鎖状アルキレン基である場合、当該鎖状アルキレン基の一部に、環構造を含む基であってもよい。炭素数1以上6以下のアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
中でも、R21としては、炭素数1以上6以下の鎖状アルキレン基、2価の炭素数6以上10以下の芳香族炭化水素基(アリーレン基)、芳香環を含む2価の炭素数1以上10以下のアルキレン基、窒素原子を2つ含む5員環若しくは6員環を含む2価の炭素数1以上6以下のアルキレン基、又は、窒素原子と酸素原子とを含む5員環若しくは6員環を含む2価の炭素数1以上6以下のアルキレン基であることが好ましい。
スルホン酸(2)で好ましいものとしては、例えば、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸、4−ヒドロキシブタンスルホン酸、5−ヒドロキシペンタンスルホン酸、6−ヒドロキシヘキサンスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ヒドロキシ(メチル)ベンゼンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロパンスルホン酸等が挙げられる。
なお、これら化合物は、好ましいスルホン酸(2)の一部に過ぎず、好ましいスルホン酸(3)はこれらに限定されない。
また、これらのスルホン酸(2)を1種用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
中でも、水酸基を有するスルホン酸としては、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、及び、ヒドロキシ(メチル)ベンゼンスルホン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
なお、本実施形態のポリイソシアネート組成物は、スルホン酸のアミン塩を2種以上含む場合、スルホン酸(2)は互いに同一であってもよく、異なってもよい。
また、スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートに用いられるスルホン酸は、アミン化合物(1)と塩を形成していることが好ましい。
<アミン化合物の第三級アンモニウムカチオン>
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、アミン化合物(1)の第三級アンモニウムカチオンを含む。本実施形態のポリイソシアネート組成物は、アミン化合物(1)を1種単独で含んでもよく、2種以上組み合わせて含んでもよい。
Figure 2021046461
(一般式(1)中、R11、R12及びR13は、互いに独立して、エーテル結合を含んでもよい炭素数1以上10以下の炭化水素基である。R11、R12及びR13からなる群より選ばれる少なくとも1つが環構造を含んでいてもよく、R11、R12及びR13からなる群より選ばれる2つ以上は互いに結合して環構造を形成してよい。前記環構造は、芳香族環、炭素数5若しくは6のシクロアルキル基、R11とR12とが互いに結合した5員環若しくは6員環、又は、R11とR12とR13とが互いに結合した多員の多重環である。)
また、本実施形態のポリイソシアネート組成物において、アミン化合物(1)は、上記スルホン酸と塩を形成していることが好ましい。
[アミン化合物(1)]
(R11、R12及びR13
一般式(1)において、R11、R12及びR13は、互いに独立して、エーテル結合を含んでもよい炭素数1以上10以下の炭化水素基である。R11、R12及びR13は互いに同一であっても、異なっていてもよい。
炭素数1以上10以下の炭化水素基としては、1価の炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基であってもよく、1価の炭素数6の芳香族炭化水素基であってもよい。1価の炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1以上10以下の鎖状アルキル基、又は、炭素数3以上10以下の環状アルキル基であることが好ましい。炭素数1以上10以下の鎖状アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
好ましいアミン化合物(1)としては、例えば、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジメチルプロピルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N,N−ジメチルイソブチルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチル−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジエチルブチルアミン、N,N−ジエチルヘキシルアミン、N,N−ジエチルオクチルアミン、N,N−ジエチル−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジエチルラウリルアミン、N,N−ジイソプロピルメチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジイソプロピルブチルアミン、N,N−ジイソプロピル−2−エチルヘキシルアミン、N−メチル―ジオクチルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、N−メチルジアリルアミン、トリプロピルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジエチルプロピルアミン、N,N−ジブチルプロピルアミン、N,N−ジプロピルオクチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、N,N−ジベンジルメチルアミン、トリベンジルアミン、N,N−ジメチル−4−メチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルエチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−プロピルピロリジン、N−ブチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−プロピルピペリジン、N−ブチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−プロピルモルホリン、N−ブチルモルホリン、N−sec−ブチルモルホリン、N−tert−ブチルモルホリン、N−イソブチルモルホリン、キヌクリジン等が挙げられる。なお、これら化合物は、好ましいアミン化合物(1)の一部に過ぎず、好ましいアミン化合物(1)はこれらに限定されない。また、これらのアミン化合物(1)を1種用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
中でも、N,N−ジメチルプロピルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N,N−ジメチル−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジイソプロピル−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジエチルプロピルアミン、N,N−ジブチルプロピルアミン、N,N−ジプロピルオクチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン又はN−イソブチルモルホリンが好ましい。
また、N,N−ジメチルプロピルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジプロピルオクチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン又はN−メチルピペリジンが特に好ましい。
[その他アミン化合物]
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、上記アミン化合物(1)の第三級アンモニウムカチオンに加えて、その他のアミン化合物の第三級アンモニウムカチオンを含んでもよい。
その他アミン化合物としては、上記アミン化合物(1)以外のものであればよく、特別な限定はない。その他アミン化合物として具体的には、例えば、以下の(a)〜(b)に示すもの等が挙げられる。また、これらのその他のアミン化合物を1種用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
(a)トリメチルアミン、N,N−ジメチルペンチルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジエチルイソプロピルアミン、N,N−ジエチルイソブチルアミン、N,N−ジメチルヘプチルアミン、N,N−ジメチルノニルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルトリデシルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジエチルペンチルアミン、N,N−ジエチルヘプチルアミン、N,N−ジエチルノニルアミン、N,N−ジエチルデシルアミン、N,N−ジエチルウンデシルアミン、N,N−ジエチルドデシルアミン、N,N−ジエチルトリデシルアミン、N,N−ジエチルステアリルアミン、N,N−ジブチルメチルアミン、N,N−ジブチルエチルアミン、N,N−ジブチルペンチルアミン、N,N−ジブチルヘキシルアミン、N,N−ジブチルヘプチルアミン、N,N−ジブチルオクチルアミン、N,N−ジブチル−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジブチルノニルアミン、N,N−ジブチルデシルアミン、N,N−ジブチルウンデシルアミン、N,N−ジブチルドデシルアミン、N,N−ジブチルトリデシルアミン、N,N−ジブチルステアリルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン等の鎖状脂肪族炭化水素基を有する三級アミン類;
(b)N,N−ジメチルフェニルアミン、N,N−ジエチルフェニルアミン、N,N−ジフェニルメチルアミン等の芳香族炭化水素基を有する三級アミン類。
<スルホン酸のアミン塩の製造方法>
上記スルホン酸が上記アミン化合物と塩を形成している場合、すなわち、スルホン酸のアミン塩である場合、例えば、水酸基を有するスルホン酸と、アミン化合物とを混合、中和反応させることで得られる。
該中和反応は、ポリイソシアネートと反応させる前に予め行ってもよい。又は、ポリイソシアネートと反応させる時に同時に行ってもよい。又は、ポリイソシアネートと水酸基を有するスルホン酸とを反応させた後にアミン化合物を添加して行ってもよい。
該中和反応は、ポリイソシアネートと反応させる前に予め行うことが好ましい。
該中和反応において、水酸基を有するスルホン酸とアミン化合物とを混合する比率は、水酸基を有するスルホン酸/アミン化合物のモル比が0.8以上0.99以下であることが好ましく、0.85以上0.99以下であることがより好ましい。
該中和反応を予め行っておく場合は、温度や時間は、反応の進行に応じて適宜決められるが、温度は通常0℃以上100℃以下程度であることが好ましく、混合時間は10分以上24時間以下程度であることが好ましい。
上記水酸基を有するスルホン酸のアミン塩の調製の際に用いられる溶媒は、水又は親水性溶剤が好ましい。親水性溶剤としては、特に限定されないが、例えば、アルコール類、エーテルアルコール類、ケトン類、アミド系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤を単独又は混合して使用することができる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
エーテルアルコール類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
中和反応後は、水又は親水性溶剤を除することが好ましい。
<ポリイソシアネート組成物の特性>
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、乳化性と塗膜物性との観点から、原料のポリイソシアネートのイソシアネート基100モル量に対し、水酸基を有するスルホン酸によって0.25モル量以上50モル量以下の割合でイソシアネート基が変性されていることが好ましく、0.5モル量以上20モル量以下の割合でイソシアネート基が変性されていることがより好ましく、1モル量以上10モル量以下の割合でイソシアネート基が変性されていることがさらに好ましい。
また、本実施形態のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基含有率は、不揮発分を100質量%とした場合に、塗膜の耐溶剤性の観点から、10質量%以上25質量%以下であることが好ましく、15質量%以上24質量%以下であることがより好ましい。該イソシアネート基含有率を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、スルホン酸とポリイソシアネートとの配合比を調整する方法が挙げられる。
また、本実施形態のポリイソシアネート組成物に用いられるポリイソシアネート(スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネート及び未反応ポリイソシアネートを含む)の数平均分子量は、塗膜の耐溶剤性の観点から、450以上2,000以下であることが好ましく、500以上1800以下であることがより好ましく、550以上1550以下であることがさらに好ましい。該数平均分子量を上記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、スルホン酸と、アミン化合物と、ポリイソシアネートとの配合比を調整する方法が挙げられる。
数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
また、本実施形態のポリイソシアネート組成物に用いられるポリイソシアネート(変性ポリイソシアネート及び未反応ポリイソシアネートを含む)の平均官能基数は、塗膜の耐溶剤性の観点とイソシアネート基保持率との観点から、1.8以上6.2以下であることが好ましく、2.0以上5.6以下であることがより好ましく、2.5以上4.6以下であることがさらに好ましい。該平均官能基数を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、スルホン酸と、アミン化合物と、ポリイソシアネートとの配合比を調整する方法が挙げられる。
なお、本実施形態において、イソシアネート基含有率、不揮発分及び平均官能基数は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<その他の成分>
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、上述したスルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートと未反応ポリイソシアネートとアミン化合物(1)の第三級アンモニウムカチオンとを含む組成物である。本実施形態のポリイソシアネート組成物は、上述したスルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネート、未反応ポリイソシアネート及びアミン化合物(1)の第三級アンモニウムカチオン以外に他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、溶剤、酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤、界面活性剤等が挙げられる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物に用いられる溶剤としては、親水性溶剤でもよく、疎水性溶剤でもよい。これら溶剤は単独又は混合して使用することができる。
疎水性溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、LAWS(Low Aromatic White Spirit)、HAWS(High Aromatic White Spirit)、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、エステル類、ケトン類、アミド類が挙げられる。
エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
アミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
親水性溶剤としては、特に限定されないが、例えば、アルコール類、エーテル類、エーテルアルコール類のエステル類が挙げられる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。
エーテル類としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
エーテルアルコール類のエステル類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物において、溶剤の含有量は、本実施形態のポリイソシアネート組成物の全質量に対して、0質量%以上90質量%以下であることが好ましく、0質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。
酸化防止剤及び光安定剤としては、例えば、以下の(a)〜(e)に示すもの等が挙げられる。これらを単独で含有してもよく、2種以上含有してもよい。
(a)燐酸若しくは亜燐酸の脂肪族、芳香族又はアルキル基置換芳香族エステルや次亜燐酸誘導体;
(b)フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、ジアルキルビスフェノールAジホスファイト等のリン化合物;
(c)フェノール系誘導体(特に、ヒンダードフェノール化合物);
(d)チオエーテル系化合物、ジチオ酸塩系化合物、メルカプトベンズイミダゾール系化合物、チオカルバニリド系化合物、チオジプロピオン酸エステル等のイオウを含む化合物;
(e)スズマレート、ジブチルスズモノオキシド等のスズ系化合物
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン類、フェノール類、クレゾール類、カテコール類、ベンゾキノン類等が挙げられる。重合禁止剤として具体的には、例えば、 ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、p−トルキノン、p−キシロキノン、ナフトキノン、2,6−ジクロロキノン、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、カテコール、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t− ブチルハイドロキノン、モノメチルハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等が挙げられる。これらを単独で含有してもよく、2種以上含有してもよい。
界面活性剤としては、例えば、公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物において、酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤及び界面活性剤の合計含有量は、本実施形態のポリイソシアネート組成物の全質量に対して、0質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上2質量%以下であることがさらに好ましい。
≪ポリイソシアネート組成物の製造方法≫
本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法は、例えば、(A)水酸基を有するスルホン酸のアミン塩と、ポリイソシアネートとを混合反応させる工程を含むことが好ましい。
又は、本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法は、例えば、(B)水酸基を有するスルホン酸と、ポリイソシアネートと、上記アミン化合物(1)と、を混合反応させる工程を含むことが好ましい。
工程(A)では、スルホン酸のアミン塩は、予め調製しておいてからポリイソシアネートに添加することが好ましい。工程(A)では、スルホン酸のアミン塩を上記「スルホン酸のアミン塩の製造方法」に倣って調製する際に、水酸基を有するスルホン酸とアミン化合物の配合比を変更することで、スルホン酸アニオン基/第三級アンモニウムカチオンのモル比を0.8以上0.99以下に調製することができる。
また、工程(B)では、ポリイソシアネートに、水酸基を有するスルホン酸と、アミン化合物とを同時に添加してもよく、順に添加してもよい。工程(B)では、水酸基を有するスルホン酸とアミン化合物の配合比を変更することで、スルホン酸アニオン基/第三級アンモニウムカチオンのモル比を0.8以上0.99以下に調製することができる。
中でも、工程(A)であることが好ましく、スルホン酸のアミン塩は、予め調製しておいてからポリイソシアネートに添加することがより好ましい。
当該反応工程において、水酸基を有するスルホン酸又はそのアミン塩と、ポリイソシアネートとの混合比率は、乳化性と塗膜物性との観点から、イソシアネート基/水酸基のモル比で、2以上400以下の範囲であることが好ましく、5以上200以下の範囲であることがより好ましく、10以上100以下の範囲であるさらに好ましい。
当該反応工程において、反応温度や反応時間は、反応の進行に応じて適宜決められるが、反応温度は0℃以上150℃以下であることが好ましく、反応時間は30分以上48時間以下であることが好ましい。
また、当該反応工程において、場合により既知の通常の触媒を使用してもよい。当該触媒としては、特に限定されないが、例えば、以下の(a)〜(f)に示すもの等が挙げられる。これらは単独又は混合して使用してもよい。
(a)オクタン酸スズ、2−エチル−1−ヘキサン酸スズ、エチルカプロン酸スズ、ラウリン酸スズ、パルミチン酸スズ、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジマレート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート等の有機スズ化合物;
(b)塩化亜鉛、オクタン酸亜鉛、2−エチル−1−ヘキサン酸亜鉛、2−エチルカプロン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、アセチルアセトン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物;
(c)有機チタン化合物;
(d)有機ジルコニウム化合物;
(e)トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン等の三級アミン類;
(f)トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等のジアミン類
本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法において、溶剤を使用してもよいし、使用しなくてもよい。本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法に用いられる溶剤は、親水性溶剤でもよく、疎水性溶剤でもよい。親水性溶剤及び疎水性溶剤としては、上述にその他の成分において例示されたものと同様のものが挙げられる。
また、本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法において、水酸基を有するスルホン酸と、ポリイソシアネートと、アミン化合物とに加えて、更に酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤及び界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を添加してもよい。酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤及び界面活性剤としては、上述のその他の成分において例示されたものと同様のものが挙げられる。
≪コーティング組成物≫
本実施形態のコーティング組成物は、上述のポリイソシアネート組成物を含む。
本実施形態のコーティング組成物は、有機溶剤系のコーティング組成物として用いることもできるが、水を主とする媒体中に塗膜形成成分である樹脂類が溶解又は分散している水系コーティング組成物として用いることが好ましい。特に、建築用塗料、自動車用塗料、自動車補修用塗料、プラスチック用塗料、粘着剤、接着剤、建材、家庭用水系塗料、その他コーティング剤、シーリング剤、インキ、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック原料、繊維処理剤にも使用することができる。
<樹脂類>
主剤の樹脂類としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂類、ポリエステル樹脂類、ポリエーテル樹脂類、エポキシ樹脂類、フッ素樹脂類、ポリウレタン樹脂類、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、ポリブタジエン共重合体、スチレンブタジエン共重合体等が挙げられる。
中でも、樹脂類としては、アクリル樹脂類又はポリエステル樹脂類が好ましい。
(アクリル樹脂類)
アクリル樹脂類としては、特に限定されないが、例えば、以下の(a)〜(e)等に示す重合性モノマーから選ばれた単独又は混合物を重合させて得られるアクリル樹脂類が挙げられる。これらアクリル樹脂類は単独又は混合して使用してもよい。
(a)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
(b)(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の活性水素を持つ(メタ)アクリル酸エステル類;
(c)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類;
(d)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド類;
(e)メタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル、p−スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸等のその他の重合性モノマー類
その重合方法としては、乳化重合が一般的であるが、懸濁重合、分散重合、溶液重合でも製造できる。乳化重合では段階的に重合することもできる。
(ポリエステル樹脂類)
ポリエステル樹脂類としては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸の単独又は混合物と、多価アルコールの単独又は混合物との縮合反応によって得られるポリエステル樹脂類等が挙げられる。
前記カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、ジオール類、トリオール類、テトラオール類等が挙げられる。
ジオール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、2−エチル−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
トリオール類としては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
テトラオール類としては、例えば、ジグリセリン、ジメチロールプロパン、ペンタエリトリトール等が挙げられる。
又は、例えば、低分子量ポリオールの水酸基にε−カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトン類等もポリエステル樹脂類として用いることができる。
(ポリエーテル樹脂類)
ポリエーテル樹脂類としては、例えば、以下(a)〜(d)に示すもの等が挙げられる。
(a)多価ヒドロキシ化合物の単独又は混合物に、強塩基性触媒を使用して、アルキレンオキサイドの単独又は混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類;
(b)ポリアミン化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類;
(c)環状エーテル類の開環重合によって得られるポリエーテルポリオール類;
(d)(a)〜(c)で得られたポリエーテルポリオール類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類
(a)における前記多価ヒドロキシ化合物としては、例えば、以下の(i)〜(vi)に示すものが挙げられる。
(i)ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等;
(ii)エリトリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等の糖アルコール系化合物;
(iii)アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類;
(iv)トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース等の二糖類;
(v)ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトース等の三糖類;
(vi)スタキオース等の四糖類
(a)における前記強塩基性触媒としては、例えば、アルカリ金属類の水酸化物、アルコラート、アルキルアミン等が挙げられる。アルカリ金属類としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
(a)における前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド等が挙げられる。
(b)における前記ポリアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン類等が挙げられる。
(c)における前記環状エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
また、本実施形態のコーティング組成物において、これらの樹脂類は、必要に応じて、メラミン系硬化剤、ウレタンディスパージョン、ウレタンアクリルエマルジョン等の樹脂を併用することができる。
また、これらの樹脂類は、水に乳化、分散又は溶解することが好ましい。そのために、樹脂類に含まれるカルボキシル基、スルホン基等を中和することができる。
カルボキシル基、スルホン基等を中和するための中和剤としては、特に限定されないが、例えば、アンモニア、水溶性アミノ化合物等が挙げられる。
水溶性アミノ化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン等が挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
中でも、中和剤としては、第三級アミンであることが好ましく、トリエチルアミン、又は、ジメチルエタノールアミンであることがより好ましい。
<その他成分>
本実施形態のコーティング組成物は、上述したポリイソシアネート組成物及び樹脂類の他に、更に、一般的に塗料に加えられる添加剤を含んでもよい。該添加剤としては、例えば、無機顔料、有機顔料、体質顔料、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機リン酸塩、有機亜リン酸塩、増粘剤、レベリング剤、チキソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒(硬化促進用の触媒)、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、静電防止剤又は帯電調整剤、沈降防止剤等が挙げられる。これら添加剤を1種単独で含んでもよく、2種以上を組み合わせて含んでもよい。
架橋反応触媒(硬化促進用の触媒)の例としては、以下に限定されないが、例えば、以下の(a)又は(b)に示すもの等が挙げられる。
(a)ジブチルスズジラウレート、2−エチルヘキサン酸スズ、2−エチルヘキサン酸亜鉛、コバルト塩等の金属塩;
(b)トリエチルアミン、ピリジン、メチルピリジン、ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’−エンドエチレンピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン等の3級アミン類
本実施形態のコーティング組成物は、塗料への分散性を良くするために、上述したポリイソシアネート組成物及び樹脂類の他に、更に界面活性剤を含んでもよい。
本実施形態のコーティング組成物は、塗料の保存安定性を良くするために、上述したポリイソシアネート組成物及び樹脂類の他に、更に酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤を含んでもよい。
≪コーティング基材≫
本実施形態のコーティング基材は、上述のコーティング組成物によってコーティングされたコーティング基材である。本実施形態のコーティング基材は、上述のコーティング組成物を含むコーティング層を有するものであることが好ましい。
本実施形態のコーティング基材は、所望の基材と、場合により、コーティング前に通常のプライマーと、を備えてもよい。
前記基材としては、例えば、金属、木材、ガラス、石、セラミック材料、コンクリート、硬質及び可撓性プラスチック、繊維製品、皮革製品、紙等が挙げられる。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例における、ポリイソシアネート組成物の物性及び評価は、以下のとおり測定した。なお、特に明記しない場合は、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を意味する。
<測定方法>
[物性1]粘度
粘度はE型粘度計(株式会社トキメック社製)により25℃で測定した。標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下のとおりである。
(回転数)
100r.p.m. (128mPa・s未満の場合)
50r.p.m. (128mPa・s以上256mPa・s未満の場合)
20r.p.m. (256mPa・s以上640mPa・s未満の場合)
10r.p.m. (640mPa・s以上1280mPa・s未満の場合)
5r.p.m. (1280mPa・s以上2560mPa・s未満の場合)
2.5r.p.m. (2560mPa・s以上5120mPa・s未満の場合)
[物性2]イソシアネート基含有率
実施例及び比較例で得られたポリイソシアネート組成物を試料として、イソシアネート基含有率の測定は、JIS K7301−1995(熱硬化性ウレタンエラストマー用トリレンジイソシアネート型プレポリマー試験方法)に記載の方法に従って実施した。以下に、より具体的なイソシアネート基含有率の測定方法を示す。
(1)試料1g(Wg)を200mL三角フラスコに採取し、該フラスコにトルエン20mLを添加し、試料を溶解させた。
(2)その後、上記フラスコに2.0Nのジ−n−ブチルアミン・トルエン溶液20mLを添加し、15分間静置した。
(3)上記フラスコに2−プロパノール70mLを添加し、溶解させて溶液を得た。
(4)上記(3)で得られた溶液について、1mol/L塩酸を用いて滴定を行い、試料滴定量(V1mL)を求めた。
(5)試料を添加しない場合にも、上記(1)〜(3)と同様の方法で測定を実施し、ブランク滴定量(V0mL)を求めた。
上記で求めた試料滴定量及びブランク滴定量から、イソシアネート基含有率(NCO%)を以下に示す式を用いて、算出した。
イソシアネート基含有率(質量%) = (V0−V1)×42/[W(1g)×1000]×100
[物性3]不揮発分
実施例及び比較例で得られたポリイソシアネート組成物を試料として、溶剤希釈をした場合には、以下に示す方法を用いて、不揮発分を算出した。まず、アルミニウム製カップの質量を精秤し(W0g)、試料約1gを入れて、加熱乾燥前のカップ質量(W1g)を精秤した。次いで、試料を入れたカップを105℃の乾燥機中で3時間加熱した。次いで、加熱後のカップを室温まで冷却した後、再度カップの質量を精秤した(W2g)。次いで、試料中の乾燥残分の質量%を不揮発分として、以下に示す式を用いて、不揮発分を計算した。なお、溶剤希釈なしの場合には、不揮発分は実質的に100%であるとして扱った。
不揮発分(質量%) = (W2−W0)/(W1−W0)×100
[物性4]数平均分子量(Mn)
ポリイソシアネート組成物の数平均分子量は下記に示す測定条件のGPC測定により、ポリスチレン基準の数平均分子量を測定することで得た。
(測定条件)
装置:東ソー(株)HLC−8120GPC(商品名)
カラム:東ソー(株)TSKgel SuperH1000(商品名)×1本
TSKgel SuperH2000(商品名)×1本
TSKgel SuperH3000(商品名)×1本
キャリアー:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
[物性5]平均官能基数
平均官能基数は、ポリイソシアネート1分子が統計的に有するイソシアネート官能基の数であり、「物性4」で得られたポリイソシアネートの数平均分子量(Mn)と「物性2」で得られたイソシアネート基含有率(NCO%)とから以下の式を用いて算出した。
平均官能基数 = Mn×NCO%/4200
[物性6]第三級アンモニウムカチオンに対するスルホン酸アニオン基のモル比
WATERS社の「UPLC」を用いて、LC−MS及びUV−MSを測定した結果に基づき、スルホン酸アニオン基/第三級アンモニウムカチオンのモル比を各ピーク面積から計算した。
<評価方法>
[評価1]ポリイソシアネート組成物の水分散性
実施例及び比較例で得られたポリイソシアネート組成物を試料として、水分散性を以下に示す方法を用いて、評価した。
(1)100mLフラスコと、吉野紙との質量を測定した(W0g)。
(2)ポリイソシアネート組成物を、固形分換算で16g(W2g)となるように100mLフラスコに採取し、脱イオン水24gを添加した。
(3)プロペラ羽を使用し、200rpmで3分間、100mLフラスコ内の溶液を撹拌した後、(1)で秤量した吉野紙で濾過した。
(4)吉野紙に残った濾過残渣と、100mLフラスコに残った残渣とを合わせて105℃の乾燥機中で1時間加熱し、質量(g)を求めた(W1g)。
(5)以下の式を用いて、ポリイソシアネート組成物が水へ分散した割合を求めた。なお、式(D)中、Yは不揮発分(質量%)である。
水へ分散した割合(質量%) = {1-(W2(g)-W0(g))/(W2(16g)×Y)}×100
(6)次いで、以下の評価基準に従い、水分散性を評価した。
(評価基準)
◎:95質量%以上
○:90質量%以上95質量%未満
△:80質量%以上90質量%未満
×:80質量%未満
[コーティング組成物の製造]
アクリルポリオール水分散体(製品名:Setaqua6510、樹脂あたりの水酸基価:138mgKOH/g、Allnex社製):40gを容器に量り取った。次いで、アクリルポリオール水分散体中の水酸基のモル量に対する、実施例及び比較例で得られたポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基のモル量の比(NCO/OH)が1.25になるように、各ポリイソシアネート組成物を加えた。さらに、コーティング組成物中の固形分が42質量%となるように脱イオン水を加え、プロペラ羽根を用いて600rpmで10分間撹拌し、各コーティング組成物を得た。作製したコーティング組成物を用いて、以下の評価を行った。
[評価2]ポットライフ
上記方法により得られた各コーティング組成物を用いて、ガラス板上に、ゲル化までに1時間毎で厚さ40μmの塗膜を塗装し、23℃、50%湿度の雰囲気下で乾燥させ、翌日、得られた塗膜の光沢を測定した。コーティング組成物作製直後を0時間とし、そのときの塗膜の光沢度(20°)をG0とし、n時間後の光沢度をGnとし、イソシアネート基の保持率=Gn/G0を算出し、80%以上を保持できる時間をポットライフの時間とした。以下の評価基準に従い、ポットライフを評価した。
(評価基準)
○:4時間以上
△:2時間以上4時間未満
×:2時間未満
[評価3]塗膜の外観
上記方法により得られた各コーティング組成物を用いて、ガラス板上に、厚さ40μmの塗膜を塗装した。次いで、23℃、50%湿度の雰囲気下で乾燥させ、翌日、得られた塗膜の光沢値を、光沢計(スガ試験機株式会社製デジタル変角光沢計UDV−6P(商品名))を用い、JIS Z8741の条件で60度光沢値を測定した。以下の評価基準に従い、外観を評価した。
(評価基準)
○:85%以上
△:85%未満65%以上
×:65%未満
<スルホン酸アミン塩の合成>
[合成例1]HES/4−ピコリンの合成
70質量%の2−ヒドロキシエタンスルホン酸(以下、「HES」と略記する場合がある)水溶液:20質量部に、1−プロパノール:10質量部を添加して撹拌して溶液を得た。更に、HESに対するモル当量比が1.10となるように4−ピコリンを量り取り、同質量部の1−プロパノールで希釈した液を、撹拌中の前記溶液に滴下した。滴下開始から1時間後に撹拌を止め、エバポレーターで脱水及び脱溶剤し、固形分99.8質量%の2−ヒドロキシエタンスルホン酸4−ピコリン塩(以下、「HES/4−ピコリン」と略記する場合がある)を得た。
[合成例2]HBS/TBAの合成
85質量%の4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸(以下、「HBS」と略記する場合がある)水溶液:20質量部に、1−プロパノール:10質量部を添加して撹拌して溶液を得た。更に、HBSに対するモル当量比が1.15となるようにトリブチルアミン(以下、「TBA」と略記する場合がある)を量り取り、同質量部の1−プロパノールで希釈した液を、撹拌中の前記溶液に滴下した。滴下開始から1時間後に撹拌を止め、エバポレーターで脱水及び脱溶剤し、固形分99.7質量%の4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸トリブチルアミン塩(以下、「HBS/TBA」と略記する場合がある)を得た。
[合成例3]HPS/DIPEAの合成
80質量%の3−ヒドロキシプロパンスルホン酸(以下、「HPS」と略記する場合がある)水溶液:20質量部に、1−プロパノール:10質量部を添加して撹拌して溶液を得た。更に、HPSに対するモル当量比が1.03となるようにN,N−ジイソプロピルエチルアミン(以下、「DIPEA」と略記する場合がある)を量り取り、同質量部の1−プロパノールで希釈した液を、撹拌中の前記溶液に滴下した。滴下開始から1時間後に撹拌を止め、エバポレーターで脱水及び脱溶剤し、固形分99.5質量%の2−ヒドロキシエタンスルホン酸N,N−ジイソプロピルエチルアミン塩(以下、「HPS/DIPEA」と略記する場合がある)を得た。
[合成例4]HBS/TnPAの合成
トリブチルアミン(TBA)の代わりに、HBSに対するモル当量比が1.22となるようにトリプロピルアミン(以下、「TnPA」と略記する場合がある)を用いた以外は、合成例2と同様の方法を用いて、固形分99.6質量%の2−ヒドロキシエタンスルホン酸トリプロピルアミン塩(以下、「HBS/TnPA」と略記する場合がある)を得た。
[合成例5]HPS/TBAの合成
80質量%の3−ヒドロキシプロパンスルホン酸(以下、「HPS」と略記する場合がある)水溶液:20質量部に、1−プロパノール:10質量部を添加して撹拌して溶液を得た。更に、HPSに対するモル当量比が1.30となるようにトリブチルアミン(以下、「TBA」と略記する場合がある)を量り取り、同質量部の1−プロパノールで希釈した液を、撹拌中の前記溶液に滴下した。滴下開始から1時間後に撹拌を止め、エバポレーターで脱水及び脱溶剤し、固形分99.5質量%の2−ヒドロキシエタンスルホン酸N,N−ジイソプロピルエチルアミン塩(以下、「HPS/TBA」と略記する場合がある)を得た。
[合成例6]HES/TBAの合成
4−ピコリンの代わりに、HESに対するモル当量比が1.0となるようにトリブチルアミン(以下、「TBA」と略記する場合がある)を用いた以外は、合成例1と同様の方法を用いて、固形分99.8質量%の2−ヒドロキシエタンスルホン酸トリブチルアミン塩(以下、「HES/TBA」と略記する場合がある)を得た。
<ポリイソシアネートの合成>
[合成例7]ポリイソシアネートP−1の合成
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:1000g、及び、イソブタノール:4.0gを仕込み、撹拌下反応器内温度を70℃に保持した。これにテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が25%になった時点で燐酸を添加して反応を停止した。次いで、反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去し、ポリイソシアネートP−1を得た。得られたポリイソシアネートP−1の25℃における粘度は1500mPa・s、イソシアネート基含有率は23.1%であった。
[合成例8]ポリイソシアネートP−2の合成
収率が50%になった時点で燐酸を添加して反応を停止した以外は、合成例8と同様の方法を用いて、ポリイソシアネートP−2を得た。得られたポリイソシアネートP−2の25℃における粘度は2700mPa・s、イソシアネート基含有率は21.7%であった。
<ポリイソシアネート組成物の製造>
[実施例1]ポリイソシアネート組成物PA−1aの製造
合成例8で得られたポリイソシアネートP−2:100質量部に、合成例1で得られた2−ヒドロキシエタンスルホン酸4−ピコリン塩(HES/4−ピコリン):6.1質量部を添加し、窒素下、還流下、120℃で3時間攪拌して反応を行った。その後、還流を外して100℃で1時間撹拌して反応を継続し、ポリイソシアネート組成物PA−1aを得た。
[実施例2]ポリイソシアネート組成物PA−2aの製造
合成例8で得られたポリイソシアネートP−2の代わりに、合成例7で得られたポリイソシアネートP−1:100質量部に、合成例1で得られたHES/4−ピコリンの代わりに、合成例2で得られた4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸トリブチルアミン塩(HBS/TBA):11.5質量部を添加した以外は実施例1と同様の方法を用いて、ポリイソシアネート組成物PA−2aを製造した。
[実施例3]ポリイソシアネート組成物PA−3aの製造
合成例1で得られたHES/4−ピコリンの代わりに、合成例3で得られた2−ヒドロキシエタンスルホン酸N,N−ジイソプロピルエチルアミン塩(HPS/DIPEA):8.6質量部を添加した以外は実施例1と同様の方法を用いて、ポリイソシアネート組成物PA−3aを製造した。
[実施例4]ポリイソシアネート組成物PA−4aの製造
合成例2で得られたHBS/TBAの代わりに、合成例4で得られた2−ヒドロキシエタンスルホン酸トリプロピルアミン塩(HBS/TnPA):8.4質量部を添加した以外は実施例2と同様の方法を用いて、ポリイソシアネート組成物PA−4aを製造した。
[実施例5]ポリイソシアネート組成物PA−5aの製造
合成例8で得られたポリイソシアネートP−2:100質量部に、3−シクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸(以下、「CAPS」と略記する場合がある):6.0質量部(0.027モル)、及び、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(以下、「DMCHA」と略記する場合がある):3.7質量部(0.029モル)を添加し、窒素雰囲気下、還流しながら、80℃で5時間撹拌して、ポリイソシアネート組成物PA−8aを製造した。
[比較例1]ポリイソシアネート組成物PA−1bの製造
合成例8で得られたポリイソシアネートP−2:100質量部に、合成例5で得られた2−ヒドロキシエタンスルホン酸N,N−ジイソプロピルエチルアミン塩(HPS/TBA):10.3質量部を添加し、窒素下、還流下、120℃で3時間攪拌して反応を行った。その後、還流を外して100℃で1時間撹拌して反応を継続し、ポリイソシアネート組成物PA−1bを得た。
[比較例2]ポリイソシアネート組成物PA−2bの製造
合成例8で得られたポリイソシアネートP−2:100質量部に、CAPS:6.2質量部(0.028モル)、及び、DMCHA:4.8質量部(0.038モル)を添加し、窒素雰囲気下、還流しながら、80℃で5時間撹拌して、ポリイソシアネート組成物PA−3bを製造した。
[比較例3]ポリイソシアネート組成物PA−3bの製造
合成例7で得られたポリイソシアネートP−1:100質量部に、合成例6で得られた2−ヒドロキシエタンスルホン酸トリブチルアミン塩(HES/TBA):8.4質量部を添加し、窒素下、還流下、120℃で3時間攪拌して反応を行った。その後、還流を外して100℃で1時間撹拌して反応を継続し、ポリイソシアネート組成物PA−3bを製造した。
実施例及び比較例で得られたポリイソシアネート組成物の物性を上記に記載の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。また、得られたポリイソシアネート組成物を用いて、上記に記載の方法により評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2021046461
表1から、スルホン酸アニオン基/第三級アンモニウムカチオンのモル比が0.82以上0.97以下であるポリイソシアネート組成物PA−1a〜PA−5a(実施例1〜5)は、水に分散した場合の分散性及びポットライフに優れ、塗膜にしたときの外観が良好であった。
ポリイソシアネート組成物PA−1a〜PA−5a(実施例1〜5)において、スルホン酸アニオン基/第三級アンモニウムカチオンのモル比が0.91以上であるポリイソシアネート組成物PA−1a、PA−3a及びPA−5a(実施例1、3及び5)は、水に分散した場合のポットライフにより優れ、塗膜にしたときの外観がより良好であった。
一方で、スルホン酸アニオン基/第三級アンモニウムカチオンのモル比が0.77及び0.74であるポリイソシアネート組成物PA−1b及びPA−2b(比較例1及び2)では、水に分散した場合の分散性は良好であるが、ポットライフが不良であり、塗膜としたときの外観が劣っていた。また、スルホン酸アニオン基/第三級アンモニウムカチオンのモル比が1であるポリイソシアネート組成物PA−3b(比較例3)では、水に分散した場合のポットライフ及び塗膜としたときの外観は良好であったが、水に分散した場合の分散性が劣っていた。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、水や水を含む主剤に分散した場合に優れたポットライフと分散性を得ることができ、塗膜にしたときの外観に優れる。

Claims (8)

  1. スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートと、
    下記一般式(1)で表されるアミン化合物の第三級アンモニウムカチオンと、を含むポリイソシアネート組成物であって、
    前記第三級アンモニウムカチオンに対する前記スルホン酸アニオン基のモル比は0.8以上0.99以下である、ポリイソシアネート組成物。
    Figure 2021046461
    (一般式(1)中、R11、R12及びR13は、互いに独立して、エーテル結合を含んでもよい炭素数1以上10以下の炭化水素基である。R11、R12及びR13からなる群より選ばれる少なくとも1つが環構造を含んでいてもよく、R11、R12及びR13からなる群より選ばれる2つ以上は互いに結合して環構造を形成してよい。前記環構造は、芳香族環、炭素数5若しくは6のシクロアルキル基、R11とR12とが互いに結合した5員環若しくは6員環、又は、R11とR12とR13とが互いに結合した多員の多重環である。)
  2. 前記第三級アンモニウムカチオンに対する前記スルホン酸アニオン基のモル比は0.9以上0.99以下である、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  3. 前記ポリイソシアネートは、イソシアヌレート基を有する、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
  4. 前記スルホン酸アニオン基を分子内に含有するポリイソシアネートが、水酸基を有するスルホン酸のアミン塩とポリイソシアネートとの反応により得られるものであり、
    前記水酸基を有するスルホン酸のアミン塩が、水酸基を有するスルホン酸と、前記一般式(1)で表されるアミン化合物との塩である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
  5. 前記水酸基を有するスルホン酸が下記一般式(2)で表される化合物である、請求項4に記載のポリイソシアネート組成物。
    Figure 2021046461
    (一般式(2)中、R21は水酸基、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、及び、イミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1つを含んでもよい炭素数1以上10以下の炭化水素基である。R21は環構造を含んでもよい。前記環構造は、芳香族環、窒素原子を2つ含む5員環若しくは6員環、又は、窒素原子と酸素原子とを含む5員環若しくは6員環である。)
  6. 前記ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、及び、芳香脂肪族ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物を含む、コーティング組成物。
  8. 請求項7に記載のコーティング組成物によってコーティングされた、コーティング基材。
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