JP6945743B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射弁に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2016−118208号公報(特許文献1)に記載されている燃料噴射弁がある。特許文献1の要約には、簡素な構造で燃料噴射率を変更可能な燃料噴射弁を提供するために、固定コア、ニードル、可動コア、及び、ニードル及び可動コアと磁気コアとの間に電磁吸引力を発生させるコイルを備えた燃料噴射弁が記載されている。
ニードルは、磁性材料から形成され本体より外径が大きいニードル大径部を有する。可動コアは、大径内壁面の内側にニードル大径部が位置し小径内壁面の内側に本体が位置する状態でニードルとともにハウジング内を往復移動可能に固定コアの弁座側に設けられている。可動コアは、シール部と弁座とが当接しているときニードルの第2段差面と固定コアの弁座側の端面との距離が弁座とは反対側の端面と固定コアの端面との距離より長くなるよう形成されている。
特開2016−118208号公報
特許文献1に開示されるような燃料噴射弁では、可動部であるニードル(弁体)や可動コアは、往復運動する際に固定コアや弁座などの周辺部品との摺動部の空間(クリアランス)により傾きや偏心が発生し、噴射動作ごとのニードル40の動きが安定せず、これにより、弁座312とシール部42との離間により噴孔311から噴射される燃料の流量ばらつきが発生する。
本発明の目的は、弁体の偏心を補正することができる燃料噴射弁を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一例は、弁体と、前記弁体を駆動する可動子と、前記可動子を吸引する磁気コアと、前記磁気コアの下流側に形成される流路を示す磁気コア下流側流路と、を備え、前記可動子は、前記磁気コア下流側流路に接続され、下流側に燃料を流すための流路を示す可動子上流側流路を有し、前記磁気コア下流側流路の下流側開口面と前記可動子上流側流路の上流側開口面との重なりの径方向長さは、前記磁気コア下流側流路の径方向長さより小さい燃料噴射弁において、前記可動子上流側流路は、前記可動子に環状に形成され、かつ下流側に向かって凹む凹み部により構成される

本発明によれば、弁体の偏心を補正することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例に係る燃料噴射弁の構造を示す断面図である。 本発明の第1実施例に係る燃料噴射弁の可動子近傍の拡大図であり、コイルが非通電の状態を示す断面図である。 図2の状態からコイルが通電状態となって、可動子が開弁方向に動いて、可動子の上端面が弁体の段付き部の下面に衝突した状態を示す断面図である。 図3の状態から更に可動子が変位して、可動子の上端面が固定コアの下端面に衝突した状態を示す断面図である。 本発明の第1実施例に係る燃料噴射弁の固定コア及び可動子の燃料流路の接続部近傍の拡大図であり、可動子が軸ずれを起こしていない時の拡大図である。 本発明の第1実施例に係る燃料噴射弁の固定コア及び可動子の流路の接続部近傍の拡大図であり、可動子が右方向に軸ずれを起こした状態の拡大図である。 図6と同じ状態を模擬したシミュレーション結果(流速)を示した、燃料噴射弁の可動子近傍を拡大した断面図である。 図6と同じ状態を模擬したシミュレーション結果(圧力)を示した、燃料噴射弁の可動子近傍を拡大した断面図である。 本発明の第2実施例に係る燃料噴射弁の可動子近傍の拡大図であり、コイルが非通電の状態を示す断面図である。 本発明の第2実施例に係る燃料噴射弁の固定コア及び可動子の燃料流路の接続部近傍の拡大図であり、可動子が軸ずれを起こしていない時の拡大図である。 本発明の第2実施例に係る燃料噴射弁の固定コア及び可動子の流路の接続部近傍の拡大図であり、可動子が右方向に軸ずれを起こした状態の拡大図である。 本発明の第1及び第2実施例に係る燃料噴射弁に用いられる可動子の斜視図である。 本発明の第1及び第2実施例に係る燃料噴射弁に用いられる可動子を別の方向から見た斜視図である。
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。本実施例の目的は、弁体の傾きや偏心に応じて、それを補正する方向に作用する流体力を用いて弁挙動を安定化させることができる燃料噴射弁を提供することにある。
[第1実施例]
本実施例では、燃料噴射弁の第1実施例として、電磁式燃料噴射弁について説明する。
また図1の電磁式燃料噴射弁は、筒内直接噴射式のガソリンエンジン向けの電磁式燃料噴射弁の例であるが、本発明はポート噴射式のガソリンエンジン向けの電磁式燃料噴射弁にも適用可能である。
また本発明は、電磁式燃料噴射弁に限らず、ピエゾ素子や磁歪素子で駆動される燃料噴射弁にも適用可能である。本発明の効果は、ポート噴射式のガソリンエンジン向けの電磁式燃料噴射弁や、ピエゾ素子や磁歪素子で駆動される燃料噴射弁においても有効である。
なお、燃料噴射弁100の中心軸線100a(中心線)に沿う方向において、燃料噴射孔116の側を下流側、燃料供給口112の側を上流側として説明する。また、説明の中で、例えば「上端面」や「下端面」のように上下方向を指定して説明する場合があるが、この上下方向は各図面の上下方向に基づいており、燃料噴射弁の実装状態における上下方向を指定するものではない。
図1は、本発明の実施例に係る燃料噴射弁100の構造を示す断面図である。
燃料噴射弁100は、EDU121(駆動回路:Electric Drive Unit)及びECU120(エンジンコントロールユニット:Engine Control Unit)により、駆動される。燃料噴射弁100の駆動装置は、燃料噴射弁100の駆動電圧を発生する装置であって、図1のEDU121に相当する。EDU121はECU120と一体となったものであってもよい。
ECU120では、エンジン(内燃機関)の状態を示す信号を各種センサーから取り込み、エンジンの運転条件に応じて適切な駆動パルスの幅や噴射タイミングの演算を行う。ECU120より出力された駆動パルスは、信号線123を通して燃料噴射弁100のEDU121に入力される。
EDU121は、コイル108に印加する電圧を制御して、コイル108に電流を供給する。ECU120は、通信ライン122を通して、EDU121と通信を行っており、燃料噴射弁100に供給する燃料の圧力や運転条件によってEDU121によって生成される駆動電流を切替えることが可能である。EDU121は、ECU120との通信によって制御定数を変化できるようになっており、制御定数に応じて電流波形を変化させる。
燃料噴射弁100における全体構成と燃料の流れについて説明する。
燃料噴射弁100の上端部には燃料供給口112が設けられ、下端部に燃料噴射孔116が設けられている。燃料は燃料供給口112から燃料噴射弁100の内部に供給され、燃料噴射弁100の上端部から下端部に向かって中心軸線100aに沿う方向に流れ、燃料噴射孔116から噴射される。
燃料噴射弁100は、内部に燃料流路の開閉を行う弁体101を有し、弁体101の対向する位置には、弁座部材102が設けられている。弁座部材102には燃料噴射孔116及び弁座115が形成される。弁体101は、弁座115と接触してシール部を形成する。コイル108に通電がないときには、弁体101が第1ばね110によって弁座115に押し付けられ、燃料をシールする構造となっている。すなわち、弁体101及び弁座115は協働して燃料噴射孔116に至る燃料通路の開閉を行う。
燃料噴射弁100は、弁体101の駆動部として、可動子201(可動コア)、固定コア107(磁気コア)及びコイル108を備える。換言すれば、可動子201は、弁体101を駆動する。可動子201、固定コア107及びヨーク109により磁気回路が形成される。コイル108は固定コア107の外周側に配置され、ヨーク109はコイル108の外周側を覆うように配置される。コイル108に通電することにより、可動子201と固定コア107との間に磁気的な吸引力(電磁吸引力)を発生させ、弁体101を開弁方向に駆動する。すなわち、固定コア107(磁気コア)は、可動子201を吸引する。
固定コア107と可動子201とは、可動子201の燃料供給口112側の端面である上端面201A(図2参照)と固定コア107の弁座115側の端面である下端面107B(図2参照)とが対向するように配置される。磁気的な吸引力は可動子201の上端面201Aと固定コア107の下端面107Bとの間に作用する。
可動子201は、固定コア107に対して、可動コアと呼ばれる場合もある。
本実施例では、可動子201、固定コア107及びコイル108は電磁駆動部として構成される。燃料噴射弁100の駆動部は、ピエゾ素子や磁歪素子等で構成される駆動部であってもよい。
弁体101及び可動子201は、筒状部材で構成されるノズルホルダ111に内包され、可動部を構成する。弁体101と可動子201とは別体で独立した構成である。すなわち、可動子201と弁体101とは異なる部材として構成され、弁体101は可動子201に対して開閉弁方向に相対変位可能に構成されている。なお、可動子201の弁体101に対する開弁方向への変位は、弁体101の段付き部129によって規制される。
弁体101は、可動子201の径方向(中心軸線100aに垂直な方向)の中央部に形成された貫通孔128に挿通され、固定コア107側の端部の近傍に段付き部129を有する。すなわち、弁体101は、可動子201と係合する段付き部129(つば部)を有する。
弁体101及び可動子201は、開閉弁動作を行う際に、段付き部129が可動子201と係合することにより、一体となって連動する。段付き部129が可動子201と係合していない状態では、弁体101と可動子201とは、中心軸線100aに沿う方向(開閉弁方向)において相対変位可能なように、独立した構成である。
弁体101の上端にはキャップ132が取り付けられており、キャップ132の上端面132D(図2参照)が第1ばね110の下端部と当接している。第1ばね110は調整子54とキャップ132との間に圧縮された状態で設けられており、弁体101は第1ばね110により下流方向(閉弁方向)に付勢される。
第1ばね110は弁体101を閉弁方向に付勢するため、閉弁スプリングと呼ばれる場合もある。調整子54は固定コア107の貫通孔107C内に圧入固定され、中心軸線100aに沿う方向における固定位置を調整することにより、弁体101に対する第1ばね110の付勢力が調整される。
また本実施例では、弁体101の予備リフトを可能にするために、キャップ132と、可動子201及び段付き部129との間に第2ばね134(中間スプリング)及び中間部材133が設けられている。換言すれば、中間部材133は、閉弁状態において、段付き部129(つば部)と可動子201の間に空隙を形成する。
予備リフトは、開弁時に、弁体101が閉弁した状態のまま、可動子201が開弁方向への移動(リフト)を開始する動作である。この予備リフトについては後で詳細に説明する。
なお、ノズルホルダ111に設けられたスプリング保持部材114と可動子201との間に、第3ばね204(ゼロスプリング)が圧縮状態で設けられる。可動子201は、第3ばね204によって開弁方向に付勢されている。
EDU121よりコイル108に駆動電流が流れることで、固定コア107と可動子201との間には磁気的な吸引力が生じる。詳細は後で説明するが、可動子201が固定コア107に向かって移動する際に可動子201が弁体101と係合して弁体101をリフトし、燃料噴射弁100を開弁させる。
ここで、弁体101の閉弁状態における構成について、図2を用いて、詳細に説明する。図2は、本発明の第1実施例に係る燃料噴射弁100の可動子201近傍の拡大図であり、コイル108が非通電の状態を示す断面図である。なお、図2には図示していないが、弁体101は弁座115に接触することで閉弁状態となっている。
弁体101の弁座115側とは反対側の端部には、弁体101の中で外径が最も大きい段付き部129を有する頭部が設けられている。段付き部129は弁体101の外周面から鍔状に張り出した鍔部(拡径部)を構成する。段付き部129の上面129A(上端面)から上部には、段付き部129の外径よりも小径の突起部131が設けられており、突起部131の上端部には第1ばね110(閉弁スプリング)の着座面である上端面132Dが形成されたキャップ132が設けられている。キャップ132は突起部131に圧入固定されている。
可動子201は弁体101が貫通する貫通孔128を中央に備える。ノズルホルダ111にはスプリング保持部材114が取り付けられる。可動子201とスプリング保持部材114の間には、第3ばね204(ゼロスプリング)が取り付けられる。
具体的には、第3ばね204は一端部が燃料噴射弁100の本体側(本実施例ではノズルホルダ111に取り付けられたスプリング保持部材114)に支持され、他端部が可動子201の下端面201Bに当接しており、可動子201を開弁方向(スプリング保持部材114から引き離す方向)に付勢している。すなわち第3ばね204は、可動子201に対して固定コア107側とは反対側に配置され、可動子201を開弁方向に付勢する。
第3ばね204の付勢力(セット荷重)は第1ばね110による付勢力(セット荷重)とは逆向きに可動子201に作用している。すなわち、第1ばね110は弁体101を閉弁方向に付勢し、第3ばね204(ゼロスプリング)は可動子201を固定コア107の側とは反対側から開弁方向に付勢している。なお、第1ばね110の一端部は燃料噴射弁100の本体側(本実施例では調整子54の下端面54A)に支持されている。
可動子201の上端面201A側に中間部材133が設けられている。中間部材133の下端面133D側(下面側)には上方に向けて凹部133Aが形成されており、この凹部133Aは弁体101の段付き部129が収まる直径(内径)と深さを有している。
すなわち、凹部133Aの直径(内径)は段付き部129の直径(外径)よりも大きく、凹部133Aの深さ寸法は段付き部129の上面129Aと下面129Bとの間の長さ寸法よりも大きい。なお、中間部材133の凹部133Aの深さ寸法から段付き部129の上面129Aと下面129Bとの間の高さ寸法(間隔)を引いた長さ寸法が、間隙g1の長さ寸法となっている。
凹部133Aの底面133E(底部)には弁体101の突起部131が貫通する貫通孔133Bが形成されている。中間部材133とキャップ132との間には第2ばね134(中間スプリング)が保持されており、中間部材133の上端面133Cは第2ばね134の一端部が当接するばね座を構成する。
第3ばね204(ゼロスプリング)による付勢力Fzの絶対値は、第2ばね134(中間スプリング)の付勢力Fmの絶対値より小さくなるように、各ばね204,134の付勢力が設定されている。このため、第2ばね134は、中間部材133を介して可動子201を固定コア107側から閉弁方向(弁座115側)に付勢する。
その結果、図2の状態では、中間部材133の凹部133Aの底面133Eと弁体101の段付き部129の上面129Aとが接触すると共に中間部材133の下端面133Dと可動子201の上端面201Aとが接触し、弁体101の段付き部129の下面129Bと可動子201の上端面201Aとが離間して、下面129Bと上端面201Aとの間に間隙g1が存在する。間隙g1は予備リフトにおける可動子201の移動を可能にする。
本実施例では、予備リフトを可能にするために、弁体101は、段付き部129と、中間部材133と、第2ばね134と、を備える。段付き部129は、可動子201に対して固定コア107側の当接部(上端面201A)で当接して可動子201の固定コア107側への相対変位を規制する。中間部材133は、段付き部129に当接する可動子201の当接部(上端面201A)と可動子201に当接する段付き部129の当接部(下面129B)との間に間隙g1を形成する。第2ばね134は、中間部材133を閉弁方向に付勢する。中間部材133及び第2ばね134は、弁体101に一体に組み付けられている。
本実施例では、固定コア107の下端面107Bが可動子201の開弁方向(上流方向)の変位を規制する可動子変位規制部を構成する。閉弁時において、可動子201の上端面201Aと固定コア107の下端面107B(可動子変位規制部)との間の間隙の長さ(距離)g2は、弁体101の段付き部129の下面129Bと可動子201の上端面201Aとの間に存在する間隙g1よりも大きく設定される。
中間部材133の上方に位置するキャップ132の上端部には径方向に張り出した鍔部132Aが形成されており、鍔部132Aの下端面132Bに第2ばね134の他端部が当接するばね座が構成されている。キャップ132の鍔部132Aの下端面132Bから下方に筒状部132Cが形成されており、筒状部132Cに突起部131が圧入固定されている。
キャップ132と中間部材133とがそれぞれ第2ばね134のばね座を構成するため、中間部材133の貫通孔133Bの直径(内径)はキャップ132の鍔部132Aの直径(外径)よりも小さい。従って、中間部材133と第2ばね134とは、キャップ132と突起部131との圧入工程の前に、弁体101に組み付けられる。
本実施例では、第1ばね110、第2ばね134、及び第3ばね204は、コイルばねで構成されると共に、燃料噴射弁100の中心軸線100aに沿う方向において同列(一列)に配置される。
これにより、燃料噴射弁100の径方向寸法の増大を抑制することができる。
固定コア107の上流から流れる燃料は、貫通孔107C内を通り、下流側へと流れる。固定コア107の下流側には、貫通孔107Cと同心の円筒内径107Dが設けられている。円筒内径107Dは、貫通孔107Cと滑らかに接続し、円筒内径107Dと中間部材133の最外径面133Fとの間に流路107D−133Fを構成する。
ここで、流路107D−133Fは、固定コア107(磁気コア)の下流側に形成される流路を示す磁気コア下流側流路と呼んでもよい。本実施例では、流路107D−133F(磁気コア下流側流路)は、弁体101の外径部と固定コア107(磁気コア)の内径部との間に形成される。換言すれば、流路107D−133F(磁気コア下流側流路)は、段付き部129(つば部)と固定コア107(磁気コア)との間に形成される。詳細には、流路107D−133F(磁気コア下流側流路)は、中間部材133の外周面と固定コア107(磁気コア)の内周面との間に形成される。これらにより、固定コア107(磁気コア)の下流側に環状の流路が形成される。
固定コア107(磁気コア)の下流側の内径である円筒内径107Dは、貫通孔107C(磁気コアの上流側の内径)よりも大きい。これにより、例えば、第1ばね110の軸ずれを貫通孔107Cで抑えつつ、流路107D−133F(磁気コア下流側流路)の断面積を確保することができる。貫通孔107Cは、固定コア107(磁気コア)の中心軸方向に形成される。
燃料は中間部材133の最外径面133Fと円筒内径107Dとが構成する流路107D−133Fを、可動子側へと流れる。この時、図2では固定コア107の貫通孔107Cと円筒内径107Dは、異なる直径の面として表されているが、同一直径の面であっても良い。また、流路107D−133Fは、円筒内径107Dと中間部材133の最外径面133Fから構成されるため、軸方向から見て環状の流路となっている。
可動子201の上端面201Aには、環状の流路107D−133Fと同様に環状の流路を成す可動子201の上流側流路201Cが設けられている(図11参照)。
ここで、上流側流路201Cは、流路107D−133F(磁気コア下流側流路)に接続され、下流側に燃料を流すための流路を示す可動子上流側流路と呼んでもよい。上流側流路201C(可動子上流側流路)は、可動子201に環状に形成され、かつ下流側に向かって凹む凹み部により構成される。これにより、流路107D−133F(磁気コア下流側流路)から上流側流路201C(可動子上流側流路)へ燃料が中心軸線100aに対して回転対称に流れる。
可動子201の上流側流路201Cは、上記固定コア107の下流側の環状の流路107D−133Fに対向する。可動子201の上流側流路201Cの下流側は、可動子201の下端面201Bに設けられた連通孔201D(図12参照)と接続し、可動子201内の流路を構成している。
すなわち、可動子201には、上流側流路201C(可動子上流側流路)の下流側開口面と繋がるとともに、上流側流路201C(可動子上流側流路)の下流側開口面よりも大きい断面積である上流側開口面を有する連通孔201D(可動子下流側流路)が形成される。連通孔201D(可動子下流側流路)は、可動子201に円筒形状で複数、形成される。連通孔201Dを円筒形状とすることで、例えば、加工が容易となる。
上流側流路201Cと連通孔201Dとの関係は、次の通りである。連通孔201Dは、複数の連通孔で構成される。連通孔201Dの断面積が、上流側流路201Cの下流側開口面より大きくなるため、上流側流路201C内を流れる燃料を下流側に円滑に流すことができる。
可動子201の上流側流路201Cの径方向外側の内向面201Eの直径φD1は、固定コア107の円筒内径107Dの直径φD2より小さく、可動子201の上流側流路201Cの径方向内側の外向面201Fの直径φD3は、中間部材133の最外径面133Fの直径φD4より大きく設定される。
図3を参照して、開弁時における可動子201の初動状態について説明する。
図3は、図2の状態からコイル108が通電状態となって、可動子201が開弁方向に動いて、可動子201の上端面201Aが弁体101の段付き部129の下面129Bに衝突した状態を示す断面図である。
図2の状態より、コイル108に通電されると、磁気回路を構成する固定コア107、ヨーク109及び可動子201に磁束が生じ、固定コア107と可動子201との間に磁気吸引力が発生する。
式(1)は、可動子201が開弁方向への運動を開始するときの、磁気吸引力Fa、第2ばね134(中間スプリング)の付勢力Fm、及び第3ばね204(ゼロスプリング)の付勢力Fzの関係を示している。
Figure 0006945743
式(1)に示すように、可動子201と固定コア107の間に作用する磁気吸引力Faが、第2ばね134の付勢力Fmと第3ばね204の付勢力Fzの差よりも大きくなると、可動子201は固定コア107側に吸引されて開弁方向の運動を開始する。
図3では、弁体101が閉弁状態を維持した状態で、可動子201が間隙g1分だけ固定コア107側に変位した状態を示している。すなわち、可動子201が中間部材133を持ち上げ、可動子201の上端面201Aは弁体101の段付き部129の下面129Bに接触する。このとき、中間部材133の底面133Eと段付き部129の上面129Aとの間には、間隙g1に相当する間隙が形成される。図2では固定コア107と可動子201の上端面201Aとの間には間隙g2が存在していたが、図3では間隙はg2’(g2’=g2−g1)に減少する。
このとき、可動子201に蓄えられた運動エネルギが、弁体101の開弁動作に使用される。よって、間隙g1(予備リフト)が設定されていることで可動子201の運動エネルギを利用でき、開弁動作の応答性を向上させることができる。したがって、高い燃料圧力下でも迅速に開弁することが可能となる。
図4は、図3の状態から更に可動子201が変位して、可動子201の上端面201Aが固定コア107の下端面107Bに衝突した状態を示す断面図である。
図4では、可動子201の上端面201Aが固定コア107の下端面107Bに衝突し、弁体101が上流方向へ向かう動きが規制される。結果として、弁体101は、間隙g2’に相当する距離(g2−g1)だけリフトされる。
燃料噴射弁100は、可動部である弁体101や可動子201を滑らかに往復移動させるため、それぞれの部品と周辺部品との間には隙間(クリアランス)が設けられている。例えば、スプリング保持部材114の貫通孔114A(図2参照)と弁体101との間であり、可動子201の貫通孔128(図2参照)と弁体101との間である。図には記載されていないが、弁体101の弁座115に近い側にも周辺部品との摺動する箇所で隙間が設けられている。
そのため、上記隙間の範囲内で、弁体101や可動子201は傾きや偏心が許容され、燃料噴射弁の中心軸線100aから軸ずれを起こす。図2の閉弁状態においては、第1ばね110の付勢力の偏りなどによって、弁体101や可動子201はそれぞれの中心軸線が中心軸線100aからずれて組み付けられた状態となっている。
ここで、固定コア107の下流側、可動子201の上流側、中間部材133及び弁体101周辺の拡大断面図を図5、図6に示す。
図5は、可動子201が弁体101をリフトし、固定コア107の下端面107Bと可動子201の上端面201Aとの隙間がg2’’(g2’>g2’’>0)となった場合で、軸ずれを起こしていない時の各部品の位置関係を示している。
この状態では、固定コア107の下流側の流路107D−133Fに関し、中心軸線100aを中心として左右の流路の径方向長さL11とL12は等しい。また、可動子201の上流側流路201Cの左右の流路の径方向長さL21とL22は変わらない。さらに、可動子201の上流側流路201Cの径方向外側の内向面201Eの直径φD1は、固定コア107の円筒内径107Dの直径φD2より小さく、可動子201の上流側流路201Cの径方向内側の外向面201Fの直径φD3は、中間部材133の最外径面133Fの直径φD4より大きく設定されていることから、次の式(2)が成り立つような構成となっている。
Figure 0006945743
ここで、流路107D−133F(磁気コア下流側流路)の下流側開口面と上流側流路201C(可動子上流側流路)の上流側開口面との重なりの径方向長さ(L21、L22)は、流路107D−133F(磁気コア下流側流路)の径方向長さ(L11、L12)より小さい。これにより、燃料の流路の断面積が絞られる。
本実施例では、開弁状態において、上流側流路201C(可動子上流側流路)の上流側開口面の全てが流路107D−133F(磁気コア下流側流路)の下流側開口面と径方向において重なる。これにより、開弁状態において、流路107D−133F(磁気コア下流側流路)に対する上流側流路201C(可動子上流側流路)の位置が限定される。
また、可動子201が設定範囲内(各部品のクリアランスから定まる範囲内)で径方向に移動した場合にも、上流側流路201C(可動子上流側流路)の上流側開口面の全てが流路107D−133F(磁気コア下流側流路)の下流側開口面と径方向において重なる。これにより、可動子201が径方向に移動した場合でも、流路107D−133F(磁気コア下流側流路)のと下流側開口面と上流側流路201C(可動子上流側流路)の上流側開口面の重なりの面積は変わらない。
なお、上流側流路201C(可動子上流側流路)の径方向長さ(L21、L22)は、流路107D−133F(磁気コア下流側流路)の径方向長さ(L11、L12)以下である。これにより、上流側流路201C(可動子上流側流路)の断面積は流路107D−133F(磁気コア下流側流路)の断面積以下となる。
図6は、可動子201が弁体101をリフトし、固定コア107の下端面107Bと可動子201の上端面201Aとの隙間がg2’’(g2’>g2’’>0)となった場合であり、さらに、弁体101や可動子201が部品間の隙間によって許容されるだけ図の右方向に軸ずれを起こした状態(燃料噴射弁100の中心軸線100aに対し可動子201の中心軸線201aが右方向にずれた状態)を示している。
この状態において、固定コア107の下流側の流路107D−133Fは、弁体101や可動子201が軸ずれした右方向(図6の右側の部分)では、中間部材133が弁体101とともに右方向へ移動するため最外径面133Fは固定コア107の円筒内径107Dに近づき、右方向の流路の径方向長さL11’は前記L11より小さくなり、反対に軸ずれと逆の左方向(図6の左側の部分)では、最外径面133Fは円筒内径107Dから遠ざかるため、左方向の流路の径方向長さL12’は前記L12より大きくなる。可動子201の上流側流路201Cの右方向の流路の径方向長さL21と左方向の流路の径方向長さL22は変わらないことから、次の式(3)が成立する。
Figure 0006945743
換言すれば、可動子201が径方向に移動した場合に、可動子201の移動方向の側に形成される流路107D−133F(第1磁気コア下流側流路)の径方向長さL11’に対する、可動子201の移動方向の側に形成される上流側流路201C(第1可動子上流側流路)の径方向長さL21の比が、可動子201の移動方向と反対側に形成される流路107D−133F(第2磁気コア下流側流路)の径方向長さL12’に対する、可動子201の移動方向と反対側に形成される上流側流路201C(第2可動子上流側流路)の径方向長さL22の比よりも大きくなる。これにより、後述するように、可動子201の移動方向と反対側の方向に差圧力が生じる。
ここで、可動子201が径方向に移動した場合に、可動子201の移動方向の側に形成される流路107D−133F(第1磁気コア下流側流路)の径方向長さL11’に対し、可動子201の移動方向と反対側に形成される流路107D−133F(第2磁気コア下流側流路)の径方向長さL12’が大きくなる。これにより、可動子201の移動方向と反対側の流量の変化が、可動子201の移動方向の側の流量の変化よりも大きくなる。
詳細には、軸ずれ方向(右方向)の固定コア107の下流側の流路107D−133Fと可動子201の上流側流路201Cの径方向長さの比L21/L11’が1に近づくことは、固定コア107の下流側の流路107D−133Fから可動子201の上流側流路201Cに接続する部分で燃料流れの変化が小さいことを示す。逆に、一方(右方向)の軸ずれと逆方向(左方向)の固定コア107の下流側の流路107D−133Fと可動子201の上流側流路201Cの径方向長さの比L22/L12’がより小さくなることは、固定コア107の下流側の流路107D−133Fから可動子201の上流側流路201Cに接続する部分で流路面積が絞られ、燃料流れの変化が大きくなることを示す。
一般的に流路面積が絞られると、その部分で流速が速くなり、圧力が下がることがベルヌーイの定理で知られており、図6の軸ずれ方向(右方向)とは逆の左方向の流路L12’とL22の間でもこの定理が成り立つ。
この効果を検証するために流体解析を用いて図6と同じ状態を模擬してシミュレーションした結果を図7A、7Bに示す。
図7Aは可動子201周辺における流速分布を示したものであり、図7Bは圧力分布を示したものである。表示はいずれも青に近いほど値が低く、赤に近いほど値が高い。また、本シミュレーションは、燃料噴射弁の内部流路全体を3次元で計算し、周辺の構造物を透過表示した上に中心軸線100aを通る断面のみを表示したものである。
図7Aの流速分布では、中心軸線100aを中心として左右の可動子付近の燃料流路(図中の枠内)の流速を比較すると、左側の流路の流速が大きく、右側の流路の流速が小さい。また、図7Bの圧力分布では、中心軸線100aを中心として左右の可動子付近の燃料流路(図中の枠内)の圧力を比較すると、左側の流路の圧力状態が低く、右側の流路の圧力状態が高いことが判る。このとき、左右の圧力の差によって圧力の高い方(右方向)から低い方(左方向)への差圧力が可動子201に掛かる。
つまり、軸ずれ方向(右方向)とは逆方向(左方向)の差圧力Fpが作用することとなり、軸ずれ(偏心)を補正する効果がある。すなわち、弁体(ニードル)の傾きや偏心に応じて、それを補正する方向に作用する流体力を用いて弁挙動を安定化させることができる。
以上説明したように、本実施例によれば、弁体の偏心を補正することができる。固定コアと可動子に設けられた流路を流れる燃料流れを利用し、可動子の軸ずれ方向とは逆方向に作用する流体力を意図的に生み出すことができる。これにより、可動子の軸ずれを小さくし、したがって、弁体の傾きや偏心を小さくすることができ、弁挙動の安定化に効果がある。
[第2実施例]
図8を用いて、本発明に係る第2実施例の構成について説明する。図8は、本発明の第2実施例に係る燃料噴射弁100の可動子201近傍の拡大図であり、コイル108が非通電の状態を示す断面図である。第1実施例と同様な構成や動作には、第1実施例と同じ符号を付し、説明を省略する。なお、図8には図示していないが、弁体101は弁座部材102に設けられた弁座115に接触することで、閉弁状態となっている。
第2実施例は、第1実施例とは燃料が流れる流路が異なる構成となっている他は大きな違いはないので、流路の構成を中心に説明する。
固定コア107の上流から流れる燃料は、貫通孔107C内を通り、下流側へと流れる。固定コア107の下端面107Bには、ノズルホルダ111と接する外径部と貫通孔107Cとの間に中心軸線100aと同心の溝状(円筒状)の流路107Fが設けられている。
すなわち、流路107F(磁気コア下流側流路)は、固定コア107(磁気コア)の内周面と固定コア107の外周面との間に形成される。これにより、第1実施例と比較して、磁気コア107が軽量化される。詳細には、流路107F(磁気コア下流側流路)は、固定コア107(磁気コア)に環状に形成され、かつ上流側に向かって凹む凹み部により構成される。これにより、流路107F(磁気コア下流側流路)から上流側流路201C(可動子上流側流路)へ燃料が中心軸線100aに対して回転対称に流れる。流路107Fは中心軸線100aの軸方向から見て環状の流路である。
流路107Fの上流部は、貫通孔107Cと接続する複数の径方向の連通孔107Eと連結されている。すなわち、連通孔107Eは、固定コア107(磁気コア)の径方向に形成され、貫通孔107Cと流路107F(磁気コア下流側流路)とを連通する。これにより、燃料が貫通孔107Cから流路107Fへバイパスされる。
貫通孔107Cと中間部材133の最外径面133Fとの間に隙間があるが、流路107Fと比べて十分に小さい。これにより、貫通孔107Cの上流部から流れる燃料は、主に連通孔107Eと流路107Fを通って下流側に流れる。
可動子201の上端面201Aには、第1実施例と同様の環状の可動子201の上流側流路201C(環状スリット)が設けられている。可動子201の上流側流路201Cは、固定コア107の下流側の環状の流路107Fに対向する。可動子201の上流側流路201Cの下流側は、可動子201の下端面201Bに設けられた連通孔201Dと接続し、可動子201内の流路を構成している。
可動子201の上流側流路201Cの径方向外側の内向面201Eの直径φD11は、固定コア107の下流側の流路107Fの径方向外側の内向面107Gの直径φD12より小さく、可動子201の上流側流路201Cの径方向内側の外向面201Fの直径φD13は、固定コア107の下流側の流路107Fの径方向内側の外向面107Hの直径φD14より小さく設定される。図8では、固定コア107の下流側の流路107Fの径方向の流路幅と可動子201の上流側流路201Cの径方向の流路幅は同一としているが、異なっていても良い。
ここで、固定コア107の下流側、可動子201の上流側及び弁体101周辺の拡大断面図を図9、図10に示す。
図9は、可動子201が弁体101をリフトし、固定コア107の下端面107Bと可動子201の上端面201Aとの隙間がg2’’(g2−g1>g2’’>0)となった場合で、軸ずれを起こしていない時の各部品の位置関係を示している。
この状態では、固定コア107の下流側の流路107Fと、可動子201の上流側流路201Cの位置関係は、中心軸線100aを中心として左右対称となっている。すなわち、可動子201の上流側流路201Cの径方向外側の内向面201Eは、固定コアの下流側の流路107Fの径方向外側の内向面107Gより径方向に中心側に位置し、可動子201の上流側流路201Cの径方向内側の外向面201Fは、固定コア107の下流側の流路107Fの径方向内側の外向面107Hより径方向に中心側に位置している。
これにより、固定コア107の下流側の流路107Fから可動子201の上流側流路201Cに燃料が流れる場合に、その接続部で固定コア107の下流側の流路107Fの径方向内側の外向面107Hと可動子201の上流側流路201Cの径方向外側の内向面201Eにより流路が絞られることとなる。この時、流路が狭まる部分の径方向の幅は、右側の流路幅L1と左側の流路幅L2で表され、図9の状態では、左右の位置関係は対称のため、L1=L2が成り立つ。
図10は、可動子201が弁体101をリフトし、固定コア107の下端面107Bと可動子201の上端面201Aとの隙間がg2’’(g2−g1>g2’’>0)となった場合であり、さらに、弁体101や可動子201が部品間の隙間によって許容されるだけ図の右方向に軸ずれを起こした状態(燃料噴射弁100の中心軸線100aに対し可動子201の中心軸線201aが右方向にずれた状態)を示している。
この状態では、固定コア107の下流側の流路107Fと、可動子201の上流側流路201Cの位置関係は、中心軸線100aを中心として左右非対称となる。すなわち、軸ずれ方向(右方向)の可動子201の上流側流路201Cの径方向外側の内向面201Eは、固定コア107の下流側の流路107Fの径方向外側の内向面107Gに径方向に近づき、固定コア107の下流側の流路107Fの径方向内側の外向面107Hから遠ざかることから、流路の狭まる部分の流路幅L1’(外向面107Hと内向面201Eとの間の距離)は図9のL1より大きくなる。また、軸ずれと逆方向(左方向)の可動子201の上流側流路201Cの内向面201Eは、固定コア107の下流側の流路107Fの内向面107Gより径方向に遠ざかり、固定コア107の下流側の流路107Fの外向面107Hに近づくことから、流路の狭まる部分の流路幅L2’は図9のL2より小さくなる。
これにより、軸ずれと逆方向(左方向)の固定コア107の下流側の流路107Fから可動子201の上流側流路201Cへの流路接続部分で、ベルヌーイの定理により、流速が速くなり、圧力が下がる。そして、左右の流路の圧力差により、軸ずれと逆方向(左方向)の差圧力が作用することとなり、軸ずれ(偏心)を補正する効果がある。
すなわち、弁体(ニードル)の傾きや偏心に応じて、それを補正する方向に作用する流体力を用いて弁挙動を安定化させることができる。
以上説明したように、本実施例によれば、弁体の偏心を補正することができる。
なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
本実施例では、予備リフトのため中間部材133を用いているが、用いなくてもよい。
図12の例では、連通孔201Dは4個であるが、個数は任意である。なお、可動子201の偏心の補正のため連通孔201Dの周方向の間隔は等しくすることが望ましい。
54…調整子
101…弁体
102…弁座部材
107…固定コア
110…第1ばね(閉弁スプリング)
115…弁座
116…燃料噴射孔
132…キャップ
133…中間部材
103…第2ばね(中間スプリング)
204…第3ばね(ゼロスプリング)
112…燃料供給口
201…可動子

Claims (14)

  1. 弁体と、前記弁体を駆動する可動子と、前記可動子を吸引する磁気コアと、前記磁気コアの下流側に形成される流路を示す磁気コア下流側流路と、を備え、
    前記可動子は、前記磁気コア下流側流路に接続され、下流側に燃料を流すための流路を示す可動子上流側流路を有し、前記磁気コア下流側流路の下流側開口面と前記可動子上流側流路の上流側開口面との重なりの径方向長さは、前記磁気コア下流側流路の径方向長さより小さい燃料噴射弁において、
    前記可動子上流側流路は、前記可動子に環状に形成され、かつ下流側に向かって凹む凹み部により構成された燃料噴射弁
  2. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記可動子が径方向に移動した場合に、
    前記可動子の移動方向の側に形成される第1磁気コア下流側流路の径方向長さL11’に対する前記可動子の前記移動方向の側に形成される第1可動子上流側流路の径方向長さL21の比が、前記可動子の前記移動方向と反対側に形成される第2磁気コア下流側流路の径方向長さL12’に対する前記可動子の前記移動方向と反対側に形成される第2可動子上流側流路の径方向長さL22の比よりも大きくなるように構成された燃料噴射弁。
  3. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記可動子には、前記可動子上流側流路の下流側開口面と繋がるとともに、前記可動子上流側流路の前記下流側開口面よりも大きい断面積である上流側開口面を有する可動子下流側流路が形成された燃料噴射弁。
  4. 請求項3に記載の燃料噴射弁において、
    前記可動子下流側流路は、
    前記可動子に円筒形状で複数、形成された燃料噴射弁。
  5. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    開弁状態において、前記可動子上流側流路の前記上流側開口面の全てが前記磁気コア下流側流路の前記下流側開口面と径方向において重なるように構成された燃料噴射弁。
  6. 請求項2に記載の燃料噴射弁において、
    前記磁気コア下流側流路は、前記弁体の外径部と前記磁気コアの内径部との間に形成され、
    前記可動子が径方向に移動した場合に、前記可動子の移動方向の側に形成される第1磁気コア下流側流路の径方向長さL11’に対し、前記可動子の前記移動方向と反対側に形成される第2磁気コア下流側流路の径方向長さL12’が大きくなるように構成された燃料噴射弁。
  7. 請求項に記載の燃料噴射弁において、
    前記可動子が設定範囲内で径方向に移動した場合に、
    前記可動子上流側流路の前記上流側開口面の全てが前記磁気コア下流側流路の前記下流側開口面と径方向において重なるように構成された燃料噴射弁。
  8. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記弁体は、前記可動子と係合するつば部を有し、
    前記磁気コア下流側流路は、前記つば部と前記磁気コアとの間に形成される燃料噴射弁。
  9. 請求項に記載の燃料噴射弁において、
    閉弁状態において、前記つば部と前記可動子の間に空隙を形成する中間部材をさらに備え、
    前記磁気コア下流側流路は、前記中間部材の外周面と前記磁気コアの内周面との間に形成される燃料噴射弁。
  10. 請求項に記載の燃料噴射弁において、
    前記磁気コアの下流側の内径は、前記磁気コアの上流側の内径よりも大きい燃料噴射弁。
  11. 請求項に記載の燃料噴射弁において、
    前記可動子上流側流路の径方向長さは、前記磁気コア下流側流路の径方向長さ以下である燃料噴射弁。
  12. 弁体と、前記弁体を駆動する可動子と、前記可動子を吸引する磁気コアと、前記磁気コアの下流側に形成される流路を示す磁気コア下流側流路と、を備え、
    前記可動子は、前記磁気コア下流側流路に接続され、下流側に燃料を流すための流路を示す可動子上流側流路を有し、前記磁気コア下流側流路の下流側開口面と前記可動子上流側流路の上流側開口面との重なりの径方向長さは、前記磁気コア下流側流路の径方向長さより小さい燃料噴射弁において、
    前記磁気コア下流側流路は、前記磁気コアの内周面と前記磁気コアの外周面との間に形成される燃料噴射弁。
  13. 請求項12に記載の燃料噴射弁において、
    前記磁気コア下流側流路は、前記磁気コアに環状に形成され、かつ上流側に向かって凹む凹み部により構成された燃料噴射弁。
  14. 請求項13に記載の燃料噴射弁において、
    前記磁気コアは、
    前記磁気コアの中心軸方向に形成される貫通孔と、
    前記磁気コアの径方向に形成され、前記貫通孔と前記磁気コア下流側流路とを連通する連通孔と、を有する燃料噴射弁。
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