JP6945440B2 - フランジ補強構造と消火栓等の補強具 - Google Patents

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本発明は、消火栓、空気弁、補修弁或は水道機器のフランジ接合部分を補強するフランジ補強構造と、これら消火栓等のフランジ接合を補強するための補強具に関する。
従来、消火栓、空気弁、補修弁や、水道機器をフランジ接合するためには、鉄製のボルトナットが多く使用され、この場合、経年劣化によりボルトナットが腐食してフランジの接合強度が低下しやすい。この対策として、フランジ接合を補強するための補強金具が提案され、この補強金具によりフランジ同士の離間や位置ずれを防止する場合がある。
この種のフランジ用補強金具として、例えば、特許文献1では、フランジの接合部同士を補強する接合部の補強治具が提案されている。この補強治具は、フランジを連結する連結ボルトの頭部側である一方側のフランジの外側面を押圧する第一挟持部材と、他方側のフランジの外側面を押圧する第二挟持部材と、これら第一挟持部材と第二挟持部材とを固定する締結ボルトとを有している。この補強治具は、いわゆるC形クランプ(シャコ万力)と同様の構造を呈し、フランジの締付け部分である第一、第二挟持部材の外径側に位置する締結ボルトの締付けにより、この締結ボルトよりも内径側の押圧部でフランジを挟持して補強するようになっている。
特許文献2においては、締結ボルトがフランジを連結するフランジボルトに対して垂直方向に取り付けられ、締結ボルトの回動により進退する進退部材と、この進退部材の進退方向と異なる方向に変位を生成する方向変換部材が挟持部材に備えられる。締結ボルトの締付け時には、方向変換部材がフランジ挟持方向に変位し、この方向変換部材と挟持部材のフランジ押圧面とによりフランジの離間を防止するようになっている。
特許文献3の結合構造体は、地震等の振動による外力に対してフランジ同士の結合を補強するものであり、締結具のボルトとナットにより2個のフランジを締結結合し、結合補強具によりボルト、ナットを軸方向に圧縮する方向に押圧するようになっている。
また、上記の補強金具以外にも、フランジ接合用の補強金具として、汎用のC形クランプが用いられることもある。
一方、フランジ接合を補強金具で補強しない場合、設置から数十年経過しているとボルト・ナットの腐食が激しくなり、水漏れ等の事故が発生する可能性が高くなる。そのため、上記以外の接合強度を復帰させる手段として、腐食したボルトナットをサンダー等の工具で切断し、ステンレス製のボルトナットに交換したり、或は、ボルトナットの交換が困難な場合には、凍結工法により管内を凍結させて新規の消火栓に交換する場合がある。しかし、これらの切断工法・凍結工法は高コストであるため、現在でも設置数の多い上記の旧形消火栓の補強用として採用することは難しい。
特開2016−23659号公報 特開2016−56817号公報 特開2014−62613号公報
前述した特許文献1や特許文献2の補強治具やC形クランプは、フランジの挟持部分を十分に確保できる場合を想定したものであり、フランジの挟持部分が不足している場合、使用することが難しくなる場合がある。
例えば、日本水道協会の規格のJWWA B 103−1969(1969年改正)で規定された消火栓の場合、その被接合部分の一部が外径側に突出したフランジ形状に設けられ、この突出部分がボルトの締付け部分になっている。JWWA B 103−1991(1991年改正)、JWWA B 103−2000(2000年改正)の消火栓の接合部分は、それぞれ角フランジ形状に設けられている。これらの場合、特に、JWWA B 103−1969において、特許文献1や特許文献2のような構造の補強治具、C形クランプで挟持するつかみ代が少なくなることで取り付け困難になり、これら補強治具を用いてフランジ接合を補強することが難しくなる。
特許文献1の補強治具やC形クランプは、力を加えたときの力点である締結ボルトの締付け位置と、作用点であるフランジを挟持する位置とが、フランジの中心から放射方向にずれた位置にある。このため、締結ボルトを締付けたときには、フランジ挟持部分に回転モーメントが加わり、締付け力を効率的に伝達できなくなって締結力が弱くなることに加えて、締結力が過剰であると、挟持部分が締付け方向とは逆方向に広がり保持力が低下したり、治具本体やC形クランプがフランジの外径方向に位置ずれして緩みや脱落が発生する懸念がある。
一方、特許文献3の構造結合体は、地震などの振動による外力に対してフランジ結合を補強するためのものであり、ボルト、ナットで2個のフランジを締結結合し、これらボルトとナットとを締結補強具で軸方向に押圧する構造になっている。このように、この構造結合体は、特許文献1や特許文献2及びC形クランプとは異なり、ボルトナットの劣化で低下したフランジ接合強度を補強するものではない。
さらに、特許文献1や特許文献2では、フランジ挟持位置よりも外径側に締結ボルトが位置しており、C形クランプでは、外径側に上下側の挟持片を接続する接続部が配置されているため、外径方向に大型化することになる。これに加えて、従来の補強金具やC形クランプは、フランジへの取付け時にクランプ部位の締込み代を考慮する必要もあるために作業領域が余分に必要になり、暗闇かつ狭所である地下に埋設されていることが多い消火栓への取付け作業性が悪い。
また、消火栓は、非常時に口金の着脱が必要になることがあるため、補強金具の取付け後の大型化を防いで、口金の着脱性にも悪影響を及ぼさないようにすることが要求される。
本発明は、上記の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、フランジの挟持部分が小さい場合でも簡単に取付けでき、フランジ接合部分に締付け力を効率的に伝達しながら優れた作業性により小型化しながらフランジに取付けて補強でき、変形を防止しつつ取付け後の緩みや脱落を防止して強い保持力を維持できるフランジ補強構造と消火栓等の補強具を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、枠形状の補強具本体に被接合用のフランジ突出領域が横方向より内挿される空間部が設けられ、この空間部内には、フランジ突出領域接合用ボルトの周囲を押える押え部材が昇降動可能に設けられ、この押え部材を略同軸上で押圧する締付ボルトが補強具本体に設けられていると共に、締付ボルトの締付けにより押え部材とこの押え部材と対向する補強具本体の対向面との間でフランジ突出領域が締付け固定されるフランジ補強構造である。
請求項2に係る発明は、締付ボルトの締付位置と、押え部材に対向配置された押圧面の押圧位置とが、略同軸線上に配置されたフランジ補強構造である。
請求項3に係る発明は、フランジ突出領域を接合する際に、押え部材と、押え部材と対向する補強具本体の対向面とに、フランジ突出領域接合用ボルトが位置する凹部がそれぞれ形成されたフランジ補強構造である。
請求項4に係る発明は、押え部材の押圧面又は補強具本体の対向面と、フランジ突出領域との当接面積は、フランジ突出領域接合用ボルトの負荷面積である座面面積以上に設定されたフランジ補強構造である。
請求項5に係る発明は、消火栓、空気弁、補修弁或は水道機器のフランジ接合用ボルトのピッチサークルより突出するフランジ突出領域を補強する補強具であって、枠形状の補強具本体の空間部に昇降動可能に装着された押え部材と、この押え部材の略中央位置を押圧するために補強具本体に螺合された締付ボルトと、押え部材と対向する位置に設けられた補強具本体の対向面とを有し、締付ボルトの締付位置と押え部材の押え面とが略同軸上に配置されている消火栓等の補強具である。
請求項6に係る発明は、押え部材を弾性保持リングにより補強具本体の空間部の上方に保持したフランジ補強構造と消火栓等の補強具である。
請求項7に係る発明は、弾性保持リングはOリングであり、このOリングが押え部材と補強具本体に巻き付けられ、かつ締付ボルトに係止され、通常は押え部材が空間部の上方位置に保持されているフランジ補強構造と消火栓等の補強具である。
請求項8に係る発明は、補強具の構成部品には、異種金属接触による腐食を防ぐための塗装が施された消火栓等の補強具である。
請求項1に係る発明によると、空間部内に昇降動自在に設けた押え部材と補強具本体の対向面との間に、フランジ突出領域を締付ボルトで締付け固定することにより、小型や特殊な形状のフランジ接合部分も補強でき、特に、フランジの挟持部分が小さい旧型の消火栓に対して、既設のフランジの側方よりスライドさせるようにしながら補強具本体を仮着し、締付ボルトを締付けることで優れた作業性により小型化しながら簡単に取付けできる。締付ボルトを押え部材と略同軸上に設けていることで、締付ボルトの締付けにより補強具本体に加わる回転モーメントが小さく、フランジ接合部分の同軸上で締付け力を効率的に伝達しながらフランジを補強することで、変形を防止しつつ取付け後の緩みや脱落を防止して強い保持力を維持できる。
請求項2に係る発明によると、締付ボルトの位置と、押え部材の押圧面の位置とが、略同軸線上に配置されていることにより、消火栓などのフランジ突出領域に傾いた締付け力が加わることがなく、被締付け部位が割れたり故障することを防ぎつつ、フランジを強固に締付け補強して漏れを防止できる。補強具本体の変形が防止されるため、フランジの挟持力を長期に渡って維持できる。
請求項3に係る発明によると、既存のフランジ接合用の接合用ボルトを取り外すことなく、この接合用ボルトを補強具本体の凹部に収容しながら、締付ボルトの締付位置と押圧面の押圧位置とでフランジ突出領域を挟持してフランジの接合強度を向上できる。凹部を介して接合用ボルトのピッチサークル方向に沿うように両側から挟持していることで、外径方向に大きくなることがなく、地下の狭い場所に埋設された消火栓等にも使用できる。しかも、補強具本体の取付け姿勢が安定することから、仮に、締付ボルトが緩んだ場合にも、フランジからの脱落を防止可能となる。
請求項4に係る発明によると、押圧面又は対向面と、フランジ突出領域との当接面積を、フランジ突出領域接合用ボルトの負荷面積である座面面積以上に設定していることで、より広い当接面積によって締結ボルトの締付け力を広範囲に伝達しながら挟持できる。フランジ突出領域接合用ボルトに補強具本体からの力が作用することを防ぎ、補強具本体の緩みや脱落を防止して補強状態を維持する。
請求項5に係る発明によると、消火栓、空気弁、補修弁或は水道機器のフランジ接合部分を補強できる。小型や特殊な形状のフランジにも適用可能であり、特に、フランジの挟持部分が小さい旧型の消火栓に対して、既設のフランジの側方よりスライドさせるようにしながら仮着し、締付ボルトを締付けることで優れた作業性により小型化しながら簡単に取付けできる。締付ボルトを押え部材と略同軸上に設けていることで、締付ボルトの締付け時に補強具本体に加わる回転モーメントが小さく、フランジ接合部分の同軸上で締付け力を効率的に伝達しながらフランジを補強し、変形を防止しつつ取付け後の緩みや脱落を防止して強い保持力を維持できる。
請求項6に係る発明によると、消火栓等に補強具を取付ける際は、押え部材を手で保持することなく取付作業が確実にできると共に、弾性保持リングにより保持されているので、搬送時や保管時にガタ付くことなく確実に保持された状態を維持することができる。
請求項7に係る発明によると、Oリングは市販品を使用できるので、加工レスでそのまま取り付けることができ、線径の太いOリングを用いることで、締付ボルトのねじ山上にOリングが配置されるので、食いつくことがなく締付ボルトを締め付けることができる。しかも、Oリングを付けたまま補強具の取付作業ができ、Oリングは千切れない限りゴミとはならない。
請求項8に係る発明によると、消火栓等と補強具とを絶縁することにより、異種金属接触による腐食を防ぐことが可能になる。
消火栓等の補強具の第1実施形態を示す斜視図である。 (a)は図1の補強具本体の半截正面図である。(b)は(a)の中央縦断面図である。(c)は(a)の平面図である。 消火栓の側面図である。 消火栓の正面図である。 消火栓の平面図である。 フランジの他例を示す概略平面図である。 フランジの更に他例を示す概略平面図である。 補強具の第2実施形態を示す概略図である。 図8における押え部材を示す概略図である。 図9の押え部材を装着する状態を示す模式図である。 補強具の第3実施形態を示す概略図である。 補強具の第4実施形態を示す概略図である。 (a)は図12の補強具本体の半截断面図である。(b)は(a)の中央縦断面図である。
以下に、本発明におけるフランジ補強構造と消火栓等の補強具の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1、図2においては、フランジ補強構造に使用される補強具の第1実施形態を示しており、図3においては、補強具を用いたフランジ接合構造を示している。
本発明のフランジ補強構造により補強される被接合用のフランジを有するものとして、例えば、図3〜図5に示す消火栓1や、図示しない空気弁、補修弁或はその他の水道機器があり、これらに設けられたフランジ2は、同一ピッチサークルPCにおいて、フランジ突出領域接合用ボルト(以下、接合用ボルト3という)によって締結されている。
図1に示した補強具(以下、補強具本体10という)は、接合用ボルト3のピッチサークルPCよりも外径側に突出する、消火栓1における被接合用のフランジの一部が突出した領域であるフランジ突出領域Rを補強し、例えば、被接合部分付近のみが、ピッチサークルPCよりも外径側に突出した旧型の消火栓1のフランジ突出領域Rを補強する場合に適している。補強具本体10は、枠体11と、押え部材12と、締付ボルト13と、対向面14とを有している。
枠体11は、天板20、底板21、六角穴付きボルト部材22、このボルト部材22と螺合するナット部材23を備えている。
天板20は、所定の厚みにより、内側に押え部材12を装着可能な大きさの長円板状に形成され、その中央には雌螺子20aが設けられる。底板21は、天板20と略同じ大きさの長円形状で天板20よりも肉厚状に形成され、押え部材12と対向する対向面14には、接合用ボルト3が位置するための凹部24が中央に形成される。
天板20の両側付近には、雌螺子25がそれぞれ形成され、一方、底板21の両側付近には、雌螺子25と同じ間隔で連通部26がそれぞれ形成され、これら雌螺子25、連通部26に対してボルト部材22が挿入可能に設けられる。図2において、連通部26は、段部状に形成され、ボルト部材22の頭部22aがこの連通部26内に係止状態で装着可能になっている。
天板20と底板21とは、雌螺子25、連通部26にボルト部材22が挿通されてナット部材23により一体に組み付けられ、これら天板20、底板21、ボルト部材22、ナット部材23によって矩形状の枠体11が構成され、この枠体11により補強具本体10が薄板の枠形状に設けられる。枠体11の内側には空間部Gが設けられ、この空間部Gには、被接合用の消火栓1のフランジ突出領域Rが、横方向、すなわち締付け方向の交差方向より内挿可能に設けられる。
枠体11は、ボルト部材22を天板20の雌螺子25に螺合して、そのねじの締付け量を調整して間隔を設定する。そして、ナット部材23を締めることで固定する。
押え部材12は、空間部Gに装着可能な大きさで、略コ字形状のブロック状に形成され、その両側には、ボルト部材22を遊嵌可能な断面略半円状の凹状溝部30が形成される。押え部材12は、両側の凹状溝部30に沿ってボルト部材22がそれぞれ遊嵌されることにより空間部Gに対して昇降動可能に装着され、押え部材12の下降時には、後述の押圧面31で接合用ボルト3の周囲を押えることが可能になっている。
押え部材12において、補強具本体10の凹部24と対向する位置である中央には、凹部24と略同形状の凹部34が形成され、消火栓1のフランジ突出領域Rを接合する際には、凹部24と同様に凹部34内にも接合用ボルト3が位置するようになっている。押圧面31は、凹部34の両側に、補強具本体10の対向面14と対向して設けられ、これら押圧面31と対向面14との間にフランジ突出領域Rが挟持可能に設けられる。
その際、図5にハッチングで示した、押圧面31又は対向面14と、フランジ突出領域Rとの当接面積Sは、接合用ボルト3の負荷面積である、ボルト頭部3a底面側の座面面積以上に設定されている。
締付ボルト13は、天板20の雌螺子20aに螺合され、その螺入時に押え部材12の略中央位置を押圧可能に設けられている。締付ボルト13による締付位置と、押え部材12に対向配置された押圧面31の押圧位置とは、略同軸線上に配置され、そして、締付ボルト13を締付けたときには、この締付ボルト13の略同軸上の押え部材12と、この押え部材12と対向する補強具本体10の対向面14との間に、フランジ突出領域Rが略同軸上で締付け固定される。
本実施形態において、前記の「締付ボルト13の締付位置と、押圧面31とが略同軸上に配置される」の「略同軸上」を説明する。図4において、締付ボルト13を締付けたときの押圧力FAは、締付ボルト13の中心軸である軸線Pを介して押え部材12に伝達され、この力FAは、押え部材12の両側の押圧面31に、分力FB、FBとしてそれぞれ半分の力で加えられる。すなわち、分力FB、FBの合力は、力FAの軸線Pと同じであり、このことから、本実施形態における「略同軸上」とは、締付ボルト13の締付位置から加わる力FAが働く向きの軸線と、押圧面の分力FB、FBの合力が働く向きの軸線とが軸線Pにより略同軸上になるという意味であり、これによって、軸線Pを中心に締付ボルト13から押圧面31に力が伝達される。図3及び図4の補強具本体10は、図1を簡略した構造により表している。
なお、「略同軸上」とは、力FAの軸線と分力FB、FBの合力が働く向きの軸線とが同一線上に位置する構造に限定されるものではなく、締付ボルト13のボルト径の範囲内に位置していればよい。
補強具本体10で締付け固定される被接合用の消火栓1は、日本水道協会 JWWA B 103−1969で規定され、図5に示すように、フランジ2の一部がピッチサークルPCから外径側に5箇所で突出し、この5箇所の各フランジ突出領域R付近が、補強具本体10により補強されることとなる。
図3、図4において、消火栓1は、上部側のパッキン箱(弁箱ふた)40と、弁棒41を介して図示しない弁体が内蔵される下部側の弁箱42とを有し、弁箱42にパッキン箱40が重ねられた状態で双方のフランジ2、2同士が補強具本体10で接合されて一体化される。パッキン箱40の上部には、図示しない外部ホースが連結される口金43が設けられ、この口金43は、通常時にはキャップ44により被蓋されている。口金43には、押し輪45が設けられ、この押し輪45を操作することで口金43(消火栓1)に図示しない外部ホースを着脱可能となる。
押え部材12と対向面14との間にフランジ突出領域Rが締付け固定されるときには、図5の当接面積Sでフランジ2が押え部材12により押圧され、このとき、対向面14側でも同様に、当接面積Sによりフランジ2が押圧される。このように、フランジ2は、押え部材12、対向面14とは、当接面積Sの領域が接合領域となる。
なお、補強具本体10の枠体11は、天板20や底板21、2本のボルト部材22、22、2個のナット部材23、23を用いて一体に組立てられた構成に限られることはなく、例えば、枠状に一体形成されるなどの各種の構造に設けることができる。
また、押え部材12は、接合用ボルト3の周囲を押圧可能なキャップ状の形状であってもよい。
補強具本体10を構成する各部品には、異種金属接触による腐食を防ぐための塗装が施されていてもよい。塗装は、例えば、エポキシ樹脂粉体塗装により、少なくとも消火栓1との接触面において塗装面48により施される。このように、消火栓1と補強具本体10とを塗装面48を介して絶縁することにより、仮に、消火栓1が老朽化して鋳肌が露出し、その表面が酸化鉄に覆われている場合であっても、異種金属接触による腐食を防止可能となる。塗装は、補強具本体10の任意の位置に設けることができ、各部品の全面に塗装面を設けたり、或は、各部品の少なくとも接触面に施す部分塗装により、塗装面を設けることができる。
なお、後述の各実施形態においても、この実施形態と同様にして、補強具の構成部品である押え部材12に塗装を施す場合、ボルト部材22との対向部分、具体的には凹状溝部30には塗装を施さないことにより、当該部位に塗膜の厚さを考慮する必要がないので、異種金属接触による腐食を防止しつつ、押え部材12すなわち押圧面31を大きく形成することができる。
次いで、上述した補強具本体10の被接合用消火栓1のフランジ2への取付方法、並びにフランジ補強構造と消火栓等の補強具の作用を説明する。
図3において、補強具本体10をフランジ2に装着する場合、先ず、この補強具本体10を、消火栓1の横方向(当接状態のフランジ2、2の側方)から、フランジ突出領域Rを空間部Gに内挿するように仮着する。このとき、押え部材12が上部側のフランジ2のフランジ突出領域Rに載置され、一方、補強具本体10の対向面14は、図3の左右に示す補強具本体10に示すように、下部側のフランジ2の底面に対して非当接状態となっている。図5において、5つの補強具本体10の仮着後には、それぞれの補強具本体10を消火栓1の所定位置に位置決めでき、締付ボルト13を接合用ボルト3の略同軸上に配置可能になる。
この状態から、図5の左側(ピッチサークルPCの大径側)の3つの補強具本体10において、補強具本体10の側面が消火栓1の弁箱10に接触するように片方の手を添えつつ、締付ボルト13を反対の手で軽く締めてそれぞれ仮固定する。続いて、右側(ピッチサークルPCの小径側)の2つの補強具本体10において、締付ボルト13の頭部がパッキン箱40側の口金取付部46に接触するように片手を添えつつ、反対の手で締付ボルト13を軽く締めてそれぞれ仮固定する。これら締付ボルト13の締付けより、図3の左右に示す補強具本体10に示すように、補強具本体10がフランジ2に対して相対的に引き上げられ、対向面14が底面側のフランジ2の底面に当接した状態となる。
最後に、図示しないT形ヘキサゴンレンチ等の工具を用いて、締付ボルト13を規定のトルクで締め込むようにする。これにより、押え部材12と補強具本体10の対向面14との間で、フランジ突出領域Rを接合用ボルト3の周囲において締付け固定し、当接面接Sの接合領域においてフランジ2、2同士を挟持して固定する。
この場合、一つの補強具本体10において、一箇所の締付ボルト13を締付けて接合用ボルト3の両側の当接面積Sの接合領域で接合できるため、ボルトの対角締めをおこなう必要がなく、補修作業が簡便になる。ここで、一つの補強具本体10において、二箇所以上の締付ボルト13を締付ける必要がある場合、ボルトの対角締めをおこなう必要がある。これに対し、本発明にかかる補強具本体10においては、一箇所の締付ボルト13を用いることで片締めのおそれもなく、補強具本体10の故障、補強しようとする消火栓1の破損、締付け不良による補強効果不足が誘発されることもない。締付ボルト13の締付後には、その軸線Pが、接合用ボルト3の中心軸Uよりも、消火栓1の中心側に位置する構造であってもよい。
本発明の前記実施形態におけるフランジ補強構造は、前述のように補強部本体10の枠体11にフランジ突出領域Rを内挿する空間部Gを設けていることで、被接合部分の一部が外径側に突出し、つかみ代が少なくなる旧型の消火栓1のような特殊形状のフランジ2の場合でも、その一部を空間部Gの押圧面31と対向面14との間に確実に配置して締付け固定可能になる。
押え部材12と対向面14側の中央に凹部24、34をそれぞれ設け、これら凹部24、34内に接合用ボルト3を配置することから、いわゆる、門形状の補強具本体10内に接合用ボルト3を収容した状態で、この接合用ボルト3の両側をピッチサークルPCに沿うように締付ボルト13で締付け可能になる。このため、補強具本体10の取付け姿勢が安定し、仮に、締付ボルト13が緩んだとしても脱落することがない。
図4において、押え部材12を締付ボルト13の略同軸上で押圧し、この締付ボルト13の締付位置と、押え部材12に対向配置された押圧面31の押圧位置とが略同軸線上に配置されることから、締付ボルト13と略同軸上で当接面積Sの接合領域を押圧面31と対向面14とで挟持でき、回転モーメントの力点となる締付ボルト13、支点となる締付ボルト13と押え部材12との当接部J、作用点となる押圧面31が、いずれも接合用ボルト3の近傍に集約されているので、締付ボルト13の締付け時に補強具本体10の締付け方向に対して回転モーメントが働くことを抑えることができる。このことから、締付ボルト13による締付け力のロスを最小限に抑えてこの力を効率的に伝達し、強固にフランジ2を挟持する。
一方、締付け力が過剰な場合であっても、枠体11は略ロ形状で連続しており、C形クランプのように非連続部分が広がってしまうことがなく、挟持部分である押え部材12や対向面14を変形させる方向に力が加わることもない。このため、保持力の低下を防ぎ、変形による補強具本体10の位置ずれを回避して緩みや脱落を防止する。
消火栓1の横方向(フランジ2の側方)から枠体11内にフランジ2をスライドさせながら装着できることから、補強具本体1の高さ方向の大型化を防いで作業領域を小さく抑えることが可能になり、暗所や狭所であっても作業性に優れている。さらに、接合用ボルト3が腐食して外周方向に膨張した形状になっている場合でも、消火栓1に容易に取付け可能となる。しかも、補強具本体10は、取付け方向に対して線対称の形状であるため、その空間部Gに対してフランジ突出領域Rを何れの側からも挿入でき、向きを合わせる必要がない。
図5において、補強具本体10の取付け後には、締付ボルト13や補強具本体10がフランジ2から外方に突出することがなく、補強具本体10を消火栓1のピッチサークルPCに沿わせて取付けできるため、外径方向への大型化を防いで省スペース化を図れる。さらに、補強具本体10が薄板状であることから、この補強具本体10をフランジ突出領域Rの付け根付近に当接させた状態で位置決め固定でき、フランジ突出領域Rの先端側からの補強具本体10の外径側への突出を確実に防止している。
このため、地下等の狭い場所に設置されている消火栓1に対しても簡単に補強具本体10を取付可能となり、非常時等において、外部ホースを容易に口金43に着脱する作業領域も確保できる。この場合、締付後の締付ボルト13の頭部上面が、口金43の押し輪45よりも下方に位置するため、外部ホースの着脱時において、取付け後の補強具本体10が邪魔になることがない。
取り外しが困難な接合用ボルト3を残置した状態で消火栓1を補強できるため、作業を簡略化し、コストも抑えることもでき、接合用ボルト3の破断する事故も回避できる。
また、接合用ボルト3(、ナット)を交換する必要が生じた場合には、先ず、安定してフランジ2を挟持できる複数箇所(例えば、3箇所)に補強具本体10を装着する。例えば、10Bと10Cと10Eの補強具本体10を取付けた後、これらの補強具本体10の中間に位置する接合用ボルト3Aを取外して新品の接合用ボルト3に交換する。
続いて、接合用ボルト3Dを取外して新品の接合用ボルト3に交換する。
次に、10Eの補強具本体10を取外して新品の接合用ボルト3に交換する。以降、同様の手順で計5本の接合用ボルト3を交換する。
このような接合用ボルト3の交換方法によれば、少なくとも3つの補強具を用いて5本の接合用ボルト3を安全かつ簡易に交換することができる。
図6においては、被接合部分であるフランジの他例を示している。
このフランジ51は、角フランジからなり、この角フランジ51の隅部の4箇所の接合用ボルト3の締付け位置が、前述の実施形態と同様に同一ピッチサークルPC1上にあり、このピッチサークルPC1よりも外径側にフランジ51の一部が突出している。このような角フランジ51においても、前述の場合と同様に、前記補強具本体10を用いてフランジ突出領域Rを締付け固定して補強できる。
図7においては、フランジの更に他例を示している。
このフランジ61は、接合用ボルト3の締付け位置が同一ピッチサークルPC2上にあり、このピッチサークルPC2よりも外径側に締付け部分のフランジ61の一部が6箇所で突出している。この場合にも、補強具本体10により、それぞれの突出部位におけるフランジ突出領域Rを締付け固定して補強可能となる。
これらのように、締付け部分であるフランジの一部がピッチサークルよりも外径側に突出した態様のフランジ形状であれば、そのフランジ突出領域Rを補強具本体10で締付け固定できるため、既製品のフランジ形状以外の各種形状のフランジを有する消火栓、或は空気弁、補修弁、水道機器にも適用できる。
図8は、補強具本体の第2実施形態を示している。図8(a)は、第2実施形態の補強具本体の半截正面図、図8(b)は、図8(a)の中央縦断面図、図8(c)は、図8(a)の平面図を示している。なお、この実施形態以降において、前述した実施形態と同一部分は同一符号によって表し、その説明を省略する。
この補強具本体70においては、枠体71が、例えば、ロストワックス鋳造等の鋳造手段によりステンレスを材料として枠形状に一体形成されている。この場合、部品点数が少なくなり、安価に量産可能であり、部品の紛失や事故の発生も抑えることが可能になる。
枠体71は、その両側に支柱72を有し、この支柱72の長さ方向の上下位置には、後述の押え部材73の凹状溝部74が遊嵌可能な断面略半円状の大径支柱部72aが設けられている。これら大径支柱部72aの間には、この大径支柱部72aよりも小径の断面略半円状の小径支柱部72bが形成され、図8(a)の正面視において、支柱72は、小径支柱部72bにより、大径支柱部72aの内側が切欠かれた形状になっている。
図9(a)は、補強具本体70における押え部材73を示した正面図、図9(b)は、押え部材73の平面図、図9(c)は、押え部材73の底面図を示している。また、図10は、枠体に押え部材73を装着するときの模式図を示している。図10(a)は、押え部材の装着後の状態、図10(b)は、押え部材の装着過程の状態、図10(c)は、押え部材を装着方向とは逆方向に回転させた状態をそれぞれ示している。
図9(b)の平面視において、押え部材73には、断面略半円状の凹状溝部74が両側に形成され、各凹状溝部74を挟んでいる突出部75のうち、押え部材73の中心軸Tを中心とした点対称位置の2つの突出部75が端面方向に斜めに切り欠かれて切欠部76が設けられている。この切欠部76を設けた側においては、凹状溝部74が他方側よりも開口した形状となる。切欠部76は、凹状溝部74に小径支柱部72bが外側から装着可能であり、大径支柱部72aが外側から装着できないテーパ角度及び切欠き量により設けられる。
押え部材73の押圧面77は、ごく小さい波形からなる断面略波形状に形成され、この押圧面77を介して、補強具本体70のフランジ突出領域Rとの摩擦力が大きくなるようになっている。これにより、消火栓に補強具本体70を仮着して締付ボルト13を締め込む際に、フランジに対する補強具本体70の回転を防ぎ、成形用の抜き勾配が形成されているフランジの場合にも位置保持した状態で固定できる。このため、モンキーレンチ等の固定用の工具により補強具本体の回転を防ぎつつ、締付ボルト13を締付ける必要がなく、締付け用の工具のみを用いて補強具本体70を消火栓に取付けできる。
押圧面77は、消火栓を損傷しない軽微な断面形状であれば、略波形状以外であってもよく、例えば、格子や網目形状に設けたり、或は鋳肌面をそのまま押圧面77とすることも可能である。
枠体71の上面、底面側、及び押え部材73の幅Lは、図4の消火栓1のフランジ突出領域Rにおける、弁箱42側面と接合用ボルト3の中心軸Uとの距離Mに対して、幅L≦距離M×2の関係になるように設定される。これにより、この実施形態では、締付ボルト13による締付時の中心軸Tが、接合用ボルト3の中心軸Uよりも消火栓1の中心側に位置することとなる。この場合、補強具本体70が消火栓1の中心に近づいてこの補強具本体70とフランジ突出領域Rとの当接面積Sを増やすことができる。
押え部材73を枠体71に取り付ける場合には、図10(b)において、2つの切欠部76、76側を各支柱72の小径支柱部72bにあてがいながら、一方の凹状溝部74に小径支柱部72bを嵌め込み、次いで、他方の凹状溝部74に他方の小径支柱部72bを挿入するように右回転させれば、図10(a)に示すように小径支柱部72bの位置で、押え部材73を支柱72に装着して枠体71と一体形の補強具本体70を構成できる。
切欠部76は、突出部75、75のうちの片側のみに設けられていることで、図10(c)に示すように、図10(b)の状態からさらに押え部材を装着方向に右回転した場合には、切欠部76を設けていない側の突出部75が支柱72に係止することで、押え部材73の脱落を防止可能となる。
このように、押え部材73は、支柱72の略中間付近の小径支柱部72bの位置のみで着脱可能になっている。そのため、支柱72に対して押え部材73を持ち上げた場合や、押え部材73が支柱72の最下部にある場合には、押え部材73が枠体71から脱落することがなく、小径支柱部72bまで移動させた場合にのみ取り外すことができる。押え部材73の着脱位置が支柱72の中央付近に限定され、その着脱方向が中心軸Tを中心とした回転の向きに限定され、しかも、その回転方向が限定されている。これによって、保管時や、消火栓1への補強具本体70の着脱時に、押え部材73が自然に脱落することがない。
枠体71と押え部材73とを、予め一体形に組み付けて補強具本体70を構成した状態にできるため、補強具本体70の使用時に、部品を個別に準備したり、分解・組立てする必要がなく、容易に取付けできる。
図11においては、補強具本体の第3実施形態を示している。図11(a)は、第3実施形態の補強具本体の半截断面図、図11(b)は、図11(a)の平面図を示している。図中、締付ボルトを省略しているが、この補強具本体にも図8と同様に締付ボルトが取付けられる。
図11(a)において、補強具本体80には、押え部材73の支柱72への取付け後に、小径支柱部72bの外周に樹脂製チューブ81が取付けられる。チューブ81は、その長さ方向に沿って切込み82が設けられ、この切込み82により小径支柱部72bの外径の大きさに合わせて変形して装着可能に設けられている。
チューブ81は、空間部G側に肉厚部分が対向するように、切込み82が外側に位置し、広げられた状態で小径支柱部72bに取付けられ、その取付け後には、空間部G側にやや膨出し、押え部材73の凹状溝部74が接触可能になっている。チューブ81は、元の大きさに縮径しようとする力により小径支柱部72bに仮止めされることで自然に脱落することがなく、かつ、取り外し方向に適度な力を加えたときには、簡単に取り外すことも可能となる。
チューブ81を支柱72に取付けた場合、図11(b)に示すように、チューブ81で小径支柱部72bが覆われ、このチューブ81に凹状溝部74が当接可能になっていることで押え部材73の脱落を防止できる。
補強具本体80を消火栓に取付ける際には、空間部G側に膨出したチューブ81の上部付近が押え部材73により押し潰され、このチューブ81が摺動抵抗となることで押え部材73を仮止めできる。そのため、押え部材73を持ち上げることなくフランジに補強具本体80を仮着できる。締付ボルトを締付けたときには、チューブ81を潰しながら押え部材73を図11(a)の矢印方向に下降させてフランジを固定できるため、取付け作業が簡単になる。
この実施形態では、両側の支柱72、72にチューブ81が取付けられているが、上記の機能を発揮可能であれば、何れか一方側の支柱72にのみチューブ81を設けるようにすることもできる。
チューブ81は樹脂材料に限らず、例えば、ゴム材料により設けられていてもよく、これら以外の各種材料により形成することもできる。
また、所定の内径のチューブを設け、このチューブを縦に二分割したものを各小径支柱部72bに貼り付けるようにしてもよい。この場合、一つのチューブで両側の押え部材73を上記と同様に仮止めでき、締付ボルトの締付けによりチューブをむしり取りながら押え部材73を下降させてフランジを固定できる。
押え部材73を上昇させた状態で、この押え部材73の下部に形成された凹状の切欠き部分と、この切欠き部分に対向する枠体の凹状の切欠き部分との間に、ポリアセタール等の樹脂材料で形成した棒材を介在させることもできる。この場合、締付ボルトを軽く締めることで棒材をつっかえ棒として押え部材73を上部側で固定でき、かつ、補強具本体の使用時には、締付ボルトの締め込みにより棒材を簡単に外すことができる。さらに、棒材の上下端面を軽く貼り付け、棒材の自然の脱落を防止するようにしてもよい。
棒材の代わりに、径の大きいパイプ部材をつっかえ棒として使用したり、或は、チューブの代わりに、押え部材と大径支柱部との間に挟着可能なゴム球を使用することもでき、何れの場合にも、上記と同様の機能を発揮して押え部材を枠体に仮固定できる。さらには、チューブやゴム球と、棒材やパイプ部材とを組み合わせて使用してもよい。
図12においては、補強具本体の第4実施形態を示している。図12(a)は、第4実施形態の正面図、図12(b)は、図12(a)の平面図、図12(c)はOリングを示している。さらに、図13(a)は、図12における補強具本体の半截断面図、図13(b)は、(a)の中央縦断面図である。
この実施形態では、図8の補強具本体70の空間部Gの上方に位置している押え部材73と補強具本体70を成す枠体71とが、弾性保持リング90で保持されたものである。
この場合、弾性保持リング90は、例えばEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)などのゴム材料により成形されたOリングであり、このOリング90が、押え部材73と補強具本体70(枠体71)に巻き付けられ、かつ締付ボルト13のボルト頭部13aとおねじ部13bとの間の段部に引っ掛けられる。これにより、通常は弾性保持リング90の弾性力を介して押え部材73が空間部Gの上方位置に保持されるようになっている。前記「通常」とは、消火栓への取付け前をあらわしている。
この場合、押え部材73を手で空間部Gの上方位置に保持することなく、枠体71を図3の消火栓1への取付け方向に押えながら取付作業をおこなえる。そのため、消火栓1に対して補強具本体70を正確に取付けできる。
弾性保持リング90は、少なくとも、締付ボルト13を操作して押え部材73を図3の消火栓1のフランジ2に押さえつけても、破断しない程度の弾性力を有している。このような弾性力を有していれば、弾性保持リング90がOリング以外の弾性体、例えば断面四角状のリング体でも良く、締付ボルト13への係止部を有する成形品であっても良い。
Oリング90の線径は、少なくとも締付ボルト13のピッチ(ねじ山と山との間隔)よりも大径に設定している。これにより、おねじ部13bのねじ山上にOリング90を配置し、Oリング90のねじ山への食いつきを防いでいる。そのため、軽い力で締付ボルト13を締付けできる。
しかも、市販のOリングを弾性保持リング90として使用できるため、補強具本体70にあらたに加工を施すことなく、そのままOリング90を取り付けできる。Oリング90は、弾性力を有していることでサイズの異なる補強具本体70にも適用できる。
Oリング90を取付けた状態で補強具本体70の取付けが実施可能である。
Oリング90の取付けにより、搬送時や保管時における枠体71、押え部材73、締付ボルト13の間のガタを抑える。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は、前記実施の形態記載に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更ができるものである。
1 消火栓
2 フランジ
3 フランジ突出領域接合用ボルト
10 補強具本体
12 押え部材
13 締付ボルト
14 対向面
24、34 凹部
48 塗装面
90 Oリング(弾性保持リング)
S 当接面積
G 空間部
PC ピッチサークル
R フランジ突出領域

Claims (8)

  1. 枠形状の補強具本体に被接合用のフランジ突出領域が横方向より内挿される空間部が設けられ、この空間部内には、フランジ突出領域接合用ボルトの周囲を押える押え部材が昇降動可能に設けられ、この押え部材を略同軸上で押圧する締付ボルトが前記補強具本体に設けられていると共に、前記締付ボルトの締付けにより前記押え部材とこの押え部材と対向する前記補強具本体の対向面との間でフランジ突出領域が締付け固定されることを特徴とするフランジ補強構造。
  2. 前記締付ボルトの締付位置と、前記押え部材に対向配置された押圧面の押圧位置とが、略同軸線上に配置された請求項1に記載のフランジ補強構造。
  3. 前記フランジ突出領域を接合する際に、前記押え部材と、前記押え部材と対向する前記補強具本体の対向面とに、前記フランジ突出領域接合用ボルトが位置する凹部がそれぞれ形成された請求項1又は2に記載のフランジ補強構造。
  4. 前記押え部材の押圧面又は前記補強具本体の対向面と、前記フランジ突出領域との当接面積は、前記フランジ突出領域接合用ボルトの負荷面積である座面面積以上に設定された請求項2又は3に記載のフランジ補強構造。
  5. 消火栓、空気弁、補修弁或は水道機器のフランジ接合用ボルトのピッチサークルより突出するフランジ突出領域を補強する補強具であって、枠形状の補強具本体の空間部に昇降動可能に装着された押え部材と、この押え部材の略中央位置を押圧するために前記補強具本体に螺合された締付ボルトと、前記押え部材と対向する位置に設けられた前記補強具本体の対向面とを有し、前記締付ボルトの締付位置と前記押え部材の押圧面とが略同軸上に配置されていることを特徴とする消火栓等の補強具。
  6. 前記押え部材を弾性保持リングにより前記補強具本体の空間部の上方に保持した請求項1乃至5の何れか1項に記載のフランジ補強構造と消火栓等の補強具。
  7. 前記弾性保持リングはOリングであり、このOリングが押え部材と補強具本体に巻き付けられ、かつ前記締付ボルトに係止され、通常は押え部材が空間部の上方位置に保持されている請求項6に記載のフランジ補強構造と消火栓等の補強具。
  8. 補強具の構成部品には、異種金属接触による腐食を防ぐための塗装が施された請求項5に記載の消火栓等の補強具。
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