JP6944951B2 - 放射線検出装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、試料の観察と、試料への放射線照射と、試料から発生する放射線の検出とを行う放射線検出装置、及びコンピュータプログラムに関する。
X線分析は、電子線又はX線等の放射線を試料へ照射し、試料から発生する特性X線を検出し、特性X線のスペクトルから試料に含有される成分を分析する手法である。X線分析の一例として、試料へ照射する放射線をX線とした蛍光X線分析がある。X線分析に用いられるX線検出装置は、試料へ放射線を照射する線源と、試料から発生する特性X線を検出する検出部とを備えている。また、X線検出装置は、試料を観察するための光学顕微鏡を備えている。特許文献1には、光学顕微鏡を備えたX線検出装置が開示されている。
特開2010−48727号公報
試料へ放射線を照射するX線検出装置は、試料の表面に放射線を収束させるようになっている。試料の表面に放射線が照射される被照射部分の大きさは、一般的に、放射線が収束する焦点位置で最小となり、焦点位置からの距離に応じて拡大していく。通常、X線検出装置は、放射線が収束する焦点位置に試料が配置されるように設定されている。しかしながら、実際に被照射部分がどのような大きさであるか、また放射線が収束する焦点位置と試料の表面との間の距離がどの程度であるかは不明確である。特に、凹凸を有する試料では、放射線を照射される位置によって被照射部分の大きさが異なり、被照射部分の大きさの把握が困難である。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、実際の被照射部分の大きさを確認することができる放射線検出装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。
本発明に係る放射線検出装置は、試料保持部と、該試料保持部が保持する試料へ放射線を照射する照射部と、前記試料から発生した放射線を検出する検出部とを備える放射線検出装置において、所定の基点から前記試料保持部が保持した試料の放射線を照射されるべき被照射部分までの距離を算出する距離算出部と、算出された距離に基づいて、前記試料上での前記被照射部分の大きさを特定する大きさ特定部と、特定された前記被照射部分の大きさを表示する表示部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る放射線検出装置は、前記試料を観察するための光学顕微鏡を更に備え、前記表示部は、前記光学顕微鏡による前記試料の観察像と、前記試料上での前記被照射部分の範囲を示す画像とを重ねて表示することを特徴とする。
本発明に係る放射線検出装置は、前記被照射部分に焦点を合わせるべく前記光学顕微鏡の焦点位置を調整する調整部を更に備え、前記距離算出部は、調整された焦点位置の基準からの距離に応じて、前記所定の基点から前記被照射部分までの距離を算出することを特徴とする。
本発明に係る放射線検出装置は、前記所定の基点から前記被照射部分までの距離を変更する距離変更部を更に備え、前記表示部は、前記距離算出部が算出した距離と、前記被照射部分の大きさが最小になるような、前記所定の基点から前記被照射部分までの最適距離とを表示することを特徴とする。
本発明に係る放射線検出装置は、前記距離算出部が算出した距離が予め定められた下限値以下である場合に、警告を出力する警告部を更に備えることを特徴とする。
本発明に係る放射線検出装置は、前記照射部は、試料へ照射すべき放射線を収束し、放射線を収束する径が互いに異なる複数の収束部を有し、前記大きさ特定部は、前記複数の収束部から選択された一つの収束部に応じて、前記被照射部分の大きさを特定することを特徴とする。
本発明に係る放射線検出装置は、前記被照射部分の前記試料上での位置を順次変更する被照射位置変更部と、前記試料上の各部分に放射線の検出結果及び前記被照射部分の大きさを関連付けた放射線分布を生成する生成部とを更に備えることを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムは、試料へ放射線を照射する照射部と、前記試料から発生した放射線を検出する検出部と、前記試料を観察するための光学顕微鏡と、表示部とを備える放射線検出装置を、コンピュータに制御させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、試料の放射線を照射されるべき被照射部分に焦点を合わせた前記光学顕微鏡の焦点位置の基準からの距離に応じて、前記放射線検出装置内の所定の基点から前記被照射部分までの距離を算出するステップと、算出された距離に基づいて、前記試料上での前記被照射部分の大きさを特定するステップと、特定された前記被照射部分の大きさを前記表示部に表示させるステップとを含む処理を実行させることを特徴とする。
本発明においては、放射線検出装置は、試料へ放射線を照射し、試料から発生した放射線を検出する。放射線検出装置は、所定の基点から試料の放射線を照射されるべき被照射部分までの距離を算出し、算出した距離から、試料上での被照射部分の大きさを特定し、特定した被照射部分の大きさを表示する。試料に照射される放射線の広がりは、照射方向に沿った距離に応じて異なるので、距離に応じて被照射部分の大きさを特定することができる。特定された被照射部分の大きさが表示されることにより、使用者は被照射部分の大きさを確認することができる。
また、本発明においては、放射線検出装置は、試料を観察するための光学顕微鏡を備える。放射線検出装置は、光学顕微鏡による試料の観察像と、試料上での被照射部分の範囲を示す画像とを重ねて表示する。試料の具体的にどの部分に放射線が照射されるかが表示される。
また、本発明においては、放射線検出装置は、光学顕微鏡の焦点が試料の被照射部分に合うように光学顕微鏡の焦点位置を調整し、焦点位置の基準からの距離に応じて、所定の基点から試料の被照射部分までの距離を算出する。焦点が基準に合っている場合の所定の基点から基準までの距離が既知であれば、焦点位置の基準からの距離に応じて、所定の基点から試料の被照射部分までの距離が算出できる。
また、本発明においては、放射線検出装置は、所定の基点から試料の被照射部分までの距離を変更することが可能であり、所定の基点から試料の被照射部分までの距離と、被照射部分が最小になるような最適距離とを表示する。これにより、現在の試料の位置と最適な位置との比較が可能となる。
また、本発明においては、放射線検出装置は、算出した距離が下限値以下であることを警告する。これにより、試料が放射線検出装置の他の部品に近すぎることが警告される。
また、本発明においては、放射線検出装置は、放射線を収束させて試料へ照射する。放射線検出装置は、放射線を収束する径が互いに異なる複数の収束部を備えており、収束部に応じて、被照射部分の大きさを特定する。放射線を収束する径が変更された場合は被照射部分の大きさが変化するので、照射に用いられる収束部に応じて、被照射部分の大きさが特定される。
また、本発明においては、放射線検出装置は、被照射部分の試料上での位置を順次変更し、試料上の各部分に放射線の検出結果及び被照射部分の大きさを関連付けた放射線分布を生成する。これにより、試料上の各部分での放射線分析結果が得られると共に、各部分に放射線が照射された範囲の大きさも得られる。
本発明にあっては、放射線検出装置は、試料上に放射線が照射される被照射部分の大きさを表示し、使用者は、実際の被照射部分の大きさを確認することができる。従って、使用者は、実際の被照射部分の大きさを把握して、被照射部分の大きさが適切な値になるように試料の位置を調整することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
実施形態1に係るX線検出装置の構成を示すブロック図である。 制御部の構成例を示すブロック図である。 試料の位置と試料上でのX線の照射径との関係を示す模式図である。 位置テーブルの内容例を示す概念図である。 実施形態1に係るX線検出装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。 表示部が表示する画像の例を示す模式図である。 実施形態2に係るX線検出装置の構成を示すブロック図である。 実施形態3に係るX線検出装置の構成を示すブロック図である。 実施形態3に係るX線検出装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係るX線検出装置の構成を示すブロック図である。X線検出装置は、蛍光X線分析装置であり、放射線検出装置に対応する。X線検出装置は、試料6が載置される試料台16と、X線を放射するX線源11と、X線源11が放射するX線を収束して試料6へ照射するX線光学素子12と、X線を検出する検出部13とを備えている。試料台16は試料保持部に対応する。試料保持部は、載置以外の方法で試料を保持する形態であってもよい。X線源11は、例えばX線管である。X線光学素子12は、例えば、入射されたX線を内部で反射させながら導光するX線導管を用いたモノキャピラリレンズ、又は複数のX線導管を用いたポリキャピラリレンズである。X線光学素子12は、X線源11が放射したX線を入射され、X線を収束する。X線光学素子12が収束したX線は、試料台16に載置された試料6へ照射される。X線源11及びX線光学素子12は、照射部に対応する。試料6のX線を照射された部分では、蛍光X線が発生する。検出部13は、試料6から発生した蛍光X線を検出し、検出した蛍光X線のエネルギーに比例した信号を出力する。図1では、試料6に照射されるX線及び蛍光X線を実線矢印で示す。
また、X線検出装置は、試料6を照明する図示しない光源と、ミラー14と、光学顕微鏡15とを備えている。試料6を照明した光は試料6で反射する。ミラー14は、試料6で反射した光を反射し、光学顕微鏡15へ入射させる。図1では、光を破線矢印で示す。光学顕微鏡15は撮像素子を有している。光学顕微鏡15は入射された光を検出し、試料6を撮影する。光学顕微鏡15の焦点は固定されている。即ち、光軸に沿った光学顕微鏡15から焦点までの距離は一定である。光学顕微鏡15は、移動することによって、X線検出装置内での焦点位置を変更することができる。なお、光学顕微鏡15は、光学系を含んでおり、光学系を調整することによって焦点位置を変更することができる形態であってもよい。また、X線検出装置は、レンズ等の光学系を更に備えていてもよい。
また、X線検出装置は、真空箱2及び試料箱3を備えている。真空箱2及び試料箱3は連結しており、真空箱2は試料箱3の上側に配置されている。X線光学素子12、検出部13及びミラー14は、夫々に、少なくとも一部分が真空箱2内に配置されている。X線源11及び光学顕微鏡15は、一部又は全部が真空箱2内に配置されていてもよく、真空箱2の外部に配置されていてもよい。試料台16は試料箱3内に配置されている。試料台16に載置された試料6は試料箱3内に配置される。
真空箱2と試料箱3との境界には、窓部21が設けられている。窓部21は、平板状であり、真空箱2の底面の一部と試料箱3の上面の一部とを含んでいる。X線光学素子12は、X線の出射口を窓部21に対向させて配置されている。試料台16は、試料6が載置される載置面を窓部21に対向させて配置されている。試料台16に載置された試料6は、表面が窓部21に対向するように配置される。窓部21は、X線及び光を通過させることができる。例えば、窓部21は、透明であり、X線及び蛍光X線を通過させるための貫通孔が形成されている。ミラー14及び光学顕微鏡15は、試料6で反射された光が窓部21を通ってミラー14で反射し、光学顕微鏡15へ入射するように、配置されている。X線源11、X線光学素子12及び検出部13は、X線が窓部21を通って試料6へ照射され、試料6で発生した蛍光X線が窓部21を通って検出部13へ入射するように、配置されている。また、X線源11、X線光学素子12、ミラー14及び光学顕微鏡15は、試料6へ照射されるX線の中心軸と試料6の観察のために光学顕微鏡15へ入射する光の光軸とがほぼ一致するように、配置されている。このため、光学顕微鏡15は、試料6のX線が照射される被照射部分を撮影する。
X線検出装置は、更に、真空箱2の内部を真空にする図示しない排気部を備えている。X線検出装置は、真空箱2及び試料箱3の内部を真空にする形態であってもよく、真空箱2の内部を真空にして試料箱3の内部は真空にしない形態であってもよい。窓部21に貫通孔が形成されており、かつ試料箱3の内部は真空にしない形態では、貫通孔をX線透過膜で塞いだ状態で真空箱2の内部が真空にされる。少なくとも真空箱2の内部が真空にされた状態で、X線の照射及び蛍光X線の検出が行われる。
検出部13には、検出部13が出力した信号を処理する信号処理部42が接続されている。信号処理部42は、検出部13が出力した各値の信号をカウントし、検出された蛍光X線のエネルギーとカウント数との関係、即ち蛍光X線スペクトルを生成する処理を行う。信号処理部42は、分析部43に接続されている。分析部43は、演算を行う演算部及びデータを記憶するメモリを含んで構成されている。信号処理部42は、生成したスペクトルを示すデータを分析部43へ出力する。分析部43は、信号処理部42からのデータを入力され、入力されたデータが示すスペクトルに基づいて、試料6に含まれる元素の定性分析又は定量分析を行う。光学顕微鏡15には、光学顕微鏡15の焦点位置を調整する調整部41が連結されている。調整部41は、光学顕微鏡15を移動させることによってX線検出装置内での光学顕微鏡15の焦点位置を調整する。調整部41は、例えばステッピングモータを用いて構成されている。調整部41は、試料台に保持された試料6上に焦点が合うように、光学顕微鏡15の焦点位置を調整する。なお、調整部41は、光学顕微鏡15が含んでいる光学系を調整することによって光学顕微鏡15の焦点位置を調整する形態であってもよい。
また、X線検出装置は、液晶ディスプレイ等の表示部44を備えている。表示部44は、光学顕微鏡15が撮影した試料6の画像を表示する。使用者は、表示部44に表示された試料6の画像を視認することにより、試料6を観察することができる。試料台16には、垂直方向、即ち窓部21に接離する方向に試料台16を駆動させる垂直駆動部45が連結されている。垂直駆動部45は、例えばステッピングモータを用いて構成されている。垂直駆動部45の動作により、試料台16に載置された試料6は窓部21に接離する方向に移動する。垂直駆動部45は、距離変更部に対応する。X線検出装置は、X線の照射方向に交差する方向に試料台16を駆動させる水平駆動部を備えていてもよい。
X線源11、光学顕微鏡15、調整部41、信号処理部42、分析部43、表示部44及び垂直駆動部45は、制御部5に接続されている。表示部44は制御部5を介して光学顕微鏡15に接続されている。図2は、制御部5の構成例を示すブロック図である。制御部5は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータを用いて構成されている。制御部5は、演算を行うCPU(Central Processing Unit )51と、演算に伴って発生する一時的な情報を記憶するRAM(Random Access Memory)52と、光ディスク等の記録媒体50から情報を読み取るドライブ部53と、不揮発性の記憶部54と、使用者が操作することによる各種の処理指示等の情報が入力される入力部55とを備えている。記憶部54は例えばハードディスクである。入力部55は例えばキーボード又はポインティングデバイスである。また、制御部5は、X線源11、調整部41、信号処理部42、分析部43、表示部44及び垂直駆動部45が接続されたインタフェース部56を備えている。
CPU51は、記録媒体50からコンピュータプログラム541をドライブ部53に読み取らせ、読み取ったコンピュータプログラム541を記憶部54に記憶させる。CPU51は、必要に応じてコンピュータプログラム541を記憶部54からRAM52へロードし、ロードしたコンピュータプログラム541に従って制御部5に必要な処理を実行する。なお、制御部5はドライブ部53を備えていなくてもよい。コンピュータプログラム541は、図示しない外部のサーバ装置から制御部5へダウンロードされて記憶部54に記憶されてもよい。また、制御部5は、外部からコンピュータプログラム541を受け付けるのではなく、コンピュータプログラム541を記録した記録媒体を内部に備えた形態であってもよい。
制御部5は、X線源11、調整部41、信号処理部42、分析部43、表示部44及び垂直駆動部45の動作を制御する。また、制御部5は、使用者からの処理指示を入力部55に入力され、入力された処理指示に応じてX線検出装置の各部を制御する。表示部44は、信号処理部42が生成した蛍光X線スペクトル又は分析部43による分析結果を表示してもよい。また、制御部5及び分析部43は同一のコンピュータで構成されていてもよい。
図3は、試料6の位置と試料6上でのX線の照射径との関係を示す模式図である。図中には、試料台16に載置された試料6と、窓部21とを示している。窓部21の試料台16に対向した面を窓部21の下面と言う。図3に示した例では、試料6へ照射されるX線の中心軸と光学顕微鏡15へ入射する光の光軸とは一致しており、この軸を一点鎖線で示している。また、X線を実線矢印で示している。X線光学素子12で収束されたX線は、一旦最小に収束された後、徐々に広がる。このため、試料6の表面の位置に応じて、試料6上に照射されたX線の直径である照射径は変化する。照射径は、試料6上での被照射部分の大きさに対応する。試料6の位置を表すための距離の基点を窓部21の下面とする。
X線光学素子12の焦点位置では、X線が最小に収束され、照射径は最小になる。照射径が最小である場合は、試料6の蛍光X線分析を行う際の空間分解能が最も細かくなる。このため、蛍光X線分析は照射径が最小になる状態で行われることが望ましい。X線が最小に収束される位置は、X線光学素子12の焦点位置であり、X線光学素子12によって定まっている。即ち、窓部21の下面から照射径が最小になる位置までの距離である最適距離D2は、予め定まっている。
試料台16は、制御部5に制御される垂直駆動部45により駆動され、窓部21に対する試料台16の位置は変化し、試料台16に載置された試料6の表面の位置も変化する。光学顕微鏡15が所定の位置にある場合の光学顕微鏡15の焦点位置である基準焦点位置F2は、所定の位置にある。図3には、表面に基準焦点位置F2がある試料の表面を破線で示している。窓部21の下面から基準焦点位置F2までの距離である基準距離D3は、所定の距離である。一般的に、基準焦点位置F2は実際の試料6の表面上には無く、窓部21の下面から試料6のX線が照射される被照射部分までの距離D1は基準距離D3と異なる。試料6に照射されるX線の照射径D5は、距離D1に応じた値となる。また、試料6が凹凸を有する場合は、被照射部分の試料6上での位置に応じて、窓部21の下面から試料6の被照射部分までの距離D1とX線の照射径D5とは変化する。
実際の試料6の被照射部分に焦点を合わせたときの光学顕微鏡15の焦点位置F1は、基準焦点位置F2とは異なる。調整部41は、試料6の被照射部分に焦点を合わせるべく、光学顕微鏡15の焦点位置を自動で調整することができる。焦点位置を調整する際に調整部41が光学顕微鏡15を移動させた距離に基づいて、調整された焦点位置F1から基準焦点位置F2までの距離D4が得られる。また、この焦点位置F1から基準焦点位置F2までの距離D4と基準距離D3とに基づいて、窓部21の下面から試料6の被照射部分までの距離D1を計算することができる。
窓部21の下面から試料6の被照射部分までの距離D1と試料6に照射されるX線の照射径D5との関係は、予め記録されている。距離D1及び照射径D5の値を互いに関連付けて記録した位置テーブル542を記憶している。図4は、位置テーブル542の内容例を示す概念図である。窓部21の下面から試料6の被照射部分までの距離D1の夫々の値に関連付けて、試料6に照射されるX線の照射径D5の値が記録されている。距離D1が夫々の値であるときの照射径D5の値は、予め測定されている。例えば、標準試料を用いて、標準試料の位置を変更しながら、距離D1及び照射径D5の値が実際に測定され、記録される。また、位置テーブル542には、予め定まっている最適距離D2の値が記録されている。
更に、記憶部54には、窓部21の下面から試料6の表面までの距離の予め設定された下限値543が記憶されている。窓部21の下面から試料6の表面までの距離が短くなりすぎた場合は、試料6が窓部21又はX線光学素子12の先端に衝突する虞がある。また、真空箱2及び試料箱3の内部を真空にしたときに試料箱3が収縮し、真空箱2が試料6へ近づき、試料6が窓部21又はX線光学素子12の先端に衝突する虞がある。衝突を防止するために、下限値543が予め定められており、窓部21の下面から試料6の表面までの距離が下限値543以下にならないよう試料台16の位置が制御される。下限値543は、試料6毎に予め設定されていてもよい。試料6の最大の高さに基づいて得られる下限値543が設定されてあれば、試料6が凹凸を有しており、凹部にX線が照射される場合でも、試料6の凸部が窓部21又はX線光学素子12の先端に衝突することが防止される。
図5は、実施形態1に係るX線検出装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。制御部5のCPU51は、RAM52にロードしたコンピュータプログラム541に従って以下の処理を実行する。試料6を載置した試料台16が垂直駆動部45により任意に位置決めされ、光学顕微鏡15は試料6を撮影する。一般的に、光学顕微鏡15の焦点は、試料6のX線が照射されるべき被照射部分に合っていない。調整部41は、試料6の被照射部分に焦点を合わせるべく光学顕微鏡15の焦点位置を調整する(S11)。S11の処理により、実際の試料6の被照射部分に焦点を合わせたときの光学顕微鏡15の焦点位置F1が定まる。調整部41は、既存の手法により、自動で焦点位置を調整する。なお、光学顕微鏡15が撮影した試料6の画像を表示部44が表示し、画像を視認した使用者が調整部41を操作して、焦点位置の調整が行われていてもよい。
CPU51は、焦点位置F1から基準焦点位置F2までの距離D4を特定し、距離D4及び基準距離D3に基づいて、窓部21の下面から試料6の被照射部分までの距離D1を算出する(S12)。例えば、CPU51は、焦点位置を調整する際に調整部41が光学顕微鏡15を移動させた距離を、インタフェース部56を通じて調整部41から取得することにより、距離D4を特定する。例えば、光学顕微鏡15を移動させた距離はステッピングモータのステップ数で表されており、CPU51は、ステップ数を長さへ変換することにより、距離D4を特定する。また例えば、CPU51は、焦点位置F1が基準焦点位置F2から窓部21へ近づいた場合の距離D4を正の値とし、焦点位置F1が窓部21からより遠ざかった場合の距離D4を負の値として、基準距離D3から距離D4を差し引くことにより、距離D1を算出する。基準距離D3の値は、予め記憶部54に記憶されている。CPU51は、他の計算方法を用いて、距離D4及び基準距離D3から距離D1を計算してもよい。
CPU51は、次に、算出した距離D1から、試料6上でのX線の照射径D5を特定する(S13)。例えば、CPU51は、位置テーブル542から、算出した距離D1に関連付けられた照射径D5を読み出すことにより、照射径D5を特定する。また例えば、CPU51は、位置テーブル542から、算出した距離D1の前後の値に関連付けられた複数の照射径D5を読み出し、読み出した複数の照射径D5を補間することによって、試料6上でのX線の照射径D5を特定する。また例えば、X線の径の変化の関数をコンピュータプログラム541が含んでおり、CPU51は、この関数を用いて、位置テーブル542から読み出した複数の照射径D5を補間することにより、試料6上でのX線の照射径D5を特定する。S13の処理は大きさ特定部に対応する。
CPU51は、次に、光学顕微鏡15が撮影した試料6の画像に加えて、算出した距離D1及び特定した照射径D5の値を表示部44に表示させる(S14)。図6は、表示部44が表示する画像の例を示す模式図である。試料6の画像に重ねて、X線が照射されるべき被照射部分の範囲を示す画像が表示される。表示される被照射部分の範囲の大きさは、特定された照射径D5に応じた大きさである。また、特定された照射径D5の値と、算出された現在の距離D1の値とが表示される。更に、CPU51は、X線光学素子12によりX線が最小に収束されるときのX線の直径である最小径と、最適距離D2とを表示部44に表示させる。使用者は、窓部21の下面から試料6の被照射部分までの現在の距離D1と、現在の状態でX線が試料6へ照射された場合の照射径D5とを確認することができる。また、使用者は、現在の距離D1と最適距離D2との違いを認識し、照射径D5と最小径との違いを確認することができる。表示部44は、被照射部分の範囲を示す画像を、現在の距離D1に応じた大きさで表示してもよい。
CPU51は、次に、算出した距離D1と下限値543とを比較し、距離D1が下限値543以下であるか否かを判定する(S15)。距離D1が下限値543を超過している場合は(S15:NO)、CPU51は処理を終了する。距離D1が下限値543以下である場合は(S15:YES)、CPU51は、警告を出力し(S16)、処理を終了する。S16では、CPU51は、例えば、試料6が窓部21に近すぎることを警告する画像を表示部44に表示させる。制御部5は、音声により警告を出力する形態であってもよい。また、制御部5は、距離D1が下限値543以下である場合に、真空箱2及び試料箱3の内部を真空にするための排気を禁止する処理を行ってもよい。S16の処理は、警告部に対応する。
S11〜S16の処理によって、使用者は、距離D1及び照射径D5を確認することによって、X線が照射された被照射部分の試料6上での大きさを把握することができる。S11〜S16の処理が終了した後、使用者は、必要に応じて、試料台16の位置を変更するための指示を入力部55へ入力する。制御部5は、入力された指示に応じて、垂直駆動部45の動作を制御し、試料台16の位置を変更する。X線検出装置は、S11〜S16の処理を繰り返し、距離D1及び照射径D5の値を表示部44に表示する。このようにして距離D1及び照射径D5の調整が行われ、使用者は、適切な距離D1及び照射径D5が得られるように試料6の位置を調整することができる。適切な距離D1及び照射径D5が得られる状態で、少なくとも真空箱2の内部が真空にされ、試料6へX線が照射され、蛍光X線が検出され、分析が行われる。
表示部44に距離D1及び最適距離D2が表示されるので、使用者は、距離D1及び最適距離D2を確認しながら試料6の位置を調整することができる。使用者は、距離D1が最適距離D2未満にならないように、試料6の位置を調整することによって、試料6が窓部21等のX線検出装置の部品に衝突することを防止することができる。また、試料6の画像に重ねて、被照射部分の範囲を示す画像が表示されるので、試料6の具体的にどの部分にX線が照射されるかが正確に表示される。使用者は、表示された画像を確認することにより、検出部13で検出される蛍光X線が試料6のどの部分で発生するのかを正確に知ることができる。
<実施形態2>
図7は、実施形態2に係るX線検出装置の構成を示すブロック図である。X線検出装置は、複数のX線光学素子12を備えている。X線光学素子12は収束部に対応する。複数のX線光学素子12は、X線を収束する径が互いに異なっている。また、X線検出装置は、X線の照射に使用するX線光学素子12を切り替える切替ステージ17を備えている。切替ステージ17は、複数のX線光学素子12が設けられており、夫々のX線光学素子12の位置を変更することが可能なステージである。また、切替ステージ17には、ミラー14が設けられている。
切替ステージ17には、切替ステージ17を移動させる駆動部46が連結されている。駆動部46は、制御部5に接続されている。制御部5は、駆動部46の動作を制御する。切替ステージ17は、制御部5に制御された駆動部46によって駆動し、複数のX線光学素子12のいずれか一つを照射位置に位置決めすることができる。照射位置は、X線源11からのX線が入射され、試料台16に載置された試料6へX線を照射することができる位置である。このようにして、試料6へX線を照射するために使用されるX線光学素子12が切り替えられる。X線光学素子12を切り替えることにより、試料6へ照射されるX線の照射径が変更され、試料6の蛍光X線分析を行う際の空間分解能を変更することができる。
また、切替ステージ17は、制御部5に制御された駆動部46によって駆動し、ミラー14を撮影位置に位置決めすることができる。撮影位置は、試料6のX線が照射されるべき被照射部分で反射した光を光学顕微鏡15へ入射するように反射することができるミラー14の位置である。
複数のX線光学素子12は、収束するX線の最小径が互いに異なる。また、窓部21の下面からX線の径が最小になる位置までの距離である最適距離D2は、X線光学素子12によって異なる。また、窓部21の下面から試料6の被照射部分までの距離D1と試料6に照射されるX線の照射径D5との関係は、X線光学素子12によって異なる。位置テーブル542は、夫々のX線光学素子12について予め作成され、記憶部54に記憶されている。X線検出装置のその他の部分の構成は、実施形態1と同様である。
X線検出装置は、ミラー14が撮影位置に位置決めされている状態で、S11〜S16の処理を実行する。制御部5のCPU51は、一つのX線光学素子12について記憶部54に記憶されている位置テーブル542を用いてS12〜S14の処理を実行する。S14では、一つのX線光学素子12に関する最適距離D2、照射径D5及び最小径が表示部44に表示される。なお、制御部5は、複数のX線光学素子12についてS12〜S14の処理を実行し、複数のX線光学素子12の夫々について最適距離D2、照射径D5及び最小径を表示部44に表示させてもよい。
実施形態1と同様に距離D1及び照射径D5の調整が行われる。使用者がX線光学素子12を選択する指示を入力部55へ入力することにより、使用されるX線光学素子12が選択される。制御部5は、駆動部46を制御して、選択されたX線光学素子12を照射位置に位置決めする。試料6へX線が照射され、蛍光X線が検出され、分析が行われる。
<実施形態3>
図8は、実施形態3に係るX線検出装置の構成を示すブロック図である。試料台16には、水平方向、即ちX線の照射方向に交差する方向に、試料台16を駆動させる水平駆動部47が連結されている。水平駆動部47は、例えばステッピングモータを用いて構成されている。水平駆動部47の動作により、試料台16に載置された試料6は、X線の照射方向に交差する方向に移動する。水平駆動部47は、制御部5に接続されている。制御部5は、水平駆動部47の動作を制御することにより、試料台16に載置された試料6を移動させ、試料6上でX線が照射される被照射部分の位置を変更することができる。X線検出装置のその他の部分の構成は、実施形態1と同様である。なお、X線検出装置は、実施形態2と同様に複数のX線光学素子12を備える形態であってもよい。
図9は、実施形態3に係るX線検出装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。以降の処理は、少なくとも真空箱2が真空になった状態で実行される。制御部5のCPU51は、RAM52にロードしたコンピュータプログラム541に従って以下の処理を実行する。光学顕微鏡15は試料6を撮影し、X線検出装置は、S11〜S13と同様のS21〜S23の処理を実行する。X線検出装置は、次に、試料6へX線を照射し、検出部13で蛍光X線を検出し、信号処理部42で蛍光X線スペクトルを生成する。CPU51は、水平駆動部47を用いて制御した試料台16の位置から、試料6上での被照射部分の位置を特定する。CPU51は、信号処理部42が生成した蛍光X線スペクトルを取得し、蛍光X線スペクトル及び特定した照射径D5を、被照射部分の位置に関連付けて記録する(S24)。蛍光X線スペクトル及び照射径D5を被照射部分の位置に関連付けて記録したデータは、RAM52又は記憶部54に記憶される。
CPU51は、次に、X線の照射及び蛍光X線の検出を終了するか否かを判定する(S25)。例えば、試料6上の特定の範囲内の全ての部分についてX線の照射及び蛍光X線の検出が行われた場合に、X線の照射及び蛍光X線の検出を終了すると判定される。X線の照射及び蛍光X線の検出を終了しない場合は(S25:NO)、CPU51は、インタフェース部56を通じて水平駆動部47の動作を制御することにより、試料6を移動させ、被照射部分の試料6上での位置を変更する(S26)。水平駆動部47及びS26の処理は、被照射位置変更部に対応する。X線検出装置は、次に、処理をS21へ戻す。X線検出装置は、S21〜S26の処理を繰り返すことにより、被照射部分の試料6上での位置を順次変更し、被照射部分の位置を変更する都度、蛍光X線スペクトル及び照射径D5を被照射部分の位置に関連付けて記録する。S21〜S26の処理では、試料台16の窓部21に接離する方向の位置は一定に保たれる。
S25でX線の照射及び蛍光X線の検出を終了する場合は(S25:YES)、CPU51は、夫々の被照射部分の位置に関連付けて記録した蛍光X線スペクトル及び照射径D5を、夫々の被照射部分に対応する試料6上の各部分に関連付けた蛍光X線分布を、生成する(S27)。CPU51は、蛍光X線分布のデータを記憶部54に記憶し、処理を終了する。
本実施形態で生成された蛍光X線分布には、試料6の各部分の組成に関連する蛍光X線スペクトルが記録されているだけではなく、各部分での蛍光X線分析の空間分解能に関連する照射径D5が記録されている。このため、試料6の各部分の組成が得られると共に、組成の分析の際に各部分にX線が照射された範囲の大きさも得られる。なお、X線検出装置は、分析部43で元素分析を行い、試料6上の元素分布を生成してもよい。
また、本実施形態では、X線検出装置は、特定したX線の照射径D5に応じて、蛍光X線分布を得るために試料6を移動させる際の一ステップ分の移動距離を調整してもよい。例えば、X線検出装置は、S11〜S16の処理を実行してX線の照射径D5を特定した後、試料6を移動させる際の一ステップ分の移動距離を、照射径D5と同一の値等の照射径D5に応じた値に設定する。また、例えば、X線検出装置は、S26で試料6を移動させる際の一ステップ分の移動距離を、S23で特定した照射径D5に応じた値に設定する。試料6を移動させる際の一ステップ分の移動距離が小さいほど、空間分解能は細かくなるものの、測定時間が長大化する。空間分解能の下限はX線の照射径D5により限定されるので、一ステップ分の移動距離を照射径D5よりも小さくしても、空間分解能を細かくする効果は得られない。試料6を移動させる際の一ステップ分の移動距離をX線の照射径D5に応じた値とすることにより、一ステップ分の移動距離が最適な値となる。可及的に細かい空間分解能で蛍光X線分布が得られ、更に測定時間の長大化が抑制される。
なお、以上の実施形態1〜3においては、光学顕微鏡の焦点位置の変化に応じて窓部21の下面から試料6の被照射部分までの距離D1を算出する形態を示したが、X線検出装置は、他の方法で距離D1を算出する形態であってもよい。例えば、X線検出装置は、レーザ光を用いて距離D1を計測する形態であってもよい。また、X線検出装置は、光学顕微鏡15の焦点位置を調整する調整部41を備えていない形態であってもよい。この形態では、X線検出装置は、試料6の表面に光学顕微鏡15の焦点を合わせるべく垂直駆動部45により試料6の位置を調整し、その後、垂直駆動部45により試料6を任意の位置へ移動させる。更に、X線検出装置は、試料6の表面に光学顕微鏡15の焦点が合った位置から垂直駆動部45により試料6を移動させた距離に応じて、窓部21の下面から試料6の被照射部分までの距離D1を算出する。
また、実施形態1〜3においては、試料6上での被照射部分の大きさとしてX線の照射径を得る形態を示したが、X線検出装置は、被照射部分の大きさとしてX線の照射面積を得る形態であってもよい。また、実施形態1〜3においては、距離の基点を窓部21の下面として、窓部21の下面から試料6の被照射部分までの距離D1を算出する形態を示したが、X線検出装置は、X線検出装置内の他の部分を距離の基点とした形態であってもよい。距離の基点は、試料6へ照射されるX線の中心軸に沿ったいずれかの位置、又は試料6で反射して光学顕微鏡15へ入射する光の光軸に沿ったいずれかの位置にあることが望ましい。例えば、距離の基点は、X線源11の出射口、X線光学素子12の先端、又はミラー14であってもよい。
また、実施形態1〜3においては、X線をエネルギー別に分離して検出するエネルギー分散型の形態を示したが、X線検出装置は、X線を波長別に分離して検出する波長分散型の形態であってもよい。また、実施形態1〜3においては、X線を試料6へ照射し、試料6から発生した蛍光X線を検出する形態を示したが、X線検出装置は、X線以外の放射線を試料6へ照射し、試料6から発生する特性X線を検出する形態であってもよい。また、実施形態1〜3においては、放射線検出装置がX線検出装置である形態を示したが、放射線検出装置は、X線以外の放射線を検出部13で検出する形態であってもよい。例えば、放射線検出装置は、電子線を試料6へ照射し、試料6から発生する二次電子又は反射電子を検出部13で検出する形態であってもよい。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
11 X線源
12 X線光学素子
13 検出部
14 ミラー
15 光学顕微鏡
16 試料台
2 真空箱
21 窓部
3 試料箱
41 調整部
44 表示部
45 垂直駆動部
47 水平駆動部
5 制御部
541 コンピュータプログラム
6 試料

Claims (8)

  1. 試料保持部と、該試料保持部が保持する試料へ放射線を照射する照射部と、前記試料から発生した放射線を検出する検出部とを備える放射線検出装置において、
    所定の基点から前記試料保持部が保持した試料の放射線を照射されるべき被照射部分までの距離を算出する距離算出部と、
    算出された距離に基づいて、前記試料上での前記被照射部分の大きさを特定する大きさ特定部と、
    特定された前記被照射部分の大きさを表示する表示部と
    を備えることを特徴とする放射線検出装置。
  2. 前記試料を観察するための光学顕微鏡を更に備え、
    前記表示部は、前記光学顕微鏡による前記試料の観察像と、前記試料上での前記被照射部分の範囲を示す画像とを重ねて表示すること
    を特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  3. 前記被照射部分に焦点を合わせるべく前記光学顕微鏡の焦点位置を調整する調整部を更に備え、
    前記距離算出部は、調整された焦点位置の基準からの距離に応じて、前記所定の基点から前記被照射部分までの距離を算出すること
    を特徴とする請求項2に記載の放射線検出装置。
  4. 前記所定の基点から前記被照射部分までの距離を変更する距離変更部を更に備え、
    前記表示部は、前記距離算出部が算出した距離と、前記被照射部分の大きさが最小になるような、前記所定の基点から前記被照射部分までの最適距離とを表示すること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の放射線検出装置。
  5. 前記距離算出部が算出した距離が予め定められた下限値以下である場合に、警告を出力する警告部を更に備えること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の放射線検出装置。
  6. 前記照射部は、試料へ照射すべき放射線を収束し、放射線を収束する径が互いに異なる複数の収束部を有し、
    前記大きさ特定部は、前記複数の収束部から選択された一つの収束部に応じて、前記被照射部分の大きさを特定すること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の放射線検出装置。
  7. 前記被照射部分の前記試料上での位置を順次変更する被照射位置変更部と、
    前記試料上の各部分に放射線の検出結果及び前記被照射部分の大きさを関連付けた放射線分布を生成する生成部と
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の放射線検出装置。
  8. 試料へ放射線を照射する照射部と、前記試料から発生した放射線を検出する検出部と、前記試料を観察するための光学顕微鏡と、表示部とを備える放射線検出装置を、コンピュータに制御させるコンピュータプログラムにおいて、
    コンピュータに、
    試料の放射線を照射されるべき被照射部分に焦点を合わせた前記光学顕微鏡の焦点位置の基準からの距離に応じて、前記放射線検出装置内の所定の基点から前記被照射部分までの距離を算出するステップと、
    算出された距離に基づいて、前記試料上での前記被照射部分の大きさを特定するステップと、
    特定された前記被照射部分の大きさを前記表示部に表示させるステップと
    を含む処理を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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