JP4728186B2 - 斜出射電子線プローブマイクロx線分析方法およびそれに用いられるプログラム、並びに、斜出射電子線プローブマイクロx線分析装置 - Google Patents
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EPMAは電子線を試料に照射すると、その照射領域に存在する各元素がそれぞれ固有のエネルギーや波長を有する特性X線を放出することを利用する。
電子線により励起された特性X線のエネルギースペクトラムや波長分布を分析することにより、照射領域に存在する元素を知ることができる。
これは、試料から放出される特性X線には、試料内部と試料表面の微粒子または薄層との両方から放出される特性X線が含まれ、しかも試料内部から放出されるX線強度が、試料表面の微粒子または薄層から放出される特性X線に比べて強いので、微粒子または薄層から放出される特性X線のみを選択的に抽出して分析できないからである。
しかし、低エネルギー電子線の使用は検出可能な元素を限定してしまうため、例えば、検出すべき元素が未知であり全ての元素を検出対象とする必要がある場合などには適切でない。
微粒子の組成を分析しようとすれば、電子線プローブなどで微粒子や薄層に電子線を照射し、電子線により励起される特性X線を分析することとなるが、シリコンウェハーからも大量の特性X線が発生するため、微粒子のみの組成分析は困難であった。
この斜出射EPMAは、電子線の照射方向に対し、試料内部から発せられる特性X線が全反射現象により試料表面から放出されない角度範囲に試料を傾斜させ、試料表面に存在する微粒子又は薄層から放出される特性X線のみを検出し分析するものである(例えば、特許文献1、特許文献2、非特許文献1および非特許文献2参照)。
斜出射EPMAでは、試料表面の微粒子又は薄層から放出されX線検出器に入射する特性X線の試料表面に対する角度(特性X線の出射角又は取出角)を制御することが重要であり、このために試料ホルダを傾斜させる方法、X線検出器(エネルギー分散型X線検出器(energy-dispersive X-ray detector:EDX)および波長分散型X線検出器(wavelength-dispersive X-ray detector:WDX))を移動させる方法、試料ステージを上下に移動させる方法などが考えられている。
また、試料表面の微粒子又は薄層といってもこれらには当然のことながらそこには僅かな厚さがある。
しかしながら、斜出射EPMAで試料表面の微粒子又は薄層の分析を行うにあたって、試料表面からどの深さを微粒子又は薄層と試料内部との境界とするかを厳密に設定することは極めて困難であった。
というのは斜出射EPMAにおいて、特性X線の取出角度と測定深さとの相関を求める方法が確立されていなかったからである。
また、この発明は、試料に電子線を照射し、試料内部から発せられる特性X線が試料表面での全反射現象により検出されない角度以下に特性X線の取出角度を設定することにより試料の表層から発せられる特性X線のみを選択的に検出する斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、試料を試料内部としての下地と試料表層としての所定厚の上地で構成し、下地の構成元素には上地の構成元素以外に2種類以上の元素B 1 ,B 2 ,B 3 ・・・B n が含まれ、特性X線の取出角度を所定角度から徐々に小さくして下地から発せられる特性X線の消失角度を見出すにあたり、2種類以上の元素B 1 ,B 2 ,B 3 ・・・B n のうち最もエネルギーの大きな特性X線を発する元素B max を選択し、選択した元素B max から発せられる特性X線の強度とその取出角度との相関測定を行うことにより前記特性X線の消失角度を見出し、見出された消失角度を所定厚の上地の構成元素のみを選択的に分析できる取出角度として定義することを特徴とする第2の斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法を提供するものでもある。
さらに、この発明は、試料に電子線を照射し、試料内部から発せられる特性X線が試料表面での全反射現象により検出されない角度以下に特性X線の取出角度を設定することにより試料の表層から発せられる特性X線のみを選択的に検出する斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、試料を試料内部としての下地と試料表層としての所定厚の上地で構成し、下地の構成元素に上地の構成元素以外の元素が含まれていないとき、特性X線の取出角度を所定角度から徐々に小さくして下地から発せられる特性X線の消失角度を見出すにあたり、上地の構成元素よりもエネルギーの大きな特性X線を発する元素Dを含有する基板または薄膜を対照用下地とし、対照用下地上に上地の構成元素からなる薄膜を対照用上地として所定厚で形成し、元素Dから発せられる特性X線の強度とその取出角度との相関測定を行うことにより前記特性X線の消失角度を見出し、見出された消失角度を所定厚の上地の構成元素のみを選択的に分析できる取出角度として定義することを特徴とする第3の斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法を提供するものでもある。
ここで下地と上地はそれぞれ任意の構成元素で構成されていることが好ましい。
というのは、この発明は、特性X線の取出角度と測定深さとの相関を求めることを目的とするため、下地から発せられる特性X線の消失角度を見出すにあたって、下地の構成元素と上地の構成元素は予め判明していることが好都合であるからである。
しかし、この発明による斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法を実施するうえで、下地と上地の構成元素は必ずしも予め判明している必要はなく、この発明による上述の方法によって下地と上地の構成元素と上地の厚さが求められ、それによって特性X線の取出角度と測定深さの相関が求められてもよい。
このような構成によれば、上地に含まれていないと予め判明している元素Aについて特性X線の強度とその取出角度との相関測定を行うことにより元素Aの消失角度を見出すことができるので、より簡便、かつ、確実に特性X線の取出角度と測定深さとの相関を求めることが可能となる。
なお、この発明において「相関測定」とは、ある特定の元素について、複数の取出角度で特性X線の強度を測定することにより、特性X線の強度とその取出角度との相関関係を求め、求められた相関関係に基づいて特性X線の消失角度を見出すことを意味する。
というのは、エネルギーの大きな特性X線は取出角度を小さくしていっても消失し難い性質があり、エネルギーの大きな特性X線を測定対象としてその消失角度を見出すことにより、上地の構成元素のみを選択的に分析できる取出角度をより厳密に定義できるようになるからである。
なお、よりエネルギーの大きな特性X線を発する元素が測定対象として好ましいのは上述のとおりである。
このような構成によれば、半導体デバイスの基本的な構成材料である半導体ウェハについて、特性X線の取出角度と測定深さとの相関を求めることを可能としたこの発明による斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法を適用することができ、半導体ウェハの表層を選択的に分析する手法を提供することができる。
これにより、半導体ウェハの表面に付着した微粒子または半導体ウェハの表面に形成された薄層の発生起源を明らかにするうえで有力な手掛かりを得ることができ、半導体ウェハから得られる各種半導体デバイスの歩留まり向上に寄与することができる。
なお、この発明による上記斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置において、制御部は、下地にのみ含まれる元素が複数種である場合、これらの元素のうち最もエネルギーの大きな特性X線を発する元素を選択することが好ましい。
図1は実施例による斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法に用いられる斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置の概略的な構成図、図2は図1に示される斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置における波長分散型X線検出器の配置を概略的に示す説明図である。
図1に示される斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置1は、試料ステージ2と、試料ステージ2を駆動する駆動部3と、試料4の表面における任意の分析点に焦点を合わせるための光学顕微鏡5と、試料ステージ2に保持された試料4に対して電子線Eを走査するための電子線走査部(電子線照射部)6と、試料4の表面から発せられる特性X線Cを検出するX線検出部7と、駆動部3、電子線走査部6およびX線検出部7を制御する制御部8とを備えている。
また、斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置1は、オペレータからの指示や回答を制御部8に入力するための入力部9をさらに備えている。
試料室13に収容される試料ステージ2は、X軸ステージ2a、Y軸ステージ2b、Z軸ステージ2c、回転ステージ2dおよび傾斜ステージ2eとから構成されており、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動でき、かつ、任意の方向に傾斜・回転できる構成となっている。
X軸ステージ2a、Y軸ステージ2b、Z軸ステージ2c、回転ステージ2dおよび傾斜ステージ2eは、駆動部3としてのパルスモータ(図示せず)でそれぞれ駆動される。
試料4は、試料ホルダ15にセットされたうえで図示しない試料出入口から試料ステージ2上に運ばれる。
電磁対物レンズ19の近傍には、光学対物レンズ20が配置され、光学反射鏡21によって反射された試料像は試料室13に装着された光学顕微鏡5に入射するよう構成されている。
光学顕微鏡5は焦点調整を行う際に利用されるもので、光学顕微鏡5の焦点調整とZ軸ステージ2cの移動は連動しており、光学顕微鏡5の像が鮮明になるように調整することにより試料4の高さ調整が行われる。
上述の駆動部3、電子線走査部6、X線検出部7、入力部9および表示部11は、バスライン22を介して制御部8に接続され、制御部8の制御の下に一連の動作を行う。
また、図示しないが、鏡筒12、試料室13および分光室14は真空排気装置と接続されており、制御部8は真空排気装置の制御も行う。
なお、図1では1つのWDX24しか示されていないが、図2に示されるようにWDX24は試料室13の周囲にチャンネル1(CH1)〜チャンネル5(CH5)まで5つ設けられている。
一方、WDX24は、分光室14に収容され特定波長のX線と選別(分光)する分光結晶25と、分光結晶25により分光されたX線を検出するX線検出器26とから主に構成される。
EDX23およびWDX24はいずれもバスライン22に接続され、EDX23およびWDX24によって検出されたデータは制御部8によって処理され、表示部11に分析結果が表示される。
この後は、試料4の下地4bのみに含まれる上地4a以外の構成元素について特性X線の強度とその取出角度との相関測定を行うことになるが、この相関測定は制御部8によるガイダンスの下で自動的に行われる。以下、制御部8が行う制御フローについて図4および図5に基づいて説明する。
オペレータによって試料4の下地4bと上地4aの構成元素が入力部9を介してそれぞれ制御部8に入力されると、制御部8は下地4bの構成元素のうち上地4aの構成元素に含まれない元素があるか否かを判断する(ステップ3)。
一方、ステップ4において下地4bの構成元素のうち上地4aの構成元素に含まれない元素が複数種類でないと判断した場合は、ステップ5に進むことなくステップ6に進み、制御部8は当該元素を測定候補の元素として選択する。
ステップ5又はステップ6において測定候補の元素が選択されると、制御部8は選択された測定候補の元素が上地4aの構成元素よりも大きなエネルギーの特性X線を発するか否かを判断する(ステップ7)。
ステップ8で測定すべき元素として表示された元素に対してオペレータから当該元素を測定すべき元素として承認する旨の回答がなされると(ステップ9)、制御部8は当該元素を測定できるWDX24のチャンネルと所望のチャンネルを選択するよう促す旨のメッセージを表示部11に表示し、オペレータに所望のチャンネルを選択させる(ステップ10)。
一方、ステップ9においてオペレータからの承認が得られない場合は、相関測定を中止するものと判断し(ステップ20)、一連のフローを終了する。
ステップ11において相関測定を実施すべき取出角度の範囲が入力されると、制御部8は測定ステップの設定を促すメッセージを表示部11に表示し、オペレータに所望の測定ステップを入力させる(ステップ12)。なお、ここで測定ステップとは特性X線の取出角度をθmaxからθminへ変化させていく際に何度ずつ取出角度を変化させていくかという角度のことである。
ステップ12において所望の測定ステップが入力されると、制御部8は測定ステップによって変化させられる取出角度毎の測定時間の設定を促すメッセージを表示部11に表示し、オペレータに所望の測定時間を入力させる(ステップ13)。
具体的には、図6に示されるように、制御部8は設定された取出角度の範囲のうち最大となる取出角度θmaxまで試料ステージ2を傾斜させ、さらに図7に示されるように、試料ステージ2の傾斜軸Aと直交する方向に選択されたチャンネルのWDX24が位置するように試料ステージ2を回転させる。
ステップ15において試料4上の任意の分析点に焦点が合わせられると、制御部8は焦点が合わせられた際の試料ステージ2のX方向、Y方向およびZ方向の座標を合焦位置として入力するよう促すメッセージを表示し、オペレータは合焦位置の座標を制御部8に入力する(ステップ16)。
また、この相関測定が実施されている間、制御部8は分析点の焦点を維持するうえで必要となる試料ステージ2の補正移動量を合焦位置の座標に基づいて算出し、測定ステップ毎に分析点の焦点を維持するべく試料ステージ2の位置を順次補正する。
ステップ17において相関測定が実施されると、制御部8は相関測定によって得られた特性X線の強度とその取出角度との相関関係を測定結果として表示部11に表示し(ステップ18)、一連のフローを終了する。
上地の構成元素よりも大きなエネルギーの特性X線を発する元素を含有する対照用試料を別途調整し、この対照用試料について同様の相関測定を行うことにより、特性X線の強度と取出角度との相関関係を厳密に求めることが可能となる。
というのは、エネルギーの大きな特性X線は取出角度を小さくしていっても消失し難い性質があり、エネルギーの大きな特性X線を測定対象としてその消失角度を見出すことにより、上地の構成元素のみを選択的に分析できる取出角度をより厳密に定義できるようになるからである。
図8に示されるように、取出角度0.3°においてAl−Kβ1強度が消失しており、上地4aの膜厚が35nmである場合、0.3°がAl−Kβ1強度の消失角度であり、上地4aの構成元素のみを選択的に分析できる取出角度であると定義することができた。
このようにして定義された取出角度0.3°により膜厚35nmの上地4aの構成元素のみを選択的に分析できるということは、当該取出角度により試料表面から35nmの深さまで選択的な測定が可能であるということと同義であるから、この発明による上記方法によって特性X線の取出角度と測定深さとの相関を求めることが可能となった。
Ga−Kβ1=10.263(KeV)
In−Lβ2=3.713(KeV)
P−Kβ1=2.136(KeV)
Al−Kβ1=1.553(KeV)
2・・・試料ステージ
2a・・・X軸ステージ
2b・・・Y軸ステージ
2c・・・Z軸ステージ
2d・・・回転ステージ
2e・・・傾斜ステージ
3・・・駆動部
4・・・試料
4a・・・上地
4b・・・下地
5・・・光学顕微鏡
6・・・電子線走査部
7・・・X線検出部
8・・・制御部
9・・・入力部
10・・・二次電子検出部
11・・・表示部
12・・・鏡筒
13・・・試料室
14・・・分光室
15・・・試料ホルダ
16・・・電子銃
17・・・収束レンズ
18・・・走査コイル
19・・・電磁対物レンズ
20・・・光学対物レンズ
21・・・光学反射鏡
22・・・バスライン
23・・・エネルギー分散型X線検出器(EDX)
23a・・・入射口
24・・・波長分散型X線検出器(WDX)
25・・・分光結晶
26・・・X線検出器
A・・・傾斜軸
C・・・特性X線
E・・・電子線
S・・・二次電子
Claims (8)
- 試料に電子線を照射し、試料内部から発せられる特性X線が試料表面での全反射現象により検出されない角度以下に特性X線の取出角度を設定することにより試料の表層から発せられる特性X線のみを選択的に検出する斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、試料を試料内部としての下地と試料表層としての所定厚の上地で構成し、下地の構成元素には上地の構成元素以外に少なくとも1種類の元素Aが含まれ、元素Aの発する特性X線のエネルギーが上地の構成元素から発せられる特性X線のエネルギーよりも小さいとき、特性X線の取出角度を所定角度から徐々に小さくして下地から発せられる特性X線の消失角度を見出すにあたり、上地の構成元素よりもエネルギーの大きな特性X線を発する元素Dを含有する基板または薄膜を対照用下地とし、対照用下地上に上地の構成元素からなる薄膜を対照用上地として所定厚で形成し、元素Dから発せられる特性X線の強度とその取出角度との相関測定を行うことにより前記特性X線の消失角度を見出し、見出された消失角度を所定厚の上地の構成元素のみを選択的に分析できる取出角度として定義することを特徴とする斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法。
- 試料に電子線を照射し、試料内部から発せられる特性X線が試料表面での全反射現象により検出されない角度以下に特性X線の取出角度を設定することにより試料の表層から発せられる特性X線のみを選択的に検出する斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、試料を試料内部としての下地と試料表層としての所定厚の上地で構成し、下地の構成元素には上地の構成元素以外に2種類以上の元素B 1 ,B 2 ,B 3 ・・・B n が含まれ、特性X線の取出角度を所定角度から徐々に小さくして下地から発せられる特性X線の消失角度を見出すにあたり、2種類以上の元素B 1 ,B 2 ,B 3 ・・・B n のうち最もエネルギーの大きな特性X線を発する元素B max を選択し、選択した元素B max から発せられる特性X線の強度とその取出角度との相関測定を行うことにより前記特性X線の消失角度を見出し、見出された消失角度を所定厚の上地の構成元素のみを選択的に分析できる取出角度として定義することを特徴とする斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法。
- 元素Bmaxから発せられる特性X線のエネルギーが上地の構成元素から発せられる特性X線のエネルギーよりも小さいとき、下地から発せられる特性X線の消失角度を見出すにあたり、上地の構成元素よりもエネルギーの大きな特性X線を発する元素Dを含有する基板または薄膜を対照用下地とし、対照用下地上に上地の構成元素からなる薄膜を対照用上地として所定厚で形成し、元素Dから発せられる特性X線の強度とその取出角度との相関測定を行うことを特徴とする請求項2に記載の斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法。
- 試料に電子線を照射し、試料内部から発せられる特性X線が試料表面での全反射現象により検出されない角度以下に特性X線の取出角度を設定することにより試料の表層から発せられる特性X線のみを選択的に検出する斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、試料を試料内部としての下地と試料表層としての所定厚の上地で構成し、下地の構成元素に上地の構成元素以外の元素が含まれていないとき、特性X線の取出角度を所定角度から徐々に小さくして下地から発せられる特性X線の消失角度を見出すにあたり、上地の構成元素よりもエネルギーの大きな特性X線を発する元素Dを含有する基板または薄膜を対照用下地とし、対照用下地上に上地の構成元素からなる薄膜を対照用上地として所定厚で形成し、元素Dから発せられる特性X線の強度とその取出角度との相関測定を行うことにより前記特性X線の消失角度を見出し、見出された消失角度を所定厚の上地の構成元素のみを選択的に分析できる取出角度として定義することを特徴とする斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法。
- 試料が半導体ウエハであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法。
- 試料に電子線を照射し、試料内部から発せられる特性X線が試料表面での全反射現象により検出されない角度以下に特性X線の取出角度を設定することにより試料の表層から発せられる特性X線のみを選択的に検出する斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、試料を試料内部としての下地と試料表層としての所定厚の上地で構成し、下地の構成元素には上地の構成元素以外に少なくとも1種類の元素Aが含まれ、元素Aの発する特性X線のエネルギーが上地の構成元素から発せられる特性X線のエネルギーよりも小さいとき、特性X線の取出角度を所定角度から徐々に小さくして下地から発せられる特性X線の消失角度を見出すにあたり、上地の構成元素よりもエネルギーの大きな特性X線を発する元素Dを含有する基板または薄膜を対照用下地とし、対照用下地上に上地の構成元素からなる薄膜を対照用上地として所定厚で形成し、元素Dから発せられる特性X線の強度とその取出角度との相関測定を行うことにより前記特性X線の消失角度を見出し、見出された消失角度を所定厚の上地の構成元素のみを選択的に分析できる取出角度として定義する斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法に用いられるプログラムであって、コンピュータに、上地の構成元素を入力させる手順と、上地の構成元素に含まれない少なくとも1種類の元素Aを下地の構成元素として入力させる手順と、入力された下地の構成元素のうち上地の構成元素に含まれない元素Aを判定させる手順と、入力された上地と下地の構成元素について特性X線のエネルギーの大小を比較させる手順と、上地の構成元素に含まれない元素として判定された元素Aの特性X線のエネルギーが上地の構成元素から発せられる特性X線のエネルギーよりも小さいときに上地の構成元素よりも大きなエネルギーの特性X線を発する元素Dを対照用下地に含有させるべき元素として選択させる手順とを実行させることを特徴とするプログラム。
- 試料に電子線を照射し、試料内部から発せられる特性X線が試料表面での全反射現象により検出されない角度以下に特性X線の取出角度を設定することにより試料の表層から発せられる特性X線のみを選択的に検出する斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、試料を試料内部としての下地と試料表層としての所定厚の上地で構成し、下地の構成元素には上地の構成元素以外に2種類以上の元素B 1 ,B 2 ,B 3 ・・・B n が含まれ、特性X線の取出角度を所定角度から徐々に小さくして下地から発せられる特性X線の消失角度を見出すにあたり、2種類以上の元素B 1 ,B 2 ,B 3 ・・・B n のうち最もエネルギーの大きな特性X線を発する元素B max を選択し、選択した元素B max から発せられる特性X線の強度とその取出角度との相関測定を行うことにより前記特性X線の消失角度を見出し、見出された消失角度を所定厚の上地の構成元素のみを選択的に分析できる取出角度として定義する斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法に用いられるプログラムであって、コンピュータに、上地の構成元素を入力させる手順と、上地の構成元素に含まれない2種類以上の元素B 1 ,B 2 ,B 3 ・・・B n を下地の構成元素として入力させる手順と、入力された下地の構成元素のうち上地の構成元素に含まれない2種類以上の元素B 1 ,B 2 ,B 3 ・・・B n を判定させる手順と、2種類以上の元素B 1 ,B 2 ,B 3 ・・・B n のうち最もエネルギーの大きな特性X線を発する元素B max を選択し、選択された元素B max から発せられる特性X線の強度とその取出角度との相関測定を行わせて消失角度を見出させる手順とを実行させることを特徴とするプログラム。
- 入力された上地と下地の構成元素について特性X線のエネルギーの大小を比較させる手順と、元素Bmaxから発せられる特性X線のエネルギーが上地の構成元素から発せられる特性X線のエネルギーよりも小さいときに上地の構成元素よりも大きなエネルギーの特性X線を発する元素Dを対照用下地に含有させるべき元素として選択させる手順とをさらに備える請求項7に記載のプログラム。
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