JP6943117B2 - 金属薄膜用アンダーコート剤組成物、金属薄膜用アンダーコート剤、アンダーコート層付き基材フィルムおよび金属薄膜層付き積層フィルム - Google Patents
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Description
〔水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)〕
水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性−グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を1個含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物;グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイル−オキシプロピルメタクリレート等のエチレン性不飽和基を2個含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を3個以上含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物等が挙げられる。これら水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)は1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
上記の多価イソシアネート系化合物(a2)としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式系ポリイソシアネート、或いはこれらポリイソシアネートの3量体化合物または多量体化合物、アロファネート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネート等が挙げられる。これら多価イソシアネート系化合物(a2)は1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明で用いる、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)は、上記で説明した水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)および多価イソシアネート系化合物(a2)とともに、さらに、ポリエステル系ポリオール化合物(a3)を反応させてなる反応生成物である。
なお、本発明において、「カルボン酸」との用語は、カルボン酸に加えて、カルボン酸塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸エステル等のカルボン酸の誘導体を含むものであり、これらカルボン酸の誘導体を「エステル形成性誘導体」と記載する。具体的なカルボン酸に関しても同様である。
高速液体クロマトグラフィーにおいては、高速液体クロマトグラフ(日本ウォーターズ社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより、標準ポリスチレン分子量換算による数平均分子量を測定することができる。
(i)上記の水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)、多価イソシアネート系化合物(a2)、ポリエステル系ポリオール化合物(a3)を、反応器に一括または別々に仕込み反応させる方法、
(ii)ポリエステル系ポリオール化合物(a3)と多価イソシアネート系化合物(a2)とを予め反応させて得られる反応生成物に、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)を反応させる方法、
(iii)多価イソシアネート系化合物(a2)と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)とを予め反応させて得られる反応生成物に、ポリエステル系ポリオール化合物(a3)を反応させる方法、
等が挙げられるが、反応の安定性や副生成物の低減等の点から(ii)の方法が好ましい。
ウムテトラアセチルアセトナート等が挙げられ、なかでも、ジブチル錫ジラウレート、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセンが好適である。なお、これらの触媒は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
〔式(1)〕ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)のエチレン性不飽和基含有量(mmol/g)=水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)のエチレン性不飽和基含有量(mmol/g)×(ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)中の水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)の重量/ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の重量)
本発明の金属薄膜用アンダーコート剤組成物は、活性エネルギー線硬化性組成物であり、更に光重合開始剤(B)を含有させることが、ごく短時間の紫外線等の活性エネルギー線照射により硬化させることが可能となる点で好ましい。
かかるアルキッド樹脂は、塗布時の造膜性を付与する作用や、金属薄膜面との接着性を上げる作用を有する。
かくして得られた本発明の金属薄膜用アンダーコート剤組成物は、これを含有してなる金属薄膜用アンダーコート剤として有用であり、なかでもITO代替金属薄膜メッシュフィルムのアンダーコート剤として有用である。
また、20℃における粘度は、通常50〜1,000mPa・sである。なお、粘度の測定法はB型粘度計による。
無溶剤型の金属薄膜用アンダーコート剤の20℃における粘度は、通常50〜100,000mPa・sである。また、60℃における粘度は、通常50〜10,000mPa・sである。なお、20℃における粘度の測定法はB型粘度計、60℃における粘度の測定法はE型粘度計による。
本発明のアンダーコート層付き基材フィルムは、上記アンダーコート剤を基材フィルムに塗工した後、必要に応じて乾燥工程を経て溶剤を除去し、その後、活性エネルギー線を照射し硬化させることにより得られる。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
本発明の金属薄膜層付き積層フィルムは、上記アンダーコート層付き基材フィルムのアンダーコーティング層上に、金属薄膜層を成膜することにより得られる。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物の重量平均分子量および粘度は、前述の方法にしたがって測定した。
[製造例1]
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート222g(1.00モル)、ポリエステルポリオール459g(直鎖構造2官能、多価カルボン酸成分:アジピン酸,イソフタル酸、多価アルコール成分:1,6−ヘキサメチレンジオール、水酸基価122mgKOH/g、水酸基価から計算される数平均分子量920、0.50モル)、希釈溶剤として酢酸エチル200g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを仕込み、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が4.8%以下となった時点で60℃まで冷却し、2−ヒドロキシエチルアクリレート119g(1.02モル)、重合禁止剤としてメトキシフェノール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A−1)(重量平均分子量:5,500、粘度:3,500mPa・s/20℃)を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート210g(0.94モル)、ポリエステルポリオール478g(直鎖構造2官能、多価カルボン酸成分:アジピン酸、多価アルコール成分:ネオペンチルグリコール、水酸基価111mgKOH/g、水酸基価から計算される数平均分子量1,011、0.47モル)、希釈溶剤として酢酸エチル200g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを仕込み、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が4.5%以下となった時点で60℃まで冷却し、2−ヒドロキシエチルアクリレート112g(0.97モル)、重合禁止剤としてメトキシフェノール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A−2)(重量平均分子量:4,800、粘度:5,600mPa・s/20℃)を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート211g(0.95モル)、ポリエステルポリオール476g(直鎖構造2官能、多価カルボン酸成分:アジピン酸、多価アルコール成分:ジエチレングリコール、水酸基価112mgKOH/g、水酸基価から計算される数平均分子量1,002、0.47モル)、希釈溶剤として酢酸エチル200g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを仕込み、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が4.5%以下となった時点で60℃まで冷却し、2−ヒドロキシエチルアクリレート113g(0.97モル)、重合禁止剤としてメトキシフェノール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A−3)(重量平均分子量:4,800、粘度:4,700mPa・s/20℃)を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート226g(1.02モル)、ポリエステルポリオール253g(直鎖構造2官能、多価カルボン酸成分:イソフタル酸、多価アルコール成分:3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、水酸基価226mgKOH/g、水酸基価から計算される数平均分子量496、0.51モル)、希釈溶剤として酢酸エチル400g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを仕込み、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が4.9%以下となった時点で60℃まで冷却し、2−ヒドロキシエチルアクリレート121g(1.04モル)、重合禁止剤としてメトキシフェノール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A−4)(重量平均分子量:2,800、粘度:130mPa・s/20℃)を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート169g(0.76モル)、ポリエステルポリオール741g(直鎖構造2官能、多価カルボン酸成分:アジピン酸、多価アルコール成分:エチレングリコール,1,4−テトラメチレンジオール、水酸基価57.6mgKOH/g、水酸基価から計算される数平均分子量1,948、0.38モル)、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを仕込み、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が4.9%以下となった時点で60℃まで冷却し、2−ヒドロキシエチルアクリレート90g(0.78モル)、重合禁止剤としてメトキシフェノール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A−5)(重量平均分子量:10,000、粘度:15,000mPa・s/60℃)を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、2,4−トリレンジイソシアネート184g(1.06モル)、ポリエステルポリオール490g(直鎖構造2官能、多価カルボン酸成分:アジピン酸,イソフタル酸、多価アルコール成分:1,6−ヘキサメチレンジオール、水酸基価121mgKOH/g、水酸基価から計算される数平均分子量927、0.53モル)、希釈溶剤として酢酸エチル200g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを仕込み、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が5.1%以下となった時点で60℃まで冷却し、2−ヒドロキシエチルアクリレート126g(1.08モル)、重合禁止剤としてメトキシフェノール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A−6)(重量平均分子量:4,700、粘度:7,500mPa・s/20℃)を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート104g(0.47モル)、ポリエステルポリオール473g(直鎖構造2官能、多価カルボン酸成分:アジピン酸、多価アルコール成分:エチレングリコール,1,4−テトラメチレンジオール、水酸基価55.5mgKOH/g、水酸基価から計算される数平均分子量2,022、0.23モル)、希釈溶剤として酢酸エチル200g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを仕込み、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が2.5%以下となった時点で60℃まで冷却し、水酸基価121mgKOH/gであるペンタエリスリトールのアクリル酸付加物223g(0.48モル)、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A−7)(重量平均分子量:11,000、粘度:8,100mPa・s/20℃)を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート65g(0.29モル)、ポリエステルポリオール296g(直鎖構造2官能、多価カルボン酸成分:アジピン酸、多価アルコール成分:エチレングリコール,1,4−テトラメチレンジオール、水酸基価55.5mgKOH/g、水酸基価から計算される数平均分子量2,022、0.15モル)、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを仕込み、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が3.4%以下となった時点で60℃まで冷却し、水酸基価121mgKOH/gであるペンタエリスリトールのアクリル酸付加物139g(0.30モル)、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A−8)を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート483g(2.17モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレート517g(4.45モル)、重合禁止剤としてメトキシフェノール0.4g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A’−1)(重量平均分子量:790、粘度:3,500mPa・s/60℃)を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート300g(1.35モル)、ポリカーボネートポリオール539g(直鎖構造2官能、原料成分:エチレンカーボネート,1,5−ペンタメチレンジオール,1,6−ヘキサメチレンジオール、水酸基価141mgKOH/g、水酸基価から計算される数平均分子量799、0.68モル)、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを仕込み、80℃で反応させた。残存イソシアネート基が6.8%以下となった時点で70℃まで冷却し、2−ヒドロキシエチルアクリレート161g(1.38モル)、重合禁止剤としてメトキシフェノール0.4gを更に仕込み、70℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A’−2)(重量平均分子量:5,000、粘度:55,000mPa・s/60℃)を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体化合物(イソシアヌレート体)293g(0.49モル)、水酸基価120mgKOH/gであるペンタエリスリトールのアクリル酸付加物707g(1.51モル)、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを仕込み、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(重量平均分子量:11,000、粘度:17,000mPa・s/60℃)を得た。
製造例1にて作製したウレタンアクリレート系化合物(A−1)の樹脂分100部に対して、光硬化開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASFジャパン社製、商品名:Irgacure184)4部を加え、金属薄膜用アンダーコート剤組成物を得た。その後、固形分40%となるように酢酸エチルを希釈溶剤として、上記金属薄膜用アンダーコート剤組成物に加えることにより、アンダーコート剤を得た。
実施例1におけるウレタンアクリレート系化合物(A−1)の代わりに、後記の表1に記載したとおり、上記製造例2〜7および上記比較製造例1,2で製造したウレタンアクリレート系化合物を用いた以外は、実施例1と同様にしてアンダーコート剤を得た。
実施例および比較例で配合したアンダーコート剤を、易接着ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4300、厚み125μm)上に、バーコーターによって塗布し、60℃で3分間乾燥させた後、高圧水銀灯にて積算光量800mJ/cm2となるよう紫外線照射し、アンダーコート剤を硬化させ、膜厚5μmの評価用塗膜サンプル(アンダーコート層付き基材フィルム)を作製した。
以降の評価は上記で得た評価用塗膜サンプルを用いて行った。
上記の評価用塗膜サンプルを用いて、JIS K 5600−5−1に準じて、アンダーコート層が外曲げになるように円筒形マンドレル屈曲試験機を用いて屈曲性の評価を行った。評価用塗膜サンプルを試験棒に巻き付けた際に、割れまたは剥がれが生じる最大の径(整数値、mm)を測定し、下記のとおり評価した。
(評価基準)
○:2mmφ未満
×:2mmφ以上
上記の評価用塗膜サンプルのアンダーコート層上に、抵抗加熱式 真空蒸着装置(サンユー電子社製「SVC−700TM、SVC−700−2」)を用いて銅薄膜を膜厚500nmで形成し、銅薄膜層付き積層フィルムを得た。得られたフィルムについて、銅薄膜とアンダーコート層との密着性を、1mmクロスカット碁盤目密着試験を行い、下記の通り評価した。
(評価基準)
○:91/100以上(残存個数/測定個数)
△:80/100以上、90/100以下
×:79/100以下
上記の評価用塗膜サンプルの透明性についてヘイズメーター(日本電色工業社製「ND
H 2000」)を用いて、ヘイズ値(%)を測定し、下記の通り評価した。
(評価基準)
○:ヘイズ値が0.9%未満
×:ヘイズ値が0.9%以上
一方、ポリエステル系ポリオール化合物(a3)を含有しない比較例1、比較例2については、屈曲性、塗膜外観には優れていたが、金属密着性に劣っていた。
製造例7にて作製したウレタンアクリレート系化合物(A−7)の樹脂分85部に対して、参考製造例1にて作製したウレタンアクリレートを15部加えた、合計100部に対して、光硬化開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASFジャパン社製、商品名:Irgacure184)4部を加え、金属薄膜用アンダーコート剤組成物を得た。その後、固形分40%となるように酢酸エチルを希釈溶剤として、上記金属薄膜用アンダーコート剤組成物に加えることにより、アンダーコート剤を得た。
製造例7にて作製したウレタンアクリレート系化合物(A−7)の樹脂分85部に対して、水酸基価121mgKOH/gであるペンタエリスリトールのアクリル酸付加物を15部加えた、合計100部に対して、光硬化開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASFジャパン社製、商品名:Irgacure184)4部を加え、金属薄膜用アンダーコート剤組成物を得た。その後、固形分40%となるように酢酸エチルを希釈溶剤として、上記金属薄膜用アンダーコート組成物に加えることにより、アンダーコート剤を得た。
参考例7におけるウレタンアクリレート系化合物(A−7)を60部、ペンタエリスリトールのアクリル酸付加物を40部とした以外は、参考例7と同様にしてアンダーコート剤を得た。
参考例7におけるウレタンアクリレート系化合物(A−7)を50部、ペンタエリスリトールのアクリル酸付加物を50部とした以外は、参考例7と同様にしてアンダーコート剤を得た。
上記の金属密着性評価と同様の方法にて、銅薄膜層付き積層フィルムを作製し、得られたフィルムの銅薄膜の外観を観察した。
(評価基準)
○:金属光沢があり、白化が全くない
△:金属光沢があり、わずかに白化がある
×:金属光沢がなく、白化がある
上記の評価用塗膜サンプルについて、JIS K 5600−5−4に準じて鉛筆硬度を測定した。
(評価基準)
◎:H以上
○:HB〜F
△:B
×:2B以下
また、参考例7〜9の金属薄膜用アンダーコート剤から得られた評価塗膜用サンプル(アンダーコート層)は、ペンタエリスリトールのアクリル酸付加物を配合することによって、金属密着性や金属蒸着膜外観を損ねることなく、さらに硬度に優れるものであった。
製造例8のウレタンアクリレート系化合物(A−8)に水酸基価121mgKOH/gであるペンタエリスリトールのアクリル酸付加物500gをさらに加え、均一になるまで撹拌し、無溶剤型の金属薄膜用アンダーコート剤(粘度:54,000mPa・s/20℃、1,800mPa・s/60℃)を得た。
Claims (9)
- 水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)、多価イソシアネート系化合物(a2)およびポリエステル系ポリオール化合物(a3)の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)を含有する金属薄膜用アンダーコート剤組成物であって、
上記ポリエステル系ポリオール化合物(a3)が、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物であり、上記多価アルコールが、水酸基を両末端に有する直鎖状の2価のアルコールであり、上記多価カルボン酸が、芳香族ジカルボン酸を含むことを特徴とする金属薄膜用アンダーコート剤組成物。 - ポリエステル系ポリオール化合物(a3)が水酸基を2〜5個有するポリオール化合物であることを特徴とする請求項1記載の金属薄膜用アンダーコート剤組成物。
- ポリエステル系ポリオール化合物(a3)の数平均分子量が、300〜50,000であることを特徴とする請求項1または2記載の金属薄膜用アンダーコート剤組成物。
- ポリエステル系ポリオール化合物(a3)が多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物であり、多価カルボン酸が、テレフタル酸、イソフタル酸、およびこれら酸のエステル形成性誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属薄膜用アンダーコート剤組成物。
- ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の重量平均分子量が1,000〜100,000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属薄膜用アンダーコート剤組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属薄膜用アンダーコート剤組成物を含有してなることを特徴とする金属薄膜用アンダーコート剤。
- 基材フィルム上に、請求項6記載の金属薄膜用アンダーコート剤からなるアンダーコート層を有することを特徴とするアンダーコート層付き基材フィルム。
- 請求項7記載のアンダーコート層付き基材フィルムのアンダーコート層上に、金属薄膜層を有することを特徴とする金属薄膜層付き積層フィルム。
- 金属薄膜層が銅薄膜であることを特徴とする請求項8記載の金属薄膜層付き積層フィルム。
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