JP6941235B2 - イミダゾピリジン誘導体及び薬物としてのその使用 - Google Patents

イミダゾピリジン誘導体及び薬物としてのその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP6941235B2
JP6941235B2 JP2020530609A JP2020530609A JP6941235B2 JP 6941235 B2 JP6941235 B2 JP 6941235B2 JP 2020530609 A JP2020530609 A JP 2020530609A JP 2020530609 A JP2020530609 A JP 2020530609A JP 6941235 B2 JP6941235 B2 JP 6941235B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mmol
compound
following structure
disorders
enantiomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020530609A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021505584A (ja
Inventor
リカルド ジョヴァンニーニ
リカルド ジョヴァンニーニ
アンジェロ チェチ
アンジェロ チェチ
ゲオルク ダーマン
ゲオルク ダーマン
ツィオセック コルネリア ドルナー
ツィオセック コルネリア ドルナー
ローター クスマウル
ローター クスマウル
ローラント プファウ
ローラント プファウ
ディーター ヴィーデンマイヤー
ディーター ヴィーデンマイヤー
Original Assignee
ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング, ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング filed Critical ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
Publication of JP2021505584A publication Critical patent/JP2021505584A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6941235B2 publication Critical patent/JP6941235B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D471/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00
    • C07D471/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D471/04Ortho-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/535Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with at least one nitrogen and one oxygen as the ring hetero atoms, e.g. 1,2-oxazines
    • A61K31/53751,4-Oxazines, e.g. morpholine
    • A61K31/53771,4-Oxazines, e.g. morpholine not condensed and containing further heterocyclic rings, e.g. timolol
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/24Antidepressants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B2200/00Indexing scheme relating to specific properties of organic compounds
    • C07B2200/07Optical isomers

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pyrrole Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Nitrogen- Or Sulfur-Containing Heterocyclic Ring Compounds With Rings Of Six Or More Members (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)

Description

本発明は、一般式Aの新規イミダゾピリジンに関する。
Figure 0006941235
また、本発明は該イミダゾピリジンの調製方法、これらを含有する医薬組成物、及び治療法におけるこれらの使用、具体的にはNR2Bネガティブアロステリック調節特性に関連する治療又は予防におけるこれらの使用に関する。一般式Aによる本発明の化合物はNR2Bネガティブアロステリック調節特性を示す。
過去20年間にわたる広範な研究から、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDA)が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ジスキネジア、脳卒中、運動ニューロン疾患、精神病、てんかん、不安症、統合失調症、及び疼痛において重要な役割を果たすことが示されてきた。主に麻酔の開始及び維持に用いられる非選択的NMDA受容体拮抗薬ケタミン(ラセミ体及びS鏡像異性体)は、過去数年にわたり、麻酔域下用量での大うつ病性障害(MDD)の治療において臨床的効果を示してきた(Murrough et al.2013,Am J Psychiatry.170:1134、Singh et al.2016,Biol Psychiatry.80:424)。より正確には、ケタミンは標準薬物治療への反応が不十分なMDD患者で速やかに効果を発現し、これが数日間持続する(Berman et al.2000.Biol Psychiatry 47:351、Serafini et al.2014.Curr.Neuropharmacol.12:444)。しかしながら、非選択的NMDA受容体拮抗薬には様々な望ましくない作用があるため適用が限定される。特にケタミンなどの非選択的NMDA受容体拮抗薬では、解離性及び心因性の副作用が顕著である(Krystal et al.1994.Arch.Gen.Psychiatry 51:199)。1990年代前半には、様々なNR2(A−D)サブユニットを含む多様なNMDA受容体サブタイプが存在することがわかった(Paoletti et al.,2013 Nat Rev.Neurosci 14:383)。最近ではNR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体ネガティブアロステリック調節因子(NR2B NAM)が関心を集め、注意、情動、気分、疼痛といった幅広い臨床適応や、ヒトの様々な障害への関与の可能性が示されている(Mony et.al.2009.Br.J.Pharmacol.157:1301、Chaffey et al.,Current Anaesthesia&Critical Care 19,183)。特にNR2B NAMは臨床試験の初期段階で抗うつ効果も示した(Preskorn et al.2008.J Clin Psychopharmacol 70:58)。NR2B NAMを用いて様々なトランスジェニックマウス株に投与した前臨床試験では、NMDA受容体を含むNR2Bが、例えば強制水泳試験でケタミンのプラスの作用を媒介していることが示されている(Miller et al.2014 eLife 3:e03581、Kiselycznyk et al.2015,Behav Brain Res,287:89)。更に、選択的NR2B NAMは解離性及び精神異常発現性の副作用が大幅に少ないため、ケタミンなどの非選択的NMDA受容体拮抗薬よりも優れている(Jimenez−Sanchez et al.2014.Neuropsychopharmacology 39:2673)。前述したNR2B NAMは、その受容体の薬理及び/又はその他の薬物特性に欠点があることが示されており、ヒトの薬物治療における使用の可能性が限られている(Taylor,et al.,2006,Clin Pharmacokinet.45:989、Addy et al.2009 J of Clinical Pharmacology 49:856)。
国際公開第2016/29146号は式(I)の化合物を開示している。
Figure 0006941235
(I)
式(I)の化合物は抗生物質として有用なメチオニルtRNAシンテターゼ(MetRS)阻害剤である。国際公開第2016/29146号に記載されている式(I)は、ベンズイミダゾール又はイミダゾピリジン基礎構造を示す具体例1734、1744、1745、1757、1758、1785、及び1790を含んでいる。
国際公開第2016/29146号の具体例1734、1744、1745、1757、1758、1785、及び1790では、NR2Bイオンチャネルのネガティブアロステリック調節が不十分、又は活性がまったくないのに対し(表2参照)、本発明の化合物は、驚いたことに強力なNR2Bネガティブアロステリック調節因子(表1参照)であることがわかっている。
更に本発明の化合物は、良好な膜透過性と低度から中程度のin vitro排出を示す(MDCKアッセイMDR1(p−GP)については表3、MDCKアッセイBCRPについては表4参照)。従って本発明の化合物は、有効なCNS薬物に必要な好ましい脳透過性を示すことが見込まれる。MDCKアッセイでは、化合物が血液脳関門を通過する可能性に関する情報が得られる。透過性フィルター支持体上で成長した極性化されたコンフルエントなMDCK−MDR1細胞単層を横断する透過性測定をin vitro吸収モデルとして用いる。MDCK−MDR1細胞単層を横断する化合物の見かけの透過係数(PE)は、頂端膜側から基底膜側(apical−to−basal:AB)及び基底膜側から頂端膜側(basal−to−apical:BA)輸送方向で測定する(pH7.4、37℃)。AB透過性(PEAB)は血液から脳への薬物吸収を、BA透過性(PEBA)は脳から血液に戻る薬物排出を、すなわち受動的な透過性と、主に過剰発現されたヒトMDR1によってMDCK−MDR1細胞上で発現される排出輸送体及び取り込み輸送体によって仲介される能動輸送機構とを表す。両方の輸送方向における同一又は類似の透過性は受動的な透過性を示し、方向性のある透過性は更に能動輸送機構があることを示唆している。PEABよりPEBAが高ければ(PEBA/PEAB>5)、MDR1によって仲介される能動排出の関与を示しており、十分な脳曝露を達成するという目標が実現されない可能性がある。従ってこのアッセイで、更なるin vivo試験に適用できる化合物選択の貴重な裏づけが得られる。血液脳関門における排出によって制限されない高い透過性は、主にCNSで作用する薬物に用いられる化合物にとって好都合な特徴である。同様の概念はMDCK BCRPアッセイとその解釈にも適用でき、故に、血液脳関門における高い透過性を確保することは、MDR1輸送体とBCRP輸送体の両方で排出を最小限に抑える(排出<5)のに非常に好ましい。
更に本発明の化合物は、ヒト肝ミクロソームにおいて代謝的に安定している(表5、代謝安定性参照)。従って本発明の化合物は、ヒトにおいて好ましいin vivoクリアランス、及びそれにより所望の作用時間を有していると想定される。ヒト肝ミクロソームにおける安定性は、好ましい薬物動態特性を有する薬物の選択及び/又は設計に関連した化合物の生体内変化に対する感受性を示す。多くの薬物の主な代謝部位は肝臓である。ヒト肝ミクロソームはシトクロムP450(CYP)を含んでおり、故にin vitroでの薬物代謝を調べるモデルシステムとなる。ヒト肝ミクロソームにおける安定性が高いと、高いバイオアベイラビリティや十分な半減期といった利点がいくつかあり、これにより患者への投与量や投与回数を減らすことができる。従ってヒト肝ミクロソームにおける高い安定性は、薬物に使用される化合物の好ましい特徴である。結果として本発明の化合物は、ヒトへの使用がもっと実現可能である必要がある。従って、目的とする技術的課題は、強力なNR2Bネガティブアロステリック調節因子を提供することである。
本発明は式Aの新規イミダゾピリジンを提供する。
Figure 0006941235
上式で、
1は、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、シクロプロピル、F2HC−、FH2C−、F3C−からなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい、フェニルを表す;
2は水素、メチルを表す;
3は水素、フルオロを表す;
又はこれらの塩、特にこれらの薬学的に許容される塩を表す。
別の実施形態では、一般式Aにおいて、R1は前述のいずれかの実施形態に定めるのと同じ意味を有し、及び
2は水素を表し;
3はフルオロを表す。
別の実施形態では、一般式Aにおいて、R1は前述のいずれかの実施形態に定めるのと同じ意味を有し、及び
2はメチルを表し;
3は水素を表す。
別の実施形態では、一般式Aにおいて、R1は前述のいずれかの実施形態に定めるのと同じ意味を有し、並びに
2及びR3は水素を表す。
別の実施形態では、一般式Aにおいて、R2及びR3は前述のいずれかの実施形態に定めるのと同じ意味を有し、並びに
1は、フルオロ、クロロ、メチル、F2HC−からなる群から選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよい、フェニルを表す。
別の実施形態では、一般式Aにおいて、R2及びR3は前述のいずれかの実施形態に定めるのと同じ意味を有し、並びに
1は以下を表す。
Figure 0006941235
本発明は、予想外に強力なNR2Bネガティブアロステリック調節因子である一般式Aの新規イミダゾピリジンを提供する。
本発明の別の態様は、適切な膜透過性と低度から中程度のin vitro排出を示すNR2Bネガティブアロステリック調節因子である式Aの化合物に関する。
本発明の別の態様は、ヒト肝ミクロソームにおいて高い代謝安定性を示すNR2Bネガティブアロステリック調節因子である式Aの化合物に関する。
本発明の別の態様は、適切な膜透過性、低度から中程度のin vitro排出、及びヒト肝ミクロソームにおいて高い代謝安定性を示すNR2Bネガティブアロステリック調節因子である式Aの化合物に関する。
本発明の別の態様は、式Aの少なくとも1つの化合物に加え、任意選択で1種又は複数種の不活性担体及び/又は希釈剤を含んでいてもよい医薬組成物に関する。
本発明の更なる態様は、NR2Bネガティブアロステリック調節因子に関連する疾患の予防及び/又は治療に使用する、式Aの化合物に関する。
本発明の別の態様は、本発明の化合物の製造方法に関する。
調製
以下のスキームは、一例として、一般式Aの化合物及び対応する中間化合物の製造方法を大まかに説明するものである。省略した置換基は、スキームの文脈内で別段定義しない限り、上記で定義した通りであり得る。
スキーム1
Figure 0006941235
スキーム2
Figure 0006941235
別法として、スキーム1及び2の合成は、出発原料としてモルホリン−2,4−ジカルボン酸4−tert−ブチルエステル(ラセミ体)を用いて行うことができる。
スキーム1及び2はいずれも、40ミリモルの所望の置換モルホリン(ラセミ体又はS鏡像異性体;実施セクションの実施例3b、3d、3e)から開始し、過剰な所望の置換ベンジルアルコール、DIPEA(3当量)、溶媒としてCDI及びDMFなどの必要なカップリング剤を用いて、最終化合物のグラムスケール合成にうまく用いることができる。代替的なグラムスケール合成は、対応するモルホリン(ラセミ体又はS鏡像異性体;40ミリモル)、TEA(2.5当量)、わずかに過剰な必要な炭酸イミドイル、及び溶媒として1/1のCH3CN/THF混合物を用いて行うことができる。スキーム1及び2において、すべての置換基R1、R2、R3は、一般式A、それを直接参照する本発明のすべての実施形態、及び具体的には特許請求の範囲に定義される意味を有する。
一般的定義
本明細書で具体的に定義していない用語には、本開示及び文脈に照らして、当業者が与えるであろう意味が与えられるものとする。本発明の化合物が化学名及び式の形で表現される場合、矛盾があれば式が優先される。アスタリスクは、コア分子に結合している結合、又は定義するようにそれが結合している置換基に結合している結合を示すために下位式で使用し得る。本明細書で使用する「置換された」という用語は、指定された原子上の任意の1個又は複数個の水素が、指定した群から選択したものと置き換えられることを意味するが、ただし、指定された原子の実行可能な価電子数を超えず、かつ置換が安定な化合物をもたらすものとする。
立体化学:
特に明記しない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲全体を通して、所与の化学式又は名称は、回転異性体、互変異性体、並びにすべての立体異性体、光学異性体、及び幾何異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、E/Z異性体など)、並びにこれらのラセミ化合物、並びに異なる比率の別々の鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、又はそのような異性体及び鏡像異性体が存在する任意の前述した形態の混合物、並びにこれらの薬学的に許容される塩を含む塩を包含するものとする。
一般式Aは互変異性体A−1及びA−2の両方を含む。
Figure 0006941235
Figure 0006941235
本発明の化合物はすべて、互変異性型A−1及び/又はA−2の中に存在する。

本明細書において、「薬学的に許容される」という表現は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激性、アレルギー反応などの問題や合併症なしにヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適し、かつ妥当なリスク対効果比に見合った化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指す。本明細書で使用する「薬学的に許容される塩」は、開示された化合物の誘導体を指し、親化合物は酸又は塩基とともに塩又は錯体を形成する。塩基部分を含む親化合物とともに薬学的に許容される塩を形成する酸の例として、鉱酸又は有機酸、例えばベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、ゲンチジン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、リン酸、サリチル酸、コハク酸、硫酸、若しくは酒石酸などがある。酸部分を含む親化合物とともに薬学的に許容される塩を形成するカチオン及び塩基の例として、Na+、K+、Ca2+、Mg2+、NH4+、L−アルギニン、2,2’−イミノビスエタノール、L−リジン、N−メチル−D−グルカミン、又はトリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタンなどがある。本発明の医薬的に許容される塩は、従来の化学的方法によって塩基部分又は酸部分を含む親化合物から合成できる。一般にこのような塩は、これらの化合物の遊離酸又は塩基形態を、水中又は有機希釈剤中、例えばエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、若しくはアセトニトリル、又はこれらの混合物中の十分な量の適切な塩基又は酸と反応させることによって調製できる。例えば本発明の化合物(例えばトリフルオロ酢酸塩)の精製又は単離に有用な上記以外の酸の塩も本発明の一部を構成する。
バイオアッセイとデータ
略語リスト
BCRP:乳がん耐性タンパク質
DMEM:ダルベッコ改変イーグル培地
FBS:ウシ胎児血清
FLIPR:蛍光イメージングプレートリーダー
HEK293:ヒト胎児腎細胞由来の細胞株
HEPES:ヒドロキシエチル−ピペラジンエタン−スルホン酸バッファー
MDCK:メイディン・ダービー・イヌ腎臓細胞
MDR1:多剤耐性タンパク質1
p−GP:P糖タンパク質
in vitro効果:
in vitro薬理活性の判定
本発明の化合物の活性は、次のin vitro NMDA NR1/NR2b細胞アッセイを用いて実証し得る。
方法:
ヒトHEK293細胞株とNMDA NR1/NR2B受容体のテトラサイクリン誘導発現とを、化合物の有効性と効力の試験システムとして用いた。細胞株はChanTest社のカタログ番号CT6121を購入した。化合物活性は、グリシン/グルタミン酸受容体活性化作用によって生じる、化合物が細胞内カルシウム濃度に及ぼす影響を、FLIPR Tetraシステム(Molecular Devices)で測定して判定した。
細胞培養:
細胞はクライオチューブで凍結細胞として入手し、使用するまで−150℃で保管した。細胞は培地(DMEM/F12、10%FBS、5μg/mLブラストサイジン、150μg/mL Zeocin(原文:Zeozin)、500μg/mL Geneticin)で培養した。密度が80%コンフルエンスを超えないようにすることが重要である。サブコンフルエントとするため、細胞はVerseneを用いてフラスコから剥離した。アッセイのために細胞を剥離し、誘導培地(グルタミンを含まないDMEM/F12、10%FBS、2μg/mLテトラサイクリン、2mMケタミン)で2回洗浄し、PureCoatアミン384ウェルプレート(BD359324、50μL中に1ウェル当たり50000細胞)に播種し、48時間後に誘導培地でアッセイを行った。
化合物の調製
試験化合物を100%DMSOに10mMの濃度で溶解し、第1のステップでDMSOに希釈して濃度を5mMにし、次いで100%DMSOで連続希釈ステップを実施した。希釈倍率と希釈ステップ数は必要に応じて変化し得る。通常、1:5希釈による8つの異なる濃度を2つずつ調製し、更に水性アッセイバッファー(137mM NaCl、4mM KCl、1.8mM CaCl、10mM HEPES、10mM グルコース、pH7.4)を用いて物質の中間希釈(1:37.5)を行い、最終試験濃度の3倍の化合物濃度と2.7%のDMSOを得て、アッセイにおける最終DMSO濃度を0.9%とした。
FLIPRアッセイ:
アッセイの日に細胞をアッセイバッファーで3回洗浄し、洗浄後、ウェルに10μLのバッファーが残った。10μLのCaキットローディングバッファー(AAT Bioquest)を細胞に添加し、プレートにフタをして60分間、室温で培養した。60μMのグリシン(最終20μM)及び3μMのグルタミン酸(最終1μM)を含む20μLのアッセイバッファーをカラム1〜23に添加した。蛍光(NR1/NR2Bイオンチャネル活性化の結果としてカルシウム流入を示す)をFLIPR Tetra装置で60秒間読み取り、グルタミン酸誘導作用を観察した。2分後、アッセイバッファー中の20μLの化合物又は対照(1〜22列)を慎重にウェルに添加した。蛍光をFLIPR Tetra装置で更に6分間読み取り、アゴニストによる活性化後の化合物誘導作用を観察した。化合物添加の5分後と5分10秒後に行った2回の測定の平均を計算し、更にこれを用いてIC50計算を行った。各アッセイマイクロタイタープレートは、グリシン/グルタミン酸誘導蛍光の対照(高対照)として化合物の代わりにDMSO対照を入れたウェル(カラム23又は24)、及び低対照として1μMの参照NR2b NAM(化合物22;Layton,Mark E et al,ACS Chemical Neuroscience 2011,2(7),352−362参照)を入れたウェルを含んでいた。
データ評価と計算:
リーダーの出力ファイルには、ウェル番号及び測定した平均蛍光単位が含まれる。データ評価と計算のために、低対照の測定値を0%対照、高対照の測定値を100%対照として設定した。IC50値は標準4パラメーターロジスティック回帰式を用いて計算した。計算:[y=(a−d)/(1+(x/c)^b)+d]、a=低値、d=高値;x=濃度(M);c=IC50(M);b=傾き。一般構造式Aで表され、低IC50値を示すNR2Bネガティブアロステリック調節因子が好ましい。
Figure 0006941235
Figure 0006941235
MDCKアッセイMDR−1(p−GP)
MDCK−MDR1単層(ヒトMDR1 cDNA発現プラスミドで形質転換したMDCKII細胞)を横断する化合物の見かけの透過係数(Papp)は、頂端膜側から基底膜側(AB)及び基底膜側から頂端膜側(BA)方向で測定する。MDCK−MDR1細胞(6×105細胞/cm2)をフィルターインサート(Corning社、Transwell、ポリカーボネート、孔径0.4μm)上に播種し、9〜10日間培養する。DMSO原液(1〜20mM)に溶解した化合物は、0.25% BSAを補充したHTP−4水性バッファー(128.13mM NaCl、5.36mM KCl、1mM MgSO4、1.8mM CaCl2、4.17mM NaHCO3、1.19mM Na2HPO4、0.41mM NaH2PO4、15mM HEPES、20mMグルコースpH7.4)で希釈し、輸送溶液を調製する(最終濃度:1μM又は10μM、最終DMSO≦0.5%)。輸送溶液は頂端膜側又は基底膜側のドナー側に添加し、それぞれAB又はBA透過性を測定する。レシーバー側は0.25% BSAを補充したHTP−4バッファーを含む。実験の最初と最後にドナーから、また最長2時間の様々な時間間隔でレシーバー側からも、HPLC−MS/MSでの濃度測定用に試料を採取する。レシーバーから採取した分量を新たなレシーバー溶液で補う。排出率はPapp(b−a)値をPapp(a−b)値で割って計算する。結果を表3に示す。
Figure 0006941235
上述の実験結果から、本発明の化合物は良好な膜透過性と低度から中程度のin vitro排出を示す強力なNR2B NAMであることが示される。
MDCKアッセイBCRP
MDCK−BCRP単層(ヒトBCRP cDNA発現プラスミドで形質転換したMDCKII細胞)を横断する化合物の見かけの透過係数(Papp)は、頂端膜側から基底膜側(AB)及び基底膜側から頂端膜側(BA)方向で測定する。MDCK−BCRP細胞(6×105細胞/cm2)をフィルターインサート(Corning社、Transwell、ポリカーボネート、孔径0.4μm)上に播種し、9〜10日間培養する。DMSO原液(1〜20mM)に溶解した化合物は、0.25% BSAを補充したHTP−4水性バッファー(128.13mM NaCl、5.36mM KCl、1mM MgSO4、1.8mM CaCl2、4.17mM NaHCO3、1.19mM Na2HPO4、0.41mM NaH2PO4、15mM HEPES、20mMグルコースpH7.4)で希釈し、輸送溶液を調製する(最終濃度:1μM又は10μM、最終DMSO≦0.5%)。輸送溶液は頂端膜側又は基底膜側のドナー側に添加し、それぞれAB又はBA透過性を測定する。レシーバー側は0.25% BSAを補充したHTP−4バッファーを含む。実験の最初と最後にドナーから、また最長2時間の様々な時間間隔でレシーバー側からも、HPLC−MS/MSでの濃度測定用に試料を採取する。レシーバーから採取した分量を新たなレシーバー溶液で補う。排出率はPapp(b−a)値をPapp(a−b)値で割って計算する。結果を表4に示す。
Figure 0006941235
代謝安定性
試験化合物の代謝分解を、プールしたヒト肝ミクロソームを用いて37℃でアッセイした。1時点あたりの60μLの最終インキュベーション容量には、室温でのTRISバッファー(pH7.6)(0.1M)、塩化マグネシウム(5mM水溶液)、ミクロソームタンパク質(ヒトで1mg/mL)、及び最終濃度が1μMの試験化合物が含まれる。37℃で短時間プレインキュベーションした後、β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸還元型(NADPH、1mM)を添加して反応を開始し、様々な時点でアリコートを溶媒に移して反応を停止させた。遠心分離(10000g、5分間)後、上澄みのアリコートを、親化合物の量に対してLC−MS/MSでアッセイした。半減期は濃度時間特性の片対数プロットの傾きで判定した。結果を表5に示す。
Figure 0006941235
本発明は、以下の主要パラメーターの好ましい組み合わせを予想外にもたらす式Aの化合物を提供する。
1)NR2Bネガティブアロステリック調節、
2)ヒト肝ミクロソームにおける好ましい安定性、並びに
3)MDR1及びBCRP輸送体の両方で中程度から低度のin vitro排出。
医薬組成物
本発明の化合物を投与するための適切な製剤は当業者には明らかであり、例えば、錠剤、丸剤、カプセル、座薬、ロゼンジ、トローチ、溶液、シロップ、エリキシル、サシェ、注射剤、吸入剤、粉剤などがある。薬学的に活性な化合物の含有量は、組成物全体の0.1〜95質量%、好ましくは5.0〜90質量%の範囲で変化し得る。適切な錠剤は、例えば本発明の化合物を既知の賦形剤、例えば不活性希釈剤、担体、崩壊剤、アジュバント、界面活性剤、結合剤、及び/又は潤滑剤と混合し、得られた混合物を圧縮して錠剤を形成することによって得られ得る。
治療での使用/使用方法
NR2B NAMのヒト治療用途は、Traynelis et al.,Pharmacology Reviews,2010, 62:405、Beinat et al.,Current Medicinal Chemistry,2010,17:4166、及びMony et.al.2009.Br.J.Pharmacol.157:1301のレビューにまとめられている。本発明は、精神障害、精神疾患、及び精神状態の治療において有用な化合物に関し、NR2Bのネガティブアロステリック調節は以下の治療に効果がある:(1)気分障害及び気分情動障害;(2)統合失調症スペクトラム障害;(3)不安障害を含む神経症性障害、ストレス関連障害、及び身体表現性障害;(4)心理的発達の障害;(5)生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群;(6)物質関連障害及び嗜癖障害;(7)不快及び快の感情価の症状を伴う疾患。
本発明の化合物は、その薬理学的効果から、以下のリストから選択される障害、疾患、又は状態の治療における使用に好適である。
(1)双極I型障害うつ病状態、軽躁状態、躁状態、及び混合状態;双極II型障害;抑うつ病性障害、例えば単一抑うつエピソード又は反復性大うつ病性障害、小うつ病性障害、産後発症の抑うつ病性障害、精神病症状を伴う抑うつ病性障害;不安性の苦痛、混合性の特徴、メランコリアの特徴、非定型の特徴、気分に一致する精神病性の特徴、気分に一致しない精神病性の特徴、緊張病を伴う又は伴わない大うつ病性障害などの気分障害及び気分情動障害の治療。
(2)統合失調症、並びに関連する陰性症状及び認知症状を伴う統合失調感情障害を含む、統合失調症スペクトラム障害及び他の精神病性障害に属する気分障害の治療。
(3)不安障害を含む神経症性障害、ストレス関連障害、及び身体表現性障害、一般不安障害、広場恐怖症を伴う又は伴わないパニック障害、特定恐怖症、社会恐怖症、慢性不安障害;強迫性障害;重度のストレスに対する反応、及び適応障害、例えば心的外傷後ストレス障害;その他の神経症性障害、例えば離人感・現実感消失症候群に属する障害の治療。
(4)アスペルガー症候群及びレット症候群などの広汎性発達障害、自閉性障害、精神遅滞及び常同運動に関連した小児自閉症及び過動性障害、運動機能の特異的発達障害、学力の特異的発達障害、注意欠陥/多動性障害などの心理的発達の障害の治療。
(5)産後うつ病などの産褥に関連した精神及び行動の障害;神経性食欲不振症及び神経性過食症及びその他の衝動制御障害などの摂食障害を含む生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群の治療。
(6)アルコール、大麻、幻覚剤、興奮剤、睡眠薬、タバコによって誘発される物質使用障害である物質関連障害及び嗜癖障害の治療。
(7)アンヘドニア、持続的な脅威及び喪失感、自殺念慮などの不快及び快の感情価の症状を伴う疾患の治療。
特記しない限り、本明細書で使用する用語「治療する」、「治療」は、疾患、状態、若しくは障害と闘うためのヒト被験者又はヒト患者の管理及びケアを含むものとし、症状若しくは合併症の発症を予防し、症状若しくは合併症を緩和し、又は疾患、状態、若しくは障害を排除するための本発明の化合物の投与を含む。特記しない限り、本明細書で使用する用語「予防」は、(a)1つ若しくは複数の症状の頻度の減少;(b)1つ若しくは複数の症状の重症度の低下;(c)追加の症状の発現の遅延若しくは回避;及び/又は(d)疾患若しくは状態の発現の遅延若しくは回避を含むものとする。別の態様に従って、本発明は、前述の状態の治療及び/又は予防に使用する式Aの化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を提供する。別の態様に従って、本発明は、式Aの化合物を、行動療法、TMS(経頭蓋磁気刺激療法)、ECT(電気痙攣療法)、及びその他の治療法に加えて使用することを特徴とする、前述のいずれか1つの態様による式Aの化合物を提供する。
併用療法
本発明の化合物は、本発明の焦点となっているいずれかの適応症の治療に関連して、当技術分野で用いられることが知られている他の治療選択肢と併用することができる。別の態様に従って、本発明は、式Aの化合物が、デュロキセチン、エシタロプラム、ブプロピオン、ベンラファキシン、デスベンラファキシン、セルトラリン、パロキセチン、フルオキセチン、ボルチオキセチン、ミルタザピン、シタロプラム、ビラゾドン、トラゾドン、アミトリプチリン、クロミプラミン、アゴメラチン、レボミルナシプラン、リチウム、ドキセピン、ノルトリプチリンからなる群から選択される1種又は複数種の抗うつ剤を用いた治療に加えて投与されることを特徴とする、前述のいずれか1つの態様による式Aの化合物を提供する。用語「抗うつ剤」は、うつ病又はうつ症状に関連する疾患の治療に使用できる医薬品又は薬物を意味するものとする。
別の態様に従って、本発明は、式Aの化合物が、アリピプラゾール、パルミチン酸パリペリドン、ルラシドン、クエチアピン、リスペリドン、オランザピン、パリペリドン、ブレクスピプラゾール、クロザピン、アセナピン、クロルプロマジン、ハロペリドール、カリプラジン、ジプラシドン、アミスルプリド、イロペリドン、フルフェナジン、ブロナンセリン、アリピプラゾールラウロキシルからなる群から選択される1種又は複数種の抗精神病薬を用いた治療に加えて投与されることを特徴とする、前述のいずれか1つの態様による式Aの化合物を提供する。用語「抗精神病薬」は、精神病症状又はうつ症状に関連する疾患の治療に使用できる医薬品又は薬物を意味するものとする。
別の態様に従って、本発明は、式Aの化合物が、リスデキサンフェタミン、メチルフェニデート、アンフェタミン、デキサンフェタミン、デクスメチルフェニデート、アルモダフィニル、モダフィニルからなる群から選択される1種又は複数種の精神刺激薬を用いた治療に加えて投与されることを特徴とする、前述のいずれか1つの態様による式Aの化合物を提供する。用語「精神刺激薬」とは、気分障害のような疾患、又は衝動制御障害の治療に使用できる医薬品又は薬物を意味するものとする。
別の態様に従って、本発明は、式Aの化合物が、オキシラセタム、ピラセタム、又は天然物のセントジョーンズワートからなる群から選択される1種又は複数種の向知性薬を用いた治療に加えて投与されることを特徴とする、前述のいずれか1つの態様による式Aの化合物を提供する。
別の態様に従って、本発明は、式Aの化合物と1種又は複数種の抗うつ剤、抗精神病薬、精神刺激薬、向知性薬、又は天然物との組み合わせが、行動療法、TMS(経頭蓋磁気刺激療法)、ECT(電気痙攣療法)、及びその他の治療法に加えて使用されることを特徴とする、前述のいずれか1つの態様による1種又は複数種の抗うつ剤、抗精神病薬、精神刺激薬、向知性薬、又は天然物に加えて投与される式Aの化合物を提供する。
実験セクション
略語:
ACN:アセトニトリル
APCI:大気圧化学イオン化法
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル
CDI:1,1’−カルボニルジイミダゾール
CO2:二酸化炭素
d:日
DCM:ジクロロメタン
DIPE:ジイソプロピルエーテル
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
DMF:ジメチルフォルムアミド
ESI:エレクトロスプレーイオン化(MS法)
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エタノール
Exp.:実施例
h:時間
HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロリン酸塩
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
HPLC−MS:結合高速液体クロマトグラフィー−質量分析法
M:モル濃度(モル/L)
MeOH:メタノール
min:分
MS:質量分析法
MW:分子量
NH3:アンモニア
PSI:ポンド毎平方インチ
rt:室温
t:保持時間
scCO2:超臨界二酸化炭素
solv:溶媒
TBTU:O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロほう酸
TEA:トリエチルアミン
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
SFC:超臨界流体クロマトグラフィー
スペクトルデータ内の略語:
1H−NMR:プロトン磁気共鳴
br:ブロード
δ:化学シフト
d:二重線
dd:二重線の二重線
dt:三重線の二重線
DMSO−d6:ヘキサジュウテロジメチルスルホキシド
H:プロトン
Hz:ヘルツ(=1/秒)
J:結合定数
m:多重線
ppm:百万分率
q:四重線
s:一重線
t:三重線
td:二重線の三重線
一般分析
反応はすべて市販グレードの試薬と溶媒を用いて行った。NMRスペクトルはTopSpin 3.2 pl6ソフトウェアを用いてBruker AVANCE IIIHD 400MHz装置で記録した。化学シフトは内部標準であるトリメチルシランからの百万分の一(ppm)ダウンフィールドでδ単位で表す。選択したデータは、化学シフト、多重度、結合定数(J)、積分で報告される。分析用の薄層クロマトグラフィー(TLC)はMerckシリカゲル60 F254プレートを用いて実施した。化合物はすべて短波UV光を用いて単一スポットとして可視化した。低分解能質量スペクトルはAgilent 1100 Series LCとAgilent 6130四重極質量分析計(エレクトロスプレー正イオン化)を組み合わせた液体クロマトグラフィー−質量分析法(LCMS)を用いて得た。
方法
HPLC−MS法:
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
キラルSFC分析法:
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
中間体の調製:
実施例1a
Figure 0006941235
S−モルホリン−2,4−ジカルボン酸4−tert−ブチルエステル(10g;43.2ミリモル)をDMF(120mL)に溶解し、0℃に冷却した。次いでTBTUを添加し、混合物を15分間撹拌したのち、TEA(12.05mL)と2,3−ジアミノピリジン(4.7g;43.2ミリモル)を添加した。反応混合物は20時間、室温で撹拌したのち、ワークアップした。減圧下でDMFを除去し、未精製品をEtOAc(300mL)と水(100mL)で希釈した後、ガラスフィルターでろ過した。有機相を分離し、炭酸水素ナトリウムの5%水溶液(50mL)で洗浄した。炭酸水素ナトリウム溶液を100mLのEtOAcで逆抽出し、有機相を一緒に合わせて、Na2SO4で乾燥した。溶媒の蒸発後に得られた残留物を、EtOAc/MeOH/NH4OH(97/3/0.3)を用いてフラッシュクロマトグラフィーで精製した。11.5gを得た。
Figure 0006941235
実施例1b
実施例1bは実施例1aに類似して調製した。出発原料:モルホリン−2,4−ジカルボン酸4−tert−ブチルエステル(550mg;2.4ミリモル)、2,3−ジアミノ−5−フルオロピリジン(340mg;2.7ミリモル)、TBTU(850mg;2.6ミリモル)、及びDMF(5mL)中のTEA(1.0mL;7.2ミリモル)。580mgを得た。
Figure 0006941235
実施例2a
Figure 0006941235
実施例1a(11.5g;35.67ミリモル)をDMF(100mL)に溶解し、CsF(7g;50ミリモル)を添加した後、反応混合物を28時間、100℃で撹拌した。室温まで冷却し、減圧下でDMFを除去した。未精製品をEtOAc(250mL)と水(50mL)で分配したあと、有機相を分離し、Na2SO4で乾燥した。溶媒の蒸発後に得られた未精製品をフラッシュクロマトグラフィー(DCM 95/MeOH 5/NH4OH 0.5)で精製し、所望の化合物5.2gを得た。
Figure 0006941235
分析用SFCから部分ラセミ化が起こったことが示された(63.5%ee)。5.2gを調製用キラルSFCにかけた。
Figure 0006941235
Figure 0006941235
Figure 0006941235
実施例2d
2−プロパノール(10mL)中の実施例1b(580mg;1.7ミリモル)及びK2CO3(300mg;2.2ミリモル)を80℃で6時間、環境温度で3日間、更に還流させながら5時間撹拌した。次いで、追加のK2CO3(300mg;2.2ミリモル)を添加し、混合物を16時間還流した。室温に冷却した後、ACNの添加及びろ過を行い、母液を蒸発させ、残留物を調製用HPLC(C−18 X−Bridge;50℃;H2O+0.15%アンモニア:アセトニトリル=85:15→65:35)で精製して、所望の生成物440mgを得た。
Figure 0006941235
実施例2e
DMF(2mL)中の2,3−ジアミノ−4−メチル−ピリジン(85mg;0.69ミリモル)、[(tert−ブトキシ)カルボニル]モルホリン−2−カルボン酸(150mg;0.65ミリモル)、TBTU(220mg;0.69ミリモル)、及びTEA(300μL;2.2ミリモル)からの混合物を環境温度で30分間撹拌した。次いで、酢酸(2mL)を添加し、混合物を16時間、100℃で撹拌した。ジオキサンの添加後、凍結乾燥し、残留物をメタノールに入れ、濃縮アンモニアを数滴添加し、ろ過した後、調製用HPLC(C−18 X−Bridge;50℃;H2O+0.15%アンモニア:アセトニトリル=82:18→62:38)で精製して、所望の生成物120mg(58%)を得た。
Figure 0006941235
実施例3b
実施例2b(1.3g;4.27ミリモル)をDCM(20mL)に溶解し、反応混合物を0℃に冷却した。HCl(5.34mL;ジオキサン中の4N溶液)を添加し、温度を15分後に室温まで上昇させた。反応混合物を15時間撹拌し、DCMを減圧下35℃で蒸発させ、所望の化合物1.15gを得た(実施例3b)。
Figure 0006941235
実施例3d
実施例3dは実施例3bに類似して調製した。出発原料:実施例2d(440mg;1.4ミリモル)及びジオキサン(4mL)中のHCl(8mL;ジオキサン中の1N溶液)。400mgを得た。
Figure 0006941235
実施例3e
実施例2e(120mg;0.69ミリモル)をジオキサン中の塩化水素(4N;10mL)と混合し、混合物を環境温度で16時間撹拌した。混合物は真空で濃縮し、それ以上精製せずに残留物(110mg)を用いた。
Figure 0006941235
実施例4a
(4−フルオロ−フェニル)−メタノール(3.0g;23.8ミリモル)及び炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(6.1g;23.8ミリモル)と、DCM(30mL)及びアセトニトリル(30mL)中の4−ジメチルアミノ−ピリジン(1.1g;9.0ミリモル)との混合物を、16時間、環境温度で撹拌した。DCMを更に添加した後、混合物を水、塩酸(0.5N)、及びNa2CO3水溶液(1N)で抽出し、水相をDCMで抽出して、有機相をMgSO4で乾燥した。真空で蒸発させた後、残留物をジエチルエーテルで撹拌して濃縮した。得られた固形物を再びジエチルエーテルで撹拌、ろ過、真空で乾燥し、それ以上精製せずに用いた。総量4.7gを得た。
Figure 0006941235
実施例4b
実施例4bは実施例4aに類似して調製した。出発原料:p−トリル−メタノール(10.0g;81.9ミリモル)、炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(21.0g;81.6ミリモル)、DCM(100mL)及びACN(100mL)中の4−ジメチルアミノピリジン(1.5g;12.3ミリモル)。17.1gを得た。
Figure 0006941235
例示的な実施形態
実施例1
(3−フルオロ−フェニル)−メタノール(95.5mg;0.76ミリモル)とCDI(123mg;0.76ミリモル)をDMF(3mL)中で混合した。反応混合物を30分間、50℃で加熱した。次いで、実施例3b(70mg;0.25ミリモル)とDIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)を順次添加し、反応混合物を17時間、50℃で撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、残留物を1mLのMeOH/水(1/1)混合物で希釈した後、ろ過し、半調製用HPLCで分離した。所望の化合物45mgを得た。
Figure 0006941235
実施例2
実施例2は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、(4−フルオロ−フェニル)−メタノール(82.3μL;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。50mgを得た。
Figure 0006941235
実施例4
実施例4は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−メタノール(106mg;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。35mgを得た。
Figure 0006941235
実施例5
実施例3e(50mg;0.17ミリモル)の生成物、実施例4a(50mg;0.19ミリモル)、並びにTHF(4mL)及びアセトニトリル(4mL)中のTEA(100μL;0.72ミリモル)の混合物を加熱還流したのち、それ以上加熱せずに30分間、環境温度で撹拌した。混合物は真空で濃縮し、残留物を調製用HPLCで精製して、所望の生成物35.7mgを得た。
Figure 0006941235
実施例5(34mg)の生成物の試料をキラルクロマトグラフィー(SFC)で分離して、実施例6を得た。
Figure 0006941235
実施例6
16mgを得た。
Figure 0006941235
実施例8
実施例8は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、o−トリル−メタノール(92.6mg;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。38mgを得た。
Figure 0006941235
実施例9
実施例9は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、 m−トリル−メタノール(91.2μL;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。49mgを得た。
Figure 0006941235
実施例10
実施例10は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、(2−フルオロ−6−メチル−フェニル)−メタノール(106mg;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。25mgを得た。
Figure 0006941235
実施例11
実施例11は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−メタノール(106mg;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。49mgを得た。
Figure 0006941235
実施例12
実施例12は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−メタノール(106mg;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。38mgを得た。
Figure 0006941235
実施例13
実施例13は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−メタノール(121.7mg;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。52mgを得た。
Figure 0006941235
実施例14
実施例14は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、(2−クロロ−フェニル)−メタノール(108mg;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。54mgを得た。
Figure 0006941235
実施例15
実施例15は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、(2,3−ジフルオロ−フェニル)−メタノール(85.2μL mg;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。50mgを得た。
Figure 0006941235
実施例16
実施例16は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、(2,6−ジフルオロ−フェニル)−メタノール(84μL;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。56mgを得た。
Figure 0006941235
実施例17
実施例17は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、フェニル−メタノール(78μL;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。26mgを得た。
Figure 0006941235
実施例18
実施例18は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、p−トリル−メタノール(92.6mg;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。25mgを得た。
Figure 0006941235
実施例19
実施例19は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、(2,4−ジフルオロ−フェニル)−メタノール(84.6μL;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。65mgを得た。
Figure 0006941235
実施例24
実施例24は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、(3,4−ジフルオロ−フェニル)−メタノール(86.53μL;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。56mgを得た。
Figure 0006941235
実施例25
実施例25は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−メタノール(90.5μL;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。39mgを得た。
Figure 0006941235
実施例26
実施例26は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、[4−(ジフルオロメチル)フェニル]−メタノール(79.9mg;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。74mgを得た。
Figure 0006941235
実施例27
実施例27は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、(2−フルオロ−フェニル)−メタノール(81.5μL;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。40mgを得た。
Figure 0006941235
実施例28
実施例28は実施例1に類似して調製した。出発原料:実施例3b(70mg;0.25ミリモル)、(4−クロロ−フェニル)−メタノール(108mg;0.76ミリモル);1−1’−CDI(123mg;0.76ミリモル);DIPEA(0.13mL;0.76ミリモル)。溶媒:DMF(3mL)。ワークアップ後に得られた未精製品を半調製用HPLCで精製した。44mgを得た。
Figure 0006941235
実施例30
実施例3d(200mg;0.68ミリモル)、実施例4b(180mg;0.68ミリモル)、及びACN(5mL)中のTEA(300μL;2.2ミリモル)の混合物を環境温度で0.5時間撹拌した。アンモニア水(conc.)を添加し、蒸発させた後、残留物を調製用HPLC(C−18 X−Bridge;50℃;H2O+0.15%アンモニア:アセトニトリル=80:20→60:40)で精製して、所望の生成物225mgを得た。
Figure 0006941235
実施例30(225mg)の生成物の試料をキラルクロマトグラフィー(SFC)で分離し、実施例31を得た。
Figure 0006941235
実施例31
103mgを得た。
Figure 0006941235

Claims (24)

  1. 式Aの化合物であって、
    Figure 0006941235

    上式で、
    1が、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、シクロプロピル、F2HC−、FH2C−、F3C−からなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい、フェニルを表し;
    2が水素、またはメチルを表し;
    3が水素、またはフルオロを表す
    化合物。
  2. 2が水素を表し;
    3が水素を表す、
    請求項1に記載の化合物。
  3. 1が、フルオロ、クロロ、メチル、F2HC−からなる群から選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよい、フェニルを表す、
    請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 1が、
    Figure 0006941235
    表す、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の(S)−鏡像異性体、すなわち、
    Figure 0006941235
    Figure 0006941235
    Figure 0006941235
    からなる群から選択される化合物。
  6. 下記構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の(S)−鏡像異性体。
    Figure 0006941235
  7. 下記構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の(S)−鏡像異性体。
    Figure 0006941235
  8. 下記構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の(S)−鏡像異性体。
    Figure 0006941235
  9. 下記構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の(S)−鏡像異性体。
    Figure 0006941235
  10. 下記構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の(S)−鏡像異性体。
    Figure 0006941235
  11. 下記構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の(S)−鏡像異性体。
    Figure 0006941235
  12. 下記構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の(S)−鏡像異性体。
    Figure 0006941235
  13. 下記構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の(S)−鏡像異性体。
    Figure 0006941235
  14. 下記構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の(S)−鏡像異性体。
    Figure 0006941235
  15. 下記構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の(S)−鏡像異性体。
    Figure 0006941235
  16. 下記構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の(S)−鏡像異性体。
    Figure 0006941235
  17. 下記構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の(S)−鏡像異性体。
    Figure 0006941235
  18. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物の学的に許容される塩。
  19. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
  20. 双極I型障害うつ病状態、軽躁状態、躁状態、及び混合状態;双極II型障害;抑うつ病性障害;不安性の苦痛、混合性の特徴、メランコリアの特徴、非定型の特徴、気分に一致する精神病性の特徴、気分に一致しない精神病性の特徴、緊張病を伴う若しくは伴わない大うつ病性障害の治療及び/又は予防に使用するための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
  21. 抑うつ病性障害が、単一抑うつエピソード若しくは反復性大うつ病性障害、小うつ病性障害、産後発症の抑うつ病性障害、及び精神病症状を伴う抑うつ病性障害からなる群より選択される、請求項20に記載の医薬組成物。
  22. 前記化合物が、別の抗うつ剤を用いた治療に加えて投与されることを特徴とする、請求項19〜21のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  23. 前記化合物が、行動療法に加えて投与されることを特徴とする、請求項19〜22のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  24. 薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、及び/若しくは担体と混合した、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
JP2020530609A 2017-12-08 2018-12-06 イミダゾピリジン誘導体及び薬物としてのその使用 Active JP6941235B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP17206152 2017-12-08
EP17206152.5 2017-12-08
PCT/EP2018/083728 WO2019110703A1 (en) 2017-12-08 2018-12-06 Imidazopyridine derivatives and the use thereof as medicament

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021505584A JP2021505584A (ja) 2021-02-18
JP6941235B2 true JP6941235B2 (ja) 2021-09-29

Family

ID=60629568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020530609A Active JP6941235B2 (ja) 2017-12-08 2018-12-06 イミダゾピリジン誘導体及び薬物としてのその使用

Country Status (31)

Country Link
US (1) US10849907B2 (ja)
EP (1) EP3720855B1 (ja)
JP (1) JP6941235B2 (ja)
KR (1) KR20200097301A (ja)
CN (1) CN111344291B (ja)
AR (1) AR113923A1 (ja)
AU (1) AU2018379438B2 (ja)
BR (1) BR112020008583A2 (ja)
CA (1) CA3083331A1 (ja)
CL (1) CL2020001402A1 (ja)
CO (1) CO2020006648A2 (ja)
CY (1) CY1124744T1 (ja)
DK (1) DK3720855T3 (ja)
EA (1) EA202091139A1 (ja)
ES (1) ES2897050T3 (ja)
HR (1) HRP20211726T1 (ja)
HU (1) HUE056667T2 (ja)
IL (1) IL274868B1 (ja)
LT (1) LT3720855T (ja)
MA (1) MA51020B1 (ja)
MX (1) MX2020005869A (ja)
PE (1) PE20211454A1 (ja)
PL (1) PL3720855T3 (ja)
PT (1) PT3720855T (ja)
RS (1) RS62517B1 (ja)
SA (1) SA520412155B1 (ja)
SG (1) SG11202005138TA (ja)
SI (1) SI3720855T1 (ja)
TW (1) TWI809014B (ja)
UA (1) UA126247C2 (ja)
WO (1) WO2019110703A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020245137A1 (en) * 2019-06-04 2020-12-10 Boehringer Ingelheim International Gmbh Imidazopyrazine derivatives and the use thereof as medicament
TW202112378A (zh) * 2019-06-04 2021-04-01 德商百靈佳殷格翰國際股份有限公司 嘌呤衍生物及其作為藥物之用途

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6495561B2 (en) 1999-10-29 2002-12-17 Merck & Co., Inc. 2-cyclohexyl imidazopyridine NMDA/NR2B antagonists
IL159393A (en) 2001-07-24 2011-01-31 Richter Gedeon Vegyeszet Piperidine derivatives, pharmaceutical compositions containing them, processes for their preparation and uses thereof
US20110319416A1 (en) 2009-01-28 2011-12-29 Emory University Subunit Selective NMDA Receptor Antagonists For The Treatment Of Neurological Conditions
AU2013333988B2 (en) 2012-10-18 2017-03-09 F. Hoffmann-La Roche Ag Ethynyl derivatives as modulators of mGluR5 receptor activity
JP6577479B2 (ja) 2014-02-27 2019-09-18 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMerck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung Nav チャンネル阻害剤としてのヘテロ環化合物及びその使用
US10030026B2 (en) * 2014-06-04 2018-07-24 Rugen Holdings (Cayman) Limited Difluoroethylpyridine derivatives as NR2B NMDA receptor antagonists
US10913736B2 (en) 2014-08-22 2021-02-09 University Of Washington Specific inhibitors of methionyl-tRNA synthetase
CN106715435B (zh) * 2014-09-15 2019-10-01 卢郡控股(开曼)有限公司 作为nr2b nmda受体拮抗剂的吡咯并嘧啶衍生物

Also Published As

Publication number Publication date
US20190175605A1 (en) 2019-06-13
HUE056667T2 (hu) 2022-02-28
LT3720855T (lt) 2021-11-10
CN111344291A (zh) 2020-06-26
MX2020005869A (es) 2020-09-09
SG11202005138TA (en) 2020-06-29
EP3720855B1 (en) 2021-08-25
TWI809014B (zh) 2023-07-21
MA51020B1 (fr) 2021-10-29
TW201936198A (zh) 2019-09-16
CA3083331A1 (en) 2019-06-13
EP3720855A1 (en) 2020-10-14
PE20211454A1 (es) 2021-08-05
IL274868A (en) 2020-07-30
MA51020A (fr) 2021-05-26
AU2018379438A1 (en) 2020-05-07
PL3720855T3 (pl) 2022-01-24
CY1124744T1 (el) 2022-07-22
PT3720855T (pt) 2021-11-03
WO2019110703A1 (en) 2019-06-13
ES2897050T3 (es) 2022-02-28
JP2021505584A (ja) 2021-02-18
CN111344291B (zh) 2023-05-05
CL2020001402A1 (es) 2020-09-21
AU2018379438B2 (en) 2022-08-18
US10849907B2 (en) 2020-12-01
SA520412155B1 (ar) 2022-06-05
EA202091139A1 (ru) 2020-11-23
BR112020008583A2 (pt) 2020-10-20
IL274868B1 (en) 2024-02-01
RS62517B1 (sr) 2021-11-30
KR20200097301A (ko) 2020-08-18
UA126247C2 (uk) 2022-09-07
HRP20211726T1 (hr) 2022-02-18
SI3720855T1 (sl) 2021-12-31
AR113923A1 (es) 2020-07-01
DK3720855T3 (da) 2021-11-08
CO2020006648A2 (es) 2020-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6941235B2 (ja) イミダゾピリジン誘導体及び薬物としてのその使用
MX2011010658A (es) Inhibidor de la recaptacion de serotonina y norepinefrina.
JP7093470B2 (ja) 4-ピリミジン-5-イルメチル-モルホリン誘導体および医薬としてのその使用
JP7093468B2 (ja) 4-ピラジン-2-イルメチル-モルホリン誘導体および医薬としてのその使用
JP2013231000A (ja) 3−アミノメチルピラゾール誘導体
JP7249439B2 (ja) イミダゾピラジン誘導体および医薬としてのその使用
JP7318015B2 (ja) 特に抑うつ病性障害の処置のための、nr2bネガティブ調節剤としてのプリン誘導体および医薬としてのその使用
JP7093469B2 (ja) 4-ピリジニルメチル-モルホリン誘導体および医薬としてのその使用
CA2805219C (en) Pyrazole compound
EA042805B1 (ru) Производные имидазопиридина и их применение в качестве лекарственного средства
JP2013144649A (ja) 新規ピラゾール誘導体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200604

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200604

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210603

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210903

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6941235

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150