JP6941205B1 - コーヒー飲料の製造方法及びコーヒー飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸味が強く感じられる、酸性領域のコーヒー飲料及びその製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】焙煎コーヒー豆を90℃未満の水で抽出してコーヒー抽出物を得る、抽出工程と、前記抽出工程で得られたコーヒー抽出物と、酸味料とを混合する、酸味料混合工程と、を含む、コーヒー飲料の製造方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、コーヒー飲料の製造方法及びコーヒー飲料に関する。具体的には、酸性コーヒー飲料の製造方法及び、酸性コーヒー飲料に関する。
コーヒーは一般的によく消費されている飲料であり、種々の嗜好に合わせたコーヒーが開発されている。
例えば特許文献1には、強いコーヒー感を有しながらも後味がすっきりとしたコーヒー飲料として、カフェインと、リナロール及びゲラニオールから選択される成分のうち1以上とを含むコーヒー飲料が記載されている。
また特許文献2には、カフェインに起因する苦味を特異的に抑制し、飲みやすさを向上させたカフェイン含有飲料として、カフェイン及びイソマルトデキストリンを含むコーヒー飲料が記載されている。
特開2019−180298号公報 特開2018−191555号公報
上記の通り、種々の嗜好に合わせたコーヒーが開発されているが、酸味が強く感じられる酸性領域のコーヒー飲料は存在しなかった。
そこで、本発明者らは、新規な嗜好性を有するコーヒー飲料、具体的には、酸味が強く感じられる酸性領域のコーヒー飲料を提供すること、及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らが、酸味が強く感じられるコーヒー飲料の開発を進める中、コーヒー飲料のpHを低下させると、濁りが生じることが明らかになった。
また、pHを低下させたコーヒー飲料を加熱殺菌すると、さらに濁りが生じることが明らかになった。
そこで本発明は、酸味が強く感じられるコーヒー、すなわち、酸性コーヒー飲料であって、濁りが抑制されたコーヒー飲料の製造方法を提供することを、さらなる課題とする。
上記課題を解決する本発明は、焙煎コーヒー豆を90℃未満の水で抽出してコーヒー抽出物を得る、抽出工程と、抽出工程で得られたコーヒー抽出物と、酸味料とを混合する、酸味料混合工程と、を含む、コーヒー飲料の製造方法である。
本発明によれば、濁りが抑制された、酸味を強く感じる、酸性領域のコーヒー飲料を製造することができる。
本発明の好ましい形態では、上記酸味料混合工程で得られた、酸味料が混合されたコーヒー抽出物を加熱殺菌する、加熱殺菌工程を含む。
また、本発明の好ましい形態では、さらに、上記コーヒー抽出物に甘味料を混合する、甘味料混合工程を含む。
また、本発明の好ましい形態では、上記焙煎コーヒー豆が、L値が18〜24の焙煎コーヒー豆である。
本発明によれば、濁りが抑制された、酸味が強く感じられる、酸性領域のコーヒー飲料を製造することができる。
また、上記課題を解決する本発明は、コーヒー抽出物及び酸味料を含み、pHが5.0以下であり、かつ飲用時濃度において、波長650nmにおける吸光度が0.3未満である、コーヒー飲料である。
本発明によれば、濁りが抑制された、酸味を強く感じる、酸性領域のコーヒー飲料を提供することができる。
本発明の好ましい形態では、飲用時濃度において、波長600nmにおけるコーヒー飲料の吸光度が0.4未満である。
また、本発明の好ましい形態では、飲用時濃度において、波長420nmにおけるコーヒー飲料の吸光度が2以下である。
また、本発明の好ましい形態では、さらに甘味料を含む。
本発明によれば、濁りが抑制された、酸味が強く感じられる酸性領域のコーヒー飲料を提供することができる。
試験例1の結果を示す図である。 試験例2の結果を示す図である。 試験例3の結果を示す図である。 試験例4の結果を示す図である。
本発明において「コーヒー飲料」とは、コーヒー抽出物を含む飲料を指す。本発明において「コーヒー飲料」は、希釈せずに飲用する形態、飲用時に水等で希釈して飲用する形態(濃縮コーヒー飲料とも呼ばれる)の何れも含む。
本発明において「飲用時濃度」は、希釈せずに飲用する形態として製造販売されるコーヒー飲料については、製品としての濃度を指し、飲用時に水等で希釈して飲用する形態として製造販売されるコーヒー飲料については、製品として推奨する希釈倍率で希釈した場合の濃度を指す。
本発明において「酸性コーヒー飲料」(「酸性領域のコーヒー飲料」ともいう。)とは、20℃におけるpHが5.0以下のコーヒー飲料を意味する。
本明細書において数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
<1>コーヒー飲料の製造方法
本発明のコーヒー飲料の製造方法は、焙煎コーヒー豆を90℃未満の水で抽出してコーヒー抽出物を得る、抽出工程と、抽出工程で得られたコーヒー抽出物と、酸味料とを混合する、酸味料混合工程と、を含む。
本発明において、使用するコーヒー豆は、アラビカ種、カネフォラ種、リベリカ種の何れのコーヒー豆でも、特に制限なく使用することができる。また、1種のみを用いてもよく、2以上の種類を併用してもよい。
コーヒー豆の産地にも特に制限はなく、コロンビア産、グアテマラ産等を適宜使用することができる。また、特定の産地のコーヒー豆のみを用いてもよく、2以上の産地のコーヒー豆を併用してもよい。また、コーヒー豆として、カフェイン除去工程を経たものを用いることも可能である。
上記コーヒー抽出物を得るために使用するコーヒー豆は、焙煎したものを用いる。
本明細書において「L値」とは、焙煎度の指標であり、色差計を用いて測定することが可能である。色差計は例えば日本電色工業株式会社製の分光白色度計・色差計PF 7000を用いることが可能である。L値が、例えば、22以上程度のように大きい場合は焙煎の程度が浅煎りであり、L値が、例えば、18未満程度の小さい場合は焙煎の程度が深煎りであることを意味する。
コーヒー豆の焙煎度合いは特に制限されないが、焙煎コーヒー豆のL値は、好ましくは、18〜24であり、より好ましくは19〜22である。
本形態とすることによって、濁りが抑制されたコーヒー飲料を製造することができる。
また、コーヒー豆の挽き具合(コーヒー豆を粉末にした時の、粉末の細かさ)も特に制限されず、粗挽き、中挽き、細挽き等、志向する味に合わせて、挽き具合を設定することができる。
抽出工程においては、焙煎コーヒー豆(粉末)を、90℃未満の水で抽出して、コーヒー豆抽出物を得る。
本発明において、「コーヒー抽出物」は、焙煎コーヒー豆から抽出した抽出液そのもの並びに、抽出液から溶媒を除去したコーヒーエキス及びコーヒー粉末(インスタントコーヒー)を含む。
抽出に使用する水の温度は、90℃未満であることが好ましく、85℃以下であることがより好ましく、80℃以下であることがより好ましく、75℃以下であることがより好ましく、70℃以下であることがさらに好ましく、65℃以下であることがさらに好ましく、60℃以下であることがさらにより好ましく、55℃以下であることがさらにより好ましく、50℃以下であることがさらにより好ましく、45℃以下であることがさらにより好ましく、40℃以下であることがさらにより好ましく、35℃以下であることがさらにより好ましく、30℃以下であることがさらにより好ましい。
本形態とすることによって、後述する酸味料混合工程を経た後も、濁りが抑制されたコーヒー飲料を製造することができる。
抽出工程における抽出方法は特に限定されない。例えば、ペーパードリップ式、ネルドリップ式、サイフォン式、プレス式等、公知の抽出方法を採用することができる。
抽出時間は、抽出に使用する水の温度及び採用する抽出方法によって、適宜設定することができる。
抽出工程における、コーヒー抽出液の抽出時点(コーヒーエキス及びコーヒー粉末を用いる場合、コーヒー抽出液に含まれる溶媒の除去前)での固形分回収率は、24%以下であることが好ましく、22%以下であることがより好ましく、19%以下がさらに好ましい。
本形態とすることによって、濁りが抑制されたコーヒー飲料を製造することができる。
なお、コーヒー抽出液の抽出時点(コーヒーエキス及びコーヒー粉末を用いる場合、コーヒー抽出液に含まれる溶媒の除去前)での固形分回収率は、以下の式で算出することができる。
固形分回収率(%)=コーヒー抽出液の20℃におけるBrix(°Brix)×抽出液量(g)÷コーヒー粉末量(g)
酸味料混合工程においては、上記抽出工程で得られたコーヒー抽出物に対して、酸味料を混合する。
本発明において酸味料は、通常食品や飲料に使用される酸味料であれば特に制限なく用いることができる。
酸味料としては、食品添加物として許容されているものを適宜使用できる。酸味料の具体例としては、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、酢酸、コハク酸、アジピン酸、乳酸、アスコルビン酸、酒石酸、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、フィチン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸などの有機酸及びこれらの塩(例えば、ナトリウム塩)等を例示することができる。
これらの酸味料は、単体で使用してもよく、また2以上を併用してもよいが、程よい酸味の強さとバランスが得られる点でクエン酸、乳酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、フマル酸から選択される1種又は2種以上がより好ましい。風味の観点から、クエン酸及びリンゴ酸を併用することが最も好ましい。
また、酸味料として、前記有機酸やその塩を成分として含む果汁を用いることもできる。果汁として、柑橘果汁(例えば、レモン、ライム、ユズ、グレープフルーツ等の果汁)を例示することができる。これらの果汁は、果汁単独で用いることが可能であり、果汁と前記有機酸及びその塩とを組み合わせて用いることが可能である。
また、酸味料の混合量については、後述する飲用時濃度のコーヒー飲料における酸味料の濃度、クエン酸換算酸度又はpHとなるような量とすることが好ましい。
また、酸味料の添加及び混合に際しては、公知の装置を使用することができる。
本発明の好ましい形態では、加熱殺菌工程を含む。
加熱殺菌工程は、上記酸味料混合工程の前に行ってもよく、上記酸味料混合工程の後に行ってもよい。前者の場合は、抽出工程で得られたコーヒー抽出物と酸味料を、それぞれ別個に加熱殺菌した後に、加熱殺菌したコーヒー抽出物と酸味料とを混合する。他方、後者の場合は、上記酸味料混合工程で得られた、酸味料を混合したコーヒー抽出物を、加熱殺菌する。
本発明においては、上記酸味料混合工程で得られた、酸味料を混合したコーヒー抽出物を加熱殺菌することが好ましい。
加熱殺菌工程は、公知の装置及び公知の方法を使用することができる。
上記酸味料を混合したコーヒー抽出物は、製造するコーヒー飲料の嗜好性、飲用形態に応じて、希釈又は濃縮したものを加熱殺菌工程に用いてもよい。
加熱殺菌とは、乳等省令で規定される牛乳の殺菌方法に準じて、「62〜65℃の間の温度で30分間加熱殺菌するか、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法」で加熱することを意味する。殺菌条件は、原料組成物の特性、使用する殺菌機(殺菌方式)及び容器等に応じて適宜設定することができる。
例えばUHT殺菌の場合、120〜150℃で1〜120秒間程度、好ましくは130〜145℃で2〜30秒間程度の条件である。
レトルト殺菌法の場合には、110〜130℃で10〜30分程度、好ましくは120〜125℃で10〜20分間程度の条件である。
殺菌方法は、加熱殺菌した原料組成物を殺菌処理された保存容器に充填する方法、又は、原料組成物を加熱殺菌せずに缶等の保存容器に充填した後、レトルト処理を行うレトルト殺菌法の何れの方法でもよい。また、バッチ式殺菌、プレート式殺菌等の間接加熱法でもよく、インジェクション式殺菌、インフュージョン式殺菌等の直接加熱法でもよい。
加熱殺菌工程を、酸味料混合工程の後に行う場合、例えば、酸味料を混合した後のコーヒー抽出物のpHが4.0未満の場合は、65℃で10分間加熱することで、殺菌することができる。また、酸味料を添加した後のコーヒー抽出物のpHが4.0以上の場合は、85℃で30分間加熱することで、殺菌することができる。
本発明は、好ましくは、コーヒー抽出物に甘味料を混合する、甘味料混合工程を含む。
本形態とすることによって、甘酸っぱさを感じるコーヒー飲料を製造することができる。
甘味料としては、特に限定されないが、糖類、非糖質系甘味料の何れも用いることができる。糖類としては、砂糖(グラニュー糖、上白糖、三温糖、黒砂糖など)、ブドウ糖、果糖、異性化糖(ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖など)、水あめ、粉飴、乳糖、麦芽糖、転化糖、還元麦芽水あめ、蜂蜜、ラクチュロース、マルトース、パラチノース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、ラフィノース等を使用することが好ましい。
非糖質系甘味料としては、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール等の糖アルコール;スクラロース、アセスルファムカリウム、サッカリン及びその塩、サイクラメート及びその塩、ソーマチン、アスパルテーム、アリテーム、ネオテーム、グリチルリチン、レバウディオサイド、ステビア抽出物に含まれるステビオサイド、甜茶抽出物、甘茶抽出物等を使用することが可能である。
また、甘味料の混合量については、後述する飲用時濃度のコーヒー飲料における甘味料の濃度、又はBrixとなるような量とすることが好ましい。
甘味料混合工程と、上記酸味料混合工程とを行う順番は任意である。すなわち、酸味料混合工程を行った後に甘味料混合工程を行ってもよく、またその逆の順番で行ってもよい。また、酸味料混合工程と甘味料混合工程は、同時に行ってもよい。
本発明の好ましい形態では、糖、酸味料及び水を混合した糖酸液をあらかじめ調製し、これをコーヒー抽出物に混合する。
また、上記甘味料混合工程を含む場合、上記加熱殺菌工程は、コーヒー抽出物、酸味料及び甘味料の混合前に行ってもよく、コーヒー抽出物、酸味料及び甘味料の混合後に行ってもよい。前者の場合、コーヒー抽出物、酸味料及び甘味料をそれぞれ別個に加熱殺菌した後、加熱殺菌したコーヒー抽出物、酸味料及び甘味料を混合する。後者の場合、コーヒー抽出物、酸味料及び甘味料の混合後(すなわち、上記酸味料混合工程及び上記甘味料混合工程の後)に、加熱殺菌工程を行う。
本発明においては、酸味料混合工程及び甘味料混合工程の後に、加熱殺菌を行うことが好ましい。
本発明は、上記工程の他、通常飲料の製造で行われている公知の工程を、適宜含むことができる。例えば、コーヒー抽出物、酸味料及び甘味料以外の成分を混合する工程、冷却工程、ろ過工程、充填工程等を挙げることができる。
また、上記公知の工程は、公知の装置を使用して行うことができる。
なお、コーヒー抽出物、酸味料及び甘味料以外の成分について、後述する事項を適用することができる。
<2>コーヒー飲料
本発明のコーヒー飲料は、コーヒー抽出物及び酸味料を含む。
コーヒー抽出物は、コーヒー豆を粉末にしたものを水で抽出することで得られる抽出物である。
使用するコーヒー豆及び酸味料については、上記の事項を適用することができる。
コーヒー飲料のクエン酸換算酸度は、0.1質量%以上であることが好ましく、0.15質量%以上であることがより好ましい。
また、コーヒー飲料のクエン酸換算酸度は、0.3質量%以下を目安とすることができる。
酸味料の含有量は、上記コーヒー飲料のクエン酸換算酸度を達成する量となるように調整することが好ましい。
クエン酸換算酸度は、コーヒー飲料中に含まれる酸の濃度を、クエン酸相当量として換算した値(単位:質量%)である。下記の式により算出される。コーヒー飲料中に含まれる酸の含有量は中和滴定法(果実飲料の日本農林規格(最終改正令和元年6月27日農林水産省告示第475号))に準拠する方法で測定する。
200mL程度の容器に、コーヒー飲料5gを量りとり、pH計の電極を試料溶液中に挿入し、かき混ぜながら0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液で滴定する(本試験)。終点は、pH8.1±0.2とし、その範囲内のpHが30秒以上持続することを確認する。空試験については、試料の代わりに同量の水を用いて同様に滴定する。クエン酸換算酸度は、下記式により求める。
クエン酸換算酸度(質量%)=0.0064×(T−B)×F×(1/W)×100
T:本試験における0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(mL)
B:空試験における0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(mL)
F:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液のファクター
W:試料重量(g)
0.0064:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液1mLに相当するクエン酸の重量(g)
本形態とすることによって、酸味が強く感じられるコーヒー飲料を提供することができる。
本発明を、濃縮コーヒー飲料とする場合は、希釈した後の飲用時濃度において、酸味料の濃度が上記数値範囲に入るように調製すればよい。
本発明に係るコーヒー飲料の20℃におけるpHは、飲用時濃度で5.0以下であることが好ましく、4.5以下であることが好ましく、4.0以下であることが好ましく、3.8以下であることがより好ましい。
また、pHは、2.5以上であることが好ましく、3.0以上であることがさらに好ましい。
酸味料の含有量は、コーヒー飲料の上記pHの範囲を達成する量となるように調整することも可能である。
本形態とすることによって、酸味が強く感じられるコーヒー飲料とすることができる。
なお、本発明を、濃縮コーヒー飲料とする場合は、希釈した後の飲用時濃度において、pH及びクエン酸換算酸度が上記数値範囲に入るように酸味料の種類や添加量を調製すればよい。
本発明に係るコーヒー飲料は、飲用時濃度において、波長650nmにおける吸光度は、0.3未満であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましく、0.18以下であることがさらに好ましい。
飲用時濃度において、波長650nmにおける吸光度を、上記数値範囲とすることで、濁りが抑制された、コーヒー飲料らしい色味を呈する、酸味が強く感じられる、酸性領域のコーヒー飲料を提供することができる。
本発明の好ましい形態では、本発明に係るコーヒー飲料は、飲用時濃度において、波長600nmにおける吸光度が、0.4未満であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましく、0.25以下であることがさらに好ましい。
飲用時濃度において、波長600nmにおける吸光度を、上記数値範囲とすることで、濁りが抑制された、コーヒー飲料らしい色味を呈する、酸味が強く感じられる、酸性領域のコーヒー飲料を提供することができる。
本発明の好ましい形態では、本発明に係るコーヒー飲料は、飲用時濃度において、波長420nmにおける吸光度が、2以下であることが好ましく、1.8以下であることがより好ましい。
飲用時濃度において、波長420nmにおける吸光度を、上記数値範囲とすることで、未加工のコーヒー抽出物に近い、コーヒー飲料らしい色味を呈する、酸味が強く感じられる、酸性領域のコーヒー飲料を提供することができる。
コーヒー飲料の吸光度は、公知の方法で測定することができる。例えば、適量のコーヒー飲料を石英セルに入れ、公知の分光光度計で測定することで、吸光度を測定することができる。測定に供するコーヒー飲料は、必要に応じて適当な倍率で希釈してもよい。この場合は、希釈倍率と吸光度の関係から、飲用時濃度における吸光度を算出すればよい。
本発明の好ましい形態では、さらに甘味料を含む。
甘味料については、上記の事項を適用することができる。甘味料の含有量は、例えば果糖ブドウ糖液糖を使用する場合、その含有量の上限値は、製造適性等により適宜設定することができるが、コーヒー飲料に対して20質量%以下とすることができる。
また、果糖ブドウ糖液糖の含有量の下限値は、製造適性等により適宜設定することができるが、上記抽出工程で抽出したコーヒー抽出物に対して1質量%以上とすることができる。
本発明のコーヒー飲料は、甘味料として液糖を使用する場合は、好ましくは、20℃におけるBrixが10以下であることが好ましく、9以下であることがより好ましい。
本形態とすることで、すっきり、さっぱりとした味のコーヒー飲料とすることができる。
なお、本発明を、濃縮コーヒー飲料とする場合は、希釈した後の飲用時濃度において、20℃におけるBrixが上記数値範囲に入るように調整すればよい。
本発明のコーヒー飲料は、好ましくはデキストリンを含む。
デキストリンを含む場合、その含有量はコーヒー飲料全体に対して0.1質量%以上であることが好ましい。また、コーヒー飲料全体に対して0.3質量%以下とすることができる。
デキストリンを含有することによって、すっきり、さっぱりとした味であるにも関わらず、飲みごたえのあるコーヒー飲料を提供することができる。
なお、本発明を、濃縮コーヒー飲料とする場合は、希釈した後の飲用時濃度において、コーヒー飲料全体に対するデキストリンの含有量が、上記数値範囲に入るように調整すればよい。
本発明のコーヒー飲料は、好ましくは、脂肪及びタンパクから選ばれる成分を含まない。
本発明のコーヒー飲料は、上記成分の他、通常飲料に使用されている成分を、本発明の効果を損ねない範囲で、含有することができる。
本発明のコーヒー飲料は、例えば、食物繊維、着色料、保存料、ビタミン類、酸化防止剤、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、保存料、調味料、pH調製剤、品質安定剤等を例示することができる。ただし、これらのうち、酸味料として使用されるものは除く。
これら任意成分は、単独で配合してもよく、又は併用して配合してもよい。
本発明のコーヒー飲料は、容器入りコーヒー飲料の形態とすることが好ましい。
本発明のコーヒー飲料は、例えば上記の製造方法により製造することができる。
以下、実施例を参照して、本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は、以下の実施例に限定されない。
<試験例1>
試験例1では、抽出工程における水の温度が、コーヒー飲料の濁りに与える影響を試験した。
(1)コーヒー抽出物の調製
焙煎度(L値)が19又は21である市販の焙煎コーヒー豆(グァテマラSHB)をそれぞれコーヒーミル(株式会社富士珈機、Type R−440)にて粉砕し、焙煎度の異なる2種類のコーヒー粉末を作製した。
得られたコーヒー粉末30gをペーパーフィルターに充填し、30℃又は90℃の抽出水を注水してコーヒー粉末を湿潤させた。その後、続けて注水することで可溶性固形分を抽出してコーヒー抽出液を得、これをコーヒー抽出物として使用した。
その後、得られたコーヒー抽出物を10℃以下に冷却し、4種類のコーヒー抽出物を得た。
なお、コーヒー抽出液の抽出時点での固形分回収率は、以下の式に基づいて算出した。
固形分回収率(%)=コーヒー抽出液の20℃におけるBrix(°Brix)×コーヒー抽出液量(g)÷コーヒー粉末量(g)
また、コーヒー抽出物のBrixは、Refractometer(アタゴ社製、RX−5000)にて測定した。
コーヒー抽出物の20℃におけるpHを、pH測定器(株式会社堀場製作所製、型番F−72)を用いて測定した。
調製した各コーヒー抽出物の、抽出水温度及びコーヒー豆の焙煎度、抽出物のBrix(°Brix)、コーヒー抽出物量(g)、固形分回収率(%)、並びにpHを下記表1に示す。
Figure 0006941205
(2)コーヒー飲料の調製
上記(1)で調製したコーヒー抽出物を用いて、下記表2に示す組成で、各コーヒー飲料を調製した。
デキストリン(松谷化学工業(株)会社製)及びクエン酸(扶桑化学株式会社製)を、卓上ミキサーを用いて25℃の溶解水に溶解した。
次に、コーヒー抽出物、液糖(昭和産業株式会社製)、デキストリン及びクエン酸の溶解液、溶解水を混合した。コーヒー抽出物の量は、飲料中に含まれるコーヒー由来のBrix(20℃)が0.6°Brixとなるように調整した。また、表2において、単位は全てgである。
各原料の混合後、沸騰水を用いて湯煎して、85℃にて10分間の加熱殺菌を実施し、10℃以下に冷却し、各コーヒー飲料を得た。
各コーヒー飲料は、何れもpH(20℃)が3.6、20℃におけるBrixが7.55°Brix、クエン酸換算酸度は0.22%であった。
Figure 0006941205
(3)吸光度の測定
上記(2)で調製したコーヒー飲料について、波長650nm、600nm及び420nmにおける吸光度を測定した。波長650nm、600nmにおける吸光度は飲料の透明性の指標(参考:特開2019−216635号公報、及び特開平4−45745号公報)を表し、420nmにおける吸光度は飲料の褐色度の指標(参考:特開平4−45745号公報)を表す。
石英セル(光路長10mm)に、調製した各コーヒー飲料を入れ、分光光度計(株式会社日立製作所製、型番U−3900)を用いて、コーヒー抽出物のみの段階、各原料の混合後(加熱殺菌・冷却前)の段階、及び加熱殺菌・冷却後の段階、の3つの段階について、各波長における吸光度を測定した。また、測定は3回行い、各段階について平均値を算出した。
コーヒー抽出物のみの段階では、上記(1)で調製したコーヒー抽出物を、20℃におけるBrixが0.6°Brixとなるように溶解水で希釈したものを、測定試料とした。
各原料の混合後(加熱殺菌・冷却前)の段階、及び、加熱殺菌・冷却後の段階については、希釈せずに測定した。
さらに、コーヒー抽出物のみの段階の各波長における吸光度を100%とした時の、各原料の混合後(加熱殺菌・冷却前)の段階の各波長における吸光度、及び加熱殺菌・冷却後の段階の各波長における吸光度の変化率を算出した。
測定結果を、表3〜5及び図1に示す。
Figure 0006941205
Figure 0006941205
Figure 0006941205
図1に示される通り、抽出水の温度を90℃にした比較例1及び比較例2のコーヒー飲料(図1下段左側)は、加熱殺菌していないコーヒー抽出物のみの液色(図1上段左側)と比較して、加熱殺菌後は顕著に液色が変化していた。
他方、抽出水の温度を30℃とした実施例1及び実施例2のコーヒー飲料(図1下段右側)は、加熱殺菌していないコーヒー抽出物のみの液色(図1上段右側)と比較しても、加熱殺菌後でも液色に変化は見られなかった。
また、表3、表4、及び表5に示される通り、抽出水の温度を90℃にした比較例1及び比較例2では、コーヒー抽出物のみの吸光度を100%とした場合の、各原料混合後の吸光度の変化率は、何れも100%を超えていた。
他方、抽出水の温度を30℃にした実施例1及び実施例2では、コーヒー抽出物のみの吸光度を100%とした場合の各原料混合後の吸光度は100%以下であった。
以上より、90℃以上の水を使用して抽出したコーヒー抽出物のpHを低下させると、コーヒー抽出物に濁りが発生するが、90℃未満の水で抽出したコーヒー抽出物は、そのpHを低下させても、濁りが発生しないことが明らかになった。
さらに、表3、表4及び表5に示される通り、抽出水の温度を90℃にした比較例1及び比較例2では、コーヒー抽出物のみの吸光度を100%とした場合の、加熱冷却後の吸光度の変化率が何れの波長で測定した場合も大きく(例えば、波長650nmにおける比較例1の吸光度の変化率は164.0%)、濁りが顕著に発生していた。
他方、抽出水の温度を30℃にした実施例1及び2では、コーヒー抽出物のみの吸光度を100%とした時の、加熱冷却後の吸光度の変化率は、何れの波長の場合も小さい(例えば、波長650nmにおける実施例1の吸光度の変化率は113.4%)という結果であった。
以上より、コーヒー抽出物の抽出水の温度を90℃未満とすることで、酸味料を混合しpHを低下させた後、加熱殺菌をした際に発生するコーヒー飲料の濁りを、抑制することができることが明らかになった。
<試験例2>
試験例2では、コーヒー飲料に含まれる原料が濁りに与える影響を検討した。特に記載のない場合は、原料、測定機器は試験例1と同じものを用い、固形分回収率の算出は試験例1と同様の手法により行った。試験例3、4も同様である。
(1)コーヒー抽出物の調製
L値が19である市販の焙煎コーヒー豆をコーヒーミルにて粉砕し、コーヒー粉末を作製した。
得られたコーヒー粉末35gをペーパーフィルターに充填し、90℃の抽出水を注水してコーヒー粉末を湿潤させた。その後、続けて注水することで可溶性固形分を抽出してコーヒー抽出液を420g得て、これをコーヒー抽出物として使用した。
その後、得られたコーヒー抽出物を10℃以下に冷却した。
なお、コーヒー抽出物の抽出時点での固形分回収率は、24.48%、コーヒー抽出物の20℃におけるBrixは2.04°Brix、20℃におけるpHは5.1であった。
(2)コーヒー飲料の調製
上記(1)で調製したコーヒー抽出物を用いて、下記表6に示す組成で、各コーヒー飲料(試料1〜8)を調製した。デキストリン、クエン酸を用いる場合は、卓上ミキサーを用いて25℃の溶解水に事前に溶解した。
次に、コーヒー抽出物、液糖、デキストリン及び/又はクエン酸の溶解液、溶解水を混合した。コーヒー抽出物の量は、飲料中に含まれるコーヒー由来のBrix(20℃)が0.6°Brixとなるように調整した。
各原料の混合後、沸騰水を用いて湯煎して、85℃にて10分間の加熱殺菌を実施し、10℃以下に冷却し、各コーヒー飲料を得た。
Figure 0006941205
(3)評価
調製した各試料を、目視による官能評価試験に供した。具体的には、飲料の評価に精通したパネル5名が各試料を目視で観察し、濁りの有無を5段階で評価した。
評価は、2点の基準を定めて行った。濁り有りの基準には試料1(試験例1の比較例と同じ組成)を用いた(評価4点)。濁り無しの基準には試料8(コーヒー抽出物を希釈し、加熱殺菌した試料)を用いた(評価1点)。これら2点の基準と比較した時の相対的な濁りの有無を下記のように評価した。
1:濁り無し(基準の試料8と同じ)
2:ごく僅かに濁り有り
3:少々の濁り有り
4:濁り有り(基準の試料1と同じ)
5:顕著な濁り有り
評価結果を表7に、試料1〜8の写真を図2に示す。
Figure 0006941205
図2の写真、表7の評価結果から明らかなように、クエン酸を添加した試料1、2、5、6には、目視で明らかな濁りが確認された。一方、クエン酸を添加しない試料3、4、7、8は濁りが生じなかった。
以上の結果より、酸味料(クエン酸)がコーヒー飲料の濁りの原因であることが明らかとなった。
<試験例3>
試験例3では、抽出工程で用いる抽出水の温度が濁りに与える影響を検討した。
(1)コーヒー抽出物の調製
L値が19である市販の焙煎コーヒー豆をコーヒーミルにて粉砕し、コーヒー粉末を作製した。
得られたコーヒー粉末30gをペーパーフィルターに充填し、各温度(90、70、60、50、40、30℃)の抽出水を注水してコーヒー粉末を湿潤させた。その後、続けて注水することで可溶性固形分を抽出してコーヒー抽出液を360g得て、これをコーヒー抽出物として使用した。
その後、得られたコーヒー抽出物を10℃以下に冷却した。
得られたコーヒー抽出物の20℃におけるBrix、20℃におけるpH、固形分回収率を表8に示す。
Figure 0006941205
(2)コーヒー飲料の調製
上記(1)で調製したコーヒー抽出物を用いて、下記表9に示す組成で、各コーヒー飲料(試料9〜14)を調製した。クエン酸は卓上ミキサーを用いて25℃の溶解水に溶解した。コーヒー抽出物の量は、飲料中に含まれるコーヒー由来のBrix(20℃)が0.6°Brixとなるように調整した。
各原料の混合後、沸騰水を用いて湯煎して、85℃にて10分間の加熱殺菌を実施し、10℃以下に冷却し、各コーヒー飲料を得た。
Figure 0006941205
(3)評価
調製した各試料を、目視による官能評価試験に供した。具体的には、飲料の評価に精通したパネル4名が各試料を目視で観察し、濁りの有無を5段階で評価した。
評価は、2点の基準を定めて行った。濁り有りの基準には試料9(90℃の抽出水を用いた試料)を用いた(評価4点)。濁り無しの基準には試料14(30℃の抽出水を用いた試料)を用いた(評価1点)。これら2点の基準と比較した時の相対的な濁りの有無を下記のように評価した。
1:濁り無し(基準の試料14と同じ)
2:ごく僅かに濁り有り
3:少々の濁り有り
4:濁り有り(基準の試料9と同じ)
5:顕著な濁り有り
評価結果を表10に、試料9〜14の写真を図3に示す。
Figure 0006941205
図3の写真、表10の評価結果より、抽出水の温度が50℃である試料12は、ごく僅かに濁り有りと評価したパネルもいたが、その濁りは飲料として十分に許容範囲のものであった。また、抽出水の温度が40℃である試料13は全てのパネルが濁り無しと評価した。
一方、抽出水の温度が60℃である試料11、70℃である試料10は全てのパネルがごく僅かに濁り有り又は少々の濁り有りと評価した。
以上の結果より、60℃未満の抽出水を用いた場合、特に50℃以下の抽出水を用いた場合にコーヒー飲料の濁りが抑制されたコーヒー飲料が得られることがわかった。
さらに好ましくは、50℃未満の抽出水を用いた場合、特に40℃以下の抽出水を用いた場合に、濁りのないコーヒー飲料が得られることがわかった。
<試験例4>
試験例4では、コーヒー飲料のpHが濁りに与える影響を検討した。
(1)コーヒー抽出物の調製
L値が19である市販の焙煎コーヒー豆をコーヒーミルにて粉砕し、コーヒー粉末を作製した。
得られたコーヒー粉末35gをペーパーフィルターに充填し、90℃の抽出水を注水してコーヒー粉末を湿潤させた。その後、続けて注水することで可溶性固形分を抽出してコーヒー抽出液を420g得て、これをコーヒー抽出物として使用した。
その後、得られたコーヒー抽出物を10℃以下に冷却した。
得られたコーヒー抽出物の20℃におけるBrixは2.04°Brix、20℃におけるpHは5.1、固形分回収率は24.48%であった。
(2)コーヒー飲料の調製
上記(1)で調製したコーヒー抽出物を用いて、下記表11に示す組成で、各コーヒー飲料(試料15〜18)を調製した。クエン酸は卓上ミキサーを用いて25℃の溶解水に溶解した。コーヒー抽出物の量は、飲料中に含まれるコーヒー由来のBrix(20℃)が0.6°Brixとなるように調整した。
各原料の混合後、沸騰水を用いて湯煎して、85℃にて10分間の加熱殺菌を実施し、10℃以下に冷却し、各コーヒー飲料を得た。
Figure 0006941205
(3)評価
調製した各試料を、目視による官能評価試験に供した。具体的には、飲料の評価に精通したパネル5名が各試料を目視で観察し、濁りの有無を5段階で評価した。
評価は、2点の基準を定めて行った。濁り有りの基準には試料15(20℃のpHが3.6の試料)を用いた(評価4点)。濁り無しの基準には試料18(酸味料を含まず、20℃のpHが5.1の試料)を用いた(評価1点)。これら2点の基準と比較した時の相対的な濁りの有無を下記のように評価した。
1:濁り無し(基準の試料18と同じ)
2:ごく僅かに濁り有り
3:少々の濁り有り
4:濁り有り(基準の試料15と同じ)
5:顕著な濁り有り
評価結果を表12に、試料15〜18の写真を図4に示す。
Figure 0006941205
図4の写真、表12の評価結果から明らかなように、pH4.5、4.0、3.6の何れの試料においても濁りが生じることがわかった。また、図4の写真から明らかなように、pH3.6の試料にて最も濁りが強く発生しており、pHが低くなるにしたがって濁りの程度が大きくなることがわかった。
以上の結果より、pH4.5以下のコーヒー飲料では濁りが生じることがわかった。
本発明によれば、濁りが抑制された、酸味が強く感じられる、新たな嗜好性のコーヒー飲料を製造することができる。

Claims (6)

  1. 焙煎コーヒー豆を45℃以下の水で抽出してコーヒー抽出物を得る、抽出工程と、
    前記抽出工程で得られたコーヒー抽出物と、酸味料とを混合する、酸味料混合工程と、を含み、
    前記コーヒー抽出物の固形分回収率が、前記コーヒー抽出物の抽出時点において22%以下であり、
    前記酸味料混合工程において、コーヒー飲料の飲用時濃度におけるクエン酸換算酸度が0.1質量%以上0.3質量%以下となるように、前記酸味料を添加する、コーヒー飲料の製造方法。
  2. さらにデキストリンを添加する工程を含む、請求項1に記載のコーヒー飲料の製造方法。
  3. さらに、前記コーヒー抽出物及び前記酸味料を加熱殺菌する、加熱殺菌工程を備える、請求項1又は2に記載のコーヒー飲料の製造方法。
  4. 前記加熱殺菌工程が、前記酸味料混合工程で得られた、酸味料が混合されたコーヒー抽出物を加熱殺菌する工程を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載のコーヒー飲料の製造方法。
  5. さらに、甘味料を混合する、甘味料混合工程を含む、請求項1〜の何れか一項に記載のコーヒー飲料の製造方法。
  6. 前記焙煎コーヒー豆が、L値が18〜24の焙煎コーヒー豆である、請求項1〜の何れか一項に記載のコーヒー飲料の製造方法。
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