JP6940341B2 - トンネル掘削機及びトンネル施工方法 - Google Patents
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このように発進立坑Sと到達立坑Eとを設ける条件においても、特許文献1のように先行して設けられたトンネルのガイド溝mに後行のトンネル掘削機のガイド杆gをスライド自在に嵌合させて後行のトンネル掘削機を進行させることができる。
以下、本発明に係る第1の実施形態について、図面の図1乃至図8と共に説明する。
図1は、トンネル掘削機としてシールド掘進機を用いて、シールドトンネルを水平方向に並設し隣合うシールドトンネルを施工する状況を示したものである。
図1において向って左側から順に先行してシールドトンネル1が施工され、その右隣に並ぶようにシールドトンネル1が後行して施工されていく。各々のシールドトンネル1は覆工体10を備えており、覆工体10は、地中を回転カッタ3で掘削しながら進むシールド掘進機2の外胴4内で組み立てられるセグメントで構成される。
また、「先行」、「後行」とは相対的なものである。
後述する外胴凹部5、外胴凸部6、覆工体凹部11及び覆工体凸部12に係る凹部、凸部は、基本断面に含まれるものではない。このような凹部、凸部を基本断面に含めて述べるときは、外形面や内形面と述べる。
隣合う一方の先行シールドトンネル1は、本発明の並設する一のシールドトンネルに相当し、他方の後行シールドトンネル1は、本発明の他のシールドトンネルに相当する。
外胴凹部5は、外胴4の外周面から凹んで形成され、並設するシールドトンネル1の施工が完了し、シールド掘進機2を地中内に残置させるときにその効果を発揮するものである。後行シールド掘進機2が先行シールド掘進機2の横に並んで停止させる際には、後行シールド掘進機2の外胴凸部6を先行シールド掘進機2の外胴凹部5内に位置させるようにして停止させる。このようにすることで、外胴凸部6を備えるような後行シールド掘進機2が停止する際に、先行シールド掘進機2の横に後行シールド掘進機2を並べて残置させることができるので、先行シールド掘進機2の機長分だけ先行シールドトンネルの施工長を延ばす必要がなくなる。
外胴凸部6の形状はどのような形状でもよく、少なくとも一部が覆工体凹部11内に位置するようなものであればよい。
外胴凹部5と外胴凸部6の形状は、どのような形状でもよく、外胴凸部6の少なくとも一部が外胴凹部5内に位置するようなものであればよい。
覆工体凹部11と覆工体凸部12の形状は、どのような形状でもよく、覆工体凸部12の少なくとも一部が覆工体凹部11内に位置するようなものであればよい。
覆工体凹部11は、覆工体10の外周面(本実施例では基本断面が円形のシールドトンネル1であるので円形)より凹んで形成されることが必要である。換言すると、覆工体凹部11は、覆工体凹部11に隣接する部分から凹んだものである。
図4に示すように、シールド掘進機2の外胴4はスキンプレートで構成されており、その形状は外周面、内周面とも円形であり、外胴凹部5と外胴凸部6の内形面は、それぞれ外胴凹部5と外胴凸部6の形状に沿って形成され、内側に凸となる外胴凹部内形面5aと内側に凹となる外胴凸部内形面6aを構成している。
4つのセグメントのうちセグメント10dが覆工体凹部11を備えており、セグメント10bが覆工体凸部12を備えている。覆工体凹部11は外胴凹部5に、覆工体凸部12は外胴凸部6に、それぞれ対応するようにセグメント10a〜10dが配置されて組み立てられる。具体的には、外胴凹部内形面5aの凸形状に合わせて覆工体凹部11が配置され、外胴凸部内形面6aの凹形状に合わせて覆工体凸部12を配置される。外胴凹部内形面5aの凸形状に合わせて覆工体凹部11を配置し、外胴凸部内形面6aの凹形状に合わせて覆工体凸部12を配置するので、外胴4内におけるセグメントの位置合わせを容易に行うことができる。
覆工体凹部11と覆工体凸部12には、並設された覆工体と連結させるためのボルト孔が設けられるが、図示を省略している。
裏込め材の除去には、外胴凸部6の先端に裏込め材を除去する手段を設ける。また、裏込め材を除去しやすい低強度のものにしておいてもよい。低強度のものであれば、外胴凸部6の先端に設ける除去手段として回転カッタなどの大掛かりな手段を設ける必要はない。問題が生じないのであれば、裏込め材の注入をせずにおいてもよい。外胴凸部6の先端による除去の負担を検討して設定すればよい。除去の負担が軽いものであれば、外胴凸部6の先端に回転カッタのような除去手段を設けなくてもよい。
図5は、発進立坑Sからシールド掘進機2を発進させ、必要長さLのシールドトンネル1を並設して施工し、シールド掘進機2を地中に残置させたものを示したものである。シールドトンネル1は、図において上から下に順に10本が施工される。後行シールド掘進機2は、外胴凸部6を先行シールドトンネル1の覆工体10の覆工体凹部11内に位置させ掘削して進行した後、外胴凸部6を先行シールド掘進機2の外胴4の外胴凹部5内に位置させて掘進を停止する。
図6(A)に示すように、後行シールド掘進機2は、外胴4に設けられた外胴凸部6を先行シールドトンネル1の覆工体10の覆工体凹部11内に位置させながら、掘進している。これにより、正確に後行シールド掘進機2を施工でき、後行シールドトンネル1の覆工体10を正確に配置することができる。
図6(B)における向かって右側に後行シール掘進機が通過し、後行シールドトンネルの覆工体が連結されていく。
また、覆工体10の並設方向に対して直交する方向のせん断力が作用したとしても、先行シールドトンネル1の覆工体凹部11内に後行シールドトンネル1の覆工体凸部12を位置させているので、せん断力に抵抗することができる。
また、裏込め材21が注入されることによって、先行シールドトンネル1の覆工体凹部11と後行シールドトンネル1の覆工体凸部12との連結力も強化される。
図7(B)に示すように、後行シールド掘進機2が先行シールドトンネル1の覆工体10に沿って掘進してくる。掘進は、先行シールドトンネル1の覆工体10の覆工体凹部11内に、後行シールド掘進機2の外胴凸部6を配置させるように行う。このように掘進することで、覆工体凹部11がガイドとなり、正確に後行シールド掘進機2を掘進させることができる。
後行シールド掘進機2の外胴凸部6は、覆工体凹部11内の裏込め材21を除去して位置することになる。図では、後行シールド掘進機2は外胴4だけを記載しており、他を省略している。
図8(B)に示すように、後行シールド掘進機2は、外胴凸部6を、先行シールド掘進機2の外胴凹部5内に位置させて、掘削を停止する。1本目と2本目の先行シールド掘進機2同士についても、2本目のシールド掘進機2の外胴凸部6が1本目のシールド掘進機2の外胴凹部5内に位置させた状態で停止している。
必要に応じて、並んで停止したシールド掘進機同士は、連結してシールド掘進機同士を固定してもよい。連結には、シールド掘進機同士のクリアランスに外胴に注入孔を設けるなどして固化材を充填したり、ボルト孔を設けるなどしてボルト結合したり、それらの組み合わせとしてもよい。
さらに、並んで停止したシールド掘進機同士のクリアランスに固化材を充填した場合には、連結力も強化されるとともに、先行シールド掘進機の外胴凹部と後行シールド掘進機の外胴凸部との間に固化材が存在するため、より連結部の止水性が向上させることができる。ボルト結合によりシールド掘進機同士を連結した場合には、連結力が強化される。
以下、本発明に係る第2の実施形態について図面の図9と共に説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分については説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第1の実施形態のような並設トンネルの施工において、先行シールドトンネルの施工中に予期しない大きな玉石などの地中障害物によって先行シールド掘進機の掘進を一時的に停止しなければならない場合がある。この場合に、先行シールドトンネルの覆工体凹部内に外胴凸部を位置させて掘進する後行シールド掘進機の掘削を進めると、外胴凸部が先行シールド掘進機の外胴に衝突してしまうので、先行シールド掘進機の掘進が再開するまで停止させなければならず、工期が延びてしまう。
本実施形態は、このような場合に適用したものである。
先行シールド掘進機2のカッタは、追い抜く後行シールド掘進機2の外胴凸部6や追い抜いた後行シールド掘進機2が設置する覆工体10の覆工体凸部12に干渉しないように、例えばスポーク型にしてさらに縮小可能な構造としている。
図9(B)に示すように、地中障害物Rに関係しない後行シールド掘進機2は掘進を続け、掘進を一時中断した先行シールド掘進機2に追いつく。このとき、後行シールド掘進機2の外胴凸部6は、先行シールド掘進機2の外胴凹部5内に位置して移動して、後行シールド掘進機2の外胴凸部6が先行シールド掘進機2の外胴4に衝突することが回避される。
このようにすることで、追い抜いた後行シールド掘進機2のさらに次の後行シールド掘進機(図示しない)の施工を遅らせないようにすることができる。
掘進を一時中断して停止した先行シールド掘進機2が掘進を再開するときは、追い抜いて先行した後行シールドトンネル1の覆工体凸部12を外胴凹部5内に位置させながら掘進させ、覆工体10を連結していく。
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば以下のようなものも含まれる。
また、追い抜かれた先行シールド掘進機の掘進が再開した後に、今度は、追い抜いて行った後行シールド掘進機の掘進が一時中断するなどした場合に、当該追い抜いて行った後行シールド掘進機を再開した先行シールド掘進機が追い抜いて行くようにしてもよい。
2 シールド掘進機
3 回転カッタ
4 外胴
5 外胴凹部
5a 外胴凹部内形面
6 外胴凸部
6a 外胴凸部内形面
10 覆工体(セグメント)
11 覆工体凹部
12 覆工体凸部
13 連結ボルト
20 掘削線
21 裏込め材
R 地中障害物
Claims (4)
- 外胴の外周面から凹んだ外胴凹部を外胴のトンネル軸方向に備え、
前記外胴凹部は、隣に並ぶトンネル掘削機の外胴の外周面から突設した外胴凸部の少なくとも一部が前記外胴凹部内に位置することが可能であり、
前記外胴凹部は、前記外胴のトンネル軸方向の全長に亘って形成されていることを特徴とするトンネル掘削機。 - 一のトンネルと他のトンネルとを各々トンネル掘削機によって、隣設してトンネルを施工する方法であって、
前記一のトンネルは、覆工体のトンネル軸方向に外周面から凹んだ覆工体凹部を備えており、
前記他のトンネルを掘削するトンネル掘削機は、外胴の外周面から突設した外胴凸部を備えており、
前記一のトンネルを掘削するトンネル掘削機は、外胴のトンネル軸方向に外周面から凹んだ外胴凹部を備えており、
前記他のトンネルを掘削するトンネル掘削機は、前記外胴凸部の少なくとも一部を、前記一のトンネルの前記覆工体凹部内に位置させて進行した後、前記外胴凸部の少なくとも一部を、前記一のトンネルを掘削するトンネル掘削機の前記外胴凹部内に位置させることを特徴とするトンネル施工方法。 - 一のトンネルと他のトンネルとを各々トンネル掘削機によって、隣設してトンネルを施工する方法であって、
前記一のトンネルは、覆工体のトンネル軸方向に外周面から凹んだ覆工体凹部を備えており、
前記他のトンネルを掘削するトンネル掘削機は、外胴の外周面から突設した外胴凸部を備えており、
前記一のトンネルを掘削するトンネル掘削機は、外胴のトンネル軸方向に外周面から凹んだ外胴凹部を備えており、
前記他のトンネルを掘削するトンネル掘削機は、前記外胴凸部の少なくとも一部を、前記一のトンネルの前記覆工体凹部内に位置させて進行した後、前記外胴凸部の少なくとも一部を、前記一のトンネルを掘削するトンネル掘削機の前記外胴凹部内に位置させて停止させることを特徴とするトンネル施工方法。 - 一のトンネルと他のトンネルとを各々トンネル掘削機によって、隣設してトンネルを施工する方法であって、
前記一のトンネルは、覆工体のトンネル軸方向に外周面から凹んだ覆工体凹部を備えており、
前記他のトンネルを掘削するトンネル掘削機は、外胴の外周面から突設した外胴凸部を備えており、
前記一のトンネルを掘削するトンネル掘削機は、外胴のトンネル軸方向の全長に外周面から凹んだ外胴凹部を備えており、
前記他のトンネルを掘削するトンネル掘削機は、前記外胴凸部の少なくとも一部を、前記一のトンネルの前記覆工体凹部内に位置させて進行した後、前記外胴凸部の少なくとも一部を、前記一のトンネルを掘削するトンネル掘削機の前記外胴凹部内に位置させて進行することを特徴とするトンネル施工方法。
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