JP6940167B2 - 繊維製品の洗濯方法 - Google Patents

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本発明は、洗剤組成物セット及び繊維製品の洗濯方法に関する。さらに詳しくは、カシミヤやウール等の繊維製品の洗濯に用いることが可能な、第1剤と第2剤の2剤を含む洗剤組成物セット及びかかる洗剤組成物セットを用いた繊維製品の洗濯方法に関する。
獣毛や羊毛といった天然繊維からなるカシミヤ、ウール等(以下、単に「カシミヤ等」とする場合もある。)の繊維からなる繊維製品は、その繊維素材本来のふわふわ感や、エレガントでマイルドな高級感があることから、例えば、コート等、女性のおしゃれ着等として着用されている。
一方、これらの衣類(衣料類)等の繊維製品の洗濯については、専用の洗剤としてカチオン界面活性剤(陽イオン界面活性剤)、両性界面活性剤等を含む洗剤が提供されているが、これらは洗浄力や洗い上り等に問題があった。また、近年、比較的緩和な作用のあるものを使用した中性洗剤等による、いわゆる「おしゃれ着用洗剤」等も提供されている(例えば、特許文献1等を参照。)。
特開2003−313591号公報
しかしながら、「おしゃれ着用洗剤」等で水洗いすると、繊維製品は硬くなって縮んでしまい、風合い等も損なわれてしまっていた。また、繊維製品の洗濯をクリーニング店に依頼した場合、ドライクリーニングが必要となるため、汗等の水溶性汚れが落ちないばかりか、異臭や黄変、黒ずみ等の二次的な問題を引き起こすことになっていた。このような背景の中、カシミヤ、ウール等の天然繊維からなる繊維製品のような、水洗いができないいわゆるドライマーク衣類等であっても問題なく水洗いでき、風合い等を損なわないように洗濯可能な洗剤の提供が望まれていた。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、水洗い可能な繊維製品はもちろんのこと、カシミヤ、ウール等の天然繊維からなる繊維製品の洗濯に用いることができる洗剤組成物セット及び繊維製品の洗濯方法を提供することにある。
前記の課題を解決するために、本発明に係る繊維製品の洗濯方法は、
下記成分(a)〜(c)(含有量はいずれも第1剤全体に対しての値である。):
(a)ノニオン界面活性剤 8.0〜17.0質量%、
(b)セルロース誘導体を含む水溶性高分子化合物 7.0〜15.0質量%、
(c)pH調整剤 14.0〜23.0質量%、
を含む第1剤と、
下記成分(d)〜(g)(含有量はいずれも第2剤全体に対しての値である。):
(d)第四級アンモニウム化合物 3.5〜10.5質量%、
(e)油剤 16.0〜32.0質量%、
(f)乳化剤 4.5〜11.5質量%、
(g)アルコール類 2.5〜9.5質量%、
を含む第2剤(ただし、アニオン性界面活性剤を含まない。)と、を含んでなる洗剤組成物セットを構成する前記第1剤と前記第2剤を、この順で使用して、前記第1剤及び前記第2剤の使用後にはすすぎ洗いをしないようにして、洗濯対象となる繊維製品を洗濯することを特徴とする。
本発明に係る繊維製品の洗濯方法は、前記した本発明において、前記(e)油剤が、シリコーン誘導体及びラノリン誘導体を含み、前記シリコーン誘導体の含有量が、前記第2剤全体に対して6.0〜14.0質量%であり、前記ラノリン誘導体の含有量が、前記第2剤全体に対して10.0〜18.0質量%であることを特徴とする。
本発明に係る繊維製品の洗濯方法は、前記した本発明において、前記(d)第四級アンモニウム化合物が、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドよりなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明に係る繊維製品の洗濯方法は、前記した本発明において、前記(a)ノニオン界面活性剤及び前記(f)乳化剤が、ポリオキシエチレンラウリルエーテルを含むことを特徴とする。
本発明に係る洗剤組成物セットは、洗浄剤的な役割を有する第1剤と、柔軟仕上げ剤的な役割を有する第2剤を含んでなり、洗浄剤的な役割を有する第1剤により水溶性等の汚れの洗浄を行うとともに、繊維製品の繊維組織のスケールの開きを抑制していわゆるフェルト化現象を抑制しつつ、タンパク質組織の変性を防止等された状態で処理することができる。また、次いで使用される、柔軟仕上げ剤的な役割を有する第2剤は、第1剤で洗浄等された繊維製品に保湿成分等を補充し、繊維のスケール自体をコーティングして保護し、繊維製品が天然繊維である場合、天然繊維本来のまろやかな(ないしはしなやかな。以下同じ。)風合いを維持するようにするとともに、柔軟性及び帯電防止性等を付与する。このように、本発明に係る洗剤組成物セットは、水洗い可能な繊維製品はもちろんのこと、カシミヤ、ウール等の天然繊維からなる繊維製品のような水洗いができない、いわゆるドライマーク衣類等であっても、一般家庭で水洗いが可能であり、風合い等を損なわないように洗濯可能な洗剤となる。
また、本発明に係る繊維製品の洗濯方法は、洗濯対象となる繊維製品を、前記した洗剤組成物セットを構成する前記第1剤と前記第2剤を、この順で使用して洗濯するので、洗剤組成物セットが有する効果を享受した洗濯方法を簡便な方法で提供することができる。
試験例2において、洗濯前(新品)のマフラーの表面状態を観察した電子顕微鏡での写真(400倍)を示した図である。 試験例2において、おしゃれ着用洗剤で1回洗濯したマフラーの表面状態を観察した電子顕微鏡での写真(400倍)を示した図である。 試験例2において、実施例1の洗剤組成物セットで1回洗濯したマフラーの表面状態を観察した電子顕微鏡での写真(400倍)を示した図である。 試験例2において、おしゃれ着用洗剤で3回洗濯したマフラーの表面状態を観察した電子顕微鏡での写真(400倍)を示した図である。 試験例2において、実施例1の洗剤組成物セットで3回洗濯したマフラーの表面状態を観察した電子顕微鏡での写真(400倍)を示した図である。 試験例2において、おしゃれ着用洗剤で5回洗濯したマフラーの表面状態を観察した電子顕微鏡での写真(400倍)を示した図である。 試験例2において、実施例1の洗剤組成物セットで5回洗濯したマフラーの表面状態を観察した電子顕微鏡での写真(400倍)を示した図である。
以下、本発明に係る洗剤組成物セットの一態様について説明する。本発明に係る洗剤組成物セットは、下記の構成の、別の剤である第1剤及び第2剤を基本構成として含む。
(I)第1剤:
第1剤は、必須成分として(a)ノニオン界面活性剤、(b)水溶性高分子化合物及び(c)pH調整剤を含むものである。第1剤は、洗濯対象である繊維製品を洗浄するとともに、滑らかさや柔軟性等を維持する等の目的で用いられる。
ノニオン界面活性剤(非イオン界面活性剤)は、特に、カシミヤ、ウール等の天然繊維からなる繊維製品の洗濯にあって、水溶性の汚れを洗浄する等の役割を発揮する。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキル(あるいはアルケニル)エーテル、天然油脂のポリオキシエチレン誘導体、多価アルコール(グリコール類、ソルビタン類等)の高級脂肪酸モノエステル、及び脂肪酸アルキロールアミド類等が挙げられる。なお、ポリオキシエチレンのEO(エチレンオキサイド)重合度は、例えば、2〜74とすることが好ましいが、特にこの範囲には制限されない。
ノニオン界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルモンド油、ポリオキシエチレンラノリン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、モノラウリン酸ソルビタン等が挙げられ、これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。これらのノニオン界面活性剤のうち、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用することが好ましい。
ノニオン界面活性剤の含有量は、第1剤全体に対して8.0〜17.0質量%とする。ノニオン界面活性剤の含有量がかかる範囲であれば、繊維製品に対する水溶性の汚れの洗浄効果等を効率よく発揮することができる。ノニオン界面活性剤の含有量は、第1剤全体に対して10.0〜15.0質量%であることが特に好ましい。
次に、水溶性高分子化合物は、第1剤の洗浄力を向上させるとともに、洗濯対象である繊維製品の繊維組織のスケールの開きを抑制し、滑らかさや柔軟性等を維持する等の目的で配合される。水溶性高分子化合物としては、例えば、メチルセルロース、ヒロドキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体(セルロース系水溶性高分子)のほか、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、グアーガム、クインシードガム、キサンタンガム、ジェランガム、ネイティブジェランガム、ローカストビーンガム、ペクチン、ポリビニルアルコール等が挙げられ、これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。ここで、水溶性とは、例えば、成分の1%水溶液の曇点が30℃以上であることを指すがこれには限定されない。これらの水溶性高分子化合物のうち、ヒロドキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等を使用することが好ましい。
水溶性高分子化合物の含有量は、第1剤全体に対して7.0〜15.0質量%とする。水溶性高分子化合物の含有量がかかる範囲であれば、洗浄力の向上と繊維製品の繊維組織をなめらかにする効果を効率よく発揮することができる。水溶性高分子化合物の含有量は、第1剤全体に対して9.0〜13.0質量%であることが特に好ましい。
pH調整剤は、繊維製品のpHを、例えば、獣毛や羊毛と同じ弱酸性(例えば、pHが4.0〜6.0等。)とし、繊維のスケールの開きを抑えることでいわゆるフェルト化現象を防止し、また、タンパク質組織の変性を防止する等のために配合される。pH調整剤としては、除菌性や安全性を考慮すると、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸等の有機酸及びクエン酸ナトリウム等のこれらの塩等が挙げられ、これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。これらのpH調整剤の中では、クエン酸やクエン酸ナトリウムを使用することが特に好ましい。
pH調整剤の含有量は、第1剤全体に対して14.0〜23.0質量%とする。pH調整剤の含有量がかかる範囲であれば、pHの調整が効率よく発揮することができ、繊維のフェルト化現象等を防止することができる。pH調整剤の含有量は、第1剤全体に対して16.0〜21.0質量%とすることが特に好ましい。
(II)第2剤:
次に、第2剤について説明する。第2剤は、必須成分として(d)第四級アンモニウム化合物、(e)油剤、(f)乳化剤及び(g)アルコール類を含むものである。第2剤は、洗濯対象となる衣類にまろやかな風合いや柔軟性等を付与する、柔軟仕上げ剤的な役割を有する。
第2剤を構成する第四級アンモニウム化合物は、配合により帯電防止機能を発揮し、柔軟効果も有する。また、カチオン界面活性剤としても作用する。第四級アンモニウム化合物は、例えば、1つまたは2つの(C−C20)−アルキルまたは(C−C20)−アルケニル基を有し、その他の基は(C−C)−アルキルまたは(C−C)−ヒドロキシアルキル基である化合物等であることが好ましいが、これには限定されない。
第四級アンモニウム化合物は、第四級アンモニウム塩等、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、PEG−5 ステアリルラクテート、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアロイルエチルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルアンモニウムメトスルフェート及び/またはジココイルエチルヒドロキシエチルアンモニウムメトスルフェート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等を使用することができる。前記した第四級アンモニウム化合物は、これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。これらの第四級アンモニウム化合物の中では、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドのうち少なくとも1種を使用することが好ましい。
第四級アンモニウム化合物の含有量は、第2剤全体に対して3.5〜10.5質量%とする。第四級アンモニウム化合物の含有量がかかる範囲であれば、帯電防止効果や柔軟効果を効率よく付与できる。第四級アンモニウム化合物の含有量は、第2剤全体に対して5.0〜9.0質量%とすることが特に好ましい。
油剤は、洗濯対象である動物性繊維等の天然繊維等を滑らかに保護し、洗浄等で傷んだ組織を修復する。また、重要な栄養成分、脂質と結合水の保湿成分を新規に補充し、繊維のスケール自体をコーティングして保護し、しなやかな風合いを維持する保湿付与成分としてのはたらきを有する。後記する油剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
油剤として、まず、シリコーン誘導体としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルポリシクロシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等や、前記シリコーン誘導体のアミノ変性物(アミノ変性ヘキサメチルジシロキサン、アミノ変性オクタメチルトリシロキサン、アミノ変性メチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ヘキサメチルシクロトリシロキサン、アミノ変性オクタメチルシクロテトラシロキサン、アミノ変性デカメチルシクロペンタシロキサン、アミノ変性メチルポリシクロシロキサン、アミノ変性メチルフェニルポリシロキサン)等が挙げられる。
また、ラノリン誘導体としては、例えば、ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、還元ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸エステル、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。
その他、天然物由来の油剤(天然油脂)としては、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、アボガド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、キョウニン油、シナモン油、ホホバ油、ブドウ油、ヒマワリ油、アルモンド油、ナタネ油、ゴマ油、小麦胚芽油、米胚芽油、米ヌカ油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、月見草油、卵黄油等が挙げられる。
固体油脂としては、カツオ脂、ヤシ油、パーム油、パーム核油、牛脂、硬化乳脂、馬脂、硬化油、硬化ヒマシ油、モクロウ、シアバター等が挙げられる。
ロウ類としては、ミツロウ、ギャンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、カポックロウ、サトウキビロウ、ホホバロウ、セラックロウ等が挙げられる。
エステル油としては、オクタン酸セチル等のオクタン酸エステル、ラウリン酸ヘキシル等のラウリン酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のミリスチン酸エステル、パルミチン酸オクチル等のパルミチン酸エステル、ステアリン酸イソセチル等のステアリン酸エステル、イソステアリン酸イソプロピル等のイソステアリン酸エステル、イソパルミチン酸オクチル等のイソパルミチン酸エステル、オレイン酸イソデシル等のオレイン酸エステル、アジピン酸ジイソプロピル等のアジピン酸ジエステル、セバシン酸ジエチル等のセバシン酸ジエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリオクタン酸グリセリン、トリイソステアリン酸グリセリン等のトリグリセライド、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン等のトリメチロールプロパン脂肪酸エステル、テトラオクタン酸ペンタエリスリット等のペンタエリスリトール脂肪酸エステル等が挙げられる。
炭化水素油としては、スクワラン、スクワレン、プリスタン、パラフィン、イソパラフィン、流動パラフィン、オゾケライト、セレシン、ワセリンおよびマイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
これらの油剤のうち、カシミヤ等の繊維製品に良好な感触を付与するためには、シリコーン誘導体及びラノリン誘導体のうち少なくとも1種を含むようにして使用することが好ましく、シリコーン誘導体及びラノリン誘導体を含むようにして使用することが特に好ましい。油剤としてこの2成分を使用することにより、洗濯対象である動物性繊維等の天然繊維を滑らかに保護し、洗浄等で傷んだ組織を修復する等のはたらきを効率よく実施することができる。また、繊維製品に対して重要な栄養成分、脂質と結合水の保湿成分を新規に補充し、繊維のスケール自体をコーティングして保護し、まろやかな風合いを維持するはたらきについても同様である。
油剤の含有量は、第2剤全体に対して16.0〜32.0質量%とする。油剤の含有量がかかる範囲であれば、保湿成分等を補充し、傷んだ繊維組織を修復等するといった効果が効率よく付与される。油剤の含有量は、第2剤全体に対して20.0〜28.0質量%とすることが特に好ましい。
なお、油剤として、シリコーン誘導体及びラノリン誘導体を使用する場合は、シリコーン誘導体の含有量を第2剤全体に対して6.0〜14.0質量%、ラノリン誘導体の含有量を第2剤全体に対して10.0〜18.0質量%とすることが好ましく、シリコーン誘導体の含有量を第2剤全体に対して8.0〜12.0質量%、ラノリン誘導体の含有量を第2剤全体に対して12.0〜16.0質量%とすることが特に好ましい。
乳化剤は、第2剤の各成分を均一に混合する等の役割を果たす。乳化剤としては、例えば、前記した第1剤を構成するノニオン界面活性剤と共通する成分、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルモンド油、ポリオキシエチレンラノリン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、モノラウリン酸ソルビタン等が挙げられる。
また、その他、ステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール−150、ジラウリン酸グリセリル、ステアリン酸ポリエチレングリコール−20、セテアリールアルコールやセテアレス−20、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール−30等を使用することができる。前記の成分は、これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。これらの乳化剤のうち、前記した第1剤と同様、ノニオン界面活性剤を使用することが好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用することが特に好ましい。
乳化剤は、第2剤全体に対して4.5〜11.5質量%とする。乳化剤の含有量がかかる範囲であれば、第2剤の各成分を均一に混合する等の役割を効率よく発揮することができる。乳化剤の含有量は、第2剤全体に対して6.0〜10.0質量%とすることが特に好ましい。
アルコール類は、前記の第四級アンモニウム化合物に結合し、繊維製品に帯電防止効果や柔軟効果等を付与する。アルコール類としては、例えば、メチルアルコール(メタノール)、エチルアルコール(エタノール)、イソプロピルアルコール(イソプロパノール、2−プロパノール)、ブチルアルコール(ブタノール)、イソブチルアルコール(イソブタノール)等のC−Cの低級アルコール等が挙げられ、これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。これらのアルコール類のうち、安全性を考慮すると、エチルアルコールやイソプロピルアルコールを使用することが好ましい。これらは、第四級アンモニウム化合物と効率よく結合すると考えられる。
アルコール類は、第2剤全体に対して2.5〜9.5質量%とする。アルコール類の含有量がかかる範囲であれば、前記の効果を効率よく発揮する。アルコール類の含有量は、第2剤全体に対して4.0〜8.0質量%とすることが特に好ましい。
第1剤、第2剤とも、前記の必須成分のほか、下記の任意成分を除いて、残部を水とすることが好ましい。水は、通常の水道水、精製水、イオン交換水、逆浸透膜水(Reverse Osmosis:RO水)等を使用することができるが、分子レベルの超軟水であり、洗浄効果を向上させることが期待できる等の理由で、逆浸透膜水(RO水)を使用することが好ましい。
残部となる水の含有量は、第1剤には、第1剤全体に対して48.0〜68.0質量%とすることが好ましく、51.0〜65.0質量%とすることが特に好ましい。同様に、残部となる水の含有量は、第2剤には、第2剤全体に対して42.0〜68.0質量%とすることが好ましく、45.0〜65.0質量%とすることが特に好ましい。
なお、第1剤及び第2剤には、任意成分として、通常の洗剤組成物等に添加される成分、例えば、前記以外の界面活性剤(ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤)、洗浄性ビルダー、前記以外のポリマー類、ケーキング防止剤、消泡剤、金属イオン捕捉剤、前記以外のpH調整剤、還元剤、蛍光増白剤、水溶性無機塩、酵素、酵素安定剤、漂白剤、漂白活性化剤、色素、香料等の成分を本発明の目的及び効果を妨げない範囲で適宜添加することができる。
(III)洗剤組成物セットを使用した繊維製品の洗濯:
本発明の洗剤組成物セットは、例えば、第1剤及び第2剤をこの順(第1剤を使用した後、第2剤を使用して洗濯することを指す。)で使用して、洗濯対象となる繊維製品を洗濯する。ここで、具体的な手順としては、例えば、下記のようにすればよい。
まず、洗濯対象である繊維製品について、必要によりボタンをボタン穴にはめ(掛け)、ボタンが擦れて繊維製品の繊維を傷めないように、ネットに入れる。この場合、外向きに丁寧に畳んで、ネットに入れることが好ましい。
洗い桶等に、第1剤を適量(例えば、約6mlのキャップに3〜4杯程度。)注ぎ、バケツ1杯(約10l(リットル。以下同じ。))の水に入れて混合し(第1剤を400〜500倍希釈等。)、洗濯液を調製する。ネットに入った繊維製品をかかる洗濯液に浸け、適当な回数(例えば、20〜30回。)の押し洗いを行う。なお、繊維製品がカシミヤ等の天然繊維からなる場合は、デリケートな繊維を傷めないよう、もみ洗いをしないことが好ましい。このようにして押し洗いした後、排水してから、押しながら軽く脱水するようにする。
次に、洗い桶等に第2剤を適量(例えば、約6mlのキャップに3〜4杯程度。)注ぎ、バケツ1杯(約10l)の水に入れて混合し(第2剤を400〜500倍希釈等。)、洗濯液を調製する。ネットに入った繊維製品をかかる洗濯液に浸け、適当な回数(例えば、10回程度。)の振り洗いを行う。このようにして振り洗いをした後、排水してから、押しながら軽く脱水するようにする。
脱水後、繊維製品をネットから出し、バスタオル等に挟んで、水分を取り除くようにする。この際、バスタオル等を擦らないようにする。また、手でやさしく叩いてシワを伸ばしたりした後、ていねいに形(かたち)を整えるようにすることが好ましい。
なお、このようにして洗濯が終わった繊維製品を干して自然乾燥させる際には、伸びやすいものや、形が崩れやすいものは、「平干し台」等を使用するか、ハンガーにタオルを巻きつける等により、「陰干し」等の自然乾燥をすることが好ましい。
(IV)発明の効果:
以上説明したように、本発明に係る洗剤組成物セットは、洗浄剤的な役割を有する第1剤と、柔軟仕上げ剤的な役割を有する第2剤を含んでなり、洗浄剤的な役割を有する第1剤により水溶性等の汚れの洗浄を行うとともに、繊維製品の繊維組織のスケールの開きを抑制していわゆるフェルト化現象を抑制しつつ、タンパク質組織の変性を防止等された状態で処理することができる。また、次いで使用される、柔軟仕上げ剤的な役割を有する第2剤は、第1剤で洗浄等された繊維製品に保湿成分等を補充し、繊維のスケール自体をコーティングして保護し、繊維製品が天然繊維である場合、天然繊維本来のまろやかな風合いを維持するようにするとともに、柔軟性及び帯電防止性等を付与する。このように、本発明に係る洗剤組成物セットは、水洗い可能な繊維製品はもちろんのこと、カシミヤ、ウール等の天然繊維からなる繊維製品のような水洗いができない、いわゆるドライマーク衣類等であっても、一般家庭で水洗いが可能であり、風合い等を損なわないように洗濯可能な洗剤となる。
そして、本発明に係る繊維製品の洗濯方法は、洗濯対象となる繊維製品を、前記した洗剤組成物セットを構成する前記第1剤と前記第2剤を、この順で使用して洗濯するので、洗剤組成物セットが有する効果を享受した洗濯方法を簡便な方法で提供することができる。
本発明の対象となる繊維製品は、カシミヤ、ウール、アルパカ、アンゴラ、ムートン、モヘヤ、シルク(絹)等といった動物由来の天然繊維(動物繊維)からなる天然繊維(100%でないものも含む。)を含め、繊維の種類は特に限定されず、コットン(綿)、麻等の植物由来の天然繊維(植物繊維)、ナイロン、ポリエステル、アクリル等の合成繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維等からなる従来公知の衣類等の繊維製品一般の洗濯に適用することができ、特に、水洗いが難しかった動物繊維等からなる繊維製品の洗濯について威力を発揮する。また、繊維製品の形態も、特に限定されず、一般的な衣類等、例えば、コート、ジャケット、セーター、マフラー、ダウンジャケット、ブラウス等の従来公知の繊維製品の形態に対して広く適用することができる。
(V)実施形態の変形:
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。本発明は前記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良は、本発明に含まれるものである。
例えば、本発明に係る洗剤組成物セットを用いた繊維製品の洗濯方法は、前記した(III)にその一例を載せたが、第1剤及び第2剤をこの順で使用して、洗濯対象となる繊維製品を洗濯するのであれば、繊維製品を構成する繊維の種類や繊維製品の形態等にあわせて、洗濯等の条件を適宜調整しても問題はない。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
なお、本発明の参考形態の一例を以下に補記する。
本発明に係る洗剤組成物セットは、下記成分(a)〜(c)(含有量はいずれも第1剤全体に対しての値である。):
(a)ノニオン界面活性剤 8.0〜17.0質量%、
(b)水溶性高分子化合物 7.0〜15.0質量%、
(c)pH調整剤 14.0〜23.0質量%、
を含む第1剤と、
下記成分(d)〜(g)(含有量はいずれも第2剤全体に対しての値である。):
(d)第四級アンモニウム化合物 3.5〜10.5質量%、
(e)油剤 16.0〜32.0質量%、
(f)乳化剤 4.5〜11.5質量%、
(g)アルコール類 2.5〜9.5質量%、
を含む第2剤と、を含んでなることを特徴とする。
本発明に係る洗剤組成物セットは、前記した本発明において、前記(e)油剤が、シリコーン誘導体及びラノリン誘導体を含み、前記シリコーン誘導体の含有量が、前記第2剤全体に対して6.0〜14.0質量%であり、前記ラノリン誘導体の含有量が、前記第2剤全体に対して10.0〜18.0質量%であることを特徴とする。
本発明に係る洗剤組成物セットは、前記した本発明において、前記(d)第四級アンモニウム化合物が、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドよりなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明に係る洗剤組成物セットは、前記した本発明において、前記(a)ノニオン界面活性剤及び前記(f)乳化剤が、ポリオキシエチレンラウリルエーテルを含むことを特徴とする。
本発明に係る繊維製品の洗濯方法は、前記した本発明に係る洗剤組成物セットを構成する前記第1剤と前記第2剤を、この順で使用して、洗濯対象となる繊維製品を洗濯することを特徴とする。
以下、実施例等に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[実施例1]
洗剤組成物セットの調製:
まず、下記表1に示した成分を混合して第1剤を調製した。また、下記表2に示した成分を混合して第2剤を調製した。なお、表1に第1剤の組成(成分と含有量(質量%)。以下同じ。)、表2に第2剤の組成を示した。また、表1及び表2の数値(含有量)は、第1剤(表1)、第2剤(表2)全体を100質量%とした場合の各成分の値(質量%)である。
(第1剤の組成)
Figure 0006940167
(第2剤の組成)
Figure 0006940167
[試験例1]
繊維製品の洗濯(1):
得られた実施例1の洗剤組成物セット(第1剤及び第2剤)をこの順で使用して、繊維製品としてカシミヤ製のコートについて下記の方法で洗濯を行った。
(1)第1剤による洗浄:
まず、洗濯対象である繊維製品について、ボタンをボタン穴にはめ、ボタンが擦れて繊維製品の繊維を傷めないように、外向きに丁寧に畳んで、ネットに入れた。
第1剤を約6mlのキャップに3杯注ぎ、洗い桶に、バケツ1杯(約10l)の水と入れて混合し、洗濯液を調製した。ネットに入った繊維製品をかかる洗濯液に浸け、20〜30回。)の押し洗いを行った(もみ洗いはしなかった。)このようにして押し洗いした後、排水してから、押しながら軽く脱水した。
(2)第2剤による柔軟仕上げ及び自然乾燥:
次に、第2剤を約6mlのキャップに3杯注ぎ、洗い桶に、バケツ1杯(約10l)の水と入れて混合し、洗濯液を調製した。ネットに入った繊維製品をかかる洗濯液に浸け、10回程度の振り洗いを行った。このようにして振り洗いをした後、排水してから、押しながら軽く脱水するようにした。
脱水後、繊維製品をネットから出し、バスタオルに挟んで、水分を取り除くようした(バスタオルを擦らないようにした。)。また、手でやさしく叩いてシワを伸ばしたりした後、ていねいに形(かたち)を整えるようにした。このようにして洗濯が終わった繊維製品を平干し台で干して自然乾燥した。
前記した方法で洗濯した繊維製品は、水洗いでありながら汚れがきれいに洗浄されていたことに加え、いわゆるフェルト化現象も確認されず、天然繊維特有のまろやかな風合いが維持された仕上がりであった。
[試験例2]
繊維製品の洗濯(2):
繊維製品としてカシミヤ製の黄色のマフラー(新品)について、実施例1の洗剤組成物セット(第1剤及び第2剤)をこの順で使用して、下記の方法で手洗い洗濯を実施した場合と、市販品であるおしゃれ着用洗剤(おしゃれ着洗い用洗剤)を使用し、下記の方法で手洗い洗濯を実施した場合の、洗濯後のマフラーの表面状態等を比較・評価した。
(A)実施例1の洗剤組成物セットによる洗浄:
(1)第1剤による洗浄:
まず、洗濯対象であるカシミヤ製のマフラー(繊維製品)(新品)を畳んでネットに入れた。第1剤を約6mlのキャップに3杯注ぎ、約10lの常温の水が入った洗い桶に入れて混合し、洗濯液を調製した。ネットに入ったマフラーをかかる洗濯液に10分間浸け置いた後、30回の押し洗いを行った。このようにして押し洗いをした後、排水してから、押しながら軽く脱水した。
(2)第2剤による柔軟仕上げ及び自然乾燥:
次に、第2剤を約6mlのキャップに3杯注ぎ、約8lの常温の水が入った洗い桶に入れて混合し、洗濯液を調製した。ネットに入ったマフラーをかかる洗濯液に10分間浸け置いた後、10回の振り洗いを行った。このようにして振り洗いをした後、排水してから、押しながら軽く脱水するようにした。
脱水後、マフラーをネットから出し、バスタオルに挟んで、水分を取り除くようした(バスタオルを擦らないようにした。)。また、手でやさしく叩いてシワを伸ばしたりした後、ていねいに形(かたち)を整えるようにした。このようにして洗濯が終わったマフラーを平干し台で干して自然乾燥した。
(B)市販品であるおしゃれ着用洗剤による洗浄:
まず、(A)と同様、洗濯対象であるカシミヤ製のマフラー(繊維製品)(新品)を畳んでネットに入れた。おしゃれ着用洗剤を約6mlのキャップに3杯(約18ml)注ぎ、約10lの常温の水が入った洗い桶に入れて混合し、洗濯液を調製した。ネットに入ったマフラーをかかる洗濯液に10分間浸け置いた後、30回の押し洗いを行った。このように押し洗いを行った後、排水してから、押しながら軽く脱水した。
次に、常温の水ですすぎ洗いをして、排水してから、押しながら軽く脱水するようにした。
脱水後、マフラーをネットから出し、バスタオルに挟んで、水分を取り除くようした(バスタオルを擦らないようにした。)。また、手でやさしく叩いてシワを伸ばしたりした後、ていねいに形(かたち)を整えるようにした。このようにして洗濯が終わったマフラーを平干し台で干して自然乾燥した。
そして、前記した(A)、(B)の手洗い洗濯を1回、3回、5回行った場合におけるマフラーの表面状態を、電子顕微鏡(400倍)で観察し、比較・評価した。ブランクとして、洗濯前(新品)のマフラーの表面状態を観察した電子顕微鏡での写真(400倍)を示した図を図1、おしゃれ着用洗剤で洗濯したマフラーの表面状態を観察した電子顕微鏡での写真(400倍)を示した図を図2(1回洗濯)、図4(3回洗濯)、図6(5回洗濯)、実施例1の洗剤組成物セットで1回洗濯したマフラーの表面状態を観察した電子顕微鏡での写真(400倍)を図3(1回洗濯)、図5(3回洗濯)、図7(5回洗濯)にそれぞれ載せた。
市販品のおしゃれ着用洗剤で洗濯したマフラーは、図4に示すように、3回洗濯した時点でマフラー表面のキューティクルが荒れだし、直線部分がなくなり始め、絡み合いが発生した(これが、獣毛・羊毛が硬くなる、いわゆる「フェルト化現象」である。)。さらに、図6に示すように、5回洗濯になると、繊維組織の崩壊によるタテ割れ現象が顕著になり、加えて直線部分がなくなることが観察できた。そして、天然繊維特有のまろやかな風合いも維持することが難しかった。
一方、実施例1の洗剤組成物セットで洗濯したマフラーは、図3、図5及び図7に示すように、1回や3回はもちろんのこと、5回洗濯した後でも、繊維組織表面ないしはマフラー表面が安定しており、いわゆるフェルト化現象も確認されず、天然繊維特有のまろやかな風合いが維持された仕上がりであった。
前記した試験例1及び試験例2について、実施例1の洗剤組成物セットを使用した洗濯が前記したような仕上がり等となったのは、第1剤により、水溶性等の汚れの洗浄とともに、繊維製品の繊維組織のスケールの開きを抑制していわゆるフェルト化現象を抑制しつつ、タンパク質組織の変性を防止等された状態で処理され、第2剤により、第1剤で洗浄等された繊維製品に保湿成分等を補充し、繊維のスケール自体をコーティングして保護するとともに、柔軟性及び帯電防止性等を付与されたため等と考えられる。
本発明は、例えば、カシミヤやウール等の天然繊維からなる繊維製品を洗濯する洗剤組成物セットを提供する手段として有利に使用することができ、産業上の利用可能性は高いものである。

Claims (4)

  1. 下記成分(a)〜(c)(含有量はいずれも第1剤全体に対しての値である。):
    (a)ノニオン界面活性剤 8.0〜17.0質量%、
    (b)セルロース誘導体を含む水溶性高分子化合物 7.0〜15.0質量%、
    (c)pH調整剤 14.0〜23.0質量%、
    を含む第1剤と、
    下記成分(d)〜(g)(含有量はいずれも第2剤全体に対しての値である。):
    (d)第四級アンモニウム化合物 3.5〜10.5質量%、
    (e)油剤 16.0〜32.0質量%、
    (f)乳化剤 4.5〜11.5質量%、
    (g)アルコール類 2.5〜9.5質量%、
    を含む第2剤(ただし、アニオン性界面活性剤を含まない。)と、を含んでなる洗剤組成物セットを構成する前記第1剤と前記第2剤を、この順で使用して、前記第1剤及び前記第2剤の使用後にはすすぎ洗いをしないようにして、洗濯対象となる繊維製品を洗濯することを特徴とする繊維製品の洗濯方法。
  2. 前記(e)油剤が、シリコーン誘導体及びラノリン誘導体を含み、
    前記シリコーン誘導体の含有量が、前記第2剤全体に対して6.0〜14.0質量%であり、
    前記ラノリン誘導体の含有量が、前記第2剤全体に対して10.0〜18.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の繊維製品の洗濯方法。
  3. 前記(d)第四級アンモニウム化合物が、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドよりなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の繊維製品の洗濯方法。
  4. 前記(a)ノニオン界面活性剤及び前記(f)乳化剤が、ポリオキシエチレンラウリルエーテルを含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の繊維製品の洗濯方法。
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