JP6938929B2 - カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、感光性着色組成物に関するものであり、特にカラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用される感光性着色組成物、特に薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の駆動用基板上に着色層が形成されたフィルタセグメントを具備する、カラーフィルタオンアレイ方式(以下COA方式と略す場合がある)のカラーフィルタに用いられる感光性着色組成物、および該感光性着色組成物を用いて形成されたカラーフィルタに関する。
液晶表示装置は、2枚の偏光板の間に液晶物質と画素を介在させ、画素ごとに電圧を印加して液晶物質の配向状態を変化させ、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを変化させ、2枚目の偏光板を通過する透過光を制御して画面表示する表示装置である。
この2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになった。そして近年、カラー液晶表示装置の高画質、低消費電力が求められておりカラーフィルタに対しても高画質、低消費電力を達成する設計が求められている。
カラーフィルタは、ガラス板などの透明な基板に透過光の混色を防ぎ、表示コントラストを高める目的で格子状の遮光膜ブラックマトリクス(以下BM)を設け、次に画素ごとに複数色(通常 赤、緑、青)のフィルタセグメントが設けられている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、フィルタセグメントの配列には、2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状に配置したもの(ストライプ配列)、あるいは縦横一定の配列で配置したもの(デルタ配列)がある。フィルタセグメントおよびBMは、着色組成物を塗布し一般に200℃以上、好ましくは230℃の高温で乾燥形成される。さらに、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、その上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極及び配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。
一般にカラー液晶表示装置の画質を向上させる場合、カラーフィルタの解像度をあげる、すなわち画素数を増やすといった事を行う。しかし画素数が増えると画素を囲む様に形成されるBMおよび、液晶を駆動させる為の薄膜トランジスター(TFT)等の遮光部も増え、カラーフィルタの単位面積あたりの光の透過部の割合、すなわち開口率が低くなる。その結果、カラーフィルタの輝度がさがり画面表示部が暗くなってしまう。それを補う為には、バックライトの照度をあげなくてはならず消費電力の増加に繋がってしまう。このことからカラー液晶表示装置の高画質、低消費電力化には、カラーフィルタの解像度をあげ、かつ開口率を上げるという、相反する所作が必要であり、種々の方法・構造が考えられてきた。
中でも、最近注目を集めている高開口率構造にTFTが配置された駆動用基板の上に、着色層を直接あるいは窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を介して形成し、この基板と、液晶を駆動させるための透明電極を蒸着あるいはスパッタリングにより形成した基板とを張り合わせるCOA方式等がある(特許文献1参照)。通常のカラーフィルタは、ゲート電極/透明電極間で起こるクロストークを防止するため遮光部の幅を一定以上狭くできないのに対し、COA方式は、TFTが配置された駆動用基板の上に、厚膜に着色層を形成する事で絶縁性を確保し遮光部の幅を狭くできる。この結果COA方式は、開口率が大幅に増大できカラー液晶表示装置の高画質、低消費電力を達成することが可能である。
COA方式はその機構上、絶縁性の観点から従来のカラーフィルタの画素よりも厚膜に設計することが必要とされる反面、カラーフィルタ表層と基材付近での光硬化および熱硬化収縮差が生じ、シワが発生して画質が落ちてしまうという課題がある。硬化収縮を少なくするために、二官能以下の低官能基数の光重合性単量体を使用する方法もあるが(特許文献2参照)、着色組成物の感度低下からフィルタセグメントおよびBM、配向膜形成等の高温焼成工程で着色組成物自体が分解し、膜厚変化(膜縮率)が大きくなってしまうという問題がある。また、厚膜設計により現像速度遅延や溶解性の低下によるスルーホール残渣が発生したり、デジタルシネマ(DCI)規格のCOA方式ではテーパー形状不良という課題も存在する。
特開2004−94263号公報 特開2016−030764号公報
本発明は、近年のカラー液晶表示装置の高画質化、低消費電力化に対応できる高解像性を有する感光性着色組成物、特に、COA方式のような厚膜でもシワの発生やスルーホール残渣、および膜厚変化を抑制したカラーフィルタ用着色組成物、該カラーフィルタ用着色組成物を用いて形成された、高解像度のカラーフィルタを提供することを目的とする。
本発明者は、前記諸問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ウレタン系光重合性化合物と酸基を有する光重合性化合物を含有するカラーフィルタ用着色組成物において、シワ、スルーホール残渣、膜厚変化およびテーパー形状不良が格段に抑制され、高解像度のカラーフィルタが得られることを見出した。
着色剤(A)、樹脂型分散剤(B)、バインダー樹脂(C)、光重合性単量体(D)、チオール系連鎖移動剤(E)、および光重合開始剤(F)を含有するカラーフィルタ用緑色着色組成物であって、着色剤(A)の含有量が着色組成物の全固形分中20〜30重量%であり、光重合性単量体(D)がウレタン系光重合性単量体 (D1)を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
さらに、前記光重合性単量体(D)が、酸基を有する光重合性単量体(ウレタン系光重合性単量体を除く)(D2)を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
本発明は、前記酸基を有する光重合性単量体(D2)が、カルボキシル基を有する光重合性単量体を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、チオール系連鎖移動剤(E)が多官能チオールを含む、該多官能チオールの含有量が着色組成物の全固形分中1〜10重量%であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、ウレタン系光重合性単量体(D1)が、1分子中のウレタン結合の数が3個以上である光重合性単量体を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、光重合性単量体(D)が、エチレン性不飽和結合を1〜3個有する(メタ)アクリル単量体(ウレタン系光重合性単量体、および酸基を有する光重合性単量体を除く)(D3)を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、酸化防止剤(G)を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、酸化防止剤(G)が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、緑色着色膜の膜厚が3.0〜3.5μmの時に、緑色着色膜のXYZ表色系における色度座標が、C光源で0.155≦x≦0.280、0.615≦y≦0.755になることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、基材上に、前記カラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物により、カラーフィルタの製造工程における露光や200℃以上の熱処理を行なった場合にも、シワやスルーホール残渣の発生、および膜縮率が変化しない高解像度のフィルタセグメントが形成できる。そのため、このカラーフィルタを用いて低消費電力かつ高品質なカラー液晶表示装置を作製できる。
以下、詳細にわたって本発明の実施形態を説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤(A)と、樹脂型分散剤(B)と、バインダー樹脂(C)と、光重合性単量体(D)と、チオール系連鎖移動剤(E)と、光重合開始剤(F)と、酸化防止剤(G)と、有機溶剤とを含有することを特徴とする。
まず、本発明のカラーフィルタ用着色組成物の各種構成成分について説明する。
<着色剤(A)>
本発明の着色組成物に用いることができる着色剤としては、従来公知の種々の顔料、および染料から任意に選択することができる。これらの顔料・染料は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
着色剤の含有量は、着色組成物の全不揮発成分を基準(100重量%)として、COA方式で充分な色再現性を得る観点から20重量%以上が好ましく、より好ましくは22重量%以上である。また、COA方式における厚膜設計および現像性の観点から、好ましい着色剤含有量は30重量%以下であり、より好ましくは28重量%以下である。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、5558、62または63を挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36、58、62、または63である。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、または231などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、185、または231であり、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、180、または231である。
<顔料の微細化>
本発明で顔料を用いる場合、微細化して用いることが好ましいが、微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理を行うことができる。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いカラーフィルタを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径としている。
本発明の着色組成物は、熱架橋性官能基を含有する特定の顔料分散剤とともに、エポキシ化合物を含有することで、このような微細化処理された顔料を用いた場合にも、耐性に優れ、輝度およびコントラスト比の高いカラーフィルタ用着色組成物とすることができるものである。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量%に対し、50〜2000重量%用いることが好ましく、300〜1000重量%用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量%に対し、5〜1000重量%用いることが好ましく、50〜500重量%用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量%に対し、5〜200重量%の範囲であることが好ましい。
<樹脂型分散剤(B)>
樹脂型分散剤(B)は、添加着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体中のと相溶性のある部位とを有し、添加着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。なお、着色剤担体とは、バインダー樹脂および光重合性単量体等の着色剤を除く成分を指す。樹脂型分散剤(B)として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
上記樹脂型分散剤(B)のうち少量の添加量で分散体の粘度が低くなり高いコントラストを示すという理由から、塩基性官能基を有する高分子分散剤が好ましく、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体およびウレタン系高分子分散剤などが好ましい。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDsperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、BASF・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB411、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
<その他の分散剤>
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、色素誘導体、界面活性剤等の樹脂型分散剤(B)以外のその他の分散剤を含有してもよい。これらの分散剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物が、分光特性および粘度安定性が良好になる。
(色素誘導体)
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、添加着色剤の分散性向上の観点から、着色剤(A)100質量部に対し、好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上、最も好ましくは3質量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、着色剤(A)100質量部に対し、好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは35質量部以下である。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
界面活性剤の配合量は、着色剤(A)100質量部に対し、好ましくは0.1〜55質量部、さらに好ましくは0.1〜45質量部である。界面活性剤の配合量が、0.1質量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、55質量部より多いと、過剰な分散剤により分散に悪影響を及ぼすことがある。
<バインダー樹脂(C)>
バインダー樹脂(C)としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。
バインダー樹脂(C)の重量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
バインダー樹脂(C)をカラーフィルタ用感光性着色組成物として使用する場合には、着色剤吸着基および現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体および溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、着色剤の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる。
バインダー樹脂(C)は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤(A)の全重量100重量%に対し、20重量%以上の量で用いることが好ましく、着色剤(A)濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、1000重量%以下の量で用いることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
バインダー樹脂(C)に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。中でもアクリル樹脂を用いることが好ましい。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(i)や(ii)の方法により不飽和エチレン性二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、不飽和エチレン性二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更に不飽和エチレン性二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
(熱硬化性化合物)
本発明においては、バインダー樹脂である熱可塑性樹脂と併用して、さらに熱硬化性化合物を含んでもよい。
熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物及び/または樹脂、ベンゾグアナミン化合物及び/または樹脂、ロジン変性マレイン酸化合物及び/または樹脂、ロジン変性フマル酸化合物及び/または樹脂、メラミン化合物及び/または樹脂、尿素化合物及び/または樹脂、フェノール化合物及び/または樹脂、が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
<光重合性単量体(D)>
本発明の光重合性単量体は、ウレタン系光重合性単量体(D1)を含有することで、COA方式で使用される厚膜設計時でのシワ発生の課題を改善することが出来る。
(ウレタン系光重合性単量体(D1))
本発明のウレタン系光重合性化合物(D1)は、エチレン性不飽和結合とウレタン結合を少なくとも1つずつ含有する光重合性化合物を示す。例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレートや、アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレー、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
また、多官能イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。
また、アルコールの構造に制限はないが、多価アルコールを使用した場合、硬化塗膜の架橋度が高くなり、塗膜耐性が上がるため好ましい。多価アルコールとしては、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらのウレタン系光重合性単量体(D1)は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また、ウレタン系光重合性単量体(D1)のウレタン結合数は、3個以上であることが好ましい。ウレタン結合数が3個以上あることで、多点で水素結合を形成することが可能となるため、架橋密度および塗膜のTgの向上により、光および熱における硬化収縮が小さくなり、パターン上のシワ発生を抑制することができる。
また、ウレタン系重合性単量体(D1)の含有量は、光重合性単量体(D)全量100重量%中、30〜70重量%でシワ抑制と現像残渣が良好となり、45〜55重量%がより好ましい。
(酸基を有する光重合性単量体(D2))
本発明は、光重合性単量体として、酸基を有する光重合性単量体(ウレタン系光重合性単量体を除く)(D2)を含有することを特徴とする。酸基としては、スルホン酸基やカルボキシル基、リン酸基等を挙げることができる。また、酸基を有する光重合性単量体の中でも、溶解性や安定性、パターン密着性の観点からカルボキシル基がより好ましく、官能基が2つ以上である多官能単量体が好ましい。
酸基を有する光重合性単量体としては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等を挙げることができる。具体例としては、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレートまたはモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノヒドロキシモノアクリレートまたはモノヒドロキシモノメタクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等を挙げることができる。
これらの市販品としては、大阪有機社製のビスコート♯2500P、及び東亜合成社製M−5300、M−5400、M−510、M−520等を好適に使用することができる。
これらの酸基を有する光重合性単量体は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また、酸基を有する光重合性単量体(D2)の含有量は、光重合性単量体(D)全量100重量%中、20〜40重量%でスルーホール残渣が良好となり、25〜35重量%がより好ましい。
また、酸基を有する光重合性単量体(D2)の酸価は、10〜90KOH−mg/gが好ましく、20〜50KOH−mg/gがより好ましい。10KOH−mg/g以上の場合、アルカリ現像性がより良好になり、画素の形成部分以外の残渣を減少することが出来る。90KOH−mg/g以下の場合、アルカリ現像工程に起こる画素の形成不良を防ぐことが出来るために好ましい。
(エチレン性不飽和結合を1〜3個有する(メタ)アクリル単量体(D3))
本発明の光重合性単量体(D)は、エチレン性不飽和結合を1〜3個有する(メタ)アクリル単量体(D3)を含有することが好ましい。(メタ)アクリル単量体(D3)は、不飽和結合基を一分子中に1〜3個有する(メタ)アクリル化合物であって、不飽和結合基を一分子中に1個以上3個以下有する多官能アクリレート及び/又は多官能メタクリレートの(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
具体的には、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変性フタル酸(メタ)アクリレート、PO変性フタル酸(メタ)アクリレート、アクリル化シソシアヌレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの市販品としては、日本化薬社製のKAYARAD R526、KAYARAD PEG400DA、KAYARAD MAND、KAYARD NPGDA、KAYARAD R−167、KAYARAD HX−220、KAYARAD R−551、KAYARAD R712、KAYARAD R−604、KAYARAD R−684、KAYARAD GPO−303、KAYARAD TMPTA、及び東亜合成社製M305、M306、M309、M310、M321、M325、M350、M101A、及び大阪有機社製ビスコート#310HP、ビスコート#335HP、ビスコート#700、ビスコート#295、ビスコート#330、ビスコート#360、ビスコート#GPT等を好適に使用することができる。
これらのエチレン性不飽和結合を1〜3個有する(メタ)アクリル単量体(D3)は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また、エチレン性不飽和結合基を一分子中に1〜3個有する(メタ)アクリル単量体(D3)の分子量は、250〜1000の範囲であることが好ましい。より好ましい範囲は(メタ)アクリル化合物の分子量が300〜600であり、パターン直線性と残渣が良好となる
エチレン性不飽和結合基を一分子中に1〜3個有する(メタ)アクリル単量体(D3)の含有量は、光重合性単量体(D)全量100質量%中、10質量%〜30質量%でパターン直線性と残渣が良好となるため好ましい。より好ましくは、15〜25質量%である。
(その他の光重合性単量体)
また、本発明の着色組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、ウレタン系光重合性単量体(D1)や酸基を有する光重合性単量体(D2)、エチレン性不飽和結合を1〜3個有する(メタ)アクリル単量体(D3)に加え、その他の光重合性単量体を併用しても良い。具体的には、光重合性単量体(D1)〜(D3)から外れる各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
これらの市販品としては、日本化薬社製KAYARAD R−128H、KAYARAD NPGDA、KAYARAD T−1420(T)、KAYARAD RP−1040、KAYARAD DPHA,KAYARAD DPEA−12、KAYARAD D−310、KAYARAD DPCA−20、KAYARAD DPCA−30、KAYARAD DPCA−60、KAYARAD DPCA−120、東亜合成社製M−402、M−408、M−7100、M−8030、M−8060等が挙げられる。
<チオール系連鎖移動剤(E)>
本発明の着色組成物は連鎖移動剤として、チオール系連鎖移動剤を含む。チオールを光重合開始剤とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られる着色組成物は高感度となる。
また、チオール系連鎖移動剤とウレタン系光重合性単量体を併用することで、マイケル付加反応により重合して高分子化するだけでなく、3次元的な水素結合ネットワークの形成により、塗膜の架橋密度を従来よりも大幅に向上させることができ、光および熱による硬化収縮が小さくなるため、パターン上のシワを抑制可能になるだけでなく、現像工程によるアンダーカットが小さくなり、テーパー形状およびテーパー角度が良好になる。
また、SH基が2個以上あるメチレン、エチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。より好ましくは、SH基が4個以上ある多官能脂肪族チオールである。官能基数が増えることで、重合開始機能が向上し、パターンにおける表面から基材付近まで硬化させることができる。
多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートが挙げられる。
これらのチオール系連鎖移動剤は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、チオール系連鎖移動剤の含有量は、着色組成物の全固形分中1〜10%であることが好ましく、より好ましくは2.0〜8.0%である。この範囲において、連鎖移動剤の効果が大きくなり、テーパー形状やシワ、膜縮率等が良好になる。
<光重合開始剤(F)>
本発明に用いる光重合開始剤は、紫外線、可視光線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、前記光重合性単量体の重合を開始し得る活性種を発生する化合物である。
このような光重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤の含有量は、着色剤(A)100質量部に対し、5〜200質量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜150質量部であることがより好ましい。
(増感剤)
さらに、本発明の着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤(F)100質量部に対し、3〜60質量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50質量部であることがより好ましい。
<酸化防止剤(G)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸化防止剤(G)を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。また、本発明で用いられる酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有していないものが好ましい。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2’−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチル−フェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,2’チオジエチルビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−ブタン、2,2’−メチレン−ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N’−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4’イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
ベンゾフェノン系酸化防止剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
(アミン系化合物)
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、およびN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また酸化防止剤の含有量は、着色組成物の固形分100質量%中、0.5〜5.0質量%の場合、分光特性、および感度が良好であるためより好ましい。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布して着色膜を形成することを容易にするために有機溶剤を含有させることが好ましい。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
有機溶剤としては、例えば、乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシプロピルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
中でも、着色剤の分散性、浸透性、および着色組成物の塗布性が良好なことから、乳酸エチル、メトキシプロピルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
また有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚の着色膜を形成できることから、着色剤(A)100質量部に対して、500〜4000部の質量部で用いることが好ましい。
(レベリング剤)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全質量100質量%中、0.003〜0.5質量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
(硬化剤、硬化促進剤)
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100質量部に対し、0.01〜15質量部が好ましい。
(その他の添加剤成分)
本発明の着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
(貯蔵安定剤)
貯蔵安定剤としては、例えば、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部の量で用いることができる。
(密着向上剤)
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤(A)100質量部に対し、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部の量で用いることができる。
(着色組成物の製造方法)
本発明の着色組成物は、着色剤(A)を、バインダー樹脂(C)などの着色剤担体および/または溶剤中に、好ましくは分散助剤と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる(着色剤分散体)。このとき、2種以上の着色剤等を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色材担体に分散したものを混合しても良い。
染料等、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記着色剤分散体と、光重合性単量体及び/または光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他の顔料分散剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
(粗大粒子の除去)
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
(カラーフィルタ)
本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなる少なくとも1つのフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタである。
カラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントと、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントと、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントとを具備し、前記少なくとも1つのフィルタセグメントが、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されることが好ましい。
(カラーフィルタの製造方法)
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストであり、かつ量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性制御も重要であり、分散剤や体質顔料によってインキ粘度の調整も行うことができる。
本発明の着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、水酸化カリウム現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板または反射基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成しておくと、表示パネルのコントラストを一層高めることができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板または反射基板上に薄膜トランジスタ(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントを形成することにより、パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜、などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「質量部」および「質量%」をそれぞれ表す。
また、顔料の平均一次粒子径の測定方法、樹脂の重量平均分子量(Mw)および樹脂の酸価の測定方法は以下の通りである。
(顔料の平均一次粒子径)
顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とし、表1に示す。
Figure 0006938929
(樹脂の重量平均分子量(Mw))
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
<微細化処理顔料の製造>
(緑色微細化処理顔料(PG−1))
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 58(DIC株式会社製「FASTOGEN GREEN A110」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化緑色顔料(PG−1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は30nmであった。
(緑色微細化処理顔料(PG−2))
三つ口フラスコに、98%硫酸500部、下記式(1)で表されるフタロシアニン顔料50部とN−メチルピロリドンを500部、及びリン酸ジフェニル13.9部を加え、90℃に加熱し8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、フタロシアニン顔料であるPG−2を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は30nmであった。
(緑色微細化処理顔料(PG−3))
三つ口フラスコに、98%硫酸500部、下記式(1)で表されるフタロシアニン顔料50部、1,2−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)129.3部を加え撹拌し、20℃、6時間、反応させた。その後、3℃の氷水5000部に上記反応混合物を注入し、析出した固体をろ取し、水洗した。ビーカーに2.5%水酸化ナトリウム水溶液500部、ろ取した残渣を加え、80℃、1時間撹拌した。その後、この混合物をろ取、水洗、乾燥して、フタロシアニン環に臭素原子が平均で10.1個置換された顔料を得た。
次に、3口フラスコに、N−メチルピロリドンを500部、得られたフタロシアニン環に臭素原子が平均で10.1個置換された顔料を50部及びリン酸ジフェニル13.9部を加え、90℃に加熱し8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、フタロシアニン顔料であるPG63−1を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は30nmであった。
式(1)
Figure 0006938929
(黄色微細化処理顔料(PY−1))
黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 138(BASF社「PAliotol Yellow L 0962 HD」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、PY−1を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は30nmであった。
(黄色微細化処理顔料(PY−2))
安息香酸メチル200部に、8−アミノキナルジン40部、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物150部、安息香酸154部を加え、180℃に加熱し、4時間攪拌を行った。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン5440部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、および乾燥を行い、下記式(2)で表わされる116部のキノフタロン化合物(a)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン化合物(a)であることを同定した。
式(2)キノフタロン化合物(a)
Figure 0006938929
続いてキノフタロン化合物(a)を原料として、特開2008−81566号公報に記載の合成方法に従い、化合物(3)を得た。
式(3)
Figure 0006938929
安息香酸メチル300部に、化合物(3)100部、テトラクロロ無水フタル酸108部、および安息香酸143部を加え、180℃に加熱し、4時間反応させた。TOF−MSにより、キノフタロン化合物(b)の生成、および原料の化合物(3)の消失を確認した。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン3510部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、および乾燥を行い、下記式(4)で表わされる120部のキノフタロン化合物(b)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン化合物(b)であることを同定した。
式(4)キノフタロン化合物(b)
Figure 0006938929
続いて、得られたキノフタロン化合物(b)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で8時間混練した。次に、この混練物を温水に投入し、約70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状として、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化顔料(PY−2)97部を得た。平均一次粒子径は40nmであった。
<樹脂型分散剤溶液の製造>
(樹脂型分散剤溶液(B−1)の製造)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メトキシプロピルアセテート133部を仕込み、窒素置換しながら110℃に昇温した。反応槽にジメチルアミノエチルメタクリレート38部、メタクリル酸メチル162部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6部仕込み、均一になるまで攪拌した。その後同温度で3時間反応した。このようにして、固形分当たりのアミン価が67.8mgKOH/g、重平均分子量9000(Mw)の樹脂型分散剤溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、不揮発分が20質量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加して樹脂型分散剤溶液(B−1)を得た。
<バインダー樹脂溶液の製造方法>
(バインダー樹脂溶液(C−1)の製造)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液(C−1)を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
<顔料分散体の製造方法>
(緑色顔料分散体(P−G1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し緑色顔料分散体(P−G1)を作製した。

緑色微細化処理顔料(PG−1) :20.0部
樹脂型分散剤(B−1) :5.0部
バインダー樹脂(C−1) :25.0部
溶剤
PGMAC(メトキシプロピルアセテート) :50.0部
(緑色顔料分散体(P−G2〜3)、黄色顔料分散体(P−Y1〜2))
着色剤、樹脂型分散剤、アクリル樹脂溶液、および溶剤を表2記載の組成、及び配合量(質量部)に変更した以外は、緑色顔料分散体(P−G1)と同様にして、緑色顔料分散体(P−G2〜3)、黄色顔料分散体(P−Y1〜2)を作製した。
Figure 0006938929
<光重合性単量体(D)の製造方法>
(ウレタン系光重合性単量体1(D−1)の製造)
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにトリメチロールプロパン5.0g、ヘキサメチレンジイソシアネート18.8g、ペンタエリスリトールトリアクリレート51.3g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75.1g、メチルヒドロキノン0.02g、次いで触媒としてジオクチル錫0.12gを仕込み、100℃まで昇温した。100℃で3時間反応し、IRでイソシアネートのピークが消失しているのを確認してから、室温まで冷却して反応を終了した。その後、この反応溶液をエバポレーターにて減圧下で溶剤を除去し、重量平均分子量MW7,600の無色透明なウレタン系光重合性単量体1(D−1)を得た。
(ウレタン系光重合性単量体2(D−2)の製造)
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコに2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール5.0g、ヘキシルイソシアネート18.8g、ペンタエリスリトールトリアクリレート51.3g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75.1g、メチルヒドロキノン0.02g、次いで触媒としてジオクチル錫0.12gを仕込み、100℃まで昇温した。100℃で3時間反応し、IRでイソシアネートのピークが消失しているのを確認してから、室温まで冷却して反応を終了した。その後、この反応溶液をエバポレーターにて減圧下で溶剤を除去し、重量平均分子量MW4,800の無色透明なウレタン系光重合性単量体2(D−2)を得た。
(ウレタン系光重合性単量体3(D−3)の製造)
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにトリメチロールプロパン5.0g、ヘキシルイソシアネート18.8g、ペンタエリスリトールトリアクリレート51.3g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75.1g、メチルヒドロキノン0.02g、次いで触媒としてジオクチル錫0.12gを仕込み、100℃まで昇温した。100℃で3時間反応し、IRでイソシアネートのピークが消失しているのを確認してから、室温まで冷却して反応を終了した。その後、この反応溶液をエバポレーターにて減圧下で溶剤を除去し、重量平均分子量MW7,000の無色透明なウレタン系光重合性単量体3(D−3)を得た。
(酸基を有する光重合性単量体4(D−4)の製造)
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにトリメチロールプロパン10.0g、テトラヒドロ無水フタル酸11.3g、ジメチルベンジルアミン(和光純薬株式会社製)0.1g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.3gを仕込み120℃まで昇温した。120℃で2時間攪拌し、80℃まで冷却した。次いで、メチルヒドロキノン0.05g、ヘキサメチレンイソシアネート21.3g、ペンタエリスリトールトリアクリレート68.4g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート93.5gを仕込み、次いで触媒としてジオクチル錫0.23gを仕込み、100℃まで昇温した。100℃で3時間反応し、IRでイソシアネートのピークが消失しているのを確認してから、室温まで冷却して反応を終了した。その後、この反応溶液をエバポレーターにて減圧下で溶剤を除去し、重量平均分子量MW7,200の無色透明な酸基を有するウレタン系光重合性単量体4(D−4)を得た。
<光重合性単量体(D)のウレタン結合数と酸基の有無、及び不飽和官能基数>
用いた光重合性単量体(D)のウレタン結合数と酸基の有無、及び不飽和官能基数を表3に示す。
Figure 0006938929
<チオール系連鎖移動剤(E)>
・多官能チオール系連鎖移動剤(E−1)
ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
・単官能チオール系連鎖移動剤(E−2)
2−エチルヘキシル-メルカプトアセテート
<光重合性開始剤(F)>
BASF社製「イルガキュアー907」
<酸化防止剤(G)>
・酸化防止剤(G−1):ヒンダードフェノール系酸化防止剤
ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
・酸化防止剤(G−2):リン系酸化防止剤
トリス[2,4−ジ−(tert)−ブチルフェニル]ホスフィン
[実施例1]
(着色組成物(G−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、着色組成物(G−1)を作製した。

顔料分散体(P−G1) :30.0部
顔料分散体(P−Y1) :15.0部
バインダー樹脂溶液(C−1) : 5.0部
ウレタン系光重合性化合物(D1) : 6.0部
光重合性単量体1(D−1)
酸基を有する光重合性化合物(D2) : 4.0部
大阪有機化学製「ビスコート#2500P」(D−5)
(メタ)アクリル化合物(D3) : 2.0部
東亜合成社製「アロニックス M−309」(D−6)
チオール系連鎖移動剤(E) : 2.0部
SC有機化学社製「ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)」
光重合性開始剤(F) : 2.0部
BASF社製「イルガキュアー907」
酸化防止剤(G) : 1.0部
ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(F−1)
溶剤 :33.0部
メトキシプロピルアセテート(PGMAC)
[実施例2〜17、比較例1〜4]
(着色組成物(G−2〜21)
表4、5に示す組成、および配合量(重量部)の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過し、実施例1の着色組成物(G−1)と同様にして、実施例2〜17、比較例1〜4の着色組成物(G−2〜21)を得た。なお、本明細書において実施例10〜12は、参考例である。
Figure 0006938929
Figure 0006938929
<着色組成物の評価>
得られた着色組成物(G−1〜21)の塗膜の試験を下記の方法で行った。試験の結果を表6に示す。
<色膜厚評価>
得られた着色組成物(G−1〜21)について、100mm×100mm、0.7mmのガラス基板上に着色組成物を表5記載のx、yの値になるような膜厚にそれぞれ塗布し、所定のパターンを有するマスクを通して40mJ/cmの条件下にて紫外線露光を行った。その後、スプレーによりアルカリ現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成した。得られた塗膜について、230℃のオーブンで20分間加熱処理(ポストベーク)を施し、色膜厚を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)およびDektak 8(日本真空技術社製)を用いて測定した。
(シワ評価)
得られた着色組成物(G−1〜21)について、100mm×100mm、0.7mmのガラス基板上に着色組成物を膜厚3.4μmとなるように塗布し、所定のパターンを有するマスクを通して40mJ/cmの条件下にて紫外線露光を行った。その後、スプレーによりアルカリ現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成した。得られた塗膜について、230℃のオーブンで20分間加熱処理(ポストベーク)を施し、顕微鏡(オリンパス光学社製「BX−51」)にてシワの有無を確認した。評価は400μm×400μmの正方形画素を顕微鏡で観察し、以下のように評価した。塗膜の膜厚は、Dektak 8(日本真空技術社製)を用いて行った。

○:シワ発生せず
△:パターン端面に発生
×:パターン全面に発生
(スルーホール(TH)残渣評価)
得られた着色組成物(G−1〜21)について、100mm×100mm、0.7mmのガラス基板上に着色組成物を膜厚3.4μmとなるように塗布し、所定のパターンを有するマスクを通して40mJ/cmの条件下にて紫外線露光を行った。その後、スプレーによりアルカリ現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成した。得られた塗膜について、230℃のオーブンで20分間加熱処理(ポストベーク)を施し、顕微鏡(オリンパス光学社製「BX−51」)にて残渣の有無を確認した。評価は半径15μmのTHパターン中の残渣の残存面積を計算し、以下のように評価した。塗膜の膜厚は、Dektak 8(日本真空技術社製)を用いて行った。

◎:残存なし
○:50μm未満
△:50μm以上150μm未満
×:150μm以上
(膜縮率評価)
形成されたフィルタセグメントの400μmフォトマスク部分において、230℃オーブンで20分間の加熱処理(ポストベーク)後、さらに、240℃オーブンで180分間の追加ポストベーク後におけるパターン膜厚を測定し、加熱による膜厚変化の度合いを算出して評価を行った。評価方法およびランクは次の通りである。

加熱処理における膜厚変化
= 240℃オーブンで180分間の熱処理後の膜厚 / 230℃オーブンで20分間の熱処理後の膜厚(%)

〇:膜厚変化の割合が95%以上で良好
△:膜厚変化の割合が90%以上95%未満
×:膜厚変化の割合が90%未満
(パターン形状評価)
得られた着色組成物(G−1〜21)について、100mm×100mm、0.7mmのガラス基板上に着色組成物を膜厚3.4μmとなるように塗布し、所定のパターンを有するマスクを通して40mJ/cmの条件下にて紫外線露光を行った。その後、スプレーによりアルカリ現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成した。得られた塗膜について、230℃のオーブンで20分間加熱処理(ポストベーク)を施し、走査型電子顕微鏡(日立ハイテック社製「S−3000H」)にてパターン形状を確認した。評価は幅100μmのストライプ型パターンのSEM画像を取り込み、テーパー部分の角度を分度器を用いて以下のように評価した。

○:テーパー角度50度以上
△:40〜50度未満
×:40度未満
Figure 0006938929
表6に示すように、本発明の着色剤(A)と、樹脂型分散剤(B)、バインダー樹脂(C)、ウレタン系光重合性単量体(D1)と、チオール系連鎖移動剤(E)とを含有する着色組成物を用いることにより、COA方式のような厚膜でもシワの発生やスルーホール残渣、膜厚変化およびパターン形状が良化した。
よって、本発明により、COA方式においてシワの発生やスルーホール残渣がなく、パネル工程での膜厚変化の小さく、パターン形状の良好な高品質のカラーフィルタを作製することが出来た。
これにより、解像度に優れたカラーフィルタ、および液晶表示装置の得られることが確認できた。

Claims (7)

  1. 着色剤(A)、樹脂型分散剤(B)、バインダー樹脂(C)、光重合性単量体(D)、チオール系連鎖移動剤(E)、および光重合開始剤(F)を含有するカラーフィルタ用緑色着色組成物であって、着色剤(A)の含有量が着色組成物の全固形分中20〜30重量%であり、光重合性単量体(D)がウレタン系光重合性単量体(D1)、カルボキシル基を有する光重合性単量体(ウレタン系光重合性単量体を除く)、およびエチレン性不飽和結合を1〜3個有する(メタ)アクリル単量体(ウレタン系光重合性単量体、および酸基を有する光重合性単量体を除く)(D3)を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
  2. 前記チオール系連鎖移動剤(E)が多官能チオールを含み、該多官能チオールの含有量が着色組成物の全固形分中1〜10重量%であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. 前記ウレタン系光重合性単量体(D1)が、1分子中のウレタン結合の数が3個以上である光重合性単量体を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  4. さらに、酸化防止剤(G)を含有することを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. 前記酸化防止剤(G)が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  6. 緑色着色膜の膜厚が3.0〜3.5μmの時に、緑色着色膜のXYZ表色系における色度座標が、C光源で0.155≦x≦0.280、0.615≦y≦0.755になることを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  7. 基材上に、請求項1〜いずれか1項記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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