JP6938867B2 - 温調装置及び調光シート - Google Patents

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Description

本発明は、屋内の温度を調整する温調装置、及び該温調装置に用いられる調光シートに関する。
従来、例えば特許文献1に記載のように、赤外線を遮蔽する機能を有する微粒子を含有させた薄膜をガラス板の表面に形成することにより、赤外光を遮蔽する機能を持たせた車両用窓ガラスが知られている。そして、この車両用窓ガラスを車両に取り付けたときには、車外から車内への赤外光の進入が遮断されて車内の温度上昇が好適に抑えられる。
特開2007−176443号公報
ところで、上記文献に記載の車両用窓ガラスでは、夏場のように車両外部の環境が比較的高温であるときには、車外から車内への赤外光の進入を遮断することにより、車内の温度上昇を好適に抑えて車内の冷房機能に必要とされるエネルギーが低減される。しかしながら、冬場のように車両外部の環境が比較的低温であるときには、車外から車内への赤外光が遮断されて赤外光による車内の温度上昇が抑えられる結果、元々低温となりやすい車内がより一層低温となってしまう。その結果、車内の暖房機能に必要とされるエネルギーが却って増大してしまうという問題があった。
なお、こうした課題は、赤外光を遮蔽する機能を車両に適用する場合に限られるものではなく、同機能を建築物等の他の用途に適用する場合にも同様に生じる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、屋内の温度の調整に必要とされるエネルギーを低減することのできる温調装置及び調光シートを提供することにある。
上記課題を解決する温調装置は、電圧の非印加時には液晶分子の螺旋ピッチが赤外波長領域に設定される一方で、電圧の印加時には液晶分子の螺旋軸の方向が電界方向と一致するコレステリック液晶を含む高分子ネットワーク型液晶を調光層として有する調光シートと、前記調光シートが設けられた屋内の温度を検知する温度センサーとを備え、前記調光シートは、目標温度に対する前記温度センサーにより検知される屋内の温度の相対値が大きいほど、前記調光シートによる赤外波長領域の光に対する透過量が小さくなるように制御して屋内の温度を調整する。
上記構成によれば、温度センサーによる屋内の温度の検知結果に基づき、赤外波長領域の光である赤外光の透過量を調光シートによって制御し、屋外から屋内への赤外光の進入に伴う屋内の温度の上昇量を調整することが可能となる。すなわち、例えば夏場のように屋外の気温が比較的高く、目標温度に対する屋内の温度の相対値が大きいときには、屋外から屋内への赤外光の透過量を比較的低く設定することにより、赤外光の進入に伴う屋内の温度上昇を抑えることが可能となる。その一方で、例えば冬場のように屋外の気温が比較的低く、目標温度に対する屋内の温度の相対値が小さいときには、屋外から屋内への赤外光の透過量を比較的高く設定することにより、赤外光の進入に伴う屋内の温度上昇を促す。これにより、屋内の温度調整に必要とされる冷暖房のエネルギーを低減することが可能となる。特に、上記構成では、電圧の非印加時には、調光層を構成する高分子ネットワーク型液晶が液晶分子の螺旋ピッチに相当する波長領域の光である赤外光に対して選択反射の特性を発揮することにより、調光シートによる赤外光の透過量を低下させている。そのため、調光シートは、赤外光を吸収して赤外光の透過を遮断する構成とは異なり、赤外光が有する熱エネルギーをほとんど吸収することなく赤外光を散乱する。これにより、調光シートは、赤外光の入射に起因して発熱しにくい性質を有する。したがって、調光シートの温度上昇が屋内に伝播することが抑えられ、この点でも、例えば夏場のように屋外の気温が比較的高いときの屋内の冷房機能のエネルギーをより一層低減することが可能となる。また、上記構成では、調光シートに電圧を印加していないときの液晶分子の螺旋軸の配向が高分子ネットワークにより安定して維持されている。これにより、調光シートによる赤外光に対する選択反射の特性が好適に発揮される。したがって、この点でも、例えば夏場のように屋外の気温が比較的高いときの屋内の冷房機能のエネルギーを更に低減することが可能となる。また、上記構成によれば、調光シートは、電圧の非印加時における液晶分子の螺旋ピッチが可視光領域の範囲外にある。これにより、調光シートは、赤外波長領域の光に対して選択的に非透過性を示すため、可視光領域の光を屋内に取り込んで屋内の明るさを維持しつつ、赤外光の進入に伴う屋内の温度上昇を抑えて屋内の冷房機能のエネルギー効率を高めることが可能となる。
上記構成において、前記調光シートは、前記調光層を挟んだ両側に設けられる一対の透明電極と、前記一対の透明電極の電極面に設けられ、液晶分子の螺旋軸の向きを配向させる配向膜とを有してもよい。
上記構成によれば、液晶分子の螺旋軸の向きと平行に入射する太陽光に含まれる赤外光に対する選択反射の効率が高められ、電圧の非印加時における赤外光の透過率が更に低減される。そのため、電圧の印加の有無に応じた赤外光の透過率のダイナミックレンジを大きく確保することができるため、調光シートによる調光を通じた幅広い温度調整が可能となる。
上記構成において、前記配向膜は、液晶分子の螺旋軸の向きを一対の透明電極の電極面と直交する向きに配向させてもよい。
上記構成によれば、赤外光の透過率のダイナミックレンジを最大化して幅広い温度調整を行うときには、調光シートの厚み方向と太陽光に含まれる赤外光の入射方向を一致させればよい。そのため、調光シートの施工性を向上することができる。
上記構成において、前記調光シートは、電圧の印加をオンからオフに切り替えるときの前記温度センサーの検知結果の閾値の方が、電圧の印加をオフからオンに切り替えるときの前記温度センサーの検知結果の閾値よりも高い値として設定してもよい。
上記構成によれば、温度センサーによる屋内の温度の検知結果が閾値近傍で細かく変動したとしても、調光シートに対して印加する電圧のオン・オフが頻繁に切り替わる現象である、所謂チャタリングの発生が抑えられ、調光シートの耐久性を向上することができる。
上記課題を解決する調光シートは、上記構成の温調装置に設けられ、電圧の非印加時には液晶分子の螺旋ピッチが赤外波長領域に設定される一方で、電圧の印加時には液晶分子の螺旋軸の方向が電界方向と一致するコレステリック液晶を含む高分子ネットワーク型液晶を調光層として有する。
上記構成によれば、上記温調装置の発明と同様の効果が得られる。
本発明によれば、屋内の温度の調整に必要とされるエネルギーを低減することができる。
電圧非印加時における第1の実施の形態の温調装置の概略構成を模式的に示す断面図。 電圧非印加時における第1の実施の形態の調光シートの光学特性を示す断面図。 電圧印加時における第1の実施の形態の温調装置の概略構成を模式的に示す断面図。 電圧印加時における第1の実施の形態の調光シートの光学特性を示す断面図。 第1の実施の形態の調光シートにあって、一対の透明電極に印加される電圧の大きさと調光シートの厚み方向に垂直に入射する赤外光の透過率との相関関係を示すグラフ。 第1の実施の形態の調光制御装置が実行する一対の透明電極に対する電圧の印加の有無の判定処理の処理内容を示すフローチャート。 屋外の温度が比較的高い傾向にあるときに、第1の実施の形態の温調装置と空調装置の冷房機能と組み合わせて作動させた場合の屋内の温度変化の推移の一例を示すグラフ。 屋外の温度が比較的低い傾向にあるときに、第1の実施の形態の温調装置と空調装置の暖房機能とを組み合わせて作動させた場合の屋内の温度変化の推移の一例を示すグラフ。 電圧非印加時における第2の実施の形態の温調装置の概略構成を模式的に示す断面図。 電圧非印加時における第2の実施の形態の調光シートの光学特性を示す断面図。 電圧印加時における第2の実施の形態の温調装置の概略構成を模式的に示す断面図。 電圧印加時における第2の実施の形態の調光シートの光学特性を示す断面図。 第2の実施の形態の調光シートにあって、一対の透明電極に印加される電圧の大きさと調光シートの厚み方向に垂直に入射する赤外光の透過率との相関関係を示すグラフ。 屋外の温度が比較的高い傾向にあるときに、第2の実施の形態の温調装置と空調装置の冷房機能と組み合わせて作動させた場合の屋内の温度変化の推移の一例を示すグラフ。 その他の実施の形態の調光シートの光学特性を示す断面図。
(第1の実施の形態)
図1から図8を参照して、温調装置の第1の実施の形態について説明する。
図1に示すように、温調装置は、調光シート10及び温度センサー20を備えている。
調光シート10は、建造物の壁部30に形成された開口部31に設けられており、屋内に太陽光を取り込んで屋内の明るさを確保する。温度センサー20は、壁部30のうち屋内に面する部位に設けられており、屋内の温度を検知する。なお、同図には、あたかも壁部30の開口部31に調光シート10が単独で設けられたように図示しているが、調光シート10を強固に保持する上では、調光シート10を透明なガラス板又は樹脂板に接合した状態で壁部30の開口部31に設けることが好ましい。
より詳細には、調光シート10は、一対の基板11、一対の透明電極12、調光層13、及び調光制御装置14を備えている。
一対の基板11は、光透過性を有している。基板11の材質としては、ガラスやシリコン、またはポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリサルホン等の高分子フィルムを用いることができる。各基板11は、第1面11Aと第2面11Bとを有し、各々の対向面となる第1面11Aに一対の透明電極12が設けられている。
一対の透明電極12は、光透過性を有している。各透明電極12は、各基板11の第1面11Aにスズドープ酸化インジウム(ITO)や酸化スズ(TO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)などの半導体セラミックスの薄膜を基板全域或いは部分的に既知の塗布法や印刷法やスパッタ等の蒸着法により形成したものである。また、各透明電極12のうち、基板11に接する面とは反対側の面には調光層13が設けられている。すなわち、調光層13は、一対の透明電極12の間に配置されている。
調光層13は、ランダムな網目状の高分子樹脂13Aの中にコレステリック液晶の液晶分子13Bが連続層を形成したPNLC(Polymer Network Liquid Crystal)構造を有する高分子ネットワーク型液晶である。コレステリック液晶は、例えば、誘電率異方性が正であって、液晶分子の長軸方向の誘電率が液晶分子13Bの短軸方向の誘電率よりも大きいカイラルネマチック液晶である。この場合、コレステリック液晶は、液晶自身がカイラル性を有する液晶化合物の集合でもよいし、ネマチック液晶にカイラル剤を添加したものであってもよい。なお、コレステリック液晶は、重合開始剤、光安定剤、抗酸化剤、増粘剤、重合禁止剤、光増感剤、接着剤、消泡剤、界面活性体等を更に有していてもよい。
ネマチック液晶の一例としては、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ジオキサン系等が挙げられる。カイラル剤の一例としては、1つあるいは2つ以上の不斉炭素を有する光学活性な低分子化合物が挙げられる。なお、カイラル剤の旋光性は、右旋性でも左旋性でもよく、右旋性のカイラル剤と左旋性のカイラル剤とを併用してもよい。
ここで一般には、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋ピッチは、ネマチック液晶に対するカイラル剤の組成比(モル分率)と、カイラル剤に固有のピッチとによって規定される。そして、ネマチック液晶に対するカイラル剤の組成比が低くなるほどコレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋ピッチが長くなる。そのため、本実施の形態では、ネマチック液晶に対するカイラル剤の添加量を調整することにより、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋ピッチを赤外波長領域となる1000nm〜2500nmの範囲に含めている。また、カイラル剤は、不斉炭素に共有結合している4つの原子又は置換基の大きさの差が小さいほど、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋ピッチが長くなる傾向にある。そのため、上述のように、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋ピッチを比較的長波長側となる赤外波長領域に設定するときには、不斉炭素に共有結合している4つの原子又は置換基の大きさの差が小さいカイラル剤を用いることが好ましい。
ちなみに、コレステリック液晶の液晶性を損なうことなく所望の螺旋構造を誘起するときには、カイラル剤がネマチック液晶との間で溶液状態あるいは溶融状態において相溶する必要がある。そのため、ネマチック液晶に対するカイラル剤の溶解性を高めるためには、複数の種類のカイラル剤をネマチック液晶に添加することが好ましい。また、カイラル剤として非液晶性の材質を用いた場合であっても、コレステリック液晶の螺旋ピッチを調整可能ではあるが、コレステリック液晶として安定な螺旋構造を得るためには、カイラル剤として液晶層を持つ材質を用いることが好ましい。また、カイラル剤には、温度が高くなるほどコレステリック液晶の螺旋ピッチが長くなる傾向にある正の温度依存性を持つ化合物と、温度が高くなるほどコレステリック液晶の螺旋ピッチが短くなる傾向にある負の温度依存性を持つ化合物とがある。そのため、これら二種類の化合物を混合することにより、コレステリック液晶の螺旋ピッチの温度依存性を抑えることが好ましい。
そして、上述した調光層13におけるPNLC構造の製造には、高分子と液晶を相分離させる公知の方法として、例えばPIPS(Polymerization Induced Phase Separation)法、TIPS(Thermally Induced Phase Separation)法、SIPS(Solvent Induced Phase Separation)法等を用いることができる。PIPS法は、アクリル系、チオール系、エポキシ系等の、熱や光によって重合する高分子前駆体と液晶を混合し、均一相の状態から重合させて相分離させる方法である。TIP法は、熱可塑性高分子と液晶を混合し、均一相を加熱した状態から冷却して分離させる方法である。SIPS法は、高分子と液晶をクロロフォルムなどの溶媒に溶かし、溶媒を蒸発させて高分子と液晶を相分離させる方法である。
調光制御装置14は、調光判定部14A及び調光駆動部14Bを備えている。
調光判定部14Aは、温度センサー20から入力される屋内の温度情報に基づき、一対の透明電極12に対する電圧の印加の有無を判定する。
調光駆動部14Bは、調光判定部14Aによる判定結果に基づき、図示しない駆動電源から一対の透明電極12に印加する電圧の大きさを制御する。なお、本実施の形態では、調光駆動部14Bは、例えばPWM制御(パルス幅変調制御)を用いることにより、一対の透明電極12に印加する電圧の大きさを連続的に変化させる。そして、調光層13は、調光駆動部14Bから一対の透明電極12への電圧の印加態様に基づき、液晶の相状態を遷移させる。
具体的には、図1に示すように、調光駆動部14Bから一対の透明電極12に第1の電圧として0[V]を印加するときであって、調光駆動部14Bから一対の透明電極12に電圧を印加していない状態では、液晶の相状態は、液晶分子13Bの螺旋軸の向きがランダムな方向を向くフォーカルコニック相となる。
このとき、図2に示すように、調光層13は、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋軸と平行に入射した光を右旋光と左旋光とに分け、螺旋軸の捩じれ方向に一致する円偏光成分をブラッグ反射するとともに、残りの光を透過させる選択反射の機能を発揮する。この選択反射の中心波長λは、液晶分子13Bの螺旋ピッチをp、螺旋軸に直交する平面内での平均屈折率をnとすると、λ=n・pで表される。すなわち、コレステリック液晶は、平均屈折率が概ね「1」に近い値であることに鑑みると、液晶分子13Bの螺旋ピッチと一致する赤外波長領域の光である赤外光を、液晶分子13Bの螺旋軸のランダムな配向に応じて散乱させる。そのため、調光層13に入射する赤外光は、調光シート10のうち赤外光が入射した屋外側に散乱することとなり、調光シート10の厚み方向に透過して屋内には進入しにくい。これにより、赤外光の入射に起因した屋内の温度上昇の度合いが抑えられる。この場合、コレステリック液晶は、赤外光を吸収して赤外光の透過を遮断する構成とは異なり、赤外光が有する熱エネルギーをほとんど吸収することなく赤外光を散乱する。そのため、調光シート10は、赤外光の入射に起因して発熱しにくい性質を有する。これにより、調光シート10として優れた遮熱効果を有するだけでなく、コレステリック液晶の螺旋ピッチが温度依存性を有する場合であっても、赤外光に対する選択反射の機能が安定して発揮される。なお、液晶の相状態であるフォーカルコニック相は、電界非依存性の相状態である。そのため、調光駆動部14Bから一対の透明電極12へ電圧を印加しない無電界の状態では、液晶の相状態はフォーカルコニック相として安定している。これにより、赤外光に対する選択反射の機能が安定して発揮されて赤外光に対して非透過性を示すようになる。特に、本実施の形態では、調光層13がPNLC構造を有しており、高分子樹脂13Aと液晶分子13Bとの界面での干渉によって、無電界での液晶の相状態がフォーカルコニック相として安定している。この点でも、赤外光に対する選択反射の機能がより一層安定して発揮されて赤外光に対して非透過性を示すようになる。
その一方で、図3に示すように、調光駆動部14Bから一対の透明電極12に印加する電圧が第1の電圧よりも大きい第2の電圧であるときには、液晶の相状態は、液晶分子13Bの螺旋構造がほどけて液晶分子13Bが一対の透明電極12の間に作用する電界方向に配向したホメオトロピック相となる。
このとき、図4に示すように、調光層13は、高分子樹脂13Aの屈折率と液晶分子13Bの屈折率とが一致する。そのため、調光層13に入射した赤外光は、高分子樹脂13Aと液晶分子13Bとの界面における屈折率の差異に起因して進行方向を大きく曲げることなく、調光シート10の厚み方向に透過する。これにより、赤外光の入射に起因した屋内の温度上昇の度合いが高められる。なお、液晶の相状態であるホメオトロピック相は、電界依存性の相状態である。そのため、調光駆動部14Bから一対の透明電極12への電圧の印加を停止したときには、液晶の相状態はホメオトロピック相からフォーカルコニック相へ相転移する。これにより、調光シート10は、赤外光に対する選択反射の機能が再現されて赤外光に対して非透過性を示すようになる。
図5は、調光駆動部14Bから一対の透明電極12に印加される電圧と、調光シート10の厚み方向に垂直に入射する赤外光の透過率との相関関係を示すグラフである。同図に示すように、一対の透明電極12に印加される電圧が第1の電圧V1であるときには、上述のように調光層13が赤外光に対して非透過性を示すことから、赤外光に対する透過率は比較的低い傾向にある。その一方で、一対の透明電極12に印加される電圧が第2の電圧V2であるときには、上述のように調光層13が赤外光に対して透過性を示すことから、赤外光に対する透過率が比較的高い傾向にある。
次に、調光制御装置14の調光判定部14Aが実行する、一対の透明電極12に対する電圧の印加の有無の判定処理について、その具体的な処理手順を説明する。ここで、調光判定部14Aは、調光シート10の調光動作が開始されたことを条件に判定処理を開始する。
図6に示すように、この判定処理ではまず、調光判定部14Aは、温度センサー20から屋内の温度データを取り込む(ステップS10)。
そして、調光シート10が各透明電極12に電圧が印加されていないオフ状態であるときには(ステップS11=YES)、先のステップS10において取得した温度データが第1の閾値温度X1未満であるか否かを判定する(ステップS12)。この場合、取得した温度データが第1の閾値温度X1未満であるときには(ステップS12=YES)、一対の透明電極12に対して電圧を印加して調光シート10をオンに設定する旨の判定を行う(ステップS13)。一方、取得した温度データが第1の閾値温度X1以上であるときには(ステップS12=NO)、先のステップS13の処理を経ることなく、一対の透明電極12に対して電圧を印加することなく調光シート10をオフ状態に維持する。
また、調光シート10が各透明電極12に電圧が印加されたオン状態であるときには(ステップS11=NO)、先のステップS10において取得した温度データが第2の閾値温度X2以上であるか否かを判定する(ステップS14)。この場合、取得した温度データが第2の閾値温度X2以上であるときには(ステップS14=YES)、一対の透明電極12に対する電圧の印加を停止して調光シート10をオフに設定する旨の判定を行う(ステップS15)。一方、取得した温度データが第2の閾値温度X2未満であるときには(ステップS14=NO)、先のステップS15の処理を経ることなく、一対の透明電極12に対する電圧の印加を継続して調光シート10をオン状態に維持する。
その後、調光シート10の調光動作が継続されている間は(ステップS16=NO)、その処理をステップS10に戻し、ステップS10〜ステップS15の処理を繰り返し行う。その一方で、調光シート10の調光動作が終了したときには(ステップS16=YES)、図7に示す判定処理を終了する。
次に、上記実施の形態の温調装置の作用について、特に、空調装置の冷暖房機能と組み合わせて屋内の温度を制御するときの作用に着目して以下説明する。
まず、図7に示すように、夏場のように屋外の温度が比較的高い傾向にあるときには、温度センサー20により検知される温度データの初期値が目標温度の下限を規定する第2の閾値温度X2よりも高い値となる。このとき、調光シート10は、調光駆動部14Bから一対の透明電極12への電圧の印加を停止して調光シート10をオフに設定する。これにより、調光シート10に入射する赤外光は、調光シート10による選択反射の機能が発揮されることにより調光シート10の厚み方向に透過して屋内に進入し難くなる。その結果、赤外光の入射に起因した屋内の温度上昇の度合いが抑えられる。これにより、屋内の温度を目標温度まで降下させるために必要とされる空調装置の冷房機能が抑えられるため、空調装置の省電力化が図られる。
また、調光シート10は、温度センサー20により検知される温度データが目標温度の上限を規定する第1の閾値温度X1未満となった時点t1で、調光駆動部14Bから一対の透明電極12への電圧の印加を開始して調光シート10をオンに設定する。これにより、調光シート10に入射する赤外光は、調光シート10の厚み方向に透過して屋内に進入しやすくなる。その結果、赤外光の入射に起因した屋内の温度上昇の度合いが高められ、屋内の温度が第1の閾値温度X1よりも低くなることが抑えられる。
また、調光シート10は、温度センサー20により検知される温度データが第2の閾値温度X2以上となった時点t2で、再び調光駆動部14Bから一対の透明電極12への電圧の印加を停止して調光シート10をオフに設定する。これにより、上述のように赤外光の入射に起因した屋内の温度上昇の度合いが抑えられることにより、屋内の温度が第2の閾値温度X2よりも高くなることが抑えられる。
なお、本実施の形態では、調光シート10は、第2の閾値温度X2を第1の閾値温度X1よりも高い値として設定している。そのため、調光駆動部14Bから一対の透明電極12に電圧を印加するタイミングを判定するときの判定閾値(第1の閾値温度X1)と、調光駆動部14Bから一対の透明電極12への電圧の印加を停止するタイミングを判定するときの判定閾値(第2の閾値温度X2)との間にはヒステリシスが設けられている。これにより、温度センサー20により検知される屋内の温度がこれら判定閾値の近傍にあるときであっても、調光駆動部14Bから一対の透明電極12への電圧の印加の有無が小刻みに切り替わる現象である、所謂チャタリングの発生が抑えられる。
また同様に、図8に示すように、冬場のように屋外の温度が比較的低い傾向にあるときには、温度センサー20により検知される温度データの初期値が第1の閾値温度X1よりも低い値となる。このとき、調光シート10は、調光駆動部14Bから一対の透明電極12への電圧の印加を開始して調光シート10をオンに設定する。これにより、調光シート10に入射する赤外光は、調光シート10の厚み方向に透過して屋内に進入しやすくなる。その結果、赤外光の入射に起因した屋内の温度上昇の度合いが高められる。これにより、屋内の温度を目標温度まで上昇させるために必要とされる空調装置の暖房機能が抑えられるため、空調装置の省電力化が図られる。
また、調光シート10は、温度センサー20により検知される温度データが第2の閾値温度X2以上となった時点t1aで、調光駆動部14Bから一対の透明電極12への電圧の印加を停止して調光シート10をオフに設定する。これにより、赤外光の入射に起因した屋内の温度上昇の度合いが抑えられることにより、屋内の温度が第2の閾値温度X2よりも高くなることが抑えられる。
また、調光シート10は、温度センサー20により検知される温度データが第1の閾値温度X1未満となった時点t2aで、再び調光駆動部14Bから一対の透明電極12への電圧の印加を開始して調光シート10をオンに設定する。これにより、上述のように赤外光の入射に起因した屋内の温度上昇の度合いが高められることにより、屋内の温度が第1の閾値温度X1よりも低くなることが抑えられる。
以上説明したように、上記第1の実施の形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)例えば夏場のように屋外の気温が比較的高く、目標温度に対する屋内の温度の相対値が大きいときには、調光シート10を介した屋外から屋内への赤外光の透過量を比較的低く設定することにより、赤外光の進入に伴う屋内の温度上昇が抑えられる。その一方で、例えば冬場のように屋外の気温が比較的低く、目標温度に対する屋内の温度の相対値が小さいときには、調光シート10を介した屋外から屋内への赤外光の透過量を比較的高く設定することにより、赤外光の進入に伴う屋内の温度上昇が促される。これにより、屋内の温度調整に必要とされる冷暖房のエネルギーを低減することが可能となる。
(2)調光シート10は、赤外光を吸収して赤外光の透過を遮断する構成とは異なり、赤外光が有する熱エネルギーをほとんど吸収することなく赤外光を散乱する。これにより、調光シート10は、赤外光の入射に起因して発熱しにくい性質を有する。したがって、調光シート10の温度上昇が屋内に伝播することが抑えられ、例えば夏場のように屋外の気温が比較的高いときの屋内の冷房機能のエネルギーをより一層低減することが可能となる。
(3)調光シート10に電圧を印加していないときの液晶分子13Bの螺旋軸の配向が高分子樹脂13Aにより安定して維持されている。これにより、調光シート10による赤外光に対する選択反射の特性が好適に発揮される。したがって、この点でも、例えば夏場のように屋外の気温が比較的高いときの屋内の冷房機能のエネルギーを更に低減することが可能となる。
(4)調光シート10は、電圧の非印加時における液晶分子13Bの螺旋ピッチが可視光領域の範囲外にある。これにより、調光シート10は、赤外波長領域の光に対して選択的に非透過性を示すため、可視光領域の光を屋内に取り込んで屋内の明るさを維持しつつ、赤外光の進入に伴う屋内の温度上昇を抑えて屋内の冷房機能のエネルギー効率を高めることが可能となる。
(5)調光制御装置14は、調光シート10に対する電圧の印加をオンからオフに切り替えるための温度センサー20の検知結果の閾値となる第2の閾値温度X2の方が、調光シート10に対する電圧の印加をオフからオンに切り替えるための温度センサーの検知結果の閾値である第1の閾値温度X1よりも高い値として設定している。これにより、温度センサー20による屋内の温度の検知結果が閾値近傍で細かく変動したとしても、調光シート10に対して印加する電圧のオン・オフが頻繁に切り替わる現象である、所謂チャタリングの発生が抑えられ、調光シート10の耐久性を向上することができる。
(第2の実施の形態)
図9から図14を参照して、温調装置の第2の実施の形態について説明する。以下では、第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、第1の実施の形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図9に示すように、調光シート10Aは、一対の基板11、一対の透明電極12、調光層13、及び調光制御装置14に加えて、配向膜15を更に有している。
配向膜15は、各透明電極12のうち調光層13に対向する電極面に設けられており、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、シリコン、シアン化化合物等の有機化合物、SiO、ZrO等の無機化合物、又はこれらの混合物により構成されている。配向膜15は、水平配向膜であり、コレステリック液晶の液晶分子13Bの長手方向を配向膜15に水平に沿わせることにより、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋軸を各透明電極12の電極面と垂直となるように配向させている。
そして、図9に示すように、本実施の形態では、調光駆動部14Bから一対の透明電極12に第1の電圧V1として0[V]を印加するときであって、調光駆動部14Bから一対の透明電極12に電圧を印加していない状態では、液晶の相状態は、上述した配向膜15の機能に基づき、液晶分子13Bの螺旋軸が各透明電極12の電極面と垂直になるプレーナー相となる。
このとき、図10に示すように、調光層13は、上記第1の実施の形態と同様にして、液晶分子13Bの螺旋ピッチと一致する赤外波長領域の光である赤外光を選択的に反射する選択反射の機能を発揮する。ここで、本実施の形態の調光層13は、上述のように、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋軸が調光シート10Aの厚み方向となる各透明電極12の電極面と垂直な方向に沿うため、調光シート10Aに垂直に入射した赤外光に対してより一層好適に選択反射の機能を発揮する。これにより、調光シート10Aは、入射する赤外光のうち、調光シート10Aの厚み方向に垂直に入射する赤外光に対して特に優れた遮光性を示すようになる。なお、液晶の相状態であるプレーナー相は、電界非依存性の相状態である。そのため、調光駆動部14Bから一対の透明電極12へ電圧を印加しない無電界の状態では、液晶の相状態はプレーナー相として安定している。これにより、赤外光に対する選択反射の機能が安定して発揮されて赤外光に対して非透過性を示すようになる。特に、本実施の形態では、調光層13がPNLC構造を有しており、高分子樹脂13Aと液晶分子13Bとの界面での干渉によって、無電界での液晶の相状態がプレーナー相として安定している。この点でも、赤外光に対する選択反射の機能がより安定して発揮されて赤外光に対して非透過性を示すようになる。
その一方で、図11に示すように、調光駆動部14Bから一対の透明電極12に印加する電圧が第1の電圧よりも大きい第2の電圧であるときには、液晶の相状態は、液晶分子の螺旋構造がほどけて液晶分子13Bが一対の透明電極12の間に作用する電界方向に配向したホメオトロピック相となる。
このとき、図12に示すように、調光層13は、高分子樹脂13Aの屈折率と液晶分子13Bの屈折率とが一致する。そのため、調光層13に入射した赤外光は、高分子樹脂13Aと液晶分子13Bとの界面における屈折率の差異に起因して進行方向を大きく曲げることなく、調光シート10Aの厚み方向に透過する。なお、液晶の相状態であるホメオトロピック相は、電界依存性の相状態である。そのため、調光駆動部14Bから一対の透明電極12への電圧の印加を停止したときには、液晶の相状態はホメオトロピック相からプレーナー相へ相転移する。これにより、赤外光に対する選択反射の機能が再現されて赤外光に対して非透過性を示すようになる。
図13は、調光駆動部14Bから一対の透明電極12に印加される電圧と、調光シート10Aの厚み方向に垂直に入射する赤外光の透過率との相関関係を示すグラフである。同図では、先の図5に示した上記第1の実施の形態におけるグラフが比較対象として破線で示されている。そして、図13に示すように、一対の透明電極12に印加される電圧が第1の電圧V1であるときには、上述のように調光層13が赤外光に対して非透過性を示すことから、赤外光に対する透過率は比較的低い傾向にある。このとき、上述のように、本実施の形態では、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋軸が調光シート10Aの厚み方向となる各透明電極12の電極面と垂直な方向に沿うため、調光シート10Aに垂直に入射した赤外光に対してより一層好適に選択反射の機能を発揮する。そのため、同図に破線で示したグラフと比較しても、赤外光に対する透過率がより一層低い傾向にある。その一方で、同図に破線で示したグラフとの比較からも明らかなように、一対の透明電極12に印加される電圧が第2の電圧V2であるときには、調光層13が赤外光に対して透過性を示すことから、赤外光に対する透過率が上記第1の実施の形態と同程度に高い傾向にある。すなわち、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と比較して、印加する電圧を変化させたときの透光率の最大値と最小値の差分であるダイナミックレンジが拡大する。
図14は、夏場のように屋外の温度が比較的高い傾向にあるときに、本実施の形態の温調装置と空調装置の冷房機能とを組み合わせたときの屋内の温度の推移の一例を示すグラフである。同図では、先の図7に示した上記第1の実施の形態におけるグラフが比較対象として破線で示されている。そして、図14に示すように、夏場のように屋外の温度が比較的高い傾向にあるときには、温度センサー20により検知される温度データの初期値が目標温度の上限を規定する第1の閾値温度X1よりも高い値となる。このとき、調光シート10Aは、調光駆動部14Bから一対の透明電極12への電圧の印加を停止して調光シート10Aをオフに設定する。これにより、調光シート10Aに入射する赤外光は、調光シート10Aによる選択反射の機能が発揮されることにより調光シート10Aの厚み方向に透過して屋内に進入し難くなる。特に、本実施の形態では、上述のように、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋軸が調光シート10Aの厚み方向となる各透明電極12の電極面と垂直な方向に沿うため、調光シート10Aに垂直に入射した赤外光に対してより一層好適に選択反射の機能を発揮する。その結果、上記第1の実施の形態と比較して、赤外光の入射に起因した屋内の温度上昇の度合いがより一層大きく抑えられる。これにより、屋内の温度を目標温度まで降下させるために必要とされる空調装置の冷房機能が更に抑えられるため、空調装置の更なる省電力化が図られる。また、同図に破線で示したグラフとの比較からも明らかなように、屋内の温度を目標温度まで降下させるために要する所要時間の短縮も併せて可能となる。更には、上述したダイナミックレンジの拡大により、調光シート10Aによる調光を通じた屋内の温度の調整範囲の拡充も併せて可能となる。
以上説明したように、上記第2の実施の形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(6)一対の透明電極12は、各々の電極面に液晶分子13Bの螺旋軸の向きを配向させる配向膜15が設けられている。そのため、液晶分子13Bの螺旋軸の向きと平行に入射する太陽光に含まれる赤外光に対する選択反射の効率が高められ、電圧非印加時における赤外光の透過率が更に低減される。そのため、電圧の印加の有無に応じた赤外光の透過率のダイナミックレンジを大きく確保することができるため、調光シート10Aによる調光を通じた幅広い温度調整が可能となる。また、上述したダイナミックレンジの拡大により、屋内の温度を目標温度まで降下させるために必要とされる空調装置の冷房機能が更に抑えられるため、空調装置の更なる省電力化が図られる。更には、屋内の温度を目標温度まで降下させるために要する所要時間の短縮も併せて可能となる。
(7)配向膜15は、液晶分子13Bの螺旋軸の向きを一対の透明電極12の電極面と直交する向きに配向させる。そのため、赤外光の透過率のダイナミックレンジを最大化して幅広い温度調整を行うときには、調光シート10Aの厚み方向と太陽光に含まれる赤外光の入射方向を一致させればよい。これにより、調光シート10Aの施工性を向上することができる。
(その他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のような形態にて実施することもできる。
・上記各実施の形態において、調光判定部14Aは、調光駆動部14Bから一対の透明電極12に電圧を印加するタイミングを判定するときの判定閾値(第1の閾値温度X1)と、調光駆動部14Bから一対の透明電極12への電圧の印加を停止するタイミングを判定するときの判定閾値(第2の閾値温度X2)とを一致させてもよい。
・上記各実施の形態において、調光層13は、PNLC構造における高分子樹脂13Aと液晶分子13Bとの界面での干渉により、無電界であっても液晶分子13Bの相状態が維持されるメモリ効果を有するようにしてもよい。この構成では、調光層13は、赤外光に対して透過性を示す第2の電圧を一対の透明電極12に印加した後に電圧の印加を停止したとしても、液晶分子13Bの相状態をホメオトロピック相に維持することが可能となる。
・上記第2の実施の形態において、図15に示すように、配向膜15は、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋軸を一対の透明電極12の電極面に対して斜めに交差するように配向させてもよい。この構成によれば、調光シート10Aは、赤外波長領域の光に対する選択反射の指向性が高められ、所定の入射角度で斜めに入射した赤外光に対して特に優れた選択反射の特性を発揮する。そのため、電圧の印加の有無に応じた赤外光の透過率のダイナミックレンジを大きく確保することができるため、調光シート10Aによる調光を通じた幅広い温度調整が可能となる。
・上記各実施の形態において、調光制御装置14は、温度センサー20から入力される屋内の温度データに基づき、調光シート10による赤外光に対する調光率を算出し、当該算出した調光率に応じて一対の透明電極12に印加する電圧の大きさを連続的に変化させるようにしてもよい。この構成では、調光シート10は、赤外光に対する透過率を定量的に調整することが可能となる。
・上記各実施の形態において、屋内の温度を検知する温度センサー20を複数備える構成としてもよい。この場合、調光判定部14Aは、例えばこれら複数の温度センサー20により検知される温度データの平均値を屋内の温度を示すデータとして扱うようにしてもよい。
・上記各実施の形態において、屋内の温度を検知する温度センサー20に無線モジュールを搭載してもよい。この構成では、温度センサー20から調光制御装置14までの配線の簡素化を図りつつ、温度センサー20により検知された温度データを調光制御装置14に入力することが可能となる。
・上記各実施の形態において、調光シート10,10Aの適用対象は、建築物に限られず、例えば車両等、光透過性の窓を有するものであれば適用対象とすることは可能である。ここで、調光シート10,10Aを車両に適用した場合には、車内の温度調整に必要とされる冷暖房のエネルギーを低減することにより、車両の燃費向上に寄与することが可能となる。
10,10A…調光シート、11…基板、12…透明電極、13…調光層、13A…高分子樹脂、13B…液晶分子、14…調光制御装置、14A…調光判定部、14B…調光駆動部、15…配向膜、20…温度センサー、30…壁部、31…開口部、V1…第1の電圧、V2…第2の電圧。

Claims (4)

  1. 電圧の非印加時には液晶分子の螺旋ピッチが赤外波長領域に設定される一方で、電圧の印加時には液晶分子の配向方向が電界方向と一致するコレステリック液晶を含む高分子ネットワーク型液晶である調光層、
    前記調光層を挟んだ両側に設けられる一対の透明電極、および、
    前記一対の透明電極の電極面に設けられ、前記液晶分子の螺旋軸の向きを配向させる配向膜を有する調光シートと、
    前記調光シートが設けられた屋内の温度を検知する温度センサーと
    を備え、
    前記調光シートは、目標温度に対する前記温度センサーにより検知される屋内の温度の相対値が大きいほど、前記調光シートによる赤外波長領域の光に対する透過量が小さくなるように制御して屋内の温度を調整し、かつ、前記電圧を前記非印加から前記液晶分子の配向方向が電界方向と一致する前記電圧まで増加する際に、前記赤外波長領域の光の透過率が単調増加するように構成され、
    前記配向膜は、前記電圧の非印加時に、前記液晶分子の前記螺旋軸の向きを前記一対の透明電極の電極面と直交する向きに配向させる、又は、前記液晶分子の前記螺旋軸の向きを前記一対の透明電極の電極面に対して斜めに交差させ、かつ、前記螺旋軸が互いに平行であるように配向させる
    ことを特徴とする温調装置。
  2. 前記配向膜は、液晶分子の螺旋軸の向きを一対の透明電極の電極面と直交する向きに配向させる
    請求項1に記載の温調装置。
  3. 前記調光シートは、電圧の印加をオンからオフに切り替えるための前記温度センサーの検知結果の閾値の方が、電圧の印加をオフからオンに切り替えるための前記温度センサーの検知結果の閾値よりも高い値として設定する
    請求項1又は2に温調装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の温調装置に設けられ、
    電圧の非印加時には液晶分子の螺旋ピッチが赤外波長領域に設定される一方で、電圧の印加時には液晶分子の配向方向が電界方向と一致するコレステリック液晶を含む高分子ネットワーク型液晶である調光層と、
    前記調光層を挟んだ両側に設けられる一対の透明電極と、
    前記一対の透明電極の電極面に設けられ、前記液晶分子の螺旋軸の向きを配向させる配向膜と、を備え、
    前記配向膜は、前記電圧の非印加時に、前記液晶分子の前記螺旋軸の向きを前記一対の透明電極の電極面と直交する向きに配向させる、又は、前記液晶分子の前記螺旋軸の向きを前記一対の透明電極の電極面に対して斜めに交差させ、かつ、前記螺旋軸が互いに平行であるように配向させ
    前記電圧を前記非印加から前記液晶分子の配向方向が電界方向と一致する前記電圧まで増加する際に、前記赤外波長領域の光の透過率が単調増加するように構成される
    ことを特徴とする調光シート。
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