JP6938866B2 - 調光シート - Google Patents

調光シート Download PDF

Info

Publication number
JP6938866B2
JP6938866B2 JP2016149049A JP2016149049A JP6938866B2 JP 6938866 B2 JP6938866 B2 JP 6938866B2 JP 2016149049 A JP2016149049 A JP 2016149049A JP 2016149049 A JP2016149049 A JP 2016149049A JP 6938866 B2 JP6938866 B2 JP 6938866B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
pair
voltage
transparent electrodes
dimming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016149049A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018017938A (ja
Inventor
吉田 哲志
哲志 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2016149049A priority Critical patent/JP6938866B2/ja
Publication of JP2018017938A publication Critical patent/JP2018017938A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6938866B2 publication Critical patent/JP6938866B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Description

本発明は、赤外光を遮蔽する機能を有する調光シートに関する。
従来、例えば特許文献1に記載のように、赤外光を遮蔽する機能を有する微粒子を含有させた薄膜を、ガラス板の表面に形成した車両用窓ガラスが知られている。
この車両用窓ガラスは、上記微粒子を含有させた薄膜を、ガラス板の上部と比較してガラス板の下部の膜厚が厚くなるように形成している。そして、この車両用窓ガラスを、ガラス板の下部が車両の上部側に、ガラス板の上部が車両の下部側になるように車両に取り付けることにより、車両の搭乗者に直接当たりやすい赤外光を効率的に遮蔽するようにしている。
特開2007−176443号公報
ところで、上記文献に記載の車両用窓ガラスでは、夏場のように車両外部の環境が比較的高温であるときには、車外から車内への赤外光の進入を遮断することにより、車内の温度上昇を好適に抑えることができる。しかしながら、冬場のように車両外部の環境が比較的低温であるときには、車外から車内への赤外光を遮断させて赤外光による車内の温度上昇が抑えられる結果、元々低温となりやすい車内の温度がより一層低温となってしまうという問題があった。すなわち、車両外部の環境等の要因によって車外から車内への赤外光の進入の必要性は変化するものであることから、車外から車内への赤外光の進入を必要に応じて切り替え可能とする構成が望まれていた。
なお、こうした課題は、赤外光を遮蔽する機能を車両に適用する場合に限られるものではなく、同機能を建築物等の他の用途に適用する場合にも同様に生じる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、赤外光の透過性の有無を切り替えることのできる調光シートを提供することにある。
上記課題を解決する調光シートは、一対の透明電極と、前記一対の透明電極の間に配置され、高分子ネットワーク型液晶からなる調光層と、前記一対の透明電極に印加する電圧を第1の電圧と該第1の電圧よりも大きい第2の電圧との間で切り替える調光駆動部とを含み、前記高分子ネットワーク型液晶は、前記一対の透明電極に印加する電圧が前記第1の電圧であるときの液晶分子の螺旋ピッチが赤外波長領域に設定される一方で、前記一対の透明電極に印加する電圧が前記第2の電圧であるときの液晶分子の螺旋軸の方向が前記一対の透明電極の間に作用する電界方向と一致するコレステリック液晶を含む。
上記構成によれば、一対の透明電極に印加する電圧が第1の電圧であって、一対の透明電極に電圧を印加していないとき、又は、一対の透明電極に印加する電圧が比較的小さいときには、調光層を構成する高分子ネットワーク型液晶が液晶分子の螺旋ピッチに相当する赤外波長領域の光に対して選択反射の特性を発揮する。これにより、調光シートは赤外波長領域の光に対して非透過性を示す。その一方で、一対の透明電極に印加する電圧が第2の電圧であって、一対の透明電極に印加する電圧が比較的大きいときには、調光層を構成する高分子ネットワーク型液晶が液晶分子の螺旋軸の方向を透明電極同士が対向する方向に一致させることにより、赤外波長領域の光に対して選択反射の特性を発揮しない。これにより、調光シートは赤外波長領域の光に対して透過性を示す。すなわち、上記構成によれば、一対の透明電極に対して印加する電圧の大きさを切り替えることにより、赤外波長領域の光に対する透過性の有無を切り替えることができる。また、上記構成では、調光層が高分子ネットワーク型液晶により構成されており、透明電極に電圧を印加していないとき、又は、透明電極に印加する電圧が比較的小さいときの液晶分子の螺旋軸の配向が高分子ネットワークにより安定して維持されている。これにより、調光層を構成する高分子ネットワーク型液晶が液晶分子の螺旋ピッチに相当する赤外波長領域の光に対する選択反射の特性を好適に発揮することが可能となる。
上記構成において、前記高分子ネットワーク型液晶は、前記一対の透明電極に印加する電圧が前記第1の電圧であるときの液晶分子の螺旋ピッチが1000nm〜2500nmの範囲内にあってもよい。
上記構成によれば、一対の透明電極に対して印加する電圧の印加の大小を切り替えることにより、液晶分子の螺旋ピッチに相当する波長領域であって、赤外波長領域を含む1000nm〜2500nmの波長領域の光に対する透過性の有無を切り替えることが可能となる。
上記構成において、前記一対の透明電極は、各々の電極面に液晶分子の螺旋軸の向きを配向させる配向膜が設けられていてもよい。
上記構成によれば、赤外波長領域の光に対する選択反射の指向性が高められる。これにより、所定の入射方向から直線光として入射した赤外光に対する選択反射の反射率を高めることが可能となる。
上記構成において、前記配向膜は、前記液晶分子の螺旋軸の向きを前記一対の透明電極の電極面と直交する方向に配向させてもよい。
上記構成によれば、赤外波長領域の光に対する選択反射の指向性が一対の透明電極の電極面と直交する方向である調光シートの厚み方向と一致する。そのため、赤外光に対する選択反射の反射率を高める際には、赤外光の入射方向と調光シートの厚み方向を一致させればよいため、調光シートの施工性を向上することが可能となる。
上記構成において、前記高分子ネットワーク型液晶は、前記一対の透明電極に印加する電圧が前記第2の電圧であるときには、前記液晶分子の相状態が電界依存性を示してもよい。
上記構成によれば、一対の透明電極に印加する電圧が比較的大きいときに液晶分子の相状態が電界非依存性を示す場合とは異なり、印加する電圧の大小に応じて調光シートによる赤外光に対する透過性が確実に切り替えられる。そのため、電源系統の異常等の理由により電圧が印加できない状況となったとしても、例えば、調光シートが赤外光に対して透過性を有した状態で維持されるといった予め想定した用途とは異なる状況が発生することを回避できる。
上記構成において、前記調光駆動部は、前記一対の透明電極に印加する電圧の大きさを連続的に変化させてもよい。
上記構成によれば、赤外波長領域の光に対する透過性が切り替わる過程で一対の透明電極に印加する電圧の大きさを連続的に変化させることにより、赤外波長領域の光に対する透過性を定量的に調整することが可能となる。
本発明によれば、赤外光の透過性の有無を切り替えることができる。
電圧非印加時における第1の実施の形態の調光シートの概略構成を示す模式図。 電圧非印加時における第1の実施の形態の調光シートの光学特性を示す断面図。 電圧印加時における第1の実施の形態の調光シートの概略構成を示す模式図。 電圧印加時における第1の実施の形態の調光シートの光学特性を示す断面図。 第1の実施の形態の調光シートにあって、一対の透明電極に印加される電圧の大きさと調光シートの厚み方向に垂直に入射する赤外光の透過率との相関関係を示すグラフ。 電圧非印加時における第2の実施の形態の調光シートの概略構成を示す模式図。 電圧非印加時における第2の実施の形態の調光シートの光学特性を示す断面図。 電圧印加時における第2の実施の形態の調光シートの概略構成を示す模式図。 電圧印加時における第2の実施の形態の調光シートの光学特性を示す断面図。 第2の実施の形態の調光シートにあって、一対の透明電極に印加される電圧と調光シートの厚み方向に垂直に入射する赤外光の透過率との相関関係を示すグラフ。 その他の実施の形態の調光シートの光学特性を示す断面図。
(第1の実施の形態)
図1から図5を参照して、調光シートの第1の実施の形態について説明する。
図1に示すように、調光シート10は、一対の基板11、一対の透明電極12、調光層13、および調光駆動部14を備えている。
一対の基板11は、光透過性を有している。基板の材質としては、ガラスやシリコン、またはポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリサルホン等の高分子フィルムを用いることができる。各基板11は、第1面11Aと第2面11Bとを有し、各々の対向面となる第1面11Aに一対の透明電極12が設けられている。
一対の透明電極12は、光透過性を有している。各透明電極12は、各基板11の第1面11Aにスズドープ酸化インジウム(ITO)や酸化スズ(TO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)などの半導体セラミックスの薄膜を基板全域或いは部分的に既知の塗布法や印刷法やスパッタ等の蒸着法により形成したものである。また、各透明電極12のうち、基板11に接する面とは反対側の面には調光層13が設けられている。すなわち、調光層13は、一対の透明電極12の間に配置されている。
調光層13は、ランダムな網目状の高分子樹脂13Aの中にコレステリック液晶の液晶分子13Bが連続層を形成したPNLC(Polymer Network Liquid Crystal)構造を有する高分子ネットワーク型液晶である。コレステリック液晶は、例えば、誘電率異方性が正であって、液晶分子13Bの長軸方向の誘電率が液晶分子13Bの短軸方向の誘電率よりも大きいカイラルネマチック液晶である。この場合、コレステリック液晶は、液晶自身がカイラル性を有する液晶化合物の集合でもよいし、ネマチック液晶にカイラル剤を添加したものであってもよい。なお、コレステリック液晶は、重合開始剤、光安定剤、抗酸化剤、増粘剤、重合禁止剤、光増感剤、接着剤、消泡剤、界面活性剤等を更に有していてもよい。
ネマチック液晶の一例としては、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ジオキサン系等が挙げられる。カイラル剤の一例としては、1つあるいは2つ以上の不斉炭素を有する光学活性な低分子化合物が挙げられる。なお、カイラル剤の旋光性は、右旋性でも左旋性でもよく、右旋性のカイラル剤と左旋性のカイラル剤とを併用してもよい。
ここで一般には、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋ピッチは、ネマチック液晶に対するカイラル剤の組成比(モル分率)と、カイラル剤に固有のピッチとによって規定される。そして、ネマチック液晶に対するカイラル剤の組成比が低くなるほどコレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋ピッチが長くなる。そのため、本実施の形態では、ネマチック液晶に対するカイラル剤の添加量を調整することにより、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋ピッチを赤外波長領域となる1000nm〜2500nmの範囲に含めている。また、カイラル剤は、不斉炭素に共有結合している4つの原子又は置換基の大きさの差が小さいほど、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋ピッチが長くなる傾向にある。そのため、上述のように、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋ピッチを比較的長波長側となる赤外波長領域に設定するときには、不斉炭素に共有結合している4つの原子又は置換基の大きさの差が小さいカイラル剤を用いることが好ましい。
ちなみに、コレステリック液晶の液晶性を損なうことなく所望の螺旋構造を誘起するときには、カイラル剤がネマチック液晶との間で溶液状態あるいは溶融状態において相溶する必要がある。そのため、ネマチック液晶に対するカイラル剤の溶解性を高めるためには、複数の種類のカイラル剤をネマチック液晶に添加することが好ましい。また、カイラル剤として非液晶性の材質を用いた場合であっても、コレステリック液晶の螺旋ピッチを調整可能ではあるが、コレステリック液晶として安定な螺旋構造を得るためには、カイラル剤として液晶層を持つ材質を用いることが好ましい。また、カイラル剤には、温度が高くなるほどコレステリック液晶の螺旋ピッチが長くなる傾向にある正の温度依存性を持つ化合物と、温度が高くなるほどコレステリック液晶の螺旋ピッチが短くなる傾向にある負の温度依存性を持つ化合物とがある。そのため、これら二種類の化合物を混合することにより、コレステリック液晶の螺旋ピッチの温度依存性を抑えることが好ましい。
そして、上述した調光層におけるPNLC構造の製造には、高分子と液晶を相分離させる公知の方法として、例えばPIPS(Polymerization Induced Phase Separation)法、TIPS(Thermally Induced Phase Separation)法、SIP(Solvent Induced Phase Separation)法等を用いることができる。PIPS法は、アクリル系、チオール系、エポキシ系等の、熱や光によって重合する高分子前駆体と液晶を混合し、均一相の状態から重合させて相分離させる方法である。TIP法は、熱可塑性高分子と液晶を混合し、均一相を加熱した状態から冷却して分離させる方法である。SIPS法は、高分子と液晶をクロロフォルムなどの溶媒に溶かし、溶媒を蒸発させて高分子と液晶を相分離させる方法である。
調光駆動部14は、図示しない駆動電源から一対の透明電極12に印加する電圧を調光条件に基づいて制御する。なお、本実施の形態では、調光駆動部14は、例えばPWM制御(パルス幅変調制御)を用いることにより、一対の透明電極12に印加する電圧の大きさを連続的に変化させる。そして、調光層13は、調光駆動部14から一対の透明電極12への電圧の印加態様に基づき、液晶の相状態を遷移させる。
具体的には、図1に示すように、調光駆動部14から一対の透明電極12に第1の電圧として0[V]を印加するときであって、調光駆動部14から一対の透明電極12に電圧を印加していない状態では、液晶の相状態は、液晶分子13Bの螺旋軸の向きがランダムな方向を向くフォーカルコニック相となる。
このとき、図2に示すように、調光層13は、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋軸と平行に入射した光を右旋光と左旋光とに分け、螺旋軸の捩じれ方向に一致する円偏光成分をブラッグ反射するとともに、残りの光を透過させる選択反射の機能を発揮する。この選択反射の中心波長λは、液晶分子13Bの螺旋ピッチをp、螺旋軸に直交する平面内での平均屈折率をnとすると、λ=n・pで表される。すなわち、コレステリック液晶は、平均屈折率が概ね「1」に近い値であることに鑑みると、液晶分子13Bの螺旋ピッチと一致する赤外波長領域の光である赤外光を、液晶分子13Bの螺旋軸のランダムな配向に応じて散乱させる。そのため、調光層13に入射する赤外光は、調光シートのうち赤外光が入射した側に散乱することとなり、調光シート10の厚み方向には透過しにくい。この場合、コレステリック液晶は、赤外光を吸収して赤外光の透過を遮断する構成とは異なり、赤外光が有する熱エネルギーをほとんど吸収することなく赤外光を散乱する。そのため、調光シート10は、赤外光の入射に起因して発熱しにくい性質を有する。これにより、調光シート10として優れた遮熱効果を有するだけでなく、コレステリック液晶の螺旋ピッチが温度依存性を有する場合であっても、赤外光に対する選択反射の機能が安定して発揮される。なお、液晶の相状態であるフォーカルコニック相は、電界非依存性の相状態である。そのため、調光駆動部14から一対の透明電極12へ電圧を印加しない無電界の状態では、液晶の相状態はフォーカルコニック相として安定している。これにより、赤外光に対する選択反射の機能が安定して発揮されて赤外光に対して非透過性を示すようになる。特に、本実施の形態では、調光層13がPNLC構造を有しており、高分子樹脂13Aと液晶分子13Bとの界面での干渉によって、無電界での液晶の相状態がフォーカルコニック相として安定している。この点でも、赤外光に対する選択反射の機能がより一層安定して発揮されて赤外光に対して非透過性を示すようになる。
その一方で、図3に示すように、調光駆動部14から一対の透明電極12に印加する電圧が第1の電圧よりも大きい第2の電圧であるときには、液晶の相状態は、液晶分子13Bの螺旋構造がほどけて液晶分子13Bが一対の透明電極12の間に作用する電界方向に配向したホメオトロピック相となる。
このとき、図4に示すように、調光層13は、高分子樹脂13Aの屈折率と液晶分子13Bの屈折率とが一致する。そのため、調光層13に入射した赤外光は、高分子樹脂13Aと液晶分子13Bとの界面における屈折率の差異に起因して進行方向を大きく曲げることなく、調光シート10の厚み方向に透過する。なお、液晶の相状態であるホメオトロピック相は、電界依存性の相状態である。そのため、調光駆動部14から一対の透明電極12への電圧の印加を停止したときには、液晶の相状態はホメオトロピック相からフォーカルコニック相へ相転移する。これにより、調光シート10は、赤外光に対する選択反射の機能が再現されて赤外光に対して非透過性を示すようになる。
図5は、調光駆動部14から一対の透明電極12に印加される電圧と、調光シート10の厚み方向に垂直に入射する赤外光の透過率との相関関係を示すグラフである。同図に示すように、一対の透明電極12に印加される電圧が第1の電圧V1であるときには、上述のように調光層13が赤外光に対して非透過性を示すことから、赤外光に対する透過率は比較的低い傾向にある。その一方で、一対の透明電極12に印加される電圧が第2の電圧V2であるときには、上述のように調光層13が赤外光に対して透過性を示すことから、赤外光に対する透過率が比較的高い傾向にある。また、一対の透明電極12に印加される電圧が第1の電圧V1から第2の電圧V2に変化する過程で、赤外光に対する透過率はS字曲線を描きつつ増加する。そして、本実施の形態では、調光駆動部14は、この赤外光に対する透過率のS字曲線を描く範囲も含めて、一対の透明電極12に印加する電圧の大きさを連続的に変化させることにより、赤外光に対する透過率を定量的に調整可能となっている。
以上説明したように、上記第1の実施の形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)一対の透明電極12に対して印加する電圧の大きさを切り替えることにより、赤外波長領域の光に対する透過性の有無を切り替えることができる。また、一対の透明電極12に電圧を印加していないときの液晶分子13Bの螺旋軸の配向が高分子樹脂13Aにより安定して維持されている。これにより、調光層13を構成する高分子ネットワーク型液晶が液晶分子13Bの螺旋ピッチに相当する赤外波長領域の光に対する選択反射の特性を好適に発揮することが可能となる。
(2)一対の透明電極12に対して印加する電圧の印加の大小を切り替えることにより、液晶分子13Bの螺旋ピッチに相当する波長領域であって、赤外波長領域を含む1000nm〜2500nmの波長領域の光に対する透過性の有無を切り替えることが可能となる。
(3)一対の透明電極12に印加する電圧が比較的大きい第2の電圧V2であるときには、液晶分子13Bの相状態が電界依存性を示す。これにより、液晶分子13Bの相状態が電界非依存性を示す場合とは異なり、印加する電圧の大小に応じて調光シート10による赤外光に対する透過性が確実に切り替えられる。そのため、電源系統の異常等の理由により電圧が印加できない状況となったとしても、例えば、調光シート10が赤外光に対して透過性を有した状態で維持されるといった予め想定した用途とは異なる状況が発生することを回避できる。
(4)赤外波長領域の光に対する透過性が切り替わる過程で一対の透明電極12に印加する電圧の大きさを連続的に変化させることにより、赤外波長領域の光に対する透過性を定量的に調整することが可能となる。
(第2の実施の形態)
図6から図10を参照して、調光シートの第2の実施の形態について説明する。以下では、第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、第1の実施の形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図6に示すように、調光シート10Aは、一対の基板11、一対の透明電極12、調光層13、および調光駆動部14に加えて、配向膜15を更に有している。
配向膜15は、各透明電極12のうち調光層13に対向する電極面に設けられており、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、シリコン、シアン化化合物等の有機化合物、SiO、ZrO等の無機化合物、又はこれらの混合物により構成されている。配向膜15は、水平配向膜であり、コレステリック液晶の液晶分子13Bの長手方向を配向膜15に水平に沿わせることにより、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋軸を各透明電極12の電極面と垂直となるように配向させている。
そして、図6に示すように、本実施の形態では、調光駆動部14から一対の透明電極12に第1の電圧として0[V]を印加するときであって、調光駆動部14から一対の透明電極12に電圧を印加していない状態では、液晶の相状態は、上述した配向膜15の機能に基づき、液晶分子13Bの螺旋軸が各透明電極12の電極面と垂直になるプレーナー相となる。
このとき、図7に示すように、調光層13は、上記第1の実施の形態と同様にして、液晶分子13Bの螺旋ピッチと一致する赤外波長領域の光である赤外光を選択的に反射する選択反射の機能を発揮する。ここで、本実施の形態の調光層13は、上述のように、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋軸が調光シート10Aの厚み方向となる各透明電極12の電極面と垂直な方向に沿うため、調光シート10Aに垂直に入射した赤外光に対してより一層好適に選択反射の機能を発揮する。これにより、調光シート10Aは、入射する赤外光のうち、調光シート10Aの厚み方向に垂直に入射する赤外光に対して特に優れた遮光性を示すようになる。なお、液晶の相状態であるプレーナー相は、電界非依存性の相状態である。そのため、調光駆動部14から一対の透明電極12へ電圧を印加しない無電界の状態では、液晶の相状態はプレーナー相として安定している。これにより、赤外光に対する選択反射の機能が安定して発揮されて赤外光に対して非透過性を示すようになる。特に、本実施の形態では、調光層13がPNLC構造を有しており、高分子樹脂13Aと液晶分子13Bとの界面での干渉によって、無電界での液晶の相状態がプレーナー相として安定している。この点でも、赤外光に対する選択反射の機能がより一層安定して発揮されて赤外光に対して非透過性を示すようになる。
その一方で、図8に示すように、調光駆動部14から一対の透明電極12に印加する電圧が第1の電圧よりも大きい第2の電圧であるときには、液晶の相状態は、液晶分子13Bの螺旋構造がほどけて液晶分子13Bが一対の透明電極12の間に作用する電界方向に配向したホメオトロピック相となる。
このとき、図9に示すように、調光層13は、高分子樹脂13Aの屈折率と液晶分子13Bの屈折率とが一致する。そのため、調光層13に入射した赤外光は、高分子樹脂13Aと液晶分子13Bとの界面における屈折率の差異に起因して進行方向を大きく曲げることなく、調光シート10Aの厚み方向に透過する。なお、液晶の相状態であるホメオトロピック相は、電界依存性の相状態である。そのため、調光駆動部14から一対の透明電極12への電圧の印加を停止したときには、液晶の相状態はホメオトロピック相からプレーナー相へ相転移する。これにより、赤外光に対する選択反射の機能が再現されて赤外光に対して非透過性を示すようになる。
図10は、調光駆動部14から一対の透明電極12に印加される電圧と、調光シート10Aの厚み方向に垂直に入射する赤外光の透過率との相関関係を示すグラフである。同図では、先の図5に示した上記第1の実施の形態におけるグラフが比較対象として破線で示されている。そして、図10に示すように、一対の透明電極12に印加される電圧が第1の電圧V1であるときには、上述のように調光層13が赤外光に対して非透過性を示すことから、赤外光に対する透過率は比較的低い傾向にある。このとき、上述のように、本実施の形態では、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋軸が調光シート10Aの厚み方向となる各透明電極12の電極面と垂直な方向に沿うため、調光シート10Aに垂直に入射した赤外光に対してより一層好適に選択反射の機能を発揮する。そのため、同図に破線で示したグラフと比較しても、赤外光に対する透過率がより一層低い傾向にある。その一方で、一対の透明電極12に印加される電圧が第2の電圧V2であるときには、上述のように調光層13が赤外光に対して透過性を示すことから、赤外光に対する透過率が比較的高い傾向にある。また、一対の透明電極12に印加される電圧が第1の電圧V1から第2の電圧V2に変化する過程で、赤外光に対する透過率はS字曲線を描きつつ増加する。そして、本実施の形態では、調光駆動部14は、この赤外光に対する透過率のS字曲線を描く範囲も含めて、一対の透明電極12に印加する電圧の大きさを連続的に変化させることにより、赤外光に対する透過率を定量的に調整可能となっている。
以上説明したように、上記第2の実施の形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(5)一対の透明電極12は、各々の電極面に液晶分子13Bの螺旋軸の向きを配向させる配向膜15が設けられている。そのため、赤外波長領域の光に対する選択反射の指向性が高められる。これにより、所定の入射方向から直線光として入射した赤外光に対する選択反射の反射率を高めることが可能となる。
(6)配向膜15は、液晶分子13Bの螺旋軸の向きを一対の透明電極12の電極面と直交する方向に配向させる。そのため、赤外波長領域の光に対する選択反射の指向性が一対の透明電極12の電極面と直交する方向である調光シート10Aの厚み方向と一致する。そのため、赤外光に対する選択反射の反射率を高める際には、赤外光の入射方向と調光シート10Aの厚み方向を一致させればよいため、調光シート10Aの施工性を向上することが可能となる。
(その他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のような形態にて実施することもできる。
・上記各実施の形態において、調光駆動部14は、調光層13が赤外光に対して非透過性を示す第1の電圧と調光層13が赤外光に対して透過性を示す第2の電圧との間で一対の透明電極12に印加する電圧を段階的に切り替えるようにしてもよい。このとき、調光駆動部14は、単に、一対の透明電極12に印加する電圧の有無を切り替えるようにしてもよいし、一対の透明電極12に印加する電圧の大きさを多段階に切り替えるようにしてもよい。
・上記各実施の形態において、調光層13は、PNLC構造における高分子樹脂13Aと液晶分子13Bとの界面での干渉により、無電界であっても液晶分子13Bの相状態が維持されるメモリ効果を有するようにしてもよい。この構成では、調光層13は、赤外光に対して透過性を示す第2の電圧を一対の透明電極12を印加した後に電圧の印加を停止したとしても、液晶分子13Bの相状態をホメオトロピック相に維持することが可能となる。
・上記第2の実施の形態において、図11に示すように、配向膜15は、コレステリック液晶の液晶分子13Bの螺旋軸を一対の透明電極12の電極面に対して斜めに交差するように配向させてもよい。この構成によれば、調光シート10Aは、赤外波長領域の光に対する選択反射の指向性が高められ、所定の入射角度で斜めに入射した赤外光に対して特に優れた選択反射の特性を発揮することが可能となる。
10,10A…調光シート、11…基板、12…透明電極、13…調光層、13A…高分子樹脂、13B…液晶分子、14…調光駆動部、15…配向膜、V1…第1の電圧、V2…第2の電圧。

Claims (4)

  1. 一対の透明電極と、
    前記一対の透明電極の間に配置され、高分子ネットワーク型液晶からなる調光層と、
    前記一対の透明電極に印加する電圧を第1の電圧と該第1の電圧よりも大きい第2の電圧との間で切り替える調光駆動部と
    を含み、
    前記一対の透明電極は、各々の電極面に液晶分子の螺旋軸の向きを配向させる配向膜が設けられ、
    前記高分子ネットワーク型液晶は、前記一対の透明電極に印加する電圧が前記第1の電圧であるときの液晶分子の螺旋ピッチが赤外波長領域に設定される一方で、前記一対の透明電極に印加する電圧が前記第2の電圧であるときの液晶分子の配向方向が前記一対の透明電極の間に作用する電界方向と一致するコレステリック液晶を含み、
    前記配向膜は、前記一対の透明電極に印加する電圧が前記第1の電圧であるときに、前記液晶分子の前記螺旋軸の向きを前記一対の透明電極の電極面と直交する方向に配向させる、または、前記液晶分子の前記螺旋軸の向きを前記一対の透明電極の電極面に対して斜めに交差し、かつ、前記螺旋軸が互いに平行であるように配向させ
    前記一対の透明電極に印加する電圧が前記第1の電圧から前記第2の電圧まで増加する際に、前記赤外波長領域の光の透過率が単調増加するように構成される
    ことを特徴とする調光シート。
  2. 前記高分子ネットワーク型液晶は、前記一対の透明電極に印加する電圧が前記第1の電圧であるときの液晶分子の螺旋ピッチが1000nm〜2500nmの範囲内にある
    請求項1に記載の調光シート。
  3. 前記高分子ネットワーク型液晶は、前記一対の透明電極に印加する電圧が前記第2の電圧であるときには、前記液晶分子の相状態が電界依存性を示す
    請求項1又は2に記載の調光シート。
  4. 前記調光駆動部は、前記一対の透明電極に印加する電圧の大きさを連続的に変化させる
    請求項1〜3の何れか一項に記載の調光シート。
JP2016149049A 2016-07-28 2016-07-28 調光シート Active JP6938866B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016149049A JP6938866B2 (ja) 2016-07-28 2016-07-28 調光シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016149049A JP6938866B2 (ja) 2016-07-28 2016-07-28 調光シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018017938A JP2018017938A (ja) 2018-02-01
JP6938866B2 true JP6938866B2 (ja) 2021-09-22

Family

ID=61076089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016149049A Active JP6938866B2 (ja) 2016-07-28 2016-07-28 調光シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6938866B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7180226B2 (ja) * 2018-09-20 2022-11-30 凸版印刷株式会社 調光シートの駆動装置、調光シートの駆動方法、および、調光シートの駆動プログラム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0641372B1 (en) * 1992-05-18 1999-04-21 Kent State University Liquid crystalline light modulating device & material
JPH06222342A (ja) * 1993-01-27 1994-08-12 Asahi Glass Co Ltd 液晶調光素子
WO2009151716A2 (en) * 2008-03-24 2009-12-17 Kent State University Bistable switchable liquid crystal window
CN102495490B (zh) * 2011-11-16 2014-04-09 合肥工业大学 一种用于裸眼立体显示的液晶光阀幕

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018017938A (ja) 2018-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101630119B1 (ko) 광학 소자
CN107949621B (zh) 光调制元件
KR102041815B1 (ko) 액정 소자 및 이의 용도
KR101588529B1 (ko) 쌍안정 액정 패널
JP2018527622A (ja) 液晶ウィンドウ及びこれを含む光学素子
JPWO2005080529A1 (ja) 光学素子用液晶材料および光変調素子
JP6425080B2 (ja) 光学デバイス
JP2018533040A (ja) 光学フィルム
Shin et al. Flexoelectric-effect-based light waveguide liquid crystal display for transparent display
JP2021002071A (ja) 反射率可変ミラー
JP6938867B2 (ja) 温調装置及び調光シート
KR102634119B1 (ko) 광변조 디바이스
JP6938866B2 (ja) 調光シート
CN111694197B (zh) 一种彩色双稳态调光器件
KR102024250B1 (ko) 광학 필름
TWI827763B (zh) 可切換窗元件
TWI841862B (zh) 光調節元件及包括其的窗戶及天窗
WO2023120496A1 (ja) 液晶素子及び液晶素子の製造方法
KR20070032963A (ko) 액정 소자 및 이의 제조 방법
KR102619980B1 (ko) 광변조 디바이스
JP2023102986A (ja) 調光装置、および、調光シート
TW202422186A (zh) 光調變裝置
KR20200033573A (ko) 액정셀
KR20200131887A (ko) 액정 표시 소자
JP2007092011A (ja) 極性ネマチック液晶アセンブリ及びこれを用いた液晶素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190619

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6938866

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150