JP2023102986A - 調光装置、および、調光シート - Google Patents
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Abstract
【課題】赤外光の透過の程度を切り替えることができる調光装置および調光シートを提供する。【解決手段】調光シート10は、第1透明電極層31および第2透明電極層32と、正の誘電率異方性を有するカイラルネマティック液晶である液晶組成物を含む調光層20とを備える。調光装置100の制御部60が実行する処理には、透明電極層31,32間を第1電圧に制御することによって、調光シート10を、赤外光を反射し可視光を透過させる第1状態とすることと、透明電極層31,32間を第2電圧に制御することによって、調光シート10を、赤外光および可視光を散乱させる第2状態とすることと、透明電極層31,32間を第3電圧に制御することによって、調光シート10を、赤外光および可視光を透過させる第3状態とすることと、が含まれる。【選択図】図1
Description
本発明は、調光装置、および、調光シートに関する。
従来から、遮熱に利用される赤外線カットシートが知られている。車両や建物の窓ガラスに貼り付けられた赤外線カットシートは、太陽光に含まれる赤外光がシートを透過して車内や屋内に進入することを抑える。これにより、車内や屋内の温度の上昇が抑えられる。例えば、特許文献1に記載の赤外線カットシートは、金属層および金属酸化物層を備え、赤外光を反射する。
赤外線カットシートにおける赤外光の遮蔽機能は常に発揮されている。それゆえ、窓ガラスに赤外線カットシートが取り付けられている場合、気温や季節に関係なく、赤外光の透過が抑えられて、車内や屋内の温度の上昇が抑制される。その結果、夏場には、冷房効率の向上が期待できる一方で、冬場には、暖房効率の悪化が生じかねない。そのため、赤外光の透過の程度を切り替え可能なシートが望まれている。
上記課題を解決するための調光装置は、調光シートと、前記調光シートへの電圧の印加を制御する制御部と、を備える調光装置であって、前記調光シートは、第1透明電極層と、第2透明電極層と、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層であって、複数の空隙を区切る透明高分子層と、正の誘電率異方性を有するカイラルネマティック液晶であり前記空隙に保持された液晶組成物とを含む前記調光層と、を備え、前記制御部が実行する処理には、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間を第1電圧に制御することによって、前記調光シートを、赤外光を反射し、可視光を透過させる第1状態とすることと、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間を前記第1電圧よりも大きい第2電圧に制御することによって、前記調光シートを、赤外光および可視光を散乱させる第2状態とすることと、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間を前記第2電圧よりも大きい第3電圧に制御することによって、前記調光シートを、赤外光および可視光を透過させる第3状態とすることと、が含まれる。
上記課題を解決するための調光シートは、第1透明電極層と、第2透明電極層と、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層であって、複数の空隙を区切る透明高分子層と、正の誘電率異方性を有するカイラルネマティック液晶であり前記空隙に保持された液晶組成物とを含む前記調光層と、を備える調光シートであって、前記調光シートは、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間が第1電圧に制御されることにより、前記液晶組成物がプレーナー状態を示す第1状態であって、前記調光シートが赤外光を反射し、可視光を透過させる前記第1状態と、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間が前記第1電圧よりも大きい第2電圧に制御されることにより、前記液晶組成物がフォーカルコニック状態を示す第2状態であって、前記調光シートが赤外光および可視光を散乱させる前記第2状態と、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間が前記第2電圧よりも大きい第3電圧に制御されることにより、前記液晶組成物がホメオトロピック状態を示す第3状態であって、前記調光シートが赤外光および可視光を透過させる前記第3状態と、を含み、前記液晶組成物の螺旋ピッチP(μm)、常光屈折率no、異常光屈折率neが、下記式(1-1)を満たす。
0.8≦P×(ne+2no)/3≦2.2 ・・・(1-1)
0.8≦P×(ne+2no)/3≦2.2 ・・・(1-1)
上記各構成によれば、調光シートの各状態を切り替えることにより、調光シートにおける赤外光の透過の程度を切り替えることができる。それゆえ、調光シートに面する屋内の空間の温度上昇を抑制あるいは促進して冷房や暖房の効率の低下を抑えることも可能である。また、赤外光を反射する第1状態において、可視光は調光シートを透過するため、金属層を備える赤外線カットシートと比較して、赤外光の透過が抑えられている状態でも、上記空間が暗くなることが抑えられる。
上記調光装置において、前記調光シートにおける前記液晶組成物の螺旋ピッチP(μm)、常光屈折率no、異常光屈折率neが、下記式(1-1)を満たしてもよい。
0.8≦P×(ne+2no)/3≦2.2 ・・・(1-1)
上記構成によれば、カイラルネマティック液晶である液晶組成物の反射波長が赤外領域に的確に設定される。したがって、第1状態の調光シートにて、赤外光が的確に反射される。
0.8≦P×(ne+2no)/3≦2.2 ・・・(1-1)
上記構成によれば、カイラルネマティック液晶である液晶組成物の反射波長が赤外領域に的確に設定される。したがって、第1状態の調光シートにて、赤外光が的確に反射される。
上記調光装置において、前記調光シートの前記第1状態において、前記液晶組成物が含む液晶分子が水平配向している領域の前記調光層での割合が、50%以上であってもよい。
上記構成によれば、第1状態の調光シートにおいて、赤外光の良好な反射率が得られる。
上記構成によれば、第1状態の調光シートにおいて、赤外光の良好な反射率が得られる。
上記調光装置において、前記調光シートの前記調光層における前記透明高分子層の割合は、50%未満であってもよい。
上記構成によれば、調光層において液晶組成物の割合が十分に確保されることから、第1状態の調光シートにおいて、赤外光の良好な反射率が得られる。
上記構成によれば、調光層において液晶組成物の割合が十分に確保されることから、第1状態の調光シートにおいて、赤外光の良好な反射率が得られる。
上記調光装置において、前記調光シートにおける前記透明高分子層を構成する高分子材料の屈折率npと、前記液晶組成物の常光屈折率noとが、下記式(2-1)を満たしてもよい。
0.98≦np/no≦1.02 ・・・(2-1)
0.98≦np/no≦1.02 ・・・(2-1)
上記構成によれば、第3状態の調光シートにおいて、赤外光が調光層内を直進しやすくなるため、赤外光の透過率が高められる。
上記調光装置において、前記調光シートは、前記第1透明電極層と前記調光層との間に挟まれた第1配向層と、前記第2透明電極層と前記調光層との間に挟まれた第2配向層と、を備え、前記第1配向層と前記第2配向層との各々は、水平配向膜であってもよい。
上記構成によれば、第1状態において水平配向する液晶分子の割合を高めることができる。したがって、第1状態の調光シートにおいて、赤外光の反射率が高められる。
上記構成によれば、第1状態において水平配向する液晶分子の割合を高めることができる。したがって、第1状態の調光シートにおいて、赤外光の反射率が高められる。
上記調光装置において、前記調光シートは、前記第1透明電極層に対して前記調光層と反対側で前記第1透明電極層を支持する第1透明支持層と、前記第2透明電極層に対して前記調光層と反対側で前記第2透明電極層を支持する第2透明支持層と、を備え、前記第1透明支持層および前記第2透明支持層の各々の赤外光の反射率が、15%未満であってもよい。
上記構成によれば、第3状態の調光シートにおいて、赤外光の透過率が高められる。
上記構成によれば、第3状態の調光シートにおいて、赤外光の透過率が高められる。
上記調光装置において、第1の前記調光シートと第2の前記調光シートとを含む2つの前記調光シートを備え、前記第1の調光シートが含む前記液晶組成物の旋光性と、前記第2の調光シートが含む前記液晶組成物の旋光性とは、互いに異なり、前記第1の調光シートと前記第2の調光シートとは、厚さ方向に重なりを有するように配置され、前記制御部が実行する処理には、前記第1の調光シートおよび前記第2の調光シートの各々を前記第1状態とすることと、前記第1の調光シートおよび前記第2の調光シートの各々を前記第3状態とすることと、が含まれてもよい。
上記構成によれば、2つの調光シートを第1状態とすることで、これらの調光シートから互いに異なる円偏光成分が反射されるため、赤外光におけるより多くの成分がこれらの調光シートによって反射される。したがって、2つの調光シートに面する屋内の空間に進入する赤外光の量をより低減することができる。
上記調光装置において、前記第1状態での前記第1の調光シートの反射光のピーク波長は、前記第1状態での前記第2の調光シートの反射光のピーク波長と一致してもよい。
上記構成によれば、2つの調光シートが第1状態であるときに、上記ピーク波長を中心とする波長域での赤外光の反射率が高められる。
上記構成によれば、2つの調光シートが第1状態であるときに、上記ピーク波長を中心とする波長域での赤外光の反射率が高められる。
上記調光装置において、前記第1状態での前記第1の調光シートの反射光のピーク波長は、前記第1状態での前記第2の調光シートの反射光のピーク波長とは異なってもよい。
上記構成によれば、2つの調光シートが第1状態であるときに、各ピーク波長の付近の波長域の赤外光が反射されることから、広い波長域で赤外光の反射が可能となる。
上記構成によれば、2つの調光シートが第1状態であるときに、各ピーク波長の付近の波長域の赤外光が反射されることから、広い波長域で赤外光の反射が可能となる。
本発明によれば、調光シートにおける赤外光の透過の程度を切り替えることができる。
(第1実施形態)
図1~図6を参照して、調光装置および調光シートの第1実施形態を説明する。なお、以下の説明において、赤外光とは、800nm以上の波長域の光を指し、可視光とは、360nm以上800nm未満の波長域の光を指す。なお、赤外光の波長の上限は1mmである。
図1~図6を参照して、調光装置および調光シートの第1実施形態を説明する。なお、以下の説明において、赤外光とは、800nm以上の波長域の光を指し、可視光とは、360nm以上800nm未満の波長域の光を指す。なお、赤外光の波長の上限は1mmである。
[調光シートおよび調光装置の構成]
図1が示すように、調光シート10は、調光層20と、一対の透明電極層31,32と、一対の透明支持層41,42と、一対の配向層51,52とを備えている。一対の透明電極層31,32は、第1透明電極層31および第2透明電極層32であり、一対の透明支持層41,42は、第1透明支持層41および第2透明支持層42であり、一対の配向層は、第1配向層51および第2配向層52である。
図1が示すように、調光シート10は、調光層20と、一対の透明電極層31,32と、一対の透明支持層41,42と、一対の配向層51,52とを備えている。一対の透明電極層31,32は、第1透明電極層31および第2透明電極層32であり、一対の透明支持層41,42は、第1透明支持層41および第2透明支持層42であり、一対の配向層は、第1配向層51および第2配向層52である。
調光層20は、第1透明電極層31と第2透明電極層32との間に挟まれている。調光層20と第1透明電極層31との間には、第1配向層51が位置し、第1配向層51は、これらの調光層20および第1透明電極層31に接している。調光層20と第2透明電極層32との間には、第2配向層52が位置し、第2配向層52は、これらの調光層20および第2透明電極層32に接している。第1透明支持層41は、第1透明電極層31に対して調光層20と反対側で第1透明電極層31を支持し、第2透明支持層42は、第2透明電極層32に対して調光層20と反対側で第2透明電極層32を支持している。
調光層20は、透明高分子層21とカイラルネマティック液晶である液晶組成物とを含んでいる。液晶組成物は、液晶分子23を含む。透明高分子層21は複数の空隙22を区切っており、空隙22内に液晶組成物が保持されている。液晶組成物は、正の誘電率異方性を有する。すなわち、液晶分子23の長軸方向の誘電率は、液晶分子23の短軸方向の誘電率よりも大きい。
液晶分子23の一例は、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ジオキサン系の液晶分子である。また、液晶組成物が含むカイラル剤の一例は、1以上の不斉炭素を有する光学活性な低分子化合物である。
透明高分子層21の構造および液晶組成物の保持型式は、例えば、ポリマーネットワーク型、高分子分散型、カプセル型である。ポリマーネットワーク型の調光層20は、3次元の網目状を有したポリマーネットワークを備える。ポリマーネットワークは、透明高分子層の一例であり、ポリマーネットワークにおける網目のなかの相互に連通した空隙に液晶組成物が保持される。高分子分散型の調光層20は、孤立した多数の空隙を区画する透明高分子層を備え、透明高分子層に分散した空隙のなかに液晶組成物が保持される。カプセル型の調光層20は、透明高分子層のなかに分散したカプセル内の空隙に液晶組成物を保持する。
第1透明電極層31および第2透明電極層32の各々は、導電性を有する材料から形成されており、可視光に対して透明である。透明電極層31,32の材料には、公知の材料を用いることができる。透明電極層31,32の材料は、例えば、酸化インジウムスズ、フッ素ドープ酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)、銀や銀合金等である。
第1透明支持層41および第2透明支持層42の各々は、可視光に対して透明な基材である。透明支持層41,42の材料には、公知の材料を用いることができる。透明支持層41,42の材料は、合成樹脂、または、無機化合物であってよい。合成樹脂は、例えば、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリオレフィン等である。ポリエステルは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等である。ポリアクリレートは、例えば、ポリメチルメタクリレート等である。無機化合物は、例えば、二酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素等である。
第1配向層51および第2配向層52の各々は、水平配向膜である。水平配向膜は、液晶分子23の長軸方向を配向膜の表面に水平に沿わせるように、液晶分子23を配向させる。配向層51,52の材料は、有機化合物、無機化合物、および、これらの混合物である。有機化合物は、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、シアン化化合物等である。無機化合物は、例えば、シリコン酸化物、酸化ジルコニウム等である。配向層51,52の材料は、シリコーンであってもよい。シリコーンは、無機性の部分と有機性の部分とを有する化合物である。
調光装置100は、1つの調光シート10と、透明電極層31,32への電圧の印加を制御する制御部60と、を備えている。制御部60は、配線を介して第1透明電極層31および第2透明電極層32の各々に接続されている。制御部60は、調光シート10の駆動のための電圧を生成し、生成した電圧を透明電極層31,32に配線を通じて印加する。電圧の印加の有無の制御および印加する電圧の大きさの制御を通じて、制御部60は、透明電極層31,32間の電圧の大きさを制御する。
制御部60は、透明電極層31,32間の電圧を、第1電圧V1と、第2電圧V2と、第3電圧V3とのいずれかに制御する。第1電圧V1は0Vであり、第2電圧V2は第1電圧V1よりも大きく、第3電圧V3は第2電圧V2よりも大きい。
図1は、第1状態の調光シート10を模式的に示す。第1状態において、透明電極層31,32間の電圧は第1電圧V1に制御され、液晶組成物はプレーナー状態を示す。すなわち、調光層20が含む液晶分子23の多くは、配向層51,52および透明電極層31,32に略平行な方向に液晶分子23の長軸方向が沿うように並び、螺旋構造を有する液晶組成物の螺旋軸が、配向層51,52および透明電極層31,32に略垂直な方向に延びる。
カイラルネマティック液晶である液晶組成物がプレーナー状態であるとき、液晶組成物は、一部の波長域の光を選択的に反射する。本実施形態では、液晶組成物の螺旋ピッチP(μm)、常光屈折率no、異常光屈折率neが、下記式(1-1)を満たしていることにより、液晶組成物は赤外光を選択的に反射する。
0.8≦P×(ne+2no)/3≦2.2 ・・・(1-1)
0.8≦P×(ne+2no)/3≦2.2 ・・・(1-1)
これにより、第1状態において、調光層20は、調光シート10の表面または裏面から調光層20に向けて入射する光のうち、赤外光を選択的に反射する。なお、液晶組成物の螺旋ピッチP、常光屈折率no、および、異常光屈折率neの各々は、液晶分子23の種類、カイラル剤の種類、カイラル剤の添加量等によって調整することができる。
上記式(1-1)において、「P×(ne+2no)/3」は、液晶組成物の反射波長を規定する式である。以下、この式の導出論理を説明する。
カイラルネマティック液晶である液晶組成物の反射波長は、液晶組成物の螺旋ピッチPと屈折率nとの積によって表される。この屈折率nとしては、常光屈折率noを用いることが最も簡便である。一方、液晶分子が複屈折性を有していること、第1状態の調光シート10において液晶組成物の螺旋軸は調光シート10に垂直であると仮定できること、調光シート10の外部から調光シート10に光が入射するとき、光の伝播方向は上記螺旋軸の向きとほぼ等しくなること、これらを考慮すれば、屈折率nとして、常光屈折率noと異常光屈折率neとの平均値を用いることも考えられる。
カイラルネマティック液晶である液晶組成物の反射波長は、液晶組成物の螺旋ピッチPと屈折率nとの積によって表される。この屈折率nとしては、常光屈折率noを用いることが最も簡便である。一方、液晶分子が複屈折性を有していること、第1状態の調光シート10において液晶組成物の螺旋軸は調光シート10に垂直であると仮定できること、調光シート10の外部から調光シート10に光が入射するとき、光の伝播方向は上記螺旋軸の向きとほぼ等しくなること、これらを考慮すれば、屈折率nとして、常光屈折率noと異常光屈折率neとの平均値を用いることも考えられる。
本願の発明者は、屈折率nとして、常光屈折率noを用いた場合、および、常光屈折率noと異常光屈折率neとの平均値を用いた場合について、反射波長の計算値と、調光シート10の反射波長の実測値とを比較した。その結果、実測値におけるピーク中央値、すなわち、幅を有するピークにおける当該ピーク幅の中央値と、反射波長の計算値との間にずれが生じることが確認された。
ここで、発明者は、螺旋軸に傾きが生じている可能性に着目した。この場合、入射光に対する液晶組成物の実効的な屈折率は、常光屈折率noと異常光屈折率neとの平均値よりも常光屈折率noに近づく。そこで、発明者は、常光屈折率noに重みをつけて常光屈折率noと異常光屈折率neとを加重平均した値を屈折率nとして用いることにより、上記式「P×(ne+2no)/3」を導出した。そして、発明者は、この式による反射波長の計算値と、調光シート10の反射波長の実測値におけるピーク中央値とが一致することを確認した。このことから、螺旋軸の傾きによって見かけの螺旋ピッチPが変化しており、螺旋ピッチPのばらつきと、こうした螺旋ピッチPの変化とが、反射波長の実測値においてピークに幅が形成される要因となっていることが示唆される。
以上のように、本願の発明者は、液晶分子の複屈折性に加え、螺旋軸の傾きに着目した結果、常光屈折率noに重みをつけた式を用いることで、プレーナー状態の液晶組成物の反射波長をより正確に計算可能であることを見出した。
上記式(1-1)を満たす液晶組成物を調光層20に用いることにより、第1状態の調光シート10において、赤外光が的確に反射される。より詳細には、調光層20に入射した赤外光から、液晶組成物の螺旋軸の捩じれ方向と同じ方向に回転する円偏光成分が反射され、他の成分は調光層20を透過する。また、第1状態において、赤外光以外の波長域の光は調光層20を透過するため、可視光は、第1状態の調光シート10を透過する。
太陽光に含まれる赤外領域の波長域の光をより的確に反射するためには、液晶組成物の螺旋ピッチP(μm)、常光屈折率no、異常光屈折率neが、下記式(1-2)を満たしていることが好ましい。
0.9≦P×(ne+2no)/3≦1.1 ・・・(1-2)
0.9≦P×(ne+2no)/3≦1.1 ・・・(1-2)
なお、赤外光の反射率を高めるためには、第1状態において、調光層20の50%以上の領域で、液晶分子23が水平配向されていること、すなわち、液晶分子23が配向層51,52および透明電極層31,32に略平行に配向されていることが好ましい。そして、調光層20における透明高分子層21の割合は50%未満であることが好ましい。例えば、偏光顕微鏡による観察画像において、調光層20の表面付近での水平配向領域の割合が50%以上であれば、調光層20の全体での水平配向領域の割合が50%以上と判断できる。
一方で、透明高分子層21による液晶組成物の保持構造を的確に形成するためには、調光層20における透明高分子層21の割合は10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。そして、透明高分子層21による液晶組成物の割合は、50%以上90%以下であることが好ましく、60%以上80%以下であることがより好ましい。したがって、液晶組成物の保持構造を好適に形成しつつ、赤外光の反射率を高めるためには、第1状態において、液晶分子23が水平配向されている領域は、調光層20の50%以上90%以下であることが好ましく、60%以上80%以下であることがより好ましい。
図2は、第3状態の調光シート10を模式的に示す。第3状態において、透明電極層31,32間の電圧は第3電圧V3に制御され、液晶組成物はホメオトロピック状態を示す。すなわち、液晶組成物の螺旋構造がほどけ、液晶分子23は、透明電極層31,32間の電界方向に沿って配向される。言い換えれば、液晶分子23は、配向層51,52および透明電極層31,32に垂直な方向に液晶分子23の長軸方向が沿うように並ぶ。
このように、第3電圧V3は、液晶組成物をホメオトロピック状態に配向させる大きさの電圧である。液晶組成物は、その組成に応じた所定値以上の電圧が印加されたときにホメオトロピック状態を示す。第3電圧V3は、上記所定値以上の電圧である。
液晶組成物がホメオトロピック状態であるとき、赤外光は調光層20を透過する。調光層20内において赤外光の進行方向が曲がることを抑えるためには、透明高分子層21を構成する高分子材料の屈折率npと、液晶組成物の常光屈折率noとがほぼ一致することが好ましい。具体的には、赤外領域の波長に対する高分子材料の屈折率npと液晶組成物の常光屈折率noとが下記式(2-1)を満たすことが好ましい。上記赤外領域の波長は、例えば、上記反射波長の規定式「P×(ne+2no)/3」によって求められる液晶組成物の反射波長とすればよい。
0.98≦np/no≦1.02 ・・・(2-1)
0.98≦np/no≦1.02 ・・・(2-1)
赤外光の透過率を高めるためには、透明支持層41,42の赤外光の反射率が、15%未満であることが好ましく、10%未満であることがより好ましい。
また、第3状態においては、可視光も調光層20を透過する。すなわち、第3状態においては、赤外光および可視光のいずれもが調光シート10を透過する。
また、第3状態においては、可視光も調光層20を透過する。すなわち、第3状態においては、赤外光および可視光のいずれもが調光シート10を透過する。
図3は、第2状態の調光シート10を模式的に示す。第2状態において、透明電極層31,32間の電圧は第2電圧V2に制御され、液晶組成物はフォーカルコニック状態を示す。すなわち、液晶組成物は螺旋構造を有し、液晶組成物の螺旋軸は、配向層51,52および透明電極層31,32に平行な方向のように、これらの層に垂直な方向とは異なる方向に延びる。
上述のように、液晶組成物は、その組成に応じた所定値以上の電圧が印加されたときにホメオトロピック状態を示す。第2電圧V2は、0Vより大きく上記所定値未満の電圧である。
液晶組成物がフォーカルコニック状態であるとき、調光シート10への光の入射方向と液晶分子23の長軸方向とがなす角は、調光層20内において一定ではなく分散しているため、赤外光は様々な方向へ反射される。すなわち、赤外光は散乱する。また、フォーカルコニック状態では、螺旋軸の向きの分散により屈折率に揺らぎが生じることから、調光層20に入射した可視光も散乱する。
図4は、調光シート10が第1状態から第2状態を経由して第3形態まで変化するときの、透明電極層31,32間の電圧と調光シート10における赤外光の透過率との関係の典型例を示す。図4が示すように、第1電圧V1から第3電圧V3に向かって電圧が大きくなるにつれ、赤外光の透過率は単調に増加する。このうち、第1電圧V1の付近、および、第3電圧V3の付近では、透過率の変化は緩やかである。一方、第2電圧V2の付近では、透過率は急激に変化する。
上述のように、透明電極層31,32間が第1電圧V1である第1状態では、調光層20において、赤外光の反射が大きくなるため、赤外光の透過は小さくなる。一方、透明電極層31,32間が第3電圧V3である第3状態では、赤外光の透過が大きくなる。そして、透明電極層31,32間が第2電圧V2である第2状態では、赤外光の散乱が起こることから、赤外光の透過は、第1状態よりは大きくなり、第3状態よりは小さくなる。これにより、調光シート10における赤外光の透過率は、透明電極層31,32間の電圧の変化に応じて、図4に示した変化を示す。
ここで、第1状態から第2状態への変化、および、第2状態から第3状態への変化は、一方向にのみ可能な変化である。すなわち、調光シート10が第1状態であるときに、透明電極層31,32間の電圧を第1電圧V1から第2電圧V2に変化させると、調光シート10は第1状態から第2状態に変化する。一方、調光シート10が第2状態であるときに、透明電極層31,32間の電圧を第2電圧V2から第1電圧V1に変化させても、第2状態から第1状態への変化は起こらず、液晶組成物はフォーカルコニック状態を維持する。
同様に、調光シート10が第2状態であるときに、透明電極層31,32間の電圧を第3電圧V3に変化させると、調光シート10は第2状態から第3状態に変化する。一方、調光シート10が第3状態であるときに、透明電極層31,32間の電圧を第3電圧V3から第2電圧V2に変化させても、第3状態から第2状態への変化は起こらず、液晶組成物はホメオトロピック状態を維持する。
これに対し、第1状態から第3状態への変化は、双方向において可能である。すなわち、調光シート10が第1状態であるときに、透明電極層31,32間の電圧を第1電圧V1から第3電圧V3に変化させると、調光シート10は第1状態から第3状態に変化する。また、調光シート10が第3状態であるときに、透明電極層31,32間の電圧を第3電圧V3から第1電圧V1に変化させると、調光シート10は第3状態から第1状態に変化する。
[調光シートおよび調光装置の動作]
図5および図6は、調光シート10の使用状態を模式的に示す。調光シート10の表面または裏面は、粘着層を介して、ガラスや樹脂等からなる透明板110に貼り付けられる。透明板110は、屋外と、建物や車両等の移動体の内部との境界に配置される。すなわち、透明板110は、建物や移動体の内部空間を外部に対して区切る。透明板110は、例えば、住宅やビル等の各種の建物が備える窓ガラスやガラス壁、あるいは、車両や航空機等の移動体が備える窓ガラスである。透明板110の表面は、平面であってもよいし、曲面であってもよい。調光シート10は、透明板110における屋外に向けられる面と屋内に向けられる面とのいずれに貼り付けられてもよい。
図5および図6は、調光シート10の使用状態を模式的に示す。調光シート10の表面または裏面は、粘着層を介して、ガラスや樹脂等からなる透明板110に貼り付けられる。透明板110は、屋外と、建物や車両等の移動体の内部との境界に配置される。すなわち、透明板110は、建物や移動体の内部空間を外部に対して区切る。透明板110は、例えば、住宅やビル等の各種の建物が備える窓ガラスやガラス壁、あるいは、車両や航空機等の移動体が備える窓ガラスである。透明板110の表面は、平面であってもよいし、曲面であってもよい。調光シート10は、透明板110における屋外に向けられる面と屋内に向けられる面とのいずれに貼り付けられてもよい。
図5は、調光シート10が第1状態であるときを示す。言い換えれば、調光装置100の駆動はオフ状態である。このとき、太陽光に含まれる赤外光ILが屋外から調光シート10に入射すると、赤外光ILのうちの一部の光PL1が調光シート10にて反射され、一部の光PL2は調光シート10および透明板110を透過して、透明板110で区切られた内部空間に進入する。反射される光PL1は、調光層20の液晶組成物の螺旋軸の捩じれ方向に対応する円偏光成分である。
その結果、赤外光ILの大部分が調光シート10および透明板110を透過する場合と比較して、内部空間に進入する赤外光ILの量を抑えることができる。そのため、内部空間の温度上昇を抑えることができる。
調光シート10が第1状態であるとき、可視光は調光シート10を透過する。すなわち、調光シート10は透明である。したがって、可視光が内部空間に入るため、内部空間が明るくなる。また、内部空間にいる観察者が、調光シート10および透明板110を介して屋外を視認すること、あるいは、屋外にいる観察者が、調光シート10および透明板110を介して内部空間を視認することが可能である。
図6は、調光シート10が第3状態であるときを示す。言い換えれば、調光装置100の駆動はオン状態である。このとき、太陽光に含まれる赤外光ILが屋外から調光シート10に入射すると、赤外光ILの大部分が内部空間に進入する。そのため、内部空間の温度上昇が促される。
調光シート10が第3状態であるときも、可視光は調光シート10を透過する。したがって、調光シート10が第1状態であるときと同様、内部空間が明るくなり、また、観察者は、調光シート10および透明板110の背後の光景を視認することができる。
以上のように、調光シート10の第1状態と第3状態とを切り替えることによって、赤外光の透過の程度、すなわち、内部空間への赤外光の進入の程度を切り替えることが可能である。それゆえ、例えば、夏場のように気温が高い場合には調光シート10を第1状態として内部空間の温度上昇を抑え、冬場のように気温が低い場合には調光シート10を第3状態として内部空間の温度上昇を促進することができる。このように、気温等の環境に応じて、調光シート10における赤外光の透過の程度を切り替えることが可能であることから、冷房や暖房の効率の低下を抑えることも可能である。
また、従来の赤外線カットシートでは、赤外光の遮蔽機能を高めると、金属層の膜厚の増加等を招き、その結果、可視光の透過性が低くなりやすかった。これに対し、本実施形態の調光シート10であれば、第1状態と第3状態とのいずれにおいても可視光の良好な透過性が得られるため、赤外光の透過の大小にかかわらず、内部空間が暗くなることを抑えることができる。これにより、内部空間での照明の利用を抑えて電力消費量の削減を図ることも可能である。また、赤外光の透過の大小にかかわらず、透明板110の背後の光景について、良好な視認性が得られる。
さらに、調光シート10を第2状態に切り替えた場合、赤外光と可視光とが散乱される。それゆえ、赤外光の透過の程度は第1状態と第3状態との間となり、また、調光シート10は濁って見える。したがって、調光シート10を第2状態に切り替えることで、赤外光の透過の程度を中程度とすることができる。また、調光シート10を第2状態に切り替えることで、透明板110の背後が視認されること、例えば、屋外から内部空間が視認されることを抑えることができる。
また、調光シート10を第2状態に切り替えた後、印加電圧を0Vにしても、赤外光と可視光との散乱機能は第2状態と同様に保たれる。したがって、消費電力を削減しつつ、赤外光の透過の程度を中程度とすることや、透明板110の背後の視認性を低くすることもできる。例えば、第1状態と、調光シート10を第2状態に切り替えた後に印加電圧を0Vにした状態とを利用すれば、透明板110の背後の光景の視認性が切り替え可能であって、かつ、切り替え時以外の印加電圧を0Vとすることができる。
このように、調光シート10を第1状態および第3状態に加えて第2状態にも切り替えることで、環境や状況に応じて、調光シート10が内部空間にもたらす作用をより多様に切り替えることが可能となる。
以上、第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)調光シート10への印加電圧の切り換えによって、調光シート10が赤外光を反射し可視光を透過させる第1状態と、調光シート10が赤外光および可視光を散乱させる第2状態と、調光シート10が赤外光および可視光を透過させる第3状態とが切り換えられる。これにより、調光シート10における赤外光の透過の程度を切り替えることができるため、調光シート10に面する屋内の空間への赤外光の進入の程度を切り替えることが可能である。それゆえ、上記空間の温度上昇を抑制あるいは促進して冷房や暖房の効率の低下を抑えることも可能である。
(1)調光シート10への印加電圧の切り換えによって、調光シート10が赤外光を反射し可視光を透過させる第1状態と、調光シート10が赤外光および可視光を散乱させる第2状態と、調光シート10が赤外光および可視光を透過させる第3状態とが切り換えられる。これにより、調光シート10における赤外光の透過の程度を切り替えることができるため、調光シート10に面する屋内の空間への赤外光の進入の程度を切り替えることが可能である。それゆえ、上記空間の温度上昇を抑制あるいは促進して冷房や暖房の効率の低下を抑えることも可能である。
(2)赤外光を反射する第1状態において、可視光は調光シート10を透過する。そのため、金属層を備える赤外線カットシートと比較して、上記空間への赤外光の進入が抑えられている状態でも、上記空間が暗くなることが抑えられ、また、調光シート10の背後の光景について、良好な視認性が得られる。
(3)調光シート10における液晶組成物の螺旋ピッチP(μm)、常光屈折率no、異常光屈折率neが、下記式(1-1)を満たす。これにより、カイラルネマティック液晶である液晶組成物の反射波長が赤外領域に的確に設定される。
0.8≦P×(ne+2no)/3≦2.2 ・・・(1-1)
0.8≦P×(ne+2no)/3≦2.2 ・・・(1-1)
(4)第1状態の調光シート10において、液晶組成物が含む液晶分子23が水平配向している領域の調光層20での割合が、50%以上である。これにより、赤外光について良好な反射率が得られる。
(5)調光層20における透明高分子層21の割合が、50%未満である。これにより、調光層20において液晶組成物の割合が十分に確保され、第1状態にて赤外光の良好な反射率が得られる。
(6)透明高分子層21を構成する高分子材料の屈折率npと、液晶組成物の常光屈折率noとが、下記式(2-1)を満たす。これにより、第3状態において、赤外光が調光層20内を直進しやすくなるため、赤外光の透過率が高められる。
0.98≦np/no≦1.02 ・・・(2-1)
0.98≦np/no≦1.02 ・・・(2-1)
(7)透明支持層41,42の赤外光の反射率が15%未満である。これにより、第3状態において、赤外光の透過率が高められる。
(8)調光シート10が、配向層51,52を備えている。これにより、第1状態において水平配向する液晶分子23の割合を高めることができる。したがって、第1状態での赤外光の反射率が高められる。
(第2実施形態)
図7~図9を参照して、調光装置および調光シートの第2実施形態を説明する。第2実施形態は、調光シートの層構成が第1実施形態と異なっている。以下では、第2実施形態と第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図7~図9を参照して、調光装置および調光シートの第2実施形態を説明する。第2実施形態は、調光シートの層構成が第1実施形態と異なっている。以下では、第2実施形態と第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図7が示すように、第2実施形態の調光シート11は、配向層51,52を有していない。第1透明電極層31と第2透明電極層32との間には調光層20が挟まれ、第1透明電極層31および第2透明電極層32の各々は調光層20に接している。第2実施形態の調光シート11においては、配向層の形成が不要であることから、第1実施形態と比較して、調光シートの製造工程の簡素化や製造に要するコストの削減が可能である。
調光層20、透明電極層31,32、透明支持層41,42の材料や特性は第1実施形態と同様である。すなわち、第2実施形態においても、調光層20は、透明高分子層21と、正の誘電率異方性を有するカイラルネマティック液晶である液晶組成物とを含んでいる。そして、液晶組成物の螺旋ピッチP(μm)、常光屈折率no、異常光屈折率neが、下記式(1-1)を満たしている。
0.8≦P×(ne+2no)/3≦2.2 ・・・(1-1)
0.8≦P×(ne+2no)/3≦2.2 ・・・(1-1)
また、液晶組成物の螺旋ピッチP(μm)、常光屈折率no、異常光屈折率neは、下記式(1-2)を満たしていることが好ましい。
0.9≦P×(ne+2no)/3≦1.1 ・・・(1-2)
0.9≦P×(ne+2no)/3≦1.1 ・・・(1-2)
第2実施形態の調光装置101においても、制御部60によって、透明電極層31,32間の電圧が、第1電圧V1と第2電圧V2と第3電圧V3とのいずれかに制御される。第1実施形態と同様、第1電圧V1は0Vであり、第2電圧V2は第1電圧V1よりも大きく、第3電圧V3は第2電圧V2よりも大きい。これにより、調光シート11は、第1状態と第2状態と第3状態とのいずれかに制御される。
図7は、第1状態の調光シート11を模式的に示す。第1状態において、透明電極層31,32間の電圧は第1電圧V1に制御され、液晶組成物はプレーナー状態を示す。そして、上記式(1-1)が満たされていることにより、第1状態において、調光シート11は、赤外光を選択的に反射する。また、可視光は、第1状態の調光シート11を透過する。
第2実施形態の調光シート11は、配向層51,52を有していないため、第1実施形態と比較して、第1状態において水平配向する液晶分子23の割合は小さくなる。一方で、調光層20の50%以上の領域にて液晶分子23が水平配向していれば、赤外光について良好な反射率が得られる。配向層51,52がなくとも、カイラルネマティック液晶を用いれば、電圧の非印加時に50%以上の領域で液晶分子23を水平配向させることができる。
図8は、第3状態の調光シート11を模式的に示す。第3状態において、透明電極層31,32間の電圧は第3電圧V3に制御され、液晶組成物はホメオトロピック状態を示す。第3状態において、赤外光および可視光は、調光シート11を透過する。
調光層20内において赤外光の進行方向が曲がることを抑えるためには、第1実施形態と同様、赤外領域の波長に対する高分子材料の屈折率npと液晶組成物の常光屈折率noとが下記式(2-1)を満たすことが好ましい。
0.98≦np/no≦1.02 ・・・(2-1)
0.98≦np/no≦1.02 ・・・(2-1)
図9は、第2状態の調光シート11を模式的に示す。第2状態において、透明電極層31,32間の電圧は第2電圧V2に制御され、液晶組成物はフォーカルコニック状態を示す。第2状態において、調光シート11に入射した赤外光および可視光は散乱する。
第1状態から第2状態への変化、および、第2状態から第3状態への変化は、一方向にのみ可能であり、第1状態から第3状態への変化は、双方向において可能である。
第2実施形態の調光装置101および調光シート11の動作は、第1実施形態と同様である。すなわち、透明板に貼り付けられた調光シート11を第1状態に切り替えることで、透明板で区切られた内部空間に赤外光が進入することが抑えられ、これにより、内部空間の温度上昇を抑えることができる。また、調光シート11を第3状態に切り替えることで、赤外光の大部分を内部空間に進入させ、これにより、内部空間の温度上昇を促すことができる。
第2実施形態の調光装置101および調光シート11の動作は、第1実施形態と同様である。すなわち、透明板に貼り付けられた調光シート11を第1状態に切り替えることで、透明板で区切られた内部空間に赤外光が進入することが抑えられ、これにより、内部空間の温度上昇を抑えることができる。また、調光シート11を第3状態に切り替えることで、赤外光の大部分を内部空間に進入させ、これにより、内部空間の温度上昇を促すことができる。
また、調光シート11を第2状態に切り替えることで、赤外光の透過の程度を中程度とすること、および、透明板の背後の視認性を低くすることが可能である。それゆえ、調光シート11が内部空間にもたらす作用をより多様に切り替えることが可能となる。
以上、第2実施形態によれば、第1実施形態の(1)~(7)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(9)調光シート11が配向層を備えていないため、調光シート11の製造工程の簡素化や製造に要するコストの削減が可能である。
(9)調光シート11が配向層を備えていないため、調光シート11の製造工程の簡素化や製造に要するコストの削減が可能である。
(第3実施形態)
図10~図12を参照して、調光装置の第3実施形態を説明する。以下では、第3実施形態と第1実施形態および第2実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態および第2実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図10~図12を参照して、調光装置の第3実施形態を説明する。以下では、第3実施形態と第1実施形態および第2実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態および第2実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図10が示すように、第3実施形態の調光装置102は、第1の調光シート12と第2の調光シート13との2つの調光シートを備える。調光シート12,13には、第1実施形態の調光シート10の構成が適用されてもよいし、第2実施形態の調光シート11の構成が適用されてもよい。
第1の調光シート12と第2の調光シート13とは、建物や車両等の移動体の内部と屋外との境界において、調光シート12,13が厚さ方向に重なるように、透明板と共に配置される。2つの調光シート12,13は、互いに接していてもよいし、離れていてもよい。
例えば、図10では、第1の調光シート12と第2の調光シート13とが別々の透明板に貼り付けられている。詳細には、第1の調光シート12が第1の透明板111に貼り付けられ、第2の調光シート13が第2の透明板112に貼り付けられ、第1の調光シート12と第2の調光シート13とが向かい合うように配置されている。第1の透明板111と第2の透明板112とは、例えば、窓に用いられるペアガラスである。調光シート12,13が断熱機能を有する窓に取り付けられる形態であれば、調光シート12,13による赤外光の反射によって、断熱機能をより高めることが可能である。
なお、上記の形態に限らず、第1の透明板111に貼り付けられた第1の調光シート12は、第2の調光シート13および第2の透明板112とは反対側に向けられてもよい。また、第2の透明板112に貼り付けられた第2の調光シート13は、第1の調光シート12および第2の透明板112とは反対側に向けられてもよい。また、第1の調光シート12と第2の調光シート13は、1つの透明板の表裏に貼り付けられてもよい。
第1の調光シート12が備える調光層20の液晶組成物の旋光性と、第2の調光シート13が備える調光層20の液晶組成物の旋光性とは、互いに異なっている。例えば、第1の調光シート12の液晶組成物は右旋性を有し、第2の調光シート13の液晶組成物は左旋性を有する。第1の調光シート12と第2の調光シート13とにおいて、液晶組成物が含有するカイラル剤の旋光性を異ならせることで、液晶組成物の旋光性を異ならせることができる。
調光装置102の制御部60は、第1の調光シート12に印加する電圧と、第2の調光シート13に印加する電圧とを、これらが互いに連動するように制御してもよいし、調光シート12,13ごとに独立して制御してもよい。制御部60が実行する処理には、第1の調光シート12および第2の調光シート13の各々を第1状態とすること、および、第1の調光シート12および第2の調光シート13の各々を第3状態とすることが含まれる。
図11は、第1の調光シート12と第2の調光シート13との双方が第1状態であるときを示す。調光シート12,13が第1状態であるとき、赤外光の照射に対し、第1の調光シート12と第2の調光シート13とは、液晶組成物の旋光性の違いに起因して、互いに異なる方向に回転する円偏光成分を反射する。
例えば、第2の透明板112に対して第1の透明板111が位置する側から、太陽光に含まれる赤外光ILが入射するとする。この場合、赤外光ILが第1の調光シート12に入射すると、赤外光ILのうちの一部の光PL1が第1の調光シート12にて反射される。そして、残りの光は第1の調光シート12を透過して第2の調光シート13に入射し、第2の調光シート13にて光PL2が反射される。光PL1と光PL2とは、互いに異なる方向に回転する円偏光成分である。例えば、第1の調光シート12の液晶組成物が右旋性を有し、第2の調光シート13の液晶組成物が左旋性を有するとき、光PL1は右円偏光成分であり、光PL2は左円偏光成分である。
第3実施形態によれば、2枚の調光シート12,13によって、互いに異なる円偏光成分が反射されるため、第1実施形態および第2実施形態と比較して、赤外光におけるより多くの成分が調光シート12,13によって反射される。したがって、透明板111,112で区切られた内部空間に進入する赤外光の量をより抑えることができるため、内部空間の温度上昇をより的確に抑えることができる。
第1の調光シート12の反射波長の設定値と、第2の調光シート13の反射波長の設定値とは、一致していてもよいし、異なっていてもよい。反射波長の設定値は、反射波長の規定式「P×(ne+2no)/3」により算出される値である。言い換えれば、第1状態での第1の調光シート12の反射光のピーク波長は、第1状態での第2の調光シート13の反射光のピーク波長と一致してもよいし、異なっていてもよい。
2つの調光シート12,13における反射光のピーク波長が一致していれば、当該ピーク波長を中心とする波長域での赤外光の反射率が好適に高められる。一方、2つの調光シート12,13における反射光のピーク波長が異なっていれば、各ピーク波長の付近の波長域の赤外光が反射されることから、広い波長域で赤外光の反射が可能となる。例えば、日射に含まれる赤外光のなかで、日射量が大きい波長域は、800nm~1300nmの範囲に含まれる。そのため、この範囲内にピーク波長が分散するように2つの調光シート12,13の反射波長を設定することで、日射反射率を好適に高めることができる。
なお、調光シート11,12が第1状態であるとき、可視光は調光シート11,12を透過する。したがって、内部空間が暗くなることが抑えられ、また、観察者は、調光シート11,12および透明板111,112の背後の光景を視認することができる。
図12は、第1の調光シート12と第2の調光シート13との双方が第3状態であるときを示す。このとき、第1の調光シート12と第2の調光シート13とのいずれもが赤外光を透過する。そのため、屋外からの赤外光ILの大部分が内部空間に進入する。その結果、内部空間の温度上昇が促される。
なお、調光シート11,12が第3状態であるときも、可視光は調光シート11,12を透過するため、内部空間が暗くなることが抑えられ、また、観察者は、調光シート11,12および透明板111,112の背後の光景を視認することができる。
以上のように、2つの調光シート11,12の双方が第1状態である状態と、2つの調光シート11,12の双方が第3状態である状態とを切り替えることによって、赤外光の透過の程度、すなわち、内部空間への赤外光の進入の程度を切り替えることが可能である。そして、第3実施形態では、2枚の調光シート11,12の双方を第1状態に切り替えることで、内部空間への赤外光の進入を第1実施形態および第2実施形態よりも抑えることができるため、内部空間の温度上昇を抑える効果が高く得られる。それゆえ、夏場において冷房の効率の低下をより一層に抑えることも可能である。
また、第1の調光シート12と第2の調光シート13とに印加する電圧を別々に制御可能であれば、第1の調光シート12と第2の調光シート13との一方を第1状態とし、他方を第3状態とすることで、赤外光の透過の程度を中程度とすることもできる。これにより、赤外光の透過の程度をより細かに切り替えることが可能である。
さらに、第1の調光シート12と第2の調光シート13との少なくとも一方を第2状態に切り替えることにより、赤外光の透過の程度をさらに細かく制御することや、透明板111,112の背後の視認性を低くすることもできる。したがって、調光シート11,12が内部空間にもたらす作用をより多様に切り替えることが可能となる。
以上、第3実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(10)調光装置102が、互いに旋光性の異なる2つの調光シート12,13を備え、これらの調光シート12,13が厚さ方向に重なりを有するように配置される。これにより、2つの調光シート12,13を第1状態とすることで、互いに異なる円偏光成分が反射されるため、赤外光におけるより多くの成分が調光シート12,13によって反射される。したがって、調光シート12,13に面する屋内の空間に進入する赤外光の量をより低減することができる。
(10)調光装置102が、互いに旋光性の異なる2つの調光シート12,13を備え、これらの調光シート12,13が厚さ方向に重なりを有するように配置される。これにより、2つの調光シート12,13を第1状態とすることで、互いに異なる円偏光成分が反射されるため、赤外光におけるより多くの成分が調光シート12,13によって反射される。したがって、調光シート12,13に面する屋内の空間に進入する赤外光の量をより低減することができる。
(11)第1状態での第1の調光シート12の反射光のピーク波長が、第1状態での第2の調光シート13の反射光のピーク波長と一致していれば、当該ピーク波長を中心とする波長域での赤外光の反射率が高められる。
(12)第1状態での第1の調光シート12の反射光のピーク波長が、第1状態での第2の調光シート13の反射光のピーク波長と異なっていれば、各ピーク波長の付近の波長域の赤外光が反射されることから、広い波長域で赤外光の反射が可能となる。
[実施例]
上述した調光装置および調光シートについて、具体的な実施例および比較例を用いて説明する。
上述した調光装置および調光シートについて、具体的な実施例および比較例を用いて説明する。
(実施例1)
調光層、一対の透明電極層、一対の透明支持層、および、一対の配向層を備える調光シートを形成した。透明電極層の材料は、酸化インジウムスズであり、透明支持層の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、配向層の材料は、ポリイミドである。調光層は、ポリマーネットワーク型であり、各パラメータが下記となるように形成した。
調光層、一対の透明電極層、一対の透明支持層、および、一対の配向層を備える調光シートを形成した。透明電極層の材料は、酸化インジウムスズであり、透明支持層の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、配向層の材料は、ポリイミドである。調光層は、ポリマーネットワーク型であり、各パラメータが下記となるように形成した。
・液晶組成物の誘電率異方性Δε:10.9
・液晶組成物の常光屈折率no:1.51
・液晶組成物の異常光屈折率ne:1.68
・透明高分子層を構成する高分子材料の屈折率np:1.50
・液晶組成物の螺旋ピッチP:0.66μm
・反射波長の設定値(P×(ne+2no)/3):1.03μm
・調光層における透明高分子層の割合:12.6%
・液晶組成物の常光屈折率no:1.51
・液晶組成物の異常光屈折率ne:1.68
・透明高分子層を構成する高分子材料の屈折率np:1.50
・液晶組成物の螺旋ピッチP:0.66μm
・反射波長の設定値(P×(ne+2no)/3):1.03μm
・調光層における透明高分子層の割合:12.6%
(実施例2)
配向層を形成しないこと以外は、実施例1と同様の材料によって、実施例2の調光シートを形成した。すなわち、実施例2における調光層の各パラメータは実施例1と同じである。
配向層を形成しないこと以外は、実施例1と同様の材料によって、実施例2の調光シートを形成した。すなわち、実施例2における調光層の各パラメータは実施例1と同じである。
(偏光顕微鏡観察)
実施例1および実施例2について、印加電圧が0Vであるとき、すなわち、第1状態であるときの調光シートを、偏光顕微鏡を用いて観察した。図13は、実施例1の観察画像を示し、図14は、実施例2の観察画像を示す。観察の倍率は200倍である。
実施例1および実施例2について、印加電圧が0Vであるとき、すなわち、第1状態であるときの調光シートを、偏光顕微鏡を用いて観察した。図13は、実施例1の観察画像を示し、図14は、実施例2の観察画像を示す。観察の倍率は200倍である。
偏光顕微鏡による観察画像における色の解析から、実施例1では、調光層における9割近い領域で液晶分子が水平配向していることが確認され、実施例2では、5割以上の領域で液晶分子が水平配向していることが確認された。このことから、調光シートが配向層を備えていることで、第1状態において大部分の液晶分子が水平配向されることが確認された。また、調光シートが配向層を備えていない場合でも、第1状態において50%以上の領域で液晶分子が水平配向されることが確認された。
(反射特性解析)
実施例1および実施例2の調光シートについて、印加電圧が0Vであるときと50Vであるときとの各々における反射光の波長域および反射率を測定した。印加電圧が0Vであるとき、調光シートは第1状態であり、印加電圧が50Vであるとき、調光シートは第3状態である。印加電圧は、50Hzの交流電圧である。測定結果を図15に示す。
実施例1および実施例2の調光シートについて、印加電圧が0Vであるときと50Vであるときとの各々における反射光の波長域および反射率を測定した。印加電圧が0Vであるとき、調光シートは第1状態であり、印加電圧が50Vであるとき、調光シートは第3状態である。印加電圧は、50Hzの交流電圧である。測定結果を図15に示す。
図15が示すように、印加電圧が0Vであるとき、実施例1,2のいずれにおいても、1000nm付近にピークを有する反射が得られている。したがって、実施例1,2のいずれにおいても、第1状態において、赤外光の選択的な反射が得られることが確認された。この反射光のピーク波長は、上記した反射波長の設定値と凡そ一致する。また、ピークの半値幅は、200nm~300nmである。
一方、印加電圧が50Vであるときには、実施例1,2のいずれにおいても、赤外光の選択的な反射は確認されず、第3状態においては赤外光が調光シートを透過することが確認された。
印加電圧が0Vであるとき、実施例1と実施例2とを比較すると、配向層を有する実施例1の方が、ピーク波長を中心とする赤外領域において高い反射率が得られている。そして、ピーク波長での反射率は、実施例1が約40%、実施例2が約30%である。これらのことから、調光シートが配向層を備えていることにより、より的確な赤外光の反射が可能であることが示された。なお、実施例1においてもピーク波長での反射率が50%に満たない理由は、調光層が透明高分子層を有することにより液晶分子の水平配向に乱れが生じているためであると考えられる。
次に、赤外線カットシートの比較例について、反射光の波長域および反射率を測定した。測定結果を、実施例の測定結果と共に、図16に示す。比較例1,2の赤外線カットシートは、いずれも市販品であって、比較例1の赤外線カットシートは、透明断熱フィルム(リンテック社製、IR-90HD)であり、比較例2の赤外線カットシートは、金属層を有するミラー断熱フィルム(リンテック社製、SL-18-25HD)である。
また、実施例1,2および比較例1,2について、日射反射率を求めた。日射反射率は、JIS R 3106:2019に準拠して算出した。結果を表1に示す。
図16が示すように、比較例1の赤外光の反射率は、実施例1,2の印加電圧が0Vである場合と比べてかなり低く、赤外光を遮断する効果は小さい。一方、比較例2の赤外光の反射率は、実施例1,2の印加電圧が0Vである場合よりも高く、赤外光を遮断する効果が大きい。これらの結果は、表1に示す日射反射率においても同様である。日射反射率が高いことは、日射に含まれる波長域の赤外光の反射が大きいこと、すなわち、シートによる遮熱効果が高いことを示す。
しかしながら、比較例2は、ミラー断熱フィルムであることからも示唆されるように、可視領域においても反射率が高く、比較例2のシートを窓ガラスに貼り付けた場合には、内部空間が暗くなると推測される。これに対し、実施例1,2の調光シートであれば、赤外光の高い反射率と可視光の高い透過率との両立が可能である。
そして、比較例1,2では、赤外光の透過の程度を切り替えることができない。これに対し、実施例1,2では、印加電圧の切り換えによって、赤外光の反射の大きさおよび日射反射率の大きさを切り替え可能であることが図16および表1から明らかである。すなわち、実施例1,2によれば、シートにおける赤外光の透過の程度を切り替えることが可能であり、これによって、遮熱効果の高低を切り替えることができる。
(実施例3)
調光層、一対の透明電極層、一対の透明支持層、および、一対の配向層を備える第1の調光シートを形成した。透明電極層の材料は、酸化インジウムスズであり、透明支持層の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、配向層の材料は、ポリイミドである。調光層は、ポリマーネットワーク型であり、各パラメータが下記となるように形成した。
調光層、一対の透明電極層、一対の透明支持層、および、一対の配向層を備える第1の調光シートを形成した。透明電極層の材料は、酸化インジウムスズであり、透明支持層の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、配向層の材料は、ポリイミドである。調光層は、ポリマーネットワーク型であり、各パラメータが下記となるように形成した。
・液晶組成物の誘電率異方性Δε:10.9
・液晶組成物の常光屈折率no:1.51
・液晶組成物の異常光屈折率ne:1.68
・透明高分子層を構成する高分子材料の屈折率np:1.50
・液晶組成物の螺旋ピッチP:0.66μm
・反射波長の設定値(P×(ne+2no)/3):1.03μm
・調光層における透明高分子層の割合:12.6%
・カイラル剤の旋光性:右旋性
・液晶組成物の常光屈折率no:1.51
・液晶組成物の異常光屈折率ne:1.68
・透明高分子層を構成する高分子材料の屈折率np:1.50
・液晶組成物の螺旋ピッチP:0.66μm
・反射波長の設定値(P×(ne+2no)/3):1.03μm
・調光層における透明高分子層の割合:12.6%
・カイラル剤の旋光性:右旋性
左旋性のカイラル剤を用いたこと以外は、第1の調光シートと同様の材料によって、第2の調光シートを形成した。すなわち、第2の調光シートにおける調光層の各パラメータは、カイラル剤の旋光性を除いて第1の調光シートと同じである。
(実施例4)
調光層、一対の透明電極層、一対の透明支持層、および、一対の配向層を備える第1の調光シートを形成した。透明電極層の材料は、酸化インジウムスズであり、透明支持層の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、配向層の材料は、ポリイミドである。調光層は、ポリマーネットワーク型であり、各パラメータが下記となるように形成した。
調光層、一対の透明電極層、一対の透明支持層、および、一対の配向層を備える第1の調光シートを形成した。透明電極層の材料は、酸化インジウムスズであり、透明支持層の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、配向層の材料は、ポリイミドである。調光層は、ポリマーネットワーク型であり、各パラメータが下記となるように形成した。
・液晶組成物の誘電率異方性Δε:10.9
・液晶組成物の常光屈折率no:1.51
・液晶組成物の異常光屈折率ne:1.68
・透明高分子層を構成する高分子材料の屈折率np:1.50
・液晶組成物の螺旋ピッチP:0.57μm
・反射波長の設定値(P×(ne+2no)/3):0.90μm
・調光層における透明高分子層の割合:12.6%
・カイラル剤の旋光性:右旋性
・液晶組成物の常光屈折率no:1.51
・液晶組成物の異常光屈折率ne:1.68
・透明高分子層を構成する高分子材料の屈折率np:1.50
・液晶組成物の螺旋ピッチP:0.57μm
・反射波長の設定値(P×(ne+2no)/3):0.90μm
・調光層における透明高分子層の割合:12.6%
・カイラル剤の旋光性:右旋性
左旋性のカイラル剤を用いたこと、および、液晶組成物の螺旋ピッチPと反射波長の設定値とを変更したこと以外は、第1の調光シートと同様の材料によって、第2の調光シートを形成した。第2の調光シートにおける調光層の各パラメータは、下記である。
・液晶組成物の誘電率異方性Δε:10.9
・液晶組成物の常光屈折率no:1.51
・液晶組成物の異常光屈折率ne:1.68
・透明高分子層を構成する高分子材料の屈折率np:1.50
・液晶組成物の螺旋ピッチP:0.70μm
・反射波長の設定値(P×(ne+2no)/3):1.10μm
・調光層における透明高分子層の割合:12.6%
・カイラル剤の旋光性:左旋性
・液晶組成物の常光屈折率no:1.51
・液晶組成物の異常光屈折率ne:1.68
・透明高分子層を構成する高分子材料の屈折率np:1.50
・液晶組成物の螺旋ピッチP:0.70μm
・反射波長の設定値(P×(ne+2no)/3):1.10μm
・調光層における透明高分子層の割合:12.6%
・カイラル剤の旋光性:左旋性
(反射特性解析)
実施例3および実施例4の調光シートについて、印加電圧が0Vであるときと50Vであるときとの反射光の波長域および反射率を測定した。印加電圧が0Vであるとき、調光シートは第1状態であり、印加電圧が50Vであるとき、調光シートは第3状態である。実施例3の測定結果を図17に示し、実施例4の測定結果を図18に示す。図17において、実施例3Aが第1の調光シートであり、実施例3Bが第2の調光シートである。図18において、実施例4Aが第1の調光シートであり、実施例4Bが第2の調光シートである。
実施例3および実施例4の調光シートについて、印加電圧が0Vであるときと50Vであるときとの反射光の波長域および反射率を測定した。印加電圧が0Vであるとき、調光シートは第1状態であり、印加電圧が50Vであるとき、調光シートは第3状態である。実施例3の測定結果を図17に示し、実施例4の測定結果を図18に示す。図17において、実施例3Aが第1の調光シートであり、実施例3Bが第2の調光シートである。図18において、実施例4Aが第1の調光シートであり、実施例4Bが第2の調光シートである。
図17が示すように、実施例3では、印加電圧が0Vであるとき、2つの調光シートのいずれにおいても、1000nm付近にピークを有する反射が得られている。反射光のピーク波長は、上記した反射波長の設定値と凡そ一致する。ピークの半値幅は、200nm~300nmであり、ピーク波長での反射率は、約40%である。
一方、印加電圧が50Vであるときには、2つの調光シートのいずれにおいても、赤外光の選択的な反射は確認されない。
一方、印加電圧が50Vであるときには、2つの調光シートのいずれにおいても、赤外光の選択的な反射は確認されない。
図18が示すように、実施例4では、印加電圧が0Vであるとき、第1の調光シートにおいては、900nm付近にピークを有する反射が得られ、第2の調光シートにおいては、1100nm付近にピークを有する反射が得られている。各調光シートにおいて、反射光のピーク波長は、上記した反射波長の設定値と凡そ一致する。ピークの半値幅は、200nm~300nmであり、ピーク波長での反射率は、約40%である。
一方、印加電圧が50Vであるときには、2つの調光シートのいずれにおいても、赤外光の選択的な反射は確認されない。
一方、印加電圧が50Vであるときには、2つの調光シートのいずれにおいても、赤外光の選択的な反射は確認されない。
以上の結果から、実施例3の第1の調光シートおよび第2の調光シートを重ねて用いることにより、第1状態において、1000nm付近の波長の赤外光の反射を強めることが可能であることが示唆される。また、実施例4の第1の調光シートおよび第2の調光シートを重ねて用いることにより、第1状態において、より広い波長域の赤外光を反射することが可能であることが示唆される。
実施例3,4について、第1の調光シートおよび第2の調光シートを重ねた積層体の日射反射率を求めた。日射反射率は、JIS K 5602に準拠して算出した。結果を表2に示す。
表2が示すように、実施例3,4のいずれにおいても、印加電圧が0Vであるとき、表1に示した実施例1,2よりも高い日射反射率が得られており、さらに比較例2よりも高い日射反射率が得られている。したがって、液晶組成物の旋光性が異なる2つの調光シートを重ねて用いることで、日射反射率を高め、高い遮熱効果を得ることが可能であることが示された。
なお、実施例3,4では、印加電圧が50Vであるときの日射反射率も実施例1,2より高くなっている。したがって、夏場における内部空間の温度上昇の抑制を重視する場合のように、第1状態での調光シートの赤外光反射効果を重視する場合には、実施例3,4のように2枚の調光シートを重ねて用いることが適当であり、冬場における内部空間の温度上昇の促進を重視する場合のように、第3状態での調光シートの赤外光透過効果を重視する場合には、実施例1,2のように1つの調光シートを単独で用いることが適当であると言える。
[変形例]
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。なお、以下の変形例は組み合わせて実施してもよい。
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。なお、以下の変形例は組み合わせて実施してもよい。
・調光装置は、調光シートを第1状態と第3状態とのいずれかに制御し、調光シートを第2状態には切り換えなくてもよい。言い換えれば、制御部60が実行する処理には、透明電極層31,32間を第1電圧V1に制御することによって、調光シートを第1状態とすること、および、透明電極層31,32間を第3電圧V3に制御することによって、調光シートを第3状態とすることが含まれる一方で、透明電極層31,32間を第2電圧V2に制御することによって、調光シートを第2状態とすることは含まれなくてもよい。第1状態と第3状態との切り替えが可能であれば、調光シートが赤外光を反射する状態と赤外光を透過する状態との切り替えが可能であるため、調光シートの赤外光の透過の程度を切り替えることは可能である。
・第3実施形態において、2つの調光シート12,13の第1状態での反射光のピーク波長が互いに異なっている場合には、これらの調光シート12,13の液晶組成物の旋光性は一致していてもよい。こうした場合であっても、各調光シート12,13のピーク波長の付近の波長域の赤外光が反射されることから、調光シートを単独で用いる場合よりは、広い波長域で赤外光の反射が可能である。
IL…赤外光
10,11,12,13…調光シート
20…調光層
21…透明高分子層
22…空隙
23…液晶分子
31,32…透明電極層
41,42…透明支持層
51,52…配向層
60…制御部
100,101,102…調光装置
110,111,112…透明板
10,11,12,13…調光シート
20…調光層
21…透明高分子層
22…空隙
23…液晶分子
31,32…透明電極層
41,42…透明支持層
51,52…配向層
60…制御部
100,101,102…調光装置
110,111,112…透明板
Claims (11)
- 調光シートと、
前記調光シートへの電圧の印加を制御する制御部と、を備える調光装置であって、
前記調光シートは、
第1透明電極層と、
第2透明電極層と、
前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層であって、複数の空隙を区切る透明高分子層と、正の誘電率異方性を有するカイラルネマティック液晶であり前記空隙に保持された液晶組成物とを含む前記調光層と、を備え、
前記制御部が実行する処理には、
前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間を第1電圧に制御することによって、前記調光シートを、赤外光を反射し、可視光を透過させる第1状態とすることと、
前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間を前記第1電圧よりも大きい第2電圧に制御することによって、前記調光シートを、赤外光および可視光を散乱させる第2状態とすることと、
前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間を前記第2電圧よりも大きい第3電圧に制御することによって、前記調光シートを、赤外光および可視光を透過させる第3状態とすることと、が含まれる
調光装置。 - 前記調光シートにおける前記液晶組成物の螺旋ピッチP(μm)、常光屈折率no、異常光屈折率neが、下記式(1-1)を満たす
0.8≦P×(ne+2no)/3≦2.2 ・・・(1-1)
請求項1に記載の調光装置。 - 前記調光シートの前記第1状態において、前記液晶組成物が含む液晶分子が水平配向している領域の前記調光層での割合が、50%以上である
請求項1または2に記載の調光装置。 - 前記調光シートの前記調光層における前記透明高分子層の割合は、50%未満である
請求項1~3のいずれか一項に記載の調光装置。 - 前記調光シートにおける前記透明高分子層を構成する高分子材料の屈折率npと、前記液晶組成物の常光屈折率noとが、下記式(2-1)を満たす
0.98≦np/no≦1.02 ・・・(2-1)
請求項1~4のいずれか一項に記載の調光装置。 - 前記調光シートは、
前記第1透明電極層と前記調光層との間に挟まれた第1配向層と、
前記第2透明電極層と前記調光層との間に挟まれた第2配向層と、を備え、
前記第1配向層と前記第2配向層との各々は、水平配向膜である
請求項1~5のいずれか一項に記載の調光装置。 - 前記調光シートは、
前記第1透明電極層に対して前記調光層と反対側で前記第1透明電極層を支持する第1透明支持層と、
前記第2透明電極層に対して前記調光層と反対側で前記第2透明電極層を支持する第2透明支持層と、を備え、
前記第1透明支持層および前記第2透明支持層の各々の赤外光の反射率が、15%未満である
請求項1~6のいずれか一項に記載の調光装置。 - 第1の前記調光シートと第2の前記調光シートとを含む2つの前記調光シートを備え、
前記第1の調光シートが含む前記液晶組成物の旋光性と、前記第2の調光シートが含む前記液晶組成物の旋光性とは、互いに異なり、
前記第1の調光シートと前記第2の調光シートとは、厚さ方向に重なりを有するように配置され、
前記制御部が実行する処理には、
前記第1の調光シートおよび前記第2の調光シートの各々を前記第1状態とすることと、
前記第1の調光シートおよび前記第2の調光シートの各々を前記第3状態とすることと、が含まれる
請求項1~7のいずれか一項に記載の調光装置。 - 前記第1状態での前記第1の調光シートの反射光のピーク波長は、前記第1状態での前記第2の調光シートの反射光のピーク波長と一致する
請求項8に記載の調光装置。 - 前記第1状態での前記第1の調光シートの反射光のピーク波長は、前記第1状態での前記第2の調光シートの反射光のピーク波長とは異なる
請求項8に記載の調光装置。 - 第1透明電極層と、
第2透明電極層と、
前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層であって、複数の空隙を区切る透明高分子層と、正の誘電率異方性を有するカイラルネマティック液晶であり前記空隙に保持された液晶組成物とを含む前記調光層と、を備える調光シートであって、
前記調光シートは、
前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間が第1電圧に制御されることにより、前記液晶組成物がプレーナー状態を示す第1状態であって、前記調光シートが赤外光を反射し、可視光を透過させる前記第1状態と、
前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間が前記第1電圧よりも大きい第2電圧に制御されることにより、前記液晶組成物がフォーカルコニック状態を示す第2状態であって、前記調光シートが赤外光および可視光を散乱させる前記第2状態と、
前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間が前記第2電圧よりも大きい第3電圧に制御されることにより、前記液晶組成物がホメオトロピック状態を示す第3状態であって、前記調光シートが赤外光および可視光を透過させる前記第3状態と、を含み、
前記液晶組成物の螺旋ピッチP(μm)、常光屈折率no、異常光屈折率neが、下記式(1-1)を満たす
0.8≦P×(ne+2no)/3≦2.2 ・・・(1-1)
調光シート。
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