JP6938288B2 - 複数のpwmコンバータを制御するpwmコンバータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、交流電力を直流電力に変換する複数のPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調制御)コンバータを制御するPWMコンバータ制御装置に関する。
従来、PWMコンバータは、モータを駆動するためのインバータ等の負荷に対する直流電源となったり、無停電電源装置または太陽光発電装置の構成要素の1つとなったりする等、幅広い分野で利用されている(例えば、特許文献1を参照)。PWMコンバータは、半導体スイッチング素子を制御することにより、電源から入力した交流電力を、任意の直流電力に変換する電力変換器である。
このPWMコンバータを制御するPWMコンバータ制御装置は、直流側のバス電圧を所定の設定電圧に一致させるための電圧指令を生成し、電圧指令に基づいてゲート信号を生成し、ゲート信号をPWMコンバータへ出力する。PWMコンバータはゲート信号を入力すると、ゲート信号に従って、PWMコンバータに備えた半導体スイッチング素子のゲートがオンオフする。そして、バス電圧は、所定の設定電圧に一致するように制御される。
一方で、大容量の電源及び負荷等に対応するため、複数のPWMコンバータを並列に接続して構成する場合がある(例えば、特許文献2を参照)。例えば2台のPWMコンバータを制御するPWMコンバータ制御装置は、2台のPWMコンバータを制御するためのゲート信号を生成し、ゲート信号を並列に出力する。2台のPWMコンバータは、同じゲート信号をそれぞれ入力し、半導体スイッチング素子のゲートをオンオフすることで電力変換を行う。
特開2010−130741号公報 特開平11−98848号公報
しかしながら、2台のPWMコンバータに備えたそれぞれの半導体スイッチング素子の特性が異なる場合、2台のPWMコンバータ間で電流分担は均一にならない。半導体スイッチング素子に流れる電流は、半導体スイッチング素子の特性を定めるVCE(コレクタとエミッタ間の電圧)によって決定され、半導体スイッチング素子毎にそのVCEが異なるからである。
2台のPWMコンバータ間で、電流分担が均一でない場合は、一方の半導体スイッチング素子に過電流が流れ、当該半導体スイッチング素子が破損してしまう可能性がある。
このような問題を解消するためには、同じ特性の半導体スイッチング素子を用いて、電流分担を均一にする(同一の電流を流す)必要がある。しかし、半導体スイッチング素子を選定する際に、同じ特性のものを選ぶには、手間と時間がかかってしまう。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数のPWMコンバータ間で電流分担を均一にすることで、安定した制御を実現すると共に、半導体スイッチング素子を選定する際の作業性を向上させるPWMコンバータ制御装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1のPWMコンバータ制御装置は、電源から供給された交流電力を直流電力に変換する2台のPWMコンバータを制御するPWMコンバータ制御装置において、前記2台のPWMコンバータを第1PWMコンバータ及び第2PWMコンバータとして、d軸電流指令を生成する端子電圧一定制御器と、q軸電流指令を生成するバス電圧制御器と、前記第1PWMコンバータを制御する第1系統制御部と、前記第2PWMコンバータを制御する第2系統制御部とを備え、前記第1系統制御部が、前記端子電圧一定制御器により生成された前記d軸電流指令と、電流検出器により検出された前記第1PWMコンバータの第1d軸電流フィードバックとの間の偏差が0となるように、第1d軸電圧指令を生成する第1d軸制御器と、前記バス電圧制御器により生成された前記q軸電流指令と、電流検出器により検出された前記第1PWMコンバータの第1q軸電流フィードバックとの間の偏差が0となるように、第1q軸電圧指令を生成する第1q軸制御器と、前記第1d軸制御器により生成された前記第1d軸電圧指令及び前記第1q軸制御器により生成された前記第1q軸電圧指令を、3相交流電圧指令に座標変換する第1座標変換器と、所定の基準キャリア位相を入力し、当該基準キャリア位相のキャリアを発生する第1キャリア発生器と、前記第1座標変換器により座標変換された前記3相交流電圧指令及び前記第1キャリア発生器により発生した前記基準キャリア位相のキャリアに基づいて、PWMの3相のゲート信号を生成し、当該3相のゲート信号を前記第1PWMコンバータの各相の半導体スイッチング素子へ出力する第1PWM制御器と、を備え、前記第2系統制御部が、前記端子電圧一定制御器により生成された前記d軸電流指令と、電流検出器により検出された前記第2PWMコンバータの第2d軸電流フィードバックとの間の偏差が0となるように、第2d軸電圧指令を生成する第2d軸制御器と、前記バス電圧制御器により生成された前記q軸電流指令と、電流検出器により検出された前記第2PWMコンバータの第2q軸電流フィードバックとの間の偏差が0となるように、第2q軸電圧指令を生成する第2q軸制御器と、前記第2d軸制御器により生成された前記第2d軸電圧指令及び前記第2q軸制御器により生成された前記第2q軸電圧指令を、3相交流電圧指令に座標変換する第2座標変換器と、所定のキャリア位相を入力し、当該キャリア位相のキャリアを発生する第2キャリア発生器と、前記第2座標変換器により座標変換された前記3相交流電圧指令及び前記第2キャリア発生器により発生した前記キャリア位相のキャリアに基づいて、ゲート信号を生成し、当該3相のゲート信号を前記第2PWMコンバータの各相の半導体スイッチング素子へ出力する第2PWM制御器と、を備え、前記端子電圧一定制御器が、電圧検出器により検出された前記第1PWMコンバータ及び前記第2PWMコンバータと負荷との間のバス電圧フィードバックに所定のゲインを乗算し、電源電圧指令を求める乗算器と、前記第1d軸制御器により生成された前記第1d軸電圧指令及び前記第1q軸制御器により生成された前記第1q軸電圧指令に基づいて、前記電源の電圧を端子電圧指令フィードバックとして算出する第1演算器と、前記乗算器により求めた前記電源電圧指令から前記第1演算器により算出された前記端子電圧指令フィードバックを減算し、端子電圧偏差を求める第1減算器と、前記第1減算器により求めた前記端子電圧偏差が0となるように、前記d軸電流指令を生成するd軸制御器と、を備え、前記バス電圧制御器が、所定のバス電圧指令から前記バス電圧フィードバックを減算し、バス電圧偏差を求める第2減算器と、前記第2減算器により求めた前記バス電圧偏差が0となるように、バス電流指令を生成するq軸制御器と、前記バス電圧フィードバックを、電圧検出器により検出された前記電源の各相の電圧に基づいて生成された電源電圧フィードバックで除算し、除算結果に前記q軸制御器により生成された前記バス電流指令を乗算し、前記q軸電流指令を生成する第2演算器と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2のPWMコンバータ制御装置は、請求項1に記載のPWMコンバータ制御装置において、前記第2キャリア発生器が、前記第1キャリア発生器が入力する前記基準キャリア位相とは逆相のキャリア位相を入力し、前記基準キャリア位相とは逆相のキャリアを発生する、ことを特徴とする。
また、請求項3のPWMコンバータ制御装置は、請求項1または2に記載のPWMコンバータ制御装置において、さらに、電圧検出器により検出された前記電源の各相の電圧を、2相電源電圧に変換する座標変換器と、前記座標変換器により座標変換された前記2相電源電圧の一方の電源電圧を他方の電源電圧で除算し、除算結果の逆正接関数(アークタンジェント)を電源位相として算出する第演算器と、を備え、前記第1座標変換器が、前記第演算器により算出された前記電源位相に基づいて、前記第1d軸電圧指令及び前記第1q軸電圧指令を前記3相交流電圧指令に座標変換し、前記第2座標変換器が、前記第演算器により算出された前記電源位相に基づいて、前記第2d軸電圧指令及び前記第2q軸電圧指令を前記3相交流電圧指令に座標変換する、ことを特徴とする。
また、請求項のPWMコンバータ制御装置は、請求項1からまでのいずれか一項に記載のPWMコンバータ制御装置において、前記2台のPWMコンバータを2台以上の所定数のPWMコンバータとし、前記所定数のPWMコンバータのそれぞれに対応して、前記第1系統制御部、及び、前記第2系統制御部に相当する(N−1)個の第n系統制御部(n=2,・・・,N、Nは2以上の正の整数)を備え、前記第n系統制御部の第nキャリア発生器が、前記第1キャリア発生器が入力する前記基準キャリア位相と同相のキャリア位相を入力し、前記基準キャリア位相と同相のキャリアを発生する、ことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、複数のPWMコンバータの間で電流分担を均一にするようにしたから、安定した制御を実現すると共に、半導体スイッチング素子を選定する際の作業性を向上させることができる。
本発明の実施形態によるPWMコンバータ制御装置の構成例を示すブロック図である。 図1の続きの構成例を示すブロック図である。 端子電圧一定制御器の構成例を示すブロック図である。 バス電圧制御器の構成例を示すブロック図である。 (1)はキャリア位相θを逆相とした場合の例を説明する図であり、(2)はキャリア位相θを同相とした場合の例を説明する図である。 キャリア位相θを逆相とした場合において、電流が流れる方向を説明する電源系統図である。 図6に示した電源系統図におけるコモンモードの等価回路図である。 キャリア位相θを同相とした場合において、電流が流れる方向を説明する電源系統図である。 図8に示した電源系統図におけるコモンモードの等価回路図である。 図7及び図9に示した等価回路図を伝達関数で表した図である。 電源電力P及びバス電圧(バス電圧フィードバックebus)の関係を説明する図である。 バス中性点電圧ecを説明する図である。 従来技術の計算機シミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態の計算機シミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態において、キャリア位相θを同相とした場合の計算機シミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態において、キャリア位相θを逆相とした場合の計算機シミュレーション結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔PWMコンバータ制御装置〕
図1及び図2は、本発明の実施形態によるPWMコンバータ制御装置の構成例を示すブロック図である。このPWMコンバータ制御装置1は、後述する2台のPWMコンバータ3−1,3−2を制御する装置である。PWMコンバータ制御装置1は、端子電圧一定制御器10、減算器11−1,11−2,16−1,16−2、制御器12−1,12−2,17−1,17−2、反転器13−1,13−2、加算器14−1,14−2,18−1,18−2、座標変換器19−1,19−2,22−1,22−2,23、キャリア発生器20−1,20−2、PWM制御器21−1a,21−1b,21−1c,21−2a,21−2b,21−2c、演算器24,25を備えている。後述するPWMコンバータ3−1,3−2は、電源トランス2から供給された交流電力を直流電力に変換する。
図1及び図2のPWMコンバータ制御装置1には、本発明に直接関係する構成部のみ示しており、直接関係しない構成部は省略してある。また、PWM制御器21−1a,21−1b,21−1cにより生成されるゲート信号に従って動作するPWMコンバータ3−1(後述する図6及び図8を参照)の記載は省略してある。同様に、PWM制御器21−2a,21−2b,21−2cにより生成されるゲート信号に従って動作するPWMコンバータ3−2(後述する図6及び図8を参照)の記載も省略してある。
(第1系統)
まず、PWMコンバータ3−1を制御する第1系統の制御部(第1系統制御部)について説明する。端子電圧一定制御器10は、後述する処理にてd軸電流指令id *を生成し、d軸電流指令id *を減算器11−1,11−2に出力する。端子電圧一定制御器10の詳細については後述する。
減算器11−1は、端子電圧一定制御器10からd軸電流指令id *を入力すると共に、座標変換器22−1からd軸電流フィードバックid1を入力する。そして、減算器11−1は、d軸電流指令id *からd軸電流フィードバックid1を減算してd軸電流偏差を求め、d軸電流偏差を制御器12−1に出力する。
制御器12−1は、減算器11−1からd軸電流偏差を入力し、d軸電流偏差が0となるように、PI制御器による制御を行い電圧指令を生成し、電圧指令を加算器14−1に出力する。
反転器13−1は、バス電圧制御器15により生成されたq軸電流指令iq *に、予め設定されたq軸インダクタンス補償Xq^を乗算した結果(乗算結果)を入力し、乗算結果を反転してd軸補償電圧を生成し、d軸補償電圧を加算器14−1に出力する。
加算器14−1は、制御器12−1から電圧指令を入力すると共に、反転器13−1からd軸補償電圧を入力し、電圧指令にd軸補償電圧を加算してd軸電圧指令vd1 *を生成し、d軸電圧指令vd1 *を座標変換器19−1に出力する。
これにより、d軸電圧指令vd1 *にはd軸補償電圧が反映されるから、q軸からd軸への電圧干渉を補償することができる。
バス電圧制御器15は、後述する処理にてq軸電流指令iq *を生成し、q軸電流指令iq *を減算器16−1,16−2に出力する。バス電圧制御器15の詳細については後述する。
減算器16−1は、バス電圧制御器15からq軸電流指令iq *を入力すると共に、座標変換器22−1からq軸電流フィードバックiq1を入力する。そして、減算器16−1は、q軸電流指令iq *からq軸電流フィードバックiq1を減算してq軸電流偏差を求め、q軸電流偏差を制御器17−1に出力する。
制御器17−1は、減算器16−1からq軸電流偏差を入力し、q軸電流偏差が0となるように、PI制御器による制御を行い電圧指令を生成し、電圧指令を加算器18−1に出力する。
加算器18−1は、制御器17−1から電圧指令を入力すると共に、端子電圧一定制御器10により生成されたd軸電流指令id *に、予め設定されたd軸インダクタンス補償Xd^を乗算した結果(q軸補償電圧)を入力する。また、加算器18−1は、所定の電源電圧フィードフォワード補償e1^を入力する。そして、加算器18−1は、電圧指令にq軸補償電圧を加算し、さらに電源電圧フィードフォワード補償e1^を加算してq軸電圧指令vq1 *を生成し、q軸電圧指令vq1 *を座標変換器19−1に出力する。電源電圧フィードフォワード補償e1^としては、図示しない演算器により算出される電源電圧の推定値が用いられる。
これにより、q軸電圧指令vq1 *にはq軸補償電圧が反映されるから、d軸からq軸への電圧干渉を補償することができる。
座標変換器19−1は、加算器14−1からd軸電圧指令vd1 *を入力すると共に、加算器18−1からq軸電圧指令vq1 *を入力し、さらに、演算器24から電源位相θeを入力する。そして、座標変換器19−1は、電源位相θeに基づいて、回転座標系のd軸電圧指令vd1 *及びq軸電圧指令vq1 *を3相交流電圧指令に座標変換する。3相交流電圧指令は、R相電圧指令eR1 *、S相電圧指令eS1 *及びT相電圧指令eT1 *である。
座標変換器19−1は、R相電圧指令eR1 *をPWM制御器21−1aに出力し、S相電圧指令eS1 *をPWM制御器21−1bに出力し、T相電圧指令eT1 *をPWM制御器21−1cに出力する。
キャリア発生器20−1は、予め設定された固定の基準キャリア位相θ0を入力し、基準キャリア位相θ0のキャリアを発生してPWM制御器21−1a,21−1b,21−1cに出力する。
PWM制御器21−1aは、座標変換器19−1からR相電圧指令eR1 *を入力すると共に、キャリア発生器20−1から基準キャリア位相θ0のキャリアを入力する。そして、PWM制御器21−1aは、R相電圧指令eR1 *の振幅と基準キャリア位相θ0のキャリアの振幅とを比較することで、比較結果に応じたPWMのゲート信号を生成する。PWM制御器21−1aは、ゲート信号に基づいて、PWMコンバータ3−1のR相の半導体スイッチング素子のゲートをオンオフする。
PWM制御器21−1bは、座標変換器19−1からS相電圧指令eS1 *を入力すると共に、キャリア発生器20−1から基準キャリア位相θ0のキャリアを入力し、PWM制御器21−1aと同様に、PWMのゲート信号を生成する。そして、PWM制御器21−1bは、ゲート信号に基づいて、PWMコンバータ3−1のS相の半導体スイッチング素子のゲートをオンオフする。
PWM制御器21−1cは、座標変換器19−1からT相電圧指令eT1 *を入力すると共に、キャリア発生器20−1から基準キャリア位相θ0のキャリアを入力し、PWM制御器21−1aと同様に、PWMのゲート信号を生成する。そして、PWM制御器21−1cは、ゲート信号に基づいて、PWMコンバータ3−1のT相の半導体スイッチング素子のゲートをオンオフする。
これにより、PWMコンバータ3−1にて、電源トランス2のR相電圧指令eR1 *に対応するR相電源電圧eR、S相電圧指令eS1 *に対応するS相電源電圧eS、及びT相電圧指令eT1 *に対応するT相電源電圧eTが、後述する負荷4側の直流電圧(バス電圧)に変換される。
(第2系統)
次に、PWMコンバータ3−2を制御する第2系統の制御部(第2系統制御部)について説明する。減算器11−2は、端子電圧一定制御器10からd軸電流指令id *を入力すると共に、座標変換器22−2からd軸電流フィードバックid2を入力する。そして、減算器11−2は、d軸電流指令id *からd軸電流フィードバックid2を減算してd軸電流偏差を求め、d軸電流偏差を制御器12−2に出力する。
制御器12−2は、減算器11−2からd軸電流偏差を入力し、制御器12−1と同じ処理を行い、電圧指令を生成して加算器14−2に出力する。反転器13−2は、反転器13−1と同じ処理を行い、d軸補償電圧を生成して加算器14−2に出力する。加算器14−2は、制御器12−2から電圧指令を入力すると共に、反転器13−2からd軸補償電圧を入力し、加算器14−1と同じ処理を行い、d軸電圧指令vd2 *を生成して座標変換器19−2に出力する。
減算器16−2は、バス電圧制御器15からq軸電流指令iq *を入力すると共に、座標変換器22−2からq軸電流フィードバックiq2を入力する。そして、減算器16−2は、q軸電流指令iq *からq軸電流フィードバックiq2を減算してq軸電流偏差を求め、q軸電流偏差を制御器17−2に出力する。
制御器17−2は、減算器16−2からq軸電流偏差を入力し、制御器17−1と同じ処理を行い、電圧指令を生成して加算器18−2に出力する。加算器18−2は、制御器17−2から電圧指令を入力すると共に、加算器18−1と同様のq軸補償電圧及び所定の電源電圧フィードフォワード補償e1^を入力する。そして、加算器18−2は、加算器18−1と同じ処理を行い、q軸電圧指令vq2 *を生成して座標変換器19−2に出力する。
座標変換器19−2は、加算器14−2からd軸電圧指令vd2 *を入力すると共に、加算器18−2からq軸電圧指令vq2 *を入力し、さらに、演算器24から電源位相θeを入力する。そして、座標変換器19−2は、座標変換器19−1と同じ処理を行い、電源位相θeに基づいて、回転座標系のd軸電圧指令vd2 *及びq軸電圧指令vq2 *を3相交流電圧指令に座標変換する。3相交流電圧指令は、R相電圧指令eR2 *、S相電圧指令eS2 *及びT相電圧指令eT2 *である。
座標変換器19−2は、R相電圧指令eR2 *をPWM制御器21−2aに出力し、S相電圧指令eS2 *をPWM制御器21−2bに出力し、T相電圧指令eT2 *をPWM制御器21−2cに出力する。
キャリア発生器20−2は、予め設定されたキャリア位相θを入力し、キャリア位相θのキャリアを発生してPWM制御器21−2a,21−2b,21−2cに出力する。
PWM制御器21−2aは、座標変換器19−2からR相電圧指令eR2 *を入力すると共に、キャリア発生器20−2からキャリア位相θのキャリアを入力する。そして、PWM制御器21−2aは、PWM制御器21−1aと同じ処理を行い、ゲート信号に基づいて、PWMコンバータ3−2のR相の半導体スイッチング素子のゲートをオンオフする。
PWM制御器21−2bは、座標変換器19−2からS相電圧指令eS2 *を入力すると共に、キャリア発生器20−2からキャリア位相θのキャリアを入力する。そして、PWM制御器21−2bは、PWM制御器21−1bと同じ処理を行い、ゲート信号に基づいて、PWMコンバータ3−2のS相の半導体スイッチング素子のゲートをオンオフする。
PWM制御器21−2cは、座標変換器19−2からT相電圧指令eT2 *を入力すると共に、キャリア発生器20−2からキャリア位相θのキャリアを入力する。そして、PWM制御器21−2cは、PWM制御器21−1cと同じ処理を行い、ゲート信号に基づいて、PWMコンバータ3−2のT相の半導体スイッチング素子のゲートをオンオフする。
これにより、PWMコンバータ3−2にて、電源トランス2のR相電圧指令eR2 *に対応するR相電源電圧eR、S相電圧指令eS2 *に対応するS相電源電圧eS、及びT相電圧指令eT2 *に対応するT相電源電圧eTが、後述する負荷4側の直流電圧(バス電圧)に変換される。
図示しない電流検出器は、PWM制御器21−1aと電源トランス2との間に流れるR相の電源電流を検出し、これをR相電流iR1として座標変換器22−1に出力する。また、図示しない電流検出器は、PWM制御器21−1bと電源トランス2との間に流れるS相の電源電流を検出し、これをS相電流iS1として座標変換器22−1に出力する。さらに、図示しない電流検出器は、PWM制御器21−1cと電源トランス2との間に流れるT相の電源電流を検出し、これをT相電流iT1として座標変換器22−1に出力する。
また、図示しない電流検出器は、PWM制御器21−2aと電源トランス2との間に流れるR相の電源電流を検出し、これをR相電流iR2として座標変換器22−2に出力する。また、図示しない電流検出器は、PWM制御器21−2bと電源トランス2との間に流れるS相の電源電流を検出し、これをS相電流iS2として座標変換器22−2に出力する。さらに、図示しない電流検出器は、PWM制御器21−2cと電源トランス2との間に流れるT相の電源電流を検出し、これをT相電流iT2として座標変換器22−2に出力する。
座標変換器22−1は、図示しない電流検出器からR相電流iR1、S相電流iS1及びT相電流iT1を入力すると共に、演算器24から電源位相θeを入力する。そして、座標変換器22−1は、電源位相θeに基づいて、R相電流iR1、S相電流iS1及びT相電流iT1を回転座標系のd軸電流フィードバックid1及びq軸電流フィードバックiq1に座標変換する。座標変換器22−1は、d軸電流フィードバックid1を減算器11−1に出力し、q軸電流フィードバックiq1を減算器16−1に出力する。
座標変換器22−2は、図示しない電流検出器からR相電流iR2、S相電流iS2及びT相電流iT2を入力すると共に、演算器24から電源位相θeを入力する。そして、座標変換器22−2は、電源位相θeに基づいて、R相電流iR2、S相電流iS2及びT相電流iT2を回転座標系のd軸電流フィードバックid2及びq軸電流フィードバックiq2に座標変換する。座標変換器22−2は、d軸電流フィードバックid2を減算器11−2に出力し、q軸電流フィードバックiq2を減算器16−2に出力する。
図示しない電圧検出器は、電源トランス2の各相の電圧を検出し、これらをR相電源電圧eR、S相電源電圧eS及びT相電源電圧eTとして座標変換器23に出力する。
座標変換器23は、図示しない電圧検出器からR相電源電圧eR、S相電源電圧eS及びT相電源電圧eTを入力し、R相電源電圧eR、S相電源電圧eS及びT相電源電圧eTを回転座標系の2相電源電圧フィードバックea,ebに座標変換する。座標変換器23は、2相電源電圧フィードバックea,ebを演算器24,25に出力する。
演算器24は、座標変換器23から2相電源電圧フィードバックea,ebを入力し、以下の式のように、2相電源電圧フィードバックの一方eaを他方ebで除算し、除算結果ea/ebの逆正接関数(アークタンジェント)を算出する。そして、演算器24は、これを電源位相θeとして座標変換器19−1,19−2,22−1,22−2に出力する。
[数1]
θe=tan-1(ea/eb) ・・・(1)
これにより、リアルタイムに変化する電源位相θeが連続して算出されるから、座標変換器19−1,19−2,22−1,22−2にて、精度の高い座標変換が行われる。
演算器25は、座標変換器23から2相電源電圧フィードバックea,ebを入力し、以下の式にて、電源電圧フィードバックe1を算出する。電源電圧フィードバックe1は、電源電圧フィードフォワード補償e1^としても用いられる。
[数2]
1=e1^=√(ea +eb ) ・・・(2)
演算器25は、電源電圧フィードバックe1を電源電圧フィードフォワード補償e1^として加算器18−1,18−2に出力する。また、電源電圧フィードバックe1は、バス電圧制御器15に備えた後述する演算器36にて用いられる(後述する図4を参照)。
このように、PWMコンバータ制御装置1により、R相電圧指令eR1 *,eR2 *に対応するR相電源電圧eR、S相電圧指令eS1 *,eS2 *に対応するS相電源電圧eS、及びT相電圧指令eT1 *,eT2 *に対応するT相電源電圧eTが、後述する負荷4側の直流電圧(バス電圧)に変換される。
(端子電圧一定制御器10)
次に、図1に示した端子電圧一定制御器10について詳細に説明する。図3は、端子電圧一定制御器10の構成例を示すブロック図である。この端子電圧一定制御器10は、乗算器30、演算器31、減算器32及び制御器33を備えている。
乗算器30は、後述する図6及び図8のPWMコンバータ3−1,3−2と負荷4との間に設けられた図示しない電圧検出器からバス電圧フィードバックebusを入力し、予め設定されたゲインηにバス電圧フィードバックebusを乗算する。そして、乗算器30は、乗算後のバス電圧フィードバックebusを、バス電圧の電源電圧指令として減算器32に出力する。
演算器31は、加算器14−1により求めたd軸電圧指令vd1 *を入力すると共に、加算器18−1により求めたq軸電圧指令vq1 *を入力する。そして、演算器31は、d軸電圧指令vd1 *及びq軸電圧指令vq1 *に基づいて、以下の式にて、端子電圧指令フィードバックv1 *を算出する。
[数3]
1 *=√(vd1 *2+vq1 *2) ・・・(3)
演算器31は、端子電圧指令フィードバックv1 *を減算器32に出力する。演算器31により算出される端子電圧指令フィードバックv1 *は、PWMコンバータ3−1と電源トランス2との間の交流電圧に対応する直流電圧、すなわち電源電圧に相当する。
減算器32は、乗算器30からバス電圧の電源電圧指令を入力すると共に、演算器31から端子電圧指令フィードバックv1 *を入力する。そして、減算器32は、バス電圧の電源電圧指令から端子電圧指令フィードバックv1 *を減算して端子電圧偏差を求め、端子電圧偏差を制御器33に出力する。
制御器33は、減算器32から端子電圧偏差を入力し、端子電圧偏差が0となるように、PI制御器による制御を行いd軸電流指令id *を生成し、d軸電流指令id *を減算器11−1,11−2に出力する。
これにより、端子電圧一定制御器10にて、ゲインηを乗算したバス電圧フィードバックebus(バス電圧の電源電圧指令)と端子電圧指令フィードバックv1 *との間の差が0となるように、d軸電流指令id *が生成される。
(バス電圧制御器15)
次に、図1に示したバス電圧制御器15について詳細に説明する。図4は、バス電圧制御器15の構成例を示すブロック図である。このバス電圧制御器15は、減算器34、制御器35及び演算器36を備えている。
減算器34は、所定のバス電圧指令ebus *を入力すると共に、後述する図6及び図8のPWMコンバータ3−1,3−2と負荷4との間に設けられた図示しない電圧検出器からバス電圧フィードバックebusを入力する。そして、減算器34は、バス電圧指令ebus *からバス電圧フィードバックebusを減算し、バス電圧偏差を求め、バス電圧偏差を制御器35に出力する。
制御器35は、減算器34からバス電圧偏差を入力し、バス電圧偏差が0となるように、PI制御器による制御を行いバス電流指令ibus *を生成し、バス電流指令ibus *を演算器36に出力する。
演算器36は、制御器35からバス電流指令ibus *を入力する。そして、演算器36は、バス電流指令ibus *、後述する図6及び図8には図示しない電圧検出器から入力したバス電圧フィードバックebus、及び演算器25により算出された電源電圧フィードバックe1を用いて、以下の式にて、q軸電流指令iq *を算出する。演算器36は、q軸電流指令iq *を減算器16−1,16−2に出力する。
[数4]
q *=(ebus/e1)ibus * ・・・(4)
これにより、バス電圧制御器15にて、バス電圧指令ebus *とバス電圧フィードバックebusとの間の差が0となるように、バス電流指令ibus *が生成され、バス電流指令ibus *からq軸電流指令iq *が生成される。
また、q軸電流指令iq *は前記式(4)にて算出されるから、バス電圧及び電源電圧が高速に変動した場合であっても、これを吸収するq軸電流指令iq *を生成することができる。また、安定したq軸制御を実現し、後段の制御器17−1,17−2の負荷を低減することができる。
〔計算機シミュレーション結果〕
図13は、従来技術の計算機シミュレーション結果を示す図であり、図14は、本発明の実施形態の計算機シミュレーション結果を示す図である。図13及び図14において、これらのグラフは、バス電圧フィードバックebus、a相電流iA1,iA2、d軸電流フィードバックid1、q軸電流フィードバックiq1、アンバランス電流及び電源電流の特性を示している。横軸は時間である。
a相電流iA1,iA2は、三相電流を二相電流(a相電流及びb相電流)に変換した場合のa相に流れる電流である。a相電流iA1は、PWMコンバータ3−1のa相電流であり、a相電流iA2は、PWMコンバータ3−2のa相電流である。アンバランス電流は、(iA1−iA2)/2の演算により得られた電流値であり、電源電流は、(iA1+iA2)/2の演算により得られた電流値である。
従来技術のPWMコンバータ制御装置は、前述のとおり、2台のPWMコンバータ3−1,3−2を制御するための共通のゲート信号を生成し、ゲート信号に基づいて、PWMコンバータ3−1,3−2の半導体スイッチング素子のゲートをオンオフする。一方、本発明の実施形態によるPWMコンバータ制御装置1は、前述のとおり、分散電流制御にて、PWMコンバータ3−1を制御するためのゲート信号を生成し、ゲート信号に基づいて、PWMコンバータ3−1の半導体スイッチング素子のゲートをオンオフする。また、PWMコンバータ制御装置1は、PWMコンバータ3−2を制御するためのゲート信号を生成し、ゲート信号に基づいて、PWMコンバータ3−2の半導体スイッチング素子のゲートをオンオフする。
図13に示す従来技術の計算機シミュレーション結果から、a相電流iA1,iA2には位相差があり、アンバランス電流は、約160A〜−160Aの間を往復していることがわかる。これは、PWMコンバータ3−1,3−2間で半導体スイッチング素子の特性が異なることに起因して、分担電流が均一でないことを示している。
これに対し、図14に示す本発明の実施形態の計算機シミュレーション結果では、a相電流iA1,iA2には位相差がなく、アンバランス電流は、ほぼ0Aとなっていることがわかる。これは、分散電流制御により、PWMコンバータ3−1,3−2間で半導体スイッチング素子の特性が異なる場合であっても、電流分担が均一になっていることを示している。
以上のように、本発明の実施形態のPWMコンバータ制御装置1によれば、2台のPWMコンバータ3−1,3−2を制御する際に、端子電圧一定制御器10にて生成したd軸電流指令id *、及びバス電圧制御器15にて生成したq軸電流指令iq *を、第1系統及び第2系統に分岐させるようにした。
PWMコンバータ制御装置1は、第1系統において、d軸電流指令id *とd軸電流フィードバックid1との間の差が0となるようにd軸電圧指令vd1 *を生成し、q軸電流指令iq *とq軸電流フィードバックiq1との間の差が0となるようにq軸電圧指令vq1 *を生成する。そして、PWMコンバータ制御装置1は、d軸電圧指令vd1 *及びq軸電圧指令vq1 *を3相交流電圧指令に座標変換し、ゲート信号に基づいて、PWMコンバータ3−1の各相の半導体スイッチング素子のゲートをオンオフし、電源トランス2の3相電源電圧を後述する負荷4側の直流電圧(バス電圧)に変換する。
また、PWMコンバータ制御装置1は、第2系統において、d軸電流指令id *とd軸電流フィードバックid2との間の差が0となるようにd軸電圧指令vd2 *を生成し、q軸電流指令iq *とq軸電流フィードバックiq2との間の差が0となるようにq軸電圧指令vq2 *を生成する。そして、PWMコンバータ制御装置1は、d軸電圧指令vd2 *及びq軸電圧指令vq2 *を3相交流電圧指令に座標変換し、ゲート信号に基づいて、PWMコンバータ3−2の各相の半導体スイッチング素子のゲートをオンオフし、電源トランス2の3相電源電圧を後述する負荷4側の直流電圧(バス電圧)に変換する。
このように、d軸電流及びq軸電流の制御は、第1系統及び第2系統にて独立して個別に行うようにした。この分散電流制御により、PWMコンバータ3−1,3−2間で半導体スイッチング素子の特性が異なる場合であっても、PWMコンバータ3−1,3−2間(同相の半導体スイッチング素子間)で電流分担を均一にすることができ、同一の電流を流すことができる。
つまり、電流分担が均一になるから、半導体スイッチング素子に過電流が流れることがなく、当該半導体スイッチング素子は破損することがない。また、半導体スイッチング素子を交換したり選定したりする際に、同じ特性のものを選ぶ必要がなく、作業性を向上させることができる。
また、本発明の実施形態のPWMコンバータ制御装置1によれば、PWMコンバータ3−1,3−2の直流側のバス電圧が電源トランス2側の電源電圧よりも低くなると、端子電圧一定制御器10の減算器32は、バス電圧の電源電圧指令から端子電圧指令フィードバックv1 *を減算してマイナスの端子電圧偏差を求め、制御器33は、端子電圧偏差が0となるようにマイナスの値のd軸電流指令id *を生成する。第1系統の制御器12−1は、d軸電流指令id *とd軸電流フィードバックid1との間の偏差が0となるようにd軸電圧指令vd1 *を生成する。これにより、d軸電圧指令vd1 *を下げることができる。
また、バス電圧制御器15の制御器35は、バス電圧指令ebus *とバス電圧フィードバックebusとの間のバス電圧偏差が0となるようにq軸電流指令iq *を生成する。第1系統の制御器17−1は、q軸電流指令iq *とq軸電流フィードバックiq1との間の電流偏差が0となるように電圧指令を生成する。そして、加算器18−1は、電圧指令に、d軸電流指令id *が反映されたq軸補償電圧等を加算してq軸電圧指令vq1 *を生成する。バス電圧が系統電源電圧よりも低くなり、マイナスの値のd軸電流指令id *が生成されると、q軸補償電圧はマイナスの値となる。これにより、q軸電圧指令vq1 *を下げることができる。
したがって、d軸電圧指令vd1 *及びq軸電圧指令vq1 *が下がると、端子電圧指令フィードバックv1 *も小さくなり、電源電圧である端子電圧指令フィードバックv1 *が、バス電圧の電源電圧指令に近くなる。つまり、端子電圧一定制御器10から加算器14−1までの第1系統のd軸制御部において、端子電圧偏差が0となるようにフィードバック制御が行われ、また、バス電圧制御器15から加算器18−1までの第1系統のq軸制御部において、バス電圧偏差が0となるようにフィードバック制御が行われる。
このように、何らかの原因で、バス電圧が低下したり電源電圧が上昇したりして、バス電圧が電源電圧よりも低くなった場合であっても、バス電圧を所定の設定電圧に一致させる制御を実現することが可能となる。つまり、バス電圧を電源電圧以下に降圧することができ、制御対象のバス電圧の可変範囲を広くすることができる。
〔キャリア位相θ〕
次に、図1に示したキャリア発生器20−2が入力するキャリア位相θについて説明する。図5(1)は、キャリア位相θを逆相とした場合の例を説明する図である。例えば、キャリア発生器20−1が入力する基準キャリア位相θ0=90°とし、キャリア発生器20−2が入力するキャリア位相θ=−90°とした場合、キャリア位相θは、基準キャリア位相θ0に対して180°シフトさせた位相、すなわち逆相となる。
図5(2)は、キャリア位相θを同相とした場合の例を説明する図である。例えば、基準キャリア位相θ0=90°、キャリア位相θ=90°とした場合、つまりキャリア位相θが基準キャリア位相θ0と同じ場合(θ=θ0)、キャリア位相θは基準キャリア位相θ0に対して同相となる。
図6は、キャリア位相θを逆相とした場合(図5(1))において、電流が流れる方向を説明する電源系統図であり、図7は、図6に示した電源系統図におけるコモンモードの等価回路図である。太線の矢印は、電流の流れる方向を示す。
図6において、この電源系統は、電源トランス2、PWMコンバータ3−1,3−2、負荷4、平滑コンデンサ40、浮遊コンデンサ41,43,44、コモンチョークコア42−1,42−2及び接地抵抗45により構成される系統である。PWMコンバータ3−1,3−2は、図1に示したPWMコンバータ制御装置1により制御される。
平滑コンデンサ40は、PWMコンバータ3−1,3−2と負荷4との間のバスに挿入され、直流電力の電圧を平滑するために用いられる。浮遊コンデンサ41は、PWMコンバータ3−1,3−2と負荷4との間に布設されたケーブルにおけるP極及びN極の浮遊コンデンサである。
コモンチョークコア42−1,42−2は、電源トランス2とPWMコンバータ3−1,3−2との間に設けられている。浮遊コンデンサ43,44は、電源トランス2とPWMコンバータ3−1,3−2との間に布設されたケーブルの浮遊コンデンサである。接地抵抗45は、電源トランス2と接地との間の抵抗である。
平滑コンデンサ40の静電容量をCbus[F]、浮遊コンデンサ41の浮遊静電容量をCσ[F]、コモンチョークコア42−1,42−2のそれぞれのインダクタンスをL1[H]とする。さらに、浮遊コンデンサ43の浮遊静電容量をCY[F]、浮遊コンデンサ44の浮遊静電容量をCn[F]とする。接地抵抗45の抵抗値をrn[Ω]とする。
図7に示すように、PWMコンバータ3−1のコモンモード電圧(第1系統の電源電圧指令)をeC1 *とし、PWMコンバータ3−2のコモンモード電圧(第2系統の電源電圧指令)をeC2 *とすると、これらは以下の式にて表される。
[数5]
C1 *=(eR1 *+eS1 *+eT1 *)/3 ・・・(5)
[数6]
C2 *=(eR2 *+eS2 *+eT2 *)/3 ・・・(6)
図6を参照して、PWMコンバータ3−1に用いる基準キャリア位相θ0とPWMコンバータ3−2に用いるキャリア位相θとが異なり、キャリア位相θが逆相の場合には、電源トランス2側のPWMコンバータ3−1,3−2のR相電圧指令eR1 *,eR2 *は逆相となる。S相電圧指令eS1 *,eS2 *及びT相電圧指令eT1 *,eT2 *についても同様である。
このため、図6及び図7の矢印で示すように、PWMコンバータ3−1の電源トランス2側の電流は、コモンチョークコア42−1(インダクタンスはL1/3)及びコモンチョークコア42−2(インダクタンスはL1/3)を介して、PWMコンバータ3−2の電源トランス2側へ流れる(矢印を参照)。矢印が逆の場合もあり得る。
このように、キャリア位相θが逆相の場合には、R相電圧指令eR1 *,eR2 *、S相電圧指令eS1 *,eS2 *及びT相電圧指令eT1 *,eT2 *は、系統間で逆相となる。この逆相の状態では、PWMコンバータ3−1,3−2の電源トランス2側から、浮遊コンデンサ43,44及び浮遊コンデンサ41を介してPWMコンバータ3−1,3−2の負荷4側へ向けた対地電流i0は流れない。このため、後述する図8及び図9に示すキャリア位相θが同相の場合に比べ、対地電流i0を抑制することができる。
図8は、キャリア位相θを同相とした場合(図5(2))において、電流が流れる方向を説明する電源系統図であり、図9は、図8に示した電源系統図におけるコモンモードの等価回路図である。図8に示す電源系統は、図6に示した電源系統と同じであり、図9に示す等価回路は、図7に示した等価回路と同じである。太線の矢印は、電流の流れる方向を示す。
PWMコンバータ3−1に用いる基準キャリア位相θ0とPWMコンバータ3−2に用いるキャリア位相θとが同じであり、キャリア位相θが同相の場合には、電源トランス2側のPWMコンバータ3−1,3−2のR相電圧指令eR1 *,eR2 *は同相となる。S相電圧指令eS1 *,eS2 *及びT相電圧指令eT1 *,eT2 *についても同様である。
このため、図8及び図9の矢印で示すように、PWMコンバータ3−1の電源トランス2側からコモンチョークコア42−1を介し、及びPWMコンバータ3−2の電源トランス2側からコモンチョークコア42−2を介し、浮遊コンデンサ43,44(浮遊静電容量はそれぞれ3CY,Cn)を経由して接地へ、さらに、電源トランス2のインダクタ47(漏れインダクタンスはσL0/3)及び電源48並びに接地抵抗45を介して接地へ、対地電流i0が流れる。そして、対地電流i0は、接地から浮遊コンデンサ41(浮遊静電容量は2Cσ)を介して、PWMコンバータ3−1,3−2へ流れる。
電源48は、電源電圧(eR+eS+eT)/3=0を示す電源である。電源トランス2の三相電源の総和は0である(eR+eS+eT=0)。
浮遊コンデンサ43,44を流れる第1対地電流icと、インダクタ47、電源48及び接地抵抗45を流れる第2対地電流inとを加算すると、対地電流i0となる。
図10は、図7及び図9に示した等価回路図を伝達関数で表した図である。図10に示す中性点電圧en(電源トランス2の中性点電圧en)は、図7及び図9に示した等価回路図において、コモンチョークコア42−1,42−2、浮遊コンデンサ43及びインダクタ47の間の接続点における接地からみた電圧である。また、図10に示すバス中性点電圧ecは、図7及び図9に示した等価回路図において、浮遊コンデンサ44及び接地抵抗45と浮遊コンデンサ41との間の接続点における接地の電圧である。
第1系統の電源電圧指令eC1 *から中性点電圧enを減算し、さらにバス中性点電圧ecを減算した結果に対し、コモンチョークコア42−1の伝達関数(1/(L1/3)s)を乗算することで第1電流値が得られる。
また、第2系統の電源電圧指令eC2 *から中性点電圧enを減算し、さらにバス中性点電圧ecを減算した結果に対し、コモンチョークコア42−2の伝達関数(1/(L1/3)s)を乗算することで第2電流値が得られる。そして、第1電流値及び第2電流値を加算することで、対地電流i0が得られる。
対地電流i0から、バス中性点電圧ecに浮遊コンデンサ41の伝達関数(2Cσs)を乗算した結果を減算することで、第3電流値が得られる。第3電流値に浮遊コンデンサ41の伝達関数(1/2Cσs)を乗算することで、バス中性点電圧ecが得られる。
中性点電圧enに浮遊コンデンサ43,44の伝達関数(3CYn/(3CY+Cn))を乗算することで、第1対地電流icが得られる。対地電流i0から第1対地電流icを減算することで、第2対地電流inが得られる。
第2対地電流inに電源コンデンサ49の伝達関数(1/Cwfs)を乗算し、第2対地電流inに接地抵抗45の伝達関数(rn)を乗算し、第2対地電流inにインダクタ47(σL0s/3)を乗算し、これらの乗算結果を加算することで、中性点電圧enが得られる。電源コンデンサ49の接地容量はCwfである。
図11は、電源電力P及びバス電圧(バス電圧フィードバックebus)の関係を説明する図である。電源トランス2の電源電力Pは、以下の式にて表される。
[数7]
P=eR1 *R1+eS1 *S1+eT1 *T1+eR2 *R2+eS2 *S2+eT2 *T2
・・・(7)
図11、並びに図6及び図8に示したPWMコンバータ3−1,3−2と負荷4との間のバス電圧フィードバックebus、バス電流ibus、負荷電流iL及び平滑コンデンサ40の静電容量Cbusを参照して、電源電力Pをバス電圧フィードバックebusで除算することで、バス電流ibusが得られる。バス電流ibus及び負荷電流iLの加算結果に平滑コンデンサ40の伝達関数(1/Cbuss)を乗算することで、バス電圧フィードバックebusが得られる。
図12は、バス中性点電圧ecを説明する図である。図12に示すように、バス中性点電圧ec、PWMコンバータ3−1,3−2のプラス側電圧Pbus及びマイナス側電圧Nbusは、以下の式にて表される。
[数8]
bus=−ec+ebus/2 ・・・(8)
[数9]
bus=−ec−ebus/2 ・・・(9)
〔計算機シミュレーション結果〕
図15は、本発明の実施形態において、キャリア位相θを同相とした場合の計算機シミュレーション結果を示す図であり、基準キャリア位相θ0=90°、キャリア位相θ=90°の場合を示している。また、図16は、本発明の実施形態において、キャリア位相θを逆相とした場合の計算機シミュレーション結果を示す図であり、基準キャリア位相θ0=90°、キャリア位相θ=−90°の場合を示している。
図15及び図16において、これらのグラフは、バス電圧フィードバックebus、d軸合成電流フィードバックidFBK、q軸合成電流フィードバックiqFBK及び対地電流i0の特性を示している。横軸は時間である。
d軸合成電流フィードバックidFBKは、以下の式にて算出された電流値である。
[数10]
dFBK=id1+id2 ・・・(10)
また、q軸合成電流フィードバックiqFBKは、以下の式にて算出された電流値である。
[数11]
qFBK=iq1+iq2 ・・・(11)
図15及び図16から、対地電流i0は、キャリア位相θを逆相とした場合(図16)の方がキャリア位相θを同相とした場合(図15)よりも、抑制されていることがわかる。
以上のように、本発明の実施形態のPWMコンバータ制御装置1によれば、キャリア位相θを基準キャリア位相θ0の逆相とした場合、キャリア発生器20−1は、基準キャリア位相θ0のキャリアを発生し、これを第1系統のPWM制御器21−1a,21−1b,21−1cに出力する。また、キャリア発生器20−2は、基準キャリア位相θ0に対して逆相のキャリア位相θのキャリアを発生し、これを第2系統のPWM制御器21−2a,21−2b,21−2cに出力する。
これにより、第1系統と第2系統との間で、R相電圧指令eR1 *,eR2 *、S相電圧指令eS1 *,eS2 *及びT相電圧指令eT1 *,eT2 *はそれぞれ逆相となり、対地電流i0は流れない。
したがって、前述のとおり、PWMコンバータ3−1,3−2間で電流分担を均一にしたことによる効果(安定した制御を実現し、半導体スイッチング素子を選定する際の作業性を向上させることができる。)に加え、さらに、キャリア位相θを逆相とした場合は、キャリア位相θを同相とした場合に比べ、対地電流i0を抑制することができる。
また、本発明の実施形態のPWMコンバータ制御装置1によれば、キャリア位相θを基準キャリア位相θ0の同相とした場合、キャリア発生器20−1は、基準キャリア位相θ0のキャリアを発生し、これを第1系統のPWM制御器21−1a,21−1b,21−1cに出力する。また、キャリア発生器20−2は、キャリア位相θ=θ0のキャリアを発生し、これを第2系統のPWM制御器21−2a,21−2b,21−2cに出力する。
また、前述のとおり、PWMコンバータ制御装置1は、第1系統及び第2系統にて独立した分散電流制御を行うようにした。これにより、第1系統と第2系統との間で、R相電圧指令eR1 *,eR2 *、S相電圧指令eS1 *,eS2 *及びT相電圧指令eT1 *,eT2 *はそれぞれ同相となり、PWMコンバータ3−1,3−2間(同相の半導体スイッチング素子間)で電流分担を均一にすることができ、同一の電流を流すことができる。これは、PWMコンバータ3を3台以上配置した場合も同様である。
したがって、キャリア位相θを同相とし、PWMコンバータ3−1,3−2の数をさらに増やした場合であっても、電流分担を均一にすることができるから、安定した制御を実現し、半導体スイッチング素子を交換する際の作業性を向上させることができる。つまり、電源等の大容量化に対応するため、PWMコンバータ3−1,3−2の数を容易に増やすことができ、これらを並列して配置することができる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。前記実施形態では、2台のPWMコンバータ3−1,3−2の例を挙げて説明したが、3台以上のPWMコンバータ3−1,3−2等を並列に配置した場合も適用がある。2台以上のPWMコンバータの数をN(Nは2以上の正の整数)とすると、PWMコンバータ制御装置1は、2台以上のPWMコンバータ3−1,3−2等のそれぞれに対応して、第1系統制御部、及び、複数の第n系統制御部(n=2,・・・,N)を備える。ここで、全てのキャリア位相θを同相とした場合には、複数の第n系統制御部のキャリア発生器は、基準キャリア位相θ0と同相のキャリア位相θを入力し、基準キャリア位相θ0と同相のキャリアを発生する。
1 PWMコンバータ制御装置
2 電源トランス
3 PWMコンバータ
4 負荷
10 端子電圧一定制御器
11,16,32,34 減算器
12,17,33,35 制御器
13 反転器
14,18 加算器
15 バス電圧制御器
19,22,23 座標変換器
20 キャリア発生器
21 PWM制御器
24,25,31,36 演算器
30 乗算器
40 平滑コンデンサ
41,43,44 浮遊コンデンサ
42 コモンチョークコア
45 接地抵抗
47 インダクタ
48 電源
49 電源コンデンサ
d * d軸電流指令
q * q軸電流指令
d1,id2 d軸電流フィードバック
q1,iq2 q軸電流フィードバック
d1 *,vd2 * d軸電圧指令
q1 *,vq2 * q軸電圧指令
R1 *,eR2 * R相電圧指令
S1 *,eS2 * S相電圧指令
T1 *,eT2 * T相電圧指令
C1 *,eC2 * 電源電圧指令
R1,iR2 R相電流
S1,iS2 S相電流
T1,iT2 T相電流
A1,iA2 a相電流
dFBK d軸合成電流フィードバック
qFBK q軸合成電流フィードバック
R R相電源電圧
S S相電源電圧
T T相電源電圧
a,eb 2相電源電圧フィードバック
1 電源電圧フィードバック
1^ 電源電圧フィードフォワード補償
d^ d軸インダクタンス補償
q^ q軸インダクタンス補償
θ0 基準キャリア位相
θ キャリア位相
θe 電源位相
1 * 端子電圧指令フィードバック
bus * バス電圧指令
bus バス電圧フィードバック
bus バス電流
bus * バス電流指令
L 負荷電流
n 中性点電圧
c バス中性点電圧
0 対地電流
c 第1対地電流
n 第2対地電流
bus 静電容量
σ,CY,Cn 浮遊静電容量
1 インダクタンス
n 抵抗値
σL0/3 漏れインダクタンス
wf 接地容量
P 電源電力
bus プラス側電圧
bus マイナス側電圧

Claims (4)

  1. 電源から供給された交流電力を直流電力に変換する2台のPWMコンバータを制御するPWMコンバータ制御装置において、
    前記2台のPWMコンバータを第1PWMコンバータ及び第2PWMコンバータとして、d軸電流指令を生成する端子電圧一定制御器と、q軸電流指令を生成するバス電圧制御器と、前記第1PWMコンバータを制御する第1系統制御部と、前記第2PWMコンバータを制御する第2系統制御部とを備え、
    前記第1系統制御部は、
    前記端子電圧一定制御器により生成された前記d軸電流指令と、電流検出器により検出された前記第1PWMコンバータの第1d軸電流フィードバックとの間の偏差が0となるように、第1d軸電圧指令を生成する第1d軸制御器と、
    前記バス電圧制御器により生成された前記q軸電流指令と、電流検出器により検出された前記第1PWMコンバータの第1q軸電流フィードバックとの間の偏差が0となるように、第1q軸電圧指令を生成する第1q軸制御器と、
    前記第1d軸制御器により生成された前記第1d軸電圧指令及び前記第1q軸制御器により生成された前記第1q軸電圧指令を、3相交流電圧指令に座標変換する第1座標変換器と、
    所定の基準キャリア位相を入力し、当該基準キャリア位相のキャリアを発生する第1キャリア発生器と、
    前記第1座標変換器により座標変換された前記3相交流電圧指令及び前記第1キャリア発生器により発生した前記基準キャリア位相のキャリアに基づいて、PWMの3相のゲート信号を生成し、当該3相のゲート信号を前記第1PWMコンバータの各相の半導体スイッチング素子へ出力する第1PWM制御器と、を備え、
    前記第2系統制御部は、
    前記端子電圧一定制御器により生成された前記d軸電流指令と、電流検出器により検出された前記第2PWMコンバータの第2d軸電流フィードバックとの間の偏差が0となるように、第2d軸電圧指令を生成する第2d軸制御器と、
    前記バス電圧制御器により生成された前記q軸電流指令と、電流検出器により検出された前記第2PWMコンバータの第2q軸電流フィードバックとの間の偏差が0となるように、第2q軸電圧指令を生成する第2q軸制御器と、
    前記第2d軸制御器により生成された前記第2d軸電圧指令及び前記第2q軸制御器により生成された前記第2q軸電圧指令を、3相交流電圧指令に座標変換する第2座標変換器と、
    所定のキャリア位相を入力し、当該キャリア位相のキャリアを発生する第2キャリア発生器と、
    前記第2座標変換器により座標変換された前記3相交流電圧指令及び前記第2キャリア発生器により発生した前記キャリア位相のキャリアに基づいて、ゲート信号を生成し、当該3相のゲート信号を前記第2PWMコンバータの各相の半導体スイッチング素子へ出力する第2PWM制御器と、を備え
    前記端子電圧一定制御器は、
    電圧検出器により検出された前記第1PWMコンバータ及び前記第2PWMコンバータと負荷との間のバス電圧フィードバックに所定のゲインを乗算し、電源電圧指令を求める乗算器と、
    前記第1d軸制御器により生成された前記第1d軸電圧指令及び前記第1q軸制御器により生成された前記第1q軸電圧指令に基づいて、前記電源の電圧を端子電圧指令フィードバックとして算出する第1演算器と、
    前記乗算器により求めた前記電源電圧指令から前記第1演算器により算出された前記端子電圧指令フィードバックを減算し、端子電圧偏差を求める第1減算器と、
    前記第1減算器により求めた前記端子電圧偏差が0となるように、前記d軸電流指令を生成するd軸制御器と、を備え、
    前記バス電圧制御器は、
    所定のバス電圧指令から前記バス電圧フィードバックを減算し、バス電圧偏差を求める第2減算器と、
    前記第2減算器により求めた前記バス電圧偏差が0となるように、バス電流指令を生成するq軸制御器と、
    前記バス電圧フィードバックを、電圧検出器により検出された前記電源の各相の電圧に基づいて生成された電源電圧フィードバックで除算し、除算結果に前記q軸制御器により生成された前記バス電流指令を乗算し、前記q軸電流指令を生成する第2演算器と、を備えたことを特徴とするPWMコンバータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のPWMコンバータ制御装置において、
    前記第2キャリア発生器は、
    前記第1キャリア発生器が入力する前記基準キャリア位相とは逆相のキャリア位相を入力し、前記基準キャリア位相とは逆相のキャリアを発生する、ことを特徴とするPWMコンバータ制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のPWMコンバータ制御装置において、
    さらに、電圧検出器により検出された前記電源の各相の電圧を、2相電源電圧に変換する座標変換器と、
    前記座標変換器により座標変換された前記2相電源電圧の一方の電源電圧を他方の電源電圧で除算し、除算結果の逆正接関数(アークタンジェント)を電源位相として算出する第演算器と、を備え、
    前記第1座標変換器は、
    前記第演算器により算出された前記電源位相に基づいて、前記第1d軸電圧指令及び前記第1q軸電圧指令を前記3相交流電圧指令に座標変換し、
    前記第2座標変換器は、
    前記第演算器により算出された前記電源位相に基づいて、前記第2d軸電圧指令及び前記第2q軸電圧指令を前記3相交流電圧指令に座標変換する、ことを特徴とするPWMコンバータ制御装置。
  4. 請求項1からまでのいずれか一項に記載のPWMコンバータ制御装置において、
    前記2台のPWMコンバータを2台以上の所定数のPWMコンバータとし、
    前記所定数のPWMコンバータのそれぞれに対応して、前記第1系統制御部、及び、前記第2系統制御部に相当する(N−1)個の第n系統制御部(n=2,・・・,N、Nは2以上の正の整数)を備え、
    前記第n系統制御部の第nキャリア発生器は、
    前記第1キャリア発生器が入力する前記基準キャリア位相と同相のキャリア位相を入力し、前記基準キャリア位相と同相のキャリアを発生する、ことを特徴とするPWMコンバータ制御装置。
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