JP6937335B2 - 車両制御システム - Google Patents

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Description

本開示は、自動運転を行う車両制御システムに関する。
運転者の体調の異常により運転の続行が困難であるときに、走行中の車両を自動的に停止させる車両制御システムが公知である(例えば、特許文献1)。特許文献1の車両制御システムは、自車周辺の他車の位置・速度に関する情報、ビデオカメラの映像や周辺認識センサの出力等を用いて外界情報を取得する。その後、車両制御システムは、外界情報に基づいて安全に停車可能な位置を決定し、車両を決定された位置に停止させる。
国際公開第2013/008299号公報
運転者が切迫した状況にあり、早急に救護を要する場合、車両制御システムは車両をできる限り速やかに停止させることが好ましい。しかし、特許文献1の車両制御システムでは運転者が切迫した状況にあるにも関わらず、車両から離れた位置に停車可能な位置が設定され、車両の停止までに時間を要する場合がある。
本発明は、以上の背景を鑑み、自動運転を実行する車両制御システムにおいて、車両を停止させる必要があるときに、運転者の状態に応じて車両を迅速に停止させることを課題とする。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、車両制御システム(1、101、201)であって、車両(S)の操舵、加速、及び減速を行う制御装置(15)と、車外の情報を取得する外界認識装置(6)及び地図情報を保持する地図装置(9)の少なくとも一方と、運転者を含む乗員を監視する乗員監視装置(11)を有し、前記制御装置は、前記車両の走行中に前記制御装置又は前記運転者による前記車両の走行の継続が困難である所定の条件が満たされたときに、前記車両を所定の停車領域内に停止させる停車処理を実行し、前記制御装置は、前記外界認識装置及び前記地図装置の少なくとも一方から、車両周辺の走行環境情報を取得し、前記乗員監視装置からの情報に基づいて、前記運転者の状態に関する運転者状態情報を取得し、前記走行環境情報と前記運転者状態情報とに基づいて、前記停車領域を決定することを特徴とする。
この構成によれば、車両を停止させる必要があるときに、制御装置は走行環境情報と運転者状態情報とに基づいて停車領域を決定することができる。これにより、制御装置は運転者の状態に応じて車両を迅速に停止させることができる。
上記の態様において、前記運転者を含む乗員を監視する乗員監視装置(11)を含み、前記停車処理において、前記外界認識装置又は前記地図装置からの情報に基づいて前記車両を停止させることのできる停車可能領域を探索し、複数の前記停車可能領域が取得した場合には、前記制御装置は、前記乗員監視装置の監視結果に基づいて前記車両が前記停車可能領域に到達するまでの間に前記運転者の生命に問題が生じる可能性に関連する生命リスクを算出し、前記停車可能領域に到達するまでの経路を前記車両が走行するときに前記車両に問題が生じる可能性に関連する走行リスクを算出し、前記生命リスクと前記走行リスクとに基づいて前記停車可能領域の1つを選択することにより前記停車領域を決定するとよい。
この構成によれば、車両を停止させるときに、運転者の生命リスクに基づいて停車領域が決定される。これにより、運転者が早急な救護を要する切迫した健康状態にあるときに、生命リスクと、車両が停車領域に到達するまでに生じる走行リスクとに基づいて、停車領域を適切に決定することができる。これにより、運転者の健康状態に応じた適切な位置に車両を安全に停止させることができる。
上記の態様において、前記制御装置は前記経路上に車線変更を要する部分がある場合には、車線変更を要する部分がない場合に比べて、前記停車可能領域に対応する前記走行リスクを高く算出するとよい。
この構成によれば、経路上に車線変更を要する部分がある場合には、停車可能領域に対応する走行リスクが増加する。これにより、到達するまでに車線変更を要する停車可能領域の走行リスクが高められて、車線変更を要しない停車可能領域が選択され易くなる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記停車処理において、複数の前記停車可能領域が取得できた場合に、前記停車可能領域それぞれに対して、対応する前記生命リスクと前記走行リスクとに基づいて総リスクを算出し、前記総リスクの最も小さい前記停車可能領域を前記停車領域として決定するとよい。
この構成によれば、停車可能領域の中から運転者又は車両に危険が生じるリスクの小さいものを選択し、停車領域として決定することができる。これによって、運転者の身体に危険が生じる可能性を抑えつつ、車両が停止するまでの安全性を高めることができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記停車処理において、複数の前記停車可能領域が取得できた場合に、前記停車可能領域それぞれに対して停車後に前記車両又は前記乗員に身体に危険が生じる可能性に関連する停車リスクと、前記生命リスクと、前記走行リスクとに基づいて総リスクを算出し、前記総リスクの最も小さい前記停車可能領域を前記停車領域として決定するとよい。
この構成によれば、停車可能領域の中からいずれかの乗員又は車両に危険が生じるリスクの小さいものを選択し、停車領域として決定することができる。これによって、運転者の身体に危険が生じる可能性を抑えつつ、車両が停止するまで及び停止後の安全性を高めることができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記乗員監視装置の監視結果に基づいて、前記車両の乗車人数を取得し、取得された前記乗車人数が多くなるにつれて、前記停車リスクを高く算出するとよい。
この構成によれば、乗車人数が多い場合には、停車後のリスクのより低い領域に車両を停止させることができる。これにより、停車後の乗員の安全をより確実に確保することができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記乗員監視装置の監視結果に基づいて、前記乗員それぞれの特性を取得し、前記特性に基づいて前記停車リスクを算出するとよい。
この構成によれば、乗員の特性に基づいて、停車後に乗員が降車することによるリスクを適切に算出することができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記乗員監視装置の監視結果に基づいて、前記乗員に子供が含まれているかを判定し、前記乗員に子供が含まれている場合には、子供が含まれていない場合に比べて、前記停車可能領域に対応する前記停車リスクを高く算出するとよい。
車両が停止された後、降車するときに、子供は車両周辺を十分に監視することができず、降車するときのリスクが高いと考えられる。この構成によれば、乗員に子供が含まれる場合に走行車線上の停車可能領域に対応する停車リスクを高く算出することができ、子供が降車したときのリスクに基づいて、停車領域を決定することができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記乗員監視装置の監視結果に基づいて、前記乗員に高齢者が含まれているかを判定し、前記乗員に高齢者が含まれている場合には、高齢者が含まれていない場合に比べて、走行車線上の前記停車可能領域に対応する前記停車リスクを高く算出するとよい。
車両が停止された後、降車するときに、高齢者ば車両周辺を十分に監視することができず、降車するときのリスクが高いと考えられる。この構成によれば、乗員に高齢者が含まれる場合に走行車線上の停車可能領域に対応する停車リスクを高く算出することができ、高齢者が降車したときのリスクに基づいて、停車領域を決定することができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記停車処理において、前記車両の走行する道路の外縁を探索することによって、前記停車可能領域を取得するとよい。
この構成によれば、車両の走行する道路の外縁を探索することで、車両を周辺車両の通行を妨げない位置に停止させることができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記停車処理において、前記車両の走行車線上に少なくとも1つの前記停車可能領域を設定するとよい。
この構成によれば、停車可能領域を確実に取得することができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記車両の走行車線上に設定された前記停車可能領域以外の前記停車可能領域を取得できない場合には、前記車両の走行車線上に設定された前記停車可能領域を前記停車領域に決定するとよい。
この構成によれば、車両を確実に停止させることができる。
上記の態様において、前記地図装置は前記車両の走行予定経路を保持し、前記制御装置は、前記車両の現在値よりも前方の所定範囲内において、前記走行予定経路に対応する道路に路幅が所定値以下の部分を含む場合には、走行車線上に前記停車領域を設定するとよい。
この構成によれば、走行予定経路が路幅の所定値以下の道路を通過しているときに、車両を走行車線上に停止させることができる。これにより、車両の路幅の所定値以下の道路の手前に位置しているときには、車両のその道路への侵入を防止することができる。また、車両が路幅の所定値以下の道路の走行しているときには、その走行距離を短くすることができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記車両の現在地から前記停車可能領域までの経路(a〜c)上の道路標示(X、Y)に基づいて、前記走行リスクを算出するとよい。
この構成によれば、走行リスクを道路の状況に応じて適切に取得することができる。
上記の態様において、車外に音及び光の少なくとも一方によって車外に報知する車外報知装置(14)を含み、前記制御装置は前記停車処理において、車線変更を行うときは、通過すべき車線境界線に基づいて、前記車外報知装置の報知レベルを設定するとよい。
この構成によれば、通過時にリスクの高い車線境界線を通過するときには、報知レベルを高く設定することができる。これにより、リスクの高い車線境界線を通過するときに車外に強く報知され、進路変更時の車両の安全性を高めることができる。
以上の構成によれば、自動運転を実行する車両制御システムにおいて、車両を停止させる必要があるときに、運転者の状態に応じて車両を迅速に停止させることができる。
第1実施形態に係る車両制御システムが搭載される車両の機能構成図 停車処理のフローチャート 停車領域決定処理のフローチャート 車線変更処理のフローチャート (A)第1実施例における停車処理時の車両の移動を説明するための説明図、及び(B)対応する停車領域テーブルを示す図 (A)第2実施例における停車処理時の車両の移動を説明するための説明図、及び(B)対応する停車領域テーブルを示す図 (A)第3実施例における停車処理時の車両の移動を説明するための説明図、及び(B)対応する停車領域テーブルを示す図 (A)第4実施例における停車処理時の車両の移動を説明するための説明図、及び(B)対応する停車領域テーブルを示す図 (A)第5実施例における停車処理時の車両の移動を説明するための説明図、及び(B)対応する停車領域テーブルを示す図 第2実施形態に係る車線変更処理のフローチャート 第3実施形態に係る停車領域決定処理のフローチャート
以下、図面を参照して、本発明に係る車両制御システムの実施形態について説明する。以下では、本発明に係る車両制御システムを、左側走行を採用する国又は地域において走行している車両を制御するシステムに適用した例について説明を行う。
<<第1実施形態>>
図1に示すように、車両制御システム1は、車両に搭載された車両システム2に含まれている。車両システム2は、推進装置3、ブレーキ装置4、ステアリング装置5、外界認識装置6、車両センサ7、通信装置8、ナビゲーション装置9(地図装置)、運転操作装置10、乗員監視装置11、HMI12(Human Machine Interface)、自動運転レベル切替スイッチ13、車外報知装置14、及び制御装置15を有している。車両システム2の各構成は、CAN16(Controller Area Network)等の通信手段によって信号伝達可能に互いに接続されている。
推進装置3は車両に駆動力を付与する装置であり、例えば動力源及び変速機を含む。動力源はガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関及び電動機の少なくとも一方を有する。ブレーキ装置4は車両に制動力を付与する装置であり、例えばブレーキロータにパッドを押し付けるブレーキキャリパと、ブレーキキャリパに油圧を供給する電動シリンダとを含む。ブレーキ装置4はワイヤケーブルによって車輪の回転を規制するパーキングブレーキ装置を含んでもよい。ステアリング装置5は車輪の舵角を変えるための装置であり、例えば車輪を転舵するラックアンドピニオン機構と、ラックアンドピニオン機構を駆動する電動モータとを有する。推進装置3、ブレーキ装置4、及びステアリング装置5は、制御装置15によって制御される。
外界認識装置6は車外の物体等を検出する装置である。外界認識装置6は、車両の周辺からの電磁波や光を捉えて車外の物体等を検出するセンサ、例えば、レーダ17、ライダ18(LIDAR)、及び車外カメラ19を含む。外界認識装置6は、その他、車外からの信号を受信して、車外の物体等を検出する装置であってもよい。外界認識装置6は検出結果を制御装置15に出力する。
レーダ17はミリ波等の電波を車両の周囲に発射し、その反射波を捉えることにより、物体の位置(距離及び方向)を検出する。レーダ17は車両の任意の箇所に少なくとも1つ取り付けられている。レーダ17は、少なくとも車両の前方に向けて電波を照射する前方レーダ、車両の後方に向けて電波を照射する後方レーダ、車両の側方に向けて電波を照射する左右一対の側方レーダを含むことが好ましい。
ライダ18は赤外線等の光を車両の周囲に照射し、その反射光を捉えることにより、物体の位置(距離及び方向)を検出する。ライダ18は車両の任意の箇所に少なくとも1つ設けられている。
車外カメラ19は車両の周囲に存在する物体(例えば、周辺車両や歩行者)や、ガードレール、縁石、壁、中央分離帯、道路の形状や道路に描かれた道路標示等を含む車両の周囲を撮像する。車外カメラ19は、例えば、CCDやCMOS等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラであってよい。車外カメラ19は、車両の任意の箇所に少なくとも1つ設けられる。車外カメラ19は少なくとも車両の前方を撮像する前方カメラを含み、更に車両の後方を撮像する後方カメラ及び車両の左右側方を撮像する一対の側方カメラを含んでいるとよい。車外カメラ19は、例えばステレオカメラであってもよい。
車両センサ7は、車両の速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、車両の向きを検出する方位センサ等を含む。ヨーレートセンサは、例えばジャイロセンサである。
通信装置8は制御装置15及びナビゲーション装置9と車外に位置する周辺車両やサーバとの間の通信を媒介する。制御装置15は通信装置8を介して周辺車両との間で無線通信を行うことができる。また、制御装置15は通信装置8を介して、交通規制情報の提供を行うサーバと通信を行うことができる。更に、制御装置15は通信装置8を介して車両の外部に存在する人が所持する携帯端末との通信することができる。また、制御装置15は通信装置8を介して車両からの緊急通報を受け付ける緊急通報センタとの通信することができる。
ナビゲーション装置9は車両の現在位置を取得し、目的地への経路案内等を行う装置であり、GNSS受信部21、地図記憶部22、ナビインタフェース23、経路決定部24を有する。GNSS受信部21は人工衛星(測位衛星)から受信した信号に基づいて車両の位置(緯度や経度)を特定する。地図記憶部22は、フラッシュメモリやハードディスク等の公知の記憶装置によって構成され、地図情報を記憶している。ナビインタフェース23は乗員からの目的地などの入力を受け付けると共に、乗員に表示や音声によって各種情報を提示する。ナビインタフェース23は例えばタッチパネルディスプレイや、スピーカ等を含むとよい。他の実施形態では、GNSS受信部21は通信装置8の一部として構成されていてもよい。また、地図記憶部22は制御装置15の一部として構成されてもよく、通信装置8を介して通信可能なサーバ装置の一部として構成されてもよい。
地図情報は、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別、道路の車線数、各車線の中央位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、道路区画線や車線の境界等の道路標示の形状、歩道や縁石、さく等の有無、交差点の位置、車線の合流及び分岐ポイントの位置、非常駐車帯の領域、各車線の幅員、道路に設けられた標識等の道路情報を含む。また、地図情報は、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報等を含んでもよい。
経路決定部24は、GNSS受信部21により特定された車両の位置と、ナビインタフェース23から入力された目的地と、地図情報とに基づいて目的地までの経路を決定する。また、経路決定部24は、経路を決定するときに、地図情報の車線の合流及び分岐ポイントの位置を参照して、車両が走行すべき車線である目標車線も含めて決定するとよい。
運転操作装置10は、運転者が車両を制御するために行う入力操作を受け付ける。運転操作装置10は、例えば、ステアリングホイール、アクセルペダル、及びブレーキペダルを含む。また、運転操作装置10は、シフトレバーやパーキングブレーキレバー等を含んでもよい。各運転操作装置10には、操作量を検出するセンサが取り付けられている。運転操作装置10は操作量を示す信号を制御装置15に出力する。
乗員監視装置11は車室内の乗員の状態を監視する。乗員監視装置11は例えば、車室内のシートに着座する乗員を撮像する室内カメラ26、及びステアリングホイールに設けられた把持センサ27を有する。室内カメラ26は例えばCCDやCMOS等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。把持センサ27は運転者がステアリングホイールを把持しているか否かを検出し、把持の有無を検出信号として出力するセンサである。把持センサ27は例えば、ステアリングホイールに設けられた静電容量センサや圧電素子によって形成されているとよい。乗員監視装置11はステアリングホイール又はシートに設けられた心拍センサやシートに設けられた着座センサを含んでもよい。乗員監視装置11はその他、乗員に着用され、着用した乗員の心拍数及び血圧の少なくとも一方を含むバイタル情報を検出可能なウェアラブルデバイスであってもよい。このとき、乗員監視装置11は公知の無線による通信手段によって、制御装置15と通信可能に構成されているとよい。乗員監視装置11は撮像された画像及び検出信号を制御装置15に出力する。
車外報知装置14は車外に音や光によって報知する装置であり、例えば、警告灯やホーンを含む。前照灯(フロントライト)や尾灯(テールライト)、ブレーキランプ、ハザードランプ、車内灯が警告灯として機能してもよい。
HMI12は、乗員に対して表示や音声によって各種情報を報知すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI12は、例えば、液晶や有機ELを含むタッチパネルや表示灯等の表示装置31、ブザーやスピーカ等の音発生装置32、及びタッチパネル上のGUIスイッチや機械スイッチ等の入力インタフェース33の少なくとも1つを含む。ナビインタフェース23がHMI12として機能するように構成されていてもよい。
自動運転レベル切替スイッチ13は、自動運転の実行開始の指示を乗員から受け付けるスイッチである。自動運転レベル切替スイッチ13は機械スイッチやタッチパネル上に表示されるGUIスイッチであってよく、車室内の適所に配置される。自動運転レベル切替スイッチ13は、HMI12の入力インタフェース33によって構成されてもよく、ナビインタフェース23によって構成されていてもよい。
制御装置15は、CPU、ROM、及びRAM等から構成される電子制御装置(ECU)である。制御装置15はCPUでプログラムに沿った演算処理を実行することで、各種の車両制御を実行する。制御装置15は1つのハードウェアとして構成されていてもよく、複数のハードウェアからなるユニットとして構成されていてもよい。また、制御装置15の各機能部の少なくとも一部は、LSIやASIC、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよく、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
制御装置15は各種の車両制御を組み合わせて、少なくともレベル0〜レベル3の自動運転制御(以下、自動運転)を行う。レベルはSAE J3016の定義に基づくものであって、運転者の運転操作及び車両周辺監視への介入の度合いに関連して定められている。
レベル0の自動運転では制御装置15は車両の制御を行わず、運転者が全ての運転操作を行う。すなわち、レベル0の自動運転はいわゆる手動運転を意味する。
レベル1の自動運転では制御装置15は一部の運転操作を行い、運転者が残りの運転操作を行う。例えば、レベル1の自動運転には定速走行及び車間距離制御(ACC;Adaptive Cruise Control)や車線維持支援制御(LKAS;Lane Keeping Assistance System)が含まれる。レベル1の自動運転は、レベル1の自動運転の実行に要する各種装置(例えば、外界認識装置6や車両センサ7)に異常がないという条件を満たすときに実行される。
レベル2の自動運転では制御装置15が全ての運転操作を行う。レベル2の自動運転は、運転者が車両周辺監視を行い、車両が予め定められた領域内にあり、且つ、レベル2の自動運転の実行に要する各種装置に異常がないという条件を満たすときに実行される。
レベル3の自動運転では制御装置15が全ての運転操作を行う。レベル3の自動運転は、運転者が必要に応じて車両周辺監視を行うことのできる姿勢であり、車両が予め定められた領域内にあり、且つ、レベル3の自動運転の実行に要する各種装置に異常がないという条件を満たすときに実行される。レベル3の自動運転が実行される条件には、例えば、車両が渋滞中の道路を走行しているときが含まれている。車両が渋滞中の道路上を走行しているか否かは車外のサーバから提供される交通規制情報に基づいて判定されてもよく、また、車速センサによって取得される車速が所定の時間に渡って、所定の徐行判定値(例えば、30km/h)以下であることに基づいて判定されてもよい。
このように、レベル1〜レベル3の自動運転では、制御装置15が操舵、加速、減速、及び周辺監視の少なくとも1つを実行する。制御装置15は自動運転モードにあるときに、レベル1〜レベル3の自動運転を実行する。以下では、必要に応じて、操舵、加速及び減速を運転操作と記載し、運転操作及び周辺監視を運転と記載する。
本実施形態では、自動運転レベル切替スイッチ13において、制御装置15は自動運転の実行指示を受け付けると、外界認識装置6の検出結果、及びナビゲーション装置9によって取得された車両の位置に基づいて、車両の走行する環境に応じたレベルの自動運転を選択し、レベルの変更を行う。但し、制御装置15は、自動運転レベル切替スイッチ13への入力に応じて、レベルの変更を行ってもよい。
図1に示すように、制御装置15は自動運転制御部35、異常状態判定部36、状態管理部37、走行制御部38、及び記憶部39を有する。
自動運転制御部35は、外界認識部40、自車位置認識部41、及び行動計画部42を含む。外界認識部40は、外界認識装置6の検出結果に基づいて、車両の周辺に位置する障害物や、道路の形状、歩道の有無、道路標示を認識する。障害物は、例えば、ガードレールや電柱、周辺車両、歩行者等の人物を含む。外界認識部40は外界認識装置6の検出結果から、周辺車両の位置、速度及び加速度等の状態を取得することができる。周辺車両の位置は、周辺車両の重心位置やコーナー位置等の代表点、又は周辺車両の輪郭で表現された領域として認識されるとよい。
自車位置認識部41は、車両が走行している車線である走行車線、及び走行車線に対する車両の相対位置及び角度を認識する。自車位置認識部41は、例えば、地図記憶部22が保持する地図情報とGNSS受信部21が取得する車両の位置とに基づいて、走行車線を認識するとよい。また、路面に描かれた車両の周辺の区画線を地図情報から抽出し、車外カメラ19によって撮像された区画線の形状と比較して、走行車線に対する車両の相対位置、及び角度を認識するとよい。
行動計画部42は、経路に沿って車両を走行させるための行動計画を順次作成する。より具体的には、行動計画部42はまず車両が障害物と接触することなく、経路決定部24により決定された目標車線を走行するためのイベントを決定する。イベントには定速度で同じ走行車線を走行する定速走行イベント、乗員によって設定された設定速度又は車両の走行する環境に基づいて定められる速度以下の速度で、同じ走行車線を走行する前走車両に追従する追従イベント、車両の走行車線を変更する車線変更イベント、前走車両を追い越す追い越しイベント、道路の合流地点で車両を合流させる合流イベント、道路の分岐地点で車両を目的の方向に走行させる分岐イベント、自動運転を終了して手動運転にする自動運転終了イベント、及び、車両の走行中に制御装置15又は運転者による運転の継続が困難であることを示す所定の条件が満たされたときに車両を停止する停車イベントが含まれる。
行動計画部42が停車イベントを決定する条件には、自動運転での走行中に、運転者に対する運転への介入要求(ハンドオーバ要求)に応じた運転者からの室内カメラ26、把持センサ27、又は自動運転レベル切替スイッチ13への入力が検出されない場合が含まれる。介入要求とは、運転者に運転権限の一部が委譲されることを通知して、委譲される運転権限に対応する運転操作及び車両周辺監視の少なくとも一方の実行を運転者に要求する警告である。行動計画部42が停車イベントを決定する条件には、車両の走行中に、運転者が担うべき運転権限に対応する運転操作及び車両周辺監視を実行していないと行動計画部42が判定した場合が含まれているとよい。また、行動計画部42が停車イベントを決定する条件には、車両の走行中に、行動計画部42が、例えば心拍センサや室内カメラ26からの信号に基づいて、運転者が心拍停止状態などの運転操作を実行することができない異常にあると判定した場合が含まれているとよい。
行動計画部42は、これらのイベントの実行中に、車両の周辺状況(周辺車両や歩行者の存在、道路工事による車線狭窄等)に基づいて、障害物等を回避するための回避イベントを決定してもよい。
行動計画部42は、更に決定したイベントに基づいて、車両が将来走行すべき目標軌道を生成する。目標軌道は、車両が各時刻において到達すべき地点である軌道点を順に並べたものである。行動計画部42は、イベントごとに設定された目標速度、及び目標加速度に基づいて目標軌道を生成するとよい。このとき、目標速度及び目標加速度の情報は軌道点の間隔で表現される。
走行制御部38は、行動計画部42によって生成された目標軌道を、予定の時刻通りに車両が通過するように、推進装置3、ブレーキ装置4、及びステアリング装置5を制御する。
記憶部39はROMやRAM等によって構成され、自動運転制御部35、異常状態判定部36、状態管理部37、及び走行制御部38の処理に要する情報が記憶される。
異常状態判定部36は、車両状態判定部51と、乗員状態判定部52とを含む。車両状態判定部51は、実行中のレベルの自動運転に影響を与える各種装置(例えば、外界認識装置6や車両センサ7)の信号を解析し、各種装置に実行中の自動運転の維持に困難な異常が発生したか否かを判定する。
乗員状態判定部52は、乗員監視装置11からの信号に基づいて、運転者の状態が異常状態にあるか否かを判定する。異常状態とは、レベル1以下の運転者が操舵を行う義務がある自動運転においては、運転者が操舵を行うことが困難である状態を含む。運転者が操舵を行うことが困難な状態とは、具体的には運転者が寝ている状態、運転者が病気や怪我により動けない状態又は意識不明な状態、運転者が心停止している状態等を含む。乗員状態判定部52は、レベル1以下の運転者が操舵を行う義務がある自動運転において、把持センサ27への乗員からの入力がないときに、運転者の状態が異常状態にあると判定してもよい。また、乗員状態判定部52は抽出された顔画像から運転者のまぶたの開閉状態を判定する。乗員状態判定部52は運転者のまぶたが閉じられた状態が所定時間継続している場合や単位時間当たりのまぶたが閉じられる回数が所定の閾値以上である場合には、運転者が寝ている、強い眠気を感じている、意識不明である、又は心停止状態にあるとして、運転者が運転操作を行うことが困難な状態であり、運転者の状態が異常状態であると判定してもよい。乗員状態判定部52は更に撮像された画像から運転者の姿勢を取得し、運転者の姿勢が運転操作に適さず、且つ、姿勢が変化しない状態が所定時間に渡って維持されているときには運転者が病気や怪我により動けない状態であり、運転者の状態が異常状態であると判定してもよい。
また、周辺監視義務があるレベルの自動運転、すなわち、レベル2以下の自動運転においては、異常状態とは、運転者が車両周辺監視の義務を怠っている状態を含む。運転者が車両周辺監視の義務を怠っている状態とは、運転者がステアリングホイールを把持していない状態、又は運転者の視線が車両の前方を向いていない状態のいずれか1つを含む。乗員状態判定部52は、例えば、把持センサ27からの信号に基づいて、運転者がステアリングホイールを把持しているか否かを検出し、運転者がステアリングホイールを把持していない場合に運転者が車両周辺監視の義務を怠っている異常状態であると判定する。また、乗員状態判定部52は、室内カメラ26によって撮像された画像に基づいて、運転者の状態が異常状態にあるか否かを判定する。例えば、乗員状態判定部52は撮像された画像から公知の画像解析手段を用いて運転者の顔領域を抽出する。乗員状態判定部52は更に、抽出された顔領域から目頭、目尻、及び瞳孔を含む虹彩部分(以下、黒目)を抽出する。乗員状態判定部52は抽出された目頭、目尻、及び黒目の位置や、黒目の輪郭形状等に基づいて、運転者の視線方向を取得し、運転者の視線が車両の前方を向いていないときに運転者が車両周辺監視の義務を怠っている状態にあると判定する。
また、周辺監視義務がないレベルの自動運転、すなわち、レベル3の自動運転においては、異常状態とは、運転者に対して、運転交代要求が発生した際に、速やかに運転交代ができない状態を意味する。運転交代ができない状態とはシステム監視ができない状態を含み、システム監視ができない状況とは、運転者が警報表示を行う画面表示等を監視することができない状況であり、運転者が寝ている状況、及び後方を見ているという状況を含む。本実施形態では、レベル3の自動運転においては、異常状態には、運転者が車両周辺監視を行うように報知された場合に、車両周辺監視の義務を果たすことができない状態が含まれる。本実施形態では、乗員状態判定部52はHMI12の表示装置31に所定の画面を表示させ、運転者に表示装置31を見るように指示を行う。その後、乗員状態判定部52は室内カメラ26によって運転者の視線を検知し、運転者の視線がHMI12の表示装置31に向かっていないと判定したときに、車両周辺監視の義務を果たすことができない状態にあると判定する。
乗員状態判定部52は、例えば、把持センサ27からの信号に基づいて、運転者がステアリングホイールを把持しているか否かを検出し、運転者がステアリングホイールを把持していない場合に運転者が車両周辺監視の義務を怠っている異常状態であると判定する。また、乗員状態判定部52は、室内カメラ26によって撮像された画像に基づいて、運転者の状態が異常状態にあるか否かを判定する。例えば、乗員状態判定部52は撮像された画像から公知の画像解析手段を用いて運転者の顔領域を抽出する。乗員状態判定部52は更に、抽出された顔領域から目頭、目尻、及び瞳孔を含む虹彩部分(以下、黒目)を抽出する。乗員状態判定部52は抽出された目頭、目尻、及び黒目の位置や、黒目の輪郭形状等に基づいて、運転者の視線方向を取得し、運転者の視線が車両の前方を向いていないときに運転者が車両周辺監視の義務を怠っている状態にあると判定する。
状態管理部37は自車位置、自動運転レベル切替スイッチ13の操作、及び異常状態判定部36の判定結果の少なくとも1つに基づいて、自動運転のレベルを決定する。更に、状態管理部37は決定したレベルに基づいて行動計画部42を制御することによって、各レベルに応じた自動運転を行う。例えば、状態管理部37はレベル1の自動運転であって定速走行制御を実行するときには、行動計画部42において決定されるイベントを定速走行イベントのみに制限する。
状態管理部37は設定されたレベルに応じた自動運転の実行に加えて、レベルの上昇及び下降を行う。
より具体的には、状態管理部37は移行後のレベルの自動運転を行う条件が満たされ、且つ、自動運転レベル切替スイッチ13に自動運転のレベルの上昇を指示する入力が行われたときに、レベルを上昇させる。
実行中のレベルの自動運転を行う条件が満たされないとき、又は自動運転レベル切替スイッチ13にレベルの下降を指示する入力が行われたときに、状態管理部37は介入要求処理を行う。介入要求処理において、状態管理部37は最初にハンドオーバ要求を運転者に通知する。運転者への通知は表示装置31へのメッセージや画像の表示や、音発生装置32からの音声や警告音の発生によって行われるとよい。運転者への通知は介入要求処理が開始された後、所定時間に渡って継続するように構成してもよい。また、運転者への通知は入力が乗員監視装置11によって検出されるまで継続されるように構成してもよい。
実行中のレベルの自動運転を行う条件が満たされないときには、車両が現在実行中のレベルよりも低いレベルの自動運転のみが実行可能な領域に移動したときや、異常状態判定部36が運転者又は車両に自動運転を継続するために困難な異常が発生したと判定したときが含まれる。
運転者への通知の後、状態管理部37は室内カメラ26又は把持センサ27に運転者から運転への介入を示す入力があったかを検出する。入力の有無の検出方法は移行後のレベルに依存して定められる。レベル2に移行するときには、状態管理部37は室内カメラ26によって取得された画像から運転者の視線方向を抽出し、運転者の視線が車両の前方を向いている場合に、運転者から運転への介入を示す入力があったと判定する。レベル1又はレベル0に移行するときには、状態管理部37は把持センサ27によって運転者のステアリングホイールの把持を検出したときに運転への介入を示す入力があったと判定する。すなわち、室内カメラ26及び把持センサ27は運転者からの運転への介入を検知する介入検知装置として機能する。また、状態管理部37は自動運転レベル切替スイッチ13への入力に基づいて、運転への介入を示す入力があったかを検出してもよい。
状態管理部37は介入要求処理の開始から所定の時間内に、運転への介入を示す入力が検出された場合に、レベルを下降させる。このとき、下降後の自動運転のレベルはレベル0であってもよく、実行可能な範囲で最も高いレベルであってもよい。
状態管理部37は、介入要求処理の実行から所定の時間内に運転者の運転への介入に応じた入力が検出されなかった場合に、行動計画部42に停車イベントを生成させる。停車イベントは、車両制御を縮退させつつ、車両を安全な位置(例えば、非常駐車帯、路側帯、路肩、パーキングエリア等)に停車させるイベントである。ここでは、この停車イベントにおいて実行される一連の手順をMRM(Minimal Risk Maneuver)という。
停車イベントが生成されると、制御装置15は自動運転モードから自動停車モードに移行し、行動計画部42が停車処理を実行する。以下、図2を参照して、停車処理の概要を説明する。
停車処理では最初に報知処理が実行される(ST1)。報知処理では、行動計画部42は車外報知装置14を作動させて車外への報知を行なう。例えば、行動計画部42は車外報知装置14に含まれるホーンを作動させ、周期的に警告音を発生させる。報知処理は停車処理が終了するまで継続する。行動計画部42は報知処理が終了した後、状況に応じてホーンを作動させ、警告音を発生させ続けてもよい。
次に、縮退処理が実行される(ST2)。縮退処理は、行動計画部42が生成可能なイベントを制限する処理である。縮退処理は、例えば、追い越し車線への車線変更イベントや、追い越しイベント、合流イベント等の生成を禁止する。また、縮退処理は、各種イベントにおいて、停車処理を実行していない場合に比べて車両の上限速度及び上限加速度を制限してもよい。
次に、停車領域決定処理が実行される(ST3)。停車領域決定処理は、自車位置に基づいて地図情報を参照し、自車の走行方向における路肩や退避スペース等の停車に適した領域である停車領域を複数抽出する。そして、停車領域の大きさや停車領域と自車位置との距離等に基づいて、複数の停車領域から1つの停車領域を選択する。
次に、移動処理が実行される(ST4)。移動処理では、停車領域に到達するための経路を決定し、経路を走行するための各種イベントを生成すると共に、目標軌道を決定する。走行制御部38は行動計画部42によって決定された目標軌道に基づいて推進装置3、ブレーキ装置4、及びステアリング装置5を制御する。これにより、車両は経路に沿って走行して停車領域に達する。
次に、停車位置決定処理が実行される(ST5)。停車位置決定処理では外界認識部40によって認識された車両の周辺に位置する障害物や、道路標示等に基づいて、停車位置を決定する。なお、停車位置決定処理では周辺車両や障害物の存在によって、停車領域内に停車位置を決定できない場合がある。停車位置決定処理において停車位置を決定することができない場合(ST6の判定がNo)には、停車領域決定処理(ST3)、移動処理(ST4)、及び停車位置決定処理(ST5)を順に繰り返す。
停車位置決定処理において停車位置を決定することができた場合(ST6の判定がYes)には、停車実行処理が実行される(ST7)。行動計画部42は、停車実行処理において、車両の現在地と、停車位置とに基づいて、目標軌道を生成する。走行制御部38は行動計画部42によって決定された目標軌道に基づいて推進装置3、ブレーキ装置4、及びステアリング装置5を制御する。これにより、車両は停車位置に向かって移動し、停車位置に停止する。
停車実行処理が実行された後に停車維持処理が実行される(ST8)。停車維持処理において、走行制御部38は行動計画部42からの指令に応じてパーキングブレーキ装置を駆動させ、車両を停車位置に維持させる。その後、行動計画部42は、通信装置8によって緊急通報を緊急通報センタに送信してもよい。停車維持処理が完了すると、停車処理が終了する。
車両制御システム1は乗員監視装置11、ナビゲーション装置9(地図装置)、及び制御装置15を備え、運転者の状態に関する運転者状態情報に基づいて停車領域を決定する停車領域決定処理を行う。以下に、停車領域決定処理の詳細について、図3を参照して説明する。
図3に示すように、行動計画部42は停車領域決定処理のステップST11において、乗員監視装置11の監視結果に基づいて、運転者の状態に関する運転者状態情報として、運転者の身体に生じた異常の大きさに関連する重篤度を算出する。本実施形態では重篤度は0〜100の数値で表され、数値が高いほど重篤度が高い、すなわち、運転者に生じた病気や怪我などの異常が大きいことを示している。例えば、行動計画部42は室内カメラ26によって取得された運転者の画像から顔領域を抽出し、瞼が閉じられた状態が所定時間以上に渡って継続しているか否かを判定する。行動計画部42は瞼が閉じられた状態が所定時間以上に渡って継続しているときに重篤度を高く(例えば90などに)算出するとよい。
また、行動計画部42は乗員監視装置11の監視結果に基づいて、運転者の姿勢を取得し、運転者の姿勢に基づいて重篤度を算出してもよい。より具体的には、行動計画部42は運転者の姿勢が運転に適さない状態となっており、その状態が所定時間以上に渡って維持されているときには、重篤度を高く(例えば90などに)算出するとよい。
また、行動計画部42は、運転席やウェアラブルデバイスに心拍センサからの信号に基づいて重篤度を算出してもよい。例えば、行動計画部42は心拍センサによって運転者の心拍が検出できない場合や、心拍数が毎分30回に満たない場合には重篤度を100に設定するとよい。
次に、行動計画部42は地図情報に基づいて、開始位置Pから走行を予定している経路(以下、走行予定経路)に沿って、道路の外縁、より詳細には左縁の部分を探索し、停車することのできる領域(以下、停車可能領域)を取得する(ステップST12)。これにより、停車可能領域が道路の左縁に設定されるため、安全、且つ周辺車両の通行を妨げない位置に設定することができる。行動計画部42は、記憶部39が保持するテーブル(例えば、図5(B)参照)に停車可能領域を記録する。以下、記憶部39が保持するテーブルを停車領域テーブルと記載する。
次に、行動計画部42は走行車線上に停車可能領域を設定する(ステップST13)。より具体的には、車両Sが交差点から十分離れた道路上を走行している場合には、行動計画部42は停車可能領域を現在の車両Sの位置から走行車線に沿って所定距離前方に設定する。車両Sが交差点から所定の距離の範囲内を走行している場合には、行動計画部42は交差点を通過した後の走行予定経路上に停車可能領域を設定する。このように構成することで、停車領域決定処理において、行動計画部42は少なくとも1つの停車可能領域を取得することができる。行動計画部42は設定した停車可能領域を停車領域テーブルに追加する。
次に、行動計画部42は各停車可能領域に対して地図情報を参照して、現在の車両Sの位置から各停車可能領域に到達するまでの車両Sの経路をそれぞれ決定する(ステップST14)。行動計画部42は決定した経路を示すデータを停車領域に関連付けて停車領域テーブルに記録する。
次に、行動計画部42は決定された経路それぞれに対して、車両Sが経路に沿って現在地から対応する停車可能領域まで走行する間に車両Sに問題が生じる可能性に関連するリスク(以下、走行リスク)を算出する(ステップST15)。
行動計画部42は外界認識装置6及びナビゲーション装置9の少なくとも一方から、車両周辺の走行環境情報を取得し、走行環境情報に基づいて、走行リスクを算出するとよい。走行環境情報には、走行予定経路上の道路標示、及び車両の前後、左右に位置する周辺車両の情報の少なくとも一方が含まれる。より具体的には、行動計画部42は外界認識装置6からの情報に基づいて、走行予定経路上の道路標示や車両の前後、左右に位置する周辺車両の数を取得して、走行リスクを算出するとよい。
また、行動計画部42は地図装置からの情報に基づいて、走行リスクを走行予定経路上の道路標示に基づいて算出してもよい。例えば、行動計画部42は地図情報を参照して、走行予定経路上に交差点がある場合には、ない場合に比べて走行リスクを高く算出するとよい。また、行動計画部42は、経路上に、走行車線を変更(以下、車線変更)する必要がある部分がある場合には、車線変更をする必要がない場合に比べて、走行リスクを高く算出するとよい。特に、行動計画部42は、走行予定経路に沿って走行するためには、進路変更禁止を示す道路標示を通過して、車線変更する必要がある場合に、車線変更しない場合に比べて走行リスクをより高く算出するとよい。より具体的には、行動計画部42は、走行予定経路に沿って走行するためには、黄色の実線及び白の破線の車線変更線が設けられている部分において、黄色の実線側から白の破線側へ走行する必要がある場合や、黄色の実線で示される車線変更線を通過する必要がある場合には、走行リスクを高く算出するとよい。このように、走行リスクを走行予定経路上の道路標示に基づいて算出することで、走行リスクを道路の状況に応じて適切に取得することができる。
行動計画部42は走行リスクを算出した後、算出した走行リスクを経路に関連付けて停車領域テーブルに記録する。
次に、行動計画部42は乗員監視装置11の監視結果を取得し、取得した監視結果に基づいて乗員の数を取得する(ステップST16)。より具体的には、行動計画部42は室内カメラ26によって撮像された画像を取得し、取得した画像に対して、例えば深層学習を利用した公知の画像解析を行うことによって乗員を検出する。その後、検出された乗員の数をカウントすることによって、行動計画部42は乗員の数を取得する。
次に、行動計画部42は乗員監視装置11の監視結果に基づいて、乗員それぞれに対してその乗員の特性を取得し、車両Sが停止した後、降車するときに車両の周辺監視が不十分となり易い特性を有する乗員の数を取得する。本実施形態では、行動計画部42は乗員監視装置11の監視結果に基づいて、子供の数を取得する(ステップST17)。より具体的には、行動計画部42はステップST16において、室内カメラ26が撮像した画像の中から顔が存在する場所を探索し、顔に相当する領域(以下、顔領域)を決定する。次に、行動計画部42は顔領域それぞれの中から、目、口、鼻やあご等の特徴点を抽出する。その後、行動計画部42は顔領域の画像と特徴点とに基づいて、顔領域ごとに公知のアルゴリズムを用いた年齢の推定を行い、子供の数を取得する。このとき、行動計画部42は推定された年齢が12才以下であるときに、対応する乗員を子供であると判定するとよい。行動計画部42は子供がいない場合には子供の数を0とする。
次に、行動計画部42は、各停車領域に車両Sが停止した後に、停車後に車両又は乗員に身体に危険が生じる可能性に関連するリスク(以下、停車リスク)を算出する(ステップST18)。行動計画部42は停車リスクを、停車領域に停車したときに車両Sそのものに危険(例えば、後続車の衝突等)が及ぶリスク(以下、停車時車両リスク)と、車両停止後に降車した乗員に危険が及ぶリスク(以下、停車時乗員リスク)との和として算出する。停車時乗員リスクは、乗車人数、及び子供の数に基づいて定められる。より具体的には、行動計画部42は少なくとも停車領域が走行車線上に設定されている場合や、停車領域が降車時に後突の可能性がある領域であるときに、乗車人数が多くなるにつれて停車時乗員リスクを高く算出する。また、行動計画部42は子供が含まれている場合の停車時乗員リスクを子供が含まれていない場合に比べて高くなるように算出する。
本実施形態では、行動計画部42は停車時乗員リスクを正の所定の係数(以下、第1リスク係数)と乗車人数との積と、所定の係数(以下、第2リスク係数)と子供の数との積との和として算出する。第1リスク係数は、一人の大人が降車したときに予測されるリスクに対応している。第2リスク係数は一人の子供が降車したときに予測されるリスクと、一人の大人が降車したときに予測されるリスクとの差に対応している。降車するときの子供に予測されるリスクは大人に予測されるリスクよりも高いため、第2リスク係数は正の数値に設定されている。また、乗車人数には子供の数も含まれる。行動計画部42は停車リスクを算出した後、対応する停車領域に関連付けて停車領域テーブルに記録する。
次に、行動計画部42は停車領域テーブルに基づいて停車領域の決定を行う(ステップST19)。より具体的には、行動計画部42はまず、停車領域テーブル内の重篤度を所定の変換式を用いて停車までに運転者の生命に問題が発生する可能性に関連するリスク(以下、生命リスク)を算出する。このとき、行動計画部42は重篤度が高い場合には、走行距離が大きくなるにつれて生命リスクを増加させるとよい。また、行動計画部42はその単位距離当たりの増加率を重篤度が高くなるにつれて増加させるとよい。このように、運転者情報に対応する重篤度に基づいて生命リスクを算出することによって、生命リスクを適切に算出することができる。
次に、行動計画部42は停車領域テーブルを参照して、経路毎に、生命リスクと、走行リスクと、停車リスクと基づいて総リスクを算出する。本実施形態では、行動計画部42は経路毎に、生命リスクと、走行リスクと、停車リスクとを合算することで総リスクを算出する。その後、行動計画部42は総リスクの最も小さい停車可能領域を抽出し、抽出した停車可能領域を停車領域に決定する。停車領域の決定が完了すると、行動計画部42は停車領域決定処理を終える。
行動計画部42は移動処理において必要に応じて車線変更イベントを生成する。その後、行動計画部42は車線を変更するための車線変更処理を行う。図4に示すように、行動計画部42は車線変更処理において、まず停車領域テーブルから決定された停車領域に対応する経路を取得する取得処理を行う(ST21)。その後、車両Sを取得した経路に沿って車線変更を実行させる変更実行処理を行う(ST22)。車線変更が完了すると、車線変更処理を終える。
次に、車両制御システム1の動作について、図5〜図9に示す実施例に基づいて説明を行う。図5〜図9ではすべて、車両Sが片側2車線を有する都市高速道路を走行している場合が想定されている。片側の2つの走行車線のうち、進行方向左側の車線を第1車線L1、進行方向右側の車線を第2車線L2とそれぞれ記載する。また、車両Sが第2車線L2を走行しているときに停車処理が開始されたものとし、停車処理が開始された位置を開始位置Pと記載する。更に、停車処理が開始時には、車両Sの左前方に、故障車や緊急車両等を停車させるための非常駐車帯が2つ設けられていたものとする。以下では、車両Sに近い非常駐車帯から順に第1非常駐車帯E1、第2非常駐車帯E2と記載する。開始位置Pから第1非常駐車帯E1への車両Sの移動は第2非常駐車帯E2への移動に比べて、高い走行リスクを伴うものとする。
図5(A)には、第1車線L1及び第2車線L2が横断可能な車線境界線X(白の破線)によって区画され、運転者の健康に問題がなく、且つ、車両Sに1名の運転者及び2名の子供が乗っている場合の例(以下、第1実施例)が示されている。停車処理が開始されると、監視結果に基づいて重篤度が0であると評価される(ST11)。次に、行動計画部42は走行予定経路の左側を探索し、第1非常駐車帯E1及び第2非常駐車帯E2にそれぞれ停車可能領域を設定する(ST12)。その後、行動計画部42は走行車線前方に停車可能領域を設定する(ST13)。図5(A)では、走行車線上に設定された停車可能領域は、開始位置Pからみて、第1非常駐車帯E1よりも遠く、且つ、第2非常駐車帯E2よりも近いものとする。また、以下では、第1非常駐車帯E1に設定された停車可能領域を停車可能領域A、走行車線上に設定された停車可能領域を停車可能領域B、第2非常駐車帯E2に設定された停車可能領域を停車可能領域Cと記載する。
その後、行動計画部42は停車可能領域A〜Cに対してそれぞれ経路a〜cを決定し、図5(B)に示す停車領域テーブルに記録する(ST14)。
次に、行動計画部42は各経路a〜cに対応する走行リスクを算出する(ST15)。走行リスクは第1非常駐車帯E1への移動は高いリスクを伴うため、行動計画部42は経路aに対する走行リスクを経路b及び経路cに比べて極めて大きく算出する。また、経路cは経路bに比べて長いため、行動計画部42は経路cに対する走行リスクを経路bに比べて大きく設定する。また、運転者の健康に問題がなく重篤度が低いため、行動計画部42は生命リスクを0として算出する。その後、行動計画部42は、図5(B)に示すように、走行リスク及び生命リスクを停車領域テーブルに記録する。
次に、行動計画部42は室内カメラ26の画像を解析することによって、乗車人数が3、子供の数が2であると判定する(ST16、17)。その後、行動計画部42は停車リスクを算出する(ST18)。経路a及びcでは非常駐車帯に車両Sが停止されるため、行動計画部42は停車時車両リスク及び停車時乗員リスクをそれぞれ0と評価する。車両Sが第2車線上に停止されるため、行動計画部42は経路bの停車時車両リスク、及び経路bの停車時乗員リスクを、ともに経路a及びcに比べて大きく評価する。次に行動計画部42は、停車時車両リスク及び停車時乗員リスクを合算することによって、停車リスクを算出する。このとき、経路bの停車リスクは経路a及びcよりも算出される。その後、行動計画部42は算出した停車リスクを停車領域テーブルに記録する。但し、停車リスクの内訳を明示するため、図5(B)では停車時車両リスク及び停車時乗員リスクをそれぞれ記載した。
その後、行動計画部42は停車領域の決定を行う(ST19)。より具体的には、行動計画部42は、まず重篤度に基づいて生命リスクを算出する。第1実施例では運転者の健康状態に問題がないため、行動計画部42は生命リスクを0とする。その後、行動計画部42は生命リスク、走行リスク及び停車リスクと合算することで総リスクを算出し、停車領域テーブルに記録する。次に、行動計画部42は停車領域テーブルを参照して、図5(B)に示すように総リスクの最も小さい停車可能領域Cを停車領域に決定する。その後、行動計画部42は停車処理を継続し、車両Sを停車領域内に停止させる(図5(A)参照)。
図6(A)には、第1車線L1及び第2車線L2が横断可能な車線境界線Xによって区画され、運転者の健康に問題があり、且つ、車両Sに1名の運転者及び2名の子供が乗っている場合の例(以下、第2実施例)が示されている。図6(B)には、第2実施例において算出される重篤度、走行リスク、生命リスク、停車時車両リスク、停車時乗員リスク、及び総リスクが示されている。第2実施例では運転者の健康に問題があるため、図6(B)に示すように、重篤度及び生命リスクが共に第1実施例に比べて高く評価されている。更に、第2実施例では生命リスクが走行距離に応じて次第に増加するように算出されている。これにより、開始位置Pから最も近い停車可能領域Aの総リスクが開始位置Pから離れた停車可能領域B、Cの総リスクよりも小さくなる。これにより、行動計画部42は総リスクの最も小さい停車可能領域Aを停車領域に決定する。その後、行動計画部42は停車処理を継続し、車両Sを停車領域内に停止させる(図6(A)参照)。
図7(A)には、第1車線L1及び第2車線L2が横断可能な車線境界線Xによって区画され、運転者の健康に問題があり、且つ、車両Sに1名の運転者のみが乗っている場合の例(以下、第3実施例)が示されている。図7(B)には、第3実施例において算出される重篤度、走行リスク、生命リスク、停車時車両リスク、停車時乗員リスク、及び総リスクが示されている。第3実施例では車両Sに1名の運転者のみが乗っているため、図7(B)に示すように、第2実施例に比べて停車時乗員リスクが低く評価されている。これにより、停車可能領域Bの総リスクが停車可能領域A、Cの総リスクよりも小さくなる。これにより、行動計画部42は総リスクの最も小さい停車可能領域Bを停車領域に決定する。その後、行動計画部42は停車処理を継続し、車両Sを停車領域内に停止させる(図7(A)参照)。
図8(A)には、第1車線L1及び第2車線L2が一部において第2車線L2から第1車線L1への進路変更禁止の車線境界線Yによって区画され、運転者の健康に問題があり、且つ、車両Sに1名の運転者及び2名の子供が乗っている場合の例(以下、第4実施例)が示されている。第4実施例では、紙面右側に合流する道路があり、第1車線L1及び第2車線L2が開始位置Pの上流から停車可能領域A近傍までの間において第2車線L2から第1車線L1への進路変更禁止を示す車線境界線Y(黄色の実線及び白の破線)によって区画されている。車両Sは経路aに沿って走行するためには進路変更禁止の車線境界線Yを通過する必要がある。
図8(B)には、第4実施例において算出される重篤度、走行リスク、生命リスク、停車時車両リスク、停車時乗員リスク、及び総リスクが示されている。第4実施例では、第2実施例に比べて、経路aは進路変更禁止を示す車線境界線を通過しているため、行動計画部42は経路aの走行リスクが第2実施例よりも高く算出される。これにより、第2実施例に比べて、停車可能領域Aの総リスクが増加し、停車可能領域Cの総リスクが最も小さくなる。これにより、行動計画部42は総リスクの最も小さい停車可能領域Cを停車領域に決定する。その後、行動計画部42は停車処理を継続し、車両Sを停車領域内に停止させる(図8(A)参照)。
図9(A)には、第4実施例に比べて、運転者の健康により深刻な問題がある場合の例(以下、第5実施例)が示されている。図9(B)には、第4実施例において算出される重篤度、走行リスク、生命リスク、停車時車両リスク、停車時乗員リスク、及び総リスクが示されている。第5実施例では、第4実施例に比べて、重篤度が高く評価されているため、生命リスクは第4実施例に比べてより大きく、距離に対する増加率も大きく算出されている。これにより、第4実施例とは異なり、走行距離の最も小さい停車可能領域Aの総リスクが最も小さくなる。行動計画部42は総リスクの最も小さい停車可能領域Aを停車領域に決定する。その後、行動計画部42は停車処理を継続し、車両Sを停車領域内に停止させる(図9(A)参照)。
次に、車両制御システム1の効果について、図5〜図9を参照して説明する。
第2実施例(図6)に示すように、第1実施例(図5)に比べて重篤度が高く、運転者が早急な救護を要する切迫した状態にあるときには、開始位置Pにより近い停車可能領域Aに車両Sが停止される。これによって、車両Sの走行時間が短くなるため、運転者の救護を早期に開始することができる。
第3実施例(図7)に示すように、第2実施例(図6)に比べて乗車している人員や子供の数が少なく、停車時の乗員の降車によるリスクが小さいときには、車両Sは走行車線上に停止する。これにより、第2実施例に比べて車両Sの走行時間が短くなるため、停車時のリスクが小さく、且つ、運転者の救護をより早期に開始することができる位置に車両Sを停止させることができる。
このように、停車時乗員リスクを乗車人数に従って増加させることで、乗車人数が多いときに停車後のリスクのより低い領域に車両Sを停止させることができる。これにより、停車後の乗員の安全をより確実に確保することができる。
また、子供は大人に比べて車両周辺を十分に監視することなく降車することが多い。よって、乗員に子供が含まれる場合には、子供が含まれない場合に比べて、行動計画部42は停車時、特に走行車線上に車両Sが停止された場合に、乗員の降車によるリスクを高く算出することが好ましい。本実施形態では、行動計画部42は、停車時乗員リスクを乗員人数に加えて、更に子供の数に応じて増加させる。これにより、乗員に子供が含まれる場合に停車後のリスクのより低い領域に車両Sが停止され、停車後の乗員の安全をより確実に確保することができる。また、行動計画部42降車するときに車両の周辺監視が不十分となり易い特性を有する子供の数に応じて、停車リスクを算出することによって、乗員の特性に応じたリスクを適切に取得することができる。
第4実施例(図8)に示すように、第2実施例(図6)に比べて開始位置Pに近接した停車可能領域までの経路を走行するときにリスクがあるときには、近接した停車可能領域以外の停車可能領域からリスクの小さな停車可能領域が選択されて、選択された停車可能領域が停車領域に決定される。これにより、停車位置に到達するまでの車両走行時のリスクを抑えつつ、運転者の救護を早期に開始することができる位置に車両Sを停止させることができる。
第5実施例(図9)に示すように、第4実施例(図8)に比べて重篤度が極めて高く、緊急性を要する場合には、進路変更禁止の車線境界線Yの表示に従うことなく、車両Sは最も近い非常駐車帯(第1非常駐車帯E1)に移動して停止する。これにより、運転者の救護をより早期に開始することができる。
但し、図9で示される場合に比べて、第1非常駐車帯E1が急カーブに隣接した位置にあり、第1非常駐車帯E1に対応する走行リスクが極めて高い場合、又は、第1非常駐車帯E1に車両Sを停止させると後突のリスクが大きい、すなわち停車リスクが極めて高い場合には、走行車線上、又は第2非常駐車帯E2に停止する。よって、車両Sが第1非常駐車帯E1に移動せず、車両Sが進路変更禁止の車線境界線Yの表示に従って走行する。
行動計画部42はステップST13において、走行車線上に停車可能領域を設定する。これにより、車両の走行車線上に設定された停車可能領域以外の停車可能領域を取得できない場合には、ステップST13において走行車線上に設定された停車可能領域が停車領域に決定される。これにより、車両を確実に停止させることができる。
<<第2実施形態>>
第2実施形態に係る車両制御システム101は車外報知装置14を含み、第1実施形態に比べて停車処理中の報知態様において異なる。より具体的には、第2実施形態に係る車両制御システム101は第1実施形態と比較して、車外報知装置14及び制御装置15の構成と、行動計画部42が行う報知処理及び車線変更処理とが異なる。第2実施形態に係る車両制御システム101はその他の部分については、第1実施形態と同様である。以下では、車外報知装置14及び制御装置15の構成と、報知処理及び車線変更処理の詳細とについて説明し、他の部分については説明を省略する。
車外報知装置14は外部からの信号によって車外に異常を報知する度合い、すなわち報知レベルを変更可能な報知部102を有する(図1参照)。本実施形態では、報知部102は車両Sの前方に向けて警告音を発するホーンである。報知部102は電圧が印加されると警告音を発生する。また、報知部102が発生する警告音の音量は印加される電圧値に応じて変化する。
制御装置15は報知部102を制御するための報知制御部103を含む。報知制御部103は行動計画部42からの信号に基づいて、報知部102の報知レベルを制御する(図1参照)。本実施形態では、報知制御部103は報知部102に印加する電圧の電圧値(以下、警告音電圧値)を設定することで、報知部102が発生する警告音の音量を制御する。報知制御部103は警告音電圧値を少なくとも2つの値に設定することができる。以下では、警告音電圧値のうち、値の小さい方を第1電圧値、値の大きい方を第2電圧値と記載する。警告音電圧値が第2電圧値のときには、報知部102が発生する警告音の音量は第1電圧値のときに比べて大きくなる。よって、警告音電圧値が第2電圧値であるときには、報知部102の報知レベルは、警告音電圧値が第1電圧値であるときに比べて高くなる。
第2実施形態に係る報知処理には、第1実施形態に係る報知処理に比べて、警告音電圧値を設定する処理(以下、警告音設定処理)が含まれている点が異なる。警告音設定処理において、行動計画部42は報知制御部103に警告音電圧値を第1電圧値とするように指示する。
第2実施形態に係る車線変更処理は、図10に示すように、第1実施形態に係る車線変更処理に比べて、取得処理(ST31)の後且つ走行動処理(ST35)の前と、変更実行処理の後とにそれぞれ別の処理が設けられている点が異なる。以下では、図10を参照して、第2実施形態に係る車線変更処理について説明を行う。
行動計画部42は、車線変更処理において、まず第1実施形態と同様に取得処理を実行し、経路を取得する(ST31)。
次に、行動計画部42は車外カメラ19によって撮像された画像から経路に沿って走行したときに車両Sが通過すべき車線境界線を抽出し、車線境界線に基づいて車線変更に伴うリスクが高いかを判定する(ST32)。但し、行動計画部42は画像から抽出された車線境界線が不明瞭であるときには車線変更に伴うリスクが高いと判定する。
また、行動計画部42は車両Sが通過すべき車線境界線として黄色の実線で示された進路変更禁止の車線境界線を認識したときには車線変更に伴うリスクが高いと判定するとよい。また、行動計画部42は、車両Sが通過すべき車線境界線として黄色の実線及び白の破線で示される進路変更禁止の車線境界線を認識し、黄色の実線側から白の破線側へ車線境界線を横断する必要があると判定したときには車線変更に伴うリスクが高いと判定するとよい。
行動計画部42は車線変更に伴うリスクが高いと判定したときには、行動計画部42は報知制御部103に警告音電圧値を第2電圧値とするように指示する(ST33)。行動計画部42は車線変更に伴うリスクが低いと判定した場合には、行動計画部42は報知制御部103に警告音電圧値を第1電圧値とするように指示する(ST34)。
警告音電圧値の指示が完了すると、行動計画部42は第1実施形態と変更実行処理を実行し、車両Sを経路に沿って走行させて車線変更を実行する(ST35)。
その後、行動計画部42は報知制御部103に警告音電圧値を第1電圧値とするように指示する終了処理を行う(ST36)。終了処理が完了すると、行動計画部42は車線変更処理を終える。
次に、このように構成した車両制御システム101の効果について説明する。停車処理中に車線変更イベントが生成された直後に、車線境界線に基づいて車線変更を行うときのリスクが高いか否かが判定される。例えば不明瞭な車線境界線や進路変更が禁止されている車線境界線等の車線境界線を通過するときには、警告音電圧値が第1電圧値から第2電圧値に変更されて、報知部102から発生する音量が大きくなる。これにより、車両Sが通過するときのリスクの高い車線境界線を通過することで車線変更を行うときには、車外により強く報知されるため、車線変更時の車両Sの安全性が高められる。
<<第3実施形態>>
第3実施形態に係る車両制御システム201は、第1実施形態に比べて、行動計画部42が実行する停車領域決定処理が異なり、他の構成については同様であるため、他の構成については説明を省略する。
図3及び図11に示すように、第3実施形態に係る停車領域決定処理には、第1実施形態に比べて、ステップST41及びステップST42が設けられている点が異なり、他の部分については同様である。ステップST41はステップST11の前、すなわち、停車領域決定処理の最初に実行される。
行動計画部42はステップST41において、ナビゲーション装置9から走行予定経路を取得する。その後、行動計画部42はナビゲーション装置9に記憶された地図情報を参照して、車両の現在値から前方の所定範囲内の走行予定経路の道路の路幅を取得する。所定範囲は、例えば、車両の現在地から半径500m程度の範囲に設定されているとよい。次に、行動計画部42は車両の現在値から前方の所定範囲内の走行予定経路の道路に路幅が所定値以下となっている部分を含むか否かを判定する。より具体的には、行動計画部42は車両の現在値から前方の所定範囲内の走行予定経路の道路の路幅の最小値を抽出し、抽出された最小値が所定値以下であるかを判定する。所定値としては、例えば車両の車幅の1倍以上2倍以下に設定されているとよく、1.5倍程度であるとよい。本実施形態では、所定値は3mに設定されている。走行予定経路に対応する道路に路幅が所定値以下の部分を含む場合には、行動計画部42はステップST42を実行し、含まない場合には、行動計画部42はステップST11を実行する。
行動計画部42はステップST42において車両の走行車線上であって、車両の現在地から所定距離前方の領域を停車領域に決定する。すなわち、行動計画部42は走行車線上に停車領域を設定する。停車領域の決定が完了すると、行動計画部42は停車領域決定処理を終える。
次に、第3実施形態に係る車両制御システム201の動作について説明する。行動計画部42はステップST41において、行動計画部42は車両の現在値から前方の所定範囲内の走行予定経路の道路に路幅が所定値以下となっている部分を含むか否かを判定する(ST41)。含む場合には、走行車線上に停車領域が設定され(ST42)、その停車領域に車両が停止される。
次に、第3実施形態に係る車両制御システム201の動作について説明する。車両の現在値から前方の所定範囲内の走行予定経路の道路に路幅が所定値以下となっている部分が含まれる場合には、車両を走行車線上に停止させることができる。これにより、車両の路幅の所定値以下の道路の手前に位置しているときには、車両のその道路への侵入を防止することができる。また、車両が路幅の所定値以下の道路の走行しているときには、その所定値以下の道路の走行距離を短くすることができる。これにより、車両をより安全に停止させることができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。上記実施形態では、乗員に含まれる子供の数に応じて走行車線上の停車可能領域に対応する停車リスクを高く算出するように構成されていたがこの態様には限定されない。行動計画部42は乗員監視装置11の監視結果に基づいて、乗員に高齢者が含まれているかを判定し、乗員に高齢者が含まれている場合には、高齢者が含まれていない場合に比べて、走行車線上の停車可能領域に対応する停車リスクを高く算出するとよい。高齢者は65歳以上の乗員を指す。行動計画部42は乗員監視装置11の室内カメラ26の画像を解析し、予め記憶部39に保存された情報と照合することによって、各乗員が高齢者に該当するかを判定してもよい。その後、行動計画部42は高齢者に該当する乗員の数をカウントすることによって高齢者の数を取得し、取得した高齢者の数に応じて、停車リスクを増加させるとよい。
車両が停止された後、降車するときに、高齢者は車両周辺を十分に監視することができず、例えば走行車線上に車両が停止された場合等において、降車するときのリスクが高いと考えられる。本実施形態では、乗員に高齢者が含まれる場合に走行車線上の停車可能領域に対応する停車リスクを高く算出することができるため、高齢者が降車したときのリスクに基づいて、適切に停車領域を決定することができる。これにより、停車後の乗員の安全をより確実に確保することができる。
また、車両Sが停止した後、降車するときに車両の周辺監視が不十分となり易い特性を有する乗員として、子供及び高齢者に限定されない。例えば行動履歴などの各乗員の特性に基づいて、行動計画部42は停車リスクを算出してもよい。
上記実施形態では報知部102は警告音を発生させていたが、この態様には限定されない。報知部102はハザードランプ等の車外に光を照射するライトであってもよく、報知制御部103は報知部102を点滅させることで、車外に報知を行ってもよい。報知制御部103は報知部102をより明るく点灯させることによって、報知レベルを高めるように構成されていてもよい。
上記実施形態では、車両制御システム1、101、201は外界認識装置6又はナビゲーション装置9のいずれか一方に基づいて停車可能領域を探索可能であってもよく、また予め定められた停車可能領域のリストを保持し、そのリストの中から探索するように構成されていてもよい。
上記実施形態では、車両制御システム1、101、201は、停車リスク、生命リスク及び走行リスクを合算することで総リスクを算出していたがこの態様には限定されない。車両制御システム1、101、201は、停車リスク、生命リスク及び走行リスクに基づいて総リスクを算出すればよく、例えば、停車リスク、生命リスク、及び走行リスクそれぞれに対して係数を積算し、その和として総リスクを算出してもよい。また、車両制御システム1、101、201は、生命リスクと走行リスクとに基づいて総リスクを算出してもよく、より具体的には、生命リスクと走行リスクとを合算することで総リスクを算出してもよい。
上記実施形態では、車両は左側通行を採用する国又は地域を走行していることを想定したが、この態様には限定されない。車両が右側通行を採用する国又は地域を走行しているときには、車両制御システム1は上記実施形態の左右を入れ替えた態様で車両を制御するとよい。
1 :第1実施形態に係る車両制御システム
6 :外界認識装置
9 :ナビゲーション装置(地図装置)
11 :乗員監視装置
14 :車外報知装置
15 :制御装置
101 :第2実施形態に係る車両制御システム
201 :第3実施形態に係る車両制御システム
A〜C :停車可能領域
X、Y :車線境界線
a〜c :経路
S :車両

Claims (16)

  1. 車両制御システムであって、
    車両の操舵、加速、及び減速を行う制御装置と、
    車外の情報を取得する外界認識装置及び地図情報を保持する地図装置の少なくとも一方と、
    運転者を含む乗員を監視する乗員監視装置を有し、
    前記制御装置は、前記車両の走行中に前記制御装置又は前記運転者による前記車両の走行の継続が困難である所定の条件が満たされたときに、前記車両を所定の停車領域内に停止させる停車処理を実行し、
    前記制御装置は、前記外界認識装置及び前記地図装置の少なくとも一方から、車両周辺の走行環境情報を取得し、前記停車処理において、前記外界認識装置又は前記地図装置からの情報に基づいて前記車両を停止させることのできる停車可能領域を探索し、複数の前記停車可能領域が取得した場合に、前記停車可能領域それぞれに対して停車後に前記車両又は前記乗員の身体に危険が生じる可能性に関連する停車リスクを算出し、前記停車リスクに基づいて前記停車可能領域の1つを選択することにより前記停車領域を決定し、
    前記制御装置は、前記乗員監視装置の監視結果に基づいて、前記車両の乗車人数を取得し、取得された前記乗車人数が多くなるにつれて、前記停車リスクを高く算出することを特徴とする車両制御システム。
  2. 前記制御装置は、前記乗員監視装置の監視結果に基づいて、前記乗員それぞれの特性を取得し、前記停車リスクを、取得された前記乗車人数と、前記特性とに基づいて算出する請求項1に記載の車両制御システム。
  3. 車両制御システムであって、
    車両の操舵、加速、及び減速を行う制御装置と、
    車外の情報を取得する外界認識装置及び地図情報を保持する地図装置の少なくとも一方と、
    運転者を含む乗員を監視する乗員監視装置を有し、
    前記制御装置は、前記車両の走行中に前記制御装置又は前記運転者による前記車両の走行の継続が困難である所定の条件が満たされたときに、前記車両を所定の停車領域内に停止させる停車処理を実行し、
    前記制御装置は、前記外界認識装置及び前記地図装置の少なくとも一方から、車両周辺の走行環境情報を取得し、前記停車処理において、前記外界認識装置又は前記地図装置からの情報に基づいて前記車両を停止させることのできる停車可能領域を探索し、複数の前記停車可能領域が取得した場合に、前記停車可能領域それぞれに対して停車後に前記車両又は前記乗員の身体に危険が生じる可能性に関連する停車リスクを算出し、前記停車リスクに基づいて前記停車可能領域の1つを選択することにより前記停車領域を決定し、
    前記制御装置は、前記乗員監視装置の監視結果に基づいて、前記乗員それぞれの特性を取得し、前記特性に基づいて前記停車リスクを算出することを特徴とする車両制御システム。
  4. 前記制御装置は、前記乗員監視装置の監視結果に基づいて、前記乗員に子供が含まれているかを判定し、前記乗員に子供が含まれている場合には、子供が含まれていない場合に比べて、前記停車可能領域に対応する前記停車リスクを高く算出することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両制御システム。
  5. 前記制御装置は、前記乗員監視装置の監視結果に基づいて、前記乗員に高齢者が含まれているかを判定し、前記乗員に高齢者が含まれている場合には、高齢者が含まれていない場合に比べて、走行車線上の前記停車可能領域に対応する前記停車リスクを高く算出することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1つの項に記載の車両制御システム。
  6. 前記制御装置は、前記停車処理において、複数の前記停車可能領域が取得できた場合に、前記乗員監視装置からの情報に基づいて、前記運転者の状態に関する運転者状態情報を取得し、前記運転者状態情報に基づいて前記車両が前記停車可能領域に到達するまでの間に前記運転者の生命に問題が生じる可能性に関連する生命リスクを算出し、前記走行環境情報に基づいて前記停車可能領域に到達するまでの経路を前記車両が走行するときに前記車両に問題が生じる可能性に関連する走行リスクを算出し、前記生命リスクと前記走行リスクと前記停車リスクに基づいて前記停車可能領域の1つを選択することにより前記停車領域を決定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つの項に記載の車両制御システム。
  7. 前記制御装置は前記経路上に車線変更を要する部分がある場合には、車線変更を要する部分がない場合に比べて、前記停車可能領域に対応する前記走行リスクを高く算出することを特徴とする請求項6に記載の車両制御システム。
  8. 前記制御装置は、前記停車処理において、複数の前記停車可能領域が取得できた場合に、前記停車リスクと、前記生命リスクと、前記走行リスクとに基づいて総リスクを算出し、前記総リスクの最も小さい前記停車可能領域を前記停車領域として決定することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の車両制御システム。
  9. 前記制御装置は、前記車両の現在地から前記停車可能領域までの前記経路上の道路標示に基づいて、前記走行リスクを算出することを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか1つの項に記載の車両制御システム。
  10. 前記制御装置は、前記停車処理において、前記車両の走行する道路の外縁を探索することによって、前記停車可能領域を取得することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つの項に記載の車両制御システム。
  11. 前記制御装置は、前記停車処理において、前記車両の走行車線上に少なくとも1つの前記停車可能領域を設定することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つの項に記載の車両制御システム。
  12. 前記制御装置は、前記車両の走行車線上に設定された前記停車可能領域以外の前記停車可能領域を取得できない場合には、前記車両の走行車線上に設定された前記停車可能領域を前記停車領域に決定することを特徴とする請求項11に記載の車両制御システム。
  13. 前記地図装置は前記車両の走行予定経路を保持し、
    前記制御装置は、前記車両の現在値よりも前方の所定範囲内において、前記走行予定経路に対応する道路に路幅が所定値以下の部分を含む場合には、走行車線上に前記停車領域を設定することを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1つの項に記載の車両制御システム。
  14. 車外に音及び光の少なくとも一方によって車外に報知する車外報知装置を含み、
    前記制御装置は前記停車処理において、車線変更を行うときは、通過すべき車線境界線に基づいて、前記車外報知装置の報知レベルを設定することを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1つの項に記載の車両制御システム。
  15. 車両制御システムであって、
    車両の操舵、加速、及び減速を行う制御装置と、
    車外の情報を取得する外界認識装置及び地図情報を保持する地図装置の少なくとも一方と、
    運転者を含む乗員を監視する乗員監視装置を有し、
    前記制御装置は、前記車両の走行中に前記制御装置又は前記運転者による前記車両の走行の継続が困難である所定の条件が満たされたときに、前記車両を所定の停車領域内に停止させる停車処理を実行し、
    前記制御装置は、前記外界認識装置及び前記地図装置の少なくとも一方から、車両周辺の走行環境情報を取得し、前記乗員監視装置からの情報に基づいて、前記運転者の状態に関する運転者状態情報を取得し、前記走行環境情報と前記運転者状態情報とに基づいて、前記停車領域を決定し、
    前記地図装置は前記車両の走行予定経路を保持し、
    前記制御装置は、前記車両の現在地よりも前方の所定範囲内において、前記走行予定経路に対応する道路に路幅が所定値以下の部分を含む場合には、走行車線上に前記停車領域を設定することを特徴とする車両制御システム。
  16. 車両制御システムであって、
    車両の操舵、加速、及び減速を行う制御装置と、
    車外の情報を取得する外界認識装置及び地図情報を保持する地図装置の少なくとも一方と、
    運転者を含む乗員を監視する乗員監視装置を有し、
    前記制御装置は、前記車両の走行中に前記制御装置又は前記運転者による前記車両の走行の継続が困難である所定の条件が満たされたときに、前記車両を所定の停車領域内に停止させる停車処理を実行し、
    前記制御装置は、前記外界認識装置及び前記地図装置の少なくとも一方から、車両周辺の走行環境情報を取得し、前記乗員監視装置からの情報に基づいて、前記運転者の状態に関する運転者状態情報を取得し、前記走行環境情報と前記運転者状態情報とに基づいて、前記停車領域を決定し、
    車外に音及び光の少なくとも一方によって車外に報知する車外報知装置を含み、
    前記制御装置は前記停車処理において、車線変更を行うときは、通過すべき車線境界線に基づいて、前記車外報知装置の報知レベルを設定することを特徴とする車両制御システム。
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