JP7075908B2 - 車両制御システム - Google Patents

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Description

本開示は、自動運転状態と人間の運転者(以下、単に「運転者」という)によって少なくとも一部の運転タスクが実施される状態とを切り替え可能な車両制御システムに関する。
車線維持を自動で行う運行状態における車両の操舵に関して、特許文献1には、隣接車線の先行車を追い抜く場合、対向車とすれ違う場合、及び車線外に停車中の車両の横を通りすぎる場合に、これらの車両から自車両が離間するように走行軌道を設定することにより、運転者に安心感を与えることが記載されている。また、特許文献2には、自車両が他車両に追い越される時、他車両から離間するように自車両の操舵角を変更することにより、運転者のフィーリングに合致した運転支援を実現させることが記載されている。
ところで、SAEの定義によれば、車両の自動運転のレベルは、レベル0(自動運転化なし)からレベル5(完全自動運転化)までの6段階に設定されている。また、非特許文献1によれば、レベル3の自動運転車には、システムが自動運転の継続が困難であると判断し、かつシステムから運転者に運転が引き継がれない場合において、車両を自動で安全に停止させるミニマル・リスク・マヌーバー(MRM)を設定することが求められている。
特許第3740902号公報 特許第5743286号公報
国土交通省自動車局「自動運転車の安全技術ガイドライン」、2018年9月、p.5
運転者の介入が必要であるにもかかわらず運転への介入要求が受諾されなかった場合に実施されるミニマル・リスク・マヌーバーに基づく自動運転の実行中は、何か問題が発生しそうになっても、運転者が運転に介入することは期待できない。従って、ミニマル・リスク・マヌーバーに基づく自動運転の実行中は、他車両との間に問題が発生することの無いように、自車両の安全性を高め、かつ自車両が他車両にとって障害となることを抑制するように自車両を運行することが望まれる。
このような点に鑑み、本発明は、運転者の介入が必要であるにもかかわらず運転への介入要求が受諾されなかった場合に実施される自動運転の実行中に、自車両の安全性を高め、かつ自車両が他車両にとって障害となることを抑制するように自車両を運行する車両制御システムを提供することを目的とする。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る車両制御システム(1)は、車両(61)の操舵、加速、及び減速を行う制御装置(15)と、前記車両の周辺を走行する他車両(62)を検出する外界認識装置(6)とを有し、前記制御装置は、前記車両の操舵、加速、減速、及び周辺監視の少なくとも1つを行う自動運転モードと、前記車両の走行中に前記車両制御システム又は運転者による前記車両の走行の継続が困難である所定の条件が満たされたときに、前記車両を所定の停車領域内に停止させる自動停車モードとを実行し、前記制御装置は、前記車両が前記自動運転モードで走行中に前記車両に対して並走する前記他車両と側方距離を広げるように前記車両の走行位置を車幅方向に前記車両を第1の幅だけオフセットする第1オフセット走行を実行し、前記車両が前記自動停車モードで走行中に前記車両に対して並走する前記他車両と側方距離を広げるように前記第1の幅よりも大きい第2の幅だけオフセットする第2オフセット走行を実施することを特徴とする。
この構成によれば、自動停車モードの実行中に、自車両が他車両に追い越され又は追い抜かれる場合等、自車両に対して他車両が並走する場合、並走する前記他車両と側方距離を広げるように、自車両が自動運転モードの実行中よりも大きく移動するため、自車両の安全性を高め、かつ自車両が他車両にとって障害となることを抑制できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、前記外界認識装置は、車線を区画する道路区画線を検出し、前記第1の幅及び前記第2の幅は、前記車両が走行中の前記車線の前記道路区画線に対する前記車両の左右方向距離であることを特徴とする。
この構成によれば、道路区画線を認識することにより第1の幅及び第2の幅を算出できるため、算出が容易となる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記の第1の構成において、前記第1の幅及び前記第2の幅は、並走する前記他車両と前記車両との間の側方距離であることを特徴とする。
この構成によれば、第1の幅及び第2の幅が自車両と他車両との間の側方距離であるため、自車両の安全性をより確実にすることができる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記外界認識装置が検出した情報に基づいて前記他車両の左右方向の幅又は前記他車両の種別を検出し、前記制御装置は、前記他車両の左右方向の幅が大きいほど、前記第1の幅及び前記第2の幅を大きく設定し、又は、前記他車両の種別に応じて前記第1の幅及び前記第2の幅を設定することを特徴とする。
この構成によれば、他車両の大きさに応じて第1の幅及び第2の幅を大きくするため、自車両の安全性をより高めることができる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記の第1の構成において、前記外界認識装置は、車線を区画する道路区画線を検出し、前記制御装置は、前記車両が走行する前記車線が狭いほど、前記第1の幅及び前記第2の幅を狭く設定することを特徴とする。
この構成によれば、車線幅に応じて第1の幅及び第2の幅を設定するため、並走する他車両とは反対側の車線を走行する車両に対する安全性を高めることができる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成のいずれかにおいて、前記第2オフセット走行の開始後、前記他車両による並走が終了した後も、前記第2の幅だけずれた位置での前記車両の走行を維持することを特徴とする。
この構成によれば、自車両が第2の幅だけ左右方向にずれた位置の走行を続けるため、後続の車両が自車両を追い越し又は追い抜き易くなり、自車両が後続の車両の障害となることを抑制できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成のいずれかにおいて、前記外界認識装置は、前記外界認識装置が検出した情報に基づき、前記他車両と前記車両との相対距離を取得し、前記第2オフセット走行の開始時の前記相対距離は、前記第1オフセット走行の開始時の前記相対距離よりも長いことを特徴とする。
この構成によれば、自動停車モードの安全性を更に高めることができる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、前記制御装置は、前記外界認識装置が検出した情報に基づき、前記他車両と前記車両との相対速度を取得し、前記制御装置は、前記第2の幅を前記相対速度が大きいほど拡大することを特徴とする。
自車両と他車両との相対速度が大きいほど第2の幅を拡大するため、自車両の安全性がより高まるとともに、他車両の運転者が安心して自車両を追い越し又は追い抜くことができる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成のいずれかにおいて、地図装置(9)を更に有し、前記制御装置は、前記地図情報に基づき前記自動停車モードにおける前記所定の停車領域を決定することを特徴とする。
この構成によれば、地図装置の地図情報を利用することにより、外界認識装置では把握できない位置に停車領域を設定することができる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、前記制御装置は、前記自動停車モードにおいて、前記所定の停車領域を路肩に設定することを特徴とする。
この構成によれば、停車領域として車線に沿って延在する路肩を選択することにより、間隔をおいて設けられる非常駐車帯のみを停車領域とする場合に比べて、早期に自車両を停車させることができる場合が多い。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、前記制御装置は、前記自動停車モードにおいて、前記所定の停車領域として設定するべき前記路肩がない場合、前記所定の停車領域を車線内に設定することを特徴とする。
この構成によれば、どのような道路であっても停車領域を設定できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記車両と並走する前記他車両との間の側方距離が所定値より大きくなると予想される場合に、前記車両に対して前記他車両が並走するとはみなさないことを特徴とする。
この構成によれば、他車両との間の側方距離が所定値より大きい場合は、安全性が高く、第2オフセット走行が実行されないため、不必要に車両が側方に移動することを防止できる。
本発明によれば、運転者の介入が必要であるにもかかわらず運転への介入要求が受諾されなかった場合に実施される自動停車モードの実行中に、自車両の安全性を高め、かつ自車両が他車両にとって障害となることを抑制するように自車両を運行する車両制御システムを提供することができる。
実施形態に係る車両制御システムが搭載される車両の機能構成図 実施形態に係る車両制御システムの停車処理のフローチャート 実施形態に係る車両制御システムに制御された車両の軌道を示す図 実施形態に係る車両制御システムの軌道の修正を示すフローチャート
以下、図面を参照して、本発明に係る車両制御システムの実施形態について説明する。以下では、本発明に係る車両制御システムを、左側走行を採用する国又は地域において走行している車両を制御するシステムに適用した例について説明を行う。
図1に示すように、車両制御システム1は、車両に搭載された車両システム2に含まれている。車両システム2は、推進装置3、ブレーキ装置4、ステアリング装置5、外界認識装置6、車両センサ7、通信装置8、ナビゲーション装置9(地図装置)、運転操作装置10、乗員監視装置11、HMI12(Human Machine Interface)、自動運転レベル切替スイッチ13、車外報知装置14、及び制御装置15を有している。車両システム2の各構成は、CAN16(Controller Area Network)等の通信手段によって信号伝達可能に互いに接続されている。
推進装置3は車両に駆動力を付与する装置であり、例えば動力源及び変速機を含む。動力源はガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関及び電動機の少なくとも一方を有する。ブレーキ装置4は車両に制動力を付与する装置であり、例えばブレーキロータにパッドを押し付けるブレーキキャリパと、ブレーキキャリパに油圧を供給する電動シリンダとを含む。ブレーキ装置4はワイヤケーブルによって車輪の回転を規制するパーキングブレーキ装置を含んでもよい。ステアリング装置5は車輪の舵角を変えるための装置であり、例えば車輪を転舵するラックアンドピニオン機構と、ラックアンドピニオン機構を駆動する電動モータとを有する。推進装置3、ブレーキ装置4、及びステアリング装置5は、制御装置15によって制御される。
外界認識装置6は車外の物体等を検出する装置である。外界認識装置6は、車両の周辺からの電磁波や光を捉えて車外の物体等を検出するセンサ、例えば、レーダ17、ライダ18(LIDAR)、及び車外カメラ19を含む。外界認識装置6は、その他、車外からの信号を受信して、車外の物体等を検出する装置であってもよい。外界認識装置6は検出結果を制御装置15に出力する。
レーダ17はミリ波等の電波を車両の周囲に発射し、その反射波を捉えることにより、物体の位置(距離及び方向)を検出する。レーダ17は車両の任意の箇所に少なくとも1つ取り付けられている。レーダ17は、少なくとも車両の前方に向けて電波を照射する前方レーダ、車両の後方に向けて電波を照射する後方レーダ、車両の側方に向けて電波を照射する左右一対の側方レーダを含むことが好ましい。
ライダ18は赤外線等の光を車両の周囲に照射し、その反射光を捉えることにより、物体の位置(距離及び方向)を検出する。ライダ18は車両の任意の箇所に少なくとも1つ設けられている。
車外カメラ19は車両の周囲に存在する物体(例えば、周辺車両や歩行者)や、ガードレール、縁石、壁、中央分離帯、道路の形状や道路に描かれた道路標示等を含む車両の周囲を撮像する。車外カメラ19は、例えば、CCDやCMOS等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラであってよい。車外カメラ19は、車両の任意の箇所に少なくとも1つ設けられる。車外カメラ19は少なくとも車両の前方を撮像する前方カメラを含み、更に車両の後方を撮像する後方カメラ及び車両の左右側方を撮像する一対の側方カメラを含んでいるとよい。車外カメラ19は、例えばステレオカメラであってもよい。
車両センサ7は、車両の速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、車両の向きを検出する方位センサ等を含む。ヨーレートセンサは、例えばジャイロセンサである。
通信装置8は制御装置15及びナビゲーション装置9と車外に位置する周辺車両やサーバとの間の通信を媒介する。制御装置15は通信装置8を介して周辺車両との間で無線通信を行うことができる。また、制御装置15は通信装置8を介して、交通規制情報の提供を行うサーバと通信を行うことができる。更に、制御装置15は通信装置8を介して車両の外部に存在する人が所持する携帯端末との通信することができる。また、制御装置15は通信装置8を介して車両からの緊急通報を受け付ける緊急通報センタとの通信することができる。
ナビゲーション装置9は車両の現在位置を取得し、目的地への経路案内等を行う装置であり、GNSS受信部21、地図記憶部22、ナビインタフェース23、経路決定部24を有する。GNSS受信部21は人工衛星(測位衛星)から受信した信号に基づいて車両の位置(緯度や経度)を特定する。地図記憶部22は、フラッシュメモリやハードディスク等の公知の記憶装置によって構成され、地図情報を記憶している。ナビインタフェース23は乗員からの目的地などの入力を受け付けると共に、乗員に表示や音声によって各種情報を提示する。ナビインタフェース23は例えばタッチパネルディスプレイや、スピーカ等を含むとよい。他の実施形態では、GNSS受信部21は通信装置8の一部として構成されていてもよい。また、地図記憶部22は制御装置15の一部として構成されてもよく、通信装置8を介して通信可能なサーバ装置の一部として構成されてもよい。
地図情報は、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別、道路の車線数、各車線の中央位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、道路区画線や車線の境界等の道路標示の形状、歩道や縁石、さく等の有無、交差点の位置、車線の合流及び分岐ポイントの位置、非常駐車帯の領域、各車線の幅員、道路に設けられた標識等の道路情報を含む。また、地図情報は、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報等を含んでもよい。
経路決定部24は、GNSS受信部21により特定された車両の位置と、ナビインタフェース23から入力された目的地と、地図情報とに基づいて目的地までの経路を決定する。また、経路決定部24は、経路を決定するときに、地図情報の車線の合流及び分岐ポイントの位置を参照して、車両が走行すべき車線である目標車線も含めて決定するとよい。
運転操作装置10は、運転者が車両を制御するために行う入力操作を受け付ける。運転操作装置10は、例えば、ステアリングホイール、アクセルペダル、及びブレーキペダルを含む。また、運転操作装置10は、シフトレバーやパーキングブレーキレバー等を含んでもよい。各運転操作装置10には、操作量を検出するセンサが取り付けられている。運転操作装置10は操作量を示す信号を制御装置15に出力する。
乗員監視装置11は車室内の乗員の状態を監視する。乗員監視装置11は例えば、車室内のシートに着座する乗員を撮像する室内カメラ26、及びステアリングホイールに設けられた把持センサ27を有する。室内カメラ26は例えばCCDやCMOS等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。把持センサ27は運転者がステアリングホイールを把持しているか否かを検出し、把持の有無を検出信号として出力するセンサである。把持センサ27は例えば、ステアリングホイールに設けられた静電容量センサや圧電素子によって形成されているとよい。乗員監視装置11はステアリングホイール又はシートに設けられた心拍センサやシートに設けられた着座センサを含んでもよい。乗員監視装置11はその他、乗員に着用され、着用した乗員の心拍数及び血圧の少なくとも一方を含むバイタル情報を検出可能なウェアラブルデバイスであってもよい。このとき、乗員監視装置11は公知の無線による通信手段によって、制御装置15と通信可能に構成されているとよい。乗員監視装置11は撮像された画像及び検出信号を制御装置15に出力する。
車外報知装置14は車外に音や光によって報知する装置であり、例えば、警告灯やホーンを含む。前照灯(フロントライト)や尾灯(テールライト)、ブレーキランプ、ハザードランプ、車内灯が警告灯として機能してもよい。
HMI12は、乗員に対して表示や音声によって各種情報を報知すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI12は、例えば、液晶や有機ELを含むタッチパネルや表示灯等の表示装置31、ブザーやスピーカ等の音発生装置32、及びタッチパネル上のGUIスイッチや機械スイッチ等の入力インタフェース33の少なくとも1つを含む。ナビインタフェース23がHMI12として機能するように構成されていてもよい。
自動運転レベル切替スイッチ13は、自動運転の実行開始の指示を乗員から受け付けるスイッチである。自動運転レベル切替スイッチ13は機械スイッチやタッチパネル上に表示されるGUIスイッチであってよく、車室内の適所に配置される。自動運転レベル切替スイッチ13は、HMI12の入力インタフェース33によって構成されてもよく、ナビインタフェース23によって構成されていてもよい。
制御装置15は、CPU、ROM、及びRAM等から構成される電子制御装置(ECU)である。制御装置15はCPUでプログラムに沿った演算処理を実行することで、各種の車両制御を実行する。制御装置15は1つのハードウェアとして構成されていてもよく、複数のハードウェアからなるユニットとして構成されていてもよい。また、制御装置15の各機能部の少なくとも一部は、LSIやASIC、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよく、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
制御装置15は各種の車両制御を組み合わせて、少なくともレベル0~レベル3の自動運転制御(以下、自動運転)を行う。レベルはSAE J3016の定義に基づくものであって、運転者の運転操作及び車両周辺監視への介入の度合いに関連して定められている。
レベル0の自動運転では制御装置15は車両の制御を行わず、運転者が全ての運転操作を行う。すなわち、レベル0の自動運転はいわゆる手動運転を意味する。
レベル1の自動運転では制御装置15は一部の運転操作を行い、運転者が残りの運転操作を行う。例えば、レベル1の自動運転には定速走行及び車間距離制御(ACC;Adaptive Cruise Control)や車線維持支援制御(LKAS;Lane Keeping Assistance System)が含まれる。レベル1の自動運転は、レベル1の自動運転の実行に要する各種装置(例えば、外界認識装置6や車両センサ7)に異常がないという条件を満たすときに実行される。
レベル2の自動運転では制御装置15が全ての運転操作を行う。レベル2の自動運転は、運転者が車両周辺監視を行い、車両が予め定められた領域内にあり、且つ、レベル2の自動運転の実行に要する各種装置に異常がないという条件を満たすときに実行される。
レベル3の自動運転では制御装置15が全ての運転操作を行う。レベル3の自動運転は、運転者が必要に応じて車両周辺監視を行うことのできる姿勢であり、車両が予め定められた領域内にあり、且つ、レベル3の自動運転の実行に要する各種装置に異常がないという条件を満たすときに実行される。レベル3の自動運転が実行される条件には、例えば、車両が渋滞中の道路を走行しているときが含まれている。車両が渋滞中の道路上を走行しているか否かは車外のサーバから提供される交通規制情報に基づいて判定されてもよく、また、車速センサによって取得される車速が所定の時間に渡って、所定の徐行判定値(例えば、30km/h)以下であることに基づいて判定されてもよい。
このように、レベル1~レベル3の自動運転では、制御装置15が操舵、加速、減速、及び周辺監視の少なくとも1つを実行する。制御装置15は自動運転モードにあるときに、レベル1~レベル3の自動運転を実行する。以下では、必要に応じて、操舵、加速及び減速を運転操作と記載し、運転操作及び周辺監視を運転と記載する。
本実施形態では、自動運転レベル切替スイッチ13において、制御装置15は自動運転の実行指示を受け付けると、外界認識装置6の検出結果、及びナビゲーション装置9によって取得された車両の位置に基づいて、車両の走行する環境に応じたレベルの自動運転を選択し、レベルの変更を行う。但し、制御装置15は、自動運転レベル切替スイッチ13への入力に応じて、レベルの変更を行ってもよい。
図1に示すように、制御装置15は自動運転制御部35、異常状態判定部36、状態管理部37、走行制御部38、及び記憶部39を有する。
自動運転制御部35は、外界認識部40、自車位置認識部41、及び行動計画部42を含む。外界認識部40は、外界認識装置6の検出結果に基づいて、車両の周辺に位置する障害物や、道路の形状、歩道の有無、道路標示を認識する。障害物は、例えば、ガードレールや電柱、周辺車両、歩行者等の人物を含む。外界認識部40は外界認識装置6の検出結果から、周辺車両の位置、速度及び加速度等の状態を取得することができる。周辺車両の位置は、周辺車両の重心位置やコーナー位置等の代表点、又は周辺車両の輪郭で表現された領域として認識されるとよい。
自車位置認識部41は、車両が走行している車線である走行車線、及び走行車線に対する車両の相対位置及び角度を認識する。自車位置認識部41は、例えば、地図記憶部22が保持する地図情報とGNSS受信部21が取得する車両の位置とに基づいて、走行車線を認識するとよい。また、路面に描かれた車両の周辺の区画線を地図情報から抽出し、車外カメラ19によって撮像された区画線の形状と比較して、走行車線に対する車両の相対位置、及び角度を認識するとよい。
行動計画部42は、経路に沿って車両を走行させるための行動計画を順次作成する。より具体的には、行動計画部42はまず車両が障害物と接触することなく、経路決定部24により決定された目標車線を走行するためのイベントを決定する。イベントには定速度で同じ走行車線を走行する定速走行イベント、乗員によって設定された設定速度又は車両の走行する環境に基づいて定められる速度以下の速度で、同じ走行車線を走行する前走車両に追従する追従イベント、車両の走行車線を変更する車線変更イベント、前走車両を追い越す追い越しイベント、道路の合流地点で車両を合流させる合流イベント、道路の分岐地点で車両を目的の方向に走行させる分岐イベント、自動運転を終了して手動運転にする自動運転終了イベント、及び、車両の走行中に制御装置15又は運転者による運転の継続が困難であることを示す所定の条件が満たされたときに車両を停止する停車イベントが含まれる。
行動計画部42が停車イベントを決定する条件には、自動運転での走行中に、運転者に対する運転への介入要求(ハンドオーバ要求)に応じた運転者からの室内カメラ26、把持センサ27、又は自動運転レベル切替スイッチ13への入力が検出されない場合が含まれる。介入要求とは、運転者に運転権限の一部が委譲されることを通知して、委譲される運転権限に対応する運転操作及び車両周辺監視の少なくとも一方の実行を運転者に要求する警告である。行動計画部42が停車イベントを決定する条件には、車両の走行中に、運転者が担うべき運転権限に対応する運転操作及び車両周辺監視を実行していないと行動計画部42が判定した場合が含まれているとよい。また、行動計画部42が停車イベントを決定する条件には、車両の走行中に、行動計画部42が、例えば心拍センサや室内カメラ26からの信号に基づいて、運転者が心拍停止状態などの運転操作を実行することができない異常にあると判定した場合が含まれているとよい。
行動計画部42は、これらのイベントの実行中に、車両の周辺状況(周辺車両や歩行者の存在、道路工事による車線狭窄等)に基づいて、障害物等を回避するための回避イベントを決定してもよい。
行動計画部42は、更に決定したイベントに基づいて、車両が将来走行すべき目標軌道を生成する。目標軌道は、車両が各時刻において到達すべき地点である軌道点を順に並べたものである。行動計画部42は、イベントごとに設定された目標速度、及び目標加速度に基づいて目標軌道を生成するとよい。このとき、目標速度及び目標加速度の情報は軌道点の間隔で表現される。
走行制御部38は、行動計画部42によって生成された目標軌道を、予定の時刻通りに車両が通過するように、推進装置3、ブレーキ装置4、及びステアリング装置5を制御する。
記憶部39はROMやRAM等によって構成され、自動運転制御部35、異常状態判定部36、状態管理部37、及び走行制御部38の処理に要する情報が記憶される。
異常状態判定部36は、車両状態判定部51と、乗員状態判定部52とを含む。車両状態判定部51は、実行中のレベルの自動運転に影響を与える各種装置(例えば、外界認識装置6や車両センサ7)の信号を解析し、各種装置に実行中の自動運転の維持に困難な異常が発生したか否かを判定する。
乗員状態判定部52は、乗員監視装置11からの信号に基づいて、運転者の状態が異常状態にあるか否かを判定する。異常状態とは、レベル1以下の運転者が操舵を行う義務がある自動運転においては、運転者が操舵を行うことが困難である状態を含む。運転者が操舵を行うことが困難な状態とは、具体的には運転者が寝ている状態、運転者が病気や怪我により動けない状態又は意識不明な状態、運転者が心停止している状態等を含む。乗員状態判定部52は、レベル1以下の運転者が操舵を行う義務がある自動運転において、把持センサ27への乗員からの入力がないときに、運転者の状態が異常状態にあると判定してもよい。また、乗員状態判定部52は抽出された顔画像から運転者のまぶたの開閉状態を判定する。乗員状態判定部52は運転者のまぶたが閉じられた状態が所定時間継続している場合や単位時間当たりのまぶたが閉じられる回数が所定の閾値以上である場合には、運転者が寝ている、強い眠気を感じている、意識不明である、又は心停止状態にあるとして、運転者が運転操作を行うことが困難な状態であり、運転者の状態が異常状態であると判定してもよい。乗員状態判定部52は更に撮像された画像から運転者の姿勢を取得し、運転者の姿勢が運転操作に適さず、且つ、姿勢が変化しない状態が所定時間に渡って維持されているときには運転者が病気や怪我により動けない状態であり、運転者の状態が異常状態であると判定してもよい。
また、周辺監視義務があるレベルの自動運転、すなわち、レベル2以下の自動運転においては、異常状態とは、運転者が車両周辺監視の義務を怠っている状態を含む。運転者が車両周辺監視の義務を怠っている状態とは、運転者がステアリングホイールを把持していない状態、又は運転者の視線が車両の前方を向いていない状態のいずれか1つを含む。乗員状態判定部52は、例えば、把持センサ27からの信号に基づいて、運転者がステアリングホイールを把持しているか否かを検出し、運転者がステアリングホイールを把持していない場合に運転者が車両周辺監視の義務を怠っている異常状態であると判定する。また、乗員状態判定部52は、室内カメラ26によって撮像された画像に基づいて、運転者の状態が異常状態にあるか否かを判定する。例えば、乗員状態判定部52は撮像された画像から公知の画像解析手段を用いて運転者の顔領域を抽出する。乗員状態判定部52は更に、抽出された顔領域から目頭、目尻、及び瞳孔を含む虹彩部分(以下、黒目)を抽出する。乗員状態判定部52は抽出された目頭、目尻、及び黒目の位置や、黒目の輪郭形状等に基づいて、運転者の視線方向を取得し、運転者の視線が車両の前方を向いていないときに運転者が車両周辺監視の義務を怠っている状態にあると判定する。
また、周辺監視義務がないレベルの自動運転、すなわち、レベル3の自動運転においては、異常状態とは、運転者に対して、運転交代要求が発生した際に、速やかに運転交代ができない状態を意味する。運転交代ができない状態とはシステム監視ができない状態を含み、システム監視ができない状況とは、運転者が警報表示を行う画面表示等を監視することができない状況であり、運転者が寝ている状況、及び後方を見ているという状況を含む。本実施形態では、レベル3の自動運転においては、異常状態には、運転者が車両周辺監視を行うように報知された場合に、車両周辺監視の義務を果たすことができない状態が含まれる。本実施形態では、乗員状態判定部52はHMI12の表示装置31に所定の画面を表示させ、運転者に表示装置31を見るように指示を行う。その後、乗員状態判定部52は室内カメラ26によって運転者の視線を検知し、運転者の視線がHMI12の表示装置31に向かっていないと判定したときに、車両周辺監視の義務を果たすことができない状態にあると判定する。
乗員状態判定部52は、例えば、把持センサ27からの信号に基づいて、運転者がステアリングホイールを把持しているか否かを検出し、運転者がステアリングホイールを把持していない場合に運転者が車両周辺監視の義務を怠っている異常状態であると判定する。また、乗員状態判定部52は、室内カメラ26によって撮像された画像に基づいて、運転者の状態が異常状態にあるか否かを判定する。例えば、乗員状態判定部52は撮像された画像から公知の画像解析手段を用いて運転者の顔領域を抽出する。乗員状態判定部52は更に、抽出された顔領域から目頭、目尻、及び瞳孔を含む虹彩部分(以下、黒目)を抽出する。乗員状態判定部52は抽出された目頭、目尻、及び黒目の位置や、黒目の輪郭形状等に基づいて、運転者の視線方向を取得し、運転者の視線が車両の前方を向いていないときに運転者が車両周辺監視の義務を怠っている状態にあると判定する。
状態管理部37は自車位置、自動運転レベル切替スイッチ13の操作、及び異常状態判定部36の判定結果の少なくとも1つに基づいて、自動運転のレベルを決定する。更に、状態管理部37は決定したレベルに基づいて行動計画部42を制御することによって、各レベルに応じた自動運転を行う。例えば、状態管理部37はレベル1の自動運転であって定速走行制御を実行するときには、行動計画部42において決定されるイベントを定速走行イベントのみに制限する。
状態管理部37は設定されたレベルに応じた自動運転の実行に加えて、レベルの上昇及び下降を行う。
より具体的には、状態管理部37は移行後のレベルの自動運転を行う条件が満たされ、且つ、自動運転レベル切替スイッチ13に自動運転のレベルの上昇を指示する入力が行われたときに、レベルを上昇させる。
実行中のレベルの自動運転を行う条件が満たされないとき、又は自動運転レベル切替スイッチ13にレベルの下降を指示する入力が行われたときに、状態管理部37は介入要求処理を行う。介入要求処理において、状態管理部37は最初にハンドオーバ要求を運転者に通知する。運転者への通知は表示装置31へのメッセージや画像の表示や、音発生装置32からの音声や警告音の発生によって行われるとよい。運転者への通知は介入要求処理が開始された後、所定時間に渡って継続するように構成してもよい。また、運転者への通知は入力が乗員監視装置11によって検出されるまで継続されるように構成してもよい。
実行中のレベルの自動運転を行う条件が満たされないときには、車両が現在実行中のレベルよりも低いレベルの自動運転のみが実行可能な領域に移動したときや、異常状態判定部36が運転者又は車両に自動運転を継続するために困難な異常が発生したと判定したときが含まれる。
運転者への通知の後、状態管理部37は室内カメラ26又は把持センサ27に運転者から運転への介入を示す入力があったかを検出する。入力の有無の検出方法は移行後のレベルに依存して定められる。レベル2に移行するときには、状態管理部37は室内カメラ26によって取得された画像から運転者の視線方向を抽出し、運転者の視線が車両の前方を向いている場合に、運転者から運転への介入を示す入力があったと判定する。レベル1又はレベル0に移行するときには、状態管理部37は把持センサ27によって運転者のステアリングホイールの把持を検出したときに運転への介入を示す入力があったと判定する。すなわち、室内カメラ26及び把持センサ27は運転者からの運転への介入を検知する介入検知装置として機能する。また、状態管理部37は自動運転レベル切替スイッチ13への入力に基づいて、運転への介入を示す入力があったかを検出してもよい。
状態管理部37は介入要求処理の開始から所定の時間内に、運転への介入を示す入力が検出された場合に、レベルを下降させる。このとき、下降後の自動運転のレベルはレベル0であってもよく、実行可能な範囲で最も高いレベルであってもよい。
状態管理部37は、介入要求処理の実行から所定の時間内に運転者の運転への介入に応じた入力が検出されなかった場合に、行動計画部42に停車イベントを生成させる。停車イベントは、車両制御を縮退させつつ、車両を安全な位置(例えば、非常駐車帯、路側帯、路肩、パーキングエリア等)に停車させるイベントである。ここでは、この停車イベントにおいて実行される一連の手順をMRM(Minimal Risk Maneuver)という。
停車イベントが生成されると、制御装置15は自動運転モードから自動停車モードに移行し、行動計画部42が停車処理を実行する。以下、図2を参照して、停車処理の概要を説明する。
停車処理では最初に報知処理が実行される(ST1)。報知処理では、行動計画部42は車外報知装置14を作動させて車外への報知を行なう。例えば、行動計画部42は車外報知装置14に含まれるホーンを作動させ、周期的に警告音を発生させる。報知処理は停車処理が終了するまで継続する。行動計画部42は報知処理が終了した後、状況に応じてホーンを作動させ、警告音を発生させ続けてもよい。
次に、縮退処理が実行される(ST2)。縮退処理は、行動計画部42が生成可能なイベントを制限する処理である。縮退処理は、例えば、追い越し車線への車線変更イベントや、追い越しイベント、合流イベント等の生成を禁止する。また、縮退処理は、各種イベントにおいて、停車処理を実行していない場合に比べて車両の上限速度及び上限加速度を制限してもよい。
次に、停車領域決定処理が実行される(ST3)。停車領域決定処理は、自車位置に基づいて地図情報を参照し、自車の走行方向における路肩や退避スペース等の停車に適した領域である停車領域を複数抽出する。そして、停車領域の大きさや停車領域と自車位置との距離等に基づいて、複数の停車領域から1つの停車領域を選択する。
次に、移動処理が実行される(ST4)。移動処理では、停車領域に到達するための経路を決定し、経路を走行するための各種イベントを生成すると共に、目標軌道を決定する。走行制御部38は行動計画部42によって決定された目標軌道に基づいて推進装置3、ブレーキ装置4、及びステアリング装置5を制御する。これにより、車両は経路に沿って走行して停車領域に達する。
次に、停車位置決定処理が実行される(ST5)。停車位置決定処理では外界認識部40によって認識された車両の周辺に位置する障害物や、道路標示等に基づいて、停車位置を決定する。なお、停車位置決定処理では周辺車両や障害物の存在によって、停車領域内に停車位置を決定できない場合がある。停車位置決定処理において停車位置を決定することができない場合(ST6の判定がNo)には、停車領域決定処理(ST3)、移動処理(ST4)、及び停車位置決定処理(ST5)を順に繰り返す。
停車位置決定処理において停車位置を決定することができた場合(ST6の判定がYes)には、停車実行処理が実行される(ST7)。行動計画部42は、停車実行処理において、車両の現在地と、停車位置とに基づいて、目標軌道を生成する。走行制御部38は行動計画部42によって決定された目標軌道に基づいて推進装置3、ブレーキ装置4、及びステアリング装置5を制御する。これにより、車両は停車位置に向かって移動し、停車位置に停止する。
停車実行処理が実行された後に停車維持処理が実行される(ST8)。停車維持処理において、走行制御部38は行動計画部42からの指令に応じてパーキングブレーキ装置を駆動させ、車両を停車位置に維持させる。その後、行動計画部42は、通信装置8によって緊急通報を緊急通報センタに送信してもよい。停車維持処理が完了すると、停車処理が終了する。
ところで、車両制御システム1は、自車両61が他車両62(図3参照)に追い越され又は追い抜かれる場合等、自車両61に対して他車両62が並走する場合、車両に対して並走する前記他車両62と側方距離を広げるように、すなわち、左右方向における他車両62とは反対側に自車両61を移動させて、安全性を高める。自動運転モードは、車両制御システム1が、車両の操舵、加速、減速、及び周辺監視の少なくとも1つを実行する。自動停車モードは、自動運転モードでの走行中に発せられる運転者への運転への介入要求に対する運転者の受諾が検出されない場合に実施され、車両制御システム1が、停車位置を決定してこの停車位置に車両を停止させる。自動停車モードでは、運転者が気を失っていること等が想定され、当面の間、運転者の運転への介入を期待できない。そのため、自動停車モードでは、自動運転モードに比べて、他車両62との間に問題が発生することの無いように、自車両61の安全性や他車両62に対する非障害性をより高度なものすることが望まれる。そこで、車両制御システム1は、自車両61に対して他車両62が並走する場合における自車両61の左右方向への移動幅に関して、自動停車モードの実行時の移動幅を自動運転モードの実行時の移動幅よりも大きくする。以下、図1、図3及び図4を参照して、この移動幅に関する制御を説明する。図3は、左側通行の道路において、自動停車モードを実行中の自車両61の左右方向位置を示す。なお、自車両61が他車両62に追い越されるとは、他車両62がその進路を変えてその追い付いた自車両61の側方を通過し、自車両61の前方に出ることをいい、自車両61が他車両62に追い抜かれるとは、他車両62がその進路を変えないでその追い付いた自車両61の側方を通過し、自車両61の前方に出ることをいう。また、並走とは、自車両61と他車両62とが、互いに等速度で左右に並んで走行する場合だけでなく、自車両61と他車両62とが互いに異なる速度で走行して、一方が他方を追い越し又は追い抜いて、瞬間的に自車両61と他車両62とが互いに左右に並んだ状態になることを含む。
制御装置15の外界認識部40は、外界認識装置6によって検出された道路区画線や自車両61の周辺を走行する他車両62を認識する。制御装置15の自車位置認識部41は、外界認識部40が認識した情報に基づき、自車両61が走行している車線に対する自車両61の相対位置及び角度を認識する。制御装置15の行動計画部42は、自動運転モードにおいて、障害物がなく、かつ他車両62による自車両61の追い越し若しくは追い抜き、又は自車両61による他車両62の追い越し若しくは追い抜きが発生する等の自車両61に対する他車両62の並走が予想されない時、車線の中心を通るように、すなわち、自車両61の左右方向の中心が走行中の車線の中心線に一致するように、自車両61の走行軌道を設定する。なお、行動計画部42は、車線の中心よりも道路の左右方向の外側(左側通行では左側)に寄せて走行するように自車両61の走行軌道を設定してもよい。
自動運転モードにおいて、他車両62が自車両61を追い越し又は追い抜くとき、行動計画部42は、左右方向における他車両62とは反対側に自車両61を第1の幅だけずれた位置に移動させる軌道を設定し、走行制御部38はこの軌道に従って自車両61を操舵する、第1オフセット走行を実施する。第1オフセット走行では、他車両62が自車両61よりも前方に移動して、並走が終了すると、行動計画部42は、走行中の車線における左右方向の元の位置に戻るように軌道を設定し、走行制御部38はこの軌道に従って自車両61を操舵し、自車両61が走行中の車線の左右方向において元の位置に戻る。
自動運転モードでの走行中に、車両制御システム1から運転者に対して運転介入要求が報知された(図2のST1)にもかかわらず、ステアリングホイール、アクセルペダル及びブレーキペダルを含む運転操作装置10、乗員監視装置11,自動運転レベル切替スイッチ13、並びに入力インタフェース33を含む介入検知装置が運転者の介入の受諾意志を検知しないと、自動停車モードが開始される(ST11、図2のST2)。制御装置15は、自車両61を道路における最も外側の車線(左側通行では最も左側の車線)に移動させる。外界認識部40が、他車両62による自車両61の追い越し又は追い抜きが行われると認識すると(ST12のYes)、行動計画部42は、左右方向における他車両62とは反対側に自車両61を第2の幅だけずれた位置に移動させる軌道を設定し、走行制御部38はこの軌道に従って自車両61を操舵する、第2オフセット走行を実施する(ST13)。
第2の幅は第1の幅よりも大きい。また、第1の幅及び第2の幅は、自車両61が走行中の車線の道路区画線に対する自車両61の距離、例えば、車線の中心線から自車両61の左右方向幅の中心までの距離(図3の符号「a」)である。なお、第1の幅及び第2の幅を、他車両62及び自車両61における互いに対向する側面間の左右方向距離、すなわち、側方距離(図3の符号「b」)としてもよい。前者の場合は、第1の幅及び第2の幅の算出が容易であり、後者の場合は自車両61の安全性が高まる。外界認識装置6のレーダ17又はライダ18によって測定された自車両61から他車両62までの距離と、車外カメラ19で撮像された他車両62の画像における左右方向の幅とに基づいて、他車両62の実際の左右方向の幅を算出し、行動計画部42は、他車両62の左右方向が幅大きいほど、徐々に又は段階的に第1の幅及び第2の幅を大きく設定してもよい。これにより、自車両61の安全性を高め、他車両62にとって自車両61が障害となる度合いを小さくできる。又は、制御装置15は、外界認識装置6が検出した情報に基づいて他車両62の種別を検出し、他車両62の種別に応じて第1の幅及び前記第2の幅を設定してもよい。また、行動計画部42は、車線を区画する道路区画線を自車両61が越えないように第1の幅及び第2の幅を設定する。例えば、制御装置15は、自車両61が走行する車線が狭いほど、第1の幅及び第2の幅を狭く設定する。なお、自車両61が他車両62に接触するおそれがある場合は、行動計画部42及び走行制御部38は、この設定に優先して、他車両62との接触を避けるように自車両61を制御する。
外界認識部40は、自車両61が走行する車線を走行し、かつ自車両61よりも後方を走行している他車両62に対して、他車両62が車線の変更を開始し、かつ自車両61との相対距離が縮小している時に、他車両62による自車両61の追い越しが行われると認識する。なお、外界認識部40は、他車両62が方向指示器を点滅させ、又は他車両62が実際に左右に移動した時に、車線の変更を開始したと認識する。また、外界認識部40は、自車両61が走行する車線に隣接する車線を走行し、かつ自車両61よりも後方を走行している他車両62に対して、自車両61との相対距離が縮まってきている時に、他車両62による自車両61の追い抜きが行われると認識する。なお、不必要なオフセット走行を避けるため、制御装置15を、自車両61と並走する他車両62との間の側方距離が所定値より大きくなると予想され、オフセットしなくても安全性が高い場合は、追い越し又は追い抜きとは認識しないように設定してもよい。
また、制御装置15は、前記外界認識装置6が認識した情報に基づいて、自車両61と他車両62との相対距離及び相対速度を検出し、行動計画部42は、この相対距離及び相対速度に基づいて、第1及び第2オフセット走行を開始する時の相対距離や、第1及び第2オフセット走行における左右方向への移動速度を決定してもよい。例えば、行動計画部42は、相対速度が速いほど、相対距離が長い段階で、第1及び第2オフセット走行を開始するように軌道を設定し、自車両61の左右方向への移動速度を大きくする。また、第2オフセット走行は、第1オフセット走行よりも、相対距離が長い段階で開始してもよい。また、行動計画部42は、第2の幅を相対速度が大きいほど拡大してもよい。このような制御により、自車両61の安全性が高まるとともに、他車両62の運転者が安心して自車両61を追い越し又は追い抜くことができる。
他車両62が追い越し及び追い抜きを行い易いように、制御装置15は、第2の幅だけ左右方向にずれた位置での自車両61の走行を維持するように第2オフセット走行を継続してもよく、走行中の車線の左右方向における元の位置に自車両61を戻して第2オフセット走行を終了してもよい。
行動計画部42は、地図装置であるナビゲーション装置9から提供された情報に基づいて停車位置を決定する(図2のST3~ST6)。例えば、停車位置は、自車両61が走行中の車線に隣接する路肩(路側帯や非常駐車帯)であり、停車するべき路肩がない場合は車線内である。車線に沿って延在する路側帯を停車位置とすれば、間隔をおいて設けられる非常駐車帯を停車位置とする場合に比べて、早期に自車両61を停車させることができる場合が多い。走行制御部38は、他車両62による自車両61の追い越し又は追い抜きが行われると認識しなかった場合(ST12のNo)、及び、オフセット処理(ST13)後、自車両61が停車位置に接近すると(ST14のYes)、自車両61を停車位置に向けて移動させる(ST15)。自車両61が停車位置に接近していない場合(停車位置が未決定の場合を含む)(ST14のNo)、第2オフセット走行が継続していて自車両61が第2の幅だけずれた位置を走行している状態であれば(ST16のYes)ST14に戻り、第2オフセット走行が終了して自車両61が左右方向における元の位置に戻っていれば(ST16のNo)ST12に戻る。なお、ST12~14及び16の処理は、図2のST3~7の処理と並行して行われる。
第2の幅が第1の幅よりも大きいことによって、自動停車モードでは、自動運転モードに比べて、自車両61の安全性が高まるとともに、他車両62の運転者が高い安心感を得られるため、自車両61が他車両62にとって障害となることが抑制される。このため、他車両62との間に問題が発生する可能性を極小化できる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。上記実施形態は、レベル3の自動運転だけでなく他のレベルの自動運転中に、運転者に運転への介入要求が出され、運転者がこれを受諾できなかったときの停車運転モードに適用してもよい。
1 :車両制御システム
2 :車両システム
6 :外界認識装置
9 :ナビゲーション装置(地図装置)
11 :乗員監視装置(介入検知装置)
10 :運転操作装置(介入検知装置)
13 :自動運転レベル切替スイッチ(介入検知装置)
15 :制御装置
33 :入力インタフェース(介入検知装置)
61 :自車両(車両)
62 :他車両

Claims (12)

  1. 車両制御システムであって、
    車両の操舵、加速、及び減速を行う制御装置と、
    前記車両の周辺を走行する他車両を検出する外界認識装置とを有し、
    前記制御装置は、前記車両の操舵、加速、減速、及び周辺監視の少なくとも1つを行う自動運転モードと、前記車両の走行中に前記車両制御システム又は運転者による前記車両の走行の継続が困難である所定の条件が満たされたときに、前記車両を所定の停車領域内に停止させる自動停車モードとを実行可能であり、
    前記制御装置は、前記車両が前記自動運転モードで走行中に前記車両に対して並走する前記他車両と側方距離を広げるように前記車両の走行位置を車幅方向に前記車両を第1の幅だけオフセットする第1オフセット走行を実行し、前記車両が前記自動停車モードで走行中に前記車両に対して並走する前記他車両と側方距離を広げるように前記第1の幅よりも大きい第2の幅だけオフセットする第2オフセット走行を実施することを特徴とする車両制御システム。
  2. 前記外界認識装置は、車線を区画する道路区画線を検出し、
    前記第1の幅及び前記第2の幅は、前記車両が走行中の前記車線の前記道路区画線に対する前記車両の左右方向距離であることを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
  3. 前記第1の幅及び前記第2の幅は、並走する前記他車両と前記車両との間の側方距離であることを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
  4. 前記制御装置は、前記外界認識装置が検出した情報に基づいて前記他車両の左右方向の幅又は前記他車両の種別を検出し、
    前記制御装置は、前記他車両の左右方向の幅が大きいほど、前記第1の幅及び前記第2の幅を大きく設定し、又は、前記他車両の種別に応じて前記第1の幅及び前記第2の幅を設定することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の車両制御システム。
  5. 前記外界認識装置は、車線を区画する道路区画線を検出し、
    前記制御装置は、前記車両が走行する前記車線が狭いほど、前記第1の幅及び前記第2の幅を狭く設定することを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
  6. 前記制御装置は、前記第2オフセット走行の開始後、前記他車両による並走が終了した後も、前記第2の幅だけずれた位置での前記車両の走行を維持することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の車両制御システム。
  7. 前記制御装置は、前記外界認識装置が検出した情報に基づき、前記他車両と前記車両との相対距離を取得し、
    前記第2オフセット走行の開始時の前記相対距離は、前記第1オフセット走行の開始時の前記相対距離よりも長いことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の車両制御システム。
  8. 前記制御装置は、前記外界認識装置が検出した情報に基づき、前記他車両と前記車両との相対速度を取得し、
    前記制御装置は、前記第2の幅を前記相対速度が大きいほど拡大することを特徴とする請求項7に記載の車両制御システム。
  9. 地図装置を更に有し、
    前記制御装置は、前記地図装置によって提供された地図情報に基づき前記自動停車モードにおける前記所定の停車領域を決定することを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の車両制御システム。
  10. 前記制御装置は、前記自動停車モードにおいて、前記所定の停車領域を路肩に設定することを特徴とする請求項9に記載の車両制御システム。
  11. 前記制御装置は、前記自動停車モードにおいて、前記所定の停車領域として設定するべき前記路肩がない場合、前記所定の停車領域を車線内に設定することを特徴とする請求項10に記載の車両制御システム。
  12. 前記制御装置は、前記車両と並走する前記他車両との間の側方距離が所定値以上になると予想される場合に、前記車両に対して前記他車両が並走するとはみなさないことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の車両制御システム。
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