JP6936950B2 - 過共晶Al−Si合金粒子を製造する方法及び過共晶Al−Si合金粒子 - Google Patents
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Description
そのために、Al原料粉末とSi粉末を比較的低温で熱処理して過共晶Al−Si合金粉末を製造することを鋭意研究した。
本出願において、「均一な組成及び結晶組織」とは、組成が均一であり、かつ、金属結晶組織が均一であることを意味する。特に、均一な金属結晶組織とは、Al−Si過共晶については、Siが析出するものの、析出したSiが微細結晶であり均一に分散している状態をいう。
なお、660℃以下の温度ではSi粒子が未反応で残ってしまい、800℃を超えると、Al粒子全体がすべて融着して一体となってしまう。
原料として、Al粉末とSi粉末を使用し、NaCl粉末もPも使用しなかった。
高純度化学品のAl粉末の純度は99.9%であり、粒子径は30μmであった。なお、平均粒子径D50が30μm以下であった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は2μmであった。
得られた試料粉末は、表面が茶色の原料Si粉末にアルミ色が混じり、薄茶色であった。
得られた試料粉末の断面の形状観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。図3、図4は、得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図4の(b)は図3の部分拡大写真であり、図4の(a)は拡大位置を示している。
面分析の結果、左下の塊状物と右の球状物の断面にAlの強い分布が認められ、右の粉状物にSiの分布が認められた。
原料として、Al粉末とSi粉末を使用し、NaCl粉末もPも使用しなかった。
高純度化学品のAl粉末の純度は99.9%であり、粒子径は30μmであった。なお、平均粒子径D50が30μm以下であった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は2μmであった。
試料粉末の断面を作成し、得られた試料粉末のミクロ観察を、ニコン製金属顕微鏡エクリプスLV100を用いて行った。図6は、得られた試料粉末の断面のミクロ観察写真である。
断面のミクロ観察の結果、直径は種々であるが、円形の断面が多数観察された。試料粉末は粒子径の異なる多数の粒子であると認識される。円形断面の内部に棒状物が認められる。また、円形断面の内部に塊状物が認められる。
断面のミクロ観察の結果、直径は種々であるが、円形の断面が多数観察された。試料粉末は粒子径の異なる多数の粒子であると認識される。円形断面の内部に棒状物が認められる。また、円形断面の内部に塊状物が認められる。
面分析の結果、円形断面の内部に棒状体及び塊状体が存在する。
棒状体は、Al濃度が中程度であり、Si濃度も中程度であるが、塊状体は、Al濃度が低く、Si濃度が高いと見える。
原料として、Al粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaCl粉末を使用し、Pは使用しなかった。
高純度化学品のAl粉末の純度は99.9%であり、粒子径は30μmであった。なお、平均粒子径D50が30μm以下であった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は2μmであった。
そして、高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
AlSiの共晶点温度(580℃)以上の温度で熱処理した。
得られた試料粉末の形状観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。図13、図14は、得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図14の(b)は図13の部分拡大写真であり、図14の(a)は拡大位置を示している。
原料として、Al粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaCl粉末を使用し、Pは使用しなかった。
高純度化学品のAl粉末の純度は99.9%であり、粒子径は30μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は2μmであった。
そして、高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
AlSiの共晶点温度(580℃)以上の温度で熱処理した。
試料粉末の断面を作成し、得られた試料粉末のミクロ観察を、ニコン製金属顕微鏡エクリプスLV100を用いて行った。図16、図17は、得られた試料粉末の断面のミクロ観察写真である。
断面のミクロ観察の結果、直径は種々であるが、円形の断面が多数観察された。試料粉末は粒子径の異なる多数の粒子であると認識される。円形断面の内部に針状物が認められる。また、円形断面の内部に塊状物が認められる。
円形断面内の左に塊状物があるが、Al濃度が極めて低く、Si濃度が極めて高く、Si偏析物であると考えられる。
円形断面内の針状物は、Al濃度がやや低く、Si濃度が中ほどであり、AlとSiの合金であると考えられる。
原料として、Al粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaCl粉末を使用し、Pは使用しなかった。
高純度化学品のAl粉末の純度は99.9%であり、粒子径は30μmであった。なお、平均粒子径D50が30μm以下であった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は2μmであった。
そして、高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
Alの融点(660℃)以下かつAlSiの共晶点温度(580℃)以上の温度で熱処理した。
試料粉末の断面を作成し、得られた試料粉末のミクロ観察を、ニコン製金属顕微鏡エクリプスLV100を用いて行った。図23は、得られた試料粉末の断面のミクロ観察写真である。
断面のミクロ観察の結果、断面が円形で明度の高い球状体と断面が不定形で、内部に明度の異なる多数の点が含まれている塊状体と断面が小さな円形の多数の粉状体が認められる。
なお、図26の(b)は図23の部分拡大写真であり、図26の(a)は拡大位置を示している。図27の(b)は図26の(b)の部分拡大写真であり、図27の(a)は拡大位置を示している。図28の(b)は図23の部分拡大写真であり、図28の(a)は拡大位置を示している。
原料として、Al粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaCl粉末を使用し、またPも使用した。
高純度化学品のAl粉末の純度は99.9%であり、粒子径は30μmであった。なお、平均粒子径D50が30μm以下であった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は2μmであった。
そして、高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であり、高純度化学品のPを用いた。
Alの融点(660℃)以上かつAlSiの共晶点温度(580℃)以上の温度で熱処理した。
試料粉末の断面を作成し、得られた試料粉末のミクロ観察を、ニコン製金属顕微鏡エクリプスLV100を用いて行った。図29、図30は、得られた試料粉末の断面のミクロ観察写真である。
なお、図30の(b)は図29の部分拡大写真であり、図30の(a)は拡大位置を示している。
なお、図32の(b)は図31の部分拡大写真であり、図32の(a)は拡大位置を示している。
断面の形状観察の結果、円形の断面の内部には、明度の異なる塊状体は認められない。Siの偏析がないと考えられる。
原料として、Al粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaCl粉末を使用し、またPも使用した。
高純度化学品のAl粉末の純度は99.9%であり、粒子径は30μmであった。なお、平均粒子径D50が30μm以下であった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は2μmであった。
そして、高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であり、高純度化学品のPを用いた。
Alの融点(660℃)以上かつAlSiの共晶点温度(580℃)以上の温度で熱処理した。
試料粉末の断面を作成し、得られた試料粉末のミクロ観察を、ニコン製金属顕微鏡エクリプスLV100を用いて行った。図35、図36は、得られた試料粉末の断面のミクロ観察写真である。
なお、図36の(b)は図35の部分拡大写真であり、図36の(a)は拡大位置を示している。
なお、図38の(b)は図37の部分拡大写真であり、図38の(a)は拡大位置を示している。
原料として、Al粉末とSi粉末を使用し、反応助剤を使用せず、Si析出阻止剤としてPを添加した。
高純度化学品のAl粉末の純度は99.9%であり、粒子径は約30μmであった。なお、平均粒子径D50が30μm以下であった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のPを用いた。
試料粉末の断面を作成し、得られた試料粉末のミクロ観察を、ニコン製金属顕微鏡エクリプスLV100を用いて行った。図44は、得られた試料の断面の金属顕微鏡ミクロ観察写真である。
多数の灰色棒状物を内包する淡褐色の球状物が多数認められる。球状物の直径は様々である。
図45、図46は得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図46の(b)は図45の部分拡大写真であり、図46の(a)は拡大位置を示している。
表面の形態観察の結果、大きな球状物の表面に小さな粉状物が多数付着しているのが認められる。
断面の形態観察の結果、明度の高い棒状物が明度のやや低い円形断面の粒子の内部に散在していることが認められる。
図49は得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はAl分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。
面分析の結果、円形断面の広範囲の領域にわたってAlの分布が認められ、内部の針状の領域にSiの分布が認められる。なお、Oは包埋樹脂の成分からも検出される。
針状物は共晶Al−Siであると考えられる。
図51は得られた試料粉末の粒度分布を示すグラフである。測定結果から、得られた試料粉末の平均粒子径D50は44.3μmであった。
本発明の過共晶Al−Si合金粉末を型内で圧縮成形して粉体成形品を製造し、あるいは、本発明の過共晶Al−Si合金粉末をプラズマ炎で射出成形して層状体を製造することができる。
本発明の過共晶Al−Si合金粉末は、熱膨張率が鉄に近く、耐摩耗性、高熱伝導性である。そのため、ピストン用やシリンダー用材料及び構造材料等として産業上利用することが期待される。
2 原料混合粉末
3 真空容器
4 高周波加熱装置
5 配管
6 真空ポンプ
11 ガス抜き穴
Claims (4)
- Al粉末とSi粉末とを均一に混合した混合物をNaClとともにるつぼ内に収納し、真空排気後に、660〜750℃の温度で5時間以上保持し熱処理して、過共晶Al−Si合金粒子を製造する方法。
- Al粉末とSi粉末とを均一に混合した混合物をPとともにるつぼ内に収納し、真空排気後に、660〜750℃の温度で5時間以上保持し熱処理して、過共晶Al−Si合金粒子を製造する方法。
- Al粉末の純度が99.9%であり、平均粒子径D50が30μm以下であり、Si粉末の純度が99.9%以上であり、平均粒子径D50が1〜3μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の過共晶Al−Si合金粒子を製造する方法。
- 10Pa以下の真空度まで真空排気することを特徴とする請求項1又は2に記載の過共晶Al−Si合金粒子を製造する方法。
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JP2017074855A JP6936950B2 (ja) | 2017-04-04 | 2017-04-04 | 過共晶Al−Si合金粒子を製造する方法及び過共晶Al−Si合金粒子 |
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