JP5602480B2 - AlN改質層を備えたアルミナ粒子の製造方法 - Google Patents

AlN改質層を備えたアルミナ粒子の製造方法 Download PDF

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本発明は、アルミナ粒子の表面の少なくとも一部に、窒化アルミニウムからなる改質層を形成する、AlN改質層を備えたアルミナ粒子の製造方法に関し、また、これによって得られた改質アルミナ粒子からなる改質アルミナ粉末に関する。
アルミナ(Al2O3)は、絶縁性を備えると共に、熱伝導性に優れた材料であることから、例えば、耐火物として各種れんがの材料に使用されたり、セラミックス材料のひとつとして使用されるほか、主に樹脂などに添加されて、各種機能を付与する無機フィラー材として使われている。なかでも、エポキシ樹脂等の封止材に添加されるなど、半導体基板や半導体パッケージ等の電子デバイス製造における熱伝導性フィラーとしてよく知られている。
アルミナ粉末は、バイヤー法を利用したものや、溶射法を利用したものなど、その製造方法は既にいくつか存在し、また、粒子径や形状を制御する方法についても様々な検討がなされており、任意の形状のアルミナ粒子を作り分けることも可能になっている。
一方で、窒化アルミニウム(AlN)は、アルミナよりもさらに熱伝導性に優れた材料として知られている。アルミナの熱伝導率が3〜5W/mK程度であるのに対し、窒化アルミニウムのそれは、理論値でおよそ320W/mKであり、アルミナに比べて桁違いに大きい。そこで、窒化アルミニウム焼結体を粉砕して、平均粒子径が50μmを超える窒化アルミニウム粉末を樹脂に充填して用いる技術(特許文献1参照)などが提案されている。
ところが、窒化アルミニウムは、これまで主に焼結体原料として使用されており、代表的な製造方法であるアルミナ還元法(アルミナとカーボンの混合粉末を窒素中で加熱する)や、直接窒化法(金属アルミニウム粉末と窒素とを直接反応させる)では、数μm程度の微粒子でしか得られない。そのため、無機フィラー材として必要な10μm以上の粒子径のものを得るのが難しく、また、幅広い粒子径分布を持ったものや、高い球形状の窒化アルミニウム粒子が得られないことから、無機フィラー材としての利用は進んでいない。
なお、窒化アルミニウムの製造におけるアルミナ還元法として、代表的には、粒度0.5μm以下のアルミナ超微粒子と、黒鉛を粉砕した黒鉛粉とを混合したものを、坩堝に入れて、窒素気流下、1600℃以上の温度で2時間加熱し、更にその温度で4時間保持して、アルミナ超微粒子の粒度に近い0.2〜0.4μmの窒化アルミニウムを合成する方法として報告されたものがある(非特許文献1参照)。
特開2001−158610号公報
酒井利和、岩田稔,「アルミナ還元によるAlNの合成」,1974年,窯業協会誌,第82巻,第[3]号,p.181−183
このような状況のもと、本発明者等は、窒化アルミニウムの特性を活かして、新たな無機フィラー材の開発を目指して鋭意検討した結果、所定の粒子径を有したアルミナ粒子からなるアルミナ粉末を用いて、窒素雰囲気下で、マイクロ波による熱処理を施すことで、アルミナ粉末に含まれるアルミナ粒子の表面の少なくとも一部を、窒化アルミニウムに改質することに成功し、得られたものは、アルミナ粒子単独での熱伝導率をはるかに凌ぐ良熱伝導性を示すことが確認できたことから、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明の目的は、アルミナ粒子の表面の少なくとも一部に、窒化アルミニウム(AlN)からなる改質層を形成して改質アルミナ粒子を得るようにする、AlN改質層を備えたアルミナ粒子の製造方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、アルミナ粒子の表面の少なくとも一部に、窒化アルミニウム(AlN)からなる改質層が形成された改質アルミナ粒子からなる、改質アルミナ粉末を提供することにある。
すなわち、本発明は、粒子径が7μm以上のアルミナ粒子からなるアルミナ粉末と、カーボンが分散されたカーボン分散液とを混練し、カーボンが付着したアルミナ粉末を、窒素雰囲気下、マイクロ波による加熱により、1400℃以上1700℃以下の温度で5分間以上保持する熱処理によって、アルミナ粒子の表面の少なくとも一部に、窒化アルミニウムからなる改質層を形成することを特徴とする、AlN改質層を備えたアルミナ粒子の製造方法である。
また、本発明は、上記方法により得られたAlN改質層を備えたアルミナ粒子からなることを特徴とする、改質アルミナ粉末である。
本発明におけるAlN改質層を備えたアルミナ粒子(以下、単に「改質アルミナ粒子」という場合がある)の製造方法では、粒子径が7μm以上のアルミナ粒子からなるアルミナ粉末を用いるようにする。これより粒子径が小さいと、アルミナ粒子が凝集し易く、粉体ハンドリング(輸送)が困難であることのほか、フィラーとしての充填性にも劣るなど、実用的ではない。加えて、このような粒子径のアルミナ粒子からなるアルミナ粉末を使用するのは、後述するように、本発明で利用するAlNの合成反応を考慮したものである。すなわち、アルミナ粒子の粒径が7μm未満であると、アルミナ粒子の大部分が窒化アルミニウムになり、その結果として、初期粒子より小さな2〜3μm程度の微粉のAlNとアルミナとに分離生成してしまうため、目的とするような、改質アルミナ粒子が得られなくなる。
また、本発明で得られる改質アルミナ粒子からなる粉末を、例えば樹脂に充填して熱伝導性フィラーとして使用することなどを考慮すれば、好ましくは、アルミナ粉末は、平均粒子径(D50)が10μm以上であるのが良い。ちなみに、一般的に使用されるアルミナフィラーは、平均粒子径が25〜50μmである。この平均粒子径(D50)は、レーザー回折法により求めた、質量基準で累積百分率50%相当粒子径を言う。また、アルミナ粉末に含まれるアルミナ粒子の最大粒子径については、得られた改質アルミナ粒子の用途によって決めればよく、例えば、エポキシ樹脂等に混ぜてIC封止材の熱伝導性フィラーに使用するような場合を想定すれば、アルミナ粒子の粒子径は80μm以下であるのが望ましい。なお、本発明で用いるアルミナ粉末の製造手段については特に制限されず、例えば、バイヤー法を利用して得たものや、溶射法を利用したものなど、公知の方法で製造されたものを使用することができる。また、粒子径が7μm以上のアルミナ粒子からなるアルミナ粉末を用いるに際しては、例えば、目開き7μmの篩いを用いて篩下は除外するようにすればよい。
また、本発明における改質アルミナ粒子の製造方法では、カーボンが分散されたカーボン分散液を使い、上記のアルミナ粉末と混練して、アルミナ粉末にカーボンを付着させるようにする。この際、混練を十分に行うことで、アルミナ粉末を形成するアルミナ粒子の表面にカーボンを均質に付着させるようにするのが好ましい。このように、アルミナ粉末にカーボンを付着させる理由について、本発明で採用する方法では、アルミナ粒子の表面の少なくとも一部を窒化アルミニウムに改質するために、先ず、Al23とカーボン(C)との固相反応によりAl44C又はAl2OCを形成し、更に、マイクロ波加熱の高温下でAl2Oガスを発生させて、これが窒素ガスと反応することで、AlNが生成すると考えるためである。その際、本発明では、非特許文献1のように、アルミナからAlNを合成して、AlN粒子を得ることを目的とするのではなく、アルミナ粒子の表面の少なくとも一部又は全部を窒化アルミニウム改質して、アルミナ粒子を核にして残したまま、その表層部分に窒化アルミニウムからなる改質層を形成することを目的とする。そのため、下記で詳述するような熱処理の前に、アルミナ粉末とカーボン分散液とを十分混練して、アルミナ粉末を形成するアルミナ粒子に対して、均質にカーボンを付着させておき、アルミナ粒子の表面に付着したカーボンとの間で上記のような反応を進行させて、表層部のみをAlNに改質するようにする。
カーボン分散液に分散されたカーボンは、カーボン微粒子であるのが好ましく、より好適には、粒径0.01μm以上0.1μm以下のカーボン微粒子であるのが良い。カーボン分散液に分散させるカーボンは、カーボンブラックや煤をはじめ、天然由来のものや工業的に作られたものなど、いずれであっても良く、また、カーボン分散液には、界面活性剤、分散剤、膠等の樹脂、防腐剤、その他の添加剤などが含まれていても良い。このようなカーボン分散液として、本発明では、墨汁を好適に用いることができる。その際、アルミナ粉末を形成するアルミナ粒子の表面にカーボンを均質に付着させるようにするために、アルミナ粉末がスラリー状態になるように、カーボン分散液を添加するのが望ましい。なお、アルミナ粒子とカーボン分散液とを混練する際には、公知のボールミル等を用いることができ、また、アルミナ粒子の表面にカーボンが均質に付着するようにするために、好適には、ボールミルで10分〜60分間程度混練するのが良い。
そして、本発明では、カーボンを付着させたアルミナ粉末を、マイクロ波を用いて1400℃以上1700℃以下の加熱温度にした状態で、窒素雰囲気下、5分間以上保持する熱処理を行う。上記で説明したように、カーボン分散液との混合により、その表面にカーボンが付着したアルミナ粒子は、この熱処理によってカーボン層がマイクロ波を吸収し、Al23との間で固相反応が進行する。その際、Al44C又はAl2OCが生成し、更に、マイクロ波の加熱によりAl2Oガスが発生して、これが窒素(N2)と反応し、より安定な窒化アルミニウム(AlN)になって、Al23の表面が改質するものと考えられる。
上記熱処理において、マイクロ波による加熱が1400℃未満であると、Al2Oガスが生成しないため、窒素雰囲気下であっても、上記のような窒化反応が起こらないものと考えられる。そのため、本発明では、カーボンが付着したアルミナ粉末をマイクロ波により1400℃以上で熱処理するようにする。マイクロ波による加熱が1700℃を超えると、AlNの粒子成長が起こりはじめ、核となるアルミナ粒子との熱膨張差により、改質したAlN層が剥離したり、微細なAlN粒子とアルミナ粒子とに分離して形成されてしまうおそれがある。そのため、温度の上限は1700℃である。
また、熱処理の保持時間については、5分未満であると窒化反応が完全とはならないおそれがあることから、窒化反応を充分に進行させるために5分以上保持するようにする。保持時間が5分以上になれば窒化反応は充分に完了し、逆に、長時間保持するとAlNの粒子成長が促進されるおそれがあるため、保持時間は60分以下にするのが良い。この熱処理の際には、温度を一定に保持してもよく、或いはマイクロ波の出力を変えて温度を変動させるようにしてもよいが、熱処理の温度は1400℃以上1700℃以下の範囲になるようにする。
また、熱処理の雰囲気については、カーボンが付着したアルミナ粉末が熱処理される際に、窒素源が存在するような窒素雰囲気であれば特に制限はなく、例えば、所定の反応室内に予め窒素を充填させておいても良く、或いは、窒素を供給しながら、窒素気流下で熱処理するようにしても良い。アルミナ粒子の表面を窒化アルミニウム改質するのに必要な窒素の量については、形成するAlN改質層の厚みに応じて設定するようにすれば良い。すなわち、AlN改質層の厚みは0.1μm以上となるようにするのが良く、好ましくは0.1μm〜2μm以下、より好ましくは0.1μm〜1μm以下であるのが良い。少なくともAlN改質層の厚みが0.1μmあれば、フィラーとしての用途を考えれば、熱伝導率の向上に十分寄与する。なお、AlN改質層の厚みが2μmを超えると、前述したようなAlN粒子の成長が進んでしまったり、核となるアルミナ粒子との熱膨張差により、室温までの冷却時にアルミナ粒子の表面から剥離して、AlN粒子が分離生成されるおそれがある。
上記のような熱処理後は、室温まで放冷すると、灰色を呈した粉末状の反応物が得られる。この反応物は、一部で凝集して塊状のものも確認されるが、得られた反応物の粒子は、原料に用いたアルミナ粉末を構成するアルミナ粒子と略同じ形状を有して、粉末状態で回収される。得られた反応物の粒子の一部をEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)等を用いて観察すると、Al23の表面に、0.1μm〜1μm程度の厚さのAlNが存在していることが確認される。得られた反応物の粒子のなかには、アルミナ粒子の表面が改質したAlNによって全て被覆されたものもあれば、被覆が完全ではなく、一部にアルミナ粒子の表面が露出したものも確認される。これは、熱処理の前にアルミナ粉末とカーボン分散液とを混練した際に、アルミナ粒子の表面をカーボンで完全に被覆することができずに、カーボンが付着できなかったアルミナ粒子の部分であると考えられる。本発明では、アルミナ粒子の表面が全てAlN改質層で被覆されたものは勿論のほか、被覆が完全ではなく、一部にアルミナ粒子の表面が露出したようなものも、改質アルミナ粒子として含まれる。たとえAlN層での被覆が完全ではなくても、アルミナ粒子の表面の一部にAlN改質層を備えていれば、このような改質アルミナ粒子からなる粉末を、例えば、樹脂に充填して熱伝導性フィラーとして使用した際に、熱伝導性に優れた部分(AlN改質層)を通じて熱が伝導するため、支障はない。
また、熱処理により得られた本発明の改質アルミナ粒子は、更に、大気中で600℃以上800℃以下の温度で焼成するようにするのが好ましい。この焼成処理により、得られた改質アルミナ粒子に残存するカーボン(C)を除去することができる。
本発明の方法によれば、アルミナ粒子の表面の少なくとも一部に、窒化アルミニウムからなるAlN改質層を形成して、改質アルミナ粒子を得ることができる。本発明によって得られた改質アルミナ粒子は、表面に存在するAlNによって、アルミナ粒子単独の場合と比べてはるかに熱伝導性に優れ、また、核となるアルミナ粒子の粒径や形状を略引き継ぐことができるため、このような改質アルミナ粒子からなる改質アルミナ粉末は、無機フィラー材として好適に使用することができる。そればかりか、これまでにアルミナ粉末が使用されてきた各種用途においても適用可能であり、更に、新たな用途での使用や、新素材の開発も期待できる。
図1は、実施例1の熱処理に使用したマイクロ波加熱装置の概要を説明する模式図である。 図2は、実施例1において熱処理が終了するまで、熱電対で計測した測定温度の様子を示すグラフである。 図3は、実施例1で得られた反応物の粉末X線回折結果である。 図4は、実施例1で得られた反応物のSEM−EPMA観察結果である。 図5は、比較例1において熱処理が終了するまで、熱電対で計測した測定温度の様子を示すグラフである。 図6は、比較例1で得られた反応物の粉末X線回折結果である。
以下、実施例等に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例の内容に制限されるものではない。
[実施例1]
アルミナ粉末として、マイクロン社製球状アルミナ粉末AX10−32を用いた。このアルミナ粉末は、レーザー粒度分布測定機(CILAS製CILAS-920)を用いて質量基準で求めた50質量%平均粒子径(D50)は10μmであり、7μm〜11μmの粒子径を含んだ粒度分布を有して、純度99.8質量%のAl23粒子からなる。また、比表面積測定装置(BET法)を用いて求めた比表面積は0.28m2/gである。
上記アルミナ粉末を、篩い目が7μmの篩いを用いて超音波振動篩いにて粒子径が7μm未満の粒子を取り除いた後、50gを秤量し、テフロン(登録商標)製の容器に入れた。次いで、カーボン分散液として、市販の墨汁(呉竹精昇堂製、普通濃度、超微粒子タイプ)を用いて、上記テフロン(登録商標)容器に10g添加し、スラリー状の状態で手により混錬した後、120℃の乾燥器に入れて24時間乾燥させた。なお、上記墨汁を単独で蒸発皿に入れ、乾燥させて固形分量を求めたところ、10.3質量%の固化体が得られることが確認された。
上記で24時間乾燥させた、アルミナ粉末とカーボン分散液との混合物について、ボールミル(アサヒ理化製作所社製AV-2型)で30分間混錬・塊砕した。乾燥直後の上記混合物には、墨汁の膠成分が固化したと思われる板状物が確認されたが、混練・塊砕後に篩目144μmの篩で篩うことにより、篩下の粉状混練物のみを次工程の熱処理で用いるように回収した。ちなみに、この粉状混練物から10g抜き取り、これを大気中600℃で焼成すると、焼成後の質量は9.8gであったことから、墨汁由来のカーボンが0.2g付着したアルミナ粉末(2質量%相当のカーボンが付着したアルミナ粉末)が回収されたと考えられる。
次いで、上記で準備した粉状混練物(カーボン付着アルミナ粉末)45gを、戸田超耐火物製アルミナ坩堝(内径50mmφ、高さ55mm)に入れて(坩堝内に収容された粉状混練物の厚みは15mm程度になる)、図1に示したようなマイクロ波加熱装置を用いて、以下のような熱処理を行った。ここで、熱処理に用いたマイクロ波加熱装置は、2.45GHzマイクロ波発振機1、パワーモーター2、及び3-stab.チューターからなるマイクロ波発振本体が、鋼製のアプリケーター4に備え付けられており、このアプリケーター4には、カーボン付着アルミナ粉末6が入れられたアルミナ坩堝7が収容される。そして、アルミナ坩堝7の全周囲は、1600℃用の耐熱性を有した厚さ25mmセラミックファイバー8を3層ずつ用いて取り囲み、また、アルミナ坩堝7の内部には、アプリケーター4の外側から窒素ガスを供給できるように、窒素ガス挿入用のアルミナパイプ5が接続される。更には、坩堝7内に入れたカーボン付着アルミナ粉末の温度が把握できるように、アプリケーター4の外側からシース型熱電対9が取り付けられている。
上記のマイクロ波加熱装置を用いて、アルミナパイプ5から窒素(N2)を5L/minの割合で供給しながら、マイクロ波発振機1から1.2kWのマイクロ波を照射するようにした。そして、マイクロ波を40分間照射した時点で、カーボン付着アルミナ粉末の温度を示す熱電対9が1400℃を表示し、この状態を更に5分間保持する熱処理を行った。この5分間の熱処理の間、マイクロ波発振本体を調整して、カーボン付着アルミナ粉末の温度は1400℃で保持されるようにした。5分間の熱処理後、マイクロ波発振を停止して炉冷した。図2は、この実施例1において熱処理が終了するまで、熱電対で計測した測定温度の様子を示すグラフである。
アルミナ坩堝内の温度が室温になったところで、アルミナ坩堝から熱処理後の反応物を取り出したところ、灰色を呈し、一部で凝集した塊を含んだ粉末状態のものが42g回収された。この回収した反応物の一部を粉末X線回折により分析した。測定には、マックサイエンス社製M18Xceを用い、CuKα線を照射X線として、電圧40kV、電流200mA、走査範囲:2θ(回折角)=5〜95°、及び、走査速度5°/minの各条件で行った。結果を図3に示す。図3に示した結果からも分るように、カーボン(C)は認められずに、Al23とAlNに起因するピークのみが確認された。また、回収された反応物すべてを、更に大気中600℃で4時間の焼成を行ったところ、0.1質量%の質量が減少した。
上記で焼成した後の反応物を、エポキシ樹脂に埋め込み、ダイヤモンドカッターで切断後、研磨して観察試料を作製し、以下のようにしてSEM−EPMA観察を行った。観察には日本電子製JXA8100を用い、加速電圧15kV、照射電流1.989×10-8A、及び3000倍の条件で行った。そして、EMPAによる元素マッピングと同時にライン分析を実施した。結果を図4に示す。図4に示したN(窒素)及びAl(アルミニウム)のマッピング結果から分るように、7〜10μm程度の粒子径を有したアルミナ粒子の表面に、窒素を含んだ改質層が100〜1000nm程度形成されていることが確認できる。また、ライン分析結果によれば、アルミナ粒子の表面に相当する位置にNのピークが存在していることから、アルミナ粒子の表面にAlN改質層が形成されたことが裏付けられた。
以上の結果より、この実施例1によって、アルミナ粒子の表面に窒化アルミニウムからなるAlN改質層を備えた改質アルミナ粒子が得られ、熱処理後にアルミナ坩堝から回収した反応物は、上記のような改質アルミナ粒子からなる改質アルミナ粉末であることが分った。
[比較例1]
実施例1と同様にして準備した粉状混練物(カーボン付着アルミナ粉末)45gをアルミナ坩堝に入れ、実施例1と同じマイクロ波加熱装置を用いて、アルミナパイプ5から窒素(N2)を5L/minの割合で供給しながら、マイクロ波発振機1から1.2kWのマイクロ波を照射した。マイクロ波を40分間照射したところで、熱電対9が1400℃を表示したことを確認し、その時点で、直ちにマイクロ波発振を停止して炉冷するようにし、1400℃で5分間保持する熱処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして反応物を回収するようにした。図5は、この比較例1において熱処理が終了するまで、熱電対で計測した測定温度の様子を示すグラフである。マイクロ波による加熱では、再現性良い昇温挙動を示し、マイクロ波を40分間照射したところまでは、実施例1と略同じ温度曲線であることが分る。
アルミナ坩堝内の温度が室温になったところで、アルミナ坩堝から熱処理後の反応物を取り出したところ、灰色を呈し、一部で凝集した塊を含んだ粉末状態のものが44.8g回収され、実施例1の場合と比べて、質量減少は殆んど見られなかった。回収した反応物の一部を実施例1と同様にして粉末X線回折により分析したところ、図6に示すように、Al23に起因するピークのみが現れて、カーボン及びAlNの存在は確認されなかった。
[比較例2]
マイクロ波発振本体とアプリケーター4のかわりに、雰囲気調整が可能な電気炉を用いた加熱装置で熱処理を行った。実施例1と同様にして準備した粉状混練物(カーボン付着アルミナ粉末)45gをアルミナ坩堝に入れ、この坩堝を電気炉に入れて、アルミナパイプ5から窒素(N2)を5L/minの割合で供給しながら、坩堝内のカーボン付着アルミナ粉末の温度が1450℃になるまで加熱後、その温度で30分間保持した。その後、炉冷して、実施例1と同様にして反応物を回収するようにした。
アルミナ坩堝内の温度が室温になったところで、アルミナ坩堝から熱処理後の反応物を取り出したところ、色を呈し、一部で凝集した塊を含んだ粉末状態のものが44.9g回収され、実施例1の場合と比べて、質量減少は殆んど見られなかった。回収した反応物の一部を実施例1と同様にして粉末X線回折により分析したところ、Al23に起因するピークのみが現れて、カーボン及びAlNの存在は確認されなかった。
[熱伝導性の評価]
上記実施例1で得られた改質アルミナ粉末の熱伝導性を評価するために、次のようにして熱伝導率を測定した。先ず、室温にて、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂(東都化成株式会社製 YDF-170)10gに対して、硬化剤としてイミダゾール(四国化成株式会社製 商品名2P4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾール)0.1gを添加して、メノウ乳鉢でよく混合した。得られた混合物0.25gに対して、実施例1で得られた改質アルミナ粉末を50vol%になるように配合し、メノウ乳鉢でよく混合した。次いで、脱泡処理を行ない、金型(φ12.5mm、厚み1mm)に入れて、高温炉で150℃3時間、及び、200℃8時間の硬化処理を行い、室温まで冷却して、試験片を作製した。なお、比較対照にするために、改質アルミナ粉末のかわりに、実施例1で原料に使用したアルミナ粉末(マイクロン社製 球状アルミナ粉末AX10-32)を50vol%になるように配合して、上記と同様に試験片を作製した。
上記で用意した2種類の試験片について、それぞれレーザーフラッシュ法により熱伝導率を測定した。その際、熱伝導率を計算する上で、試験片を構成する材料の密度が必要となる。実施例1で得られた改質アルミナ粉末については、上述したSEM−EDXの線分析の結果から、アルミナ粒子表面の窒化アルミニウム相の厚みを見積もり、その厚みを用いて、アルミナ及び窒化アルミニウムの理論密度から、改質アルミナ粉末の密度を3.27とした。また、アルミナ粉末の密度は3.98とし、硬化剤を含んだエポキシ樹脂の密度は1.10とした。その結果、試験片の総括熱伝導率は、アルミナ粉末を配合したものでは1.2W/mkであったのに対し、実施例1で得られた改質アルミナ粉末を配合したものは1.4W/mkであり、約16%の熱伝導率の改善が認められた。
1:マイクロ波発振機
2:パワーモーター
3:3-stab.チューター
4:アプリケーター
5:窒素ガス挿入用アルミナパイプ
6:カーボン付着アルミナ粉末
7:アルミナ坩堝
8:セラミックファイバー
9:シース型熱電対

Claims (5)

  1. 粒子径が7μm以上のアルミナ粒子からなるアルミナ粉末と、カーボンが分散されたカーボン分散液とを混練し、カーボンが付着したアルミナ粉末を、窒素雰囲気下、マイクロ波による加熱により、1400℃以上1700℃以下の温度で5分間以上保持する熱処理によって、アルミナ粒子の表面の少なくとも一部に、窒化アルミニウムからなる改質層を形成することを特徴とする、AlN改質層を備えたアルミナ粒子の製造方法。
  2. カーボン分散液に含まれるカーボンは、粒径0.01μm以上0.1μm以下のカーボン微粒子である、請求項1に記載のAlN改質層を備えたアルミナ粒子の製造方法。
  3. アルミナ粉末は、平均粒子径(D50)が10μm以上である、請求項1又は2に記載のAlN改質層を備えたアルミナ粒子の製造方法。
  4. アルミナ粒子の表面の少なくとも一部に、厚さ0.1μm以上の窒化アルミニウム改質層を備える、請求項1〜3のいずれかに記載のAlN改質層を備えたアルミナ粒子の製造方法。
  5. アルミナ粒子の表面に窒化アルミニウムからなる改質層を形成した後、大気中で600℃以上800℃以下の温度で焼成する、請求項1〜4のいずれかに記載のAlN改質層を備えたアルミナ粒子の製造方法。
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