JP6936607B2 - ブレース構造及びブレースの構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ブレース構造及びブレースの構築方法に関する。
下記特許文献1には、柱・梁架構の対角線方向に引張ブレースを配置した耐震補強方法が記載されている。この耐震補強方法では、柱及び梁にそれぞれ連結帯板を巻き付け、この連結帯板に、引張ブレースを取付けるためのガセットを固定している。
特開昭54−41529号公報
上記特許文献1のように引張ブレースを用いて架構を耐震補強する場合、架構に水平力が作用した際に引張力は負担させられるが、圧縮力を負担させることは難しい。また、柱及び梁に連結帯板を巻き付けるため、スラブなどに連結帯板を貫通させるための孔を開ける必要がある。このためブレースの構築に手間がかかる。
本発明は上記事実を考慮して、引張力及び圧縮力を負担でき、かつ構築作業が容易なブレース構造及びブレースの構築方法を提供することを目的とする。
請求項1のブレース構造は、架構に設けられ、互いに対向する一対の連結部材と、
前記連結部材に連結され、木材又はコンクリートで形成された本体部材と前記本体部材の同軸上に配置され木材又はコンクリートで形成された調整部材とを備えたブレースと、前記本体部材及び前記調整部材を材軸方向に沿って貫通する貫通孔と、前記貫通孔に挿通され、前記一対の連結部材に両端部がそれぞれ固定された引張線材と、を有する。
請求項1のブレース構造は、架構に設けられた一対の連結部材間に、木材又はコンクリートで形成された本体部材と本体部材の同軸上にある調整部材とを備えたブレースを有している。これにより、架構に水平力が作用し連結部材間の距離が狭くなるとブレースに圧縮力が作用して、ブレースが圧縮力を負担する。
また、それぞれの連結部材にはブレースの貫通孔に挿通された引張線材の両端部が固定されている。これにより、架構に水平力が作用して連結部材間の距離が広くなると引張線材に引張力が作用して、引張線材が引張力を負担する。
さらに、ブレースは本体部材と調整部材とに分割されているため、分割されていない場合と比較して、ブレースを運搬しやすく連結部材間に配置しやすい。このためブレースの構築作業が容易である。
請求項2のブレース構造は、前記連結部材間の距離が広くなると引張力を前記引張線材が負担し、前記連結部材間の距離が狭くなると圧縮力を前記本体部材及び前記調整部材が負担する。
請求項3のブレース構造は、前記調整部材は、前記本体部材の下端部に配置されている。
請求項3のブレース構造においては、調整部材が本体部材の下端部に配置されている。このため、引張線材の下端部を本体部材の下端部から突出しないように貫通孔内へ引き上げて保持し、本体部材と連結部材との間に調整部材を配置した後、引張線材の保持状態を解除すると、引張線材が重力によって調整部材の貫通孔に挿通される。これにより、引張線材を容易に施工することができる。
請求項4のブレースの構築方法は、互いに対向する一対の連結部材を架構に設置する工程と、前記連結部材間の距離より短い本体部材の材軸方向に沿って形成された貫通孔へ引張線材を挿通する工程と、前記本体部材の一方の端部から突出した前記引張線材を、一方の前記連結部材に形成された孔へ通すと共に前記本体部材の他方の端部から突出しないように保持しながら前記一対の連結部材の間に前記本体部材を配置する工程と、前記本体部材と他方の前記連結部材との間の隙間に調整部材を配置してブレースを形成する工程と、前記引張線材の保持状態を解除して前記調整部材の材軸方向に沿って形成された貫通孔へ前記引張線材を挿通する工程と、前記引張線材の両端部を前記一対の連結部材にそれぞれ固定して、前記一対の連結部材の間に前記ブレースを固定する工程と、を備えている。
請求項4のブレースの構築方法によると、架構に設けられた一対の連結部材間に、本体部材と調整部材とを備えたブレースが構築される。これにより、架構に水平力が作用し連結部材間の距離が狭くなるとブレースに圧縮力が作用して、ブレースが圧縮力を負担する。
また、それぞれの連結部材には引張線材の両端部が固定されている。これにより、架構に水平力が作用して連結部材間の距離が広くなると引張線材に引張力が作用して、引張線材が引張力を負担する。
さらに、ブレースは本体部材と調整部材とに分割されているため、分割されていない場合と比較して、ブレースを運搬しやすく連結部材間に配置しやすい。
また、一対の連結部材の間に前記本体部材を配置する際に、引張線材を本体部材の端部から突出しないように保持する。その後、本体部材と連結部材との間に調整部材を配置して、引張線材の保持状態を解除する。これにより引張線材を貫通孔に挿通する。したがって、引張線材を容易に施工することができる。このためブレースの構築作業が容易である。
本発明によると、引張力及び圧縮力を負担でき、かつ構築作業が容易なブレース構造及びブレースの構築方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係るブレース構造を示した立面図である。 (A)は本発明の実施形態に係るブレース構造において上連結部材とブレースの本体部材との連結部を示した部分拡大断面図であり、(B)は(A)のB−B線断面図である。 (A)は本発明の実施形態に係るブレース構造において下連結部材とブレースの調整部材との連結部を示した部分拡大断面図であり、(B)は(A)のB−B線断面図である。 本発明の実施形態に係るブレースの構築方法において架構に上連結部材及び下連結部材を固定した状態を示す立面図である。 (A)は本発明の実施形態に係るブレースの構築方法において上連結部材の貫通孔へPC鋼棒を挿通した状態を示す立面図であり、(B)は本体部材を持ち上げて下連結部材との間に隙間を形成した状態を示す立面図である。 (A)は本発明の実施形態に係るブレースの構築方法において本体部材と下連結部材との間の隙間に調整部材を配置した状態を示す立面図であり、(B)は調整部材へPC鋼棒を挿通した状態を示す立面図である。 (A)は本発明の実施形態に係るブレース構造において本体部材の上端部に調整部材を配置した変形例を示す立面図であり、(B)は本体部材を分割し分割された本体部材の間に調整部材を配置した変形例を示す立面図であり、(C)は(B)における調整部材を示す斜視図である。
(架構)
図1に示すように、本実施形態に係るブレース構造20が適用される架構10は、鉄筋コンクリート造のラーメン架構とされ、鉄筋コンクリート製の柱12及び柱12に支持された梁14を備えている。
(ブレース構造)
ブレース構造20は、架構10における柱12及び梁14によって形成される略鉛直方向に沿った構面Hに適用される耐震補強構造であり、上梁14Uと柱12とが交差する入隅部Eから下梁14Dの中央部の上面Sへブレース50及びPC鋼棒60が架け渡されることにより、構面HにV字形状の耐震補強構造を形成している。なお、図1においては構面Hの中心線CL1と中心線CL1の右側部分のみが示されているが、中心線CL1の左側部分も同様の構成とされている。
(連結部材)
連結部材30は、ブレース50を架構10へ連結するための鋼製部材であり、互いに対向する一対の上連結部材32及び下連結部材42を備えている。
上連結部材32は、2枚の平板を互いに直交するように溶接(L継手)してL字型に形成されたベースプレート34と、ベースプレート34の入隅部(内側)に溶接されたリブ36と、リブ36の先端に溶接された連結板38と、を備えている。
ベースプレート34は、出隅部(外側)が上梁14Uと柱12とが略直交する入隅部Eに沿うように設置され、L字型のそれぞれの辺が上梁14Uの下面と柱12の側面とに対向している。またベースプレート34は、上梁14U及び柱12に、あと施工アンカーボルトBを用いて固定されている。
リブ36は、構面Hの面内方向に沿うようにベースプレート34の各辺(上梁14Uの下面に沿った辺及び柱12の側面に沿った辺)に溶接(T継手)された板材であり、下連結部材42に対向する部分が斜めに切断されている。この切断部分には、連結板38が溶接(T継手)されている。
連結板38は、構面Hの面外方向(面内方向と直交する方向)に沿って配置された略正方形の板材であり、図2(A)、(B)に示すように貫通孔38Hが4つ形成されている。この貫通孔38Hには、本発明における引張線材としてのPC鋼棒60が挿通されている。なお、図2(A)においては、あと施工アンカーボルトBの図示は省略されている。
また、リブ36においてベースプレート34に溶接された部分と連結板38に溶接された部分の間には、補強リブ39A、39Bが構面Hの面外方向に沿って溶接され、リブ36が構面Hの面外方向に変形することを抑制している。
図1に示すように、下連結部材42は、平板状のベースプレート44と、ベースプレート44の上面に溶接されたリブ46と、リブ46の先端に溶接された連結板48と、を備えている。
ベースプレート44は、下梁14Dの上面Sに沿うように設置され、あと施工アンカーボルトBを用いて下梁14Dに固定されている。
リブ46は、構面Hの面内方向に沿うようにベースプレート44の上面に溶接(T継手)された板材であり、上連結部材32に対向する部分が斜めに切断されている。この切断部分には、連結板48が溶接(T継手)されている。
連結板48は、構面Hの面外方向(面内方向と直交する方向)に沿って配置された連結板38と同形状(略正方形)の板材であり、図3(A)、(B)に示すように貫通孔48Hが4つ形成されている。この貫通孔48HにはPC鋼棒60が挿通されている。なお、図3(A)においては、あと施工アンカーボルトBの図示は省略されている。
また、リブ46とベースプレート44には補強リブ49Aが構面Hの面外方向に沿って溶接(T継手)され、リブ46が構面Hの面外方向に変形することを抑制している。さらに、リブ46と連結板48には補強リブ49Bが溶接され(T継手)、後述するブレース50からの支圧力をリブ46へ伝達している。
(ブレース)
図1に示すように、ブレース50は、上連結部材32と下連結部材42との間に配置され、本体部材52と、本体部材52より短い調整部材54と、を備えている。本体部材52及び調整部材54は、繊維方向が軸方向に沿うように配置された集成材を用いて形成された木製部材である。本体部材52と調整部材54とは同軸上に配置(中心線CL2を共有して配置)されており、本体部材52が上連結部材32側に配置され、調整部材54が下連結部材42側に配置されている。換言すると、調整部材54は本体部材52の下端部に配置されている。
図2(A)に示すように、本体部材52には貫通孔52Hが軸方向に沿って形成されている。貫通孔52Hは上連結部材32の連結板38に形成された貫通孔38Hと連通するように配置されており、貫通孔52Hには貫通孔38Hに挿通されたPC鋼棒60が挿通されている。
同様に図3(A)に示すように、調整部材54には貫通孔54Hが軸方向に沿って形成されている。貫通孔54Hは下連結部材42の連結板48に形成された貫通孔48Hと連通するように配置されており、貫通孔54Hには貫通孔48Hに挿通されたPC鋼棒60が挿通されている。
さらに、図2(A)に示す本体部材52の貫通孔52Hと、図3(A)に示す調整部材54の貫通孔54Hも、互いに連通するように配置されている。これにより、図1に示すように、PC鋼棒60は、下から順に下連結部材42の連結板48、ブレース50の調整部材54、本体部材52、上連結部材32の連結板38を貫通している。PC鋼棒60の上下端はそれぞれ連結板38、48から突出し、ナットN(図2(A)、図3(A)参照)が螺合されて連結板38、48に固定されている。これにより、ブレース50(本体部材52及び調整部材54)が連結部材30(上連結部材32及び下連結部材42)及びPC鋼棒60を介して架構10へ固定される。
なお、本実施形態においてナットNは図2(A)、図3(A)に示すようにダブルナットとされ緩みが抑制されているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えばシングルナットに緩み止めとしてスプリングワッシャーを用いてもよいし、緩み止めを設けずにシングルナットのみを用いることもできる。
(ブレースの構築方法)
ブレース50を架構10へ固定するためには、まず、図4に示すように、互いに対向する一対の連結部材30(上連結部材32、下連結部材42)を架構10に設置する。
具体的には、上連結部材32のベースプレート34を上梁14Uと柱12とが交差する入隅部Eに沿うように設置し、さらにベースプレート34を上梁14U及び柱12に、あと施工アンカーボルトBを用いて固定する。なお、ベースプレート34と、上梁14U及び柱12との間には、適宜無収縮モルタルを充填して施工精度を調整する。
同様に、下連結部材42のベースプレート44を下梁14Dの上面に設置し、さらにベースプレート44を下梁14Dに、あと施工アンカーボルトBを用いて固定する。なお、ベースプレート44と下梁14Dとの間には、適宜無収縮モルタルを充填して施工精度を調整する。
また、ブレース50の本体部材52の材軸方向に沿って形成された貫通孔52Hへ、PC鋼棒60を挿通する。
なお、図4に示すように、PC鋼棒60の長さL4は本体部材52の長さL2と調整部材54の長さL3の和より長く、さらに、上連結部材32の連結板38と下連結部材42の連結板48との間の距離L1より長い。また、長さL2と長さL3の和は距離L1以下とされ、距離L1と比較して概ね0〜50mm程度短い。
次に、図5(A)に示すように、本体部材52の一方の端面(上側の端面)から突出したPC鋼棒60を、上連結部材32の連結板38に形成された貫通孔38H(図2(A)参照)へ通す。
このとき、PC鋼棒60が挿通された本体部材52の上端寄りの部分52Uと下端寄りの部分52Dとを、それぞれ作業員が抱え、またPC鋼棒60が本体部材52の他方の端面(下側の端面)から落下しないように作業員が保持する。PC鋼棒60が本体部材52の下側の端面から落下しないようにするためには、本体部材52の下端面に当て板などを設置してもよい。
そして、上端寄りの部分52Uを抱えた作業員が、下端寄りの部分52Dを抱えた作業員の前方(図5(A)の紙面奥側)に立って、本体部材52の上端面から突出したPC鋼棒60の先端を、連結板38に形成された貫通孔38H(図2(A)参照)へ宛がう。そしてPC鋼棒60を貫通孔38Hへ挿入しながら、下端寄りの部分52Dを抱えた作業員が前方へ移動し、本体部材52の下端面を下連結部材42の連結板48へ載置する。
次に、図5(B)に示すように、PC鋼棒60が本体部材52の他方の端面(下側の端面)から落下しないようにPC鋼棒60を保持したまま、本体部材52を上連結部材32側へ寄せる。これにより、本体部材52の下端面と下連結部材42の連結板48との間に隙間V1を形成する。
次に、図6(A)に示すように、本体部材52の下端面と下連結部材42の連結板48との間の隙間(図5(B)における隙間V1)に調整部材54を配置する。これにより、上連結部材32と下連結部材42との間に、本体部材52と調整部材54とを備えたブレース50が形成される。なお、本体部材52と調整部材54とは、かすがいを用いて固定することができる。
次に、図6(B)に示すように、PC鋼棒60の保持状態を解除して、PC鋼棒60を重力によって自由落下させる。これによりPC鋼棒60は、調整部材54の貫通孔54H(図3(A)参照)へ挿通される。
次に、PC鋼棒60の上下端にナットN(図2(A)、図3(A)参照)を螺合して、PC鋼棒60の上下端を連結板38、48に固定する。これにより、ブレース50(本体部材52及び調整部材54)が連結部材30(上連結部材32及び下連結部材42)及びPC鋼棒60を介して架構10へ固定される。なお、本体部材52と上連結部材32との間及び調整部材54と下連結部材42との間には木製や樹脂製のスペーサーを適宜配置して、上連結部材32又は下連結部材42からの圧縮力が本体部材52へ伝わるようにする。
(作用・効果)
図1に示すように、本実施形態に係るブレース構造20では、ブレース50を構成する本体部材52及び調整部材54は、繊維方向が軸方向に沿うように配置された集成材を用いて形成された木製部材である。これにより、架構10に水平力が作用し上連結部材32と下連結部材42の間の距離が狭くなるとブレース50に圧縮力が作用して、本体部材52が圧縮力を負担する。
また、上連結部材32及び下連結部材42には、ブレース50(本体部材52、調整部材54)の貫通孔52H、54Hに挿通されたPC鋼棒60の両端部が固定されている。これにより、架構10に水平力が作用して連結部材間の距離が広くなるとPC鋼棒60に引張力が作用して、PC鋼棒60が引張力を負担する。
さらに、ブレース50は本体部材52と調整部材54とに分割されているため、分割されていない場合と比較して運搬しやすく、上連結部材32及び下連結部材42の間に配置しやすい。また、本体部材52と調整部材54とは木製であるため、鋼材などと比較して軽量である。このためブレース50の構築作業が容易である。
また、本実施形態に係るブレース構造20では、調整部材54が本体部材52の下端部に配置されている。このため、図5(B)に示すようにPC鋼棒60を本体部材52の下端部から貫通孔52H(図2(A)参照)内へ引き上げて保持し、図6(A)に示すように本体部材52と下連結部材42との間に調整部材54を配置した後、PC鋼棒60の保持状態を解除すると、PC鋼棒60が重力によって調整部材54の貫通孔54H(図3(A)参照)に挿通される。これにより、PC鋼棒60を容易に施工することができる。
なお、本実施形態において本体部材52及び調整部材54は集成材とされているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば本体部材52、調整部材54の何れか又は双方を、無垢材、LVL、木質チップを圧縮成形した材料、粉末木材と樹脂との合成材などの木製材料を用いて形成してもよい。または、コンクリートを用いて形成してもよい。このように、本実施形態に係るブレース構造20では、必要な圧縮強度に応じて適宜材料を選択して用いることができる。
また、本実施形態において、調整部材54を本体部材52の下端部に配置しているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば調整部材54は本体部材52の上端部に配置してもよい。この場合、本体部材52の設置時、図7(A)に示すようにPC鋼棒60は本体部材52の上端面ではなく下端面から突出させて、下連結部材42における連結板48の貫通孔48H(図3(A)参照)へ挿通する。
そして、本体部材52の上端面と上連結部材32における連結板38との間の隙間V2に調整部材54を配置する。その後、PC鋼棒60を持ち上げて調整部材54の貫通孔54H(図3(A)参照)へ挿通する。
このように調整部材54を本体部材52の上端部に配置することで、本体部材52を連結板48の上に載置した状態で調整部材54を設置することができる。このため本体部材52を持ち上げた状態で保持する必要がなく作業性がよい。
また、図7(B)に示すように、本体部材52を上部材52A及び下部材52Bに分割して構成し、調整部材54Nを上部材52Aと下部材52Bとの間に配置してもよい。調整部材54Nは、PC鋼棒60を被覆するように配置するため、図7(C)に示すように分割して構成し、上部材52Aと下部材52Bとの間に配置した後、長ビス90等を用いて一体化する。
また、本実施形態においては引張線材としてPC鋼棒60を用いているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えばPC鋼線(所謂ワイヤー)や、炭素繊維ワイヤーなどを用いてもよい。
このようにPC鋼棒と比較して可撓性の高い材料を用いれば、引張線材はあらかじめ本体部材52の貫通孔52Hへ挿通しておかなくてもよい。すなわち、本体部材52及び調整部材54を、上連結部材32と下連結部材42との間に配置した後で、下連結部材42の連結板48、ブレース50の調整部材54、本体部材52及び上連結部材32の連結板38へ、引張線材を一度に挿通することができる。また、上述したように調整部材を上部材52Aと下部材52Bとの間に配置する場合においても、調整部材を調整部材54Nのように分割せずに形成できる。
また、本実施形態においては図6(B)に示すように、PC鋼棒60を本体部材52の貫通孔52H(図2(A)参照)と調整部材54の貫通孔54H(図3(A)参照)の双方へ挿通してからPC鋼棒60の上下端を連結板38、48に固定しているが、本発明の実施形態はこれに限らない。
例えば図5(B)又は図6(A)に示すように、PC鋼棒60を調整部材54へ挿通させていない状態で、PC鋼棒60の上端部だけにナットNを螺合してもよい。このようにすれば、調整部材54の配置後、PC鋼棒60を重力により自由落下させた際に、ナットNが連結板38に係止するため、PC鋼棒60の上端部が本体部材52の貫通孔52Hに入り込むことを抑制できる。
また、本実施形態においてブレース50は、図1に示すように架構10の構面HにV字型に配置されるものとしたが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば上連結部材32と下連結部材42の上下関係を入れ替えて、ブレース50を逆V字型に配置してもよい。あるいは、下連結部材42を上連結部材32と同様に構成して下梁14Dと柱12(中心線CL1の左側の柱。不図示。)の入隅部に配置して、ブレース50を構面Hの対角線上に配置するものとしてもよい。
また、本実施形態において架構10は鉄筋コンクリート製のラーメン構造としたが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば鉄骨構造としてもよい。この場合、上連結部材32及び下連結部材42は鉄骨柱及び鉄骨梁に溶接すればよい。またブレース構造20は、梁又は柱のない構造形式に適用することもできる。この場合、上連結部材32及び下連結部材42はスラブや構造壁に固定すればよい。
10 架構
20 ブレース構造
30 連結部材
32 上連結部材(連結部材)
38H 貫通孔(孔)
42 下連結部材(連結部材)
48H 貫通孔(孔)
50 ブレース
52 本体部材
52H 貫通孔
54 調整部材
54H 貫通孔
60 PC鋼棒(引張線材)

Claims (4)

  1. 架構に設けられ、互いに対向する一対の連結部材と、
    前記連結部材に連結され、木材又はコンクリートで形成された本体部材と前記本体部材の同軸上に配置され木材又はコンクリートで形成された調整部材とを備えたブレースと、
    前記本体部材及び前記調整部材を材軸方向に沿って貫通する貫通孔と、
    前記貫通孔に挿通され、前記一対の連結部材に両端部がそれぞれ固定された引張線材と、
    を有するブレース構造。
  2. 前記連結部材間の距離が広くなると引張力を前記引張線材が負担し、
    前記連結部材間の距離が狭くなると圧縮力を前記本体部材及び前記調整部材が負担する、請求項1に記載のブレース構造。
  3. 前記調整部材は、前記本体部材の下端部に配置されている、請求項1又は2に記載のブレース構造。
  4. 互いに対向する一対の連結部材を架構に設置する工程と、
    前記連結部材間の距離より短い本体部材の材軸方向に沿って形成された貫通孔へ引張線材を挿通する工程と、
    前記本体部材の一方の端部から突出した前記引張線材を、一方の前記連結部材に形成された孔へ通すと共に前記本体部材の他方の端部から突出しないように保持しながら前記一対の連結部材の間に前記本体部材を配置する工程と、
    前記本体部材と他方の前記連結部材との間の隙間に調整部材を配置してブレースを形成する工程と、
    前記引張線材の保持状態を解除して前記調整部材の材軸方向に沿って形成された貫通孔へ前記引張線材を挿通する工程と、
    前記引張線材の両端部を前記一対の連結部材にそれぞれ固定して、前記一対の連結部材の間に前記ブレースを固定する工程と、
    を備えたブレースの構築方法。
JP2017076115A 2017-04-06 2017-04-06 ブレース構造及びブレースの構築方法 Active JP6936607B2 (ja)

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