JP6935642B2 - 水溶性ミスト加工用ドリル - Google Patents
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Description
まず、本発明の実施形態の概要について説明する。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態(以降、本実施形態と称する)の詳細について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
凹部7は、たとえばJEOL社製の走査電子顕微鏡(型番:JSM−6610A)の反射電子画像を用いて測定することができる。図7は、本実施形態に係る水溶性ミスト加工用ドリル100の中間領域3の一部を撮影した反射電子画像である。反射電子は、試料を構成する物質の原子番号が大きい程、多く放出される。そのため、反射電子画像においては、重い原子で構成された部分は明るく表示され、軽い原子で構成された部分は暗く表示される。つまり、反射電子画像においては、試料の組成の違いを識別することができる。図7において、明るく表示されている部分は、超硬合金が露出している部分である。反対に、暗く表示されている部分は、ダイヤモンドライクカーボンが残っている部分である。当該反射電子画像を用いて、明るく表示されている領域を凹部として特定することができる。当該反射電子画像を用いて凹部7の数を算出することにより、200μm×200μmの正方領域あたりの凹部7の数を算出することができる。
凸部8は、たとえばJEOL社製の走査電子顕微鏡(型番:JSM−6610A)の二次電子画像を用いて測定することができる。図8は、本実施形態に係る水溶性ミスト加工用ドリル100の中間領域3の一部を撮影した二次電子画像である。二次電子は、試料を構成する原子の価電子が放出されたものである。二次電子は、エネルギーが極めて小さいため、試料の表面付近で生成されたものだけが試料の外に放出される。そのため、二次電子画像においては、試料の表面形状を識別することができる。図8において、明るく表示されている丸い領域は、ダイヤモンドライクカーボン膜の表面が突出した部分である。当該反射電子画像を用いて、明るく表示されている丸い領域を凸部として特定することができる。当該反射電子画像を用いて凸部8の数を算出することにより、200μm×200μmの正方領域あたりの凸部8の数を算出することができる。なお、図8の測定領域は、図7の測定領域と同じである。
まず、ドリルの基材が準備される。ドリルの基材の材料は、たとえば超硬合金である。次に、基材の表面にダイヤモンドライクカーボン膜が形成される。ダイヤモンドライクカーボン膜は、たとえばPVD法を用いて形成される。たとえば基材が、真空チャンバの内部に配置される。真空チャンバ内でアーク放電を発生させることで、原料となるグラファイトのターゲットの表面から炭素イオンが発生する。炭素イオンが基材の表面に堆積することにより、基材上にダイヤモンドライクカーボン膜が形成される。
本実施形態に係る水溶性ミスト加工用ドリル100によれば、第1マージン部1と第2マージン部2との間に設けられた中間領域3において、底部5aがダイヤモンドライクカーボン膜6から露出した基材5により構成されている凹部7が設けられている。凹部7の数は、200μm×200μmの正方領域あたり800個以上である。ミスト状の水溶性潤滑剤は、超硬合金などの基材の表面に吸着しやすい性質を有する。そのため、ミスト状の水溶性潤滑剤が、基材が露出した底部を有する凹部内に入り込む。結果として、中間領域の表面は、ダイヤモンドライクカーボンとミスト状の水溶性潤滑剤が溜まった凹部とにより構成される。これにより、潤滑性を向上することができると考えられる。よって、中間領域に被削材の切屑が溶着することを抑制することができる。
まず、中間領域3における凹部7(図4参照)の数の異なるサンプル1および2の水溶性ミスト加工用ドリルを準備した。サンプル1および2の水溶性ミスト加工用ドリルの中間領域における凹部の数(言い換えれば、基材の露出部の数)を、200μm×200μmの正方領域あたり、それぞれ999個および271個とした。凹部の数は、前述の測定方法により算出した。
サンプル1および2の水溶性ミスト加工用ドリルを用いて、水溶性ミスト供給孔からミスト状の水溶性潤滑剤を噴射しながら、被削材に対して穴あけ加工を行った。水溶性潤滑剤としてエマルジョンを使用した。ミストの直径を約15μm以下とした。被削材をアルミニウム合金(ADC12材)とした。穴の径をφ7.5とした。穴をストップホールとした。穴の深さを25mmとした。切削速度(Vc)を200m/分とした。1回転あたりの送り速度(f)を0.5mm/回転とした。上記条件を用いて穴あけ加工試験を実施し、加工穴数を測定した。
2 第2マージン部
3 中間領域
4 外周面
5 基材
5a 底部
6 ダイヤモンドライクカーボン膜
6a 表面
6b 境界面
6c 側部
7 凹部
8 凸部
9 切刃
10 すくい面
11 水溶性ミスト供給孔
12 後方逃げ面
13 シャンク
15 先端部
16 後端部
20 逃げ面
50 シンニング面
100 水溶性ミスト加工用ドリル
A 軸線
H 厚み
W1,W2 最大径
Claims (3)
- すくい面と、
前記すくい面と連なる逃げ面と、
前記すくい面および前記逃げ面の双方に連なる外周面とを備え、
前記すくい面と前記逃げ面との稜線は、切刃を構成し、
前記外周面は、2以上のマージンと、前記2以上のマージンの間に設けられた中間領域とを含み、
前記中間領域には、側部と、前記側部に連なる底部とにより規定され、かつ前記底部の最大径が0.5μm以上1μm以下である凹部が設けられており、
前記側部は、ダイヤモンドライクカーボン膜により構成され、
前記底部は、前記ダイヤモンドライクカーボン膜から露出した基材により構成されており、
前記ダイヤモンドライクカーボン膜と前記基材との境界面に対して垂直な方向から見て、前記凹部の数は、200μm×200μmの正方領域あたり800個以上である、水溶性ミスト加工用ドリル。 - 前記ダイヤモンドライクカーボン膜の厚みは、0.1μm以上1.0μm以下である、請求項1に記載の水溶性ミスト加工用ドリル。
- 前記ダイヤモンドライクカーボン膜には、前記境界面に対して垂直な方向から見て、最大径が1μm以上20μm以下の凸部が設けられており、
前記凸部の数は、200μm×200μmの正方領域あたり、1個以上20個以下である、請求項1または請求項2に記載の水溶性ミスト加工用ドリル。
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JP2017228066A JP6935642B2 (ja) | 2017-11-28 | 2017-11-28 | 水溶性ミスト加工用ドリル |
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- 2017-11-28 JP JP2017228066A patent/JP6935642B2/ja active Active
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