JP6935311B2 - スプライン伸縮軸の製造方法 - Google Patents

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本発明は、車両用ステアリング装置において操舵力を伝達するインターミディエイトシャフトなどのスプライン伸縮軸の製造方法に関する。
従来より、この種のスプライン伸縮軸の1つであるインターミディエイトシャフトは、ハンドルの操舵感向上のためにシャフト(内軸)とスリーブ(外軸)のスプラインのガタを極力小さくして回転方向の遊びを例えば5μm以下にし、伸縮に伴う摺動荷重が低いことが要求される。そのため、内軸の外スプラインに樹脂コーティング層を施している。例えば、仕上前の樹脂コーティング層の外径と外軸の内径とを負隙間の状態にして内軸と外軸を高速で摺動させ摩擦熱で表面の樹脂を溶かし、外軸側のスプライン歯面にフィットさせる内軸側の歯面を形成している。これにより、内軸と外軸の両歯の噛み合いの摩擦抵抗を低減し、両歯の摩耗を抑制したり、伸縮軸の使用初期における両軸間のガタを少なくしたりしている。また、両軸間の摺動荷重を低くできることにより、車両等への伸縮軸の組み付け作業を容易にし、かつ耐久性を向上させることができる上、両軸間のスティックスリップ振動を抑制することで、静粛性を向上させている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−38561号公報
近年主流となっているインターミディエイトの内軸は、通常ユニバーサルジョイントが装着されている。ユニバーサルジョイントは、角度が自在に変化しても回転角度が変わらないため回転トルクを確実に伝えることができる。この角度が自在に変化する、回転角度が変わらないという特性を利用して、2個でワンセットになっている一方のジョイントをクランプして摺動させることで内軸と外軸が互いに倣い、すなわち求心しながら内軸の樹脂コーティング層を均一に形成することを行っている。
しかし、樹脂コーティング層を仕上げ加工する段階でユニバーサルジョイントが装着されていない場合も想定され、そのような場合には、内軸をクランプしたときに、内軸と外軸の芯が異なっていれば、そのまま摺動されて均一な仕上後の樹脂コーティング層を形成できない。そのため、均一な樹脂コーティング層を形成するための工夫が必要である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユニバーサルジョイントが設けられていないようなクランプしづらい状態のスプライン伸縮軸であっても、外軸と内軸とで芯合わせをした状態で摺動させることにより、簡単かつ精度よく樹脂コーティング層の仕上加工を行えるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、外軸及び内軸の少なくとも一方をラジアル方向に移動させて求心させながら摺動させて樹脂コーティング層を仕上げるようにした。
具体的には、第1の発明では、
内スプラインが内周面に形成された外軸と、
外スプラインが外周面に形成され、該外スプラインと上記内スプラインとが摺動可能なように結合される内軸と、
上記内スプライン及び上記外スプラインの少なくとも一方を樹脂コーティング層で被覆したスプライン伸縮軸を製造する方法において、
上記内スプライン及び上記外スプラインの少なくとも一方を樹脂材料で被覆して上記樹脂コーティング層を形成する仕上前の樹脂コーティング層形成工程と、
上記仕上前の樹脂コーティング層が形成された内軸及び外軸を上記外スプラインと上記内スプラインとが摺動可能なように結合する結合工程と、
上記結合工程後の上記内軸の一端を内軸側治具で掴む内軸把持工程と、
上記結合工程後の上記外軸の一端を外軸側治具で掴む外軸把持工程と、
上記内軸の一端及び上記外軸の一端を掴んだ状態で、上記内軸側治具と上記外軸側治具とを相対的に上記スプライン伸縮軸の軸方向に沿って往復運動させ、上記内軸側治具及び上記外軸側治具の少なくとも一方において上記内軸又は上記外軸を求心させながら上記仕上前の樹脂コーティング層を対応する上記外スプライン又は上記内スプラインに倣わせて仕上後の樹脂コーティング層を形成する樹脂コーティング層仕上工程とを含む。
上記の構成によると、内軸側治具で内軸を掴み、外軸側治具で外軸を掴み、内軸側治具及び外軸側治具の少なくとも一方において内軸又は外軸を求心させながら、内軸側治具と外軸側治具とを相対的にスプライン伸縮軸の軸方向に沿って往復運動させるので、仕上前の樹脂コーティング層を摩擦熱等で軟化させてスプライン形状に倣わせるときに偏ることなく均一な膜厚に仕上げることができる。
第2の発明では、第1の発明において、
上記樹脂コーティング層仕上工程において、
上記内軸側治具に形成した溝に配置したボールで上記内軸をラジアル方向に移動可能に支持して該内軸を求心させながら、及び/又は、
上記外軸側治具に形成した溝に配置したボールで上記外軸をラジアル方向に移動可能に支持して該外軸を求心させながら、
上記内軸側治具と上記外軸側治具とを相対的に上記スプライン伸縮軸の軸方向に沿って往復運動させる。
上記の構成によると、内軸及び外軸の少なくとも一方をボールでラジアル方向に移動可能に支持することで、内軸と外軸との相対的な摺動動作のときに自動で求心作用が働き、中心が揃って樹脂コーティング層が均一な仕上がりとなる。
第3の発明では、第2の発明において、
上記内軸把持工程において、
上記内軸の一端を上記内軸側治具のクランプ機構で掴んで固定すると共に、該クランプ機構にユニバーサルジョイントを接続し、
上記樹脂コーティング層仕上工程において、
上記外軸の一端を、上記外軸側治具の上記ボールでラジアル方向に移動可能に支持した状態で上記外軸を求心させながら上記仕上前の樹脂コーティング層を対応する上記外スプライン又は上記内スプラインに倣わせて仕上後の樹脂コーティング層を形成する。
上記の構成によると、内軸の一端にユニバーサルジョイントを一時的に結合させることで、従来より使用していた上下振動発生装置も使用できる。また、外軸に求心作用が働くと共に、ユニバーサルジョイントの作用で中心が揃って樹脂コーティング層が均一な仕上がりとなる。
第4の発明では、第3の発明において、
上記外軸把持工程において、
C字状の溝が形成された外軸側治具本体の開口部から上記外軸を挿入し、該C字状の溝に配置したボールの上に上記外軸の一部を載置する。
上記の構成によると、外軸を開口部側から外軸側治具本体に容易に挿入でき、挿入後の外軸がC字状の溝内のボールによって移動可能に支持されるので、スプライン伸縮軸の摺動時に求心動作が促される。
第5の発明では、第3の発明において、
上記外軸把持工程において、
一対の直線状の溝が形成された外軸側治具本体の開口部から上記外軸を挿入し、該一対の直線状の溝に配置したボールの上に上記外軸の一部を載置する。
上記の構成によると、外軸を開口部側から外軸側治具本体に容易に挿入でき、挿入後の外軸が一対の直線状の溝内のボールによって移動可能に支持されるので、スプライン伸縮軸の摺動時に求心動作が促される。特に外軸の一端に半径方向外側に延びる一対のピンが設けられているような場合、円周方向で均等に支持しにくいが、一対のピンをそれぞれの直線状の溝に配置されたボールで支持すれば適切に求心作用が働く。
第6の発明では、第4又は5の発明において、
上記外軸把持工程において、
上記外軸の一部を、上記溝の内面に対して所定の隙間を保って嵌め込んだワーク受けを介して上記ボールに支持する。
上記の構成によると、ワーク受けが所定の隙間の範囲において、回転するボールに支持された状態で動くので、外軸の芯合わせが容易である。
第7の発明では、第4から第6のいずれか1つの発明において、
上記外軸把持工程において、
上記外軸の一端を軸受のボールを当接させた状態で押さえ込む。
上記の構成によると、軸受のボールを介して外軸の一端を押さえ込むので、外軸の求心動作を阻害させずに外軸が保持される。
以上説明したように、本発明によれば、ユニバーサルジョイントが設けられていないようなクランプしづらい状態のスプライン伸縮軸であっても、スプライン伸縮軸の外軸と内軸とを求心させながら摺動させて仕上後の樹脂コーティング層を簡単かつ精度よく成形することができる。
図2のIA部拡大正面図である。 図1AのIB−IB線断面図である。 図1AのIC−IC線断面図である。 実施形態1に係るインターミディエイトシャフトを上下振動発生装置に把持した状態を示す正面図である。 図2のIIIA部拡大断面図である。 図3AのIIIB−IIIB線断面図である。 実施形態2に係る図1A相当図である。 図4AのIVB−IVB線断面図である。 図4AのIVC−IVC線断面図である。 実施形態2に係る図3A相当図である。 図5AのVB−VB線断面図である。 実施形態3に係る図3A相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図2は本発明の実施形態1に係るスプライン伸縮軸としてのインターミディエイトシャフト1を上下振動発生装置(図示せず)に把持した状態を示し、このインターミディエイトシャフト1は、内スプライン2aが内周面に形成された外軸2と、外スプライン3aが外周面に形成され、外スプライン3aと内スプライン2aとが摺動可能なように結合される内軸3とを備えている。詳しくは図示しないが本実施形態では、外スプライン3aが仕上前の樹脂コーティング層4で覆われている。この仕上前の樹脂コーティング層4は、内スプライン2a側にのみ設けられていてもよいし、外スプライン3aと内スプライン2aの両方に設けられていてもよい。図1Aに二点鎖線で示すように、外軸2の上端には、リング状のフランジ部5が設けられている。一方、図3Aに示すように、内軸3の下端には、ユニバーサルジョイント等を接続するための接続用スプライン3bが加工されている。図3Bにも示すように、この接続用スプライン3bが加工されている部分の一部が機械加工されて平坦な被押圧部3cが形成されている。本実施形態のインターミディエイトシャフト1は、仕上前の樹脂コーティング層4が形成され、この仕上前の樹脂コーティング層4が形成された内軸3及び外軸2を外スプライン3aと内スプライン2aとが摺動可能なように結合される。この状態では、従来のようにユニバーサルジョイントが内軸3及び外軸2のいずれにも取り付けられていない。
そして、この仕上前の樹脂コーティング層4が形成されたままの状態では、外スプライン3aの仕上前の樹脂コーティング層4の外径と外軸2の内スプライン2aの内径とが負隙間の状態となっている。このまま使用すると、仕上前の樹脂コーティング層4とスプライン溝との間の隙間が偏って形成されてしまう場合があるという問題がある。このため、この仕上前の樹脂コーティング層4の仕上げ加工が必要となる。
次に、本実施形態に係るインターミディエイトシャフト1の製造方法について説明する。
まず、樹脂コーティング層形成工程で外スプライン3aを樹脂材料で被覆して仕上前の樹脂コーティング層4が形成された内軸3と外軸2とを用意する。樹脂材料としては、特に限定されないが、例えば、ナイロン系樹脂等が使用される。
次いで、結合工程において、仕上前の樹脂コーティング層4が形成された内軸3と外軸2とを外スプライン3aと内スプライン2aとが摺動可能となるように結合する。このとき、外スプライン3aの仕上前の樹脂コーティング層4の外径と外軸2の内スプライン2aの内径とで偏りが存在している場合がある。
次いで、内軸把持工程において、結合工程後の内軸3の一端(下端)を内軸側治具30で掴む。具体的には、図3A及び図3Bに示すように、内軸3の下端を内軸側治具30のクランプ機構で掴んで固定すると共に、クランプ機構にユニバーサルジョイントを接続する。内軸側治具30は、上下中間から上側に向かって外径が徐々に大きくなる外周テーパ面31aを有する内軸側治具本体31と、この外周テーパ面31aに対応する内周テーパ面32aを有し、この内軸側治具本体31に外嵌合される円筒状のクランパ32とを備えている。内軸側治具本体31には、半径方向に移動可能に挿入された楔部材33が設けられており、クランパ32を内軸側治具本体31に対して上昇させる過程で楔部材33が半径方向内側へ押圧され、この楔部材33の半径方向内側に突出する突出部33aが内軸3下端の被押圧部3cに当接することで、内軸3の下端が内軸側治具30に堅固にクランプされる。これら内軸側治具本体31、クランパ32及び楔部材33がクランプ機構を構成している。
また、上記内軸把持工程と順番は前後してもよいが、外軸把持工程において、外軸2の一端(上端)を外軸側治具20で掴む。具体的には、図1A〜図1Cに示すように、外軸側治具20は、C字状溝22が形成された外軸側治具本体21を備えている。このC字状溝22は、例えば、一定の半径を有する円弧状の溝であり、その溝底には、同様の円弧状の下側耐摩耗プレート24が設けられている。その上に、鋼球よりなる適切な数のボール23が収容されている。なお、ボール23は、適切な形状の保持器を用いてボール23の噛み込み防止やC字状溝22からの落ち止めとしてもよい。この上に同じく円弧状の上側耐摩耗プレート25が載置されている。下側耐摩耗プレート24及び上側耐摩耗プレート25は、必ずしも設ける必要はなく、なくてもよい。そして、上側耐摩耗プレート25の上に同じく円弧状のワーク受け26が設けられている。このワーク受け26は、C字状溝22に嵌め込まれる下部26aを有し、この下部26aがC字状溝22の内面との間にX方向にX1、Y方向にY1の隙間を有することで、この隙間X1,Y1の範囲内で、ワーク受け26が外軸側治具本体21上をインターミディエイトシャフト1のラジアル方向に自由に移動可能となっている。例えば、隙間は、X1=Y1=0.5mmとする。この隙間の範囲内で外軸2がインターミディエイトシャフト1の軸方向に垂直な面(XY平面)で移動可能なフローティング機構が形成されている。そして、C字状溝22が形成された外軸側治具本体21の開口部27から外軸2を挿入し、C字状溝22に配置したボール23の上に外軸2のフランジ部5を載置する。なお、ワーク受け26の上面にフランジ部5が嵌まり込む座を設けてもよい。
そして、外軸2の上端を押さえ治具10で押さえ込む。具体的には、押さえ治具10は、押さえ治具本体11と、この押さえ治具本体11に嵌め込まれる下端に突起部を有する円柱状のワーク押さえ12とを有し、このワーク押さえ12は、蓋部14によって軸受13のボールを介して押さえ付けられ、外軸2の上端を押さえ込む。このとき、軸受13のボールを介して外軸2の上端を押さえ込むので、外軸2の求心動作を阻害させずに外軸2が保持される。なお、ワーク押さえ12は、図示しないストッパ等で押さえ治具本体11から外れないように固定されている。軸受13としては、スプライン伸縮軸1の軸方向の力を受けることができるスラストベアリングを用いるとよい。
次いで、樹脂コーティング層仕上工程において、内軸3の下端及び外軸2の上端を掴んだ状態で、内軸側治具30と外軸側治具20とを相対的にインターミディエイトシャフト1の軸方向に沿って往復運動させ、外軸側治具20において外軸2を求心させながら仕上前の樹脂コーティング層4を対応する外スプライン3a又は内スプライン2aに倣わせる。例えば、内軸側治具30側を固定し、外軸側治具20を上下に往復運動させるようにするとよい。
このように本実施形態では、内軸3と外軸2との相対的な摺動動作のときに外軸側治具20により自動で求心作用が働き、中心が揃って仕上後の樹脂コーティング層4が均一な仕上がりとなる。
また、内軸3の下端にユニバーサルジョイントを一時的に結合させることで、従来より使用していた上下振動発生装置も使用できる。
さらに、外軸2を開口部27側から外軸側治具本体21に容易に挿入でき、挿入後の外軸2がC字状溝22内のボール23によって移動可能に支持されるので、摺動時に求心動作が促される。
また、外軸把持工程において、外軸2のフランジ部5をC字状溝22の内面に対して所定の隙間X1,Y1を保って嵌め込んだワーク受け26を介してボール23に支持するようにしたので、ワーク受け26が所定の隙間X1,Y1の範囲で回転するボール23に支持された状態で動き、外軸2の芯合わせが容易である。
したがって、本実施形態に係るインターミディエイトシャフト1の製造方法によると、インターミディエイトシャフト1の外軸2と内軸3とを求心させながら摺動させて仕上後の樹脂コーティング層4を簡単かつ精度よく成形することができる。
(実施形態2)
図4A〜図5Bは本発明の実施形態2を示し、インターミディエイトシャフト101の形状及びその固定構造が異なる点で上記実施形態1と異なる。なお、以下の各実施形態では、図1A〜図3Bと同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
本実施形態では、まず、図4A〜図4Cに示すように、インターミディエイトシャフト101の上端104の形状が上記実施形態1と異なっている。具体的には、外軸102の上端は、フランジ部5ではなく、一対のピン105が設けられている。したがって、この形状に合わせて外軸側治具120の構成が上記実施形態1とは異なっている。
具体的には、本実施形態では、上記実施形態と異なり、C字状溝22ではなく一対の直線状溝122が外軸側治具本体121に形成されている。これら一対の直線状溝122の間に上記実施形態1と同様に開口部27が形成されている。
押さえ治具10は、上記実施形態1と同様のものが使用される。押さえ治具10において、ワーク押さえ112だけが外軸102の形状に合わせて上下に長くなっている点で上記実施形態1と異なる。
内軸側治具130は、上記実施形態1と同じものを用いてもよいが、本実施形態では、図5A及び図5Bに示すような内軸側治具130を用いている。本実施形態のインターミディエイトシャフト101の内軸103下端には、全周にわたって溝状の被押圧部103cが形成されている。この形状に合わせて先端に突出部133aを有し、基端側に傾斜面133bを有する楔部材133が4つ設けられている。この楔部材133は、3つ以下でもよい。
本実施形態の内軸側治具130は、上下中間から下側に向かって外径が徐々に大きくなる外周テーパ面131aを有する内軸側治具本体131と、この外周テーパ面131aに対応する内周テーパ面132aを有し、この内軸側治具本体131に外嵌合される円筒状のクランパ132とを備えている。上述したように、内軸側治具本体131には、半径方向に移動可能に挿入された4つの楔部材133が設けられており、クランパ132を内軸側治具本体131に対して下降させる過程で4つの楔部材133が半径方向内側へ押圧され、これら楔部材133の半径方向内側に突出する突出部133aが外軸2下端の被押圧部103cに当接することで、内軸103の下端が内軸側治具130に堅固にクランプされる。例えば本実施形態では、内軸側治具本体131の下側に雄ネジ131bをクランパ132の下端に雌ネジ132bを設けることで、クランパ132を回転させることで徐々に楔部材133を締め付けることができるようになっている。これら内軸側治具本体131、クランパ132及び楔部材133がクランプ機構を構成している。なお、この被押圧部103cが形成された内軸103は、上記実施形態1の内軸側治具30で保持してもよい。
本実施形態においては、外軸把持工程において、一対の直線状溝122が形成された外軸側治具本体21の開口部27から外軸2を挿入し、一対の直線状溝122に配置したボール23の上に外軸102の一部である一対のピン105を載置する。具体的には、上記実施形態1と同様で、一対のピン105は、ワーク受け126を介してボール23に支持されている。本実施形態においても、ワーク受け126と直線状溝122との間に隙間X2,Y2がそれぞれ設けられている。例えばX2=Y2=0.5mmとする。これにより、ワーク受け126がこれら隙間の範囲でインターミディエイトシャフト101のラジアル方向に移動可能となっていることで、外軸102がラジアル方向に(XY平面内で)移動可能なフローティング機構が形成されている。なお、ワーク受け126の上面にピン105が嵌まり込む座を設けてもよい。
このように構成することで、本実施形態においても、上記実施形態と同様に樹脂コーティング層仕上工程が行われる。
本実施形態においても、外軸102を開口部27側から外軸側治具本体121に容易に挿入でき、挿入後の外軸102が一対の直線状溝122内のボール23によって移動可能に支持される。このため、摺動時に求心動作が確実に促される。特に外軸102の上端に半径方向外側に延びる一対のピン105が設けられているような場合、円周方向で均等に支持しにくいが、一対のピン105をそれぞれの直線状溝122に配置されたボール23で支持すれば適切に求心作用が働き、ほぼ均一な厚さの仕上後の樹脂コーティング層4が形成される。
したがって、本実施形態に係るインターミディエイトシャフト101の製造方法においても、インターミディエイトシャフト101の外軸102と内軸103とを求心させながら摺動させて仕上後の樹脂コーティング層4を簡単かつ精度よく成形することができる。また、このように外軸側治具120及び内軸側治具130の形状に工夫を加えることで、様々な形状のスプライン伸縮軸をクランプしながら、均一な仕上後の樹脂コーティング層4の仕上げ加工を行うことができる。
(実施形態3)
図6は本発明の実施形態3を示し、インターミディエイトシャフト201の支持構造が異なる点で上記実施形態1及び2と異なる。
すなわち、本実施形態では、詳細は図示しないが、インターミディエイトシャフト201の内軸203の下端部に円柱状塊203aが設けられている。このため、内軸側治具230の形状が異なる。
具体的には、内軸側治具230は、有底円筒状の内軸側治具本体231と、円板状のクランパ232とを備え、円柱状塊203aに対応した貫通孔を有するシャフト押さえ233を有している。この円柱状塊203aの外周を円筒状のシャフト押さえ233で覆った状態で、円柱状塊202aが内軸側治具本体231に収容され、その状態で、クランパ232でシャフト押さえ233を上側から押さえ付け、内軸側治具本体231にボルト等で締結することにより、内軸203が内軸側治具230に確実に固定される。なお、シャフト押さえ233は、例えば、上下に延びる平面で2分割されていてもよい。
内軸側治具230に固定された内軸203の下端には、上記各実施形態と同様に疑似ユニバーサルジョイント40が固定される。
この固定方法は、上記実施形態1及び2のいずれの外軸側治具20,120と組み合わせてもよい。
本実施形態の内軸203の固定方法であれば、円柱状塊203aが確実に抜け止めされるので、上下振動発生装置に接続して上下振動を加えても内軸203が抜け出すことがない。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、樹脂コーティング層仕上工程において、外軸の上端を求心可能に支持するようにしたが、内軸側治具に形成した溝に配置したボール23で内軸をラジアル方向に移動可能に支持して内軸を求心させながら内軸側治具と外軸側治具とを相対的にインターミディエイトシャフトの軸方向に沿って往復運動させるようにしてもよい。この場合も、内軸側治具において内軸を求心させながら、内軸側治具と外軸側治具とを相対的にインターミディエイトシャフトの軸方向に沿って往復運動させるので、仕上後の樹脂コーティング層4が対応する外スプライン3a又は内スプライン2aとの間に偏った隙間が形成されるのが防止され、均一に精度よく隙間の調整がされる。また、外軸及び内軸の両方を求心させながら往復運動させるようにしてもよい。
上記各実施形態では、スプライン伸縮軸としてインターミディエイトシャフトの例を示したが、これに限定されず、要は、内スプラインが内周面に形成された外軸と、外スプラインが外周面に形成され、外スプラインと内スプラインとが摺動可能なように結合される内軸と、これら内スプライン及び外スプラインの少なくとも一方が仕上後の樹脂コーティング層4で被覆されたスプライン伸縮軸であれば、その用途は限定されない。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
1 インターミディエイトシャフト(スプライン伸縮軸)
2 外軸
2a 内スプライン
3 内軸
3a 外スプライン
3b 接続用スプライン
3c 被押圧部
4 (仕上げ前、仕上げ後の)樹脂コーティング層
5 フランジ部
10 治具
11 治具本体
13 軸受
14 蓋部
20 外軸側治具
21 外軸側治具本体
22 C字状溝
23 ボール
24 下側耐摩耗プレート
25 上側耐摩耗プレート
26 ワーク受け
26a 下部
27 開口部
30 内軸側治具
31 内軸側治具本体(クランプ機構)
32 クランパ(クランプ機構)
33 楔部材(クランプ機構)
33a 突出部
40 疑似ユニバーサルジョイント
X1,Y1 隙間
101 インターミディエイトシャフト(スプライン伸縮軸)
102 外軸
103 内軸
103c 被押圧部
105 ピン
120 外軸側治具
121 外軸側治具本体
122 直線状溝
126 ワーク受け
130 内軸側治具
131 内軸側治具本体(クランプ機構)
132 クランパ(クランプ機構)
133 楔部材(クランプ機構)
133a 突出部
X2,Y2 隙間
201 インターミディエイトシャフト(スプライン伸縮軸)
203 内軸
203a 円柱状塊
230 内軸側治具
231 内軸側治具本体
232 クランパ

Claims (6)

  1. 内スプラインが内周面に形成された外軸と、
    外スプラインが外周面に形成され、該外スプラインと上記内スプラインとが摺動可能なように結合される内軸と、
    上記内スプライン及び上記外スプラインの少なくとも一方を樹脂コーティング層で被覆したスプライン伸縮軸を製造する方法において、
    上記内スプライン及び上記外スプラインの少なくとも一方を樹脂材料で被覆して上記樹脂コーティング層を形成する仕上前の樹脂コーティング層形成工程と、
    上記仕上前の樹脂コーティング層が形成された内軸及び外軸を上記外スプラインと上記内スプラインとが摺動可能なように結合する結合工程と、
    上記結合工程後の上記内軸の一端を内軸側治具で掴む内軸把持工程と、
    上記結合工程後の上記外軸の一端を外軸側治具で掴む外軸把持工程と、
    上記内軸の一端及び上記外軸の一端を掴んだ状態で、
    上記内軸側治具に形成した溝に配置したボールで上記内軸をラジアル方向に移動可能に支持して該内軸を求心させながら、及び/又は、
    上記外軸側治具に形成した溝に配置したボールで上記外軸をラジアル方向に移動可能に支持して該外軸を求心させながら、
    上記内軸側治具と上記外軸側治具とを相対的に上記スプライン伸縮軸の軸方向に沿って往復運動させ、上記内軸側治具及び上記外軸側治具の少なくとも一方において上記内軸又は上記外軸を求心させながら上記仕上前の樹脂コーティング層を対応する外スプライン又は内スプラインに倣わせて仕上後の樹脂コーティング層を形成する樹脂コーティング層仕上工程とを含む
    ことを特徴とするスプライン伸縮軸の製造方法。
  2. 請求項に記載のスプライン伸縮軸の製造方法において、
    上記内軸把持工程において、
    上記内軸の一端を上記内軸側治具のクランプ機構で掴んで固定すると共に、該クランプ機構にユニバーサルジョイントを接続し、
    上記樹脂コーティング層仕上工程において、
    上記外軸の一端を、上記外軸側治具の上記ボールでラジアル方向に移動可能に支持した状態で上記外軸を求心させながら上記仕上前の樹脂コーティング層を対応する外スプライン又は内スプラインに倣わせて仕上後の樹脂コーティング層を形成する
    ことを特徴とするスプライン伸縮軸の製造方法。
  3. 請求項に記載のスプライン伸縮軸の製造方法において、
    上記外軸把持工程において、
    C字状の溝が形成された外軸側治具本体の開口部から上記外軸を挿入し、該C字状の溝に配置したボールの上に上記外軸の一部を載置する
    ことを特徴とするスプライン伸縮軸の製造方法。
  4. 請求項に記載のスプライン伸縮軸の製造方法において、
    上記外軸把持工程において、
    一対の直線状の溝が形成された外軸側治具本体の開口部から上記外軸を挿入し、該一対の直線状の溝に配置したボールの上に上記外軸の一部を載置する
    ことを特徴とするスプライン伸縮軸の製造方法。
  5. 請求項又はに記載のスプライン伸縮軸の製造方法において、
    上記外軸把持工程において、
    上記外軸の一部を、上記溝の内面に対して所定の隙間を保って嵌め込んだワーク受けを介して上記ボールに支持する
    ことを特徴とするスプライン伸縮軸の製造方法。
  6. 請求項からのいずれか1つに記載のスプライン伸縮軸の製造方法において、
    上記外軸把持工程において、
    上記外軸の一端を軸受のボールを当接させた状態で押さえ込む
    ことを特徴とするスプライン伸縮軸の製造方法。
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