JP4756544B2 - 複列軸受及び複列軸受の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、ハードディスクドライブにおけるスイングアーム方式アクチュエータの軸受等として用いられる複列軸受及びその製造方法に関するものである。
複列軸受としては、例えば、後記の特許文献1に記載の転がり軸受装置や、後記の特許文献2に記載のハードディスク用ピボットアッセンブリ等が知られている。
特許文献1に記載の転がり軸受装置は、第一の内輪軌道を有する軸(シャフト)と、第二の内輪軌道を有するとともに軸に対して外嵌される内輪と、第一及び第二の内輪軌道に対応する外輪軌道を有する外輪とを有し、第一の内輪軌道と対応する外輪軌道との間、及び第二の内輪軌道と対応する外輪軌道との間にそれぞれ玉(転動体)を組み込んだものである。
後記の特許文献2に記載のハードディスク用ピボットアッセンブリは、シャフトの両端部にそれぞれボールベアリングを設けるとともに、これらボールベアリングの外周にスリーブを固定したものである。ここで、特許文献2には、ボールベアリングとスリーブとは、圧入やレーザー溶接によって固定することが記載されているが、シャフトとボールベアリングとの接続構造については具体的な記載がない。
特開平6−344233号公報 特開2004−100850号公報
一般的に、複列軸受では、がたつきを抑えて回転精度を高めるために、転動体にアキシャル方向の与圧が付与される。
例えば、特許文献1に記載の転がり軸受装置では、玉の組み込み工程ののちに、軸に圧入嵌合させられた内輪を軸上の所定の位置まで押圧移動させることによって、玉に対してアキシャル方向の与圧を付与している。
しかし、このように軸に対して内輪を圧入嵌合した場合には、軸と内輪との間に生じる摩擦力が、玉に加えるべき与圧よりも大きくなる。このため、内輪を押圧する力の大きさに基づいて玉に加えられている与圧の大きさを検出することは困難で、与圧の調整が困難である。
特許文献1に記載の転がり軸受装置の製造方法では、玉に与圧を付与するにあたって、転がり軸受装置の各構成部品を加振器によって振動させる。そして、振動センサによって転がり軸受装置の共振周波数を測定しながら内輪を押し込んでゆき、転がり軸受装置の共振周波数が予め設定した周波数となった時点で、玉に適切な与圧が付与されたと判断して、内輪の移動作業を終了させる。
しかし、この転がり軸受装置の製造方法では、玉に与圧を加えるために、加振器及び振動センサを用いる必要があるので、転がり軸受装置を製造するための装置が大型化してしまう。また、この転がり軸受装置の製造方法では、転がり軸受装置の共振周波数を測定しながら内輪を徐々に圧入していくので、転がり軸受装置の製造に時間がかかり、量産性が乏しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、高精度でありながら製造が容易な複列軸受及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、シャフトと、該シャフトに対して内輪が圧入によって固定される第一転がり軸受と、該第一転がり軸受の外輪に対して圧入によって固定されるスリーブと、該スリーブに対して外輪が圧入によって固定される第二転がり軸受とを有しており、前記シャフトと前記第一転がり軸受とが固定されかつ前記スリーブと前記第一及び前記第二転がり軸受とが固定された状態で、前記第二転がり軸受の内輪が、前記第一転がり軸受に向けて所定圧力で押圧されながら、シャフトの軸線に直交する平面に沿った方向のみからレーザー光を照射することでシャフトに溶接されている複列軸受を提供する。
このように構成される複列軸受では、シャフトと第二転がり軸受の内輪との固定に先立って、シャフトと第一転がり軸受の内輪との固定、スリーブと第一及び第二転がり軸受のそれぞれの外輪との固定が行われる。具体的には、シャフトと第一転がり軸受の内輪とは圧入によって固定され、第一及び第二転がり軸受の外輪は、それぞれ圧入によってスリーブに固定される。
このようにシャフトと第一転がり軸受との固定、スリーブと第一及び第二転がり軸受との固定が行われ、かつスリーブと第二転がり軸受とが固定されていない状態では、スリーブと第一及び第二転がり軸受のそれぞれの外輪とは、第一転がり軸受を構成する内輪、転動体、及び外輪の間に設けられたあそびの分だけ、シャフトの軸線方向に沿って一体的に変位可能となっている。
第二転がり軸受の内輪は、第一転がり軸受に向けて所定圧力で押圧された状態でシャフトに固定されている。この内輪に加えられた押圧力は、第二転がり軸受に対する与圧として作用する。また、このように第二転がり軸受の内輪に加えられた押圧力は、第二転がり軸受の転動体、第二転がり軸受の外輪、及びスリーブを介して第一転がり軸受の外輪に伝達されて、第一転がり軸受に対する与圧としても作用する。
この複列軸受では、第二転がり軸受の内輪は、シャフトに対して、圧入ではなく、レーザー溶接によって固定されている。すなわち、第二転がり軸受の内輪は、シャフトとの固定前の段階では、シャフトとの間に大きな摩擦抵抗は生じず、シャフトの軸線方向に比較的自由に移動可能である。このため、第二転がり軸受の固定時に第二転がり軸受の内輪に加えた押圧力の大きさから、第一及び第二転がり軸受に加えた与圧の大きさを容易に求めることができ、大掛かりな装置を用いることなしに、与圧の調整を高精度かつ容易に行うことができる。
また、この複列軸受では、第二転がり軸受とシャフトとは、他の溶接方法に比べて溶融範囲が小さいレーザー溶接によって固定されているので、溶接による歪みが生じにくく、軸受精度を高精度に保つことができる。
さらに、この複列軸受では、各構成部材の固定に接着剤を用いないので、アウトガスの発生量が極めて少ない。このため、この複列軸受は、ハードディスクドライブのようにアウトガスが性能低下を引き起こす要因となる精密機械に用いても、性能低下を生じさせにくい。
ここで、複列軸受の各構成部材を接着によって固定する場合には、接着が完了するまで、各構成部材を接着用冶具によって仮固定しておく必要がある。
これに対して、本発明の複列軸受は、前記のように接着を行わないので、接着用冶具が不要となるとともに、製造工程を簡素化することができる。これにより、本発明の複列軸受は、大幅なコストダウンが可能となり、また流動在庫の抑制が可能になる。
ここで、溶接された部材間には、互いの間にまたがるようにして、ナゲット(溶け込み部)が形成される。溶接処理を終えてこのナゲットが熱収縮すると、溶接対象の部材同士が、ナゲットの収縮力によってナゲットに向って引き寄せられる。
例えばレーザー光の照射光軸がシャフトの軸線に直交する平面に対して傾斜していた場合には、ナゲットは、シャフトの軸線に直交する平面に対して傾斜する方向に沿って形成される(言い換えれば、シャフト側と第二転がり軸受の内輪側とでは、ナゲットの形成される位置がシャフトの軸線方向にずれている)。
この場合、このナゲットに由来する収縮力は、シャフトの軸線に沿った方向にも作用する。このため、溶接後にシャフトと第二転がり軸受の内輪とがシャフトの軸線方向に沿って相対変位することになり、第一及び第二転がり軸受に付与される与圧の大きさが、シャフトと第二転がり軸受の内輪との溶接時に第二転がり軸受の内輪に付与していた押圧力とは異なる大きさとなる。
このように、レーザー光の照射光軸がシャフトの軸線に直交する平面に対して傾斜していた場合には、溶接前と溶接後とで、第一及び第二転がり軸受に付与される与圧の大きさが変化するので、第一及び第二転がり軸受に加える与圧を正確に制御することが難しい。
そこで、第二転がり軸受の内輪は、シャフトの軸線に直交する平面に沿った方向からレーザー光を照射することでシャフトに溶接されていることが好ましい。この場合には、ナゲットは、シャフトの軸線に直交する平面に沿って形成される(言い換えれば、シャフト側と第二転がり軸受の内輪側とで、シャフトの軸線方向におけるナゲットの形成位置がほぼ等しくなる)。
この場合、このナゲットに由来する収縮力は、シャフトの軸線に沿った方向にほとんど作用しなくなるので、溶接後にシャフトと第二転がり軸受の内輪とがシャフトの軸線方向に沿って相対変位しにくい。すなわち、溶接後に第一及び第二転がり軸受に付与される与圧の大きさが、溶接時に第二転がり軸受に付与していた押圧力とほぼ等しくなるので、第一及び第二転がり軸受に加える与圧を正確に制御することが可能となる。
また、本発明の複列軸受において、前記第二転がり軸受の前記内輪には、前記第一転がり軸受とは反対側の端面の径方向内側に、前記第二転がり軸受の前記外輪よりも軸線方向に突出した突出部が設けられており、該内輪は、前記突出部を前記シャフトに対してレーザー溶接されることによって前記シャフトに固定されていてもよい。
このように、第二転がり軸受の内輪に、第二転がり軸受の外輪よりも軸線方向に突出した突出部が設けられているので、突出部に対してシャフトの軸線に略直交する平面に沿った方向からレーザー光を照射することができる。これにより、シャフトと第二転がり軸受の内輪とのレーザー溶接を容易かつ良好に行うことができ、量産性が向上する。
また、前記突出部には、径方向外側に開口する凹部が設けられており、該凹部の底部が前記シャフトとの溶接部とされていてもよい。
この場合には、突出部自体については肉厚を大きくとって十分な強度を確保しつつ、溶接部については肉厚を薄くすることができる。
これにより、第一及び第二転がり軸受へ与圧の付与を行う際には、第二転がり軸受の内輪を押圧する冶具を突出部によって受けることができ、押圧用の冶具として特別な形状の冶具を用いる必要がないので、製造コストを抑えることができる。さらに、溶接部の肉厚が薄いので、溶接を短時間で終了させることができる。これにより、溶接時に発生する熱の影響が少なくて済み、軸受精度を高精度に保つことができる。
また、前記突出部には、前記第二転がり軸受の径方向に連通する溝または貫通孔が設けられており、前記溝または前記貫通孔の前記シャフト側の縁部のうち、前記シャフトの軸線に平行な部位が前記シャフトとの溶接部とされていてもよい。
この場合には、突出部自体については肉厚を大きくとって十分な強度を確保しつつ、シャフトと突出部との境界部分を直接溶接することができる。
これにより、第一及び第二転がり軸受へ与圧の付与を行う際には、第二転がり軸受の内輪を押圧する冶具を突出部によって受けることができ、押圧用の冶具として特別な形状の冶具を用いる必要がないので、製造コストを抑えることができる。さらに、シャフトと突出部との境界部分を直接溶接することができるので、溶接を短時間で終了させることができる。これにより、溶接時に発生する熱の影響が少なくて済み、軸受精度を高精度に保つことができる。
また、前記シャフトには、前記第一転がり軸受との圧入の際に前記第一転がり軸受が通過する領域のうちの少なくとも一部に、前記第一転がり軸受の固定位置よりも小径となる小径部が設けられていてもよい。
この場合には、第一転がり軸受の内輪にシャフトを圧入する際に、第一転がり軸受が小径部を通過する際には、第一転がり軸受の内輪とシャフトとの間にクリアランスが形成されることになるので、シャフトの全長に対して実質的な圧入距離が短くなる。これにより、圧入作業が容易となるので、製造が容易である。
また、本発明は、シャフトと、該シャフトの外側に同軸にして設けられるスリーブと、前記シャフトと前記スリーブとの間に介装される第一転がり軸受及び第二転がり軸受とを有する複列軸受の製造方法であって、前記シャフトに対して前記第一転がり軸受の内輪を圧入によって固定し、前記第一転がり軸受の外輪に対して前記スリーブを圧入によって固定し、該スリーブに対して前記第二転がり軸受の外輪を圧入によって固定し、前記第二転がり軸受の内輪を、前記第一転がり軸受に向けて所定圧力で押圧しながら、シャフトの軸線に直交する平面に沿った方向のみからレーザー光を照射することでシャフトに溶接する複列軸受の製造方法を提供する。
この複列軸受の製造方法では、シャフトと第二転がり軸受の内輪との固定に先立って、シャフトと第一転がり軸受の内輪との固定、スリーブと第一及び第二転がり軸受のそれぞれの外輪との固定を行う。
このようにシャフトと第一転がり軸受との固定、スリーブと第一及び第二転がり軸受との固定が行われ、かつスリーブと第二転がり軸受とが固定されていない状態では、スリーブと第一及び第二転がり軸受のそれぞれの外輪とは、第一転がり軸受を構成する内輪、転動体、及び外輪の間に設けられたあそびの分だけ、シャフトの軸線方向に沿って一体的に変位可能となっている。
第二転がり軸受の内輪は、第一転がり軸受に向けて所定圧力で押圧した状態でシャフトに固定する。この内輪に加えられた押圧力は、第二転がり軸受に対する与圧として作用する。また、このように第二転がり軸受の内輪に加えられた押圧力は、第二転がり軸受の転動体、第二転がり軸受の外輪、及びスリーブを介して第一転がり軸受の外輪に伝達されて、第一転がり軸受に対する与圧としても作用する。
この複列軸受の製造方法では、第二転がり軸受の内輪は、シャフトに対して、圧入ではなく、レーザー溶接によって固定する。すなわち、第二転がり軸受の内輪は、シャフトとの固定前の段階では、シャフトとの間に大きな摩擦抵抗は生じず、シャフトの軸線方向に比較的自由に移動可能である。このため、第二転がり軸受の固定時に第二転がり軸受の内輪に加えた押圧力の大きさから、第一及び第二転がり軸受に加えた与圧の大きさを容易に求めることができ、大掛かりな装置を用いることなしに、与圧の調整を高精度かつ容易に行うことができる。
また、この複列軸受の製造方法では、第二転がり軸受とシャフトとを、他の溶接方法に比べて溶融範囲が小さいレーザー溶接によって固定するので、溶接による歪みが生じにくく、軸受精度を高精度に保つことができる。
さらに、この複列軸受の製造方法では、各構成部材の固定に接着剤を用いないので、得られる複列軸受は、アウトガスの発生量が極めて少ない。このため、この複列軸受の製造方法を用いて製造した複列軸受は、ハードディスクドライブのようにアウトガスが性能低下を引き起こす要因となる精密機械に用いても、性能低下を生じさせにくい。
ここで、複列軸受の各構成部材を接着によって固定する場合には、接着が完了するまで、各構成部材を接着用冶具によって仮固定しておく必要がある。
これに対して、本発明の複列軸受の製造方法では、前記のように接着を行わないので、接着用冶具が不要となるとともに、製造工程を簡素化することができる。これにより、本発明の複列軸受の製造方法では、複列軸受の大幅なコストダウンが可能となり、また流動在庫の抑制が可能になる。
ここで、第二転がり軸受の内輪は、シャフトの軸線に直交する平面に沿った方向からレーザー光を照射することでシャフトに溶接されていることが好ましい。この場合には、ナゲットは、シャフトの軸線に直交する平面に沿って形成される(言い換えれば、シャフト側と第二転がり軸受の内輪側とで、シャフトの軸線方向におけるナゲットの形成位置がほぼ等しくなる)。
この場合、このナゲットに由来する収縮力は、シャフトの軸線に沿った方向にほとんど作用しなくなるので、溶接後にシャフトと第二転がり軸受の内輪とがシャフトの軸線方向に沿って相対変位しにくい。すなわち、溶接後に第一及び第二転がり軸受に付与される与圧の大きさが、溶接時に第二転がり軸受に付与していた押圧力とほぼ等しくなるので、第一及び第二転がり軸受に加える与圧を正確に制御することが可能となる。
また、前記第二転がり軸受の前記内輪を、前記第一転がり軸受とは反対側の端面の径方向内側に、前記第二転がり軸受の前記外輪よりも軸線方向に突出した突出部を有する形状とし、該突出部を前記シャフトに対してレーザー溶接することによって前記第二転がり軸受の前記内輪を前記前記シャフトに固定してもよい。
このように、第二転がり軸受の内輪に、第二転がり軸受の外輪よりも軸線方向に突出した突出部が設けられているので、突出部に対してシャフトの軸線に略直交する平面に沿った方向からレーザー光を照射することができる。これにより、シャフトと第二転がり軸受の内輪とのレーザー溶接を容易かつ良好に行うことができ、量産性が向上する。
また、前記突出部を、径方向外側に開口する凹部を有する形状とし、該凹部の底部を前記シャフトと溶接してもよい。
この場合には、突出部自体については肉厚を大きくとって十分な強度を確保しつつ、溶接部については肉厚を薄くすることができる。
これにより、第一及び第二転がり軸受へ与圧の付与を行う際には、第二転がり軸受の内輪を押圧する冶具を突出部によって受けることができ、押圧用の冶具として特別な形状の冶具を用いる必要がないので、製造コストを抑えることができる。さらに、溶接部の肉厚が薄いので、溶接を短時間で終了させることができる。これにより、溶接時に発生する熱の影響が少なくて済み、軸受精度を高精度に保つことができる。
また、前記突出部を、前記第二転がり軸受の径方向に連通する溝または貫通孔を有する形状とし、前記溝または前記貫通孔の前記シャフト側の縁部のうち、前記シャフトの軸線に平行な部位を前記シャフトと溶接してもよい。
この場合には、突出部自体については肉厚を大きくとって十分な強度を確保しつつ、シャフトと突出部との境界部分を直接溶接することができる。
これにより、第一及び第二転がり軸受へ与圧の付与を行う際には、第二転がり軸受の内輪を押圧する冶具を突出部によって受けることができ、押圧用の冶具として特別な形状の冶具を用いる必要がないので、製造コストを抑えることができる。さらに、シャフトと突出部との境界部分を直接溶接することができるので、溶接を短時間で終了させることができる。これにより、溶接時に発生する熱の影響が少なくて済み、軸受精度を高精度に保つことができる。
また、前記シャフトを、前記第一転がり軸受との圧入の際に前記第一転がり軸受が通過する領域のうちの少なくとも一部に、前記第一転がり軸受の固定位置よりも小径となる小径部が設けられた形状としてもよい。
この場合には、第一転がり軸受の内輪にシャフトを圧入する際に、第一転がり軸受が小径部を通過する際には、第一転がり軸受の内輪とシャフトとの間にクリアランスが形成されることになるので、シャフトの全長に対して実質的な圧入距離が短くなる。これにより、圧入作業が容易となるので、製造が容易である。
本発明に係る複列軸受は、第一及び第二転がり軸受の与圧を高精度かつ容易に調整することができるので、高精度でありながら製造が容易である。また、本発明に係る複列軸受の製造方法によれば、複列軸受の第一及び第二転がり軸受の与圧を高精度かつ容易に調整することができるので、高精度な複列軸受を容易に製造することができる。
[参考例]
以下に、本発明に係る複列軸受の参考例について図1を用いて説明する。
図1に示すように、本参考例に示す複列軸受1は、シャフト2と、シャフト2の外側にシャフト2と略同軸にして設けられるスリーブ3と、シャフト2とスリーブ3との間に介装される第一転がり軸受4と、シャフト2とスリーブ3との間に、第一転がり軸受4と並列にして介装される第二転がり軸受5とを有している。
シャフト2は、略円柱形状をなす部材であって、その長手方向の一端外周には第一転がり軸受4が装着され、シャフト2の他端外周には第二転がり軸受5が装着されている。また、シャフト2の一端には、第一転がり軸受4を受ける外フランジ2aが形成されている。
スリーブ3は、略円筒形状をなす部材であって、長手方向の一方の端部には拡径部3aが設けられている。この拡径部3a内には第一転がり軸受4が取り付けられている。また、スリーブ3の他方の端部には、拡径部3aと略同形状の拡径部3bが設けられている。この拡径部3b内には第二転がり軸受5bが取り付けられている。
第一及び第二転がり軸受4,5としては、例えば深溝型軸受やアンギュラ型軸受が用いられる。
具体的には、第一転がり軸受4は、内輪4aと、内輪4aに対して同軸にして配置される外輪4bと、内輪4aと外輪4bとの間に介装される複数の転動体4cと、各転動体4cを第一転がり軸受4の軸線回りに略等角度おきに配置した状態で保持するリテーナ4dとを有している。また、第一転がり軸受4のシャフト2外に露出される端面側には、内輪4aと外輪4bとの間に形成される空間を覆う円環状のシール4eが、内外輪4a,4bと略同軸にして設けられている。
ここで、シャフト2と内輪4a、並びに外輪4bとスリーブ3は、それぞれ圧入によって固定されている。
第二転がり軸受5は、内輪5aと、内輪5aに対して同軸にして配置される外輪5bと、内輪5aと外輪5bとの間に介装される複数の転動体5cと、各転動体5cを第二転がり軸受5の軸線回りに等角度配置した状態で保持するリテーナ5dとを有している。
また、第二転がり軸受5のシャフト2外に露出される端面側には、内輪5aと外輪5bとの間に形成される空間を覆う円環状のシール5eが、内外輪5a,5bと略同軸にして設けられている。
ここで、外輪5bとスリーブ3は、圧入によって固定されている。一方で、内輪5aの内径は、第一転がり軸受4の内輪4aの内径よりもわずかに大きく設定されており、内輪5aとシャフト2とは、レーザー溶接によって固定されている。
以下、この複列軸受1の製造方法について説明する。
まず、シャフト2を第一転がり軸受4の内輪4aに圧入して、これらの固定を行う。このとき、シャフト2は外フランジ2aの設けられていない他端側から内輪4aに圧入して外フランジ2aが内輪4aに当接する位置まで移動させる。これにより、内輪4aが外フランジ2aに受けられるので、シャフト2に対して内輪4aがより確実に固定される。
次に、第一転がり軸受4の外輪4bを、スリーブ3の拡径部3aに圧入して、これらの固定を行う。このとき、外輪4bは、拡径部3aの終端まで移動させる。これにより、外輪4bが拡径部3aの終端部に受けられるので、シャフト2に対して外輪4bがより確実に固定される。
続いて、第二転がり軸受5の外輪5bをスリーブ3の拡径部3bに圧入して、これらの固定を行う。このとき、外輪5bは、拡径部3bの終端まで移動させる。これにより、外輪5bが拡径部3bの終端部に受けられるので、シャフト2に対して外輪5bがより確実に固定される。また、第一転がり軸受4と第二転がり軸受5との間の距離が所定距離(拡径部3a,3b間の距離に等しい)に規定される。
ここで、前記のように、第二転がり軸受5の内輪5aの内径は、第一転がり軸受4の内輪4aの内径よりも若干大きく設定されている。すなわち、内輪5aは、内輪4aとは異なり、シャフト2の軸線方向に比較的容易に変位することができるようになっている。
これにより、上記のようにシャフト2と内輪4aとの固定、スリーブ3と第一及び第二転がり軸受4,5との固定が行われた状態では、スリーブ3と第一及び第二転がり軸受4,5のそれぞれの外輪4b,5bとは、第一転がり軸受4の内輪4a、転動体4c、及び外輪4bの間に設けられたあそびの分だけ、シャフト2の軸線方向に沿って一体的に変位可能となっている。
最後に、第二転がり軸受5の内輪5aに対して第一転がり軸受4に向けて所定圧力で押圧し、この状態で内輪5aをシャフト2に固定することで、第一及び第二転がり軸受4,5にそれぞれ適切な与圧が付与された複列軸受1を得る。
ここで、内輪5aに対しては、冶具Jを介して錘やバネ圧等を加えることで、所定の押圧力が付与される。
この内輪5aに加えられた押圧力は、第二転がり軸受5に対する与圧として作用する。また、このように内輪5aに加えられた押圧力は、第二転がり軸受5の転動体5c、第二転がり軸受の外輪5b、及びスリーブ3を介して第一転がり軸受4の外輪4bに伝達されて、第一転がり軸受4に対する与圧としても作用する。
内輪5aとシャフト2との固定は、レーザー溶接によって行われる。具体的には、内輪5aのスリーブ3から露出した端部とシャフト2との境界部分にレーザー光を照射することによって、内輪5aとシャフト2とを溶接する。
ここで、レーザー溶接に用いるレーザー光源としては、例えばYAGレーザー等が用いられる。なお、レーザー光源は、溶接対象部材の材質や溶接条件に応じて、適切なものを選択することができる。
上記のように、本参考例に係る複列軸受1では、第二転がり軸受5の内輪5aは、シャフト2に対して、圧入ではなく、レーザー溶接によって固定されている。すなわち、第二転がり軸受5の内輪5aは、シャフト2との固定前の段階では、シャフト2との間に大きな摩擦抵抗は生じず、シャフト2の軸線方向に比較的自由に移動可能である。このため、第二転がり軸受5の固定時に第二転がり軸受5の内輪5aに加えた押圧力の大きさから、第一及び第二転がり軸受4,5に加えた与圧の大きさを容易に求めることができ、大掛かりな装置を用いることなしに、与圧の調整を高精度かつ容易に行うことができる。
また、この複列軸受1では、第二転がり軸受5とシャフト2とは、他の溶接方法に比べて溶融範囲が小さいレーザー溶接によって固定されているので、溶接による歪みが生じにくく、軸受精度を高精度に保つことができる。
さらに、この複列軸受1では、各構成部材の固定に接着剤を用いないので、アウトガスの発生量が極めて少ない。このため、この複列軸受1は、ハードディスクドライブのようにアウトガスが性能低下を引き起こす要因となる精密機械に用いても、性能低下を生じさせにくい。
また、複列軸受の各構成部材を接着によって固定する場合には、接着が完了するまで、各構成部材を接着用冶具によって仮固定しておく必要がある。
これに対して、本参考例の複列軸受1は、前記のように接着を行わないので、接着用冶具が不要となるとともに、製造工程を簡素化することができる。これにより、本参考例の複列軸受1は、従来の複列軸受に比べて大幅なコストダウンが可能となり、また流動在庫の抑制が可能になる。
ここで、本参考例では、単純な円柱形状のシャフト2を用いる複列軸受1を例示したが、これに限られることなく、図2に示す複列軸受11のように、シャフト2の代わりに、第一転がり軸受4との圧入の際に第一転がり軸受4が通過する領域のうちの少なくとも一部に、第一転がり軸受4の固定位置よりも小径となる小径部13が設けられたシャフト12を用いてもよい。
この場合には、第一転がり軸受4の内輪4aにシャフト12を圧入する際に、第一転がり軸受4が小径部13を通過する際には、内輪4aとシャフト12との間にクリアランスが形成されることになるので、シャフト12の全長に対して実質的な圧入距離が短くなる。これにより、圧入作業が容易となるので、複列軸受11の製造が容易である。
図2に示す複列軸受11では、シャフト12は、第一転がり軸受4の固定位置よりも圧入方向手前側の領域全体を小径部13としている。これにより、この複列軸受11では、内輪4aの実質的な圧入距離を最小限にすることができ、製造が非常に容易である。
なお、図2に示す複列軸受11では、第二転がり軸受5の内輪5aとシャフト2との溶接を良好に行うことができるよう、内輪5aの内径は、シャフト12の小径部13に沿って内輪5aを移動させることができる範囲で極力小さくすることが望ましい。
[第二実施形態]
以下、本発明の第二実施形態について、図3及び図4を用いて説明する。
図3に示すように、本実施形態に係る複列軸受21は、参考例に示した複列軸受1において、第二転がり軸受5の代わりに、第二転がり軸受25を用いたことを主たる特徴とするものである。以下、参考例で示した複列軸受1と同様または同一の部材については同じ符号を用いて示し、詳細な説明を省略する。
第二転がり軸受25は、参考例に示した第二転がり軸受5において、内輪5aの代わりに内輪25aを用いたことを主たる特徴とするものである。
内輪25aは、内輪5aにおいて、第一転がり軸受4の位置する側とは反対側を向く端面の径方向内側に、第二転がり軸受25の外輪5bよりも軸線方向に突出した突出部26が設けられたものである。
この突出部26の形状は任意であって、内輪25aの全周にわたって設けてもよく、内輪25aの周方向の一部にのみ設けてもよい。本実施形態では、内輪25aには、その内周縁の全周にわたって、断面略四角形をなす突出部26が設けられている。
このように構成される複列軸受21は、参考例に示した複列軸受1とほぼ同様にして製造される。ただし、この複列軸受21では、突出部26をシャフト2に対してレーザー溶接されることによって、内輪25aがシャフト2に固定されている。
さらに、突出部26は、シャフト2の軸線に直交する平面に沿った方向からレーザー光を照射することでシャフト2に溶接されている。
このため、この複列軸受21では、図4に示すように、シャフト2と突出部26との溶接部には、シャフト2の軸線に直交する平面に沿ってナゲットNが形成される(言い換えれば、シャフト2側と第二転がり軸受25の内輪25a側とで、シャフト2の軸線方向におけるナゲットNの形成位置がほぼ等しくなる)。
溶接処理を終えてこのナゲットNが熱収縮すると、シャフト2と内輪25aとが、ナゲットNの収縮力によってナゲットNに向って引き寄せられる。
この複列軸受21では、前記のように、ナゲットNが、シャフト2の軸線に直交する平面に沿って形成される。このナゲットNに由来する収縮力Fは、ほとんどシャフト2の軸線に略直交する方向にのみ作用し、シャフト2の軸線に沿った方向にほとんど作用しないので、溶接後にシャフト2と第二転がり軸受25の内輪25aとがシャフト2の軸線方向に沿って相対変位しにくい。
すなわち、この複列軸受25では、シャフト2と内輪25aとの溶接後に第一及び第二転がり軸受4,25に付与される与圧の大きさが、溶接時に第二転がり軸受25に付与していた押圧力とほぼ等しいので、第一及び第二転がり軸受4,25に加える与圧を正確に制御することが可能となる。
また、この複列軸受21では、突出部26がシャフト2に対して溶接されることで、内輪25aがシャフト2に固定されている。
この突出部26は、第二転がり軸受25の外輪5bよりも軸線方向に突出しているので、突出部26に対して、シャフト2の軸線に略直交する平面に沿った方向からレーザー光を容易に照射することができる。このように、この複列軸受21では、シャフト2と第二転がり軸受25の内輪とのレーザー溶接を容易かつ良好に行うことができるので、量産性が向上する。
[第三実施形態]
以下、本発明の第三実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態に係る複列軸受31は、第二実施形態に示した複列軸受21において、第二転がり軸受25の代わりに、第二転がり軸受35を用いたことを主たる特徴とするものである。以下、第二実施形態で示した複列軸受21と同様または同一の部材については同じ符号を用いて示し、詳細な説明を省略する。
第二転がり軸受35は、第二実施形態に示した第二転がり軸受25において、内輪25aの代わりに内輪35aを用いたことを主たる特徴とするものである。
内輪35aは、内輪25aにおいて、突出部26の径方向外側に凹部37を設けたものである。
この凹部37の形状は任意であって、突出部26の外周面全周にわたって設けてもよく、突出部26の周方向の一部にのみ設けてもよい。
本実施形態では、突出部26には、断面視四角形をなす溝状の凹部37が、外周面全周にわたって設けられている。
このように構成される複列軸受31は、第二実施形態に示した複列軸受21とほぼ同様にして製造されるものである。ただし、この複列軸受31では、内輪35aは、突出部26に設けられた凹部37の底部をシャフト2に対してレーザー溶接されることによってシャフト2に固定されている。すなわち、この複列軸受31においても、突出部26は、シャフト2の軸線に直交する平面に沿った方向からレーザー光を照射することでシャフト2に溶接されている。
この複列軸受31では、突出部26自体については径方向の肉厚を大きくとって十分な強度を確保しつつ、溶接部については肉厚を薄くすることができる。
これにより、第一及び第二転がり軸受4,35へ与圧の付与を行う際には、第二転がり軸受35の内輪35aを押圧する冶具Jを突出部26によって受けることができる。
すなわち、この複列軸受31では、製造工程において、押圧用の冶具Jとして特別な形状の冶具を用いる必要がないので、製造コストを抑えることができる。さらに、溶接部の肉厚が薄いので、溶接を短時間で終了させることができる。これにより、溶接時に発生する熱の影響が少なくて済み、軸受精度を高精度に保つことができる。
[第四実施形態]
以下、本発明の第四実施形態について、図6から図8を用いて説明する。
本実施形態に係る複列軸受41は、第二実施形態に示した複列軸受21において、第二転がり軸受25の代わりに、第二転がり軸受45を用いたことを主たる特徴とするものである。以下、第二実施形態で示した複列軸受21と同様または同一の部材については同じ符号を用いて示し、詳細な説明を省略する。
第二転がり軸受45は、第二実施形態に示した第二転がり軸受45において、内輪25aの代わりに内輪45aを用いたことを主たる特徴とするものである。
内輪45aは、内輪25aにおいて、突出部26に第二転がり軸受45の径方向に連通する溝48を設けたものである。この溝48の形状及び設置数は任意である。
本実施形態では、突出部26には、その先端に、断面視四角形をなす溝48が形成されている。また、図7に示すように、この溝48は、第二転がり軸受45の軸線回りに略等角度おきにして、六本設けられている。
このように構成される複列軸受41は、第二実施形態に示した複列軸受21とほぼ同様にして製造されるものである。ただし、この複列軸受41では、図8に示すように、突出部26に設けられた溝48のシャフト2側の縁部のうち、シャフト2の軸線に平行な部位が、シャフト2との溶接部とされている。すなわち、この複列軸受41においても、突出部26は、シャフト2の軸線に直交する平面に沿った方向からレーザー光を照射することでシャフト2に溶接されている。
この複列軸受41では、突出部26自体については径方向の肉厚を大きくとって十分な強度を確保しつつ、シャフト2と突出部26との境界部分を直接溶接することができる。
これにより、第一及び第二転がり軸受4,45へ与圧の付与を行う際には、第二転がり軸受45の内輪45aを押圧する冶具Jを、突出部26によって受けることができる。
すなわち、この複列軸受41では、製造工程において、押圧用の冶具Jとして特別な形状の冶具を用いる必要がないので、製造コストを抑えることができる。
さらに、シャフト2と突出部26との境界部分を直接溶接することができるので、溶接を短時間で終了させることができる。これにより、溶接時に発生する熱の影響が少なくて済み、軸受精度を高精度に保つことができる。
ここで、本実施形態では、内輪45aの突出部26に、第二転がり軸受45の径方向に連通する溝48を設けた例を示したが、突出部26には、溝48の代わりに、第二転がり軸受45の径方向に連通する貫通孔を設けてもよい。
この場合には、突出部26に設けられた貫通孔のシャフト2側の縁部のうち、シャフト2の軸線に平行な部位が、シャフト2と直接溶接される溶接部とされる。
本発明の参考例に係る複列軸受を示す縦断面図である。 本発明の参考例に係る複列軸受の他の構成例を示す縦断面図である。 本発明の第二実施形態に係る複列軸受を示す縦断面図である。 図3の拡大図である。 本発明の第三実施形態に係る複列軸受を示す縦断面図である。 本発明の第四実施形態に係る複列軸受を示す縦断面図である。 本発明の第四実施形態に係る複列軸受の第二転がり軸受側の端部を示す軸直交断面図である。 本発明の第四実施形態に係る複列軸受を示す側面図である。
符号の説明
1,11,21,31,41 複列軸受
2,12 シャフト
3 スリーブ
4 第一転がり軸受
4a,5a,25a,35a,45a 内輪
4b,5b 外輪
5,25,35,45 第二転がり軸受
13 小径部
26 突出部
37 凹部
48 溝

Claims (10)

  1. シャフトと、
    該シャフトに対して内輪が圧入によって固定される第一転がり軸受と、
    該第一転がり軸受の外輪に対して圧入によって固定されるスリーブと、
    該スリーブに対して外輪が圧入によって固定される第二転がり軸受とを有しており、
    前記シャフトと前記第一転がり軸受とが固定されかつ前記スリーブと前記第一及び前記第二転がり軸受とが固定された状態で、前記第二転がり軸受の内輪が、前記第一転がり軸受に向けて所定圧力で押圧されながら、前記シャフトの軸線に直交する平面に沿った方向のみからレーザー光を照射することで前記シャフトに溶接されている複列軸受。
  2. 前記第二転がり軸受の前記内輪には、前記第一転がり軸受とは反対側の端面の径方向内側に、前記第二転がり軸受の前記外輪よりも軸線方向に突出した突出部が設けられており、
    該内輪は、前記突出部を前記シャフトに対してレーザー溶接されることによって前記シャフトに固定されている請求項に記載の複列軸受。
  3. 前記突出部には、径方向外側に開口する凹部が設けられており、
    該凹部の底部が前記シャフトとの溶接部とされている請求項2に記載の複列軸受。
  4. 前記突出部には、前記第二転がり軸受の径方向に連通する溝または貫通孔が設けられており、
    前記溝または前記貫通孔の前記シャフト側の縁部のうち、前記シャフトの軸線に平行な部位が前記シャフトとの溶接部とされている請求項2に記載の複列軸受。
  5. 前記シャフトには、前記第一転がり軸受との圧入の際に前記第一転がり軸受が通過する領域のうちの少なくとも一部に、前記第一転がり軸受の固定位置よりも小径となる小径部が設けられている請求項1からのいずれかに記載の複列軸受。
  6. シャフトと、該シャフトの外側に同軸にして設けられるスリーブと、前記シャフトと前記スリーブとの間に介装される第一転がり軸受及び第二転がり軸受とを有する複列軸受の製造方法であって、
    前記シャフトに対して前記第一転がり軸受の内輪を圧入によって固定し、
    前記第一転がり軸受の外輪に対して前記スリーブを圧入によって固定し、
    該スリーブに対して前記第二転がり軸受の外輪を圧入によって固定し、
    前記第二転がり軸受の内輪を、前記第一転がり軸受に向けて所定圧力で押圧しながら、前記シャフトの軸線に直交する平面に沿った方向のみからレーザー光を照射することで前記シャフトに溶接する複列軸受の製造方法。
  7. 前記第二転がり軸受の前記内輪を、前記第一転がり軸受とは反対側の端面の径方向内側に、前記第二転がり軸受の前記外輪よりも軸線方向に突出した突出部を有する形状とし、
    該突出部を前記シャフトに対してレーザー溶接することによって前記第二転がり軸受の前記内輪を前記前記シャフトに固定する請求項に記載の複列軸受の製造方法。
  8. 前記突出部を、径方向外側に開口する凹部を有する形状とし、
    該凹部の底部を前記シャフトと溶接する請求項7に記載の複列軸受の製造方法。
  9. 前記突出部を、前記第二転がり軸受の径方向に連通する溝または貫通孔を有する形状とし、
    前記溝または前記貫通孔の前記シャフト側の縁部のうち、前記シャフトの軸線に平行な部位を前記シャフトと溶接する請求項7に記載の複列軸受の製造方法。
  10. 前記シャフトを、前記第一転がり軸受との圧入の際に前記第一転がり軸受が通過する領域のうちの少なくとも一部に、前記第一転がり軸受の固定位置よりも小径となる小径部が設けられた形状とする請求項6から9のいずれかに記載の複列軸受の製造方法。
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