JP5833412B2 - 電子ビーム溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子ビーム溶接方法に関し、特に2部材が嵌合される接合部に電子ビームを照射し、電子ビームと部材とを相対回転させて接合部全周を溶接する電子ビーム溶接方法に関する。
電子ビーム溶接方法は、高エネルギの電子ビームを、例えば2部材が嵌合された接合部に照射することで、該接合部を溶融させると共に凝固させて2部材を接合する溶接方法である。
電子ビーム溶接は、従来の溶接方法に比べて被溶接部材に与える熱的変形や溶接歪みが小さく、一般に高品位な溶接を実現できることが知られている。従って、より精度が求められる部材の組立等に非常に有効な接合手段であり、精密部品から比較的大きな構造部品まで幅広く応用されている。
ところで、電子ビームを用いて2部材が嵌合する接合部を円周溶接する場合、溶接時の収縮により溶接部に残留応力が生じ、部材に歪み変形が発生することが知られている。この部材の歪量及び変形量を抑制する溶接方法が種々提案されている。
例えば特許文献1の溶接方法は、図7に示すように環状の2部材101と102が嵌合する接合部103を溶接するにあたり、予め接合部103の内周側或いは外周側の少なくとも一方、特に高精度の寸法が要求される面をもつ部材側、例えば部材102に接合部103に沿って周方向に延びるスリット状の空間部104を形成する。
溶接は、電子ビームBを接合部103に部材101及び102の軸方向に照射しながら、接合部103に沿って相対的に周方向に移動する。或いは電子ビームBを移動することなく、部材101及び102をその軸心まわりに回転させることにより行われる。
スリット状の空間部104を設けることで、接合部103に溶接を施して部材101、102を接合しても、溶接時における溶接部105の収縮による歪みが空間部104によって吸収され、空間部104が形成された部材102の接合部103と反対側の周面102aの歪みが抑制される。
特開2001−293591号公報
上記特許文献1によると、2部材が嵌合される接合部に電子ビーム溶接を施す際に、2部材の少なくとも一方に周方向に延びるスリット状の空間部を設けることで、溶接時における溶接部の収縮による歪みが空間部によって吸収され、空間部が形成された部材の接合部と反対側の周面の歪みが抑制される。
しかし、部材にスリット状の空間部を設けて溶接時における溶接部の収縮による歪みを吸収して部材の周面の歪みを抑制するものであるから、部材に周方向に延びるスリット状の空間部を形成する必要があり、空間部を形成することが困難な部材の溶接構造に採用することができない。また、溶接された2部材の間の芯ずれ等の歪を抑制することができない。
ここで、本発明者らは、鋭意実験・研究を重ねた結果、電子ビームを用いて2部材が嵌合する接合部を円周溶接する場合、溶接時の収縮により溶接部の応力が部材の歪み変形を誘発する一方、接合部の溶融が芯ズレや歪み等のフレ変位の発生の要因となることを見出した。
この概要を図8を参照して説明する。なお、図8において構成を明確にするために、部材111の嵌合孔112の内周面123と部材115の外周面116の間が離間して図示されている。
例えば、図8(a)に示すように円形筒状の内周面113を有する嵌合孔112が開口する部材111に、円柱状の部材115を圧入嵌合すると、部材111の嵌合孔112の内周面113は、部材115の外周面116から径方向外方の押圧力P1を受ける。一方、部材115の外周面116は部材111の嵌合孔112の内周面113から径方向内方の押圧力P2を受け、嵌合孔112の内周面113に作用する押圧力P1と部材115の外周面116に作用する押圧力P2とが均衡を保っている。
この状態で同図(b)に示すように電子ビームにより嵌合孔112の内周面113と部材115の外周面116との接合部118を溶接すると、その溶接時に接合部117が溶融し、その溶接範囲Wにおける嵌合孔112の内周面113に作用する部材115からの押す圧力P1及び軸状部材115の外周面116に作用する部材111の嵌合孔112からの押圧力P2がなくなり、嵌合孔112の内周面113に作用する押圧力P1と部材115の外周面116に作用する押圧力P2とが不均衡となり、部材115の軸中心Oに対して部材111が相対的に溶接範囲Wと反対方向Fに歪み変形及び芯ズレ等による変位、即ちフレ変位する。
より具体的には、例えば図9(a)に示すように、嵌合孔112の内周面113と部材115の外周面116の接合部117を、その部材115の軸中心Oを中心に溶接始点Waから溶接終点Wbの溶接角度θが90°の溶接範囲Wを溶接すると、フレ変位方向Fは軸中心Oを中心に溶接始点Waからのフレ変位方向角度αが45°となる。同様に、同図(b)に示すように部材115の軸中心Oを中心に溶接始点Waから溶接終点Wbの溶接角度θが180°の溶接範囲Wを溶接すると、フレ変位方向Fは軸中心Oを中心に溶接始点Waからフレ変位方向角度αが180°となる。同図(c)に示すように部材115の軸中心Oを中心に溶接始点Waから溶接終点Wbの溶接角度θが270°の溶接範囲Wを溶接すると、フレ変位方向Fは軸中心Oを中心に溶接始点Waからフレ変位方向角度αが135°となる。即ち、溶接角度θに対しフレ変位方向角度αはθ/2となる規則性がある。
本発明は、2部材が嵌合される接合部の溶接範囲とフレ変位方向に規則があることに着目してなされたもので、部材のフレ変位を抑制することで優れた加工精度が得られる電子ビーム溶接方法を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載の電子ビーム溶接方法は第1部材に形成された円形筒状の内周面を有する嵌合孔に第2部材の嵌挿部を圧入嵌合し、互いに接合する嵌合孔の内周面と嵌挿部の外周面との接合部に電子ビームを照射し、電子ビームと第1部材及び第2部材を相対回転させて接合部全周を溶接する電子ビーム溶接方法において、前記接合部を前記嵌挿部の軸中心を中心として対向する第1溶接範囲及び第2溶接範囲と、前記第1溶接範囲の溶接終点と第2溶接範囲の溶接始点との間の第3溶接範囲と、前記第2溶接範囲の溶接終点と第1溶接範囲の溶接始点との間の第4溶接範囲とに分割し、前記第1溶接範囲を溶接始点から溶接終点に亘って連続して溶接する第1溶接工程と、前記第2溶接範囲を溶接始点から溶接終点に亘って連続して溶接する第2溶接工程と、前記第3溶接範囲を溶接する第3溶接工程と、前記第4溶接範囲を溶接する第4溶接工程とを順に実行することを特徴とする。
これによると、第1部材の嵌合孔に第2部材の嵌挿部を圧入嵌合し、互いに接合する嵌合孔と嵌挿部との接合部を対向する第1溶接範囲及び第2溶接範囲と、第1溶接範囲の溶接終点と第2溶接範囲の溶接始点との間の第3溶接範囲と、第2溶接範囲の溶接終点と第1溶接範囲の溶接終点との間の第4溶接範囲とに分割し、第1溶接範囲、第2溶接範囲、第3溶接範囲、第4溶接範囲を順に溶接することで、第1溶接工程における第1溶接範囲の溶融に伴い発生する第2部材に対する第1部材のフレ変位が第2溶接工程による第2溶接範囲の収縮によるフレ変位により減少され、かつ第3溶接範囲及び第4溶接範囲の収縮によるフレ変位が抑制されて溶接終了後のフレ変位量が極めて少なくなり、第1部材と第2部材の同軸度が確保されて、被溶接部材の歪み変形が抑制される加工精度に優れた被溶接部材が確保できる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の電子ビーム溶接方法において、前記第1溶接範囲の溶接始点から溶接終点の距離と、第2溶接範囲の溶接始点から溶接終点の距離が異なることを特徴とする。
これによると、第1溶接範囲の溶接始点から溶接終点との距離と、第2溶接範囲の溶接始点から溶接終点との距離が異なることで、第1溶接範囲の溶接に伴い生じる第1材料のフレ変位量と第2溶接範囲の溶接に伴い生じる第1材料のフレ変位量が制御できて、第1材料と第2材料の同軸度がより確保された高品質の被溶接部材が得られる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電子ビーム溶接方法において、前記第1溶接工程に先立って第1溶接範囲と対向する上記嵌合孔の内周面と嵌挿部の外周面との接合部の部位を仮付け溶接する仮付け溶接工程を備えたことを特徴とする。
これによると、第1部材と第2部材の第1溶接範囲を溶接する第1溶接工程に先立って予め第1溶接範囲に対向する嵌合孔と嵌挿部の接合部を仮付け溶接することで、第1溶接範囲の溶融に伴うフレ変位量が抑制できる。
本発明によると、第1部材の嵌合孔に第2部材の嵌挿部を圧入嵌合し、互いに接合する嵌合孔と嵌挿部との接合部を対向する第1溶接範囲及び第2溶接範囲と、第1溶接範囲の溶接終点と第2溶接範囲の溶接始点との間の第3溶接範囲と、第2溶接範囲の溶接終点と第1溶接範囲の溶接始点との間の第4溶接範囲とに分割し、第1溶接範囲、第2溶接範囲、第3溶接範囲、第4溶接範囲を順に溶接することで、溶接終了後のフレ変位量が極めて少なくなり、被溶接部材の歪み変形が抑制された加工精度に優れた被溶接部材が確保できる。
第1実施の形態における電子ビーム溶接方法の概要説明図である。 溶接方法の工程図である。 圧入工程及び各溶接工程における変位作用説明図である。 第2実施の形態の圧入工程及び各溶接工程における変位作用説明図である。 第3実施の形態の圧入工程及び各溶接工程における変位作用説明図である。 参考例の圧入工程及び各溶接工程における変位作用説明図である。 従来の電子ビーム溶接方法の説明図である。 電子ビーム溶接の説明図である。 電子ビーム溶接の説明図である。
本発明による電子ビーム溶接方法の実施の形態を無段変速機等に使用されるクラッチドラムのシャフトとドラム本体を電子ビーム溶接する場合を例に説明する。
(第1実施の形態)
本発明の第1実施の形態について、図1乃至図3を参照して説明する。図1は電子ビーム溶接方法の概要説明図、図2は工程図、図3は圧入工程及び各溶接工程における変位作用説明図である。
電子ビーム溶接方法の説明に先立って、溶接を施す被溶接部材となるクラッチドラムの概要を図1を参照して説明する。
クラッチドラム10は、第1部材であるドラム本体11と第2部材であるシャフト21によって構成される。ドラム本体11は、中心軸Lを中心とする円形筒状の内周面16を有する嵌合孔15が形成された円板状の底壁部12及びこの底壁部12の外周縁に連続形成された円筒状の周壁部13を有する有底円筒状に形成される。一方、シャフト21は中心軸Lを中心とする円柱状の軸部22及びこの軸部22の基端に同心上で大径の外周面26を有する嵌挿部25を有する軸状に形成される。
次に、ドラム本体11とシャフト21を一体に組み付ける溶接工程について図2に示す工程図及び図3に示す変位作用説明図を参照して説明する。
図2に示すように、ドラム本体11の嵌合孔15にシャフト21の嵌挿部25を圧入して組み付ける圧入工程S1と、嵌合孔15の内周面16と嵌挿部25の外周面26との接合部28を複数に分割、本実施の形態では第1〜第4溶接範囲W1〜W4に4分割し、各溶接範囲を順に電子ビーム溶接する第1〜第4溶接工程S2〜S5の溶接工程を備える。
機械加工されたドラム本体11及びシャフト21は、組み付けにあたり、予め洗浄して切削油や切粉等の付着物を除去すると共にエアブロ等で乾燥される。
しかる後、圧入工程S1において、図示しない圧入装置等によりドラム本体11の嵌合孔15に、嵌挿部25を圧入嵌合してドラム本体11とシャフト21を一体に組み付ける。
このドラム本体11の嵌合孔15にシャフト21の嵌挿部25を圧入嵌合して組み付けた状態は、図1に示すと共に図3(a)に嵌合孔15と嵌挿部25の嵌合状態を模式的に示すように、ドラム本体11に形成された嵌合孔15の内周面16には、その全周に亘って嵌挿部25の外周面26から径方向外方の押圧力P1を受ける一方、嵌挿部25の外周面26はその全周に亘ってドラム本体11の嵌合孔15の内周面16から径方向内方の押圧力P2を受け、嵌合孔15の内周面16に作用する押圧力P1と嵌挿部25の外周面26に作用する押圧力P2が均衡を保っている。なお、図3(a)において構成を明確にするために、嵌合孔15の内周面16と嵌挿部25の外周面26の間に隙間が図示されている。
次の溶接工程にあたり、予め第1〜第4溶接工程S2〜S5の各溶接工程において溶接を施す各溶接範囲を、ドラム本体11に形成された嵌合孔15の内周面16と嵌挿部25の外周面26との接合部28を図3(b)に示すように嵌挿部25の軸中心Oを中心として等角度となる90°の第1〜第4溶接範囲W1〜W4に等間隔で4分割して設定する。
具体的には嵌挿部25の軸中心Oを中心として第1溶接範囲W1と第2溶接範囲W2が対向し、第1溶接範囲W1の溶接終点W1bと第2溶接範囲W2の溶接始点W2aとの間に第3溶接範囲W3を設定し、第2溶接範囲W2の溶接終点W2bと第1溶接範囲W1の溶接始点W1aとの間に第4溶接範囲W4を設定する。この第3溶接範囲W3の溶接始点W3a及び溶接終点W3bは第1溶接範囲W1の溶接終点W1b及び第2溶接範囲W2の溶接始点W2aとオーバーラップする。同様に、第4溶接範囲W4の溶接始点W4a及び溶接終点W4bは第2溶接範囲W1の溶接終点W2b及び第1溶接範囲W1の溶接始点W1aとオーバーラップする。
そして、図1に示すように、第1〜第4溶接工程S2〜S5の各溶接工程において、電子ビームBをドラム本体11の嵌合孔15と嵌挿部25との接合部28に軸方向に照射しながら、接合部28に沿って相対的に周方向に移動し、或いは電子ビームBを移動することなくドラム本体11及びシャフト21をその軸芯L周りに回転することによって第1〜第4溶接範囲W1〜W4を順次溶接する。
第1溶接工程S2において、電子ビームBをドラム本体11の嵌合孔15との接合部28に照射しながら、接合部28に沿って相対的に周方向に回転移動して第1溶接範囲W1の溶接始点W1aから溶接終点W1bを溶接する。この第1溶接範囲W1を溶接すると、その溶接時に第1溶接範囲W1の溶接部、即ち接合部28が溶融し、第1溶接範囲W1において嵌合孔15の内周面16に作用する嵌挿部25の外周面26からの押圧力P1及び嵌挿部25の外周面26に作用する嵌合孔15の内周面16からの押圧力P2がなくなり、嵌合孔15の内周面16に作用する押圧力P1と嵌挿部25の外周面26に作用する押圧力P2とが不均衡となり、図3(c)に示すように嵌挿部25の軸中心Oに対してドラム本体11が相対的に第1溶接範囲W1の中央と反対方向となる第2溶接範囲W2側のフレ変位方向F1にフレ変位する。
次の第2溶接工程S2においては、電子ビームBをドラム本体11の嵌合孔15と嵌挿部25との接合部28に照射しながら、接合部28に沿って相対的に周方向に回転移動して溶接始点W2aから溶接終点W2bに亘って第2溶接範囲を溶接する。この第2溶接範囲W2を溶接すると、その第2溶接範囲W2の溶接部、即ち接合部28が溶融して凝固する。この第2溶接範囲W2の凝固に伴う溶接部の収縮により、図3(c)に示すようにドラム本体11が第2溶接範囲W2の中央に対して嵌挿部25の軸中心O側、即ち第1溶接工程S2におけるフレ変位方向F1と反対方向のフレ変位方向F2にフレ変位する。
この第2溶接範囲W2の溶接によるフレ変位方向F2のフレ変位量により第1溶接範囲W1の溶接に伴って発生したフレ変位方向F1のフレ変位量が減少する。
次の第3溶接工程S4においては、電子ビームBをドラム本体11の嵌合孔15と嵌挿部25との接合部28に照射しながら、接合部28に沿って相対的に周方向に回転移動して溶接始点W3aから溶接終点W3bに亘って第3溶接範囲W3を溶接する。この第3溶接範囲W3を溶接すると、その第3溶接範囲W3の溶接部が溶融して凝固する。この凝固に伴う溶接部の収縮により、図3(c)に示すようにドラム本体11が第3溶接範囲W3の中央に対して嵌挿部25の軸中心O側、即ち第4溶接範囲W3側のフレ変位方向F3にフレ変位する。
次の第4溶接工程S5において、電子ビームBをドラム本体11の嵌合孔15と嵌挿部25との接合部28に照射しながら、接合部28に沿って相対的に周方向に回転移動して第4溶接範囲W4の溶接始点W4aから溶接終点W4bを溶接する。この第4溶接範囲W4を溶接すると、その第4溶接範囲W4の溶接部が溶融して凝固する。この凝固に伴う溶接部の収縮により、図3(c)に示すようにドラム本体11が第4溶接範囲W4の中央に対して嵌挿部25の軸中心O側、即ち第3溶接範囲W3側のフレ変位方向F4にフレ変位する。
この第4溶接範囲W4の溶接により第3溶接範囲W3の溶接に伴って発生したフレ変位方向F3のフレ変位量が第4溶接範囲W4の溶接によるフレ変位方向F4のフレ変位量によってほぼ相殺される。
このように溶接されたドラム本体11とシャフト21は第1溶接工程S2における第1溶接範囲W1の溶接部の溶融に伴い発生する嵌挿部25の軸中心Oに対するドラム本体11のフレ変位方向F1のフレ変位量が第2溶接工程S3による第2溶接範囲W2の溶接に伴う溶接部の収縮によるフレ変位方向F2のフレ変位により減少されると共に、第3溶接範囲W3及び第4溶接範囲W4によりフレ方向F3及びF4にフレ変位量が互いに減少されて溶接終了後のフレ変位方向Fのフレ変位量が極めて少なく、クラッチ本体11とシャフト12の同軸度が確保されて加工精度に優れた高品位のクラッチドラム10が確保できる。
(第2実施の形態)
図4を参照して第2実施の形態を説明する。この第2実施の形態は、第1溶接工程S2及び第2溶接工程S3の各溶接工程において溶接を施す第1溶接範囲の溶接始点から溶接終点の距離と、第2溶接範囲の溶接始点から溶接終点の距離が異なるように設定した点が第1実施の形態と異なり、他の構成は第1実施の形態と同様であり、図4において図1乃至図3と対応する構成に図1乃至図3と同一符号を付して該部の詳細な説明を省略し、異なる点を主に説明する。
図4は、第1実施の形態における図3に対応する圧入工程及び各溶接工程における変位作用説明図である。
第1実施の形態と同様に、圧入工程S1でドラム本体11の嵌合孔15に、嵌挿部25を圧入嵌合してドラム本体11とシャフト21を一体に組み付ける。この嵌合孔15に嵌挿部25を圧入嵌合した状態では、図4(a)に示すように、ドラム本体11の嵌合孔15の内周面16が嵌挿部25から受ける径方向外方の押圧力P1と、嵌挿部25の外周面26が嵌合孔15の内周面16から受ける径方向内方の押圧力P2は均衡を保っている。
次の溶接工程にあたり、予め第1〜第4溶接工程S2〜S5の各溶接工程において溶接を施す各溶接範囲を、図4(b)に示すように嵌挿部25の軸中心Oを中心として第1溶接範囲W1と第2溶接範囲W2が対向し、第1溶接範囲W1の溶接終点W1bと第2溶接範囲W2の溶接始点W2aとの間に第3溶接範囲W3を設定し、第2溶接範囲W2の溶接終点W2bと第1溶接範囲W1の溶接始点W1aとの間に第4溶接範囲W4を設定する。
この第2溶接範囲W2の溶接始点W2aから溶接終点W2bの距離に対する第1溶接範囲W1の溶接始点W1aから溶接終点W1bの距離を小さく設定する。例えば、軸中心Oに対する第1溶接範囲W1の溶接始点W1aから溶接終点W1bの溶接角度θ1が45°、第2溶接範囲W2の溶接始点W2aから溶接終点W2bの溶接角度θ2が90°、第3溶接範囲W3の溶接始点W3aから溶接終点W3bの溶接角度θ3が112.5°、第4溶接範囲W4の溶接始点W4aから溶接終点W4bの溶接角度θ4が112.5°に設定する。
第1〜第4溶接工程S2〜S5の各溶接工程において第1〜第4溶接範囲W1〜W4を順に溶接する。
まず、第1溶接工程S2において、溶接始点W1aから溶接終点W1bに亘って第1溶接範囲W1を溶接する。この第1溶接範囲W1を溶接すると、その溶接時に第1溶接範囲W1の溶接部が溶融し、溶接範囲W1における嵌合孔15に作用する嵌挿部25からの押圧力P1及び嵌挿部25の外周面26に作用する嵌合孔15からの押圧力P2がなくなり、嵌合孔15の内周面16に作用する押圧力P1と嵌挿部25の外周面26に作用する押圧力P2とが不均衡となり、図4(c)に示すように嵌挿部25の軸中心Oに対してドラム本体11が相対的に第1溶接範囲W1の中心と反対方向となる第2溶接範囲W2側のフレ変位方向F1にフレ変位する。このフレ変位F1のフレ変位量は、第1溶接範囲W1の大きさに相応して第1実施の形態に比べて小さくなる。
次の第2溶接工程S3においては、第2溶接範囲W2を溶接する。この第2溶接範囲W2の溶接により第2溶接範囲W2の溶接部が溶融して凝固する。この溶接部の収縮により、図4(c)に示すようにドラム本体11が第2溶接範囲W2の中央に対して嵌挿部25の軸中心O側、即ち第1溶接範囲W1の溶接に伴うフレ変位方向F1と反対方向のフレ変位方向F2にフレ変位する。このフレ変位F2のフレ変位量は、第2溶接範囲W2の大きさに相応して第1実施の形態に比べて比べ大きくなる。
この第2溶接範囲W2の溶接により第1溶接範囲W1の溶接に伴って発生したフレ変位方向F2のフレ変位量は、第1溶接範範囲W1により発生したフレ変位方向F1のフレ変位量によって減少される。
次の第3溶接工程S4においては、第3溶接範囲W3を溶接する。この溶接による第3溶接範囲W3の凝固に伴う溶接部の収縮により、図4(c)に示すようにドラム本体11が第3溶接範囲W3の中央から軸中心O側、即ち第4溶接範囲W3側のフレ変位方向F3にフレ変位する。
次の第4溶接工程S5において、溶接始点W4aから溶接終点W4bに亘って第4溶接範囲W4を溶接する。この溶接による第4溶接範囲W4の凝固に伴う溶接部の収縮により、図4(c)に示すようにドラム本体11が第4溶接範囲W4の中央に対して嵌挿部25の軸中心O側、即ち第3溶接範囲W3側のフレ変位方向F4にフレ変位する。
この第4溶接範囲W4の溶接により第3溶接範囲W3の溶接に伴って発生したフレ変位方向F3のフレ変位量が第4溶接範囲W4の溶接によるフレ変位方向F4のフレ変位量によって減少する。
このように溶接されたドラム本体11とシャフト21は第1溶接工程S2における溶接における第2溶接範囲W2の溶接部の収縮に伴い生じる嵌挿部25の軸中心Oに対するドラム本体11のフレ変位方向F2のフレ変位量が第1溶接範囲W1の溶融に伴うフレ変位方向F1に変位により減少され、かつ第3溶接範囲W3及び第4溶接範囲W4によりフレ方向F3及びF4によって調整されて溶接終了後のフレ変位方向Fのフレ変位量が極めて少なく、クラッチ本体11とシャフト12の同軸度が確保されて高品位のクラッチドラム10が確保できる。
即ち、第1溶接範囲W1の溶接始点W1aから溶接終点W1bとの距離と、第2溶接範囲W2の溶接始点W2aから溶接終点W2bとの距離が異なることで、第1溶接範囲W1の溶接に伴い生じるドラム本体11のフレ変位方向F1のフレ変位量と第2溶接範囲W2の溶接に伴い生じるドラム本体11のフレ変位方向F2のフレ変位量が適宜制御でき、クラッチ本体11とシャフト12の同軸度がより確保されて、加工精度に優れた高品質のクラッチドラム10が確保できる。
なお、上記実施の形態では第2溶接範囲W2の溶接始点W2aから溶接終点W2bの距離に対する第1溶接範囲W1の溶接始点W1aから溶接終点W1bの距離を小さく設定したが、嵌合孔15と嵌挿部25との圧入状態等を考慮し、第2溶接範囲W2の溶接始点W2aから溶接終点W2bの距離に対する第1溶接範囲W1の溶接始点W1aから溶接終点W1bの距離を大きく設定することもできる。
(第3実施の形態)
図5を参照して第3実施の形態を説明する。この第3実施の形態は、第1溶接工程S2に先立って仮付け溶接工程を備える点が第1実施の形態と異なり、他の構成は第1実施の形態と同様であり、図5において図1乃至図3と対応する構成に図1乃至図3と同一符号を付して外部の詳細な説明を省略し、異なる点を主に説明する。
図5は、第1実施の形態における図3に対応する圧入工程及び各溶接工程における変位作用説明図である。
第1実施の形態と同様に、圧入工程S1でドラム本体11の嵌合孔15に、嵌挿部25を圧入嵌合してドラム本体11とシャフト21を一体に組み付ける。この嵌合孔15に嵌挿部25を圧入嵌合した状態では、図5(a)に示すようにドラム本体11の嵌合孔15の内周面16が嵌挿部25から受ける径方向外方の押圧力P1と、嵌挿部25の外周面26が嵌合孔15の内周面16から受ける径方向内方の押圧力P2は均衡を保っている。
次の溶接工程にあたり、予め第1〜第4溶接工程S2〜S5の各溶接工程において溶接を施す各溶接範囲を、図5(b)に示すように嵌挿部25の軸中心Oを中心として等角度となる90°の第1溶接範囲W1、第2溶接範囲W2、第3溶接範囲W3、第4溶接部材W4に4分割して設定する。即ち嵌挿部25の軸中心Oを中心として第1溶接範囲W1と第2溶接範囲W2が対向し、第1溶接範囲W1の溶接終点W1bと第2溶接範囲W2の溶接始点W2aとの間に第3溶接範囲W3を設定し、第2溶接範囲W2の溶接終点W2bと第1溶接範囲W1の溶接始点W1aとの間に第4溶接範囲W4を設定する。
そして、図5(c)に示すように、仮付け溶接工程において、電子ビームにより第1溶接範囲W1に対して軸中心Oを中心に対向する嵌合孔15の内周面16と嵌挿部25の外周面26との接合部28となる第2溶接範囲W2の一部を仮付け溶接する。この仮付け溶接部Waは極めて小範囲で浅く溶融及び収縮が小さくドラム本体11の嵌合孔15の内周面16と嵌挿部25のフレ変位は発生しない。
次に、第1〜第4溶接工程S2〜S5の各溶接工程で第1〜第4溶接範囲W1〜W4を順に溶接する。
まず、第1溶接工程S2において、溶接始点W1aから溶接終点W1bに亘って第1溶接範囲W1を溶接する。この第1溶接範囲W1を溶接すると、その溶接時に第1溶接範囲W1の溶接部が溶融し、第1溶接範囲W1における嵌合孔15に作用する嵌挿部25からの押圧力P1及び嵌挿部25に作用する嵌合孔15からの押圧力P2がなくなり、嵌合孔15の内周面16に作用する押圧力P1と嵌挿部25の外周面26に作用する押圧力P2とが不均衡となり、図5(c)に示すように嵌挿部25の軸中心Oに対してドラム本体11が相対的に第1溶接範囲W1の中心と反対方向となる第2溶接範囲W2側のフレ変位方向F1にフレ変位する。このフレ変形変位方向F1のフレ変位量は、予め嵌合孔15に内周面16と嵌挿部25の外周面26とが仮付け溶接部bにおいて結合されており、フレ変位が抑制されて第1実施の形態に比べ小さくなる。
次の第2溶接工程S3においては、溶接始点W2aから溶接終点W2bに亘って第2溶接範囲W2を溶接する。この溶接による第2溶接範囲W2の凝固に伴う溶接部の収縮により、図5(c)に示すようにドラム本体11が第2溶接範囲W2の中央に対して嵌挿部25の軸中心O側、即ち第1溶接工程S2におけるフレ変位方向F1と反対方向のフレ変位方向F2にフレ変位する。この第2溶接範囲W2の溶接に伴うフレ変位方向F2のフレ変位量により、第1溶接範範囲W1により発生したフレ変位方向F1のフレ変位量は減少する。
第3溶接工程S4において、溶接始点W3aから溶接終点W3bに亘って第3溶接範囲W3を溶接する。この溶接による第3溶接範囲W3の凝固に伴う溶接部の収縮により、図5(c)に示すようにドラム本体11が第3溶接範囲W3の中央に対して嵌挿部25の軸中心O側、即ち第4溶接範囲W4側のフレ変位方向F3にフレ変位する。
次の第4溶接工程S5において、第4溶接範囲W4の溶接始点W3aから溶接終点W4bに亘って第4溶接範囲W4を溶接する。この溶接による第4溶接範囲W4の凝固に伴う溶接部の収縮により、図5(c)に示すようにドラム本体11が第4溶接範囲W4の中央に対して嵌挿部25の軸中心O側、即ち第3溶接範囲W3側のフレ変位方向F4にフレ変位する。
この第4溶接範囲W4の溶接により第3溶接範囲W3の溶接に伴って発生したフレ変位方向F3のフレ変位量が第4溶接範囲W4の溶接によるフレ変位方向F4のフレ変位量によってほぼ相殺される。
このように溶接されたドラム本体11とシャフト21は第1溶接範囲W1を溶接する第1溶接工程S2に先立って予め第1溶接範囲W1に対向する嵌合孔15と嵌挿部25の接合部28を仮付け溶接することで、その仮付け溶接部Waによって第1溶接範囲W1の溶融に伴うフレ変位方向F1のフレ変位量が抑制され、かつ第1溶接工程S2によるフレ変位方向F1のフレ変位が第2溶接範囲W2の溶接に伴う溶接部の収縮によるフレ変位方向F2のフレ変位でより効率的に減少され、第3溶接範囲W3及び第4溶接範囲W4によりフレ方向F3及びF4にフレ変位量が互いに減少されて溶接終了後のフレ変位Fのフレ変位量が極めて少なく、クラッチ本体11とシャフト12の同軸度が確保されて高品位のクラッチドラム10が確保できる。
なお、上記実施の形態では、仮付け溶接工程において、第2溶接範囲W2の一部に仮付け溶接を施したが、更に第3溶接範囲W3、第4溶接範囲W4の一部に仮付け溶接を施すこともできる。
また、上記実施の形態は、ドラム本体ドラム本体11に形成された嵌合孔15の内周面16と嵌挿部25の外周面26との接合部28を等間隔で第1〜第4溶接範囲W1〜W4に4分割区分し、嵌合孔15と嵌挿部25の接合部28に仮付け溶接を施す場合を例に説明したが、第2実施の形態のようにドラム本体11に形成された嵌合孔15の内周面16と嵌挿部25の外周面26との接合部28を不等間隔で第1〜第4溶接範囲W1〜W4に分割した場合において第1溶接範囲W1と対向する嵌合孔15と嵌挿部25との接合部28に仮付け溶接を施すこともできる。
(参考例)
図6を参照して、第1溶接工程S2に先立って仮付け溶接工程を備える電子ビーム溶接方法の参考例を説明する。なお、図6において図1乃至図3と同一符号を付して該部の詳細な説明を省略する。
図6は、第1実施の形態における図3に対応する圧入工程及び各溶接工程における変位作用説明図である。
第1実施の形態と同様に、圧入工程S1でドラム本体11の嵌合孔15に、嵌挿部25を圧入嵌合してドラム本体11とシャフト21を一体に組み付ける。この状態では、図6(a)に示すようにドラム本体11の嵌合孔15が嵌挿部25から受ける径方向外方の押圧力P1と、嵌挿部25がドラム本体11の嵌合孔15から受ける径方向内方の押圧力P2は均衡を保っている。
本参考例では、第1〜第3溶接工程を有し、各溶接工程において溶接を施す各溶接範囲を、第1溶接範囲W1と第3溶接範囲W3が対向し、第1溶接範囲W1の溶接始点w1aと第3溶接範囲W3の溶接終点W3bの間に第2溶接範囲W2を設定して3分割する。例えば図6(b)に示すように嵌挿部25の軸中心Oを中心として等角度となる90°の第1溶接範囲W1及び第2溶接範囲W2、軸中心Oを中心とし溶接角度が180°の第3溶接範囲W3に3分割して設定する。即ち第1溶接範囲W1の溶接始点W1aに第2溶接範囲W2の溶接終点W2bがオーバーラップし、第1溶接範囲W1の溶接終点W1b及び第2溶接範囲W2の溶接始点W2aにそれぞれ第3溶接範囲W3の溶接始点W3a及び溶接終点W3bがオーバーラップして設定される。
そして、図6(c)に示すように、仮付け溶接工程において、第1溶接範囲W1に対し軸中心Oを中心に対向する嵌合孔15の内周面16と嵌挿部25の外周面26との接合部28となる第2溶接範囲W2の一部を仮付け溶接する。
次に、第1溶接工程において、溶接始点W1aから溶接終点W1bに亘って第1溶接範囲W1を溶接する。この溶接時に第1溶接範囲W1の溶接部が溶融し、この第1溶接範囲W1における嵌合孔15に作用する嵌挿部25からの押圧力P1及び嵌挿部25に作用する嵌合孔15からの押圧力P2がなくなり、嵌合孔15の内周面16に作用する押圧力P1と嵌挿部25の外周面26に作用する押圧力P2とが不均衡となり、図6(c)に示すように嵌挿部25の軸中心Oに対してドラム本体11が相対的に第1溶接範囲W1の中心と反対方向となる第2溶接範囲W2側のフレ変位方向F1にフレ変位する。このフレ変位方向F1のフレ変位量は、予め嵌合孔15に内周面16と嵌挿部25の外周面26とが仮付け溶接部Waにおいて結合されており、フレ変位が抑制されて比較的小さくなる。
次の第2溶接工程においては、第2溶接範囲W2を溶接する。この接範による第2溶接範囲W2に凝固に伴う溶接部の収縮により、図6(c)に示すようにドラム本体11が第2溶接範囲W2の中央に対して嵌挿部25の軸中心O側のフレ変位方向F2にフレ変位する。
次の第3溶接工程において、第3溶接範囲W3を溶接する。この溶接による第3溶接範囲W3の凝固に伴う溶接部の収縮により、図6(c)に示すようにドラム本体11が第3溶接範囲W3の中央に対して嵌挿部25の軸中心O側、即ち第1溶接範囲W1の溶接始点W1a及び第2溶接範囲W2の溶接終点W2bのオーバーラップ側のフレ変位方向F3にフレ変位し、このフレ変位方向F3のフレ変位によって第1溶接範囲W1及び第2溶接範囲Wの溶接に伴うフレ変位方向F1及びF2のフレ変形量が減少して溶接終了後のフレ変位Fのフレ変位量が極めて少なく、クラッチ本体11とシャフト12の同軸度が確保されて高品位のクラッチドラム10が確保できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では被溶接部材がクラッチドラムである場合を例に説明したが、例えばトルクコンバータのケーシングに軸状のシャフトを組み付ける等の2部材が嵌合される接合部に電子ビーム溶接を施す他の被溶接部材に適用することができる。
10 クラッチドラム(被溶接部材)
11 ドラム本体(第1部材)
12 底壁部
15 嵌合孔
16 内周面
21 シャフト(第2部材)
25 嵌挿部
26 外周面
28 接合部
W1 第1溶接範囲
W1a 溶接始点
W1b 溶接終点
W2 第2溶接範囲
W2a 溶接始点
W2b 溶接終点
W3 第3溶接範囲
W3a 溶接始点
W3b 溶接終点
W4 第4溶接範囲
w4a 溶接始点
W4b 溶接終点
S1 圧入工程
S2 第1溶接工程
S3 第2溶接工程
S4 第3溶接工程
S5 第4溶接工程
P1、P2 押圧力
F フレ変位方向
F1 第1溶接工程におけるシャフトに対するドラム本体のフレ変位方向
F2 第2溶接工程におけるシャフトに対するドラム本体のフレ変位方法
F3 第3溶接工程におけるシャフトに対するドラム本体のフレ変位方向
F4 第4溶接工程におけるシャフトに対するドラム本体のフレ変位方向

Claims (3)

  1. 第1部材に形成された円形筒状の内周面を有する嵌合孔に第2部材の嵌挿部を圧入嵌合し、互いに接合する嵌合孔の内周面と嵌挿部の外周面との接合部に電子ビームを照射し、 電子ビームと第1部材及び第2部材を相対回転させて接合部全周を溶接する電子ビーム溶接方法において、
    前記接合部を前記嵌挿部の軸中心を中心として対向する第1溶接範囲及び第2溶接範囲と、前記第1溶接範囲の溶接終点と第2溶接範囲の溶接始点との間の第3溶接範囲と、前記第2溶接範囲の溶接終点と第1溶接範囲の溶接始点との間の第4溶接範囲とに分割し、 前記第1溶接範囲を溶接始点から溶接終点に亘って連続して溶接する第1溶接工程と、 前記第2溶接範囲を溶接始点から溶接終点に亘って連続して溶接する第2溶接工程と、 前記第3溶接範囲を溶接する第3溶接工程と、
    前記第4溶接範囲を溶接する第4溶接工程とを順に実行することを特徴とする電子ビーム溶接方法。
  2. 前記第1溶接範囲の溶接始点から溶接終点の距離と、第2溶接範囲の溶接始点から溶接終点の距離が異なることを特徴とする請求項1の電子ビーム溶接方法。
  3. 前記第1溶接工程に先立って第1溶接範囲と対向する上記嵌合孔の内周面と嵌挿部の外周面との接合部の部位を仮付け溶接する仮付け溶接工程を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電子ビーム溶接方法。
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