本発明の請求項1に記載の発明は、上面視で炊飯釜の蓋体と釜本体とを交互に、搬送方向に沿って所定の間隔で並べ、搬送して洗浄水で洗浄する炊飯釜の洗浄装置であって、裏面を下方にした前記蓋体を搬送する第1の搬送手段と、開口端を下方にした前記釜本体を搬送する第2の搬送手段と、前記搬送方向に直交する上方向および/または水平方向への前記蓋体の動きを規制する第1のガイド部材と、前記搬送される蓋体および釜本体よりも下方にあり、上方に向けて所定の圧力で洗浄水を噴射する洗浄ノズルと、を備え、前記釜本体を前記第1のガイド部材の上端に載置し、前記第1の搬送手段により搬送する蓋体と、前記第2の搬送手段により前記第1のガイド部材の上端を摺動させて搬送する釜本体とを上下2段で搬送することを特徴とする炊飯釜の洗浄装置としたものである。
この炊飯釜の洗浄装置によれば、搬送される蓋体および釜本体よりも下方にある洗浄ノズルから、上方に向けて所定の圧力で洗浄水を噴射して蓋体を洗浄するとき、搬送方向に直交する上方向および/または水平方向への蓋体の動きを規制し、蓋体を正常に搬送することにより、蓋体を効果的に洗浄することができる。
また、上面視で一列に交互に所定の間隔をおいて蓋体と釜本体とを搬送しているため、上面視で二列以上で蓋体と釜本体とを搬送する場合に比較して、搬送方向に直交する水平方向のスペースを小さくすることができる。
また、釜本体を第1のガイド部材の上端に載置し、第2の搬送手段により摺動させて搬送するとともに、第1のガイド部材により、蓋体の意図しない方向への動きを規制することができる。これにより、蓋体と釜本体とを正常に搬送し効果的に洗浄するための部品点数を減らすことができ、炊飯釜の洗浄装置の構成を簡素化することができる。
また、洗浄ノズルから所定の圧力で釜本体に向けて洗浄水を噴射した場合、第1のガイド部材を洗浄水で濡らし、第1のガイド部材に載置して摺動させる釜本体の摺動性を向上させ、第2の搬送手段により円滑に摺動させて搬送することができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、洗浄ノズルよりも搬送方向の上流側に、蓋体が分離され開口端を上方とした釜本体を持ち上げて反転しながら前記開口端を第1のガイド部材の上端に載置する反転手段を備えることを特徴とする炊飯釜の洗浄装置としたものである。
この炊飯釜の洗浄装置によれば、釜本体の開口端が上方を向く姿勢から、釜本体を洗浄する姿勢である開口端を下方に向けた姿勢に変えながら、釜本体を上段となる第1のガイド部材の上端に載置することができる。これにより、釜本体の内面の洗浄を行うことができる姿勢とする釜本体の反転と、第1のガイド部材への移載とを効率的に行うことができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、洗浄ノズルよりも搬送方向の下流側に、上段を搬送する釜本体の搬送面と、下段を搬送する蓋体の搬送面とを略同一の高さ位置に揃えるように、第1のガイド部材の一部が搬送方向に下降傾斜した合流ガイド部を有することを特徴とする炊飯釜の洗浄装置である。
この炊飯釜の洗浄装置によれば、洗浄ノズルよりも搬送方向の下流側で、上段で搬送していた釜本体の搬送面と、下段で搬送していた蓋体の搬送面とを、同一の高さ位置に揃え、ともに同一の搬送手段により搬送することができる。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、洗浄ノズルの略上方に蓋体または釜本体が位置した際に、前記蓋体を搬送する第1の搬送手段または前記釜本体を搬送する第2の搬送手段を減速することを特徴とする炊飯釜の洗浄装置としたものである。
この炊飯釜の洗浄装置によれば、蓋体を搬送する第1の搬送手段または釜本体を搬送する第2の搬送手段の搬送速度が減速しない場合に比較して、蓋体または釜本体に所定の圧力で噴射される洗浄水が蓋体または釜本体に接触する時間が長くなり、蓋体または釜本体の洗浄性を向上させることができる。
本発明の請求項5に記載の発明は、上面視で一列に交互に所定の間隔をおいて、炊飯釜の蓋体と釜本体とを配置して搬送し、噴射される洗浄水により前記蓋体と前記釜本体とを洗浄する洗浄ステップを含む炊飯釜の洗浄方法であって、前記洗浄ステップよりも前に、前記釜本体に前記蓋体を被せた前記炊飯釜を前記蓋体と前記釜本体とに分離する分離ステップと、前記分離ステップで分離した釜本体を、反転しながら前記蓋体の搬送方向に直交する上方向および/または水平方向への前記蓋体の動きを規制する第1のガイド部材の上端に載置する反転ステップと、を含み、前記洗浄ステップでは、前記釜本体を、前記第1のガイド部材の上端に載置し、前記釜本体を上段とし、前記蓋体を下段として、搬送手段により前記釜本体と蓋体とを上下2段で搬送することを特徴とする炊飯釜の洗浄方法としたものである。
この炊飯釜の洗浄方法によれば、噴射される洗浄水により蓋体を洗浄するとき、搬送方向に直交する上方向および/または水平方向への蓋体の動きを規制し、蓋体を正常に搬送することにより、蓋体を効果的に洗浄することができる。
また、上面視で一列に交互に所定の間隔をおいて蓋体と釜本体とを搬送しているため、上面視で二列以上で蓋体と釜本体とを搬送する場合に比較して、搬送方向に直交する水平方向のスペースを小さくすることができる。
また、釜本体の開口端が上方を向く姿勢から、釜本体を洗浄する姿勢である開口端を下方に向けた姿勢に変えながら、釜本体を上段となる第1のガイド部材の上端に載置することができる。これにより、釜本体の内面の洗浄を行うことができる姿勢とする釜本体の反転と、第1のガイド部材への移載とを効率的に行うことができる。
本発明の請求項6に記載の発明は、上面視で一列に交互に所定の間隔をおいて、炊飯釜の蓋体と釜本体とを配置して搬送し、噴射される洗浄水により前記蓋体と前記釜本体とを洗浄する洗浄ステップを含む炊飯釜の洗浄方法であって、前記洗浄ステップでは、前記釜本体の搬送面を、前記蓋体の搬送方向に直交する上方向および/または水平方向への前記蓋体の動きを規制する第1のガイド部材の上端の高さ位置以上に位置させ、前記釜本体を上段とし、前記蓋体を下段として、搬送手段により前記釜本体と蓋体とを上下2段で搬送し、前記洗浄ステップよりも後に、前記上段を搬送する釜本体の搬送面と、前記下段を搬送する蓋体の搬送面とを略同一の高さ位置に揃えるように、前記搬送手段により前記釜本体および前記蓋体を搬送する合流ステップを含むことを特徴とする炊飯釜の洗浄方法としたものである。
この炊飯釜の洗浄方法によれば、噴射される洗浄水により蓋体を洗浄するとき、搬送方向に直交する上方向および/または水平方向への蓋体の動きを規制し、蓋体を正常に搬送することにより、蓋体を効果的に洗浄することができる。また、上面視で一列に交互に所定の間隔をおいて蓋体と釜本体とを搬送しているため、上面視で二列以上で蓋体と釜本体とを搬送する場合に比較して、搬送方向に直交する水平方向のスペースを小さくすることができる。
また、洗浄ステップよりも後に、上段で搬送していた釜本体の搬送面と、下段で搬送していた蓋体の搬送面とを、同一の高さ位置に揃え、ともに同一の搬送手段により搬送することができる。
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の発明において、洗浄ステップでは、蓋体または釜本体を洗浄水により洗浄する際に、前記蓋体または前記釜本体の搬送速度を減速させることを特徴とする炊飯釜の洗浄方法としたものである。
この炊飯釜の洗浄方法によれば、蓋体または釜本体を搬送する搬送速度を減速しない場合に比較して、蓋体または釜本体に所定の圧力で噴射される洗浄水が蓋体または釜本体に接触する時間が長くなり、蓋体または釜本体の洗浄性を向上させることができる。
(実施形態)
(炊飯システムの概要)
本実施形態に係る炊飯釜の洗浄装置を備える炊飯システムについて、図1を参照して、以下に詳細に説明する。
図1に示すように、炊飯システムは、まず、所定量の精白米を洗米機にて洗米し、浸漬タンクへ送り、浸漬タンク内で米を水に浸漬する洗米浸漬工程を行う。次いで、浸漬タンクにて浸漬した米を所定量、炊飯釜の釜本体20へと投入し、炊飯に必要な所定量の水を釜本体20へ注水する配米注水工程を行う。
次いで、配米注水工程を終えた釜本体20に蓋体10を被せた後に、炊飯釜を加熱して炊飯する炊飯工程を行う。次いで、炊飯後の炊飯釜を、蓋をした状態で所定時間搬送することにより、炊飯釜の中でご飯を蒸らす蒸らし工程を行う。次いで、炊飯釜の蓋体10を取り除き、釜本体20を反転機により反転することで、炊飯したご飯を釜本体20から取出す反転取出工程を行う。反転取出工程により釜本体20から取り出されたご飯は、盛付機により弁当箱に盛り付けられる。もしくは、飯缶へと充填される。
次いで、反転取出工程によりご飯を取り出した後の炊飯釜の釜本体20と、その蓋体10とを洗浄する炊飯釜洗浄工程を行う。炊飯釜洗浄工程により洗浄した釜本体20および蓋体10のうち、釜本体20は配米注水工程に戻され、蓋体10は配米注水工程を終えた釜本体20に被せられる。炊飯システムはこのような一連の流れによって、例えば、1つの釜には7キログラムの米と所定量の水とを充填し、1時間あたり20〜80釜を炊飯することができる。
(炊飯釜の構成)
炊飯システムに使用される炊飯釜は、釜本体20と蓋体10とに分離することができる。釜本体20と蓋体10とについて、図2を参照して、以下に詳細に説明する。
図2に示すように、炊飯釜は、米や水を収容するための略直方体形状の収容空間29を有する釜本体20と、収容空間29に封をするように釜本体20に被せられる蓋体10とからなる。なお、本実施形態の説明において、釜本体20または蓋体10の上面視で長手方向を幅方向とも称し、短手方向を奥行方向とも称し、幅方向および奥行方向に直交する方向を高さ方向とも称する。
図2(A)〜(C)に示すように、釜本体20は、高さ方向の一方に開放し、略直方体の形状を有するように、幅方向に間隔をおいて対向し、収容空間29の幅方向の側面を形成する短手側面部21と、奥行方向に間隔をおいて対向し、収容空間29の奥行方向の側面を形成する長手側面部22と、収容空間29の底を形成する底面部23とを備える。
短手側面部21と長手側面部22の上端は収容空間29の開口端24を形成し、釜本体20は上方に開放する開口25を有する。両短手側面部21は、その上端付近に取手部26を備える。取手部26は、短手側面部21の奥行方向の略中央であって、高さ方向において開口端24よりも僅かに低い位置に設けられている。なお、開口端24を上方に向けた釜本体20で、取手部26の上面となる面を取手部上面26aと称する。後述するが、開口端24を下方に向けた状態で第1のガイド部材51に開口端24または取手部上面26aを載置し摺動して、第2の搬送手段42により搬送する。
図2(D)〜(F)に示すように、蓋体10は、釜本体20の開口端24に対応して略矩形の形状を有し、開口端24の内側に嵌る蓋枠部11と、開口端24に載置される蓋板部12とを備える。蓋板部12は、幅方向の両端を短手角部13とし、奥行方向の両端を長手角部14とし、短手角部13と長手角部14により略矩形の外形を有する。
蓋板部12は、側面視で中央部分が上方に突出するように形成され、上面視で略中央の位置に幅方向に長い把持部15を備える。把持部15は、奥行方向に貫通する貫通孔16を備える。蓋体10は、貫通孔16に人の指や把持装置の係合部等を通して、把持することができる。
本実施形態において、釜本体20および蓋体10は、アルミを主材料とした合金で形成されており、例えば、蓋体10は3.4kg、釜本体20は9.0kgの質量を有し、蓋体10は釜本体20よりも質量が小さい。そのため、蓋体10は釜本体20よりも、洗浄するときに噴射される洗浄水の圧力により意図しない方向へと動きやすい。
本実施形態においては、開口端24を上方に向けた状態の釜本体20を通常姿勢の釜本体20、開口端24を下方に向けた状態の釜本体20を反転姿勢の釜本体20と称することがある。
(蓋体取り装置)
蓋体取り装置(図示なし)は、炊飯工程を終了した後の蓋体10を被せられた釜本体20から蓋体10を分離させ、搬入手段101に載置する。蓋体取り装置について、以下に説明する。
蓋体取り装置は、反転取出工程でご飯を取り出し、開口端24を上方に向けた通常姿勢である釜本体20に蓋体10を被せた状態の炊飯釜を受け入れる。蓋体取り装置は、受け入れた炊飯釜が待機位置で停止した後に、把持昇降手段(図示なし)により釜本体20に被せられた蓋体10の把持部15を把持し、蓋体10を持ち上げて、釜本体20の開口25よりも上方へと移動させ、蓋体10を分離する。さらに、分離した蓋体10を搬入手段101まで下降させて載置し、把持を解除する。なお、蓋体10は人の手により釜本体20から分離してもよい。
蓋体取り装置において炊飯釜が停止する待機位置(図示なし)は、炊飯釜の洗浄装置100のトップチェーンコンベアのような搬入手段101の導入位置となっており、蓋体10を分離した釜本体20および搬入手段101へと載置された蓋体10は、搬入手段101により炊飯釜の洗浄装置100の搬入反転ゾーンZaに移送される(図4を参照)。
(炊飯釜の洗浄装置)
炊飯釜の洗浄装置100は、蓋体取り装置により分離した釜本体20と蓋体10とを第1のガイド部材51および第2のガイド部材52により上下2段に配置して、上面視で交互に搬送方向に沿って所定の間隔をおいて釜本体20および蓋体10を搬送し、洗浄ノズルNより噴射される洗浄水により洗浄する。炊飯釜の洗浄装置100について、図3〜図13を参照して、以下に詳細に説明する。
図3に示すように、炊飯釜の洗浄装置100は、炊飯釜の洗浄装置100の骨格を構成するフレームFと、フレームFに取り付けられ炊飯釜の洗浄装置100の主要部を覆うハウジングHと、フレームFを支える脚Lを備える。炊飯釜の洗浄装置100のハウジングHやフレームFは、洗浄水により腐食することがなく、衛生面で優れたステンレスを主な材料として、折り曲げや溶接により加工した板材や棒状部材から形成する。
ハウジングHは、炊飯釜を洗浄する洗浄水や清水が外部に飛散しないように炊飯釜の洗浄装置100の上側を覆っている。また、ハウジングHは、取り外し可能な扉体Dを備え、清掃や点検のために、扉体Dを取り外した開口(図示なし)から炊飯釜の洗浄装置100の内部を確認可能としている。脚Lは床面Kに接地して、フレームFを安定的に支持している。
炊飯釜の洗浄装置100は、ハウジングHの上流側に釜本体20および蓋体10を搬入手段101により搬入する搬入口Iを備え、ハウジングHの下流側に釜本体20および蓋体10を搬出手段103により搬出する搬出口Oを備える。また、炊飯釜の洗浄装置100の主な構成要素は、フレームFに取り付けられている。また、ハウジングHの上には制御盤Cが設けられており、制御盤Cは、主に、炊飯釜の洗浄装置100内の各機器を制御する。
図4に示すように、炊飯釜の洗浄装置100は、搬入口Iから搬入手段101により搬入した釜本体20を、反転手段30により上下方向に反転し、後述する第1のガイド部材51に反転した釜本体20を載置する。そして、搬入手段101により蓋体10を後述する第2のガイド部材52に載置されるように搬送する搬入反転ゾーンZaと、それぞれ異なる第1の洗浄ポジションWa、第2の洗浄ポジションWb、第3の洗浄ポジションWc、第4の洗浄ポジションWdで釜本体20と蓋体10との洗浄を行う本洗浄ゾーンZbとを備える。
さらに、炊飯釜の洗浄装置100は、本洗浄ゾーンZbの下流側に、釜本体20と蓋体10とに付着した洗浄水を清水にて洗い流す濯ぎ洗浄ゾーンZcと、濯ぎ洗浄が完了した釜本体20を載置して摺動させる第1のガイド部材51を搬送方向に下降傾斜させて、釜本体20と蓋体10とを略同一の高さ位置で搬送するように搬出手段103まで搬送し、搬出手段103により搬出口Oから後工程の装置へと搬出する合流搬出ゾーンZdとを備える。
また、図4および図11に示すように、炊飯釜の洗浄装置100内の本洗浄ゾーンZbでは、第1のガイド部材51に釜本体20を載置し、第1のガイド部材51より下側に設けられた第2のガイド部材52に蓋体10を載置することにより、上下2段に配置して第1の搬送手段41および第2の搬送手段42により搬送する。釜本体20および蓋体10は、交互に所定の間隔をおいて搬送され、洗浄ノズルNにより噴射される洗浄水により洗浄される。
(搬入反転ゾーン)
搬入反転ゾーンZaは、搬入口Iより搬入した釜本体20を反転手段30へと挿入する位置である位置(挿入位置)Paから、後述する第2の搬送手段42が搬送可能な位置(導入位置)Pbへと、反転手段30により持ち上げ、上下方向に反転しつつ搬入し、後述する第1のガイド部材51の上に載置する。さらに、搬入口Iから搬入した蓋体10を、後述する第1の搬送手段41が搬送可能な位置(乗継位置)Pcへと搬送する。搬入反転ゾーンZaについて、図4および図5を参照して、以下に詳細に説明する。
図4に示すように、搬入反転ゾーンZaは、炊飯釜の洗浄装置100へと釜本体20および蓋体10を搬入する搬入手段101と、搬入した釜本体20を持ち上げ、上下方向に反転しつつ搬入し、第1のガイド部材51の導入位置Pbに載置する反転手段30と、反転手段30に釜本体20が受入れられたことを検知する第1のセンサ105と、反転手段30により反転しつつ、第1のガイド部材51の、第2の搬送手段42が搬送可能な位置である導入位置Pbに釜本体20が載置されたこと、および蓋体10が乗継位置Pcに搬送されたことを検知する第2のセンサ106と、蓋体10を搬送方向へと搬送する第1の搬送手段41と、反転手段30により反転した釜本体20を搬送方向へと搬送する第2の搬送手段42とを備える。
搬入手段101は、搬入口Iから蓋体10を搬入し、第1の搬送手段41へと乗り継がせることが可能な位置(乗継位置)Pc周辺に設けた駆動スプロケット102と、搬入口Iよりも釜本体20および蓋体10の搬送方向の上流側に設けた従動スプロケット(図示なし)とにトップチェーンをかけ渡して形成されている。
また、図5に示すように、反転手段30は、釜本体20を受け入れる受入空間34を有する反転アーム31と、反転アーム31の貫通孔314、317に貫通させて、反転アーム31と機械的に結合した回転軸323を支持する反転機構32と、駆動することにより回転軸323を回転させ、反転アーム31を回転軸323の長手方向の中心軸線を中心として正転および反転させる反転駆動源35とを備える。
反転アーム31は、受け入れた釜本体20の短手側面部21(図2(B)を参照)の位置を規制する一対のP字状部材312の側面規制部315と、一対のコ字状部材311の上下それぞれに有するアームのうちの、釜本体20の開口端24の位置を規制する開口端規制部318と、釜本体20の底面部23の位置を規制する底面規制部319とにより構成される。
側面規制部315と開口端規制部318と底面規制部319とは、それぞれ間隔をおいて略平行に配置し、それぞれの先端側を受入口321とし、受入口321と対向する側を終端322としている。そして、反転アーム31は、受入口321から釜本体20を受入れ、終端322で釜本体20の長手側面部22(図2(B)を参照)を規制する受入空間34を形成する。
図4に示すように、炊飯釜の搬送装置100の正面視で、第1のセンサ105は、反転アーム31の受入空間34に釜本体20が受入れられたことを検知できる位置に配置し、第2のセンサ106は、受入空間34に受け入れられた釜本体20を反転手段30により反転しつつ、第2の搬送手段42が搬送可能な導入位置Pbに釜本体20が載置されたことを検知できる位置に配置している。
第1のセンサ105および第2のセンサ106はともに非接触型のセンサ、例えば光電センサであり、釜本体20および蓋体10の搬送方向に直交する水平方向で、投光側と受光側とが配置されている。第1のセンサ105および第2のセンサ106は、それぞれの位置に釜本体20が位置したときに釜本体20を検知し、制御盤Cへ信号を送信する。
また、第2のセンサ106は、後述する第2の搬送手段42が蓋体10を搬送可能とする位置である乗継位置Pcに蓋体10が位置したことを検知し、制御盤Cへ信号を送信する。
なお、第1のセンサ105および第2のセンサ106には非接触型のセンサを用いたが、釜本体20および蓋体10の搬送を妨げることがないのであれば、接触型のセンサ、例えばリミットスイッチ等を用いてもよい。
なお、炊飯釜の洗浄装置の構造を理解しやすくするために、第1の搬送手段41および第2の搬送手段42についての詳細は、後述することとする。
反転手段30は、挿入位置Paにおいて反転アーム31の受入空間34に釜本体20を受け入れた後、反転駆動源35を駆動して、反転アーム31を180度正転することにより、第1のガイド部材51の導入位置Pbに反転姿勢の釜本体20を載置する。導入位置Pbに載置された釜本体20は、第2の搬送手段42により反転アーム31から抜き出されて搬送される。
また、反転手段30は、反転駆動源35を駆動して、導入位置Pbにおいて釜本体20が抜き出された反転アーム31を180度逆転することにより、再び挿入位置Pa側に戻す。このように、反転手段30は、反転アーム31を正転、逆転させることにより、挿入位置Paと導入位置Pbとの間を移動する。
また、蓋体10を移送する搬入手段101は、蓋体10を下方から支持して搬送する一対のトップチェーンコンベアを備え、搬送方向の下流側に向けて蓋体10を搬送し、後述するように反転アーム31の下方を通過して(図15を参照)、反転手段30の下流側に設けられた第2のガイド部材52の乗継位置Pcまで搬送する。
(本洗浄ゾーン)
本洗浄ゾーンZbは、搬送方向に順に並んで設けられた第1の洗浄ポジションWa、第2の洗浄ポジションWb、第3の洗浄ポジションWc、第4の洗浄ポジションWdで釜本体20と蓋体10とを洗浄する。本洗浄ゾーンZbについて、図6を参照して、以下に詳細に説明する。
本洗浄ゾーンZbの第1の洗浄ポジションWaは、搬送される釜本体20および蓋体10の上側に配置された第1の上側ノズル部611と、搬送される釜本体20および蓋体10の下側で第1の上側ノズル部611と略対向して配置された第1の下側ノズル部711とを備える。
第1の上側ノズル部611は、搬送方向に間隔をおいて、搬送方向と直交する水平方向に延びる5本の第1の上側洗浄水配管621を備える。各第1の上側洗浄水配管621は、その管長方向に間隔をおいた複数の洗浄ノズルNを下方に向けて形成している。各洗浄ノズルNは、第1の上側洗浄水配管621の下側に孔を穿つことにより形成される。
第1の下側ノズル部711は、搬送方向に間隔をおいて、搬送方向と直交する水平方向に延びる5本の第1の下側洗浄水配管721を備える。各第1の下側洗浄水配管721は、その管長方向に間隔をおいた複数の洗浄ノズルNを上方に向けて形成している。第1の下側ノズル部711の各洗浄ノズルNは、第1の下側洗浄水配管721の上側に孔を穿ち、孔にノズルチップ(図示なし)を装着することにより構成される。
本洗浄ゾーンZbの第2の洗浄ポジションWbは、搬送される釜本体20および蓋体10の上側に配置された第2の上側ノズル部612と、搬送される釜本体20および蓋体10の下側で第2の上側ノズル部612と略対向して配置された第2の下側ノズル部712とを備える。
第2の上側ノズル部612は、搬送方向に間隔をおいて、搬送方向と直交する水平方向に延びる4本の第2の上側洗浄水配管622を備える。各第2の上側洗浄水配管622は、その管長方向に間隔をおいた複数の洗浄ノズルNを下方に向けて形成している。各洗浄ノズルNは、第2の上側洗浄水配管622の下側に孔を穿つことにより形成される。
第2の下側ノズル部712は、搬送方向に間隔をおいて、搬送方向と直交する水平方向に延びる2本の第2の下側洗浄水配管722を備える。各第2の下側洗浄水配管722は、その管長方向に間隔をおいた複数の洗浄ノズルNを上方に向けて形成している。第2の下側ノズル部712の各洗浄ノズルNは、第2の下側洗浄水配管722の上側に孔を穿ち、孔にノズルチップを装着することにより構成される。
本洗浄ゾーンZbの第3の洗浄ポジションWcは、搬送される釜本体20および蓋体10の上側に配置された第3の上側ノズル部613と、搬送される釜本体20および蓋体10の下側で第3の上側ノズル部613と略対向して配置された第3の下側ノズル部713とを備える。
第3の上側ノズル部613は、第1の上側ノズル部611と同様に、搬送方向に間隔をおいて、搬送方向と直交する水平方向に延びる5本の第3の上側洗浄水配管623を備える。各第3の上側洗浄水配管623は、その管長方向に間隔をおいた複数の洗浄ノズルNを下方に向けて形成している。各洗浄ノズルNは、第3の上側洗浄水配管623の下側に孔を穿つことにより形成される。
第3の下側ノズル部713は、搬送方向と直交する水平方向に間隔をおいて搬送方向に延びる4本の第3の下側洗浄水配管723と、その管長方向の中心軸線を中心として周方向に所定の角度で、各第3の下側洗浄水配管723をスイングさせるスイング機構(図示なし)とを備える。
各第3の下側洗浄水配管723は、その管長方向に間隔をおいた複数の洗浄ノズルNを上方に向けて形成している。第3の下側ノズル部713の洗浄ノズルNは、第3の下側洗浄水配管723の上側に孔を穿ち、孔にノズルチップを装着することにより構成される。
本洗浄ゾーンZbの第4の洗浄ポジションWdは、搬送される釜本体20および蓋体10の上側に配置された第4の上側ノズル部614と、搬送される釜本体20および蓋体10の下側で第4の上側ノズル部614と略対向して配置された第4の下側ノズル部714とを備える。
第4の上側ノズル部614は、第2の上側ノズル部612と同様に、搬送方向に間隔をおいて、搬送方向と直交する水平方向に延びる4本の第4の上側洗浄水配管624を備える。各第4の上側洗浄水配管624は、その管長方向に間隔をおいた複数の洗浄ノズルNを下方に向けて形成している。各洗浄ノズルNは、第4の上側洗浄水配管624の下側に孔を穿つことにより形成される。
第4の下側ノズル部714は、第2の下側ノズル部712と同様に、搬送方向に間隔をおいて、搬送方向と直交する水平方向に延びる2本の第4の下側洗浄水配管724を備える。各第4の下側洗浄水配管724は、その管長方向に間隔をおいた複数の洗浄ノズルNを上方に向けて形成している。第4の下側ノズル部714の各洗浄ノズルNは、第4の下側洗浄水配管724の上側に孔を穿ち、孔にノズルチップを装着することにより構成される。
さらに、本洗浄ゾーンZbは、第1のタンク81および第2のタンク82を備える。第1のタンク81および第2のタンク82はそれぞれ、清水(水道水)を供給する清水配管(図示なし)と、高温の蒸気を供給する蒸気配管(図示なし)と、第1のタンク81および第2のタンク82に貯水した清水および洗浄水を吸込み、吐出することにより、第1の洗浄ポジションWa、第2の洗浄ポジションWb、第3の洗浄ポジションWc、第4の洗浄ポジションWdの各洗浄ノズルNから清水および洗浄水を噴射させる第1のポンプおよび第2のポンプ(図示なし)とに接続されている。
本実施形態では、洗浄水には、所定の洗剤、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を主原料とするアルカリ性の洗浄機用洗剤を混ぜ合わせる。なお、炊飯釜の汚れの程度にあわせて洗浄水に混入する洗剤の種類、濃度等は適宜、調整すればよい。また、炊飯釜の汚れの程度により、洗浄水に洗剤を混入しなくてもよい。
(濯ぎ洗浄ゾーン)
図4に示すように、濯ぎ洗浄ゾーンZcは、搬送される釜本体20および蓋体10の上側に配置された上側濯ぎ手段91と、搬送される釜本体20および蓋体10の下側で上側濯ぎ手段91と対向して配置された下側濯ぎ手段92とを備える。上側濯ぎ手段91および下側濯ぎ手段92は、それぞれ、搬送方向と直交する水平方向に延びる1本の上側清水配管911および下側清水配管921を備える。
上側清水配管911は、管長方向に間隔をおいて、下方に向けて穿たれた複数の孔にノズルチップを取り付けて構成される。下側清水配管921は、管長方向に間隔をおいて、上方に向けて穿たれた複数の孔にノズルチップを取り付けて構成される。上側清水配管911および下側清水配管921は、清水(水道水)を供給する給水配管(図示なし)に接続される。
(合流搬出ゾーン)
図4および図10に示すように、合流搬出ゾーンZdは、濯ぎ洗浄ゾーンZcにおいて濯ぎ洗浄が完了した釜本体20を載置し摺動させる第1のガイド部材51を、第2のガイド部材52と略同一の高さ位置まで搬送方向に下降傾斜させて、釜本体20と蓋体10とを搬送する高さ位置を略同一とするように合流させる。そして、略同一の高さ位置となった釜本体20と蓋体10とを、第2の搬送手段42と第1の搬送手段41とにより搬出手段103まで搬送し、搬出手段103により後工程の装置へと搬出するように構成している。合流搬出ゾーンZdについて、図4および図10を参照して、以下に詳細に説明する。
合流搬出ゾーンZdは、釜本体20および蓋体10を炊飯釜の洗浄装置100から搬出し、後工程である釜本体反転装置(図示なし)または移送手段(図示なし)へと搬送する搬出手段103と、後述する一対の第1のガイド部材51の一部であり搬送方向に下降傾斜する一対の合流ガイド部512とを備える。なお、合流搬出ゾーンZdの範囲は、本洗浄ゾーンZbの第4の洗浄ポジションWdおよび濯ぎ洗浄ゾーンZcと重複している。
図4に示すように、合流搬出ゾーンZdに設けた搬出手段103は、合流搬出ゾーンZdの下流側に設けた従動スプロケット104と、搬出口Oよりも搬送方向の下流側に設けた駆動スプロケット(図示なし)とにトップチェーンをかけ渡して形成されている。後述するが、従動スプロケット104は駆動側軸部材48により挿通されているが、駆動側軸部材48とは動力が伝達されるように機械的に結合されておらず、駆動側軸部材48に対して回転自在となるように構成している。
また、詳細については後述するが、一対の合流ガイド部512は、載置して摺動させる釜本体20を下流側へと搬送することにより、釜本体20を搬送する高さ位置を、後述する第2のガイド部材52に載置して摺動させる蓋体10を搬送する高さ位置へと近づけ、略同一とするよう構成されている。
(第1の搬送手段および第2の搬送手段)
炊飯釜の洗浄装置100は、搬入反転ゾーンZaから合流搬出ゾーンZdにかけて、釜本体20と蓋体10とを搬送する第1の搬送手段41および第2の搬送手段42を備える。
第1の搬送手段41は蓋体10を搬送し、第2の搬送手段42は釜本体20を搬送する。第1の搬送手段41および第2の搬送手段42は、後述する第1のガイド部材51、第2のガイド部材52、第3のガイド部材53、第4のガイド部材54と共同して、釜本体20を上段、蓋体10を下段とした上下2段で搬送する。そのような第1の搬送手段41および第2の搬送手段42について、図7〜図9を用いて、以下に詳細に説明する。
図7に示すように、蓋体10を搬送するための一対の第1の搬送手段41となる第1のコンベア411は、それぞれ、合流搬出ゾーンZdの搬送方向の下流側に設けた一対の駆動スプロケット412と、搬入反転ゾーンZaの搬送方向の上流側に設けた一対の従動スプロケット413とに無端状の第1のチェーン414をかけ渡して形成されている。
第1のチェーン414には、搬送方向に所定の間隔(ピッチ)、例えば、571.5ミリメートルの間隔をおいて蓋体10を係止する複数の第1の係止部材415が取り付けられている。駆動スプロケット412と従動スプロケット413とにかけ渡されて循環駆動する一対の第1のコンベア411のうち、搬送方向に駆動する往路側の第1のチェーン414および第1のチェーン414に取り付けた第1の係止部材415が第1の搬送手段41として機能する。なお、図7(B)において、第1の係止部材415は、往路側のみを記載している。
また、一対の従動スプロケット413の付近に、円の部分を下方に向けた半円形の摺動材416を設け、一対の摺動材416の円形の部分を第1のチェーン414に当接させることにより、第1のチェーン414のテンションを維持している。これにより、第1のチェーン414の脱落を防止しながら、後述する搬送経路の異なる第2のコンベア421の第2のチェーン424と長さを揃えている。
図8に示すように、釜本体20を搬送するための一対の第2の搬送手段42となる第2のコンベア421は、それぞれ、合流搬出ゾーンZdの搬送方向の下流側に設けた一対の駆動スプロケット422と、搬入反転ゾーンZaの上流側に設けた一対の従動スプロケット423とに無端状の第2のチェーン424をかけ渡して形成されている。
第2のチェーン424には搬送方向に所定の間隔(ピッチ)、例えば571.5ミリメートルの間隔をおいて釜本体20を係止する複数の第2の係止部材425が取り付けられている。駆動スプロケット422と従動スプロケット423とにかけ渡されて循環駆動する一対の第2のコンベア421のうち、搬送方向に駆動する往路側の第2のチェーン424および第2のチェーン424に取り付けた第2の係止部材425が第2の搬送手段42として機能する。なお、図8(B)において、第2の係止部材425は、往路側のみを記載している。
図7(B)および図8(B)に示すように、一対の第1のコンベア411は、蓋体10の幅方向の寸法よりも小さい間隔、例えば、200ミリメートルの間隔で配置され、一対の第2のコンベア421は、釜本体20の両短手側面部21に形成された取手部26と略同一の間隔、例えば、630ミリメートルの間隔で配置される。つまり、一対の第1のコンベア411は、一対の第2のコンベア421より内側に配置される。
後述するが、間欠搬送する釜本体20と蓋体10とを各洗浄ポジションに一時的に停止させて洗浄するために、上面視で搬送する釜本体20と蓋体10との間隔(ピッチ)は、各洗浄ポジションの間隔と合わせる必要がある。そのため、第2の係止部材425は、第1の係止部材415よりも所定の間隔、例えば440ミリメートルだけ下流側に位置するよう第1のコンベア411と第2のコンベア421とを配置している。
また、第1のコンベア411の第1のチェーン414および第2のコンベア421の第2のチェーン424は同じ長さであり、第1のコンベア411および第2のコンベア421が循環駆動しても、第1の係止部材415と第2の係止部材425との位置関係は保たれる。
それぞれ一対の駆動スプロケット412、422は同一の歯数を有し、コンベア駆動源43から動力伝達手段(図示なし)を介して接続する駆動側軸部材48が挿通され(図3を参照)ている。また、それぞれ一対の駆動スプロケット412、422は、駆動側軸部材48をフレームFに設けた軸受け(図示なし)等を介して回転可能となるよう支持している。
それぞれ一対の従動スプロケット413、423には従動側軸部材49が挿通され、従動側軸部材49をフレームFに設けた軸受け(図示なし)等を介して回転可能となるよう支持している。
そして、コンベア駆動源43を駆動して駆動側軸部材48を回転することにより、それぞれ一対の駆動スプロケット412、422を同一の速度で回転させ、一対の第1のチェーン414および一対の第2のチェーン424を同一の速度で駆動させる。
動力伝達手段を介して駆動スプロケット412、422へと動力を伝えるコンベア駆動源43(図4を参照)の出力軸(図示なし)に設けられたスプロケット(図示なし)には、スプロケットの半径方向に突出した検知部(図示なし)を設けて、検知部を検知するように、所定の箇所で検知部の位置を検知する近接センサ(図示なし)を設ける。
駆動源43の出力軸に設けられたスプロケットの検知部が1回転すると、第1の搬送手段41および第2の搬送手段42が1ピッチ進むように構成している。つまり、第1の搬送手段41および第2の搬送手段42とが1ピッチ進むごとに検知部が1回転し、検知される。制御盤Cは、近接センサの検知部を検知する信号を受けて、コンベア駆動源43を一時的に停止する。
本実施形態において、コンベア駆動源43は、電気モータからなり、インバータ(図示なし)に電気的に接続され、回転数等が変更可能である。コンベア駆動源43は、搬入反転ゾーンZaに設けられた第2のセンサ106が釜本体20または蓋体10を検知したときに、駆動を開始するよう制御されている。
つまり、第2のセンサ106で釜本体20または蓋体10を検知した後に、第2のセンサ106から制御盤Cへと信号を送る。信号を受けた制御盤Cは、コンベア駆動源43を駆動させて第1のコンベア411および第2のコンベア421を循環駆動させる。そして、コンベア駆動源43のスプロケットが1回転して検知部が近接センサにより検知されると、近接センサから制御盤Cへと信号が送られ、コンベア駆動源43は一時的に停止する。
そして、第2のセンサ106で後続の釜本体20または蓋体10を検知した後に、制御盤Cによりコンベア駆動源43を駆動させ、第1のコンベア411および第2のコンベア421を循環駆動させる。
図9(A)に示すように、駆動スプロケット412、422は、同一径で同一歯数のものを用いている。一方、第2のコンベア421の従動スプロケット423は第1のコンベア411の従動スプロケット413よりも径が大きく、第2のチェーン424は、第1のチェーン414より外側を回ることになる。そこで、第1のチェーン414を摺動材416に当接させ、従動スプロケット413、423の周辺で大回りに循環駆動させることにより、第1のチェーン414のテンションを維持している。
これにより、同じ長さである第1のチェーン414および第2のチェーン424が1回転しても、第1の係止部材415および第2の係止部材425の所定の間隔を不変としつつ、第1のチェーン414のテンションを維持することができる。
さらに、フレームFには、往路側の第1のチェーン414および第2のチェーン424を載置する上部コンベアレール(図示なし)と、復路側の第1のチェーン414および第2のチェーン424を載置する下部コンベアレール(図示なし)とが取り付けられている。各コンベアレールは、ステンレス材の長尺状部材により構成され、第1のチェーン414、第2のチェーン424がコンベアレールの上を転動して、所定の搬送経路を維持するよう構成している。
なお、図9(A)に示すように、第1のコンベア411および第2のコンベア421は、導入位置Pbにおかれた反転アーム31の側面規制部315よりも下方に位置するため、反転アーム31の側面規制部315に干渉することはない。また、図9(B)に示すように、一対の第1のコンベア411および一対の第2のコンベア421の搬送方向に直交する水平方向の内側の幅寸法は、導入位置Pbにおかれた反転アーム31の一対のコ字状部材311の搬送方向に直交する水平方向の外側の幅寸法よりも広く構成されている。そのため、第1のコンベア411および第2のコンベア421は、導入位置Pbに移動した反転アーム31の一対のコ字状部材311に干渉することなく、蓋体10と釜本体20とを搬送することができる。
さらに、従動側軸部材49は、導入位置Pbにおかれた反転アーム31のコ字状部材311よりも下方に位置するため、従動側軸部材49とコ字状部材311とは干渉することがない。
(第1のガイド部材、第2のガイド部材、第3のガイド部材、第4のガイド部材)
炊飯釜の洗浄装置100は、釜本体20を載置して摺動させる第1のガイド部材51と、蓋体10を載置して摺動させる第2のガイド部材52と、釜本体20の搬送方向に直交する水平方向への意図しない動きを規制する第3のガイド部材53と、釜本体20の搬送方向と直交する鉛直方向の上方向への意図しない動きを規制する第4のガイド部材54とを備える。
第1のガイド部材51、第2のガイド部材52、第3のガイド部材53、第4のガイド部材54は、いずれも摺動材、例えば超高分子量ポリエチレンやポリアセタール等の摺動性の高い材料を使用している。第1のガイド部材51、第2のガイド部材52、第3のガイド部材53、第4のガイド部材54について、図10〜図13を用いて以下に詳細に説明する。
図11に示すように、第1のガイド部材51の上端は、第2のガイド部材52の上端よりも上方に位置し、第1のガイド部材51の上端に釜本体20を載置して摺動させる。そして、第1のガイド部材51と第2のガイド部材52とにより、釜本体20と蓋体10とを上下2段で搬送する。また、第1のガイド部材51は、蓋体10の搬送方向に直交する水平方向と鉛直方向の上方向への意図しない動きを規制する。
図10に示すように、一対の第1のガイド部材51は、搬送方向に直交する水平方向に所定の間隔、例えば550ミリメートルの間隔をおいて、搬入反転ゾーンZaの下流側から合流搬出ゾーンZdの下流側まで搬送方向に略沿うように、フレームFに取付けられる。
一対の第1のガイド部材51は、搬入反転ゾーンZaの下流側から本洗浄ゾーンZbの第3の洗浄ポジションWcまで続く断面形状がL字状である一対のL字状ガイド部511と、第4の洗浄ポジションWdから合流搬出ゾーンZdまで続く断面形状が矩形状である一対の合流ガイド部512との2つの部材により構成されている。
なお、一対の合流ガイド部512は搬送方向に下降傾斜して配置されているが、詳細については後述する。
図10に示すように、一対の第2のガイド部材52は、搬送方向に直交する水平方向に、一対の第1のガイド部材51の間隔より狭い間隔で、搬入反転ゾーンZaの下流側から合流搬出ゾーンZdの下流側まで搬送方向に略沿うように、フレームFに取付けられる。
一対の第2のガイド部材52は、搬入反転ゾーンZaの下流側から本洗浄ゾーンZbの第2の洗浄ポジションWbの上流側まで続く一対の上流ガイド部521と、上流ガイド部521と搬送方向で一部重なるように、本洗浄ゾーンZbの第2の洗浄ポジションWbの上流側から第4の洗浄ポジションWdの上流側まで続く一対の中流ガイド部522と、中流ガイド部522と搬送方向で一部重なるように、本洗浄ゾーンZbの第4のポジションWdの上流側から合流搬出ゾーンZdの下流側まで続く一対の下流ガイド部523とにより構成されている。
上流ガイド部521と、中流ガイド部522と、下流ガイド部523とは、上流側の端部を鉛直方向の下方へと所定の角度で曲げられている。
図10および図11に示すように、一対の第3のガイド部材53は、搬送方向に直交する水平方向に、搬送される釜本体20の両短手側面部21の幅方向の寸法よりも所定の隙間をもたせて、本洗浄ゾーンZbの第1の洗浄ポジションWaの上流側から合流搬出ゾーンZdの下流側まで搬送方向に略沿うように、フレームFに取付けられる。
一対の第3のガイド部材53は、本洗浄ゾーンZbの第1の洗浄ポジションWaの上流側から第3の洗浄ポジションWcの下流側まで続く一対の水平ガイド部531と、水平ガイド部531と搬送方向で一部重なるように、第3の洗浄ポジションWcの下流側から合流搬出ゾーンZdの下流側まで続く一対の傾斜ガイド部532とにより構成されている。
水平ガイド部531と、傾斜ガイド部532とは、上流側の端部を水平方向の外側へと所定の角度で曲げられている。
図10および図11に示すように、一対の第4のガイド部材54は、搬送方向に直交する鉛直方向で、第1のガイド部材51に載置した釜本体20の底面部23から上方に所定の隙間をもたせて、本洗浄ゾーンZbの第1の洗浄ポジションWaの上流側から合流搬出ゾーンZdの下流側まで搬送方向に略沿うように、フレームFに取付けられる。
一対の第4のガイド部材54は、本洗浄ゾーンZbの第1の洗浄ポジションWaから第3の洗浄ポジションWcの下流側まで続く一対の水平ガイド部541と、水平ガイド部541と搬送方向で一部重なるように、第3の洗浄ポジションWcの下流側から合流搬出ゾーンZdの下流側まで続く一対の傾斜ガイド部542とにより構成されている。
水平ガイド部541と、傾斜ガイド部542とは、上流側の端部を鉛直方向の上方へと所定の角度で曲げられている。
図11〜図13に示すように、第1のガイド部材51には、本洗浄ゾーンZbを搬送する釜本体20が載置される。また、第1のガイド部材51のL字状ガイド部511には、その上端に釜本体20の開口端24が載置され、釜本体20の開口端24が釜本体20の搬送面27を形成する(図11を参照)。合流ガイド部512には、その上端に釜本体20の取手部上面26aが載置され、釜本体20の取手部上面26aが釜本体20の取手部搬送面27aを形成する(図13を参照)。なお、第1のガイド部材51の上端に載置した釜本体20は、第2のコンベア421の第2の係止部材425に釜本体20の取手部26の上流側を係止され搬送される。
一対の第1のガイド部材51のL字状ガイド部511は搬送方向に水平に延在し、釜本体20の搬送面27の高さ位置を維持して釜本体20を搬送する。一方、第1のガイド部材51の合流ガイド部512は、搬送方向に下降傾斜し、後述するように、釜本体20の搬送面27の高さ位置と蓋体10の搬送面17の高さ位置とが略同一となるように釜本体20を載置して摺動させて、第2搬送手段42により搬送する。また、第1のガイド部材51は、蓋体10の両短手角部13をL字状ガイド部511のL字の内側に受け入れるように設けられている。
一対の第2のガイド部材52は、本洗浄ゾーンZbを搬送する蓋体10が載置される。また、第2のガイド部材52はその上端に蓋体10の蓋枠部11の下端が載置され、蓋体10の蓋枠部11の下端が、上流ガイド部521、中流ガイド部522、下流ガイド部523のいずれにおいても略同一の高さ位置の蓋体10の搬送面17を形成する。なお、第2のガイド部材52の上端に載置した蓋体10は、第1のコンベア411の第1の係止部材415に蓋体10の長手角部14の上流側の面が係止され搬送される。
一対の第3のガイド部材53は、釜本体20の両短手側面部21に僅かに間隔をおいて配置されている。これにより、第3のガイド部材53は、本洗浄ゾーンZbを搬送する釜本体20の搬送方向に直交する水平方向への意図しない動きを規制する。第3のガイド部53の水平ガイド部531は、第1のガイド部材51のL字状ガイド部511に略平行に搬送方向に水平に延在し、傾斜ガイド部532は、第1のガイド部材51の合流ガイド部512に略平行に、下降傾斜して延在する。
一対の第4のガイド部材54は、搬送方向に直交する水平方向に間隔をおいて、釜本体20の底面部23に僅かに間隔をおいて配置されている。これにより、第4のガイド部材54は、本洗浄ゾーンZbを搬送する釜本体20の上方向への意図しない動きを規制する。第4のガイド部54の水平ガイド部541は、第1のガイド部材51のL字状ガイド部511に略平行に搬送方向に水平に延在し、傾斜ガイド部542は、第1のガイド部材51の合流ガイド部512に略平行に、下降傾斜して延在する。
第3のガイド部材53および第4のガイド部材54は、摺動容易な部材により構成している。そのため、第2のコンベア421により搬送する釜本体20が、洗浄ノズルNから噴射される洗浄水により、搬送方向に直交する水平方向および鉛直方向の上方向への意図しない動きをしたとしても、その動きを規制し、釜本体20を円滑に搬送することができる。
このように、第1のガイド部材51、第2のガイド部材52、第3のガイド部材53、第4のガイド部材54は、釜本体20および蓋体10の搬送経路を形成し、第1のコンベア411および第2のコンベア421を循環駆動させることにより、釜本体20は第1のガイド部材51上を摺動して搬送され、蓋体10は第2のガイド部材52上を摺動して搬送され、釜本体20と蓋体10とは、上下2段で搬送される。このとき、第1のガイド部材51は蓋体10の短手角部13をL字状ガイド部511のL字の内側で受けて、蓋体10の搬送方向に直交する上方向および水平方向への意図しない動きを規制する。
図11および図12に示すように、L字状ガイド部511は、コ字状部と直線状部とからなる摺動部材513を支持部材514に嵌め込み、螺子のような結合部材(図示なし)により結合される。支持部材514は、搬送方向に延在しており、フレームFに取り付けられている。L字状ガイド部511の上端は、釜本体20の開口端24を支持する。これにより、釜本体20をL字状ガイド部511の上端に載置し摺動して搬送する際は、開口端24が搬送面27を形成する。
L字状ガイド部511は、L字の内側が蓋体10の短手角部13を受け入れるように対向して配置される。これにより、L字状ガイド部511は、蓋体10が、搬送方向に直交する上方向および水平方向への意図しない動きを規制する。
図13に示すように、合流ガイド部512は、螺子のような結合部材(図示なし)により支持部材515に結合される。支持部材515は、搬送方向に下降傾斜するように延在しており、フレームFに取り付けられている。これにより、支持部材515に結合する合流ガイド部512は、搬送方向に下降傾斜するように延在する。合流ガイド部512は、蓋体10よりも搬送方向に直交する水平方向に、僅かに大きい間隔をおいて対向して設けられている。
合流ガイド部512の上端は、取手部上面26aを支持して釜本体20を載置して摺動させる。これにより、釜本体20は、合流ガイド部512の上端を摺動して搬送する際は、合流ガイド部512の上端により支持される取手部26の取手部上面26aが、取手部搬送面27aを形成する。
第1のガイド部材51の合流ガイド部512は下降傾斜するのに対して、第2のガイド部材52の下流ガイド部523は水平に延びるため、釜本体20の取手部搬送面27aが、蓋体10の搬送面17に近づくように構成されている。
第2の搬送手段42により搬送される釜本体20は、搬送方向に下降傾斜する合流ガイド部512により取手部搬送面27aを下降させつつ搬送される。そして、釜本体20の開口端24が第2のガイド部材52に載置されて、取手部上面26aが合流ガイド部512の上端から離れる。取手部上面26aが合流ガイド部512の上端から離れた後は、再び釜本体20の開口端24が搬送面27となり、釜本体20の搬送面27は、蓋体10の搬送面17と略一致する。
なお、搬送面27は釜本体20の開口端24により形成されるため、釜本体20の搬送面27は、開口端24を支持する第1のガイド部材51の上端よりも上方である高さ位置、つまり上端の高さ位置以上に位置することとなる。また、取手部搬送面27aも同様に、釜本体20の取手部上面26aにより形成されるため、釜本体20の取手部搬送面27aは、取手部上面26aを支持する第1のガイド部材51の上端の高さ位置以上に位置することとなる。
なお、第1のガイド部材51の上端と、釜本体20の搬送面27及び取手部搬送面27aとの間に、第1のガイド部材51とは異なる摺動材や、転動する部材を配置し、釜本体20を摺動もしくは転動させてもよい。その場合も同様に、搬送面27及び取手部搬送面27aは第1のガイド部材51の上端の高さ位置以上に位置することとなる。
(釜本体反転装置)
釜本体反転装置(図示なし)は、搬出手段103により搬出した開口端24を下方に向けた反転姿勢の釜本体20を、開口端24を上方に向けた通常姿勢の釜本体20とするよう反転する。
具体的には、開口端24が下方に向く状態で搬出手段103により搬送された釜本体20が、搬出手段103の終端に設けられた反転アーム(図示なし)に受けられる。その後、釜本体反転装置の反転アームが正転することにより、保持された釜本体20を、開口端24を上方に向けるように反転しながら、炊飯釜の洗浄装置100の下流側に設けられた移送手段に載置する。反転アームは、釜本体20を移送手段により抜き出された後に逆転して、釜本体20を再び受け入れる状態に戻る。なお、釜本体20は、人の手により反転してもよい。
(蓋体被せ装置)
蓋体被せ装置(図示なし)は、搬出手段103で搬出された蓋体10を、配米注水が完了した釜本体20に被せる。蓋体10を被せられた釜本体20は、炊飯工程へと搬送される。なお、蓋体10は人の手により釜本体20に被せてもよい。
(炊飯釜の洗浄方法)
次いで、炊飯釜の洗浄方法について図14〜図17を用いて説明する。以下では、炊飯釜の洗浄装置100を用いた炊飯釜の洗浄方法について説明するが、炊飯釜の洗浄方法は、他の炊飯釜の洗浄装置を利用してもよい。なお、図14において、説明を簡単にするために、第1の釜本体120を先頭にして、第1の蓋体110、第2の釜本体220、第2の蓋体210、第3の釜本体320、第3の蓋体310が搬送される様子を示す。しかし、実際は、釜本体120の前には他の釜本体および蓋体が順次搬送されており、蓋体310の後には他の釜本体および蓋体が順次搬送されている。
炊飯釜の洗浄方法の各工程は、図1に示す炊飯釜洗浄工程やその前後の工程に含まれている工程であり、炊飯システムの工程の一部である。そして、炊飯システムの工程の一部である炊飯釜の洗浄方法は、炊飯釜を釜本体20と蓋体10とに分離する蓋体取り工程と、蓋体取り工程により分離した釜本体20を搬入して上下方向を反転し、分離した蓋体10を搬入する搬入反転工程と、第1の搬送手段41により裏面を下方にした蓋体10を搬送し、第2の搬送手段42により前記反転した釜本体20を搬送して、洗浄水により蓋体10と釜本体20とを洗浄する本洗浄工程と、本洗浄工程で釜本体20と蓋体10とに付着した洗浄水を、清水にて洗い流す濯ぎ洗浄工程と、濯ぎ洗浄工程が完了した釜本体20の開口端24が形成する搬送面27と蓋体10の蓋枠部11が形成する搬送面17とを略同じ高さ位置とし、搬出手段103により後工程の装置へと搬出する合流搬出工程と、釜本体反転手段により、開口端24が上方に向くように釜本体20を再反転する再反転工程と、再反転し、配米注水工程を終えた釜本体20へ、蓋体被せ手段により蓋体10を被せる蓋体被せ工程とを含む。
(蓋体取り工程)
蓋体取り工程では、自動炊飯システムの反転取出工程を終えた炊飯釜を蓋体取り装置(図示なし)に移送し、蓋体取り装置の把持昇降装置により、釜本体20と蓋体10とに分離し、蓋体10を分離した釜本体20を炊飯釜の洗浄装置100に搬入した後に、釜本体20から分離した蓋体10を炊飯釜の洗浄装置100に搬入する。
具体的には、まず、炊飯システムの反転取出工程で釜本体20を反転し、収容空間29のご飯を取り出した後に、釜本体20の開口端24が上方を向く通常姿勢に釜本体20の姿勢を戻し、蓋体10を被せた状態で蓋体取り装置に炊飯釜を送る。
次に、蓋体取り装置では、炊飯システムの反転取出工程を終え、釜本体20に蓋体10を被せた状態で炊飯釜を受け、蓋体取り装置の待機位置で停止する。次に、蓋体取り装置は、把持昇降装置により、待機位置に停止した炊飯釜から蓋体10の把持部15を把持して、蓋体10を上昇位置まで上昇させ、釜本体20から取り外す(分離ステップ)。なお、蓋体10は人の手により釜本体から分離してもよい。
蓋体取り装置の炊飯釜が停止する待機位置は、釜本体20および蓋体10を搬送装置から搬入手段101へと乗り継がせる乗継部(図示なし)となっており、蓋体10を取り外した釜本体20は、搬入手段101により炊飯釜の洗浄装置100の搬入反転ゾーンZaに搬入される。
次に、把持昇降装置により炊飯釜から分離された蓋体10は、搬送手段から炊飯釜の洗浄装置100へと蓋体10と釜本体20とを搬入する搬入手段101へと乗り継がせる乗継部に載置して待機させる。そして、蓋体10は搬入手段101により炊飯釜の洗浄装置100に搬入される。
そして、次の炊飯釜が、炊飯システムの反転取出工程を終え、蓋体取り装置に搬送される。このような手順で釜本体20と蓋体10とを順に炊飯釜の洗浄装置100に搬入し、この手順を繰り返すことにより、複数の釜本体20と複数の蓋体10とを順次連続して搬入する。
(搬入反転工程)
搬入反転工程は、搬入口Iより搬入した釜本体20を、反転手段30へと挿入する位置である挿入位置Paから反転手段30により持ち上げて上下方向に反転し、第2の搬送手段42が搬送可能な位置である導入位置Pbへと、第1のガイド部材51の上に載置することにより、搬入する(反転ステップ)。そして、反転ステップが終了した後に、搬入手段101により、搬入する蓋体10を第1の搬送手段41へと乗り継がせることが可能な位置である乗継位置Pcまで搬入する(搬入ステップ)。
具体的には、図14(A)に示すように、搬入反転工程では、釜本体220が挿入位置Paで反転アーム31の受入空間34に受け入れられたとき、第1のセンサ105は、釜本体220を検知し、制御盤Cへ信号を送る。信号を受信した制御盤Cは、例えば7秒間かけて反転機構32を動作させて反転アーム31を挿入位置Paから、反転アーム31を90度正転した中間位置を経て導入位置Pbへ向けて正転する。
そして、反転アーム31が導入位置Pbへと正転し、釜本体220が導入位置Pbに搬入されたとき、第2のセンサ106が釜本体220を検知し、制御盤Cへ信号を送る。信号を受信した制御盤Cは、コンベア駆動源43を駆動して、第2のコンベア421を循環駆動させる。これにより、釜本体220に第2の係止部材425を係止して搬送し、釜本体220を反転アーム31から抜き出す。このとき、制御盤Cは、コンベア駆動源43を駆動させて第2のコンベア421を、例えば7秒かけて1ピッチ循環駆動した後、停止させる。
反転アーム31から釜本体220が抜き出された後、第2のセンサ106は、釜本体220が反転アーム31内に無いことを検知して、制御盤Cへ信号を送る。信号を受信した制御盤Cは、反転アーム31を導入位置Pbから中間位置へと所定時間、例えば、4秒かけて逆転させる。そして、図14(B)に示すように、反転アーム31が中間位置に到達すると、制御盤Cは搬入手段101を循環駆動させ、蓋体210を乗継位置Pcへと搬入する。このとき、搬入手段101により蓋体10を搬送し、中間位置にある反転アーム31の下方を通過させて搬入することで、蓋体10を反転アーム31に干渉させることなく搬入することができる(図15を参照)。
そして、蓋体210が、第2のガイド部52の乗継位置Pcに到達したときに、第2のセンサ106は、蓋体210を検知し、制御盤Cに信号を送る。制御盤Cは、反転アーム31を中間位置から挿入位置Paまで逆転するとともに、コンベア駆動源43を駆動し、第2のコンベア421を所定時間、例えば、7秒間かけて1ピッチ駆動して蓋体210を搬送する。
このとき、第1のコンベア411も同期して1ピッチ駆動し、先に搬入された釜本体220も搬送される。第1のコンベア411と第2のコンベア421とを同期して駆動することにより、すでに炊飯釜の洗浄装置100に搬入された釜本体と蓋体とを含めて、釜本体220と蓋体210とを同期して搬送することができる。
以上のように搬入反転工程では、釜本体20と蓋体10とが順に搬入され、第1のガイド部材51の導入位置Pbおよび第2のガイド部材52の乗継位置Pcまで搬送される。なお、反転アーム31が、空の状態で導入位置Pbと挿入位置Paとの中間位置に移動したとき(図15を参照)、搬入手段101により蓋体10が移送され、反転アーム31の下側を通って搬送される。
(本洗浄工程)
炊飯釜の洗浄装置100において、図14に示すように、本洗浄ゾーンZbは第1の洗浄ポジションWa、第2の洗浄ポジションWb、第3の洗浄ポジションWc、第4の洗浄ポジションWdに加えて、第1洗浄ポジションWaの上流側に搬入待機ポジションWsと、第4の洗浄ポジションWdの下流側に搬出待機ポジションWtとを備え、第1の洗浄ポジションWa、第2の洗浄ポジションWb、第3の洗浄ポジションWc、第4の洗浄ポジションWdで釜本体20と蓋体10とを洗浄する(洗浄ステップ)。
炊飯釜の洗浄方法の本洗浄工程では、釜本体20と蓋体10とが、上面視で一列に交互に並べられ間欠動作にて搬送され、第1の洗浄ポジションWa、第2の洗浄ポジションWb、第3の洗浄ポジションWc、第4の洗浄ポジションWdに有する第1の下側ノズル部711、第2の下側ノズル部712、第3の下側ノズル部713、第4の下側ノズル部714の略上方に位置した際に減速して停止することになっており、釜本体20と蓋体10とは、継続的に洗浄水を噴射する各洗浄ポジションの洗浄ノズルNにより、減速して停止した状態で洗浄水により洗浄される。
なお、第1の洗浄ポジションWa、第2の洗浄ポジションWb、第3の洗浄ポジションWc、第4の洗浄ポジションWdの各ポジションの間隔は、第1のチェーン414および第2のチェーン424に取り付けられた第1の係止部材415および第2の係止部材425のピッチである所定の間隔、例えば、571.5ミリメートルの間隔をおいて設けられている。また、第2の係止部材425は、第1の係止部材415よりも所定の間隔、例えば440ミリメートルだけ下流側に位置している。
これら、第1の係止部材415および第2の係止部材425のピッチである所定の間隔と、第2の係止部材425が第1の係止部材415よりも下流側に位置する所定の間隔とにより、図14(D)に示すように、第1の洗浄ポジションWa、第2の洗浄ポジションWb、第3の洗浄ポジションWc、第4の洗浄ポジションWdの各ポジションで停止するように、釜本体20および蓋体10を交互に並べて間欠搬送することができる。
ここで、図14に示す第1のタンク81および第2のタンク82は、清水配管から供給された洗浄水を貯水する。第1のタンク81および第2のタンク82に貯水された洗浄水は、蒸気配管から供給する高温の蒸気を混ぜ合わせることにより、貯水した洗浄水を所定の温度、例えば、50度C程度に加熱する。
第1のタンク81および第2のタンク82に貯水され、所定の温度に加熱された洗浄水は、第1のポンプ(符号なし)および第2のポンプ(符号なし)により吐出され、第1の上側ノズル部611、第2の上側ノズル部612、第3の上側ノズル部613、第4の上側ノズル部614、および第1の下側ノズル部711、第2の下側ノズル部712、第3の下側ノズル部713、第4の下側ノズル部714から所定の圧力、例えば、0.14〜0.15MPaで噴射される。
第1の洗浄ポジションWaの第1の上側ノズル部611および第1の下側ノズル部711と、第2の洗浄ポジションWbの第2の上側ノズル部612および第2の下側ノズル部712とから所定の圧力で噴射された洗浄水は第1のタンク81へと回収され、第3の洗浄ポジションWcの第3の上側ノズル部613および第3の下側ノズル部713と、第4の洗浄ポジションWdの第4の上側ノズル部614とおよび第4の下側ノズル部714とから所定の圧力で噴射された洗浄水は第2のタンク82へと回収される。
そして、第1のタンク81および第2のタンク82に回収し貯水された洗浄水は、蒸気配管から供給する高温の蒸気を混ぜ合わせて所定の温度へと加熱し、第1のポンプおよび第2のポンプにより吐出し、循環させて間欠搬送する釜本体20および蓋体10へと噴射されて、釜本体20および蓋体10を洗浄する。
このように、炊飯釜の洗浄装置100では、炊飯釜20および蓋体10を洗浄した洗浄水を第1のタンク81および第2のタンク82で回収し、所定の温度に加熱した後、洗浄ノズルNから再び噴射して炊飯釜20および蓋体10を洗浄する。洗浄水を循環して再利用する。
以下に、洗浄工程で釜本体20および蓋体10の搬送について、図14を用いて説明する。
図14(A)の状態では、搬入反転工程で先に搬入された第1の釜本体120は、第2のコンベア421により、第1の洗浄ポジションWaまで搬送されており、後に搬入された第1の蓋体110は、第1のコンベア411により、搬入待機ポジションWsまで搬送されている。
このとき、後続の炊飯釜である第2の釜本体220が、反転アーム31に受け入れられ、その後、上下方向を反転させられて第1のガイド部材51の導入位置Pbに載置される。制御盤Cは、第1のガイド部51の導入位置Pbに載置した第2の釜本体220を第2のセンサ106により検知し、第1のコンベア411および第2のコンベア421を1ピッチ駆動し、釜本体120、220および蓋体110を搬送する。そして、後続の蓋体210が搬入手段101により乗継位置Pcまで搬送される。
第1の釜本体120は、第1の洗浄ポジションWaから第2の洗浄ポジションWbまで搬送される。また、後続の蓋体110、釜本体220、蓋体210も同期して搬送される。その状態で、釜本体120、蓋体110、釜本体220、蓋体210は、第2のセンサ106が後続の釜本体20または蓋体10を検知し、第1のコンベア411および第2のコンベア421の駆動を開始するまでの間、例えば、30秒停止して待機し、図14(B)の状態に移行する。
この間、第2の蓋体210が、第2のガイド部材52の乗継位置Pcに搬送される。制御盤Cは、第2のガイド部材52の乗継位置Pcにある第2の蓋体210を検知し、第1のコンベア411および第2のコンベア421を例えば、7秒間かけて1ピッチ駆動し、釜本体120、220および蓋体110、210を搬送し、図14(C)の状態に移行する。
図14(C)の状態では、第1の釜本体120は、第2の洗浄ポジションWbから第3の洗浄ポジションWcまで搬送され、第1の蓋体110は、第1の洗浄ポジションWaから第2の洗浄ポジションWbまで搬送され、第2の釜本体220は、搬入待機ポジションWsから第1の洗浄ポジションWaまで搬送され、第2の蓋体210は、第2のガイド部材52の乗継位置Pcから搬入待機ポジションWsまで搬送され、その状態で、釜本体120、220と蓋体110、210とは例えば、30秒停止して待機する。後述するが、一時的に停止して待機する間、釜本体120、220と蓋体110を各洗浄ポジションで洗浄する。
このとき、後続の炊飯釜の第3の釜本体320が、反転アーム31に受けられ、その後、第1のガイド部材51の導入位置Pbに載置される。制御盤Cは、第1のガイド部材51の導入位置Pbに載置した第2の釜本体320を第2のセンサ106により検知し、第1のコンベア411および第2のコンベア421を例えば、7秒かけて1ピッチ駆動し、釜本体120、220、320および蓋体110、210を搬送し、図14(D)の状態に移行する。
図14(D)の状態では、第1の釜本体120は、第3の洗浄ポジションWcから第4の洗浄ポジションWdまで搬送され、第1の蓋体110は、第2の洗浄ポジションWbから第3の洗浄ポジションWcまで搬送され、第2の釜本体220は、第1の洗浄ポジションWaから第2の洗浄ポジションWbまで搬送され、第2の蓋体210は、搬入待機ポジションWsから第1の洗浄ポジションWaまで搬送され、第3の釜本体320は、第1のガイド部材51の導入位置Pbから搬入待機ポジションWsまで搬送される。その状態で、釜本体120、220、320と蓋体110、210とは例えば、30秒停止して待機する。後述するが、一時的に停止して待機する間、釜本体120、220と蓋体110、210を各洗浄ポジションで洗浄する。
この間、第3の蓋体310が、第2のガイド部材52の乗継位置Pcに搬送される。制御盤Cは、第2のガイド部材52の乗継位置Pcにある第3の蓋体310を検知し、第1のコンベア411および第2のコンベア421を、例えば7秒駆動し、釜本体120、220、320および蓋体110、210、310を次のポジションに搬送する。
このように、炊飯釜の洗浄方法の本洗浄工程では、炊飯釜の洗浄装置100の第1の搬送手段41および第2の搬送手段42は、同期して釜本体20と蓋体10とを間欠搬送するため、釜本体20と蓋体10とが、一列で間欠動作にて搬送される。これにより、釜本体20と蓋体10とは、第1の洗浄ポジションWa、第2の洗浄ポジションWb、第3の洗浄ポジションWc、第4の洗浄ポジションWdで所定の時間だけ停止し、継続的に洗浄水を噴射する第1の洗浄ポジションWa、第2の洗浄ポジションWb、第3の洗浄ポジションWc、第4の洗浄ポジションWdの洗浄ノズルNにより、減速または停止した状態で洗浄水により洗浄される。
なお、第1の搬送手段41および第2の搬送手段42は、同期して蓋体10および釜本体20を間欠搬送するが、第1の下側ノズル部711、第2の下側ノズル部712、第3の下側ノズル部713、第4の下側ノズル部714のそれぞれの洗浄ノズルNの略上方に蓋体10および釜本体20が位置した際、搬送を一時的に停止する前に、当然のことながら蓋体10および釜本体20の搬送速度を減速させている。また、蓋体10および釜本体20を一時的に停止した後に搬送を開始する際には、当然のことながら蓋体10および釜本体20の搬送速度を加速させている。
なお、第1の搬送手段41および第2の搬送手段42は、同期して蓋体10および釜本体20を間欠搬送しているが、充分に蓋体10および釜本体20を洗浄することができるのであれば、蓋体10および釜本体20を連続搬送して洗浄してもよい。さらに、連続搬送は、減速と加速を繰り返して蓋体10および釜本体20を搬送するようにしてもよい。
なお、蓋体10および釜本体20を充分に洗浄することができるのであれば、第1の搬送手段41および第2の搬送手段42は同期して駆動させなくともよい。その場合、第1の搬送手段41の第1のチェーン414を循環駆動させる駆動スプロケット412と、第2の搬送手段42の第2のチェーン424を循環駆動させる駆動スプロケット422とは、異なる駆動側軸部材が挿通される。そして、第1の搬送手段41と第2の搬送手段42とで、蓋体10と釜本体20とが接触しないように搬送する。
また、その場合、第1の下側ノズル部711、第2の下側ノズル部712、第3の下側ノズル部713、第4の下側ノズル部714の少なくとも1つの略上方に蓋体10または釜本体20が位置したとき、蓋体10または釜本体20を一時的に停止して、洗浄する。これにより、蓋体10および釜本体20の汚れ具合に応じた洗浄を行うことができる。
また、蓋体10または釜本体20を一時的に停止せず、蓋体10および釜本体20を略同一の速度で搬送する、もしくはそれぞれ異なる速度で搬送し、洗浄してもよい。また、さらに、少なくとも蓋体10および釜本体20のうちの一方の搬送速度を可変として、加速と減速とを行ってもよい。これにより、蓋体10および釜本体20の汚れ具合に応じて搬送速度を設定し、洗浄を行うことができる。
本実施形態において、停止時間を30秒、駆動時間7秒として、釜本体20と蓋体10とを間欠搬送している。第1の洗浄ポジションWa、第2の洗浄ポジションWb、第3の洗浄ポジションWc、第4の洗浄ポジションWdでの洗浄について、図16を用いて、以下に詳細に説明する。
図16(A)に示すように、第1の洗浄ポジションWaである第1の上側ノズル部611および第1の下側ノズル部711に対応する位置に置かれた釜本体20および蓋体10は、洗浄ノズルNから洗浄水を噴射される。このとき、第1の下側ノズル部711の洗浄ノズルNから噴射される洗浄水は、例えば0.14MPaの圧力で噴射されている。
5本の第1の下側洗浄水配管721の洗浄ノズルNから噴射される洗浄水は蓋体10を持ち上げるほど強力であるが、第1のガイド部材51は、蓋体10が搬送方向に直交する上方向に意図しない方向へと動くことを規制する。これにより、蓋体10を正常に搬送することができ、効果的に洗浄することができる。
図16(B)に示すように、第2の洗浄ポジションWbである第2の上側ノズル部612および第2の下側ノズル部712に対応する位置に置かれた釜本体20および蓋体10は、洗浄ノズルNから洗浄水を噴射される。このとき、第2の下側ノズル部712の洗浄ノズルNから噴射される洗浄水は、例えば0.14MPaの圧力で噴射されている。
図16(C)に示すように、第3の洗浄ポジションWcである第3の上側ノズル部613および第3の下側ノズル部713に対応する位置に置かれた釜本体20および蓋体10は、洗浄ノズルNから洗浄水を噴射される。このとき、第3の下側ノズル部713の洗浄ノズルNから噴射される洗浄水は、例えば、0.15MPaの圧力で噴射されている。なお、図16(C)では、第3の下側ノズル部713の洗浄ノズルNがスイングしている様子を示す。
4本の第3の下側洗浄水配管723の洗浄ノズルNから噴射される洗浄水は蓋体10を持ち上げるほど強力であるが、第1のガイド部材51は、蓋体10が搬送方向に直交する上方向に意図しない方向へと動くことを規制することができる。さらに、第3の下側洗浄水配管723の洗浄ノズルNはスイングするため、搬送方向に直交する水平方向の意図しない方向へと蓋体10が動きやすいが、第1のガイド部材51は、蓋体10が搬送方向に直交する水平方向に意図しない方向へと動くことを規制することができる。これにより、蓋体10を正常に搬送することができ、効果的に洗浄することができる。
図16(D)に示すように、第4の洗浄ポジションWdである第4の上側ノズル部614および第4の下側ノズル部714に対応する位置に置かれた釜本体20および蓋体10は、洗浄ノズルNから洗浄水を噴射される。このとき、下側ノズル部714の洗浄ノズルNから噴射される洗浄水は、例えば0.15MPaの圧力で噴射されている。
なお、第1の洗浄ポジションWaから第2の洗浄ポジションWbに搬送されると、蓋体10を下方から支持する第2のガイド部材52は、上流ガイド部521から、中流ガイド部522へと移行する。上流ガイド部521から中流ガイド部522へと移行することにより、第1の洗浄ポジションWaと第2の洗浄ポジションWbとにおいて、第2のガイド部材52により洗浄水を遮蔽されていた個所、つまり釜本体20および蓋体10の洗浄死角が変化し、釜本体20および蓋体10の洗浄を効果的に行うことができる。
(濯ぎ洗浄工程)
図14に示すように、濯ぎ洗浄工程は、本洗浄工程で蓋体10と釜本体20とに付着した洗浄水を、清水にて洗い流す。具体的には、第4の洗浄ポジションWdから搬出待機ポジションWtへと搬送される際に、濯ぎ洗浄ゾーンZcを通過させながら上側濯ぎ手段91と、下側濯ぎ手段92とにより上下から噴射される清水により、本洗浄工程で釜本体20および蓋体10に付着した洗浄水を濯ぐ。
(合流搬出工程)
図14に示すように、第4の洗浄ポジションWdから搬出待機ポジションWtに搬送される釜本体20は、第1のガイド部材51が第2のガイド部材52と略同一の高さ位置まで下側に向けて傾斜することにより、釜本体20の開口端24が形成する搬送面27と蓋体10の蓋枠部11が形成する搬送面17とを略同じ高さ位置に合流させる。
具体的には、図11に示すように、釜本体20は、搬入反転ゾーンZaの下流側から本洗浄ゾーンZbの第3の洗浄ポジションWcの下流側まで、開口端24が第1のガイド部材51のL字状ガイド部511の上端に載置されて摺動し、開口端24が釜本体20の搬送面27を形成して、第2の搬送手段42により搬送される。
そして、図10に示すように、合流搬出ゾーンZdの上流側でL字状ガイド部511は途切れ、その端面には搬送方向に下降傾斜する合流ガイド部512が接続しているため、釜本体20は図13の状態となる。図13の状態では、釜本体20の取手部上面26aが搬送方向に下降傾斜する合流ガイド部512に載置されて摺動し、取手部上面26aが釜本体20の取手部搬送面27aを形成して、第2の搬送手段42により取手部搬送面27aを下降させつつ釜本体20を搬送する。
取手部搬送面27aを下降させつつ搬送すると、釜本体20の開口端24が第2のガイド部材52に載置され、摺動することとなる。そして、取手部上面26aが搬送方向に下降傾斜する合流ガイド部512の上端から離れることとなり、再び釜本体20の開口端24が搬送面27となって、釜本体20の搬送面27は蓋体10の搬送面17と高さ位置で略一致する。
つまり、図10に示すように、合流搬出工程は、濯ぎ洗浄工程が完了した釜本体20を載置して摺動させる第1のガイド部材51を搬送方向に下降傾斜させて、蓋体10と釜本体20とを搬送する高さ位置を略同一とするように搬出手段103まで搬送し(合流ステップ)、搬出手段103により後工程の装置へと搬出する(搬出ステップ)。
図17に示すように、合流搬出工程では、釜本体20の取手部26を、第2のコンベア421の第2の係止部材425により押圧して搬送している。そして、第2のコンベア421の終端では、第2の係止部材425が駆動スプロケット422の回転に沿って、往路から復路に移動する。これにより、第2の係止部材425に押圧されていた釜本体の取手部26は、第2の係止部材425により搬出手段103に向けてリリースされる。
リリースされた後に、釜本体20は、取手部26より後ろ側の部分を第2のコンベア421に残すことになるが、図17に示すように、釜本体20の後側の長手側面部22を第1のコンベア411の第1の係止部材415で押して搬送することにより、確実に釜本体20を搬出手段103に載置する。なお、蓋体10は、後側の長手角部14を第1のコンベア411の第1の係止部材415に押されて搬出手段103に載置される。搬出手段103に順次載置された釜本体20および蓋体10は、順次搬出手段103により搬送される。
(再反転工程)
再反転工程は、釜本体反転手段により、開口端24を下方に向けた状態、つまり反転姿勢の釜本体20を、開口端24が上方に向けた状態、つまり通常姿勢となるように再反転する。具体的には、開口端24が下方に向く状態で搬出手段103により搬送された釜本体20が、搬出手段103の終端に設けられた反転アーム(図示なし)に受け入れられる。その後、反転アームが正転することにより、反転アームにより保持された釜本体20は、開口端24を上方に向けるように再反転されつつ、炊飯釜の洗浄装置100の下流側に設けられた移送手段に載置され、配米注水工程に移送される。
(蓋体被せ工程)
蓋体被せ工程は、再反転工程にて通常姿勢へと再反転し、移送手段に載置され、配米注水工程を終えた釜本体20へ、蓋体被せ手段により蓋体10を被せる。具体的には、搬出手段103により搬送された蓋体10が、搬出手段103の待機位置で待機する。その後、蓋体10が把持昇降手段により持ち上げられ、配米注水工程を終えた釜本体20に被せられる。移送手段は蓋体10を被せた状態の釜本体20を炊飯工程に移送する。
このような炊飯釜の洗浄装置100および炊飯釜の洗浄方法は、釜本体と蓋体とを正常に搬送し効果的に洗浄することができるうえに、設置スペースを小さくすることができる。
なお、第1の搬送手段41および第2の搬送手段42は、第1のコンベア411および第2のコンベア421の送り側の第1のチェーン414および第2のチェーン424と、第1のチェーン414および第2のチェーン424に取り付けられる第1の係止部材415および第2の係止部材425とから構成されているが、釜本体20および蓋体10を搬送できれば、他の構成であってもよい。
なお、第1のガイド部材51と第2のガイド部材52とは略水平に対向して配置しているが、第1のガイド部材51と第2のガイド部材52とは傾斜して対向して配置してもよい。その場合、釜本体20および蓋体10を傾斜させて搬送することができ、釜本体20および蓋体10の濯ぎ洗浄工程後の水切りを良くすることができる。
なお、釜本体20および蓋体10は、保持して搬送されれば、第1のガイド部材51および第2のガイド部材52に支持されていなくてもよい。例えば、釜本体20または蓋体10を搬送方向に直交する水平方向から挟持して搬送してもよい。
なお、第1のガイド部材51は、搬送方向に直交する上方向および水平方向の蓋体10の動きを規制しているが、搬送方向に直交する上方向および水平方向の少なくともいずれか一方を規制すればよい。
なお、第1のガイド部材51は、蓋体10の動きを規制するとともに、釜本体20を載置されているが、蓋体10の動きを規制する他のガイド部材を設け、第1のガイド部材51は、釜本体20を載置されるのみとしてもよい。
なお、蓋体10と釜本体20とは、幅方向を搬送方向に直交する水平方向に揃えて一列で搬送されているが、蓋体10および釜本体20の少なくともいずれか一方は、幅方向を進行方向に揃えて搬送してもよい。
なお、第1の搬送手段41および第2の搬送手段42は、停止時間を30秒、駆動時間7秒として、釜本体20と蓋体10とを間欠搬送しているが、間欠搬送の時間は種々変更でき、間欠動作に限らず、加速と減速とを繰り返すようにしてもよい。
なお、炊飯釜の洗浄装置100で搬送し洗浄する炊飯釜には略直方体の形状のものを用いたが、略円筒の形状のものを用いてもよい。
但し、上記各実施形態に示す構成は構成要素の具体例を挙げたものであり、各構成、形
状、又は取り付け態様は本発明の趣旨を逸脱しない限り、実施形態として示すものに限定
されることなく、種々の変形ないし変更が可能である。