JP6933779B2 - 内視鏡 - Google Patents

Description

本発明は、シャフトと、シャフトの近位端に配置される本体と、本体の近位端に配置されるアイピースと、アイピースの近位端に配置されるアイピースコーンと、を有する内視鏡に関する。

内視鏡は、アクセスが十分にできない患者の体腔や機械の領域を検査したり、その体腔又は領域への介入を行う治療及び技術において用いられることが多い。
一体型ビデオカメラを備えたビデオ内視鏡が多用される一方で、光画像ガイドを有する内視鏡が特に医療の現場で広く使用されている。光画像ガイドは対物レンズにより記録される画像をアイピース（接眼部）に送信する。そしてこの画像は肉眼又は外部カメラを用いて観察することができる。
この種の内視鏡（しばしば光学内視鏡と称する）はビデオ内視鏡より細い構造とすることができるので、全体的には患者の負担が少なくなる。内視鏡の構造及び適用に応じて、ファイバーイメージガイド又はレンズイメージガイドが使用される。

内視鏡は一般的に長尺のシャフトを有しており、これを検査対象の体腔に導入することができる。シャフトは対象とする用途によって剛性であっても可撓性であってもよい。本体は通常、シャフトの近位端に設けられる。本体部は内視鏡を操作するために使用され、さらに付属品を含むことができる。これにより、液体や機器を導入したり、取り去ったりすることができる。

アイピースは一般的に本体の近位端に配置され、アイピースコーン（アイピースカップ）で終端となる。アイピースコーンは元々、使用者の目を快適に接触させるために使用されていたが、現在は外部カメラを内視鏡に配置するために通常用いられている。

内視鏡を改良する過程で、特には電子部品を含むビデオ内視鏡のために多様な技術が開発されてきた。しかし、電子部品は光学内視鏡にはほとんど組み込まれない。なぜなら、光学内視鏡自体が外部との電気接点も有さないので、電気エネルギーを供給することができないからである。
しかし近年、ワイヤレスで内視鏡に電気エネルギー及び信号を送信することができるようになりつつある。

この場合のエネルギー又は信号の無線伝送のために、伝送のための電子部品をアイピースコーンに配置することが提案される。なぜならこれらの部品は外部的に供給されるユニット（アセンブリー）、例えばカメラの近くに配置することができるからである。しかし、アイピースコーンにおけるこの種の部品の配置に対して、満足できる技術的な解決策はまだ見出されていない。

独国特許出願公開第１０２０１６１０８０９５号

従って本発明の目的は、電子部品を内視鏡のアイピースコーンに組み込む手段を提供することである。

本発明の目的は、シャフトと、シャフトの近位端に配置される本体と、本体の近位端に配置されるアイピースと、アイピースの近位端に配置されるアイピースコーンとを有する内視鏡によって達成される。このアイピースについては、アイピースコーンが少なくとも２つのパーツ（電子部品がこれらの間に配置される）から構成されているという点で改良されている。

アイピースコーンが二部構造であるので、内視鏡の基本的構造を変更する必要なく、電子部品を容易に内視鏡に組み込むことができる。

本発明の内視鏡の改良された点の一つは、少なくとも内視鏡を組立てる際、アイピースコーンのパーツをそれぞれ可動とすることができる点である。これにより、内視鏡の組立てを単純化することができる。まず、電子部品をアイピースコーンのパーツの間に導入し、その後これらのパーツをそれぞれの最終的な位置に移動させる。こういった場合、本発明の本態様では、内視鏡の組立ての間又は後は、それぞれのパーツの移動ができないようアイピースコーンのパーツを接続するようにしてもよい。つまり、例えば接続させた後に、アイピースコーンのパーツ間の接続ギャップを接着結合、はんだ付け、又は溶接によって閉じることができ、アイピースコーンへの水分やほこり、又は細菌の浸透が防止される。

本発明における一実施例では、当該内視鏡はアイピースが配置される接眼システム筒（アイピースシステムチューブ）を備え、電子部品が電子回路に接続される。電子回路は内視鏡内部かつ接眼システム筒の外側に配置される。

本発明の内視鏡の１つの有利な変形例において、アイピースコーンの第１のパーツ（部品）は、接眼システム筒に設けられているネジ山に螺合される。この種のねじ連結は単純かつ製造が確実である。

本発明の内視鏡の接眼システム筒は好ましくは、部分的に本体部に突出することができる。そして、接眼システム筒において、本体に突出していない部分の周囲に、スリーブを配置することができる。この種のスリーブは、内視鏡に識別マークを取り付けるために用いられるので表示スリーブとも呼ばれる。或いはその代わりに、またはそれとともに、スリーブは内視鏡の予め定められた幾何的外形を確実にするために用いることができ、また、接眼システム筒の位置は、内視鏡の光学調整の間に変更可能である。

本発明の一実施例による内視鏡のアイピースコーンの第２のパーツ（部品）は、スリーブに設けられているネジ山に螺合することができる。

本発明の内視鏡の１つの有利な実施例では、電子部品と電子回路との結合は連結要素を介して確立可能であり、連結要素は接眼システム筒の外側に配置される。このようにして、電子回路を内視鏡に配置し、内視鏡の第１の組立てステップで電子回路を連結要素に接続し、そして、第２の組立てステップで電子部品を連結要素に接続することができる。その結果、電子部品と電子回路は連結要素を介して接続される。連結要素は、例えば半田パッド、ネジ込みコネクタ及び／又はプラグコネクタを備えることができる。

好適には、スリーブの連結要素の領域に通過窓を備えることができる。電子要素の接続ワイヤは、通過窓に通すことができる。接続ワイヤが連結要素に通過窓を介して接続されるように、通過窓は完全に組み立てられた状態のスリーブに配置することができる。

本発明の１つの有利な実施例では、通過窓は、アイピースコーンのパーツ（好ましくは第２のパーツ）により、内視鏡の組み立て段階で覆われる。それ故、通過窓のために付加的な密閉要素は必要でない。

電子部品はコイルを備えることができる。電子回路は、電気機器（負荷）、例えば、光源及び／又は窓加熱器及び／又はアクチュエータ及び／又はビデオチップ、を備えることができる。

本発明は、いくつかの例示的な図面を基にし、以下に詳細に説明される。

内視鏡を示す。 内視鏡近位端の簡略化した断面図を示す。

内視鏡１が図１に示される。内視鏡１はシャフト２と、本体３とを備える。さらに内視鏡１はアイピース（接眼部）４を備え、アイピース４は本体の近位端に配置され、アイピースコーン（アイピースカップ）５を有する。

図２では、内視鏡１の近位端が詳細に示される。接眼システム筒１０は、本体３から近位の方へ突出する。アイピース４の光学部品（明確にするため図示なし）は、接眼システム筒１０に配置される。接眼システム筒１０は、アイピース窓フレーム１１で終端し、そこにアイピース窓１２が、例えば接着結合又ははんだ付けによって密封され、挿入される。

アイピース窓フレーム１１にアイピース窓１２（通常サファイヤから成る）をはんだ付けする間の熱応力を回避するために、アイピース窓フレームを一つの材料から作製することができ、この熱膨張率はアイピース窓１２の熱膨張率とほぼ同じである。この目的としては、例えばＳａｎｄｖｉｋ１．４５２３タイプの鋼が考慮に入れられる。

内視鏡１の光学調整を行うために、製造又は保守の際に、本体３に対して、光学部品が内部に配置された接眼システム筒１０を移動させ、それを正しい位置に取り付ける必要がある場合がある。同時に内視鏡１の外部輪郭を変えないように、接眼システム筒１０を囲むスリーブ１５を本体３に固定する。

内視鏡の近位端は、２つのパーツから構成されるアイピースコーン５で終端となる。第１の外部パーツ１７は、スリーブ１５の近位端に配置されるネジ山１８に螺合される。第２の内部パーツ１９は、アイピース窓フレーム１１の近位端に配置されるネジ山２０に螺合される。パーツ１７と１９の間には空洞部（キャビティー）２１があり、ここに電子部品２２（ここではコイル）が収められる。

電子部品２２の給電ライン２５は、連結要素２６を介して電子回路２８のライン２７に接続される。例えばコイルを介して受信した交流電圧信号を内視鏡１に配置されている電気機器３０のための電源電圧に変換するために、電子部品２２を介して捕えられる信号を処理するように電子回路２８を用いてもよい。電気機器３０は、特には、電気光源、窓加熱器、アクチュエータ及び／又はビデオチップであり得る。

電子部品２２、電子回路２８及び電気機器３０の実施例及び配置に関しては、出願人の特許出願：ＤＥ１０２０１６１０８０９５（ＰＯ―２０１６―００８ ＤＥ）において、対応する実施例で明確に言及されている。

連結要素２６は、接眼システム筒１０の外側に固定され、１つ以上の半田パッド又はねじクランプを備えることができる。

内視鏡１を組立てるにはまず、接眼システム筒１０を本体３に導入及び調整し、それから固定する。そして電子回路２８のライン２７が連結要素２６に固定される。
その後、スリーブ１５が、例えば押圧することにより本体３に配置され、固定される。この場合、シール要素（明確にするため、図示なし）を、本体３とスリーブ１５の間に導入することができる。

組み立ての際には、スリーブ１５の壁に配置された組み立て窓３２が連結要素２６の上部に配置されるように、スリーブ１５を位置合わせする。

次のステップでは、アイピースコーン５の外部パーツ１７をスリーブ１５に螺合し、そしてまず、組み立て窓３２が近位でアクセス可能となるように、この外部パーツ１７を遠位方向へ移動させる。

続いて電子部品２２がアイピースコーン５の内部パーツ１９上に配置され、そして内部パーツ１９はアイピース窓フレーム１１のネジ山２０に螺合される。この場合、給電ライン２５は、スリーブ１５の方向に位置合わせされる。内部パーツ１９がアイピース窓フレーム１１に固定され螺合されると、その給電ライン２５が連結要素のある位置まで達するように、電子部品２２が位置合わせされる。これは、組み立て窓３２を介して観察することができる。

給電ライン２５は、組み立て窓３２を介して、把持又は作業用のツール（工具）によって、連結要素２６に接続、例えばはんだ付けされる。

次に、アイピースコーンの外部パーツ１７が近位方向に再びねじ込まれ、これにより、組み立て窓３２が隠れる。この場合、パーツ１７、１９の近位側端部は、互いに一平面に位置合わせされる。その結果、アイピースコーン５の近位側端部は平らな表面となる。パーツ１７、１９の間に残ったリング状のすきま３５は、接着剤を用いてリークタイトに閉じられ、リング状のすきま３５への汚染物質の浸透を防止することができる。

当該部分への汚染物質の浸透を防止するために、更にシール要素（例えばＯリング）をアイピースコーンの外部パーツ１７とスリーブ１５の間に配置してもよい。

Claims (10)

1. シャフト（２）と、前記シャフト（２）の近位端に配置される本体（３）と、前記本体（３）の近位端に配置されるアイピース（４）と、前記アイピース（４）の近位端に配置されるアイピースコーン（５）とを有する内視鏡であって、
   前記アイピースコーン（５）は、少なくとも２つのパーツ（１７、１９）から成り、その間に給電用の交流電圧信号を受信するための電子部品（２２）が配置され、
   前記内視鏡は接眼システム筒（１０）を備え、前記アイピースがその中に配置され、
   前記電子部品（２２）は電子回路（２８）に接続しており、前記電子回路（２８）は、前記内視鏡の内部かつ前記接眼システム筒（１０）の外部に配置されることを特徴とする内視鏡。
2. 前記アイピースコーン（５）の前記パーツ（１７、１９）は、少なくとも内視鏡の組立ての間、それぞれ移動可能に組み込まれることを特徴とする請求項１記載の内視鏡。
3. 前記アイピースコーンの第１のパーツ（１９）が、前記接眼システム筒（１０）に設けられているネジ山（２０）に螺合されることを特徴とする請求項１又は２記載の内視鏡。
4. 前記接眼システム筒（１０）は部分的に前記本体（３）に突出し、前記接眼システム筒（１０）において、前記本体（３）に突出していない部分の周囲にスリーブ（１５）が配置されることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載の内視鏡。
5. 前記アイピースコーン（５）の第２のパーツ（１７）が、前記スリーブ（１５）に設けられているネジ山（１８）に螺合されることを特徴とする請求項４記載の内視鏡。
6. 前記電子部品（２２）と前記電子回路（２８）の接続は連結要素（２６）を介して確立され、前記連結要素（２６）は、前記接眼システム筒（１０）の外側に配置されることを特徴とする請求項５記載の内視鏡。
7. 前記スリーブ（１５）は、前記連結要素（２６）の領域に通過窓（３２）を備えることを特徴とする請求項６記載の内視鏡。
8. 前記通過窓（３２）は、前記内視鏡を組み立てる段階では、前記アイピースコーン（５）のパーツ、好ましくは前記第２のパーツ（１７）に覆われていることを特徴とする請求項７記載の内視鏡。
9. 前記電子部品（２２）は、コイルを備えることを特徴とする請求項１乃至８のいずれか一項に記載の内視鏡。
10. 前記電子回路（２８）は、電気機器（３０）を備えることを特徴とする請求項１乃至９のいずれか一項に記載の内視鏡。

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