JP6932993B2 - ヒンジキャップ - Google Patents

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Description

本発明は、ボトル容器などに用いられるキャップであって、特にヒンジを有し、キャッパーで自動閉栓可能なヒンジキャップに関する。
主に炭酸飲料や茶などの飲料用ボトルに使用されるキャップは、高速充填機で充填されるので、合わせて、高速キャッピング装置でキャップを閉める必要がある。
その為、高速キャッピング装置に対応したキャップの仕様として、天面に高圧を掛けることができ、かつ、キャップ側面のローレットに係合させて回動可能なキャップが求められていた。
この仕様に合致可能なキャップとして、スカート部にタンパーエビデンスバンドの付いた螺合キャップや、アルミキャップが主に用いられて来た。しかし、このようなキャップは、開栓後、キャップが容器から外れてしまう為、キャップを落として汚してしまったりするケースがあり、開栓後でも、容器に付属したままでいられるキャップが求められていた。
開栓後、容器に付属したままのキャップの例として、特許文献1では、キャップ本体と、キャップ本体を覆うオーバーキャップと、それらを連結するヒンジ機構を備えるヒンジキャップが提案されている。
このようなヒンジキャップは、高速キャッピング装置に掛けると、ヒンジや指掛用鍔がキャップ本体の外周囲の範囲から飛び出しているので、装置内部でキャップが詰まって排出できなくなったり、ヒンジを破壊し、オーバーキャップがキャップ本体から外れてしまったりする問題が発生する。
さらに、高速キャッピング装置に掛けた際の上方からの高い押圧力により、オーバーキャップが変形し、オーバーキャップ内部に設けたインナーリングが、キャップ本体の注出口に深く入り込んで、開かなくなってしまったり、オーバーキャップの外壁にクラックが入ったりするなどの問題があった。
特開2013−133164号公報
そこで、高速キャッピング装置を用いたキャッピングが可能で、かつ、キャップ本体とオーバーキャップがヒンジで繋がり、キャップを落としたり、汚したりする恐れの無いヒンジキャップを得ることが本発明の課題である。
本発明のキャップは、
容器本体の注出口に螺合するネジ部を有し外周囲にローレットを有するキャップ本体と、キャップ本体の上端にヒンジを介して開閉可能なオーバーキャップとからなるキャップであって、
オーバーキャップはキャップ本体の側壁延長上に円筒状の側壁を有し、
ヒンジおよび、オーバーキャップを構成する開封指掛部と、側壁が、キャップ本体のローレットの谷径で囲まれる円筒範囲を越えない外形とし、
オーバーキャップの下端周縁とキャップ本体の上端周縁との間で、少なくともヒンジを中心として対称となる周縁の左右2箇所の位置に、周縁に沿って回転する回動に対し、回動ロック機構を有しており、
回動ロック機構が、側面から見て、逆台形形状の突起と凹部との嵌合であることを特徴とするヒンジキャップである。
本発明のヒンジキャップは、オーバーキャップがヒンジを介してキャップ本体と繋がっており、キャップを完全に分離しない状態で開閉可能である。
しかも、オーバーキャップはキャップ本体のローレットの谷径で囲まれる円筒範囲を越えない外形になっているので、キャッピング装置の装着治具内部に収納しても破損せず、治具に安全かつ確実に装填できる。
また、キャップ本体の側壁延長上に円筒状の側壁を有しているので、上面から強い力で押圧しながら回動させて行なう高速キャッピング装置を用いても、充分に圧力をキャップ本体に伝達、かつ、受圧することができる。
さらに、オーバーキャップの下端周縁とキャップ本体の上端周縁との間に、周縁回動に対するロック機構を有しているので、キャッピング装置の回転しながら押圧してキャップを締める力で、オーバーキャップとキャップ本体を繋ぐヒンジに無理な力が掛からず、ヒンジが破損しない。
本発明の第1実施形態例におけるヒンジキャップで、容器本体の注出口に嵌合した状態を示す縦断面図である。 本発明のヒンジキャップを、キャッピング装置に掛けて装着している状態を示す図である。 本発明の第1実施形態例におけるヒンジキャップを容器本体の注出口に嵌合したキャップで、ヒンジを介して反転させ、オーバーキャップを開いた状態を示す縦断面図である。 本発明の実施形態において、ロック機構の数を変えたヒンジキャップの例で、そのオーバーキャップを開いた状態における平面図である。 キャップ本体の開口孔に脆弱部で囲まれた閉鎖板を有する本発明の第2実施形態例のヒンジキャップで、容器本体の注出口に嵌合した状態を示す縦断面図と、開口した状態を示す断面図である。
以下、本発明のヒンジキャップの実施形態例について、図を用いて詳細に説明する。
本発明のヒンジキャップ2は、図1の第1実施形態例で示すように、容器本体1の注出口11に螺合するネジ部31を有し外周囲にローレット32を有するキャップ本体3と、キャップ本体3の上端にヒンジ4を介して開閉可能なオーバーキャップ5とから構成されている。
キャップ本体3のインナーリング33やコンタクトリング34によって容器本体の注出口との密封を確実にする機構は、通常のキャップと同様に有している。
その上、容器本体の注出口11ネジ部下方にリング状突起12を有し、これにキャップ本体の側壁下端内側に設けたロックリング36を嵌合することで係止出来るようになっている。
オーバーキャップ2はキャップ本体3の側壁30の上方延長上に円筒状のキャップ側壁50を有し、かつ、キャップ天板55周縁から垂下している。また、ヒンジ4近傍の側壁30やキャップ側壁50は、ローレット32の谷径よりも内側に回動軸が形成できるように、内側に寄せた側壁を形成している。
さらに、ヒンジ4と反対側近傍のキャップ天板55周縁に形成された開封指掛部51も、突出部512を側壁30より外側には突出させず、その下方に凹部511を設け、凹部511と突出部512との段差を利用して指掛け可能とし、キャップ本体のローレット32の谷径よりも外側に飛び出さないで、指先を掛ける開封指掛部51を形成している。
また、オーバーキャップ5のキャップ天板55から垂下するキャップインナーリング53が、キャップ本体3の開口孔35の周縁内側に挿嵌し、液止め可能としている。
オーバーキャップ5は、側壁の下端内側に係止突起54を有し、キャップ本体3の側壁上方に位置する係止凹部37に係合しており、ここでも液止めを可能としている。
図2は、本発明のヒンジキャップ2を高速キャッピング装置を用いて、容器本体にヒンジキャップを嵌合させて装着する工程を示す図である。
高速キャッピング装置は、オーバーキャップ天板55をキャッパートップ62で下方に押し込みながら、側面のローレットに側面嵌合部61を噛合させ、ヒンジキャップ全体を回動させ、容器本体の注出口外側に設けたネジ部に合わせて螺合させる仕組みになっている。
この為、キャップ本体の外側面のローレットに掛かる回転で、オーバーキャップもキャップ本体に合わせて回転させないと、薄肉で形成されているヒンジが破損する恐れがある。その為、オーバーキャップ5は、下端周縁とキャップ本体の上端周縁との間に、少なくともヒンジを中心として対称となる周縁の左右2箇所の位置に、周縁に沿って回転する回動に対し、回動ロック機構を有している。
この回動ロック機構は、オーバーキャップ5のキャップ側壁50下端に、側面から見て逆台形形状の回動用突起56と、キャップ本体3の本体側壁30上端に側面から見て逆台形形状の回動用凹部38と、から構成されている。周縁上に2箇所以上あり、オーバーキャップ5の天面側から押圧される力と共に、注出口を中心に回転する力に対して、キャップ本体3はオーバーキャップ5とずれることも無く、一体的に回動させることが出来る。
この時、オーバーキャップ5の天板側からキャップ本体の側壁外側に加工されたローレットに挿嵌するローレット目を持つキャッパー嵌合治具6が挿嵌される形になる。このキャッパー嵌合治具6の側面嵌合部61に設けたローレット目の最内径は、ほぼ、キャップ本体のローレット谷径に近い大きさになっていて、これより小さな外形を持つオーバーキャップは、抵抗無く治具内部に入り込み、キャップ本体のローレットがスムースにキャッパー嵌合治具6内へ挿嵌することができる。
このロック機構は、ヒンジの左右2箇所に、できれば90度ずつ離し、180度に開いた状態に設置することが望ましい。
3箇所の場合は、ヒンジから60度ずつ離した2箇所と、ヒンジと対称的な位置の3箇所とし、それぞれロック機構が120度ずつ開いた位置に設けるなど、ヒンジに対して対称で、かつ、開口孔中心に対して均等の角度に配置することが望ましい。
また、ロック機構の周縁位置は、出来るだけ外側の周縁近傍に設けることが望ましい。
側面から見た形状も、逆台形が一番好ましいが、四角形状や三角形状などであってもかまわない。
図3は、本発明の第1実施形態例におけるヒンジキャップを容器本体の注出口に嵌合したキャップで、ヒンジ4を介して反転させ、オーバーキャップ5を開いた状態を示す縦断面図である。
オーバーキャップを開くには、開封指掛部51下の凹部510に指先を挿入する形で指を開封指掛部51に掛けて持ち上げ、ヒンジ4を介して反転させる。
この時、キャップインナーリング53が開口孔35との挿嵌から開放され、かつ、係止突起54が係止凹部37の係合から外れる。
一度容器本体に嵌合させたヒンジキャップ2は、リング状突起12に係止するロックリング36によって注出口11に固定されており、インナーリング33によって液止めしている。
図4は、本発明の実施形態において、ロック機構の数を変えたヒンジキャップ2の例で、そのオーバーキャップ5を開いた状態における平面図である。
ロック機構は、図2で示すように、下端周縁とキャップ本体の上端周縁との間に、逆台形形状をした回動用凹部38と回動用突起56の噛み合わせによって形成されている。
図4−1は、ロック機構がヒンジ4の左右にそれぞれ一つずつ、計2箇所にあって、周縁に沿って回転する回動に対し、回動ロックを可能にしている。
キャップを容器本体に嵌合する時は、オーバーキャップ2のキャップ天板55をキャッパートップ62で押圧しながら回転させるが、ロック機構が開口孔を中心に、180度開いていて、かつ、キャップ本体の側壁上部周縁に設けられているので、回動する時にヒンジに無理な力が掛かりにくい。
ロック機構そのものだけでは、均等に力が掛かりにくいが、キャップ側壁50先端の係止突起54が係止凹部37に当接し、かつ、開口孔35にキャップインナーリング53も当接しているので、キャップ本体とオーバーキャップが別々に回動するなどしてヒンジが破断するのを確実に阻止でき、ロック機構が円周方向のロックがしっかり掛かる機構になっている。
図4−2は、ロック機構がヒンジ4の左右にそれぞれ一つずつ、ヒンジ反対側に一つの計3箇所にあって、周縁に沿って回転する回動に対し、回動ロックを可能にしている。
ロック機構が開口孔を中心に、120度均等に配置していて、かつ、キャップ本体の側壁上部周縁に設けられているので、回動する時にヒンジに無理な力が掛かりにくく、より回動を確実に阻止している。
図4−3は、ロック機構がヒンジ4の左右にそれぞれ二つずつ、計4箇所にあって、周縁に沿って回転する回動に対し、回動ロックを可能にしている。
ロック機構が開口孔を中心に、90度均等に配置していて、かつ、キャップ本体の側壁上部周縁に設けられているので、さらに、回動する時にヒンジに無理な力が掛かりにくく、より回動を確実に阻止している。
図5は、キャップ本体3の開口孔35に脆弱部391で囲まれた閉鎖板39を有する本発明の第2実施形態例のヒンジキャップ2で、容器本体1の注出口11に嵌合した状態を示す縦断面図と、開口した状態を示す断面図である。
本発明のヒンジキャップ2は、開口孔35内側に脆弱部391で囲まれた閉鎖板39を設け、バージン性を持たせることも出来る。
容器の上部やヒンジキャップ全体をシュリンクフィルムで覆うことで、バージン性を確保することもできるが、その分、価格が上昇する。この第2実施形態例であれば、シュリンクフィルムを使用しなくても、バージン性を確保でき、その分安価である。
特に、ここで設ける閉鎖板39は、キャップの射出成形で、同時に成形できるので、使用樹脂量のわずかな上昇に留まり、ほとんど価格は上昇させないで製造できる。
閉鎖板39は支柱を介してプルリング392を有し、プルリング392を摘んで引き上げることで、脆弱部391が破断し、開孔できる。
本発明のヒンジキャップに使用する材料には、エチレン・プロピレンランダム共重合体や、エチレン・プロピレンブロック共重合体が好ましい。落下強度を重要視しないのであれば、ホモのポリプロピレンが使用可能である。
その他、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンや、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、も使用できる。
そして、これらを用い、ヒンジキャップの製造は、射出成形金型を用い、一般的な射出成形機で製造することができる。
本発明の容器本体には、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートボトルや2軸延伸ポリプロピレンボトルが使用できる。
その他、インジェクションブロー成形されるポリカーボネートの外、アクリロニトリル、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンや、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、フッ化ポリエチレンなどのイン
ジェクションブローボトルも使用できる。
本発明のヒンジキャップは、以上のようなもので、オーバーキャップがヒンジで繋がっており、オーバーキャップを落下させて汚したり、なくしたりする恐れがない。
しかも、オーバーキャップはキャップ本体のローレット谷径で囲まれる円筒範囲を越えない外形になっているので、破損せず、高速キャッパーの治具にも装填できると共に、キャップの周径より外側にヒンジ等が飛び出していないので、取り扱いや輸送時におけるキャップの破損が少ない。同時に、2軸延伸テレフタレートボトルなどの容器に対しても、従来のパリソン(プリフォーム)を変更することなく使用できる。
さらに、天板に掛かる力が無理せずにキャップ側壁を介してキャップ本体のネジ部を有する側壁に伝わり、かつ、ロック機構によって回動するキャップ本体とオーバーキャップに回動方向のずれが生じないので、高速キャッピング装置を使用して、確実に、かつ、高速にヒンジキャップを締め付けることができるので、ロットの大きな容器の量産に対しても、対応可能である。
その上、開口孔35内側に脆弱部391で囲まれた閉鎖板39を設けることもできるので、シュリンクフィルムを使用しなくても、安価にバージン性を持たせることも出来るなど、本発明のメリットは非常に大きい。
1・・・・・・・・容器本体
11・・・・・・・注出口
12・・・・・・・リング状突起
2・・・・・・・・ヒンジキャップ
3・・・・・・・・キャップ本体
30・・・・・・・側壁
31・・・・・・・ネジ部
32・・・・・・・ローレット
33・・・・・・・インナーリング
34・・・・・・・コンタクトリング
35・・・・・・・開口孔
36・・・・・・・ロックリング
37・・・・・・・係止凹部
38・・・・・・・回動用凹部
39・・・・・・・閉鎖板
391・・・・・・脆弱部
392・・・・・・プルリング
4・・・・・・・・ヒンジ
5・・・・・・・・オーバーキャップ
50・・・・・・・キャップ側壁
51・・・・・・・開封指掛部
511・・・・・・凹部
512・・・・・・突出部
53・・・・・・・キャップインナーリング
54・・・・・・・係止突起
55・・・・・・・キャップ天板
56・・・・・・・回動用突起
6・・・・・・・・キャッパー嵌合治具
61・・・・・・・側面嵌合部
62・・・・・・・キャッパートップ

Claims (2)

  1. 容器本体の注出口に螺合するネジ部を有し外周囲にローレットを有するキャップ本体と、キャップ本体の上端にヒンジを介して開閉可能なオーバーキャップとからなるキャップであって、
    オーバーキャップはキャップ本体の側壁延長上に円筒状の側壁を有し、
    ヒンジおよび、オーバーキャップを構成する開封指掛部と、側壁が、キャップ本体のローレットの谷径で囲まれる円筒範囲を越えない外形とし、
    オーバーキャップの下端周縁とキャップ本体の上端周縁との間で、少なくともヒンジを中心として対称となる周縁の左右2箇所の位置に、周縁に沿って回転する回動に対し、回動ロック機構を有しており、
    回動ロック機構が、側面から見て、逆台形形状の突起と凹部との嵌合であることを特徴とするヒンジキャップ。
  2. キャップ本体の上端中央に注出孔を有し、注出孔は脆弱部で囲まれ破断除去可能な閉鎖板を有することを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。
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