JP6932091B2 - 通信端末装置及び通信方法 - Google Patents

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本発明は、無線通信システムに用いられ、LTE(Long Term Evolution)方式により基地局と無線通信を行うと共にLAN(Local Area Network)を介してSIP(Session Initiation Protocol)プロトコルで通信を行う通信端末装置に係り、特に緊急時等に通信先を切り替えて、確実に外部に連絡することができる通信端末装置及び通信方法に関する。
[先行技術の説明:図8]
従来の通信システムとして、例えば、エレベータ保安システムがあった。従来のエレベータ保安システムの構成について図8を用いて説明する。図8は、従来のエレベータ保安システムの概略構成図である。
図8に示すように、従来のエレベータ保安システムとしては、例えば、ビルに設けられたエレベータを、ビル外部にある中央局のオペレータが監視するものがある。
エレベータのカゴの中にいるユーザは、緊急時に、カゴ内に設置されたインターフォンを利用して、中央局のオペレータ卓を操作するオペレータと通話を行うことができる。
通話には、パケット通信をベースとするSIPプロトコルを使用している。
エレベータ保安システムでは、SIPサーバがMACアドレスとIPアドレスを相互変換するアドレス解決を行って、SIPクライアントであるユーザエージェント(SIP_UA)同士が通信を行うようになっている。
エレベータ保安システムの構成について具体的に説明する。
図8に示すように、中央局には、オペレータが操作するオペレータ卓11と、SIPサーバ12と、ルータ13とが設けられ、ルータ13は専用線及び閉域網32を介して無線通信システムの基地局31に接続されている。
ビルには、管理室と、例えば、エレベータAと、エレベータBとが設けられ、管理室には、SIPクライアントであるSIP_UA21とそれに接続するインターフォン24とが設けられ、エレベータAには、SIP_UAとして動作する制御ユニット22とカゴ内に設けられたインターフォン25が設けられ、エレベータBには、制御ユニット(SIP_UA)23とインターフォン26とが設けられている。
更に、ビルには、LTE方式で無線通信を行うLTE通信端末200が設けられている。LTE無線通信端末200は、LTE方式で無線通信システムの基地局31と無線通信を行う。
また、LTE通信端末200は、LANに接続するインタフェースを備え、SIP_UA21、制御ユニット22,23、インターフォン24〜26とLANにより接続されている。
つまり、LTE通信端末200は、LTE方式の無線通信に加えて、インタフェースを介してビル内のSIP_UAとの通信を行うSIPサーバとしても機能し、通信方式に応じた伝送フォーマットに組み替えてビル内のインターフォンと中央局のオペレータ卓11とのパケット通信を中継するものである。
[従来の通信システムの緊急時の動作:図8,図9]
従来の通信システムの緊急時の動作について図8,図9を用いて説明する。図9は、従来の通信システムにおける接続経路を示す模式説明図である。
地震が発生すると、基地局31からエリアメールが配信され、LTE通信端末200は、エリアメールを受信するとこれを契機に、SIP_UA21、制御ユニット22,23に地震の発生を通知する。
制御ユニット22,23は、地震発生の通知を受信すると、カゴを緊急で近くの階に停止させる制御を行う。
そして、図8及び図9(a)に示すように、例えば、エレベータAのカゴ内のユーザが中央局のオペレータと通話を行う場合、ユーザがインターフォン25の通話ボタンを押下すると、制御ユニット22が通話要求をLTE通信端末200に出力し、LTE通信端末200は、無線通信によって基地局31に接続し、閉域網32及び専用線を介して中央局のルータ13に接続して、SIPサーバ12を介してオペレータ卓11に接続する。これにより、カゴ内のユーザと、中央局のオペレータとが通話可能となる。
また、図8及び図8(b)に示すように、ビルに設けられた管理室の管理者(SIP_UA21)と中央局のオペレータとの通話も同様に行われる。
[関連技術]
尚、SIPを用いた通信システムに関する従来技術としては、特開2011−250085号公報「通信システム」(特許文献1)がある。
特許文献1には、統制局と代行局の両方にSIPサーバを設けて、SIPサーバによる呼接続を二重化したシステムで、統制局と代行局の双方のSIPサーバからトラヒック情報を収集する通信システムが記載されている。
特開2011−250085号公報
しかしながら、従来の通信システムでは、災害等の発生により、中央局や専用線等が被害を受けると、中央局とビルとの間で通信を行うことができなくなる恐れがあるという問題点があった。
このような場合には、カゴ内のユーザがインターフォンを利用してもオペレータと通話できず、助けを呼ぶことができない状態でカゴに閉じ込められてしまう危険がある。
尚、特許文献1には、通常はSIPサーバとして動作する端末装置が、緊急時に、第1の接続先との通信を確立できない場合に、SIP_UAとして動作して、別の端末から第1の接続先宛ての通信要求を受信すると、宛先を第2の接続先に変更するよう動作することは記載されていない。
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、災害等によって中央局とビルとの通信を確立できない状態になっても、カゴ内のユーザが外部に緊急事態を通知することができる通信端末装置及び通信方法を提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、第1の通信方式により基地局装置と無線通信を行って第1の接続先に接続すると共に、SIPプロトコルによる第2の通信方式によりビル内のネットワークを介してビル内の複数の端末と通信を行う通信端末装置であって、動作モードとしてSIPクライアントとして動作しない通常モードと、SIPクライアントとして動作する緊急モードとを備え、通常モードが設定されている場合には、ネットワークを介して接続する端末からSIPプロトコルの受信があると、伝送内容を解析することなく、第1の通信方式の伝送フォーマットに組み替えて、基地局を介して接続する第1の接続先へ無線通信により通信要求を送信し、基地局装置から特定の情報を受信すると、第1の接続先との通信状態を確認し、通信が確立できる場合には通常モードを維持し、通信が確立できない場合には、動作モードを緊急モードに設定し、ネットワークを介して接続する端末からSIPプロトコルの受信があると、伝送内容を解析して、第1の接続先への通信要求あった場合に、通信先をネットワークを介して接続する別の端末である第2の接続先に切り替えるSIPプロトコルのメッセージを送信し、当該別の端末への接続を試みる通信制御部を備えたことを特徴としている。
また、本発明は、上記通信端末装置において、通信制御部が、第2の接続先との通信が確立できない場合には、通信先を特定の携帯端末に切り替えて、第1の通信方式により基地局装置を介して接続を試みることを特徴としている。
また、本発明は、上記通信端末装置において、通信制御部が、特定の携帯端末との通信が確立できない場合には、予め登録された通信先に第1の通信方式によりメールを配信することを特徴としている。
また、本発明は、第1の通信方式により基地局装置と無線通信を行って第1の接続先に接続すると共に、第2の通信方式によりネットワークを介して通信を行う通信端末装置であって、基地局装置から特定の情報を受信すると、第1の接続先との通信状態を確認し、通信が確立できない場合には、動作モードを緊急モードに設定し、ネットワークを介して接続する端末から第1の接続先への通信要求があった場合に、通信先を前記ネットワークを介して接続する第2の接続先に切り替えて接続を試みる通信制御部を備え、通信制御部が、端末と第2の接続先とがネットワークを介して接続されている状態で、三者通話の指示が入力されると、無線通信により予め接続先が設定された特定の携帯端末にも接続して三者での通話状態に移行することを特徴としている。
また、本発明は、第1の通信方式により基地局装置と無線通信を行って第1の接続先に接続すると共に、SIPプロトコルによる第2の通信方式によりビル内のネットワークを介してビル内の複数の端末と通信を行う通信端末装置における通信方法であって、通信端末の通信制御部が、SIPクライアントとして動作しない通常モードが設定されている場合には、ネットワークを介して接続する端末からSIPプロトコルの受信があると、伝送内容を解析することなく、第1の通信方式の伝送フォーマットに組み替えて、基地局を介して接続する第1の接続先へ無線通信により通信要求を送信し、基地局装置から特定の情報を受信すると、第1の接続先との通信状態を確認し、通信が確立できる場合には通常モードを維持し、通信が確立できない場合には、動作モードをSIPクライアントとして動作する緊急モードに設定し、ネットワークを介して接続する端末からSIPプロトコルの受信があると、伝送内容を解析して、第1の接続先への通信要求あった場合に、通信先をネットワークを介して接続する別の端末である第2の接続先に切り替えるSIPプロトコルのメッセージを送信し、別の端末への接続を試みることを特徴としている。
本発明によれば、第1の通信方式により基地局装置と無線通信を行って第1の接続先に接続すると共に、SIPプロトコルによる第2の通信方式によりビル内のネットワークを介してビル内の複数の端末と通信を行う通信端末装置であって、動作モードとしてSIPクライアントとして動作しない通常モードと、SIPクライアントとして動作する緊急モードとを備え、通常モードが設定されている場合には、ネットワークを介して接続する端末からSIPプロトコルの受信があると、伝送内容を解析することなく、第1の通信方式の伝送フォーマットに組み替えて、基地局を介して接続する第1の接続先へ無線通信により通信要求を送信し、基地局装置から特定の情報を受信すると、第1の接続先との通信状態を確認し、通信が確立できる場合には通常モードを維持し、通信が確立できない場合には、動作モードを緊急モードに設定し、ネットワークを介して接続する端末からSIPプロトコルの受信があると、伝送内容を解析して、第1の接続先への通信要求あった場合に、通信先をネットワークを介して接続する別の端末である第2の接続先に切り替えるSIPプロトコルのメッセージを送信し、前記別の端末への接続を試みる通信制御部を備えた通信端末装置としているので、緊急時に、端末から第1の接続先への通信ができない状況になっても、第2の接続先に変更して通信を行うことができ、例えば、緊急時にエレベータ内にユーザが閉じ込められた場合、エレベータ内のインターフォンと中央局のオペレータ卓とが通話できない状態となっても、ビル内の管理室に接続先を切り替えることで管理者と通話を行って、外部に救助を求めることができる効果がある。
また、本発明によれば、通信制御部が、第2の接続先との通信が確立できない場合には、通信先を特定の携帯端末に切り替えて、第1の通信方式により基地局装置を介して接続を試みる上記通信端末装置としているので、外部との通話を行うことができる可能性を高めることができる効果がある。
また、本発明によれば、通信制御部が、特定の携帯端末との通信が確立できない場合には、予め登録された通信先に第1の通信方式によりメールを配信する上記通信端末装置としているので、緊急時に、確実に外部に報知することができる効果がある。
また、本発明によれば、第1の通信方式により基地局装置と無線通信を行って第1の接続先に接続すると共に、第2の通信方式によりネットワークを介して通信を行う通信端末装置であって、基地局装置から特定の情報を受信すると、第1の接続先との通信状態を確認し、通信が確立できない場合には、動作モードを緊急モードに設定し、ネットワークを介して接続する端末から第1の接続先への通信要求があった場合に、通信先を前記ネットワークを介して接続する第2の接続先に切り替えて接続を試みる通信制御部を備え、通信制御部が、端末と第2の接続先とがネットワークを介して接続されている状態で、三者通話の指示が入力されると、無線通信により予め接続先が設定された特定の携帯端末にも接続して三者での通話状態に移行する通信端末装置としているので、利便性を向上させることができる効果がある。
また、本発明によれば、第1の通信方式により基地局装置と無線通信を行って第1の接続先に接続すると共に、SIPプロトコルによる第2の通信方式によりビル内のネットワークを介してビル内の複数の端末と通信を行う通信端末装置における通信方法であって、通信端末の通信制御部が、SIPクライアントとして動作しない通常モードが設定されている場合には、ネットワークを介して接続する端末からSIPプロトコルの受信があると、伝送内容を解析することなく、第1の通信方式の伝送フォーマットに組み替えて、基地局を介して接続する第1の接続先へ無線通信により通信要求を送信し、基地局装置から特定の情報を受信すると、第1の接続先との通信状態を確認し、通信が確立できる場合には通常モードを維持し、通信が確立できない場合には、動作モードをSIPクライアントとして動作する緊急モードに設定し、ネットワークを介して接続する端末からSIPプロトコルの受信があると、伝送内容を解析して、第1の接続先への通信要求あった場合に、通信先をネットワークを介して接続する別の端末である第2の接続先に切り替えるSIPプロトコルのメッセージを送信し、別の端末への接続を試みる通信方法としているので、緊急時に、端末から第1の接続先への通信ができない状況になっても、第2の接続先に変更して通信を行うことができ、例えば、緊急時にエレベータ内にユーザが閉じ込められた場合、エレベータ内のインターフォンと中央局のオペレータ卓とが通話できない状態となっても、ビル内の管理室に接続先を切り替えることで管理者と通話を行うことができ、外部に救助を求めることができる効果がある。
本システムの概略構成図(緊急時)である。 本システムにおける緊急時の接続を示す説明図である。 LTE通信端末10の概略構成ブロック図である。 LTE通信端末10における動作モード設定の処理を示すフローチャートである。 緊急時のSIPシーケンス(1)を示すシーケンス図である。 緊急時のSIPシーケンス(2)を示すシーケンス図である。 緊急時のSIPシーケンス(3)を示すシーケンス図である。 従来のエレベータ保安システムの概略構成図である。 従来の通信システムにおける接続経路を示す模式説明図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る通信端末装置は、LTE方式で無線通信を行うLTE通信部と、LANに接続するインタフェース部とを備え、通信制御部が、緊急地震速報等の特定のエリアメールを受信すると、中央局のSIPサーバとの通信状態を確認し、通信が確立できない場合には、動作モードとして緊急モードを設定してSIP_UAとして機能し、緊急モードが設定されている状態でSIPプロトコルの受信があると、伝送内容を解析し、宛先がSIPサーバを介して接続する相手であった場合、宛先を予め設定された緊急時の宛先に書き換えて通信を行うように動作するものであり、緊急時の宛先として、ビル内の管理室や特定の携帯端末を設定しておくことにより、専用線や閉域網が被害を受けた場合でも、外部との連絡を可能にするものである。
[実施の形態に係る通信システムの概略構成(緊急時):図1]
本発明の実施の形態に係る通信端末装置を用いた通信システム(本システム)の概略構成について図1を用いて説明する。図1は、本システムの概略構成図(緊急時)である。
図1に示すように、本システムは、図8に示した従来の通信システムと基本的な構成は同じであり、中央局及びビルに設けられたIPネットワークシステム同士が、専用線、閉域網32、無線通信システムの基地局31を介して接続されている構成である。
中央局には、オペレータ卓11と、SIPサーバ12と、ルータ13とが設けられ、ビルには、管理室にSIPクライアント(SIP_UA21)及びインターフォン1を備え、エレベータA内に制御ユニット22及びインターフォン52を備え、エレベータB内に制御ユニット23及びインターフォン53を備えている。
更に、中央局のオペレータは、携帯端末55を保持している。携帯端末55は、SIP_UAとして動作可能であり、緊急時にカゴ内のインターフォンからの通話の宛先となり得るものである。
本システムのインターフォン51,52,53には、従来と同様に、中央局のオペレータ卓11への接続要求を行う指示を入力する通話ボタン等が設けられ、更に利便性を向上させるために、三者通話を要求するボタンを設けるようにしてもよい。
従来と同様の部分については同一の符号を付しており、説明は省略する。
また、ビルには、本システムの特徴部分であるLTE通信端末10が設けられ、SIPサーバとして各SIP_UAとLANを介して通信すると共に、無線通信網の基地局31とはLTE方式の無線通信を行う。
特に、本システムのLTE通信端末10は、動作モードとして通常モード又は緊急モードが設定可能となっており、緊急モードが設定されている場合には、SIP_UAとして動作することができるものである。
そして、本システムは、図1に示すように、緊急時に専用線等に不具合が発生して、ビル内のSIP_UA21,22,23と中央局のSIPサーバ12とが接続できない状態になった場合、つまりカゴ内のユーザが中央局のオペレータとが通話できない状態となった場合に、LTE通信端末10が、ユーザからの要求を予め設定されている別の宛先に接続する動作を行う点が特徴となっている。
[緊急時の接続:図2]
ここで、本システムにおける緊急時の接続について図2を用いて説明する。図2は、本システムにおける緊急時の接続を示す説明図である。
図2に示すように、本システムでは、LTE通信端末10が、緊急時にエレベータ内のユーザから通話要求があった場合、SIPサーバ12との接続が確立できない状態では、SIP_UAとして機能して、接続先を切り替えるよう動作する。
LTE通信端末10は、図2(a)に示すように、例えば、接続先をSIP_UA21としてインターフォン51を介してビル内の管理者とが通話できるようにしたり、図2(b)に示すように、接続先を中央局のオペレータが保持している携帯端末55として、オペレータとの通話を可能とするものである。緊急時のシーケンスについては後述する。
これにより、カゴ内のユーザは、SIPサーバ12と接続できない場合でも、インターフォン52,53を介して外部と連絡を取れる可能性を高めることができるものである。
[LTE通信端末の構成:図3]
次に、LTE通信端末10の構成について図3を用いて説明する。図3は、LTE通信端末10の概略構成ブロック図である。
図3に示すように、LTE通信端末10は、通信制御部110と、LTE通信部120と、インタフェース部130とを備えている。これらの内、通信制御部110の動作が特徴部分となっている。
通信制御部110は、装置全体の制御を行うものであり、処理部、記憶部を備えている。そして、本LTE通信端末10の特徴として、通信制御部110は、SIP_UAとして動作するための処理プログラム及び構成を備えている。
また、動作モードとして、通常モード又は緊急モードが設定される。動作モードは、デフォルトとして、通常モードが設定されている。
更に、通信制御部110は、緊急モードにおける接続先となる緊急時接続先の情報を記憶している。緊急時接続先として、通話用の接続先とメール送信先とを記憶している。
通話用の接続先としては、例えば、ビル内の管理室に設けられたSIP_UA21や、オペレータの携帯端末等があり、優先順位を付して登録されている。
メール送信先としては、ビル管理会社やエレベータ保守事業者等、複数登録されていることが望ましい。
通常モードが設定されている場合、通信制御部110は、従来と同様にLANとLTE無線回線との中継の動作を行う。
緊急モードが設定されている場合、通信制御部110は、単なる中継ではなく、SIP_UAとして機能する。
各動作モードについて説明する。
通常モードは、図8,9で説明した従来の動作を実現する動作モードであり、LTE通信端末10は、従来と同様にSIPサーバとして動作する。
具体的には、LTE通信端末10は、通常モードが設定されている状態でSIP_UA21,22,23から通話要求(中央局のオペレータ卓11宛)を受信すると、パケットの内容を解析することなく、無線通信方式の伝送フォーマットに組み替えて、基地局31に送信する。
また、基地局31を介して、通話相手(中央局のオペレータ卓11)からのSIPメッセージを受信すると、LTE通信端末10は、SIPメッセージの宛先である通話要求元のSIP_UAに出力する。
緊急モードは、専用線や閉域網等に不具合が発生した場合を想定した動作モードであり、SIP_UAとしても動作するモードである。
具体的には、通信制御部110は、緊急モードが設定されている場合には、受信パケットの解析機能が有効となり、SIPの機能(ピックアップ、保留、転送)を利用して制御ユニットのSIP_UAからのオペレータ卓11宛てのパケットの宛先を、内部に記憶されている緊急時接続先に変更するよう制御する。
このシーケンスについては後述する。
更に、通信制御部110は、LTE通信部120とSIP_UAの機能とを制御して、無線回線とLAN回線とを両方用いて三者同時通話を実現する。三者同時通話に伴って、通信制御部110は音声合成の処理も行う。
三者同時通話については後述する。
LTE通信部120は、従来と同様にLTE方式の無線通信を行うものであり、信号処理部、無線送受信部を備え、基地局31と無線通信を行う。
インタフェース部130は、従来と同様にLANに接続するインタフェースである。
[動作モードの設定:図4]
次に、LTE通信端末10における動作モード設定の処理について図4を用いて説明する。図4は、LTE通信端末10における動作モード設定の処理を示すフローチャートである。
図4に示すように、LTE通信端末10の通信制御部110は、通常モードが設定されている状態において、予め設定されている特定のエリアメール(例えば緊急地震速報)を受信したかどうかを監視し(300)、受信した場合(YESの場合)には、LTE通信部120を介してSIPサーバ12との通信確立を図り、通信が確立したかどうかを判断する(302)。
処理302においてSIPサーバ12との通信が確立された場合(YESの場合)には、LTE通信端末10は、処理300に戻ってエリアメールの監視を続ける。つまり、緊急地震速報等を受信しても、SIPサーバ12との通信が確認できた場合には、LTE通信端末10は、通常モードのまま動作する。
処理302でSIPサーバ12との通信確立が確認されなかった場合(Noの場合)には、LTE通信端末10は、動作モードを緊急モードに変更して設定する(304)。
緊急モードが設定された場合には、LTE通信端末10は本実施の形態の特徴となる動作を行うものであり、後述する。
そして、LTE通信端末10は、外部から緊急モードの解除の指示が入力されたかどうかを判断し(306)、解除指示が入力された場合(YESの場合)には、動作モードを通常モードに設定して、処理300に移行する。
このようにして、LTE通信端末10の動作モード設定の処理が行われるものである。
[緊急時のSIPシーケンス(1):図5]
次に、緊急時のSIPシーケンス(1)について図5を用いて説明する。図5は、緊急時のSIPシーケンス(1)を示すシーケンス図である。
図5のシーケンスは、LTE通信端末10に緊急モードが設定されている場合を示している。
尚、図5で「カゴ」と記載しているのは、ユーザが操作するインターフォン52(53)に接続する制御ユニット22(23)のSIP_UAに相当している。ここでは便宜的に制御ユニット22の番号を付している。
同様に、「管理室」は、管理室に設けられたSIP_UA21に相当しており、同一の番号を付している。
図5に示すように、緊急時にカゴ22からLTE通信端末10に中央監視室のオペレータ卓11宛てのINVITE(接続要求)が送信される(S1)。
LTE通信端末10は、緊急モードが設定されているため、受信パケットの内容を解析して、オペレータ卓11宛てであることを把握する。通常モードが設定されている場合には、LTE無線通信によってオペレータ卓11宛てに転送するが、緊急モードであるため、転送しない。
その代わりに、LTE通信端末10は、SIP_UAとして振る舞い、代理接続要求としてINVITE(Replace)メッセージを送信する(S2)。
カゴ22がINVITEメッセージを受信して、通話状態になると(S3)、LTE通信端末10は、保留するため、カゴ22に保留接続要求としてINVITE(Hold)メッセージを送信し(S4)、SIPリクエスト送信指示として、REFERメッセージを送信する(S5)。
その際、LTE通信端末10は、SIPリクエスト送信指示において、通信制御部110に記憶されている緊急時接続先を指定して送信する。ここでは、緊急接続先として、ビル内の管理室のSIP_UA21を指定する。
REFERメッセージを受信したカゴ22は、管理室21宛てにINVITEメッセージを送信し(S6)、管理室の管理人がオフフックすることで、カゴ22(SIP_UA)に接続するインターフォン52と管理室のインターフォン51とが通話状態となる(S7)。この通話は、LTE通信端末10を介して実現されるものである。
そして、カゴ22からLTE通信端末10に接続状態になったことを示すNOTIFYメッセージが送信され(S8)、LTE通信端末10からカゴ22にBYEメッセージが送信されて、通話が切断される(S9)。
これにより、災害時に専用線等の不具合により、カゴ内のユーザが中央局のオペレータと通信できない状況となっても、ビル内の管理者と通話を行うことができ、外部に救助を求めることが可能となるものである。
[緊急時のSIPシーケンス(2):図6]
次に、緊急時のSIPシーケンス(2)について図6を用いて説明する。図6は、緊急時のSIPシーケンス(2)を示すシーケンス図である。
緊急時のSIPシーケンス(2)は、図5に示したシーケンス(1)で、管理室に接続できなかった場合のシーケンスであり、S2〜S4は、図5と同様であるため、図6では省略している。
図6に示すように、LTE通信端末10からのREFERメッセージ(S5)に応じて、カゴ22(制御ユニット22のSIP_UA)が、管理室21(管理室のSIIP_UA21)宛てにINVITEメッセージを送信し(S6)、管理室21からの応答を待ち受ける。
LTE通信端末10は、カゴ22からの接続を示すNOTIFYメッセージを待ち受けるが、通話が開始されずタイムアウトすると(S10)、カゴ22に対して、次の緊急接続先として記憶されている携帯端末の接続情報を含むREFERメッセージを送信する(S11)。これは、当該携帯端末へのSIPリクエスト送信指示である。
緊急接続先として登録する携帯端末は任意に選択可能であるが、例えば、中央局のオペレータが保持している携帯端末55が考えられる。
カゴ22は、REFERメッセージに基づいて、携帯端末55宛てにINVITEメッセージを送信する(S12)。携帯端末55宛てのINVITEメッセージは、LTE通信部120から無線通信により基地局31及び無線通信網を介して携帯端末55に送信され、携帯端末55がオフフックされると通話が開始される(S13)。
そして、カゴ22からLTE通信端末10にNOTIFYメッセージが送信され(S14)、LTE通信端末10からカゴ22にBYEメッセージが送信されて、通話が切断される(S15)。
これにより、ビル内の管理者との通話ができない場合でも、携帯端末55の保持者(中央局のオペレータ)と通話を行うことができ、カゴ内のユーザは、外部に救助を求めることができるものである。
[緊急時のSIPシーケンス(3):図7]
次に、緊急時のSIPシーケンス(3)について図7を用いて説明する。図7は、緊急時のSIPシーケンス(3)を示すシーケンス図である。
緊急時のSIPシーケンス(3)は、図6に示したシーケンス(2)で、携帯端末55に接続できなかった場合のシーケンスであり、S2〜S10は、図5及び図6と同様であるため、図7では省略している。
図7に示すように、LTE通信端末10からのREFERメッセージ(S11)に応じて、カゴ22(制御ユニット22のSIP_UA)が、携帯端末55宛てにINVITEメッセージを送信し(S12)、携帯端末55からの応答を待ち受ける。
LTE通信端末10は、カゴ22からのNOTIFYメッセージを待ち受けるが、通話が開始されずタイムアウトすると(S20)、カゴ22に対して、BYEメッセージを送信して通話を切断し(S21)、別の緊急接続先として記憶されているメールアドレスに、緊急メールを配信する。宛先となるメールアドレスは1つでも複数でも構わない。
これにより、管理室や特定の携帯端末との通信ができない場合でも、緊急事態であることを外部に報知することができるものである。
[緊急時の別の動作]
上述したように、図5〜図7のシーケンスでは、管理室、携帯端末、外部メールの順で接続先を変えて通信を試みるようにしているが、この順に限るものではない。
例えば、管理室21ではなく、携帯端末55に先に接続を試み、タイムアウトした場合に管理室21に接続先を変更するようにしてもよい。
更に、ここでは、緊急時接続先(通話用)を2つ記憶している例について説明したが、より多くの接続先を登録しておき、優先順位に従って順次接続を試みるようにしてもよい。
また、メール送信のタイミングも上述した例に限るものではない。
例えば、緊急モードが設定されると、直ちに、登録されているアドレスに緊急メールを送信するようにしてもよい。
また、緊急モードにおいてカゴ22から接続要求があった場合に、管理室21又は携帯端末55との接続失敗を待つことなく緊急メールを送信してもよい。
緊急モードが設定された時点で直ちにメールを送信する場合には、例えば、「地震によりビル内のエレベータが停止しました。中に人が閉じ込められているかもしれません」といった内容のメールを送信する。
カゴ22から接続要求があった場合には、カゴA内に人がいることが明らかであるため、例えば、「エレベータAが停止し、中に人が閉じ込められました。救助を要請してください」という内容のメールが考えられる。
更に、緊急モードが設定された時点と、カゴ22からの接続要求があった時点の両時点でメールを送信するようにしてもよい。
[三者による通話]
次に、本システムにおいて、三者による通話を実現する例について説明する。
図3に示したように、LTE通信端末10は、LTE通信部120と、SIP_UAとして機能する通信制御部110とを備えている。
そのため、LTE通信端末10では、例えば、カゴ22と管理室21とをLANによって接続しつつ、中央局のオペレータの携帯端末55と無線通信を介して接続し、通信制御部110において互いの音声を合成するように処理することにより、カゴ22と管理室21と携帯端末55による三者通話を実現することができるものである。
例えば、カゴ22が管理室21と通話している状態で、インターフォンに設けられた三者通話を指示するボタンが押下されると、LTE通信端末10が携帯端末55にINVITEメッセージを送信して、接続を試みる。
そして、LTE通信端末10と携帯端末55とが通話状態になると、通信処理部110がカゴ22、管理室21、携帯端末55の音声を合成して、LAN及び無線回線に出力する。
このようにして、三者による通話を実現するものである。
三者での通話が実現すると、カゴ内の救助要請者の状況を、現場に近い管理室の管理者と、中央局のオペレータが同時に把握することができ、更に、具体的な救助方法等をオペレータが管理者に即時に指示することができるものである。
[実施の形態の効果]
本実施の形態に係るLTE通信端末10(本通信端末)によれば、LTE方式で無線通信を行うLTE通信部120と、LANに接続するインタフェース部130とを備え、通信制御部11が、緊急地震速報等の特定のエリアメールを受信すると、中央局のSIPサーバ12との通信状態を確認し、通信が確立できない場合には、動作モードとして緊急モードを設定してSIP_UAとして機能し、緊急モードが設定されている状態でカゴからSIPプロトコルの受信があると、伝送内容を解析し、宛先がSIPサーバ12を介して接続する相手であった場合、宛先を予め設定された緊急時の宛先に書き換えて通信を行うように動作するものであり、緊急時の宛先として、ビル内の管理室21や特定の携帯端末55を設定しておくことにより、専用線や閉域網が被害を受けた場合でも、カゴ内に閉じ込められた人が、外部に連絡することができる効果がある。
また、本通信端末によれば、緊急モードにおいて、予め設定された宛先にメールを送信するようにしているので、緊急事態であることを確実に外部に報知することができる効果がある。
また、本通信端末によれば、三者通話を実現するようにしているので、例えば、カゴ内のユーザと、管理者と、中央局のオペレータとが同時に通話を行うことができ、更に利便性を向上させることができる効果がある。
本発明は、緊急時等に通信先を切り替えて、確実に外部に連絡することができる通信端末装置及び通信方法に適している。
10,200…LTE通信端末、 11…オペレータ卓、 12…SIPサーバ、 13…ルータ、 21…SIP_UA、 22,23…制御ユニット、 24,25,26,51,52,53…インターフォン、 31…基地局、 32…閉域網、 120…LTE通信部、 110…通信制御部、 130…インタフェース部

Claims (5)

  1. 第1の通信方式により基地局装置と無線通信を行って第1の接続先に接続すると共に、SIPプロトコルによる第2の通信方式によりビル内のネットワークを介して前記ビル内の複数の端末と通信を行う通信端末装置であって、
    動作モードとしてSIPクライアントとして動作しない通常モードと、SIPクライアントとして動作する緊急モードとを備え、
    前記通常モードが設定されている場合には、前記ネットワークを介して接続する端末からSIPプロトコルの受信があると、伝送内容を解析することなく、前記第1の通信方式の伝送フォーマットに組み替えて、前記基地局を介して接続する第1の接続先へ無線通信により通信要求を送信し、前記基地局装置から特定の情報を受信すると、前記第1の接続先との通信状態を確認し、通信が確立できる場合には前記通常モードを維持し、
    前記通信が確立できない場合には、前記動作モードを前記緊急モードに設定し、前記ネットワークを介して接続する端末からSIPプロトコルの受信があると、伝送内容を解析して、前記第1の接続先への通信要求あった場合に、通信先を前記ネットワークを介して接続する別の端末である第2の接続先に切り替えるSIPプロトコルのメッセージを送信し、前記別の端末への接続を試みる通信制御部を備えたことを特徴とする通信端末装置。
  2. 通信制御部が、第2の接続先との通信が確立できない場合には、通信先を特定の携帯端末に切り替えて、第1の通信方式により基地局装置を介して接続を試みることを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
  3. 通信制御部が、特定の携帯端末との通信が確立できない場合には、予め登録された通信先に第1の通信方式によりメールを配信することを特徴とする請求項2記載の通信端末装置。
  4. 第1の通信方式により基地局装置と無線通信を行って第1の接続先に接続すると共に、第2の通信方式によりネットワークを介して通信を行う通信端末装置であって、
    前記基地局装置から特定の情報を受信すると、前記第1の接続先との通信状態を確認し、通信が確立できない場合には、動作モードを緊急モードに設定し、前記ネットワークを介して接続する端末から前記第1の接続先への通信要求があった場合に、通信先を前記ネットワークを介して接続する第2の接続先に切り替えて接続を試みる通信制御部を備え、
    前記通信制御部が、端末と第2の接続先とがネットワークを介して接続されている状態で、三者通話の指示が入力されると、無線通信により予め接続先が設定された特定の携帯端末にも接続して三者での通話状態に移行することを特徴とする通信端末装置。
  5. 第1の通信方式により基地局装置と無線通信を行って第1の接続先に接続すると共に、SIPプロトコルによる第2の通信方式によりビル内のネットワークを介して前記ビル内の複数の端末と通信を行う通信端末装置における通信方法であって、
    前記通信端末の通信制御部が、SIPクライアントとして動作しない通常モードが設定されている場合には、前記ネットワークを介して接続する端末からSIPプロトコルの受信があると、伝送内容を解析することなく、前記第1の通信方式の伝送フォーマットに組み替えて、前記基地局を介して接続する第1の接続先へ無線通信により通信要求を送信し、前記基地局装置から特定の情報を受信すると、前記第1の接続先との通信状態を確認し、通信が確立できる場合には前記通常モードを維持し、
    前記通信が確立できない場合には、前記動作モードをSIPクライアントとして動作する緊急モードに設定し、前記ネットワークを介して接続する端末からSIPプロトコルの受信があると、伝送内容を解析して、前記第1の接続先への通信要求あった場合に、通信先を前記ネットワークを介して接続する別の端末である第2の接続先に切り替えるSIPプロトコルのメッセージを送信し、前記別の端末への接続を試みることを特徴とする通信方法。
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