JP6931785B2 - 結束バンド - Google Patents
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Description
上述した結束バンドは、貫通孔にストラップを目通しする時の作業性が良いため、世界的に普及している現状にある。
しかし、被結束物を結束した後は、頭部が被結束物の外側に大きく飛び出すため、例えば、建物のパイプシャフト内に電線を通す際、パイプシャフト内でこのパイプシャフトの曲がり部や他の電線等に引っ掛かる現象が多くみられたことから、近年では頭部が扁平な結束バンドが出現するようになったが、頭部を扁平にした場合でも引っ掛かり等が少しは改善されたものの、未だ問題が解決したわけではない。これは、ストラップの表面又は裏面にセレーションを設け、このセレーションに対向する頭部内にセレーションと係脱する爪を設けている関係上、被結束物の半径方向にセレーションと爪が位置することに起因している。
上述した背景の下、ストラップの側縁にセレーションを設けて頭部の半径方向外方にあまり出ないようにした先行技術がある。
また、ストラップを貫通孔に嵌め込んだ後、ストラップが進行方向後側に戻ろうとした場合、係止爪の最先端の爪に戻りに抵抗する力が作用するので、この戻り抵抗力によって、係止爪は、ストラップの幅方向中央に向かう力が働く。すなわち、ストラップは、幅方向外側から内側に向かって係止爪により挟まれて締め付けられる状態になるので係止爪とセレーションの係合が確実になる。
これは、係止爪の自由端側の最先端の爪がセレーションから外れたり、係り具合が浅くなることがないことと固定端の側の爪も確実にセレーションと係合することを意味し、従来の結束作業性の良さを維持した状態で、さらに高強度で安定性がありバラツキの少ない結束力を有する結束バンドを提供できる。加えてストラップの厚さ方向に曲げるとき腰が弱く曲げやすい効果もある。
頭部1からストラップ2を延設している。このストラップ2の両側面には正面視鋸刃状のセレーション21を設けている。
一方、頭部1には、ストラップ2の延設方向に並行した貫通孔12を形成している。この貫通孔12は、ストラップ2をその厚み方向に折り曲げて一回りさせたストラップ2の先端部分22から差し込んでストラップ2を通す孔であって、この状態におけるセレーション21に対向する位置の頭部1には、複数の爪111を備えた係止爪11を配備して各爪111が貫通孔12の側縁121から貫通孔12内に臨むようにしている。
係止爪11の固定端112は弾性力を付与された状態で頭部1と一体化していて、係止爪の自由端113は肉抜き孔13内で固定端112側を支点にして前記弾性力により搖動できるように片持ち梁状に配備している。係止爪11の固定端112は貫通孔12のストラップ2が通る進行方向後方に、また自由端113は貫通孔12のストラップ2が通る進行方向前方になるようにしている。
さらに、係止爪11の自由端113の側は固定端112の側に対して貫通孔12の幅方向中央に向かって内向きになるように配備している。これに伴って、係止爪11の各爪111は図1や図2に示すように、ストラップ2のセレーション21に対して、自由端113の側の最先端の爪111がセレーション21との係合が最も深くなるように、また、最先端の爪111の後ろに続く各爪111は固定端112の側に行くにしたがって徐々に浅く係合するように配置している。
ストラップ2をその厚み方向に折り曲げて被結束物を巻回させ、ストラップ2の先端部分22を貫通孔12に通し、さらにこのストラップ2の先端部分22を引くことによりストラップ2を貫通孔12内に通すと、係止爪11の各爪111は通過するセレーション21の山と谷により搖動する。その際係止爪11はスナップ力が発生するのでストラップ2をその幅方向内側に押し付ける。しかし、ストラップ2の溝23はしっかりレール14により幅方向の動きが規制されているので、この実施例のように貫通孔12の幅方向両側に係止爪11があっても各係止爪11と各セレーション21の係脱動作は偏りがなく安定する。
なお、上述した作用中に溝23とレール14の僅かな隙間によりセレーション21の位置が少しストラップ2の幅方向に傾いたとしても、係止爪11の最先端の爪111の後方の爪111とセレーション21の間の隙間によりその傾き分を吸収するので、係止爪11の最先端の爪111が起きあがることなくしっかりとセレーション21の谷に収まっている。
このように、貫通孔12とストラップ2の間の隙間を従来と代えることなくストラップ2をストラップ2の幅方向中央に向かって係止爪11により締め付けるような力が働いても、溝23とレール14によってストラップ2の幅方向のずれを防止できる。この作用効果によって頭部1の幅方向の両方の係止爪11の爪111を複数設けることができ、加えて各爪111とセレーション21との係合を確実で安全なものにするために、係止爪11の最先端の爪111とセレーション21との係合を最も深く、最先端の爪111の後方の爪111を後ろに行くにしたがって徐々にセレーション21との係合を浅くしたことで、従来の結束作業性の良さを維持した状態で、係止爪11の爪111を複数化して高強度化しても、安定性がありバラツキの少ない結束力を有する結束バンドを提供するとした所期の目的が達成される。
具体的には、図10に示すように、ストラップ2の厚さよりも狭いオリフィス状の開口壁15aを設けている。この開口壁15aは、ストラップ2の側縁のコーナ24を係止する機能を有していて、レール14aとともに係止爪11のスナップ力によるストラップ2の幅方向の負荷に耐えられるようにしている。また、図1で言うB1方向の力も受けるようにしている。
この実施例の場合は、主に軽荷重のものをぶら下げるのに適していて、例えば鋏の柄の部分に頭部1aを通した後、頭部1aの一側面からストラップ2を貫通孔12a内に嵌め込み、先端部分22aを引くことにより鋏の柄の部分にストラップ2を巻回させ、先端部分22aを壁等に固定したフック等に掛けられるようにしたものである。また、ストラップ2を外す場合は、ストラップ2に図10の右斜め下方向の力を付与すれば、頭部1aの図10の右側の部分が少し外側に撓むので簡単に外せることになる。
このように、本発明は、溝23とレール14aを設けたことにより、貫通孔12aの側面も開口できることになり用途の幅が広がる効果もある。
2……………………………ストラップ
11…………………………係止爪
12,12a………………貫通孔
14,14a………………レール
21…………………………セレーション
23…………………………溝
111………………………爪
112………………………固定端
113………………………自由端
121………………………貫通孔12の側縁
Claims (4)
- 複数の爪を備えた係止爪を有する頭部と、この頭部から延設したストラップとからなり,前記ストラップ幅方向の側縁にセレーションを設ける一方、前記頭部内に前記ストラップが通過する貫通孔を前記ストラップの延設方向に並行するように形成するとともに、前記係止爪を、前記貫通孔の側縁からこの貫通孔内に臨む位置で前記セレーションと係脱可能になるように前記頭部内の幅方向位置に配備し、さらに、前記係止爪を、その一端が弾性力のある固定端で他端が前記弾性力により搖動する自由端とした片持ち梁状にし、加えて前記固定端を前記貫通孔の前記ストラップの進行方向後側とし、前記自由端を前記貫通孔の前記ストラップの進行方向前側とした上で、前記自由端の側が前記固定端の側に対し前記貫通孔の幅方向中央に向かって内向きになるように配備することにより、前記複数の爪の内前記固定端の側に位置する前記爪と前記セレーションとの係合を浅めにし、前記自由端の側に位置する前記爪と前記セレーションとの係合を次第に深めにする一方、前記セレーションの内側の前記ストラップの面にこのストラップの長手方向に連続する溝を設け、この溝に対向する前記貫通孔の位置に前記溝を案内するレールを配備して、前記係止爪の弾性力による前記ストラップの幅方向への移動を抑えたことを特徴とする結束バンド。
- 前記溝は前記ストラップの一面に配備し、また、前記レールは、前記溝と対向する位置の前記貫通孔の面に配備したことを特徴とする請求項1に記載の結束バンド。
- 前記溝は前記ストラップの両面に配備し、また、前記レールは、前記溝と対向する位置の前記貫通孔の両面に配備したことを特徴とする請求項1に記載の結束バンド。
- 前記セレーションの配置を前記ストラップ幅方向の両側縁に設けるとともに、前記係止爪を、前記貫通孔の両側縁からこの貫通孔内に臨む位置で各前記セレーションと係脱可能になるように前記頭部内の幅方向位置に配備したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の結束バンド。
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