JP6931273B2 - 膜体取付構造体及び膜体取付方法 - Google Patents

膜体取付構造体及び膜体取付方法 Download PDF

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Description

本発明は、フレーム材に膜体を取り付ける膜体取付構造体及び膜体取付方法に関し、より詳細には、フレーム材に取り付けた膜体に張力を容易に導入することができる膜体取付構造体及び膜体取付方法に関する。
エアドームやテント等のような膜構造物は、外骨格を構成する骨組構造と、当該骨組構造に取り付けられる膜体とを有し、膜体は、骨組構造に対して適切な張力で取り付けられる必要がある。なぜなら、膜体の張力が弱すぎると膜体が垂れ下がってしまって見た目がだらしなくなるし、逆に膜体の張力が強すぎると膜体が少し損傷しただけでその損傷個所を起点として膜体が引き裂けてしまうからである。
膜体に適度な張力を付与する従来技術として、例えば特許文献1には高架橋の裏側(下側)を膜体で覆う技術が開示されている。特許文献1に開示の膜体取付構造は、まず、高架橋の橋脚同士の間に延びる複数の主桁と、当該各主桁の溝に取り付けられる係合手段と、主桁を挟み込む挟込手段とを有し、この挟込手段がロールガイドとテンショナーとを有している(特許文献1の段落[0083]及び図23)。この膜体取付構造に膜体を取り付けるにあたっては、まず、係合手段に膜体を取り付けた上で、係合手段を主桁の長手方向にずらすことにより高架橋の下側一杯に膜体を押し広げる。そして、テンショナーによって膜体に適度な張力を導入する。
また別の従来技術として、例えば特許文献2には、膜体と、膜体の端部に取り付けられる膜定着用ファスナーと、膜定着用ファスナーが連結された定着用軸部材と、定着用軸部材を引き込むか又は引き出す調整ナットと、を有する膜体取付構造が開示されている。この膜体取付構造では、調整ナットを所定方向に回転させることにより定着用軸部材を引き込んで膜体に張力を導入する。
このように特許文献1及び2に開示の膜体取付構造はいずれも、膜体の端部周辺に取り付けられた張力導入部材(特許文献1のテンショナー、特許文献2の定着用軸部材)によって膜体に張力を導入することができる。
また、エアドームのように構造物と膜体の間に送風することによって膜体に張力を導入することもできるし、二重に設けた膜体の間に気体を送風又は充填するエアクッション構造にすることによって膜体に張力を導入することもできる。
特開2007−291779号公報 特開2004−92262号公報
特許文献2に開示の膜体取付構造を用いて例えばテント等の骨組構造に膜体を取り付けると、膜体の位置を決めるとともに膜体に張力を導入するための定着用軸部材が骨組構造の外側から見えてしまうので見栄えが悪い。このような見栄えを改善するために、骨組構造を構成するフレーム材の内部に定着用軸部材を収納すると、フレーム材の内側で調製ナットを所定方向に回転させる作業が煩わしく、膜体を取り付ける際の膜体の位置決めが困難となるし、膜体に張力を導入しにくい。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、膜構造物を構成するフレーム材に見栄えよく膜体を取り付けることができ、かつフレーム材に膜体を取り付ける際の膜体の位置決めを容易に行うことができるとともに膜体に張力を容易に導入可能な膜体取付構造体及び膜体取付方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、本発明は、フレーム材の開口部を通して前記フレーム材の内側に引き込まれた膜体の周縁部を固定するための膜体取付構造体であって、前記フレーム材の内側で固定され、前記フレーム材の内側を前記開口部に向かって延びる軸部材と、端部収容空間を有し、前記膜体の周縁部に取り付けられた芯材が前記端部収容空間に収容されることによって前記膜体の周縁部に沿って取り付けられたファスナー部材と、前記ファスナー部材とは別体の部材で構成されて前記フレーム材の内側に配置されるとともに、前記軸部材にその軸方向に移動可能に設けられた結合部材と、前記フレーム材の内側に配置され、前記ファスナー部材が結合された前記結合部材を前記軸部材の軸方向に沿って移動させることにより、前記ファスナー部材の位置を決めるとともに前記膜体に張力を導入する操作部材と、を備え、前記結合部材は、前記ファスナー部材の長手方向の一部に設けられ、前記結合部材に結合された前記ファスナー部材は、前記フレーム材の内面に接した状態で保持されるように構成されている。
上記構成によれば、操作部材が操作されることにより、膜体の周縁部に取り付けられたファスナー部材が結合された結合部材が軸部材の軸方向に沿って移動する。これにより開口部を通してフレーム材の内側に引き込まれた膜体の周縁部がフレーム材の奥に引き込まれる。したがって、操作部材を操作することにより、ファスナー部材の取付位置を決め直すことができるし、膜体に導入する張力を調整することができる。ここで、軸部材がフレーム材の内側で固定され、結合部材及び操作部材はフレーム材の内側に配置されている。このため、膜体取付構造体がフレーム材の外側から見えにくくなり、フレーム材に膜体を取り付けた後の膜体の取付部分の周辺の見栄えがよい。また、フレーム材の開口部に向かって延びる軸部材に沿って結合部材を移動させる構成になっているので、操作部材の操作時に結合部材を軸部材の軸方向に安定して移動させることができる。したがって、膜体の張力を受けた状態でファスナー部材をフレーム材の内側に引き込む操作を行う場合でも、操作部材の操作が煩わしいものとなることを抑制することができる。さらにまた結合部材に結合されたファスナー部材がフレーム材の内面に接した状態で保持されているため、膜体の張力によってファスナー部材が張力を受けても、当該張力をファスナー部材からフレーム材に逃がすことができるので、ファスナー部材を安定して保持することができる。
上記構成において、好ましくは、前記結合部材が前記ファスナー部材の長手方向に動かないように固定されるロック状態と、前記結合部材が前記ファスナー部材の長手方向に移動可能に保持されるロック解除状態とを切替可能な切替機構をさらに有する。
上記切替機構によってファスナー部材に取り付けられた結合部材をロック解除状態とすることにより、結合部材を、ファスナー部材の長手方向に沿ってフレーム材の軸部材が取り付けられた位置まで移動させることができる。この位置まで結合部材を移動させた上で、ファスナー部材に取り付けられた結合部材をロック状態とすることにより、結合部材をファスナー部材に仮止めすることができる。このように結合部材をファスナー部材に仮止めした上で、結合部材を軸部材に取り付けることにより、結合部材がファスナー部材に対してグラつくことなく、結合部材を軸部材に固定することができる。
本発明は、フレーム材の開口部を通して前記フレーム材の内側に引き込まれた膜体の周縁部を固定するための膜体取付構造体であって、前記フレーム材の内側で固定され、前記フレーム材の内側を前記開口部に向かって延びる軸部材と、端部収容空間を有し、前記膜体の周縁部に取り付けられた芯材が前記端部収容空間に収容されることによって前記膜体の周縁部に取り付けられたファスナー部材と、前記フレーム材の内側に配置されるとともに、前記軸部材にその軸方向に移動可能に設けられた結合部材と、前記フレーム材の内側に配置され、前記ファスナー部材が結合された前記結合部材を前記軸部材の軸方向に沿って移動させることにより、前記ファスナー部材の位置を決めるとともに前記膜体に張力を導入する操作部材と、前記結合部材が前記ファスナー部材の長手方向に動かないように固定されるロック状態と、前記結合部材が前記ファスナー部材の長手方向に移動可能に保持されるロック解除状態とを切替可能な切替機構と、を備え、前記結合部材に結合された前記ファスナー部材は、前記フレーム材の内面に接した状態で保持されるように構成され、前記切替機構は、前記結合部材に設けられる嵌入部と、前記ファスナー部材に設けられ、前記ファスナー部材の長手方向にスライド可能に前記嵌入部を嵌め込むレール溝と、前記ファスナー部材に設けられ、前記ファスナー部材の長手方向に動かないように前記嵌入部を固定するロック溝と、を有する。
上記構成によれば、結合部材に設けられた嵌入部をレール溝に嵌め込むことによりファスナー部材の長手方向にスライド移動可能に結合部材をファスナー部材に取り付けることができる。このようにしてフレーム材の軸部材が取り付けられた位置まで結合部材をスライド移動させた上で、嵌入部をロック溝に嵌め込むことにより結合部材がファスナー部材の長手方向に移動しないように結合部材をファスナー部材に仮止めすることができる。このように結合部材を仮止めすることにより、結合部材がファスナー部材に対してグラつくことなく、結合部材を軸部材に固定することができる。
上記構成において、好ましくは、前記嵌入部は、その厚み方向に弾性変形可能となるように内側に切り欠いた切欠き部を有する。
上記構成によれば、嵌入部が厚み方向に弾性変形するので、結合部材のロック状態とロック解除状態とを容易に切り替えることができる。
上記構成において、好ましくは、前記結合部材は、前記嵌入部を前記ロック溝に嵌め込んだ状態で、前記ロック溝よりも前記開口部から離れる側の前記ファスナー部材に接する突片を有する。
上記構成によれば、嵌入部をロック溝に嵌め込んだ状態(つまりロック状態)で、結合部材の突片がファスナー部材のロック溝よりも前記開口部から離れる側の面に接するので、ファスナー部材が開口部に向かう方向に力がかかっても、結合部材の突片がファスナー部材に引っかかっることで、嵌入部がロック溝から外れてしまうことを防止することができる。
本発明の膜体取付方法は、膜体の周縁部に取り付けられた芯材をファスナー部材の端部収容空間に収容することによって前記膜体の周縁部にファスナー部材を取り付ける工程と、前記ファスナー部材の長手方向の一部、前記ファスナー部材とは別体の部材で構成された結合部材を結合する工程と、フレーム材の内側を前記フレーム材の開口部に向かって延びる軸部材に沿って前記結合部材を移動可能な状態にする工程と、前記膜体の周縁部に取り付けられた前記ファスナー部材が結合された前記結合部材を、前記フレーム材の内側の操作部材を操作して前記軸部材の軸方向に沿って移動させることにより、前記ファスナー部材の位置を決めるとともに前記膜体に張力を導入する工程と、を含む。
上記構成によれば、操作部材を操作する工程により、膜体の周縁部に取り付けられたファスナー部材が結合された結合部材が軸部材の軸方向に沿って移動する。これにより開口部を通してフレーム材の内側に引き込まれた膜体の周縁部がフレーム材の奥に引き込まれる。したがって、操作部材を操作することにより、ファスナー部材の位置を決めるとともに膜体の張力を調整することができる。また、フレーム材の開口部に向かって延びる軸部材に沿って結合部材を移動させることにより、操作部材の操作時に結合部材を軸部材の軸方向に安定して移動させることができる。したがって、膜体の張力を受けた状態でファスナー部材をフレーム材の内側に引き込む場合でも、操作部材の操作が煩わしいものとなることを抑制することができる。しかも、軸部材がフレーム材の内側で固定され、結合部材及び操作部材はフレーム材の内側に配置されているので、膜体取付構造体がフレーム材の外側から見えにくくなり、フレーム材に膜体を取り付けた後の膜体の取付部分の周辺の見栄えがよい。
本発明の膜体取付構造体及び膜体取付方法によれば、膜構造物を構成するフレーム材の内部に取付可能で、かつフレーム材の内部に取り付けた状態で膜体に容易に張力を導入することができる。
本発明の膜体取付構造体を用いた膜構造物の模式的な斜視図である。 図1のフレーム材の拡大図である。 図2の膜体取付構造体の上部に取り付けられた押さえ部材を取り外した状態を示す図である。 図3におけるフレーム材の上面図である。 図4におけるV−V線断面図である。 結合部材がファスナー部材に固定された状態(ロック状態)を示す断面図である。 結合部材がファスナー部材の長手方向にスライド可能にファスナー部材に取り付けられた状態(ロック解除状態)を示す断面図である。 実施形態1の結合部材の上面図及び側面図である。 ファスナー部材に膜体の周縁部を取り付けた状態を示す断面図である。 ファスナー部材のレール溝に結合部材の嵌入部を嵌め込んだ状態(ロック解除状態)を示す断面図である。 ファスナー部材のロック溝に結合部材の嵌入部を嵌め込んだ状態(ロック状態)で、結合部材の貫通孔に軸部材を挿入した状態を示す断面図である。 軸部材の軸部にナットN1を取り付けた状態を示す断面図である。 フレーム材の開口部に防水カバーを取り付けた状態を示す断面図である。 実施形態2のフレーム材を長手方向に垂直な面で切断した断面図である。 実施形態2の結合部材の上面図及び側面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施形態1:膜構造物の全体構造)
図1は、本実施形態の膜体取付構造体によって膜体を取り付けた膜構造物の模式的な斜視図である。本図に示される膜構造物1は、例えばテント等の構造物の上部であり、3枚の略長方形の枚葉状の膜体10と、当該膜体10を支持する井桁状の骨組フレーム11と、膜体10の周縁部を骨組フレーム11に取り付ける膜体取付構造体20とを備えている。
骨組フレーム11は、一方向に延びる略直方体形状の4本のフレーム材12と、各フレーム材12の端部同士をフレーム材12の長手方向に直交する方向に繋ぐ2本の端部フレーム材13と、隣接するフレーム材12同士を繋ぐように配設された複数の中間フレーム材14とを有している。各フレーム材12及び各端部フレーム材13はいずれも棒状に延びる直方体形状の鋼材であり、外側に開放された開口部を有している。各中間フレーム材14はそれぞれ上向きに膨出した断面円弧状の鋼材からなり、上面視において各フレーム材12に対して直角に交差するように井桁状に組み合わせてそれぞれがその接触部分でネジ止め固定されている。以下、フレーム材12の長手方向を「奥行方向」とし、奥行方向に直交する方向を「幅方向」というものとする。またフレーム材12の表面のうちの開口部が形成された面を「上側」、その反対側を「下側」というものとする。
膜体10は、膜構造物1の上面を構成する樹脂製のフィルム状物であり、その周縁部がそれぞれ隣接するフレーム材12の開口部を通してフレーム材12の内側に取り付けられている。上記各フレーム材12に取り付けた膜体10は、中間フレーム材14と同様、中間フレーム材14の上面に接しながら上向きに膨出した断面円弧状をなしている。図1では、3枚の縦長の膜体10が各フレーム材12の間を跨ぐように各フレーム材12に取り付けられている形態を示しているが、膜体10の枚数は上記に限定されない。
膜体10の奥行方向の長さはフレーム材12の長手方向の長さと略同一で、膜体10の奥行方向の両端がそれぞれ端部フレーム材13の内側に固定されている。膜体10の幅方向の長さは、隣接するフレーム材12同士の間隔と略同一で、膜体10の幅方向の両端は長尺状の断面円形の芯材10a(図5)を内包するように折り返して固定されている。この芯材10aが各フレーム材12の開口部から各フレーム材12の内側に入り込んでフレーム材12の内側に膜体取付構造体20によって固定されている。
膜体取付構造体20は、膜体10の幅方向の端部をフレーム材12の内側に固定するとともにその膜体10に張力を導入するものであり、図1に示すように、フレーム材12の内側にフレーム材12の長手方向に互いに離間して配置されている。これらの膜体取付構造体20によって膜体10をフレーム材12に取り付けることができ、かつ膜体10に張力を導入することができる。膜体取付構造体20はフレーム材12の内側に収容されるので、見栄えよく、かつ破れにくい状態で膜体10をフレーム材12に固定することができる。
(膜体取付構造体の詳細構造)
次に、図2〜図6を用いて膜体取付構造体20の詳細構造を説明する。図2に示すように、各膜体取付構造体20の上側には押さえ部材28が取り付けられている。この押さえ部材28は、隣接する2つの膜体取付構造体20に跨って取り付けられており、当該押さえ部材28により膜体取付構造体20がフレーム材12の内側から外れないように押さえられている。
図3及び図4はそれぞれ、図2に示す押さえ部材28を取り外した後のフレーム材12の上面斜視図及び上面図である。図2に示す押さえ部材28を外すと、図3及び図4に示すようにフレーム材12の内側から開口部に向けて延びる軸部材23が見える。図5は図4のV−V線断面図であり、図6は結合部材22の上面図及び側面図である。
図5に示すように、押さえ部材28と膜体取付構造体20との間にはゴム製の防水カバー27が取り付けられており、この防水カバー27は、フレーム材12の開口部を塞ぐように取り付けられている。押さえ部材28と防水カバー27とがそれぞれビス29によってフレーム材12の開口部に固定されている。この防水カバー27によりフレーム材12の内側に水が入り込むことを防ぐことができる。フレーム材12の内側に取り付けられた膜体10は、フレーム材12と防水カバー27との間を通ってフレーム材12の外側に引き出される。
膜体取付構造体20は、図5に示すように、下側固定板24と、軸部材23と、切替機構30と、結合部材22と、ファスナー部材21と、ナットN1(操作部材の一例)とを有している。
下側固定板24は、図4に示すように、フレーム材12の下面に離間して当該下面に略平行にフレーム材12の内側面の下側(フレーム材12の開口部の反対側)に一体に取り付けられる矩形の板状部材であり、その一辺の中点から当該下側固定板24の重心までを切り欠いた軸部材挿入部24aを有している。
軸部材23は、軸部材挿入部24aに取り付けられ、結合部材22と下側固定板24とを上下に繋ぐボルトであり、下側固定板24からフレーム材12の開口部に向かって延びる断面円形の軸部23bと、軸部23bに取り付けられるナットN2と、軸部23bより大径であって、かつ軸部23bの先端に取り付けられる頭部23aと、を有している。図5に示すように、頭部23aとナットN2とで下側固定板24を挟むことによって軸部材23が下側固定板24に固定される。
軸部23bには結合部材22が取り付けられ、当該結合部材22の上部にナットN1が取り付けられる。このナットN1を締めることにより膜体10の周縁部の位置を決めることができ、かつ結合部材22を軸部材23の軸方向の下方(つまりフレーム材の内側)に移動させることができる。軸部材23は、ナットN2によって下側固定板24に固定されているので、ナットN1を締めたときにも軸部材23が回転せずに、ナットN1のみが回転するようになっている。
切替機構30は、図6及び図7に示すように、ファスナー部材21と結合部材22との結合状態を切り替える部材であり、結合部材22の一端に設けられる嵌入部31と、ファスナー部材21に設けられるレール溝32及びロック溝33とを有している。この切替機構30によって、嵌入部31がロック溝33に嵌め込まれて結合部材22がファスナー部材21の長手方向に動かないように固定されるロック状態(図6)と、嵌入部31がレール溝32に嵌め込まれて結合部材22がファスナー部材21の長手方向に移動可能に保持されるロック解除状態(図7)とを切り替えることができる。
嵌入部31は、結合部材22の一端に結合部材22と一体に設けられ、レール溝32及びロック溝33のいずれにも選択的に嵌め込めるように構成されている。嵌入部31がレール溝32に嵌め込まれた状態(つまり図7のロック解除状態)では、ファスナー部材21の長手方向に結合部材22をスライド移動することができる。一方、嵌入部31がロック溝33に嵌め込まれた状態(つまり図6のロック状態)では、嵌入部31がロック溝33内で上下(厚み)方向に僅かに弾性変形し、結合部材22がファスナー部材21の長手方向に動かないように仮止めされる。このように嵌入部31をレール溝32に嵌め込むかロック溝33に嵌め込むかによってロック状態とロック解除状態とを切り替えることができる。これによりロック解除状態でフレーム材12の軸部材23が取り付けられた位置まで結合部材22をスライド移動させ、その後に嵌入部31をロック解除状態からロック状態に切り替えることで、結合部材22をファスナー部材21に仮止めすることができる。このように仮止めすることで結合部材22を軸部材23に容易に取り付けることができる。
嵌入部31は、その厚み方向に弾性変形可能に構成されており、切欠き部31aと、上側部材31bと、上側係止片31Bと、下側部材31cと、下側係止片31Cとを有している。
切欠き部31aは、嵌入部31の結合部材22に接する側とは反対側の端面における中央位置から内側に切り欠いた部位である。この切欠き部31aを設けることで、上側部材31bが下側に、下側部材31cが上側にそれぞれ弾性変形するので、嵌入部31が厚み方向(上下方向)に弾性変形可能となる。このように嵌入部31が弾性変形し得ることにより、レール溝32に嵌め込まれた嵌入部31がロック溝33に嵌め込まれるように切り替えることができるし、その逆も可能となる。
上側部材31bは、その上面が結合部材22の上面と面一に連続する板状部材であり、上側部材31bの結合部材側と反対側の端部には上側に突出する上側係止片31Bが設けられている。下側部材31cは、その下面が結合部材22の下面と面一に連続する板状部材であり、下側部材31cの結合部材側と反対側の端部には下側に突出する下側係止片31Cが設けられている。嵌入部31は、切欠き部31aを挟んで上側部材31bと下側部材31cとが上下対称に一体とされている。
上側係止片31B及び下側係止片31Cはそれぞれ、レール溝32又はロック溝33の端部に係止されることで、嵌入部31がレール溝32及びロック溝33から抜け落ちるのを防止するために設けられている。
レール溝32及びロック溝33はいずれも、ファスナー部材21の表面から内側に掘り込んで形成された蟻溝であり、ファスナー部材21の長手方向に沿って設けられる。レール溝32又はロック溝33のいずれか一方に嵌入部31を嵌め込むことでファスナー部材21と結合部材22とが連結される。図5に示すように、ファスナー部材21の長手方向に垂直な面での断面視において、レール溝32は、ロック溝33の下端を中心として20°程度ファスナー部材21の内側に傾けた位置に設けられており、レール溝32の下側部分はロック溝33の下側部分と共用空間になっている。このため、レール溝32に嵌め込まれた嵌入部31の下端を中心として嵌入部31をロック溝33側に回動させることにより嵌入部31がロック溝33に嵌め込まれるように切り替えることができるし、その逆の切り替えも可能である。
レール溝32は、自然状態(弾性変形する前)の嵌入部31における上側係止片31Bと下側係止片31Cとの間の幅よりも若干幅広になっている。このため、レール溝32に嵌め込まれた嵌入部31は、ファスナー部材21の長手方向にスライド移動可能となり、結合部材22を軸部材23の取付位置までファスナー部材21の長手方向にスライド移動することができる。
ロック溝33は、自然状態(弾性変形する前)の嵌入部31における上側係止片31Bと下側係止片31Cとの間の幅よりも若干幅狭になっている。このため、ロック溝33に嵌め込まれた嵌入部31は、厚み方向に弾性変形し、当該嵌入部31の弾発力によって結合部材22はファスナー部材21に仮止めされた状態となる。これによりファスナー部材21が結合部材22に対してグラつくことなく、軸部材23に結合部材22を容易に固定することができる。
結合部材22は、図8に示すように、ファスナー部材21と軸部材23とを連結する板状部材であり、その一端には嵌入部31が一体に設けられ、貫通孔22aと、突片22bとを有している。嵌入部31は上述のようにファスナー部材21に設けられたレール溝32又はロック溝33に挿入される部分である。
貫通孔22aは、図8に示すように、結合部材22の上面視における略中央を上下に貫通する孔であって、軸部材23の外形よりも一回り大きい内径を有している。この貫通孔22aに軸部材23の軸部23bを挿入することで結合部材22が軸部材23に取り付けられる。結合部材22を軸部材23に取り付けることで、結合部材22に取り付けられたファスナー部材21がフレーム材12の内側面12L、12Rに接する。
突片22bは、結合部材22の下面からさらに下方に突出する部位であり、嵌入部31がロック溝33に嵌め込まれた状態(ロック状態)でファスナー部材21の表面(当接部21d)に接している。結合部材22が突片22bを有することにより膜体10に外力が加わってファスナー部材21が開口部に向く方向に力がかかっても、突片22bがファスナー部材21に引っかかっることで、嵌入部31の上側係止片31Bがロック溝33から外れてしまうことを防止することができる。
ファスナー部材21は、フレーム材12の長手方向の長さと略同一の長さを有する棒状部材であり、フレーム材12の内側面12R、12Lに接してフレーム材12の内側に収容される。ナットN1を締めることで上記結合部材22が下方に動くことによりファスナー部材21がフレーム材12の内側面12R、12Lに接しながらフレーム材12の内側に引っ張られて膜体10に張力が導入される。逆に結合部材22が上方に動くことでファスナー部材21がフレーム材12の上方に動き、膜体10に導入された張力が緩められる。図5では、1本のフレーム材12の内部に2本のファスナー部材21が取り付けられる場合を示しているが、図1の膜構造物1における幅方向の両端に位置するフレーム材12の内側には1本のファスナー部材21のみが取り付けられる。
ファスナー部材21は、図7及び図8に示すように、ファスナー本体部21aと、端部収容空間S1と、膜体通過部21bと、持ち手部21cと、当接部21dとを有している。
ファスナー本体部21aは、芯材10aの長手方向の長さと略同一長さを有する棒状部材であり、膜体10の芯材10aを内部に収容する端部収容空間S1を有する。
端部収容空間S1は、膜体10の幅方向の端部に取り付けられた芯材10aの直径よりも若干大きい断面略円弧状の空間であり、ファスナー部材21の長手方向の全体に亘って設けられる。このような形状とすることで、端部収容空間S1に対して芯材10aを通しやすいし、芯材10aを端部収容空間S1に挿入した状態でも芯材10aと端部収容空間S1との間に若干の遊び空間が生じる。このような遊び空間が形成されることで、膜体10に対して一時的に過度に張力がかかっても芯材10aが端部収容空間S1内の遊び空間内で動いてその張力を緩和することができる。
膜体通過部21bは、端部収容空間S1内の膜体を端部収容空間S1外に取り出せるように端部収容空間S1と外側空間とを連通する隙間であり、ファスナー部材21の長手方向の全体に亘って設けられる。端部収容空間S1内の芯材10aに取り付けた膜体10は、膜体通過部21bを通過して端部収容空間S1の外部に引き出される。膜体通過部21bは、膜体10の厚みよりも大きいが、芯材10aの直径よりも小さい。このため、膜体10のみが膜体通過部21bを通過し、芯材10aは膜体通過部21bを通過できずに端部収容空間S1の内部に保持される。これにより膜体10の周縁部に取り付けられた芯材10aが端部収容空間S1から外れることを防止することができる。
持ち手部21cは、ファスナー本体部21aの表面の一領域から突出するように形成されており、この持ち手部21cを持ちながらレール溝32又はロック溝33に対して結合部材22の嵌入部31を嵌め込むことにより当該嵌め込み作業が容易になる。
当接部21dは、ファスナー本体部21aにおけるロック溝33に隣接する位置に設けられ、嵌入部31をロック溝33に嵌入した状態で、結合部材22の突片22bが接触する部位である。このように嵌入部31をロック溝33に嵌入させた状態で、突片22bが当接部21dに当接することにより、フレーム材12の開口部に向けてファスナー部材21に外力がかかっても、上側係止片31Bがロック溝33から外れてしまうことを防止することができ、ロック状態が不用意に解除されることを防止し得る。
(膜体取付方法)
次に、図9乃至図13を用いて、本実施形態の膜体取付構造体20を用いて膜体10をフレーム材12の内側に取り付ける手順を説明する。本実施形態では、1本のフレーム材12に2枚の膜体10を取り付ける場合を説明するが、1本のフレーム材12に1枚の膜体10を取り付ける場合もある。
まず、図9に示すように、膜体10の端部をファスナー部材21に取り付ける。具体的には、膜体10の周縁部に取り付けられた芯材10aを、ファスナー部材21の端部収容空間S1に挿入することで、膜体10の周縁部をファスナー部材21に取り付ける。このとき芯材10aに取り付けられた膜体10は、端部収容空間S1から膜体通過部21bを通過して端部収容空間S1の外部に引き出される。
次に、図10に示すように、膜体10を取り付けたファスナー部材21に結合部材22を取り付ける。結合部材22の取付は、結合部材22に設けられた嵌入部31を、ファスナー部材21に設けられたレール溝32に挿入することによって行われる。結合部材22を取り付ける個数は、フレーム材12の内側に設けた軸部材23の本数と同数とし、2本のファスナー部材21に対して交互に結合部材22を取り付ける。
次いで、結合部材22の貫通孔22aに軸部材23の軸部23bを挿入できるように結合部材22をファスナー部材21の長手方向にスライド移動させる。嵌入部31がレール溝32に嵌め込まれているので、ファスナー部材21の長手方向に結合部材22をスライド移動させることができる。このようにしてフレーム材12の軸部材23が取り付けられた位置まで結合部材22をスライド移動させることにより結合部材22の位置合わせを行う。
そして、上記位置合わせが完了すると、レール溝32に嵌め込まれた嵌入部31がロック溝33に嵌め込まれるように嵌入部31を切り替える。これにより結合部材22をファスナー部材21に仮止めすることができる。この状態で、図11に示すように軸部材23の軸部23bに結合部材22の貫通孔22aを嵌め込んだ上で、軸部23bにナットN1を取り付けることにより、軸部材23に結合部材22を結合する。
なお、結合部材22をファスナー部材21に仮止めした状態で、結合部材22が軸部材23の取付位置からズレている場合には、結合部材22の貫通孔22aに軸部材23を挿入できなくなることがあるが、この場合には、上記ロック溝33に嵌め込まれた嵌入部31をレール溝32に嵌め込むように切り替えることで(仮止めを解除することで)、再度、結合部材22がスライド移動できるようになり、結合部材22を軸部材23に位置合わせすることができる。本実施形態では、ロック状態とロック解除状態を容易に切り替えることができるので、結合部材22の軸部材23への位置合わせが容易となる。
次に、図12に示すように、ナットN1を締めることにより結合部材22を軸部材23の軸方向(下方)に移動させる。これによりファスナー部材21がフレーム材12の内側面12L、12Rに接しながら内側に引き込まれて膜体10に張力が導入される。ここでのナットN1を締める量を調整することで、膜体10に導入される張力を調整することができる。ファスナー部材21がフレーム材12の内側面12L、12Rに接しながら下方に移動するので、ファスナー部材21を安定して下方に移動させることができる。しかも、ファスナー部材21と結合部材22とをナット等の締結部材で固定しているわけでもないので、ナット等がフレーム材の内側で外れてしまうという問題もない。
そして、図13に示すように、膜体取付構造体20の上部に防水カバー27を取り付ける。その後、防水カバー27の上に押さえ部材28を取り付けた上で、押さえ部材28の上からビス29で止めることにより膜体取付構造体20がフレーム材12の内側から外れないように固定することができる。
(実施形態2)
図14は、実施形態2の膜体取付構造体20’を取り付けた状態のフレーム材12の長手方向の断面図であり、図15は、実施形態2の結合部材22’の上面図及び側面図である。本実施形態の膜体取付構造体20’は、図14に示すように、上記実施形態1に対し、切替機構30を設けることに代えて、ボルト35及びナットN3を用いて結合部材22’をファスナー部材21’の下部に取り付けたことが異なる他は実施形態1と同様である。以下においては、実施形態1の膜体取付構造体20に対する変更部分であるファスナー部材21’及び結合部材22’を説明し、実施形態1のそれと同一部分の説明は繰り返さない。なお、実施形態2における各部材の参照番号の表記に関し、実施形態1における各部材と同一のものには同一の参照符号を付し、一部変更を加えたものには参照符号の末尾にダッシュ(’)を付している。
ファスナー部材21’は、端部収容空間S1及び膜体通過部21bに加えて、ファスナー部材21’の下面(膜体通過部21bとは反対側の面)から内側に入り込んだ蟻溝21fを有している。この蟻溝21fは、ファスナー部材21’の下面に結合部材22’を取り付けるために設けられるものであり、ファスナー部材21’の下面に沿ってファスナー部材21’の長手方向に設けられる細溝21gと、当該細溝21gよりもファスナー部材21’の内側(図14では細溝21gの上側)に設けられ、細溝21gよりも幅広の拡大溝21hとを有している。この拡大溝21hにボルト35の頭部35aを嵌め込むことで、ボルト35がファスナー部材21’の長手方向にスライド可能にファスナー部材21’に取り付けられる。
結合部材22’は、図15に示すように、2つの貫通孔22a、22cが設けられた矩形状の板状部材であり、一方の貫通孔22aには軸部材23の軸部23bが挿入され、他方の貫通孔22cにはボルト35の軸部35bが挿入される。貫通孔22cは、ボルト35の軸部35bの外径よりも若干大きい内径を有しており、ボルト35の軸部35bに結合部材22の貫通孔22cを挿入した状態で、軸部35bにナットN3を取り付けることにより、ファスナー部材21’の下面に結合部材22’を結合することができる。
(膜体取付方法)
次に、本実施形態の膜体取付構造体20’による膜体10の取付手順を説明する。本実施形態の膜体の取付は、実施形態1に対し、ファスナー部材21’と結合部材22’の取付が異なる他は、実施形態1と同一であるため、その変更部分のみを説明する。
本実施形態の膜体取付方法は、膜体10の周縁部にファスナー部材21’を取り付けた後に、ファスナー部材21’の下側の蟻溝21fにボルト35の頭部35aを嵌め込む。そして、ボルト35の軸部35bに結合部材22’の貫通孔22cを嵌め込んだ上で、軸部35bにナットN3を取り付けることによりファスナー部材21’の下側に結合部材22’を取り付ける。このときナットN3を完全に締め付けずに半締め状態とすることで、結合部材22をファスナー部材21’の長手方向にスライド移動させることができる。この状態で、フレーム材12の軸部材23が取り付けられた位置まで結合部材22をスライド移動させる。そして、この位置でナットN3を完全に締め付けることにより、ファスナー部材21’の下側に結合部材22’を固定する。このように固定した結合部材22’を、実施形態1の膜体取付方法と同様にして軸部材23に取り付ける。そして、結合部材22’にナットN1を取り付けて、当該ナットN1を締めることによりファスナー部材21’がフレーム材12の内側面12L、12Rに接した状態で下方に移動し、膜体10に張力が導入される。このようにファスナー部材21’がフレーム材12の内側面12L、12Rに接した状態で下方に移動するので、ファスナー部材21’を安定して下方に移動させることができる。
(変形例)
上記実施形態においては、レール溝32とロック溝33の下側部分が共用空間となっている場合を説明したが、レール溝32とロック溝33は必ずしも下側部分が共有空間となっていなくてもよく、レール溝32及びロック溝33がそれぞれ別体でファスナー部材21に設けられていてもよい。
上記実施形態においては、結合部材22の端部に嵌入部31を設け、ファスナー部材21の内側にレール溝32及びロック溝33を設ける場合を説明したが、ファスナー部材21の端部に嵌入部31を設け、結合部材22の内側にレール溝32及びロック溝33を設けてもよい。また上記実施形態では、切替機構30が嵌入部31とレール溝32とロック溝33とによって構成される場合を説明したが、ファスナー部材21と結合部材22とを固定する状態(ロック状態)と、ファスナー部材21の長手方向に結合部材22をスライド移動させることができる状態(ロック解除状態)とを切り替えることができる構成であれば、上記構成のみに限られない。
上記実施形態においては、ナットN1(操作部材)を締めることによって結合部材22を軸部材23の軸方向に移動させる構成を説明したが、上記ナットN1に代えて、例えば軸部材の側面に弾性突起を複数離間して設け、当該弾性突起が結合部材22の上下動を制限するようにしてもよい。
上記実施形態においては、嵌入部31に切欠き部31aを設けることによって嵌入部31を厚み方向に弾性変形可能に構成されているが、切欠き部31aを設ける形態のみに限られず、例えば嵌入部31が弾性変形可能な材料で構成されていてもよい。
(実施形態の纏め)
上記実施形態の膜体取付構造体20は、フレーム材12の開口部を通してフレーム材12の内側に引き込まれた膜体10の周縁部を固定するためのものであって、フレーム材12の内側で固定され、フレーム材12の内側を開口部に向かって延びる軸部材23と、膜体10の周縁部に取り付けられるファスナー部材21と、ファスナー部材21に結合されるとともにフレーム材12の内側に配置され、軸部材23にその軸方向に移動可能に設けられた結合部材22と、フレーム材12の内側に配置され、結合部材22を軸部材23の軸方向に沿って移動させて膜体10の周縁部の位置を決めるとともに膜体10に張力を導入するための操作部材(ナットN1)と、を備え、結合部材22に結合されたファスナー部材21は、フレーム材12の内面に接した状態で保持されるように構成されている。
上記構成によれば、操作部材(ナットN1)が操作されることにより、結合部材22が軸部材23の軸方向に沿って移動する。これにより開口部を通してフレーム材12の内側に引き込まれた膜体10の周縁部がフレーム材12の奥に引き込まれる。したがって、操作部材(ナットN1)を操作することにより、膜体10の周縁部の位置を決めることができるし、膜体10の張力を調整することができる。ここで、軸部材23がフレーム材12の内側で固定され、結合部材22及び操作部材(ナットN1)はフレーム材12の内側に配置されている。このため、膜体取付構造体20がフレーム材12の外側から見えにくくなり、フレーム材12に膜体10を取り付けた後の膜体10の取付部分の周辺の見栄えがよい。また、フレーム材12の開口部に向かって延びる軸部材23に沿って結合部材22を移動させる構成になっているので、操作部材(ナットN1)の操作時に結合部材22を軸部材23の軸方向に安定して移動させることができる。したがって、膜体10の張力を受けた状態でファスナー部材21をフレーム材12の内側に引き込む操作を行う場合でも、操作部材(ナットN1)の操作が煩わしいものとなることを抑制することができる。さらにまた結合部材22に結合されたファスナー部材21がフレーム材12の内面に接した状態で保持されているため、膜体10の張力によってファスナー部材21が張力を受けても、当該張力をファスナー部材21からフレーム材12に逃がすことができるので、ファスナー部材21を安定して保持することができる。
上記実施形態において、結合部材22がファスナー部材21の長手方向に動かないように固定されるロック状態と、結合部材22がファスナー部材21の長手方向に移動可能に保持されるロック解除状態とを切替可能な切替機構30をさらに有するので、ファスナー部材21に取り付けられた結合部材22をロック解除状態とすることにより、結合部材22を、ファスナー部材21の長手方向に沿ってフレーム材の軸部材23が取り付けられた位置まで移動させることができる。この位置まで結合部材22を移動させた上で、ファスナー部材21に取り付けられた結合部材22をロック状態とすることにより、結合部材22をファスナー部材21に仮止めすることができる。このように結合部材22をファスナー部材21に仮止めした上で、結合部材22を軸部材23に取り付けることにより、結合部材22がファスナー部材21に対してグラつくことなく、結合部材22を軸部材23に固定することができる。
上記実施形態において、切替機構30は、結合部材22に設けられる嵌入部31と、ファスナー部材21に設けられ、ファスナー部材21の長手方向にスライド可能に嵌入部31を嵌め込むレール溝32と、ファスナー部材21に設けられ、ファスナー部材21の長手方向に動かないように嵌入部31を固定するロック溝33と、を有するので、結合部材22に設けられた嵌入部31をレール溝32に嵌め込むことによりファスナー部材21の長手方向にスライド移動可能に結合部材22をファスナー部材21に取り付けることができる。このようにしてフレーム材12の軸部材23が取り付けられた位置まで結合部材22をスライド移動させた上で、嵌入部31をロック溝33に嵌め込むことにより結合部材22がファスナー部材21の長手方向に移動しないように結合部材22をファスナー部材21に仮止めすることができる。このように結合部材22を仮止めすることにより、結合部材22がファスナー部材21に対してグラつくことなく、結合部材22を軸部材23に固定することができる。
上記実施形態において、嵌入部31は、その厚み方向に弾性変形可能となるように内側に切り欠いた切欠き部31aを有することにより、嵌入部31が厚み方向に弾性変形するので、結合部材22のロック状態とロック解除状態とを容易に切り替えることができる。
上記実施形態において、結合部材22は、嵌入部31をロック溝33に嵌め込んだ状態で、ロック溝33よりも開口部から離れる側のファスナー部材21に接する突片22bを有するので、嵌入部31をロック溝33に嵌め込んだ状態(つまりロック状態)で、結合部材22の突片22bがファスナー部材21のロック溝33よりも開口部から離れる側の面に接するので、ファスナー部材21が開口部に向かう方向に力がかかっても、結合部材22の突片22bがファスナー部材21に引っかかっることで、嵌入部31がロック溝33から外れてしまうことを防止することができる。
上記実施形態の膜体取付方法は、膜体10の周縁部にファスナー部材21を取り付ける工程と、ファスナー部材21に結合部材22を結合する工程と、フレーム材12の内側をフレーム材12の開口部に向かって延びる軸部材23に沿って結合部材22を移動可能な状態にする工程と、結合部材22を軸部材23の軸方向に沿って移動させてファスナー部材21によって膜体10に張力が導入されるようにフレーム材12の内側において操作部材(ナットN1)を操作する工程と、を含む。
上記構成によれば、操作部材が操作される(ナットN1が締められる)ことにより、結合部材22が軸部材23の軸方向に沿って移動する。これにより開口部を通してフレーム材12の内側に引き込まれた膜体10の周縁部がフレーム材12の奥に引き込まれる。したがって、操作部材(ナットN1)を操作することにより、膜体10の張力を調整することができる。また、フレーム材12の開口部に向かって延びる軸部材23に沿って結合部材22を移動させるので、操作部材の操作(ナットN1の締め付け)時に結合部材22を軸部材23の軸方向に安定して移動させることができる。したがって、膜体10の張力を受けた状態でファスナー部材21をフレーム材12の内側に引き込む操作を行う場合でも、操作部材の操作(ナットN1の締め付け)が煩わしいものとなることを抑制することができる。しかも、軸部材23がフレーム材12の内側で固定され、結合部材22及び操作部材(ナットN1)はフレーム材12の内側に配置されているので、膜体取付構造体20がフレーム材12の外側から見えにくくなり、フレーム材12に膜体10を取り付けた後の膜体10の取付部分の周辺の見栄えがよい。
N1 ナット(操作部材の一例)
S1 端部収容空間
1 膜構造物
10 膜体
10a 芯材
11 骨組フレーム
12 フレーム材
20,20’ 膜体取付構造体
21,21’ ファスナー部材
21a ファスナー本体部
21b 膜体通過部
21d 当接部
21f 蟻溝
21g 細溝
21h 拡大溝
22,22’ 結合部材
22a,22c 貫通孔
22b 突片
23 軸部材
24 下側固定板
24a 軸部材挿入部
28 押さえ部材
30 切替機構
31 嵌入部
31a 切欠き部
32 レール溝
33 ロック溝
35 ボルト

Claims (6)

  1. フレーム材の開口部を通して前記フレーム材の内側に引き込まれた膜体の周縁部を固定するための膜体取付構造体であって、
    前記フレーム材の内側で固定され、前記フレーム材の内側を前記開口部に向かって延びる軸部材と、
    端部収容空間を有し、前記膜体の周縁部に取り付けられた芯材が前記端部収容空間に収容されることによって前記膜体の周縁部に沿って取り付けられたファスナー部材と、
    前記ファスナー部材とは別体の部材で構成されて前記フレーム材の内側に配置されるとともに、前記軸部材にその軸方向に移動可能に設けられた結合部材と、
    前記フレーム材の内側に配置され、前記ファスナー部材が結合された前記結合部材を前記軸部材の軸方向に沿って移動させることにより、前記ファスナー部材の位置を決めるとともに前記膜体に張力を導入する操作部材と、を備え、
    前記結合部材は、前記ファスナー部材の長手方向の一部に設けられ、
    前記結合部材に結合された前記ファスナー部材は、前記フレーム材の内面に接した状態で保持されるように構成されている膜体取付構造体。
  2. 前記結合部材が前記ファスナー部材の長手方向に動かないように固定されるロック状態と、前記結合部材が前記ファスナー部材の長手方向に移動可能に保持されるロック解除状態とを切替可能な切替機構をさらに有する請求項1に記載の膜体取付構造体。
  3. フレーム材の開口部を通して前記フレーム材の内側に引き込まれた膜体の周縁部を固定するための膜体取付構造体であって、
    前記フレーム材の内側で固定され、前記フレーム材の内側を前記開口部に向かって延びる軸部材と、
    端部収容空間を有し、前記膜体の周縁部に取り付けられた芯材が前記端部収容空間に収容されることによって前記膜体の周縁部に取り付けられたファスナー部材と、
    前記フレーム材の内側に配置されるとともに、前記軸部材にその軸方向に移動可能に設けられた結合部材と、
    前記フレーム材の内側に配置され、前記ファスナー部材が結合された前記結合部材を前記軸部材の軸方向に沿って移動させることにより、前記ファスナー部材の位置を決めるとともに前記膜体に張力を導入する操作部材と、
    前記結合部材が前記ファスナー部材の長手方向に動かないように固定されるロック状態と、前記結合部材が前記ファスナー部材の長手方向に移動可能に保持されるロック解除状態とを切替可能な切替機構と、を備え、
    前記結合部材に結合された前記ファスナー部材は、前記フレーム材の内面に接した状態で保持されるように構成され、
    前記切替機構は、前記結合部材に設けられる嵌入部と、前記ファスナー部材に設けられ、前記ファスナー部材の長手方向にスライド可能に前記嵌入部を嵌め込むレール溝と、前記ファスナー部材に設けられ、前記ファスナー部材の長手方向に動かないように前記嵌入部を固定するロック溝と、を有する膜体取付構造体。
  4. 前記嵌入部は、その厚み方向に弾性変形可能となるように内側に切り欠いた切欠き部を有する請求項3に記載の膜体取付構造体。
  5. 前記結合部材は、前記嵌入部を前記ロック溝に嵌め込んだ状態で、前記ロック溝よりも前記開口部から離れる側の前記ファスナー部材に接する突片を有する請求項3又は4に記載の膜体取付構造体。
  6. 膜体の周縁部に取り付けられた芯材をファスナー部材の端部収容空間に収容することによって前記膜体の周縁部に前記ファスナー部材を取り付ける工程と、
    前記ファスナー部材の長手方向の一部、前記ファスナー部材とは別体の部材で構成された結合部材を結合する工程と、
    フレーム材の内側を前記フレーム材の開口部に向かって延びる軸部材に沿って前記結合部材を移動可能な状態にする工程と、
    前記膜体の周縁部に取り付けられた前記ファスナー部材が結合された前記結合部材を、前記フレーム材の内側の操作部材を操作して前記軸部材の軸方向に沿って移動させることにより、前記ファスナー部材の位置を決めるとともに前記膜体に張力を導入する工程と、を含む、膜体取付方法。
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