JP6931269B2 - 除電除塵方法、及びエアシャワー装置 - Google Patents

除電除塵方法、及びエアシャワー装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6931269B2
JP6931269B2 JP2016095390A JP2016095390A JP6931269B2 JP 6931269 B2 JP6931269 B2 JP 6931269B2 JP 2016095390 A JP2016095390 A JP 2016095390A JP 2016095390 A JP2016095390 A JP 2016095390A JP 6931269 B2 JP6931269 B2 JP 6931269B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
blowing
air shower
ion
shower room
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016095390A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017203582A (ja
Inventor
一郎 吉村
一郎 吉村
松浦 正博
正博 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2016095390A priority Critical patent/JP6931269B2/ja
Publication of JP2017203582A publication Critical patent/JP2017203582A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6931269B2 publication Critical patent/JP6931269B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ventilation (AREA)
  • Elimination Of Static Electricity (AREA)

Description

本発明は、除電除塵方法、及びエアシャワー装置に関する。
従来、半導体製造工場、液晶ディスプレイ製造工場、食品工場等は、塵埃が少ない比較的清浄な空間にて生産が行われている。それゆえ、これらの工場では、製造に際して、清浄度が高いクリーンルームの環境が要求されている。
クリーンルーム内における最大の塵埃発生源は、ルーム内の作業者であると考えられる。それゆえ、クリーンルームの入退室箇所に、エアシャワー室を備えたエアシャワー装置が設置される。
エアシャワー装置は、一般的に、エアシャワー室に入室する作業者に対して、エアを吹き付ける吹き出し部を備えている。そして、吹き出し部から噴射したエアによって作業者の防塵服などに付着した塵埃。このようなエアシャワー装置の従来技が空気中に拡散され、塵埃が作業者から除去される術は、例えば特許文献1〜4に開示されている。
特許文献1には、外部と区画されて入口ドアと出口ドアとを備えた区画室に、除菌機能を有する除菌ガスが送出されるエアシャワー装置が開示されている。特許文献1に開示されたエアシャワー装置では、区画室は、除菌ガスが送出される除菌ガス送出領域と、除菌ガスが送出されることなく空気が送出される空気送出領域と、を備えている。
また、特許文献2には、エアシャワー室に人又は物が入った場合に、まず、加圧空気の送りを停止した状態で、除菌ガスをエアシャワー室へ送り込み、その後、加圧空気を送り込むエアシャワー装置が開示されている。
また、特許文献3には、エアシャワー室内の浮遊菌や化学物質を除去するために、放電により発生した正イオンと負イオンを放出するイオン発生器を備えたエアシャワー装置が開示されている。
特許文献4には、エアシャワー室の吹き出し部の入口にイオン発生器を備えたエアシャー装置が開示されている。特許文献4に開示されたエアシャワー装置では、イオン発生器は、正イオン放電電極の先端及び負イオン放電電極の先端からなる各対が吹き出し部の入口の中心軸に対して回転対称となるように配置されている。
特開2014− 66467号公報(2014年 4月17日公開) 特許第5701594号明細書(2015年 4月15日発行) 特開2004− 28532号公報(2004年 1月29日公開) 特開2015−102274号公報(2015年 6月 4日公開)
ここで、作業者は、エアシャー室内にてエアシャワーを浴びた後においても、例えば防塵服等の着衣の表面に多くの塵埃が付着している。そして、作業者の着衣表面に付着している塵埃には、着衣表面との静電気の力によって付着しているものがある。このように静電気の力によって着衣表面に付着した塵埃は、作業者に対してエアを吹き付けるだけでは除去されない。また、エアシャワー室の内部では、高速で流れるエアを着衣との間に摩擦が発生するため、摩擦により生じた静電気によって、着衣表面から離脱した塵埃が再度着衣表面に付着するおそれがある。すなわち、エアシャワーにより作業者の着衣表面に付着する塵埃を除去するためには、着衣表面の除電が必要である。
特許文献1〜4に記載された技術のうち、特許文献4に記載されたエアシャワー装置では、エアシャワーの空気を吹き出す吹出し部の近傍に、正イオン及び負イオンを放出するイオン発生器が備えられている。そして、イオン発生器から放出された正イオン及び負イオンは、吹出し部にて吹出される空気に乗ってイオン風となり、イオン風により作業者を除電するようになっている。しかし、特許文献4に記載されたエアシャワー装置は、イオン風を吹き出す吹出し部は、作業者から見て片方の側面にのみ設けられている。それゆえ、作業者には、エアシャー室内にて一方の側面からしかイオン風が当たらない。したがって、作業者の着衣全面を除電するのに時間を要するという課題が残されている。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的短時間でエアシャワー室に入室する人または対象物全体を除電することが可能な除電除塵方法、及びエアシャワー装置を実現することにある。また、効率的にエアシャワー室内を除菌できるエアシャワー装置を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る除電除塵方法は、エアシャワー室に入室する人若しくは対象物に対し、正イオン及び負イオンを含む第1の空気と、正イオン及び負イオンを含まない第2の空気との両方を吹き出して、除電除塵を行う除電除塵方法であって、前記エアシャワー室の側壁面の中間部に設けられた第2の空気の吹出し口から前記第2の空気を吹出すとともに、前記第2の空気の吹出し口よりも天井側に配置された第1の空気の吹出し口から前記第1の空気を吹出し、前記第1の空気の風量は、前記第2の空気の風量よりも小さく、前記第1の空気を、前記エアシャワー室の側壁面に対し斜め方向に、上部から中央領域へ向けて吹出すとともに、前記第2の空気の吹き出し動作と連動して前記第1の空気を吹き出す連動運転動作と、常時前記第1の空気を吹き出す連続運転動作と、を切り替える切替工程を含み、前記連続運転動作に切り替えられた場合、作業者のエアシャワー室の入室および退室に関わらず、常時、前記第1の空気を前記エアシャワー室内に吹き出し、エアシャワー室内を除菌するとともに、作業者のエアシャワー室の入室に連動して前記第2の空気を作業者に吹き付け、作業者がエアシャワー室から退室したとき、前記第2の空気の吹き出し動作を停止し、前記連動運転動作に切り替えられた場合、作業者がエアシャワー室に入室したとき、入口用ドアの開閉に連動して、前記第2の空気を作業者に吹き付ける動作をし、当該動作に連動して、作業者に対して前記第1の空気を吹き出す動作をするとともに、出口用ドアが開放し作業者がエアシャワー室から退室したとき、前記第2の空気の吹出し動作を停止し、当該第2の空気の吹出し動作停止に連動して、前記第1の空気の吹き出す動作が停止することを特徴としている。
また、上記の課題を解決するために、本発明の他の態様に係るエアシャワー装置は、エアシャワー室を備え、エアシャワー室に入室する人若しくは対象物に対して、正イオン及び負イオンを含む第1の空気を吹出す第1吹出し部と、正イオン及び負イオンを含まない第2の空気を吹出す第2吹出し部とがエアシャワー室内に設けられ、前記第2の空気の吹出し口は、前記エアシャワー室の側壁面の中間部に設けられており、前記第1の空気の吹出し口は、前記第2の空気の吹出し口よりも天井側に配置されており、前記第1吹出し部は、前記第1の空気を、前記第2の空気よりも小さい風量で、前記エアシャワー室の側壁面に対し斜め方向に、上部から中央領域へ向けて吹出すとともに、前記第2の空気の吹き出し動作と連動して前記第1の空気を吹き出す連動運転動作と、常時前記第1の空気を吹き出す連続運転動作と、を切り替え、前記連続運転動作に切り替えられた場合、作業者のエアシャワー室の入室および退室に関わらず、常時、前記第1の空気を前記エアシャワー室内に吹き出し、エアシャワー室内を除菌するとともに、作業者のエアシャワー室の入室に連動して前記第2の空気を作業者に吹き付け、作業者がエアシャワー室から退室したとき、前記第2の空気の吹き出し動作を停止し、前記連動運転動作に切り替えられた場合、作業者がエアシャワー室に入室したとき、入口用ドアの開閉に連動して、前記第2の空気を作業者に吹き付ける動作をし、当該動作に連動して、作業者に対して前記第1の空気を吹き出す動作をするとともに、出口用ドアが開放し作業者がエアシャワー室から退室したとき、前記第2の空気の吹出し動作を停止し、当該第2の空気の吹出し動作停止に連動して、前記第1の空気の吹き出す動作が停止することを特徴としている。
本発明の上記態様によれば、比較的短時間でエアシャワー室に入室する人または対象物全体を除電できるという効果を奏する。また、効率的にエアシャワー室内を除菌できるといった効果を奏する。
本発明の実施形態1に係るエアシャワー装置の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態1に係るエアシャワー装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係るエアシャワー装置に備えられたイオン風吹出し部の構成の一例を示す斜視図である。 (a)は、イオン風吹出し部によるイオン風の吹出し動作を説明するための平面図であり、(b)は、イオン風吹出し部に備えられた第1イオン発生器の構成を示す平面図である。 本発明の実施形態2に係るエアシャワー装置の概略構成を示す断面図である。 実施例1でのエアシャワー室の側壁面における付着菌測定場所を示した斜視図である。 実施例2の試験手順を示す図である。 エアシャワー室内の空間(イオン風の吹き出し動作あり)に存在する浮遊菌を採取し、菌体数を算出した結果を示すグラフである。 エアシャワー室外の空間に存在する浮遊菌を採取し、菌体数を算出した結果を示すグラフである。 エアシャワー室内の空間(イオン風の吹き出し動作なし)に存在する浮遊菌を採取し、菌体数を算出した結果を示すグラフである。 (I)エアシャワー室内に作業者がおらず(無人)、エアシャワー室内のエア吹出し(ジェット)動作をしない条件にて、除電効果を測定した結果を示し、(a)は、床面からの高さ、+減衰時間、−減衰時間、イオンバランスを示す表であり、(b)は、床面からの高さと、+減衰時間及び−減衰時間との関係を示すグラフである。 (II)エアシャワー室内に作業者がおらず(無人)、エアシャワー室内のエア吹出し(ジェット)動作をした条件にて、除電効果を測定した結果を示し、(a)は、床面からの高さ、+減衰時間、−減衰時間、イオンバランスを示す表であり、(b)は、床面からの高さと、+減衰時間及び−減衰時間との関係を示すグラフである。 (III)エアシャワー室内に作業者がおり(有人)、エアシャワー室内のエア吹出し(ジェット)動作をしない条件にて、除電効果を測定した結果を示し、(a)は、床面からの高さ、+減衰時間、−減衰時間、イオンバランスを示す表であり、(b)は、床面からの高さと、+減衰時間及び−減衰時間との関係を示すグラフである。 (IV)エアシャワー室内に作業者がおり(有人)、エアシャワー室内のエア吹出し(ジェット)動作をした条件にて、除電効果を測定した結果を示し、(a)は、床面からの高さ、+減衰時間、−減衰時間、イオンバランスを示す表であり、(b)は、床面からの高さと、+減衰時間及び−減衰時間との関係を示すグラフである。 (a)及び(b)は、実施例4のイオン濃度分布シミュレーションに用いるエアシャワー室の構成を示す斜視図である。 図15の(a)の構成であり、かつ吹出し口からのエア吹出し動作をしない条件にてイオン風吹き出しによるエアシャワー室内のイオン濃度分布シミュレーションを実施した結果を示し、(a)は、床からの高さ位置0.5m、1.0m、1.5mでの水平断面それぞれにおけるイオン濃度分布、及び各水平断面での平均イオン濃度を示し、(b)は、垂直断面A1〜A3それぞれにおけるイオン濃度分布を示す。 図15の(b)の構成であり、かつ吹出し口からのエア吹出し動作をしない条件にてイオン風吹き出しによるエアシャワー室内のイオン濃度分布シミュレーションを実施した結果を示し、(a)は、床からの高さ位置0.5m、1.0m、1.5mでの水平断面それぞれにおけるイオン濃度分布、及び各水平断面での平均イオン濃度を示し、(b)は、垂直断面A1〜A3それぞれにおけるイオン濃度分布を示す。 図15の(a)の構成であり、かつ吹出し口からのエア吹出し動作をする条件にてイオン風吹き出しによるエアシャワー室内のイオン濃度分布シミュレーションを実施した結果を示し、(a)は、床からの高さ位置0.5m、1.0m、1.5mでの水平断面それぞれにおけるイオン濃度分布、及び各水平断面での平均イオン濃度を示し、(b)は、垂直断面A1〜A3それぞれにおけるイオン濃度分布を示す。 図15の(b)の構成であり、かつ吹出し口からのエア吹出し動作をする条件にてイオン風吹き出しによるエアシャワー室内のイオン濃度分布シミュレーションを実施した結果を示し、(a)は、床からの高さ位置0.5m、1.0m、1.5mでの水平断面それぞれにおけるイオン濃度分布、及び各水平断面での平均イオン濃度を示し、(b)は、垂直断面A1〜A3それぞれにおけるイオン濃度分布を示す。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るエアシャワー装置10の構成を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態に係るエアシャワー装置10の概略構成を示す断面図である。
図1及び図2に示されるように、本実施形態に係るエアシャワー装置10は、周囲を囲まれた密閉形状のエアシャワー室1と、エアシャワー室1と隣接して設けられ、エアシャワー室1内の空気を循環させるための機械室5と、を備えている。エアシャワー室1には、エアシャワー室1に入室する作業者11若しくは対象物に対して、正イオン及び負イオン(以下、正負イオンとする)を含むイオン風I(第1の空気)を吹出すイオン風吹出し部2(第1吹出し部)と、正負イオンを含まないエアA(第2の空気)を吹出すエア吹出し部3(第2吹出し部)とが設けられている。また、エアシャワー室1の側壁面1aには、入室する作業者11に対して光を照射するLED照明部6、及び切替スイッチ7が設けられている。
エアシャワー室1は、クリーンルームとその前室との間に挟まれて配置されている。前室、エアシャワー室1、及びクリーンルームの間は、作業者11が行来できるように構成されている。前室とエアシャワー室1との間には、入口用ドア1bが設けられ、エアシャワー室1とクリーンルームとの間には、図示しない出口用ドアが設けられている。
イオン風吹出し部2は、送風機とイオン発生器とを備えたイオン吹出しユニットである。送風機によりイオン風吹出し部2内に送り込まれた外部の空気は、イオン発生器から放出された正負イオンとともに、イオン風Iとなる。エアシャワー室1の側壁面1aには、イオン吹出し口2aが設けられており、イオン風吹出し部2から吹出したイオン風Iは、イオン吹出し口2aからエアシャワー室1内に吹出される。エアシャワー室1に隣接する機械室5には、イオン風吹出し部2を収容するための収容部5aが設けられている。収容部5aは、イオン吹出し口2aを介して、エアシャワー室1内部と連通している。収容部5aにおけるイオン風吹出し部2の設置面は、エアシャワー室1の側壁面1aに対して傾斜している。これにより、イオン風吹出し部2は、イオン風Iを、エアシャワー室1の側壁面1aに対し斜め方向に、上部から中央領域へ向けて吹出す。イオン風吹出し部2は、エアシャワー室1の側壁面1aにおいて、エア吹出し部3の吹出し口3aよりも天井側に配置されている。
また、イオン風吹出し部2は、エアシャワー室1の側壁面1aに後付け可能なイオン吹出しユニットである。それゆえ、イオン風吹出し部2のイオン吹出しユニットとしての利便性が向上する。また、イオン風吹出し部2の運転寿命を過ぎた場合、ユニット毎、新しいイオン風吹出し部2に交換することにより、エアシャワー装置10の除電効果を維持することができる。
エアシャワー室1の側壁面1aの中間部には、正負イオンを含まないエアAを吹き出すための1つ以上の吹出し口3aが設けられている。吹出し口3aは、イオン風吹出し部2よりも下側に配置されている。エア吹出し部3は、吹出し口3aを介して、エアAをエアシャワー室1内部に吹出すように構成されている。エア吹出し部3は、中空部材からなるノズルが固定されており、機械室5側に配された入口、及びエアシャワー室1内側に配された出口という2つの開口部を有する。
エアシャワー室1の側壁面1aの下部には、空気を吸い込むための吸込み口4aが設けられている。吸込み口4aには、塵埃等を捕獲するプレフィルタ4が設けられている。
機械室5には、エアシャワー室1との間にて空気を循環させるための図示しないダクト、及び各種ファンを備えた図示しない送風機が配置されている。これらダクト及び送風機は、イオン風吹出し部2を収容する収容部5a及びエア吹出し部3と、吸込み口4aを介して接続されている。
切替スイッチ7は、イオン風吹出し部2の動作について、常時イオン風Iを吹き出す連続運転動作と、エア吹出し部3と連動して動作する連動運転動作とを切り替えるスイッチである。
ここで、イオン風吹出し部2の構成について、さらに詳細に説明する。図3は、本実施形態に係るエアシャワー装置10に備えられたイオン風吹出し部2の構成の一例を示す斜視図である。また、図4の(a)は、イオン風吹出し部2によるイオン風Iの吹出し動作を説明するための平面図である。
図3に示されるように、イオン風吹出し部2は、イオン吹出しユニット本体21と、イオン吹出しユニット本体21を支持する脚部22と、を備えている。イオン吹出しユニット本体21と脚部22とは、ねじ部23により固定されている。
イオン吹出しユニット本体21は、外部の空気を吸込む吸込口24と、イオン風Iを外部へ吹出す吹出口25と、を有する。また、図4に示されるように、イオン吹出しユニット本体21内部には、送風機26、並びに、第1イオン発生器27及び第2イオン発生器28が配置されている。また、イオン吹出しユニット本体21における第1イオン発生器27及び第2イオン発生器28の吹出口25側にはダクト29が設けられている。ダクト29は、吹出口25を介して外部と連通している。送風機26は、第1イオン発生器27及び第2イオン発生器28の吹出口25と反対側に配置されている。
送風機26は、所定の回転数で回転駆動される円柱形状のクロスフローファンからなる。送風機26は、外部の空気を、吸込口24を介して、回転翼(不図示)の周方向からイオン吹出しユニット本体21内に吸気し、第1イオン発生器27及び28へ向けて周方向に排気する。ここで、送風機26の円柱形状の軸方向と平行な方向をX方向とし、該X方向と交差する方向をY方向とする。なお、Y方向は、送風機26による気流がダクト29内を通流する通流方向であるといえる。
第1イオン発生器27は、X方向に離隔した2つのイオン発生部27A及び27Bを備えている。また、第2イオン発生器28は、X方向に離隔した2つのイオン発生部28A及び28Bを備えている。また、イオン吹出しユニット本体21には、イオン発生部27A及び27B、並びにイオン発生部28A及び28Bに電圧を供給する給電部(不図示)が備えられている。この給電部がイオン発生部27A及び27B、並びにイオン発生部28A及び28Bに電圧を供給することより、イオン発生部27A及び27B、並びにイオン発生部28A及び28Bそれぞれがコロナ放電し、イオンが発生する。
図4の(b)は、第1イオン発生器27の構成を示す平面図である。図4の(b)に示されるように、イオン発生部27A及び27Bはそれぞれ、尖鋭状をなす放電電極凸部27Aa,27Ba、及び該放電電極凸部27Aa,27Baを囲繞する誘導電極環27Ab,27Bbを有している。放電電極凸部27Aa及び27Baはそれぞれ、誘導電極環27Ab,27Bbの中心部に配されている。第1イオン発生器27は、一方のイオン発生部27Aが正イオンを発生し、他方のイオン発生部27Bが負イオンを発生するように構成されている。
また、第2イオン発生器28のイオン発生部28A,28Bについてもイオン発生部27A及び27Bと同様であり、一方のイオン発生部28Aが正イオンを発生し、他方のイオン発生部28Bが負イオンを発生するように構成されている。なお、イオン発生部27Bの通流方向(Y方向)の下流側には、イオン発生量の異常を検知するためのイオンセンサ(不図示)が配されている。
第1イオン発生器27及び第2イオン発生器28では、イオン発生部27A及び28Aには正電圧が印加される一方、イオン発生部27B及び28Bには負電圧が印加される。イオン発生部27A及び28Aに正電圧が印加されると、放電によるプラズマ領域で、空気中の水分子が電気的に分解され、主として水素イオンHが生成する。そして、生成した水素イオンHの周りに空気中の水分子が凝集し、安定した電荷が正のクラスターイオンH(HO)が形成される。また、イオン発生部27B及び28Bに負電圧が印加されると、放電によるプラズマ領域で、空気中の酸素分子が電気的に分解され、主として酸素イオンO が生成する。そして、生成した酸素イオンO の周りに空気中の水分子が凝集し、安定した電荷が負のクラスターイオンO (HO)が形成される。ここで、m、nは任意の整数である。この明細書中で「正イオン」というときは正のクラスターイオンを意味し、「負イオン」というときは負のクラスターイオンを意味するものとする。なお、正負のクラスターイオンの生成は、飛行時間分解型質量分析法により確認することができる。
図4の(a)に示されるように、ダクト29は、X方向に分割した8つの通路からなる左右分割通路29a〜29hを有している。ここで、ダクト29を、隣接する2つ左右分割通路をペアとしてX方向に4つの通路ペアに分けて考える。すなわち、左右分割通路8a及び8bから構成される通路ペアを通路ペア(i)、左右分割通路29c及び29dから構成される通路ペアを通路ペア(ii)、左右分割通路29e及び29fから構成される通路ペアを通路ペア(iii)、左右分割通路29g及び29hから構成される通路ペアを通路ペア(iv)とする。
通路ペア(i)〜(iv)それぞれに対応して、第1イオン発生器27及び第2イオン発生器28を保持体により保持したカートリッジがY方向に並んで4つ取り付けられている。また、通路ペア(i)〜(iv)それぞれに対応して、X方向に離隔する第1イオン発生器27及び第2イオン発生器28が、各イオン発生部27A,27B及び28A,28Bの極性(発生するイオンの極性)が反転する配置で設けられる。また、第1イオン発生器27及び第2イオン発生器28は、Y方向において、第1イオン発生器27が下流側、第2イオン発生器28が上流側となるように並置される。
このような通路構成によって、第1イオン発生器27のイオン発生部27Aから発生した正イオン又は/及び第2イオン発生器28のイオン発生部28Bから発生した負イオンは、各通路ペア(i),(ii),(iii),(iv)の一方の左右分割通路(29a,29c,29e,29g)を通流する。また、第1イオン発生器27のイオン発生部27Bから発生した負イオン又は/及び第2イオン発生器28のイオン発生部28Aから発生した正イオンは、各通路ペア(i),(ii),(iii),(iv)の他方の左右分割通路(29b,29d,29f,29h)を通流する。すなわち、上記の流路構成によれば、第1イオン発生器27及び第2イオン発生器28それぞれから発生するイオンの通流路として専用の左右分割通路を割り当てることができる。これにより、プラスイオン及びマイナスイオンを吹出口25から効率良く均等に送出することができるようになる。
イオン風吹出し部2では、送風機26並びに第1イオン発生器27及び第2イオン発生器28が駆動されると、外部の空気が吸込口24からイオン吹出しユニット本体21内に取り込まれる。イオン吹出しユニット本体21内に取り込まれた空気は送風機26に導かれる。
送風機26から排気された空気は、ダクト29を通流し、吹出口25から送出される。ダクト29を通流する気流は複数の左右分割通路29a〜29hに分岐する。左右分割通路29a,29c,29e,29gには第1イオン発生器27のイオン発生部27Aから発生する正イオン又は/及び第2イオン発生器28のイオン発生部28Bから発生する負イオンが含まれる。左右分割通路29b,29d,29f,29hには第1イオン発生器27のイオン発生部27Bから発生する負イオン又は/及び第2イオン発生器28のイオン発生部28Aから発生する正イオンが含まれる。これにより、吹出口25からプラスイオン及びマイナスイオンを含むイオン風Iが送出される。
吹出口25から送出されたイオン風Iは、送出方向(Y方向)及び該送出方向に垂直な方向(X方向)の両方の方向において、イオンバランスが均一になる。具体的には、±10Vという優れたイオンバランスを実現できる。
このため、イオン風吹出し部2は、作業者11に対し、吹き出し方向(Y方向)に垂直であり、かつエアシャワー室1の床面に平行な方向に広がったイオン風Iを、エアシャワー室1の側壁面1aに対し斜め方向に、上部から中央領域へ向けて吹出す。
また、正イオン及び負イオンは、同時に空気中に放出されると、空気中に浮遊する微生物の表面で凝集してこれらを取り囲む。そして、瞬間的に、正イオンと負イオンが結合して、[・OH](水酸基ラジカル)やH(過酸化水素)が微生物の表面上にて凝集生成される。[・OH]やHは、酸化力の非常に高い活性種であるので、化学反応により微生物の表面のタンパク質を分解してその働きを抑制する。さらに、上記のようにして生成された水酸基ラジカルや過酸化水素は、空気中の臭い成分を分解する作用がある。従って、正イオン及び負イオンを発生して吹出口25から吐出することにより、エアシャワー室1内に浮遊するウイルスの不活化し、細菌やカビ類を死滅させ、或いは臭いを除去することができる。
エアシャワー装置10において、作業者11がエアシャワー室1内に入室している時間内に、作業者11の表面の除電をするには、正イオン及び負イオン共に、イオン濃度が少なくとも100,000個/cmであることが必要である。エアシャワー室1に入室する作業者11全身に対し、短時間で、このようなイオン濃度のイオン風Iを吹き出すためには、イオン風吹出し部2及びエア吹出し部3の配置が重要となる。
ここで、図1及び図2に示されるように、本実施形態に係るエアシャワー装置10では、イオン風吹出し部2は、イオン風Iを、エアシャワー室1の側壁面1aに対し斜め方向に、上部から中央領域へ向けて吹出す。このため、イオン風Iに含まれる正負イオンは、短時間で、吹出し口3aから吹出されるエアAの気流に乗って、エアシャワー室1に入室する作業者11全身に吹き付けられる。
また、イオン風吹出し部2は、エアシャワー室1の側壁面1aにおいて、エア吹出し部3の吹出し口3aよりも天井側に配置されている。さらに、イオン吹出し口2aから吹出されるイオン風Iの風量Mは、吹出し口3aから吹出されるエアAの風量Mよりも遥かに小さい。このため、エアシャワー室1における、イオン吹出し口2aよりも下側の、エアAが吹き付けられる中間の空間は、負圧状態となる。それゆえ、イオン吹出し口2aから吹出されるイオン風Iは、この負圧状態より、天井側よりも中間の空間へ向かいやすくなる。それゆえ、イオン風吹出し部2から吹出されるイオン風Iを効率的に作業者11に吹き付けることができる。
イオン風Iの風量Mは、エアシャワー室1の寸法等に応じて適宜設定可能であるが、好ましくはエアAの風量Mの500分の1〜1000分の1であり、より好ましくはエアAの風量Mの625分の1である。
ここで、風量M(m/s)は、エアAの風速V(m/s)×エアAの通過面積S(m)によって表され、風速V及び通過面積Sを設定することにより、設定可能である。また、風量M(m/s)は、イオン風Iの風速V(m/s)×イオン風Iの通過面積S(m)によって表され、風速V及び通過面積Sを設定することにより、設定可能である。
また、イオン風Iの吹き出し方向の側壁面1aに対する傾斜角度は、上記負圧状態によりイオン風Iが天井側よりも中間の空間へ向かうことができる傾斜角度であればよく、30°〜60°であることが好ましく、45°であることがより好ましい。
このように、本実施形態に係るエアシャワー装置10は、エアシャワー室1を備えている。そして、エアシャワー室1に入室する作業者11に対して、正イオン及び負イオンを含むイオン風I(第1の空気)を吹出すイオン風吹出し部2(第1吹出し部)と、正イオン及び負イオンを含まないエアA(第2の空気)を吹出すエア吹出し部3(第2吹出し部)とがエアシャワー室1内に設けられている。そして、イオン風吹出し部2は、イオン風Iを、エアAよりも小さい風量Mで、エアシャワー室1の側壁面1aに対し斜め方向に、上部から中央領域へ向けて吹出す。
また、本実施形態に係る除電除塵方法は、エアシャワー室1に入室する作業者11に対し、正イオン及び負イオンを含むイオン風I(第1の空気)と、正イオン及び負イオンを含まないエアA(第2の空気)との両方を吹き出して、除電除塵を行う方法である。そして、イオン風Iの風量Mは、エアAの風量Mよりも小さく、イオン風Iを、エアシャワー室1の側壁面1aに対し斜め方向に、上部から中央領域へ向けて吹出す。
本実施形態によれば、イオン風Iに含まれる正負イオンは、短時間で、吹出し口3aから吹出されるエアAの気流に乗って、エアシャワー室1に入室する作業者11の着衣全面に吹き付けられるので、比較的短時間で作業者11の着衣全面の除電することができる。
なお、後述する実施例のように、図1に示されるエアシャワー装置10の除電効果について検証した結果、イオン風Iの吹き出しにより、エアシャワー室1の床面から120cm〜160cmの位置において、着衣等に帯電した電位を8秒以内に除電することができる(除電速度が8秒以下である)ことがわかった。特に床面から100cmの位置における除電速度は、5秒である。
作業者11のクリーンルームへ入室するプロセスの一例について説明する。前室にいる作業者11がクリーンルームに入室する場合、エアシャワー装置10は、間に設けられたエアシャワー室1にて衣服等に取り付いた塵埃や、入口用ドア1bを開放したことにより流入した空気に含まれる塵埃、浮遊菌(カビ菌、大腸菌、MRSAなど)、化学物質(アンモニア、アセトアルデヒド、メタンガス、酢酸、一酸化炭素、二酸化炭素、ホルムアルデヒドなど)を分解・除去し、さらにエアシャワー室1内の空気を浄化してから、クリーンルームにつながる出口用ドアを開放する。エアシャワー装置10が出口用ドアを開放することによって、作業者11は、クリーンルームへ入室する。
ここで、本実施形態に係る除電除塵方法は、エアAの吹き出し動作と連動してイオン風Iを吹き出す連動運転動作と、常時イオン風Iを吹き出す連続運転動作と、を切り替える切替工程を含む。切替スイッチ7は、イオン風吹出し部2の動作について、エア吹出し部3と連動して動作する連動運転動作と、常時イオン風Iを吹き出す連続運転動作とを切り替えるスイッチである。
切替スイッチ7によりイオン風吹出し部2が上記連動運転動作に切り替えられた場合、イオン風吹出し部2及びエア吹出し部3は、次のように動作する。
すなわち、作業者11がエアシャワー室1に入室したとき、入口用ドア1bの開閉に連動して、エア吹出し部3がエアAを作業者11に吹き付ける動作をする。そして、このエア吹出し部3の動作に連動して、イオン風吹出し部2は、作業者11に対してイオン風Iを吹き出す動作をする。そして、出口用ドアが開放し作業者11がエアシャワー室1から退室したとき、エア吹出し部3によるエアAの吹き出し動作が停止する。そして、このエア吹出し部3の動作停止に連動して、イオン風吹出し部2のイオン風Iの吹き出し動作も停止する。
エア吹出し部3から吹出したエアAは、比較的高速な風量Mで作業者11の着衣(防塵服)の表面に吹き付けられ、着衣の表面に付着した塵埃が除去される。また、エア吹出し部3に連動してイオン風吹出し部2から吹出したイオン風Iは、エアAの気流に乗って、作業者11全身に吹き付けられる。それゆえ、イオン風Iに含まれる正負イオンにより着衣の表面ンの静電気も取り除かれるため、着衣に静電気力で付着していた塵埃もエアAにより容易に除去される。さらに、着衣の表面の静電気が除去されているため、一度着衣から離脱した塵埃が静電気により引き寄せられ着衣に再付着してしまう現象を抑制することができる。イオン風Iの吹き出し動作をする時間は、8秒よりも長ければよく、例えば20〜40秒である。
また、このように切替スイッチ7によりイオン風吹出し部2が上記連動運転動作に切り替えられた場合、イオン風吹出し部2の交換寿命を延長することができる。
切替スイッチ7によりイオン風吹出し部2が上記連続運転動作に切り替えられた場合について、説明する。この場合、作業者11のエアシャワー室1の入室及び退室に関わらず、イオン風吹出し部2は、常時、イオン風Iをエアシャワー室1内に吹き出す。一方、エア吹出し部3は、作業者11のエアシャワー室1の入室に連動してエアAを作業者11に吹き付ける。そして、作業者11がエアシャワー室1から退室したとき、エア吹出し部3によるエアAの吹き出し動作が停止する。このようにイオン風吹出し部2が上記連続運転動作をしている場合、除電性能が向上するとともに、エアシャワー室1の壁面に付着している付着菌(真菌、細菌等)を増殖抑制するという効果を奏する。
上述した、イオン風吹出し部2の連続運転動作及び連動運転動作は、クリーンルームや外部の環境等に応じて、適宜切替スイッチ7により切り替え可能である。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図5は、本実施形態に係るエアシャワー装置10Aの概略構成を示す断面図である。図5に示されるように、本実施形態に係るエアシャワー装置10Aは、イオン風吹出し部2及びエア吹出し部3が作業者11を挟むように設けられている点が、前記実施形態1と異なる。これにより、イオン風Iに含まれる正負イオンを、吹出し口3aから吹出されるエアAの気流に乗せて、効果的に作業者11全身に吹き付けられるので、短時間の除電が可能になる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る除電除塵方法は、エアシャワー室1に入室する人若しくは対象物(作業者11)に対し、正イオン及び負イオンを含む第1の空気(イオン風I)と、正イオン及び負イオンを含まない第2の空気(エアA)との両方を吹き出して、除電除塵を行う除電除塵方法であって、前記第1の空気の風量Mは、前記第2の空気の風量Mよりも小さく、前記第1の空気を、前記エアシャワー室1の側壁面1aに対し斜め方向に、上部から中央領域へ向けて吹出すことを特徴としている。
上記の構成によれば、前記第1の空気を、前記エアシャワー室1の側壁面1aに対し斜め方向に、上部から中央領域へ向けて吹出すので、第1の空気に含まれる正イオン及び負イオンは、短時間で、第2の空気の気流に乗って、エアシャワー室1に入室する人若しくは対象物の全体に吹き付けられる。
また、上記の構成によれば、前記第1の空気の風量Mは、前記第2の空気の風量Mよりも小さいので、第2の空気が吹き付けられる空間は、負圧状態となる。それゆえ、第2の空気は、この負圧状態より、上部から中央領域へ向かいやすくなる。それゆえ、上記の構成によれば、正イオン及び負イオンを含む第1の空気を、効率的に人若しくは対象物に吹き付けることができる。
以上のことから、上記の構成によれば、比較的短時間でエアシャワー室1に入室する人または対象物全体を除電することができる。
本発明の態様2に係る除電除塵方法は、上記態様1において、前記第1の空気(イオン風I)を、前記エアシャワー室1の側壁面1aに対し30°〜60°の角度から吹出すことが好ましい。
上記の構成によれば、前記第1の空気を、前記エアシャワー室1の側壁面1aに対し30°〜60°の角度から吹出すので、正イオン及び負イオンを含む第1の空気を効率的に人若しくは対象物に吹き付けることができる。
また、本発明の態様3に係る除電除塵方法は、上記態様2において、前記第1の空気(イオン風I)を、前記エアシャワー室1の側壁面1aに対し45°の角度からから吹出すことがより好ましい。
本発明の態様4に係る除電除塵方法は、上記態様1〜3において、前記第2の空気(エアA)の吹き出し動作と連動して前記第1の空気(イオン風I)を吹き出す連動運転動作と、常時前記第1の空気(イオン風I)を吹き出す連続運転動作と、を切り替える切替工程を含むことが好ましい。
上記の構成によれば、クリーンルームや外部の環境に応じて、第1の空気(イオン風I)の吹き出し動作を切り替えることができる。また、常時前記第1の空気(イオン風I)を吹き出す連続運転動作に切り替えることにより、エアシャワー室内の浮遊菌の増殖を抑制することができる。
本発明の態様5に係る除電除塵方法は、上記態様1〜4において、前記正イオンは、H(HO)(mは任意の自然数)であり、前記負イオンは、O (HO)(nは任意の自然数)であることが好ましい。
上記の構成によれば、正イオンとしてのH(HO)(mは任意の自然数)、負イオンとしてのO (HO)(nは任意の自然数)は最も安定に生成される。これらの正イオン及び負イオンが空気中に同時に生成すると化学反応をし、活性種である[・OH](水酸基ラジカル)やH(過酸化水素)を生成する。これらの活性種が極めて強力な活性を示し、これにより空気中の浮遊菌やウイルス、化学物質を分解・除去することができる。
本発明の態様6に係る除電除塵方法は、上記態様1〜5において、前記第1の空気として、該第1の空気の吹き出し方向に垂直であり、かつエアシャワー室の床面に平行な方向に広がったイオン風Iを吹き出すことが好ましい。
本発明の態様7に係るエアシャワー装置10は、エアシャワー室1を備え、エアシャワー室1に入室する人若しくは対象物(作業者11)に対して、正イオン及び負イオンを含む第1の空気(イオン風I)を吹出す第1吹出し部(イオン風吹出し部2)と、正イオン及び負イオンを含まない第2の空気(エアA)を吹出す第2吹出し部(エア吹出し部3)とがエアシャワー室1内に設けられ、前記第1吹出し部は、前記第1の空気を、前記第2の空気よりも小さい風量Mで、前記エアシャワー室1の側壁面1aに対し斜め方向に、上部から中央領域へ向けて吹出すことを特徴としている。
これにより、比較的短時間でエアシャワー室1に入室する人または対象物(作業者11)全体を除電することが可能なエアシャワー装置を実現できる。
本発明の態様8に係るエアシャワー装置10は、上記態様7において、前記第1吹出し部(イオン風吹出し部2)は、前記エアシャワー室1に対して後付け可能であることが好ましい。
上記の構成によれば、前記第1吹出し部は、前記エアシャワー室1に対して後付け可能であるので、前記第1吹出し部のイオン吹出しユニットとしての利便性が向上する。また、前記第1吹出し部の運転寿命を過ぎた場合、ユニット毎、新しい第1吹出し部に交換することにより、エアシャワー装置10の除電効果を維持することができる。
また、本発明の態様9に係るエアシャワー装置10は、上記態様7または8において、前記第1吹出し部(イオン風吹出し部2)の動作について、常時前記第1の空気(イオン風I)を吹き出す連続運転動作と、前記第2吹出し部(エア吹出し部3)と連動して動作する連動運転動作とを切り替える切替スイッチ7を備えたことが好ましい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
以下、実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。
〔実施例1:付着菌除去効果の検証〕
実施例1では、エアシャワー室1の側壁面に付着する付着菌の、イオン風吹き出しによる除去効果について検証した。図6は、エアシャワー室1の側壁面における付着菌測定場所を示した斜視図である。図6に示されるように、実施例1にて使用したエアシャワー室1は、作業者を挟む2つの側壁面にそれぞれ、8つの吹出し口3aが設けられている。また、前記2つの側壁面のうち一方の側壁面において、床面から163cmの高さの位置に、イオン吹き出し口2aが設けられている。また、他方の側壁面において、下部に空気を吸い込むための吸込み口が設けられている。この吸込み口には、塵埃等を捕獲するプレフィルタ4が設けられている。
図6に示す「1」〜「8」の箇所が、付着菌を採取する付着菌測定場所である。また、付着菌測定場所「1」〜「8」に加え、プレフィルタ4の設置場所内の2つの場所で付着菌を採取した。なお、付着菌測定場所「1」、「3」、「5」、「7」の面積は、100cmであり、付着菌測定場所「2」、「4」、「6」、「8」の面積は、225cmである。プレフィルタ4での2つの付着菌測定場所それぞれの面積は100cmである。
まず、付着菌採取用綿棒を用いて、付着菌測定場所「1」、「5」、「2」、「6」、プレフィルタ4での2つの付着菌測定場所の付着菌を採取し、希釈した。そして、希釈液を寒天培地に塗布し、付着菌を培養した。培養後、コロニー数を計測し初期菌体数を算出した。
そして、エアシャワー室1にイオン風を吹き付け、24時間後、付着菌測定場所「3」、「7」、「4」、「8」、プレフィルタ4での2つの付着菌測定場所の付着菌を採取し、希釈した。そして、希釈液を寒天培地に塗布し、付着菌を培養した。培養後、コロニー数を計測しイオン照射後の菌体数を算出した。
なお、付着菌の培養条件について、細菌に対しては、標準寒天培地にて37℃2日間培養した。また、真菌(カビ)に対しては、PDA培地にて25℃3日間培養した。
算出された、初期菌体数及びイオン照射後の菌体数を比較することにより、イオン風吹き出しによる付着菌除去効果を検証した。その結果、初期菌体数が極めて少なかったため、イオン風吹き出しによる菌体数の顕著な差異が認められなかった。
〔実施例2:浮遊菌抑制効果の検証〕
実施例2では、エアシャワー室内に浮遊する浮遊菌の、イオン風吹き出しによる抑制効果を検証した。エアシャワー室内の空間、または、エアシャワー室外の空間(エアシャワー室から約5m離れた場所;工場内)に、エアサンプラーを4台設置し、吸引量を100L、200Lとし、空間内の空気を採取した。得られた空気内に含まれる浮遊菌を、前記実施例1と同様に、寒天培地にて培養した。培養後、コロニー数を計測し菌体数を算出した。
エアシャワー室内の浮遊菌の採取場所は、上下中央位置に相当する床面からの高さ92cmの空間である。また、エアシャワー室外の浮遊菌の採取場所は、床面からの高さ92cmの空間である。
図7は、実施例2の試験手順を示す図である。図7に示されるように、エアシャワー室内では、エアサンプラーを導入して10分後に浮遊菌を採取した。そして、エアシャワー室のドアを閉め、除電機としてのイオン風吹出し部の動作を開始し、エアシャワー室内にイオン風を約24時間吹き出す。そして、イオン風吹出し時間の終了近くにエアサンプラーを導入して30分後に浮遊菌を採取した。また、エアシャワー室外では、エアシャワー室内での浮遊菌の採取と略同じタイミングで浮遊菌を採取した。
エアシャワー室外の空間、及びエアシャワー室1内の空間(イオン風の吹き出し動作あり)について、図7に示す試験手順で浮遊菌を採取し、寒天培地で培養後、菌体数を算出した。結果を図8、9に示す。
図8は、エアシャワー室内の空間(イオン風の吹き出し動作あり)に存在する浮遊菌を採取し、菌体数を算出した結果を示すグラフである。図9は、エアシャワー室外の空間に存在する浮遊菌を採取し、菌体数を算出した結果を示すグラフである。
図8に示されるように、約24時間のイオン風Iの吹き出し動作後、エアシャワー室1内において、浮遊一般細菌が75%、浮遊真菌(カビ)が71%減少したことが認められた。また、図9に示されるように、エアシャワー室から約5m離れた外部環境においては、浮遊一般細菌が39%、浮遊真菌(カビ)が2.4%減少した。これら浮遊菌数の変化は、外部環境によるばらつきと考えられる。外部環境によるばらつきを考慮しても、図8に示される浮遊菌数の減少は極めて顕著である。それゆえ、図8に示す浮遊菌数の減少は、約24時間のイオン風の吹き出し動作によるものであると考えられる。
また、実施例2では、作業者に対しエアシャワー室内でエア吹出し部からエアを吹き出すことにより浮遊菌数がどのように変化するか検証した。この検証では、イオン風を吹き出す動作を行っていない。
具体的な試験方法を説明する。まず、エアシャワー室内に作業者がエアサンプラーとともに入室し、ドアを閉める。次に、エア吹出し部から作業者に対しエア吹出し(ジェット)動作をした(8秒間)。エア吹出し動作停止後、ドアを閉めた状態のまま、エアシャワー室内にて浮遊菌を採取した(採取Aとする)。その後、無人状態でエアシャワー室を約5分放置した後、エアシャワー室内の浮遊菌を採取した(採取Bとする)。結果を図10に示す。図10における(A)は、採取Aをした結果を示し、(B)は、採取Bをした結果を示す。図10に示されるように、一般細菌及び真菌(カビ)の何れの浮遊菌も、浮遊菌数は、外部環境における浮遊菌数よりも低かった。
以上のことから、24時間のイオン風の吹き出し動作により、エアシャワー室内の浮遊菌が顕著に抑制されることがわかった。
なお、実施例1では、初期菌体数が極めて少なかったため、イオン風吹き出しによる付着菌の菌体数の顕著な差異が認められなかった。しかし、実施例2では、24時間のイオン風の吹き出し動作により、エアシャワー室内の浮遊菌が顕著に抑制されることがわかった。それゆえ、実使用では、24時間のイオン風の吹き出し動作により、浮遊菌の抑制とともに付着菌量も抑制できると考えられる。
〔実施例3:除電効果の検証〕
実施例2では、イオン風吹き出しによる除電効果を検証した。ここで、除電効果は、寸法が150mm□で静電容量が20pFの金属プレートの電位を+1000Vから+100Vまで除電する所要時間(+除電時間、+減衰時間ともいう)と、−1000Vから−100Vまで除電する所要時間(−除電時間、−減衰時間ともいう)とを評価した。除電完了後の残留電位は、同様の金属プレート(寸法が150mm□で静電容量が20pF)の表面電位の10秒間の平均電位として測定した。除電時間とイオンバランスを計測するチャージドプレートモニタはトレックジャパン製のModel159HHを用いた。具体的な測定方法を以下に説明する。
まず、エアシャワー室内にイオン風を吹き出した状態で、三脚によりエアシャワー室の中央部にチャージドプレートモニタを配置した。そして、チャージドプレートモニタの測定部の位置を床面から40〜60cmの範囲内で調整し、測定した。オートモードにて(i)+減衰時間、(ii)−減衰時間、(iii)イオンバランスを測定した。
また、チャージドプレートモニタによる測定は、以下の4つの試験条件にて行われた。(I)エアシャワー室内に作業者がおらず(無人)、エアシャワー室内のエア吹出し(ジェット)動作なし。(II)エアシャワー室内に作業者がおらず(無人)、エアシャワー室内のエア吹出し(ジェット)動作あり。(III)エアシャワー室内に作業者がおり(有人)、エアシャワー室内のエア吹出し(ジェット)動作なし。(IV)エアシャワー室内に作業者がおり(有人)、エアシャワー室内のエア吹出し(ジェット)動作あり。
(I)〜(IV)の試験条件にて除電効果を検証した結果を図11〜14に示す。図11は、(I)エアシャワー室内に作業者がおらず(無人)、エアシャワー室内のエア吹出し(ジェット)動作をしない条件にて、除電効果を測定した結果を示し、図11の(a)は、床面からの高さ、+減衰時間、−減衰時間、イオンバランスを示す表であり、図11の(b)は、床面からの高さと、+減衰時間及び−減衰時間との関係を示すグラフである。図12は、(II)エアシャワー室内に作業者がおらず(無人)、エアシャワー室内のエア吹出し(ジェット)動作をした条件にて、除電効果を測定した結果を示し、図12の(a)は、床面からの高さ、+減衰時間、−減衰時間、イオンバランスを示す表であり、図12の(b)は、床面からの高さと、+減衰時間及び−減衰時間との関係を示すグラフである。図13は、(III)エアシャワー室内に作業者がおり(有人)、エアシャワー室内のエア吹出し(ジェット)動作をしない条件にて、除電効果を測定した結果を示し、図13の(a)は、床面からの高さ、+減衰時間、−減衰時間、イオンバランスを示す表であり、図13の(b)は、床面からの高さと、+減衰時間及び−減衰時間との関係を示すグラフである。図14は、(IV)エアシャワー室内に作業者がおり(有人)、エアシャワー室内のエア吹出し(ジェット)動作をした条件にて、除電効果を測定した結果を示し、図14の(a)は、床面からの高さ、+減衰時間、−減衰時間、イオンバランスを示す表であり、図14の(b)は、床面からの高さと、+減衰時間及び−減衰時間との関係を示すグラフである。
図11の(a)及び(b)に示されるように、前記試験条件(I)では、床面から120〜160cmの位置において、+減衰時間及び−減衰時間が8秒以下となった。このことから、前記試験条件(I)では、8秒以内の除電が可能な高さ位置は、床面から120〜160cmの位置であることがわかった。
また、図12の(a)及び(b)に示されるように、前記試験条件(II)では、床面から120〜160cmの位置において、+減衰時間及び−減衰時間が8秒以下となった。このことから、前記試験条件(II)では、8秒以内の除電が可能な高さ位置は、床面から120〜160cmの位置であることがわかった。
また、図13の(a)及び(b)に示されるように、前記試験条件(III)では、床面から80〜160cmの位置において、+減衰時間及び−減衰時間が8秒以下となった。このことから、前記試験条件(III)では、8秒以内の除電が可能な高さ位置は、床面から80〜160cmの位置であることがわかった。
また、図14の(a)及び(b)に示されるように、前記試験条件(IV)では、床面から80〜160cmの位置において、+減衰時間及び−減衰時間が8秒以下となった。このことから、前記試験条件(III)では、8秒以内の除電が可能な高さ位置は、床面から80〜160cmの位置であることがわかった。
以上の結果から、試験条件(I)〜(IV)それぞれにおいて、床面からの高さ位置による除電速度(+減衰時間及び−減衰時間)に差があるものの、一定の除電効果を見込めることがわかった。
〔実施例4:イオン風吹き出しによるエアシャワー室内のイオン濃度分布シミュレーション〕
実施例4では、イオン風吹き出しによるエアシャワー室内のイオン濃度分布シミュレーションを行った。図15の(a)及び(b)は、実施例4のイオン濃度分布シミュレーションに用いるエアシャワー室1の構成を示す斜視図である。
図15の(a)に示されるように、イオン濃度分布シミュレーションに用いる、1つのエアシャワー室1は、エアシャワー室1の互いに対向する2つの側壁面にそれぞれ、6つの吹出し口3aが設けられている。また、エアシャワー室1の天井面にも4つの吹出し口3aが設けられている。また、エアシャワー室1の互いに対向する2つの側壁面それぞれの下部には、吸込み口4aが設けられている。また、吹出し口3aが設けられた1つの側壁面と天井面との間の境界部にイオン風吹出し部2が設けられている。イオン風吹出し部2は、床面から1.7mの位置からイオン吹出しユニット本体がエアシャワー室1内部へ下向き45°に傾斜するように配置されている。イオン濃度分布シミュレーションに用いる、もう1つのエアシャワー室1は、図15の(b)に示されるように、イオン風吹出し部2が2つ設けられた構成である。これら2つのイオン風吹出し部2はそれぞれ、吹出し口3aが設けられた2つの側壁面と天井面との間の2つの境界部に設けられている。これらイオン風吹出し部2は、床面から1.7mの位置からイオン吹出しユニット本体がエアシャワー室1内部へ下向き45°に傾斜するように配置されている。
図15の(a)または(b)に示すエアシャワー室1を対象に、以下の条件(A)〜(D)でシミュレーションを実施し、数種類の断面におけるイオン分布、平均イオン濃度を求めた。
(A)イオン風吹出し部2を1台設置し(図15の(a)の構成)、吹出し口3aからのエア吹出し動作なし。
(B)イオン風吹出し部2を2台設置し(図15の(b)の構成)、吹出し口3aからのエア吹出し動作なし。
(C)イオン風吹出し部2を1台設置し(図15の(a)の構成)、吹出し口3aからのエア吹出し動作あり。
(D)イオン風吹出し部2を2台設置し(図15の(b)の構成)、吹出し口3aからのエア吹出し動作あり。
なお、吹出し口3aからのエア吹出し動作ありの場合では、吹出し口3aから吹出すエアの流速を16m/minとしている。また、吹出し口3aからのエア吹出し動作なしの場合は、エアシャワー室1内に作業者が入室していない状態を想定している。一方、吹出し口3aからのエア吹出し動作ありの場合は、エアシャワー室1内に作業者が入室している状態を想定している。
上記条件(A)〜(D)にて、イオン風吹き出しによるエアシャワー室内のイオン濃度分布シミュレーションを実施した結果を図16〜図19に示す。図16は、上記条件(A)でのイオン濃度分布シミュレーションを実施した結果を示し、図16の(a)は、床からの高さ位置0.5m、1.0m、1.5mでの水平断面それぞれにおけるイオン濃度分布、及び各水平断面での平均イオン濃度を示し、図16の(b)は、垂直断面A1〜A3それぞれにおけるイオン濃度分布を示す。また、図17は、上記条件(B)でのイオン濃度分布シミュレーションを実施した結果を示し、図17の(a)は、床からの高さ位置0.5m、1.0m、1.5mでの水平断面それぞれにおけるイオン濃度分布、及び各水平断面での平均イオン濃度を示し、図17の(b)は、垂直断面A1〜A3それぞれにおけるイオン濃度分布を示す。また、図18は、上記条件(C)でのイオン濃度分布シミュレーションを実施した結果を示し、図18の(a)は、床からの高さ位置0.5m、1.0m、1.5mでの水平断面それぞれにおけるイオン濃度分布、及び各水平断面での平均イオン濃度を示し、図18の(b)は、垂直断面A1〜A3それぞれにおけるイオン濃度分布を示す。また、図19は、上記条件(D)でのイオン濃度分布シミュレーションを実施した結果を示し、図19の(a)は、床からの高さ位置0.5m、1.0m、1.5mでの水平断面それぞれにおけるイオン濃度分布、及び各水平断面での平均イオン濃度を示し、図19の(b)は、垂直断面A1〜A3それぞれにおけるイオン濃度分布を示す。
図16の(a)及び(b)〜図19の(a)及び(b)に示される結果から、床からの高さ位置0.5m、1.0m、1.5mでの各水平断面での平均イオン濃度は、イオン風吹出し部2の設置台数(1台か2台か)に関わらず、100,000個/cm以上のイオン濃度であった。また、エアシャワー室1内に作業者が入室していない状態を想定した、エア吹出し動作なしの場合であっても、各水平断面での平均イオン濃度は、イオン風吹出し部2の設置台数に関わらず、100,000個/cm以上のイオン濃度であった。このことから、本発明のエアシャワー装置10は、エアシャワー室1に作業者が入室していない状態であっても、エアシャワー室1内のイオン風吹き出しによる浮遊菌及び付着菌の増殖抑制効果が期待できることがわかった。
その一方で、吹出し口3aからのエア吹出し動作ありの場合、各水平断面でのイオン濃度分布は、エアの影響を大きく受けイオン濃度が高い領域と低い領域とに分かれていた。このようなイオン濃度分布の傾向は、イオン風吹出し部2を1台設置した場合に強く現れていた(図18の(a)及び(b))。これに対し、イオン風吹出し部2を2台設置した場合、各水平断面でのイオン濃度分布は、エアの影響を大きく受けず、比較的良好な分布であった。除電効果について、単純にイオン濃度分布だけで判断することは困難であるが、エアシャワー室1に入室した作業者の着衣に対する除電効果は、イオン風吹出し部2を2台設置した場合の方が高いと想定される。また、正負のクラスターイオンのイオン風による効果は、濃度依存性があるので、イオン濃度が高い程短時間での効果が期待できる。なお、実使用環境では、金属製の壁面等の影響が考えられるため、イオン濃度の実測値はシミュレーションによる計算値よりも小さい可能性がある。
1 エアシャワー室
1a 側壁面
2 イオン風吹出し部(第1吹出し部)
3 エア吹出し部(第2吹出し部)
7 切替スイッチ
10、10A エアシャワー装置
11 作業者
A エア(第2の空気)
I イオン風(第1の空気)
通過面積
通過面積
風速
風速
風量(第2の空気の風量)
風量(第1の空気の風量)

Claims (5)

  1. エアシャワー室に入室する人若しくは対象物に対し、正イオン及び負イオンを含む第1の空気と、正イオン及び負イオンを含まない第2の空気との両方を吹き出して、除電除塵を行う除電除塵方法であって、
    前記エアシャワー室の側壁面の中間部に設けられた第2の空気の吹出し口から前記第2の空気を吹出すとともに、前記第2の空気の吹出し口よりも天井側に配置された第1の空気の吹出し口から前記第1の空気を吹出し、
    前記第1の空気の風量は、前記第2の空気の風量よりも小さく、
    前記第1の空気を、前記エアシャワー室の側壁面に対し斜め方向に、上部から中央領域へ向けて吹出すとともに、
    前記第2の空気の吹き出し動作と連動して前記第1の空気を吹き出す連動運転動作と、常時前記第1の空気を吹き出す連続運転動作と、を切り替える切替工程を含み、
    前記連続運転動作に切り替えられた場合、
    作業者のエアシャワー室の入室および退室に関わらず、常時、前記第1の空気を前記エアシャワー室内に吹き出し、エアシャワー室内を除菌するとともに、
    作業者のエアシャワー室の入室に連動して前記第2の空気を作業者に吹き付け、作業者がエアシャワー室から退室したとき、前記第2の空気の吹き出し動作を停止し、
    前記連動運転動作に切り替えられた場合、
    作業者がエアシャワー室に入室したとき、入口用ドアの開閉に連動して、前記第2の空気を作業者に吹き付ける動作をし、当該動作に連動して、作業者に対して前記第1の空気を吹き出す動作をするとともに、
    出口用ドアが開放し作業者がエアシャワー室から退室したとき、前記第2の空気の吹出し動作を停止し、当該第2の空気の吹出し動作停止に連動して、前記第1の空気の吹き出す動作が停止することを特徴とする除電除塵方法。
  2. 前記第1の空気を、前記エアシャワー室の側壁面に対し30°〜60°の角度から吹出すことを特徴とする請求項1に記載の除電除塵方法。
  3. 前記正イオンは、H(HO)(mは任意の自然数)であり、前記負イオンは、O (HO)(nは任意の自然数)であることを特徴とする請求項1または2に記載の除電除塵方法。
  4. エアシャワー室を備え、エアシャワー室に入室する人若しくは対象物に対して、正イオン及び負イオンを含む第1の空気を吹出す第1吹出し部と、正イオン及び負イオンを含まない第2の空気を吹出す第2吹出し部とがエアシャワー室内に設けられ、
    前記第2の空気の吹出し口は、前記エアシャワー室の側壁面の中間部に設けられており、前記第1の空気の吹出し口は、前記第2の空気の吹出し口よりも天井側に配置されており、
    前記第1吹出し部は、前記第1の空気を、前記第2の空気よりも小さい風量で、前記エアシャワー室の側壁面に対し斜め方向に、上部から中央領域へ向けて吹出すとともに、
    前記第2の空気の吹き出し動作と連動して前記第1の空気を吹き出す連動運転動作と、常時前記第1の空気を吹き出す連続運転動作と、を切り替え
    前記連続運転動作に切り替えられた場合、
    作業者のエアシャワー室の入室および退室に関わらず、常時、前記第1の空気を前記エアシャワー室内に吹き出し、エアシャワー室内を除菌するとともに、
    作業者のエアシャワー室の入室に連動して前記第2の空気を作業者に吹き付け、作業者がエアシャワー室から退室したとき、前記第2の空気の吹き出し動作を停止し、
    前記連動運転動作に切り替えられた場合、
    作業者がエアシャワー室に入室したとき、入口用ドアの開閉に連動して、前記第2の空気を作業者に吹き付ける動作をし、当該動作に連動して、作業者に対して前記第1の空気を吹き出す動作をするとともに、
    出口用ドアが開放し作業者がエアシャワー室から退室したとき、前記第2の空気の吹出し動作を停止し、当該第2の空気の吹出し動作停止に連動して、前記第1の空気の吹き出す動作が停止することを特徴とするエアシャワー装置。
  5. 前記第1吹出し部は、前記エアシャワー室に対して後付け可能であることを特徴とする請求項4に記載のエアシャワー装置。
JP2016095390A 2016-05-11 2016-05-11 除電除塵方法、及びエアシャワー装置 Active JP6931269B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016095390A JP6931269B2 (ja) 2016-05-11 2016-05-11 除電除塵方法、及びエアシャワー装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016095390A JP6931269B2 (ja) 2016-05-11 2016-05-11 除電除塵方法、及びエアシャワー装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017203582A JP2017203582A (ja) 2017-11-16
JP6931269B2 true JP6931269B2 (ja) 2021-09-01

Family

ID=60321534

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016095390A Active JP6931269B2 (ja) 2016-05-11 2016-05-11 除電除塵方法、及びエアシャワー装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6931269B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7474622B2 (ja) * 2020-03-27 2024-04-25 大和ハウス工業株式会社 除塵空間及び建物
CN114850132A (zh) * 2022-05-13 2022-08-05 联合珐玛(昆山)洁净系统有限公司 一种用于风淋室的环形受风机构
JP7504328B1 (ja) 2022-12-19 2024-06-21 株式会社トクヤマ 多結晶シリコン塊用品質検査室構造
WO2024135509A1 (ja) * 2022-12-19 2024-06-27 株式会社トクヤマ 多結晶シリコン塊用品質検査室構造

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5492057U (ja) * 1977-12-13 1979-06-29
JPS6032773B2 (ja) * 1979-10-19 1985-07-30 松下電器産業株式会社 換気連動ガス器具
JPS5920888U (ja) * 1982-07-28 1984-02-08 富士電機株式会社 高除じんパスボツクス
JPS59190388U (ja) * 1983-06-01 1984-12-17 日立プラント建設株式会社 エア−シヤワ−装置
JPH022463Y2 (ja) * 1985-01-28 1990-01-22
JPH0886482A (ja) * 1994-09-20 1996-04-02 Daikoku Denki Co Ltd 空気吹出ユニット
JP3720421B2 (ja) * 1995-09-05 2005-11-30 三機工業株式会社 除電方法
JP2000074437A (ja) * 1998-09-02 2000-03-14 Seiko Epson Corp 塵埃除去方法および塵埃除去装置
US6610127B2 (en) * 2001-07-18 2003-08-26 Wen-Pin Lu Facility for improving environmental atmosphere of interior space
JP2003265835A (ja) * 2002-03-19 2003-09-24 Mamiya Op Co Ltd 呼び出し装置
JP2004028531A (ja) * 2002-06-28 2004-01-29 Sharp Corp クリーンルーム
JP2004162923A (ja) * 2002-09-27 2004-06-10 Nippon Muki Co Ltd エアシャワー装置
JP2006114326A (ja) * 2004-10-14 2006-04-27 Sharp Corp イオン発生装置とこれを使用した除電及び有機物除去方法
JP2006226637A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Max Co Ltd 空調システム
JP4734966B2 (ja) * 2005-03-03 2011-07-27 マックス株式会社 空気清浄装置
JP4960735B2 (ja) * 2007-03-27 2012-06-27 パナソニック株式会社 住宅向け換気システム用の給気グリル
JP5302567B2 (ja) * 2007-04-13 2013-10-02 株式会社半導体エネルギー研究所 エアシャワー装置
JP2015102274A (ja) * 2013-11-25 2015-06-04 シャープ株式会社 エアシャワー装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017203582A (ja) 2017-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6931269B2 (ja) 除電除塵方法、及びエアシャワー装置
KR101892967B1 (ko) 방전을 이용한 제균 장치
CN203928171U (zh) 清新空气送风器
CN108317620A (zh) 一种空气净化消毒器
CN202224402U (zh) 等离子体消毒净化的风淋室
KR100959634B1 (ko) 유해가스 중화 및 제거장치
US20230213220A1 (en) Air treatment apparatus with electrostatic precipitation function
JP2016169920A (ja) 熱交換型換気装置
JP2006250447A (ja) イオン発生装置を備えた電気機器
JP5150412B2 (ja) イオン拡散装置
CN202179283U (zh) 等离子体消毒净化的洁净工作台
CN101695580B (zh) 纳米带电水粒子发生装置
JP2016209791A (ja) 空気清浄機
JP7524054B2 (ja) 建築構造体、動物細胞培養方法および動物細胞製造方法
CN202844181U (zh) 一种空气净化消毒器
JP2011115569A (ja) 殺菌・不活化装置及びこれを用いた空気清浄装置
KR102532254B1 (ko) 정전분무를 이용한 공기정화 시스템
JP2010249510A (ja) イオン発生装置を備えた電気機器
JP2015102274A (ja) エアシャワー装置
JP2006337013A (ja) 清浄度区分方法及び清浄度区分システム
JP2004028532A (ja) 空気浄化方法およびそれを用いたエアシャワー装置
JP2022024940A (ja) 細菌やウイルスの浮遊する汚染空気流の湿式殺菌方法及び湿式殺菌装置
JP2010276335A (ja) イオン発生装置を備えた電気機器
CN217303037U (zh) 一种安装于中央空调新风系统的消毒净化装置
JP5659944B2 (ja) 空気調和機

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20160526

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190320

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191217

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200421

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200708

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20200708

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200715

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20200728

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20200904

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20200908

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20201006

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20201013

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20201208

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20201222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210217

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20210316

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210512

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210615

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20210629

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20210803

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20210803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210813

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6931269

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150