JP6929570B2 - 小型放電光イオン化検出器 - Google Patents

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Description

(関連出願との相互参照)
本出願は、2016年8月24日に出願された米国特許出願第62/378,770号の利益及び優先権を主張する。上記出願の全開示は参照により本明細書中に組み入れられる。
政府所有権
本発明は、環境保護庁によって付与されたRD−83564401−0に基づく政府支援を受けてなされた。政府は本発明において特定の権利を有する。
本開示は、小型放電光イオン化検出器に関する。
この節は、必ずしも先行技術であるとは限らない本開示に関連する背景情報を提供する。また、この節は、本開示の一般的な概要を与えるものであり、その全範囲又はそのすべての特徴の包括的な開示ではない。
ガスクロマトグラフィー(GC)は、サンプル中の特定の物質の量を測定するための一般的で有力な方法である。光イオン化検出器(PID)は、それらの高い感度及び大きなダイナミックレンジに起因してGCシステムにおいて幅広く使用される。典型的な形態において、PIDは、9.6eV〜11.8eVの範囲の光子を生成するキセノン、クリプトン、アルゴンなどの低圧希ガスで満たされた真空UV(VUV)ランプと、UV透明結晶(例えば、LiF、MgF、及び、CaF)から形成されるシール窓とからなる。しかしながら、これらのPIDは、数百から数千時間という非常に限られた寿命と、結晶のソラリゼーション、水エッチング、及び、化合物の汚染によって引き起こされるガス漏れ及び窓の劣化に起因する緩やかな性能劣化を被る。したがって、それらの全動作寿命中に定期的なメンテナンス及びキャリブレーションが必要とされる。更に、それらのPIDは殆どの化合物をイオン化するのに十分な光子エネルギー(例えば、LiF窓を有するアルゴン系のPIDによる11.8eV)を与えることができるが、依然としてイオン化電位(IP)が11.8eVを上回る又は11.8eVに近い多くの重要な化合物、例えば、ほんの数例を挙げると、フレオン(IP:11.77eV〜12.91eV)、メタン(IP:12.98eV)、三フッ化塩素(IP:12.65eV)、ジクロロフルオロメタン(IP:12.39eV)、ホスゲン(IP:11.77eV)、及び、エタン(IP:11.65eV)が存在し、これらはそれらのPIDを用いて解析できない。
大気圧希ガス放電ベースのPIDは通常、窓がない形態をなしており、これはUV透過率を最大にし、潜在的にPID寿命を延ばすことができる。ヘリウムは一般にこのタイプのPIDで使用される。二原子ヘリウム状態から解離性ヘリウム状態への移行によりもたらされるホップフィールド放出として知られるように、13.5eV〜17.5eVの範囲の光子をヘリウム放電プロセス中に生成でき、それにより、ヘリウム放電PID(HD−PID)が実質的にガス分析のための汎用検出器となる。HD−PIDにおいて、ヘリウムプラズマは、通常、直流電流(DC)放電、パルス放電、又は、誘電体バリア放電(DBD)によって生成される。DC放電は、ヘリウムを陽イオンと電子とに分解してガスプラズマを生成させるために高電圧(又は電界)に依存する。最近、DC放電に基づく小型HD−PIDは、20μmの隙間にわたって550VDCであり、たった1.4mWの電力消費量であることが実証された。10pg程度の検出限界が達成された。パルス放電はパルスDC放電とも呼ばれる。動作原理はDC放電と似ているが、平均電力消費量を下げて、より良くより安定したイオン化/励起を実現するために、1kHz〜1MHzのパルスを使用する。Valco Instrumentsから提供される一般的なPIDはパルス放電技術に基づく。最近では、10cm程度の大きさで数pgの検出限界をもつマイクロパルス放電PIDも開発された。しかしながら、DC放電の主な欠点の1つは、スパッタリング効果、すなわち、高速イオンが連続的にカソード材料に衝突することであり、これは検出器の寿命を制限し、電極及びチャンバの一定のメンテナンスを必要とする(例えば、電極交換及び放電チャンバクリーニング)。パルス放電の場合には、デューティサイクル、ひいては平均電力が低いため、全体のスパッタリング効果が低い。しかしながら、瞬間電力が大きいため、スパッタリングを完全に防止することができない。
DBDは、大気圧プラズマを生成させるために高電圧(1〜100kV)高周波(最大で数MHz)電位を使用する。DBD形態では、誘電材料(例えば、ガラス、ポリマー、及び、石英など)が放電チャンバに面する電極表面上に配置され、それにより、保護層が形成される。前述の2つの放電方法と比較して、DBD方法は、均一な放電及び非常に長い電極動作寿命において有利である。したがって、DBD方法は、大気圧プラズマ生成のための好ましい方法となり、多くの用途に適用されてきた。最近、数十ピコグラムからサブピコグラムまでの範囲の検出限界で、少数のDBDベースのヘリウム放電PIDが市販されるようになった(島津からのBID−2010 Plus及びABB Inc.からのDBDIDなど)。しかしながら、既存のDBDベースのHD−PID(BID−2010 PlusやDBDIDなど)は、大型であり(市販のFIDの寸法及び重量に類似)、消費電力が大きく(DBDID:12W)、大きな補助ヘリウム流量(50−100mL/分)を必要とするとともに、長いウォームアップ時間を要する。これらのHD−PIDはベンチトップGCシステムでは使用され得るが、現場での用途向けのポータブルGCシステム又はマイクロGCシステムには適していない。したがって、これらの欠点に対処する高度なDBDベースのHD−PIDが望まれている。
適用可能性の更なる分野は、本明細書中で与えられる説明から明らかになる。この概要における説明及び特定の例は、単なる例示のみを目的として意図されており、本開示の範囲を限定しようとするものではない。
この節は、本開示の一般的な概要を与えるものであり、その全範囲又はそのすべての特徴の包括的な開示ではない。
様々な態様において、本技術は、サンプル成分をイオン化して検出するための放電イオン化電流検出器であって、サンプル成分がUV光によってイオン化される放電イオン化電流検出器を提供する。検出器は、UV光源と、導電材料又は半導体材料を有する第1の表面と導電材料又は半導体材料を有する反対側の第2の表面とを有するマイクロ流体チャネルとを含み、第1の表面及び第2の表面のうちの一方が収集電極であり、第1の表面及び第2の表面のうちの他方がバイアス電極である。マイクロ流体チャネルは、サンプル成分を受けるように構成される。マイクロ流体チャネルはUV光源と流体連通しており、それにより、作動されると、UV光源からのUV光は、マイクロ流体チャネルに入ってサンプル成分をイオン化することができ、その結果、電子が解放されるとともに、イオン化されたサンプル成分及び電子が収集電極及びバイアス電極によって検出される。
一態様において、検出器は、UV光源をマイクロ流体チャネルから分離する壁を更に含み、壁は、UV光がUV光源からマイクロ流体チャネルへと選択的に通過できるようにする開口部を含む。
一態様において、UV光源は、第1のプラズマ誘導電極と反対側の第2のプラズマ誘導電極とを含むプラズマ生成手段を含み、第1及び第2のプラズマ誘導電極が反対側にある誘電体バリア層上に配置される。
一態様では、誘電体バリア層が個々に約1μm以上約500μm以下の厚さを有する。
一態様では、プラズマ誘導電極間の距離が3mm未満である。
一態様では、プラズマ生成手段の誘電体バリア層が個々に約1μm以上約500μm以下の厚さを有し、プラズマ誘導電極間の距離が約3mm以下である。
一態様において、マイクロ流体チャネルは、第1の端部にある少なくとも1つのサンプル成分入口部と少なくとも1つの出口部とを更に含み、それにより、少なくとも1つのサンプル成分入口部は、サンプル成分がマイクロ流体チャネルを通じて流れることができるようにするとともにサンプル成分をUV光によってイオン化できるようにし、出口部は、イオン化されたサンプル成分を検出器から除去できるようにする。
一態様において、検出器は、マイクロ流体チャネルから出口部まで延在する出口チャネルを更に含む。
一態様では、UV光源がプラズマ生成手段を含み、プラズマ生成手段は、第1の導電材料がその第1の露出面上に配置される第1の誘電体バリア層と、第2の導電材料が第2の露出面上に配置される反対側の第2の誘電体バリア層とを含む。プラズマ生成ボイドが第1及び第2の誘電体バリア間に画定され、プラズマ生成ボイドがプラズマ生成チャネル又はプラズマ生成チャンバのいずれかである。
一態様では、プラズマ生成ボイドが約1mm以上約20mm以下の容積を有するプラズマ生成チャンバである。
様々な態様において、本技術は、サンプル成分をイオン化して検出するための放電イオン化電流検出器であって、サンプル成分が放電によってもたらされるプラズマを使用してイオン化される放電イオン化電流検出器を提供する。検出器がサンプル成分検出部を含み、このサンプル成分検出部は、サンプル成分入口と、入口から延在するマイクロ流体チャネルと、マイクロ流体チャネルの第1の側壁を画定する表面を有する第1の電極と、マイクロ流体チャネルの第2の側壁を画定する表面を有する第2の電極とを含み、第2の側壁が第1の側壁の反対側にあり、マイクロ流体チャネルは、第1の電極と第2の電極との間の空間によって規定される約1μm以上約1mm以下の幅を有する。検出器がプラズマ生成部を含み、このプラズマ生成部は、ガス入口と、下端誘電体バリア層と上端誘電体バリア層との間に画定されてガス入口と流体連通するプラズマ生成ボイドを含み、上端誘電体バリア層が下端誘電体バリア層の反対側にあり、下端誘電体バリア層及び上端誘電体バリア層が独立して約1μm以上約500μm以下の厚さを有する。サンプル成分検出部のマイクロ流体チャネルは、プラズマ生成部のプラズマ生成ボイドと流体連通する。
一態様において、検出器は、該検出器の一方側でマイクロ流体チャネルから第1のサンプル成分出口まで延在する第1のサンプル成分出口チャネルも含み、第1の電極の第2の表面及び第2の電極の第2の表面のうちの一方が第1のサンプル成分出口チャネルの側壁を画定する。
一態様において、検出器は、該検出器の一方側でマイクロ流体チャネルから第2のサンプル成分出口まで延在する第2のサンプル成分出口チャネルを更に含み、第1の電極の第2の表面及び第2の電極の第2の表面のうちの他方が第2のサンプル成分出口チャネルの側壁を画定する。
一態様において、第1の出口チャネルは、プラズマ生成部から生成されるイオン化光がサンプル成分検出部に選択的に入ることができるようにする開口部を有する壁によって長手方向で分岐される。
一態様において、壁は、プラズマ生成部をサンプル成分検出部から分離する。
一態様において、プラズマ生成ボイドは、マイクロ流体チャネルとほぼ同じ寸法を有するプラズマ生成チャネルである。
一態様では、プラズマ生成ボイドが約1mm以上約20mm以下の容積を有するプラズマ生成チャンバである。
一態様では、ガードカラムが検体入口及びガス入口に配置される。
本技術は、検体を検出する方法を更に提供する。方法は、下端誘電体バリア層と上端誘電体バリア層との間に画定されるプラズマ生成ボイド内でイオン化光を放出するプラズマを生成するステップであって、下端誘電体バリア層及び上端誘電体バリア層が独立して約1μm以上約500μm以下の厚さを有する、ステップと、マイクロ流体チャネルの全体にわたってバイアス電圧を印加するステップであって、マイクロ流体チャネルが該マイクロ流体チャネルの第1の壁を画定する第1の電極と該マイクロ流体チャネルの第2の壁を画定する第2の電極との間に配置され、第2の壁が約1μm以上約1mm以下の距離を隔てて第1の壁と対向する、ステップと、マイクロ流体チャネルを通じてサンプル成分を送出するステップであって、イオン化光が、サンプル成分と接触してサンプル成分をイオン化し、サンプル成分カチオン及び電子を生成する、ステップと、第1及び第2の電極でサンプル成分カチオン及び電子を検出するステップとを含む。
一態様において、プラズマは、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、窒素(N)、及び、これらの組み合わせからなるグループから選択されるガスから生成される。
一態様において、イオン化光は、サンプル成分と接触してこのサンプル成分をイオン化する前に壁の開口部を通過し、壁は、プラズマがサンプル成分及び電極と接触するのを妨げる。
一態様では、サンプル成分が送出前にガスクロマトグラフィーによりサンプル混合物から分離される。
ここに記載される図面は、選択された実施形態の例示を目的とするにすぎず、すべての想定し得る実施ではなく、本開示の範囲を限定しようとするものではない。
本技術の様々な態様にしたがって作られた放電イオン化電流検出器の図である。 図1Aの放電イオン化電流検出器の1B線に沿ってとられた斜視図である。 本技術の様々な態様にしたがって作られた放電イオン化電流検出器の図である。 本技術の様々な態様にしたがって作られた放電イオン化電流検出器の図である。 本技術の様々な態様にしたがって作られた放電イオン化電流検出器の図である。 本技術の様々な態様にしたがって作られた放電イオン化電流検出器の図である。 図4Aの放電イオン化電流検出器の4B線に沿ってとられた斜視図である。 マイクロヘリウム放電光イオン化検出器(μHDBD−PID)の三次元レンダリングである。 μHDBD−PID(放電電極を伴わない)及びμHDBD−PIDにより生成されるプラズマの写真である。 μHDBD−PIDにより生成されるプラズマを示す(プラズマの大部分が電極によってブロックされた)。 μHDBD−PIDの詳細構造を示す。 μHDBD−PIDの三面図である。単位:mm ヘリウム放電プラズマ励起のための回路である。DC入力:1.5V、257mAAC出力:7.7kHz、4kV S2Bは電源の写真である。 S3は信号読み出しのための回路である。 実験セットアップを示す。 プラズマ点火を示すグラフである。 20℃における収集電極のバイアス電圧の関数としての2.356ngヘプタンに関する信号対雑音比(SNR)を示す。 様々な補助ヘリウム流量における2.356ngヘプタンに関する応答信号及び対応する信号対雑音比(SNR)を示す。キャリアガス流は1mL/分に固定された。 様々なキャリア流量における2.356ngヘプタンに関する応答信号及び対応する信号対雑音比(SNR)を示す。 より高いキャリアガス流量において溶離剤ピークがより鋭くなり且つ溶出時間がより短くなることを示す。 温度の関数としての2.356ngヘプタンに関する応答信号及び対応する信号対雑音比(SNR)を示す。 μHDBD−PID及びFIDを用いて得られた正規化信号を示す。キャリアガス流量は1mL/分であった。補助流圧は1psiであった。μHDBD−PID及びFIDに関して、0.85秒及び0.72秒のFWHMがそれぞれ得られた。空気及びヘプタンの分離のために1 m Rtx−1カラムが使用された。 入口からの5.8mL/分の補助ヘリウム流量α及び入口からの1mL/分のキャリアガス流量βを伴うヘリウム流のCOMSOL Multiphysics(登録商標)3Dシミュレーションである。出口γは、101.35kPaを伴う共通の出口をなす。 μHDBD−PIDによって0.1μL(100分割比)脂肪族混合物(C〜C12)が検出されたことを示すグラフである。 μHDBD−PIDによって0.1μL(100分割比)脂肪族混合物(C〜C12)が検出されたことを示すグラフである。混合物は、長さ7mのRtx(登録商標)−VMSカラムを介して1.5mL/分の流量においてT=40℃からの温度勾配で2分間にわたって後に200℃になるまで30℃/分の割合で昇温しながら分離された。1.水、2.メタノール及びペンタン、3.ヘキサン、4.ヘプタン、5.オクタン、6.ノナン、7.デカン、8.ウンデカン、9.ドデカン。μHDBD−PID及びFIDのFWHM(秒単位)は以下の通りであった。ヘキサン(2.00、2.14);ヘプタン(2.84、2.98);オクタン(3.59、3.29);ノナン(1.95、2.12);デカン(1.86、2.40);ウンデカン(2.31、2.32);ドデカン(4.06、4.14)。 8個のVOCに関するμHDBD−PID線形性試験を示す。線形−線形スケールにおける注入質量の関数としてのピーク高さ実線の曲線は、表S2で与えられる関連パラメータとの線形フィットである。 対数−対数スケール上にプロットされる図8Aの対応するデータ及び曲線を示す8個のVOCに関するμHDBD−PID線形性試験を示す。 図8における8個のVOCに関する注入質量の対数の関数としての、ピーク高さを注入質量で割ったプロットである。各曲線の傾きは以下の通りである。ペンタン(−4.27×10−4)、CCl(4.7×10−3)、ヘプタン(−1.06×10−4)、ベンゼン(−1.48×10−3)、トルエン(1.87×10−3)、エチルベンゼン(−1.94×10−3)、p−キシレン(−4.21×10−4)、及び、ノナン(−3.35×10−4))。 8個のすべてのVOCに関する195ppm(V/V)濃度のメタノール中で調製されたVOC混合物のμHDBD−PID検出を示す。混合物は、長さ7mのRtx(登録商標)−VMSカラムを使用してGCにより分離された。注入質量及びFWHMは以下の通りであった。1.水(微量、2.00秒);2.メタノール(N/A、2.01秒);3.ペンタン(15.28pg、1.84s);4.四塩化炭素(38.83pg、2.33秒);5.ヘプタン(16.7pg、2.34秒);6.ベンゼン(21.39g、1.52秒);7.トルエン(21.17pg、2.58秒);8.エチルベンゼン(21.14pg、1.79秒);9.p−キシレン(21.02pg、1.98秒);10.ノナン(17.53pg、2.91s)。温度勾配:0.6分間にわたってT=25℃、その後、30℃/分の割合で200℃まで。ヘリウムがキャリアガスとして1.5mL/分の流量で使用された。 永久ガスのμHDBD−PID検出を示す。1.水素(30%V/V);2.酸素(10%V/V);及び、3.窒素(60%V/V)、この場合、遮断弁(50R−V−GT SGE)伴う気密注射器を介した総注入量は10μLであり、分割比は100である。 μHDBD−PID及びFIDの両方によって検出される47個のVOCピークを伴う0.1μL(分割比が100)のEPA 8260 VOC混合物(51個の検体を含んで、Sigma−Aldrich P/N 500607から購入された)を示す。 SNRが対応するピークで標識化された図10の拡大部分を示す。μHDBD−PID結果とFID結果との間のピーク溶出時間におけるわずかなオフセットは、2つの分離中の温度勾配のわずかな違いに起因する。 図10の拡大部分を示す。μHDBD−PID及びFIDの同定ピーク及び対応するFWHM値は、以下の通りである1.ヘキサクロロ−1,3−ブタジエン(共溶出に起因して利用できない)、2.1,2,4−トリクロロベンゼン(共溶出に起因して利用できない)、3.ナフタレン(1.95s/1.78s)、4 1,2、3−トリクロロベンゼン(2.14秒/1.93秒)。μHDBD−PID結果とFID結果との間のピーク溶出時間におけるわずかなオフセットは、2つの分離中の温度勾配のわずかな違いに起因する。 ・μHDBD−PIDの非破壊的性質の試験を示すボックスプロットである。プラズマ「オン」及び「オフ」状態下での2.356ngヘプタン注入の15倍のボックスプロット。0.9779のp値は、同じサンプルサイズで等しい母集団平均に関して対をなさない2つのサンプルt−検定を使用して計算された。 マイクロヘリウム放電光イオン化検出器(μHDBD−PID)の拡大三次元レンダリングである。 表面速度の大きさを示す検出器形態の画像である。 本技術の様々な態様にしたがって作られた放電光イオン化検出器の形態である。 本技術の様々な態様に係る放電光イオン化検出器の製造中の陽極接合を示す図である。 本技術の様々な態様に係る放電光イオン化検出器の製造中のフローチャネルエッチングを示す図である。 本技術の様々な態様に係る放電光イオン化検出器の製造中の陽極接合を示す図である。 本技術の様々な態様に係る放電光イオン化検出器の製造中の電極付着を示す図である。 本技術の様々な態様に係る放電光イオン化検出器を保持するための典型的なケースの図である。 本技術の様々な態様にしたがって作られたマイクロヘリウム誘電体バリア放電−光イオン化検出器(μHDBD−PID)の写真である。ここでは、μHDEBD−PIDが作動されて、ヘリウム(He)から紫外線を放出するプラズマが生成される。 図29Aに示されるμHDBD−PIDの写真であり、μHDBD−PIDはプラズマを生成するために作動されない。
図面の幾つかの図の全体にわたって、対応する参照番号は対応する部分を示す。
実施形態の例は、この開示が完全であって当業者にその範囲を十分に伝えることができるように与えられる。本開示の実施形態の完全な理解をもたらすべく、特定の構成要素、装置、及び、方法の例などの多くの特定の詳細が記載される。当業者であれば分かるように、具体的な詳細が用いられる必要がなく、実施形態の例が多くの異なる形態で具現化されてもよく、及び、いずれも開示の範囲を限定するように解釈されるべきでない。幾つかの実施形態の例では、良く知られているプロセス、良く知られている装置構造、及び、良く知られている技術が詳細に説明されない。
本明細書中で使用される用語は、特定の実施形態の例のみを説明することを目的としており、限定しようとするものではない。本明細書中で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈が別段に明確に示唆しなければ、複数形も含むように意図され得る。用語「備える」、「備えている」、「含んでいる」、及び/又は、「有している」は、包括的であり、したがって、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は、構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又は、それらのグループの存在又は付加を排除しない。本明細書中に記載される方法ステップ、プロセス、及び、工程は、動作の順序と特に見なされなければ、論じられ又は例示される特定の順序でそれらの動作を必ず必要とすると解釈されるべきでない。また、付加的な又は代わりのステップが使用されてもよいことも理解されるべきである。
ある要素又は層が他の要素又は層「の上にある」、「に係合される」、「に接続される」、又は、「に結合される」と称される場合、その要素又は層は、他の要素又は層の上に直接にあってもよく、他の要素又は層に直接に係合されてもよく、他の要素又は層に直接に接続されてもよく、又は、他の要素又は層に直接に結合されてもよく、或いは、介在する要素又は層が存在してもよい。これに対し、ある要素が他の要素又は層「の上に直接にある」、「に直接に係合される」、「に直接に接続される」、又は、「に直接に結合される」と称される場合には、介在する要素又は層が存在し得ない。要素間の関係を説明するために使用される他の単語は、同様に解釈されるべきである(例えば、「間に」対「間に直接に」、「隣接して」対「直接に隣接して」など)。本明細書中で使用される「及び/又は」という用語は、関連する挙げられた項目のうちの1つ以上の任意の及びすべての組み合わせを含む。
様々な要素、構成要素、領域、層、及び/又は、部分を説明するために第1、第2、第3などの用語が本明細書中で使用される場合があるが、これらの要素、構成要素、領域、層、及び/又は、部分はこれらの用語によって限定されるべきでない。これらの用語は、単に、1つの要素、構成要素、領域、層、又は、部分を他の領域、層、又は、部分から区別するために使用されるにすぎない場合がある。「第1の」、「第2の」などの用語、及び、他の数値用語は、本明細書で使用される場合、文脈によって明確に示唆されなければ、順番又は順序を意味しない。したがって、以下で論じられる第1の要素、構成要素、領域、層、又は、部分は、実施形態の例の教示内容から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、又は、部分と称することができる。
「内側」、「外側」、「真下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、他の要素又は特徴に対する1つの要素又は特徴の関係を図に示されるように説明するべく、説明を容易にするために使用される場合がある。空間的に相対的な用語は、図に描かれる向きに加えて使用中又は動作中の装置の異なる向きを包含するように意図される場合がある。例えば、図中の装置が反転される場合、他の要素又は特徴の「下方」又は「真下」として説明される要素は、このとき、他の要素又は特徴の「上方」に向けられる。したがって、用語の例である「下方」は、上方及び下方の両方の向きを包含し得る。装置は、他の方向に向けられ(90度又は他の向きに回転され)てもよく、また、本明細書中で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
ここで、添付図面を参照して、実施形態の例を更に十分に説明する。
本技術は、従来のPID検出器と比較して小さい寸法及び重量を有するマイクロ誘電体バリア放電−PID(μDBD−PID)を提供する。μDBD−PIDは、携帯可能であるとともに、従来の検出器と比べて、電力消費も少なく、ガス消費量も少なく、ウォームアップ時間が短い。μDBD−PIDは、現場分析、リアルタイム分析、及び、高感度ガス分析のために、携帯可能なマイクロガスクロマトグラフィーシステムにおいて広範囲の用途を有する。
図1A及び1Bを参照すると、図1Bは、図1Aの線1Bに沿う斜視図であり、本技術は、サンプル成分をイオン化する及び検出するための放電イオン化電流検出器10、すなわち、μDBD−PIDを提供し、この場合、サンプル成分は、放電によって生み出されるプラズマを使用してイオン化される。サンプル成分は、例えば、ガス、すなわち、キャリアガスによって運ばれる又は送出されるサンプル混合物の成分となり得る。幾つかの実施形態では、サンプル混合物がガスクロマトグラフィーに晒され、それにより、サンプル成分は、サンプル混合物から分離され、検出器10を通じて順次に(及び好ましくは個別に)送出される。検出器10は、サンプル成分検出部12と、プラズマ生成部14とを備える。サンプル成分検出部12は、サンプル成分入口16と、サンプル成分入口16から延在するマイクロ流体チャネル18と、マイクロ流体チャネル18の第1の側壁24を画定する側面22を有する第1の電極20と、マイクロ流体チャネル18の第2の側壁30を画定する側面28を有する第2の電極26とを備える。第2の側壁30は第1の側壁24の向かい側にある。第1及び第2の電極20,26は、導電材料又は半導体材料を備える。導電材料の非限定的な例としては、例えば、銅、金、アルミニウム、銀、白金、それらの合金、及び、それらの組み合わせなどの金属が挙げられ、また、半導体材料の非限定的な例としては、純粋(又はほぼ純粋)なシリコン又はドープシリコン(Si、結晶質又は非晶質)、炭化ケイ素(SiC)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、硫化カドミウム(CdS)、硫化鉛(PbS)、他のIII−V族半導体、及び、それらの組み合わせが挙げられる。本技術の特定の態様において、半導体材料は、非限定的な例として、リン、ゲルマニウム、ホウ素、及び、それらの組み合わせなどのドーパントを含む。様々な実施形態において、第1及び第2の電極(20,26)のうちの一方はバイアス電極であり、第1及び第2の電極(20,26)のうちの他方は収集電極である。
マイクロ流体チャネル18は、第1の電極20の側面22と第2の電極26の側面28との間の距離によって規定される幅Wを有する。幅Wは、約1mm以下又は約1μm以上約1mm以下、約50μm以上約800μm以下、約100μm以上約600μm以下、又は、約200μm以上約400μm以下である。
図1Cは、図1A及び図1Bに示されるμDBD−PID10の変形例であるμDBD−PID10bを示す。図1A及び図1Bにおける参照数字に対応する図1Cにおける参照数字は対応する部分を示す。検出器10bは、第1の側面21を有する第1の本体構造19と、第2の側面25を備える第2の本体構造23とを備えるサンプル成分検出部12を有する。第1及び第2の本体構造19,23は非導電材料を備える。しかしながら、第1の側面21及び第2の側面25は、純粋な(又はほぼ純粋な)又はドープされた導電材料又は半導体材料、例えば前述の材料でコーティングされる。ここで、コーティングされた第1の側面21及びコーティングされた第2の側面25は、マイクロ流体チャネル18の第1の側壁24及び第2の側壁26を画定する。したがって、図1A及び図1Bの検出器10及び図1Cの検出器10bはそれぞれ、導電材料又は半導体材料を備える第1の表面21,22と導電材料又は半導体材料を備える対向する第2の表面25,28とを有するマイクロ流体チャネル18を有し、第1の表面21,22及び第2の表面25,28のうちの一方が収集電極であり、第1の表面21,22及び第2の表面25,28のうちの他方がバイアス電極であり、マイクロ流体チャネル18は、サンプル成分を受けるように構成される。
再び図1A及び図1Bを参照すると、検出器10のプラズマ生成部14は、少なくとも1つの薄い誘電体バリア層34a/bを使用するプラズマ生成手段32を備えるUV光源(光子源)を備える。使用時には、プラズマ生成手段32は、ガスと相互作用して、イオン化UV光などのイオン化光を放出するプラズマを生成する。マイクロ流体チャネル18はUV光源と流体連通しており、そのため、作動されると、UV光源からのUV光は、マイクロ流体チャネル18に入って、サンプル成分をイオン化し、それにより、電子(又は複数の電子)が解放され、また、イオン化されたサンプル成分及び電子は、収集電極及びバイアス電極によって検出される。したがって、サンプル成分がイオン化されるようになると少なくとも1つの電子を解放することが理解される。
より具体的には、プラズマ生成部14は、ガス入口36と、検出器10の下端層40と上端層42との間に部分的に画定されるプラズマ生成ボイド38とを備える(下端面40及び上端面42は、明確にするために、図1Aに示されない)。ガス入口36はプラズマ生成ボイド38と流体連通している。図にはサンプル成分入口16の反対側に示されるが、その位置は限定されず、プラズマ生成部14のプラズマ生成ボイド38の周りの任意の場所に位置されてもよい。下端面40及び上端面42の少なくとも一方は、約500μm以下、又は、約1μm以上約500μm以下、約100μm以上約400μm以下、約75μm以上約150μm以下、又は、約200μm以上約300μm以下の厚さT、例えば、約10μm、約25μm、約50μm、約75μm、約100μm、約125μm、約150μm、約175μm、約200μm、約225μm、約250μm、約275μm、約300μm、約325μm、約350μm、約375μm、約400μm、約425μm、約450μm、約475μm、又は、約500μmの厚さを有する薄い誘電体バリア層34a/bである。誘電体バリア層34a/bは、印加された電界によって分極され得る絶縁材料又は導電性が弱い材料のいずれかを備える。誘電材料の非限定的な例としては、セラミック、プラスチック、金属酸化物、及び、ガラスが挙げられる。下端面40は上端面42の反対側にあり、したがって、下端面40及び上端面42の両方において、検出器10は、下端誘電体バリア層34a及び上端誘電体バリア層34bを備え、上端誘電体バリア34bは下端誘電体バリア層34aの反対側にある。ここで、下端及び上端誘電体バリア層34a,34bは独立して厚さTを有する。
また、プラズマ生成部14は、プラズマ生成ボイド38の側壁を画定する内側側壁48を有する第1の本体要素44及び第2の本体要素46も備える。第1及び第2の本体要素44,46の内側側壁48並びに第1及び第2の電極20,26は、約2mm以下、又は、約10μm以上約2mm以下、約50μm以上約1mm以下、約100μm以上約900μm以下、約200μm以上約800μm以下、約300μm以上約700μm以下、約400μm以上約600μm以下、又は、約450μm以上約550μm以下であるほぼ同じ高さH、例えば、約10μm、約50μm、約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、約350μm、約400μm、約450μm、約500μm、約550μm、約600μm、約650μm、約700μm、約750μm、約800μm、約850μm、約900μm、約950μm、約1mm、約1.25mm、約1.5mm、約1.75mm、又は、約2mmの高さHを有する。したがって、第1及び第2の本体要素44,46(並びに第1及び第2の電極20,26又は第1及び第2の本体構造19,23)は、高さHを規定するスペーサとして機能する。第1及び第2の本体要素44,46は、第1及び第2の電極20、26と同じ材料、又は、プラスチック又はガラスなどの実質的に非導電性の材料を備えることができる。
プラズマ生成部14は、下端層40の下端面52上に配置される下端プラズマ誘導電極50と、上端層42の上端面56上に配置される上端プラズマ誘導電極54とを更に備える。下端プラズマ誘導電極50は上端プラズマ誘導電極54の反対側に位置され、プラズマ生成ボイド38がそれらの間に位置される。下端プラズマ誘導電極50及び上端プラズマ誘導電極54は、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約800μm以下、又は、約600μm以下である距離D、例えば、約10μm以上約3mm以下、約100μm以上約2mm以下、約200μm以上約1mm以下、約300μm以上約900μm以下、約400μm以上約800μm以下、又は、約500μm以上約700μm以下の距離、例えば、約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、約1mm、約1.25mm、約1.5mm、約1.75mm、又は、約2mmの距離だけ離間される。下端電極50及び上端電極54は、非限定的な例として、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、又は、白金(Pt)などの導電材料を備える。
検出器10は、第1の出口60と流体連通する第1の出口チャネル58も備える。第1の出口チャネル58は、マイクロ流体チャネル18から、サンプル成分検出部12とプラズマ生成部14との間の検出器10の外表面62に位置される第1の出口60まで延在する。第1の電極20の第2の表面64及び第2の電極26の第2の表面66のうちの一方は、第1の出口チャネル58の側壁68を画定する。幾つかの実施形態において、検出器10は、マイクロ流体チャネル18から検出器62の一方側の第2の出口72まで延在する第2の出口チャネル70を更に備え、この場合、第1の電極20の第2の表面64又は第2の電極26の第2の表面66のうちの他方は、第2の出口チャネル68の側壁74を画定する。或いは、図1Cを参照すると、第2の本体構造23の第2の表面63及び第2の本体構造19の第2の表面65のうちの一方は、導電材料又は半導体材料でコーティングされて、第1の出口チャネル58の側壁68を画定する。幾つかの実施形態では、検出器10bが第2の出口72を備え、この場合、第1の本体構造19の第2の表面65又は第2の本体構造25の第2の表面63のうちの他方は、第2の出口チャネル68の側壁74を画定する。したがって、サンプル成分のイオン化及び検出は、出口チャネル58,70内並びにマイクロ流体チャネル18内で起こり得る。
再び図1A及び図1Bを参照すると、検出器10が第1及び第2の出口チャネル58,70並びに対応する第1及び第2の出口60,72を含む実施形態において、プラズマ生成部14の第1及び第2の本体要素44,46は、第1及び第2の電極20,26と同じ材料を備えることができる。これは、第1及び第2の本体要素44,46が第1及び電極20、26と接触しないからであり、すなわち、第1及び第2の出口チャネル58,70が間に位置されて第1及び第2の電極20,26と第1及び第2の本体要素44,46とによって部分的に画定されるからである。検出器10が第1の出口チャネル58及び第1の出口60を備える実施形態では、第1の電極20と第1の本体要素44との間に第2の出口チャネル70が画定されてもよいが、第2の出口72は存在しない。むしろ、検出器の側面62は、第2の出口チャネル70を横切って延在して第2の出口チャネル70を塞ぐ。そのような実施形態において、プラズマ生成部14の第1及び第2の本体要素44,46は、第1及び第2の電極20,26と同じ材料を備えることができる。これは、第1及び第2の本体要素44,46が第1及び第2の電極20,26と接触しないからである。検出器10が第1の出口チャネル58及び第1の出口60のみを備える実施形態では、第1の本体要素44が第1の電極20と接触してもよい。そのような実施形態において、プラズマ生成部14の第1及び第2の本体要素44,46は、第1及び第2の本体要素44,46間に隙間が存在するため、任意の材料から構成され得る。
図1Cの検出器10bが使用される実施形態などの幾つかの実施形態において、下端面40及び上端面42のうちの少なくとも一方は、マイクロ流体チャネル18の上端面及び/又はマイクロ流体チャネル18の下端面に対応する位置で、純粋な(又はほぼ純粋な)又はドープされた導電材料又は半導体材料でコーティングされる。随意的に、下端面40及び上端面42のうちの少なくとも一方は、第1の出口チャネル58(及び存在する場合には第2の出口チャネル70)の上端面及び/又は第1の出口チャネル58(及び存在する場合には第2の出口チャネル70)の下端面に対応する位置で、純粋な(又はほぼ純粋な)又はドープされた導電材料又は半導体材料でコーティングされる。
サンプル成分検出部12のマイクロ流体チャネル18は、プラズマ生成部14のプラズマ生成ボイド38と流体連通している。マイクロ流体チャネル18は、検体などのサンプル及びサンプル成分を送出するとともに、(第1及び第2の側壁24,30を介した)収集電極及びバイアス電極並びにイオン化チャンバのいずれとしての機能も果たす。例えば、ガスがプラズマ生成ボイド38に入って装置が作動しているとき、プラズマ生成ボイド38内にプラズマが生じ、それにより、イオン化光が放出される。ガスは、非限定的な例として、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、窒素(N)、又は、それらの組み合わせとなり得る。様々な実施形態において、イオン化光は、約400nm以下の波長を有する紫外線(UV)光である。しかしながら、幾つかの実施形態では、イオン化光が可視(VIS)範囲内の波長を有してもよい。イオン化光は、マイクロ流体チャネル18内へと進み、サンプルと接触し、そこでサンプルがイオン化される。したがって、マイクロ流体チャネル18はイオン化チャンバとしての機能を果たす。サンプルがイオン化されると、サンプルは、少なくとも1つの電子を解放して荷電分子を形成し、これらは収集電極で検出される。
前述したように、プラズマはプラズマ生成ボイド38内で生成される。幾つかの実施形態では、プラズマ生成ボイド38がプラズマ生成チャネルである。図2は、図1Aの検出器10と同様な放電イオン化電流検出器(μDBD−PID)100の斜視図を示す。検出器間の重複する特徴には同じ参照数字が与えられる。図2の検出器100は、プラズマ生成チャネル80と流体連通しているガス入口36を備える。ここで、マイクロ流体チャネル18は第1の端部84でサンプル成分入口から延在し、プラズマ生成チャネル80は反対側の第2の端部86でガス入口36から延在し、また、マイクロ流体チャネル18とプラズマ生成チャネル80とが互いにまとまってほぼ直線状のチャネル82を画定する。したがって、プラズマ生成チャネル80は、マイクロ流体チャネル18とほぼ同じ寸法(幅W、高さHなど)を有し、マイクロ流体チャネル18と一直線上にある。しかしながら、プラズマ生成チャネル80が例えばプラズマ生成ガスのより大きな又はより小さな入力を受け入れるようにマイクロ流体チャネル18とは異なる寸法(幅W、高さHなど)を有してもよいことが理解される。
第1の出口チャネル58は、ほぼ直線状のチャネル82から、第1の端部及び第2の端部に隣接している端部62まで延在する。様々な実施形態において、出口チャネル58は、ほぼ直線状のチャネル82に対して略直交している。ここで、第2の電極26の第2の表面66は、第2の出口チャネル68の側壁68を画定する。幾つかの実施形態では検出器100が図1Aに関して前述したように第2の出口と関連付けられる第2の出口チャネルを含むことが理解される。
下端及び上端放電電極50,54は、それらの間にプラズマ生成チャネル80を挟んだ状態で互いに対向して位置される。したがって、ガス入口36を介してガスがプラズマ生成チャネル80に入って放電電極50,54が作動されると、イオン化光を放出するプラズマ生成チャネル80でプラズマが生成される。
図2では、第1の電極20が第1の本体要素44と接触している。したがって、第1の本体要素44と第1の電極20とが電気的に絶縁される。幾つかの実施形態では、第1の電極20がバイアス電極であり、第2の電極26が収集電極である。
様々な実施形態では、図1Aに示されるプラズマ生成ボイド38がプラズマ生成チャンバである。図3は、図1Aの検出器10と同様な放電イオン化電流検出器(μDBD−PID)200の斜視図を示す。図1Bは、線1Bに沿ってとられた検出器200の側面図である。検出器間の重複する特徴には同じ参照数字が与えられる。図2の検出器100は、プラズマ生成チャンバ88と流体連通するガス入口36を備える。プラズマ生成チャンバ88は、約1mm以上約20mm以下、約2mm以上約15mm以下、約5mm以上約10mm以下、又は、約6mm以上約8mm以下の容積を有する。したがって、プラズマ生成チャンバ88は、約1μL以上約20μL以下、約2μL以上約15μL以下、約5μL以上約10μL以下、又は,約6μL以上〜約8μL以下の流体量を保持する。
第1の出口チャネル58は、第1の出口60から反対側の壁62まで延在する。幾つかの実施形態では、第1の出口チャネル58が第1の出口60から第2の出口72まで延在する。ここで、第2の電極26の第2の表面66は出口チャネル68の第1の領域で第2の出口チャネル68の側壁68を画定し、また、第1の電極20の第2の表面64は第2の領域で側壁74を画定する。
下端及び上端放電電極50,54は、それらの間にプラズマ生成チャンバ88を挟んだ状態で互いに対向して位置される。したがって、ガス入口36を介してガスがプラズマ生成チャンバ88に入って放電電極50,54が作動されると、イオン化光を放出するプラズマ生成チャネル88でプラズマが生成される。
図4Aは検出器300の斜視図を示し、図4Bは線4Bに沿ってとられた検出器300の側面図である。検出器300は図3の検出器200と同様である。しかしながら、検出器300では、出口チャネル58及び第1の出口60(及び存在する場合には第2の出口72)が壁90によって長手方向に分岐される。壁90は、導電材料又は半導体材料を備え、プラズマ生成チャンバ88がマイクロ流体チャネル18と流体連通するように開口部92を有する。しかしながら、開口部は、電気アーク又はプラズマがサンプル成分検出部12に入る又はサンプル成分検出部12で生じることを阻止し、防止し、又は、抑制するが、選択的にUV光がサンプル成分検出部12に入ることができるようにし、サンプル成分検出部12でUV光がサンプル成分をイオン化する。これは、バックグラウンド及びノイズを減少させるのを助け、検出器の安定性を向上させる。壁90の開口部92の位置は、イオン化光が開口部92を通過してプラズマ生成チャンバ88からマイクロ流体チャネル18へ、随意的に第1の出口チャネル94へと至ることができそこでサンプル成分のイオン化が起こり得る限りにおいて限定されない。分岐された出口チャネル58は、マイクロ流体チャネル18と関連する第1の出口チャネル部分94と、プラズマ生成チャンバ88と関連する第2の出口チャネル部分95とを有し、また、分岐された第1の出口60は、第1の出口チャネル部分94と関連する第1の出口部分96と、第2の出口チャネル部分95と関連する第2の出口部分97とを有する。同様に、第2の出口72が存在する場合、第2の出口72は、第1の出口チャネル部分94と関連する第3の出口部分98と、第2の出口チャネル部分95と関連する第4の出口部分99とに分岐される。出口チャネル部分94,95及び出口チャネル部分96,97,98,99のそれぞれは、前述のような幅Wを有する。
使用中、プラズマがプラズマ生成チャンバ88内で生成される。プラズマは、壁90の開口部92を通過する光を放出し、それにより、マイクロ流体チャネル18内のサンプル成分がイオン化される。サンプル成分は、イオン化されて、第1又は第2の電極20,26のうちの一方により検出される少なくとも1つの電子を解放する。ごく一部が第2の出口部分97及び/又は第4の出口部分99を通って出る場合があるが、サンプル成分の大部分は、第1の出口チャネル部分94を経由して第1の出口部分96(及び存在する場合は第3の出口部分98)を通り検出器300から出る。同様に、ごく一部が第1及び第3の出口部分96,98を通って出る場合があるが、プラズマ生成チャンバ88で生成される生成物の大部分は、第2の出口チャネル部分95を経由して第2の出口チャネル部分97(及び存在する場合は第4の出口部分99)を通って出る。
図1A〜図4Bの検出器10、100、200、300は、構成要素を基板上へと互いにつなぎ合わせることによって又はフォトリソグラフィによって製造され得る。例えば、図2の検出器100は、サンプル成分検出部を形成するために基板(誘電体バリア層であってもよい)上に電極を配置することによって形成することができ、また、プラズマ生成部を形成するためにガラス要素を基板上に配置することができる。他の例として、図4A及び図4Bの検出器300は、基板(誘電体バリア層であってもよい)上に半導体材料を配置してフォトリソグラフィによって基板にパターンを彫り込むことによって形成することができ、この場合、パターンはサンプル成分検出部及びプラズマ生成部に対応する。ガードカラムの周りの隙間には接着剤、ゲル、又は、パテを充填することができる。
本技術は、サンプル成分を検出する方法を更に提供する。様々な実施形態において、サンプル成分はGCによってサンプル混合物から分離された。本方法は、本明細書中に記載される装置のいずれかを使用して行なうことができる。方法は、下端誘電体バリア層と上端誘電体バリア層との間に画定されるプラズマ生成ボイド内でイオン化光を放出するプラズマを生成するステップであって、下端誘電体バリア層及び上端誘電体バリア層が独立して約1μm以上約500nm以下の厚さを有する、ステップと、マイクロ流体チャネルの全体にわたってバイアス電圧を印加するステップであって、マイクロ流体チャネルが該マイクロ流体チャネルの第1の壁を画定する第1の電極と該マイクロ流体チャネルの第2の壁を画定する第2の電極との間に配置され、第2の壁が約1μm以上約1mm以下の距離を隔てて第1の壁と対向する、ステップと、マイクロ流体チャネルを通じてサンプル成分を送出するステップであって、イオン化光が、サンプル成分と接触してサンプル成分をイオン化し、サンプル成分カチオン及び自由電子を生成する、ステップと、第1及び第2の電極でサンプル成分カチオン及び電子を検出するステップとを含む。様々な実施形態において、プラズマは、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、窒素(N)、及び、それらの組み合わせからなるグループから選択されるガスから約5kV以下の電圧で生成される。
本技術の実施形態は、以下の非限定的な例を通じて更に例示される。
[実施例1]
H、チップ上のマイクロヘリウム誘電体バリア光イオン化検出器(μHDBD−PID)には、たった約15mm×約10mm×約0.7mmの寸法及びわずか約0.25gの重量が与えられる。それにより、低い電力消費量(<400mW)、低ヘリウム消費量(5.8mL/分)、迅速な応答(FIDと同程度に良い)、素早いウォームアップ時間(約5分)、優れた検出限界(数pg)、大きな線形ダイナミックレンジ(>4桁の大きさ)、及び、メンテナンスフリー操作が提供される。更に、μHDBD−PIDは、小型(約5cm×約2.5cm×約2.5cm)で軽量(22g)な低コスト(約$2)のたった1.5VDC入力を伴う電源で駆動され得る。ここで、我々は、前述のμHDBD−PIDの形態、製造、及び、特性を報告し、そのGC適用を実証する。我々のμHDBD−PIDと他のHD−PIDとの詳細な比較が表1にまとめられている。

表1.本技術のμHDBD−PIDと他のHD−PIDとの比較
Figure 0006929570
装置の製造及び組み立て
すべてのシリコンウエハ及びガラスウエハは、University Wafer Company(マサチューセッツ州のボストン)から購入された。図1及びS1に示されるように、厚さ100μmのBorofloat(登録商標)33ガラスウエハ(P/N 1737)が、15mm×10mmの長方形断片にダイシングされて、上端基板及び下端基板として使用された。両面研磨された厚さ500nmの熱酸化物層(P/N 2078)を有する厚さ500μmのP型<100>シリコンウエハが、7.5mmの×6mmの長方形形状にダイシングされ、続いて、酸化物層を除去するために49%緩衝HFを用いてウェットエッチングした。図5A〜図5D及び図6に示されるように、その後、そのような調製されたシリコンウエハの2つの断片が、UV硬化性光学接着剤(Norland(登録商標)81)を使用して下端ガラス基板上に結合された。検体及びキャリアガス(すなわち、ヘリウム)のための流体チャネルを形成するために、2つのシリコンウエハ間の隙間は380μmであった。一方、2つのシリコンウエハもバイアス電極及び収集電極として作用した。厚さ500μmのBorofloat(登録商標)33ガラスウエハ(P/N 517)が、2つの長方形断片(7.5mm×4.8mm及び7.1mm×4.8mm)にダイシングされ、その後、補助ヘリウム用の流体チャネルを形成するために、同じUV硬化接着剤を用いて下端ガラス基板に対し互いの間に380μmの隙間を伴って結合された。出口としての第3の流体チャネルを形成するために、380μmの他の隙間もシリコンウエハとガラスウエハとの間に形成された。最後に、同じUV硬化光学接着剤を使用して上端ガラス基板が中央のシリコン及びガラス断片に結合された。組み立て後、外径380μm及び内径250μmの3つのガードカラムが流体チャネルの2つの入口及び出口に挿入されて光学接着剤でシールされた。
ヘリウムプラズマを励起するために、フライバックトランス回路(図7Aに示される)に基づいて低コストの小型化された高電圧高周波電源が社内で開発された。この高電圧高周波電源は、約5cm×約2.5cm×約2.5cm(図7B)の寸法と約22gの重さを有する。1.5 VDC入力(257mA)において、この電源は7.7kHzで4kVを出力する。高電圧出力及び電源のグランドは、銅テープの2つの断片(寸法:5mm×2mm)を介して上端ガラス基板及び下端ガラス基板にそれぞれ接続された。例示として図1(D)及び図6を参照されたい。
信号を生成させるために、可変DCバイアス電圧(公称電圧:40VDC)が収集電極とバイアス電極との間に印加された(図8)。電流信号は、電圧信号に変換されて、5の利得係数及び1Hzの低域通過遮断周波数を伴う増幅器(Stanford Research Systems SR560、入力インピーダンス=100MΩ+25pF)によって増幅された。最終的な電圧信号は、25Hzのデジタル低域通過遮断周波数及び14.5Hzのデータ取得速度を伴うDAQカード(NI USB−6210、テキサス州オースティンのナショナルインスツルメンツ)を介してLabVIEW(登録商標)プログラムにより記録された。別段に定められなければ、μHDBD−PIDは20℃で動作された。
実験
メタノール(P/N 322415)、ペンタン(P/N 236705)、四塩化炭素(P/N 289116)、ヘプタン(P/N 246654)、ベンゼン(P/N 270709)、トルエン(P/N 244511)、エチルベンゼン(P/N 03079)、p−キシレン(P/N 317195)、n−ノナン(P/N 296821)、EPA 8260 VOCミックス(P/N 500607)、脂肪族ミックス(C 5−C 12)(P/N UST157)、及び、永久ガス分離用のMol Sieve 5A PLOT(P/N 2423)カラムはすべて、Sigma−Aldrich(ミズーリ州セントルイス)から購入されて更なる精製又は処理を伴うことなく使用された。すべての実験において補助ガス及びキャリアガスとして使用される超高純度ヘリウム(99.999%)は、Cryogenic Gases(ミシガン州のアナーバー)から購入された。GCガードカラム(カタログ番号10059)、分離カラムRtx(登録商標)−VMS(カタログ番号19915)及び、Rtx(登録商標)−1(カタログ番号10105)がRestek Corp.から購入された。(ベルフォンテ、ペンシルバニア州)。
実験セットアップが図9に示される。すべての検体が100の分割比を伴うVarian 3800 GCに装備された1177インジェクターから注入された。別段に定められなければ、分離カラムとμHDBD−PIDとを接続するために1m長さのガードカラムが使用された。μHDBD−PIDの出口は大気に接続された。非破壊検証中だけ、μHDBD−PIDの出口が、短いガードカラムを介してVarian 3800 GCに装備された市販のFIDに接続された。補助・キャリアガス流速が、Ellutia−6000 GC流量計を用いて、補助チャネル及び検体チャネルの入口で測定された。
結果及び考察
低電圧及び低電力動作
降伏電圧は、誘電体層の厚さと励起電極間の隙間とに比例する。我々の設計では、誘電体バリアの厚さがわずか100μmであるとともに、電極の間隔がわずか380μmであり、それにより、比較的低い電圧(4kV)で及び385±3mW(Agilent E3649A、257mAで1.5 VDC)という低い全動作電力でヘリウムプラズマを発現させることができる。なお、上記の電力消費量は、「無負荷試験」(すなわち、開回路試験)において測定された。開回路と閉回路との間の差を調べることによるμHDBD−PIDの実際の電力消費量は約3mWであり。これは、次の節(「ウォームアップ時間」)で計算されるワット損と同じ程度の大きさである。なお、μHDBD−PIDは室温で動作するように設計され、また、先で指定された電力は主にヘリウム放電回路用であった。高温での動作が望まれる場合には追加の電力が必要とされる。
ウォームアップ時間
低AC電圧及び低い電力消費量は、ウォームアップ時間を短縮することにもつながる。ヘリウムの放電効率は、電極隙間、誘電体バリア厚、温度、AC周波数、及び、電圧などの多くの因子に依存する。他のすべての因子が固定されていると、プラズマ変動を決定する上で温度が支配的な因子になる。装置の温度が安定するまでに要する時間が長ければ長いほど、ウォームアップ時間が長くなる。
我々のセットアップにおける励起電極の幾何学的形態はコンデンサとしてモデル化され得る。AC電圧が印加されるとワット損が生じ、これは以下のように計算できる。
P=VωC(DF)
Pはワット損である。V及びωはそれぞれ印加AC電圧及び角周波数である。Cは静電容量、DFは散逸率である。平衡状態では、ワット損が、それ自体、装置温度の上昇として現れる。V=4000V、ω=2×π×7700、C=0.9pf、及び、DF=0.003を使用すると、ワット損が2mW程度の低さに計算され、そのため、装置温度が非常にわずかに上昇し、したがって、温度が急速に安定する。実際に、動作中のμHDBD−PIDの温度は、Southwire(登録商標)31030s非接触IR温度計を用いて20.7℃であるように測定され、これは周囲温度をわずかに0.4℃上回った。その結果、図10に示されるように、μHDBD−PIDをたった5分以内で安定させることができる。
バイアス電圧の最適化
光イオン化に続いて、検体のイオンは、2つの電極間の電場によって強制されて電極に到達する。強い電場は、イオンフラックス移動時間を短縮できるとともに、イオン再結合及び消光を防ぐことによってイオン収集効率を高めることができる。しかしながら、過度の電場は信号を比例的に増加させることなくノイズを増加させるだけでなく、コストも増加させる。μHDBD−PIDのためのバイアス電圧を最適化するために、我々は、モデル系として2.356ngのヘプタンを使用した。図11に示されるように、最初に、バイアス電圧が10V〜30Vの範囲内にあるとき、ピーク高さ及び信号対雑音比(SNR)が増加し、バイアス電圧が40Vを超えると横ばいになる。したがって、以下の実験では、バイアス電圧が40Vに設定された。このバイアス電圧は、最大イオン収集効率及びSNRをもたらすための最小バイアス電圧である。
フロー依存性
プラズマの遠紫外線放射の強度は、補助ヘリウム流量と正の相関関係を示す。その結果、ピーク高さ(すなわち信号)は、図12Aに示されるように、補助ヘリウム流量の増加に伴って増加する。しかしながら、過剰な補助ヘリウム流量では、プラズマジェットが生じ、それに伴ってノイズレベルが急激に増加する。その結果、SNRは、約16mL/分(対応するガス源圧力:3psiを伴う補助流入口で測定された)で達成される最大値を伴うベル形を有する。その後の実験で、我々は、ヘリウム消費量を減らす(ただしSNRを犠牲にして、その最大値から30〜40%だけ減少される)ために、5.8mL/分の補助ヘリウム速度(1psiの対応するガス源圧力を伴う補助流入口で測定された)を使用した。
所定の補助ヘリウム入口圧力(我々の例では1psi)では、キャリアガス流量が増加すると絶対補助ヘリウム流量が減少するため、キャリアガス流量の変更もμHDBD−PIDの性能に影響を与える。したがって、キャリアガス流量が増加すると、先に論じたように、プラズマ放射の減少に起因して、検体ピーク面積のわずかな減少を観察することができる(図12B参照)。ピーク面積の他に、図12Bに示されるように、ピーク高さもキャリアガス流量によって影響される。低いキャリアガス流量(例えば、0.5mL/分)では、長い溶出時間から生じるピーク広がりに起因して、所定量の検体におけるピーク高さが低い。一方、非常に高いキャリアガス流量(例えば、3.6mL/分)では、補助ヘリウム流量の減少が支配的な効果となる。その結果、高いキャリアガス流量でピークが鋭くなるが(図13参照)、プラズマ放射の減少に起因してピーク高さは依然として減少する。このμHDBD−PIDでは、最大ピーク高さが1〜2mL/分のキャリア流量で達成された(図12B)。
全体として、図12A及び図12Bは、検体ピーク及びピーク面積に関する補助ヘリウム流量とキャリアガス流量との相互作用を示す。補助流量は、通常、ガス源圧力を調整することによって調整されるため、絶対補助流量は(所定の補助ガス源圧力における)キャリアガス流量によって影響される。結果として、HDBD−PIDが定量分析のために使用される場合には、同一の補助流量が圧力勾配中にキャリアガス流量と無関係に維持され得ない限り、圧力勾配法に基づくGC分離を使用できない。
温度効果
先の研究を通じて、温度がヘリウム放電性能に影響を与えることが知られている。ここで、我々は、全体のμHDBD−PID性能に対する温度の影響を調べた。μHDBD−PIDを熱電ペルチェプレート(Digi−Key社から購入されたP/N CP30138)によって20℃から80℃(プレートの最高動作温度)まで4サイクルにわたって加熱した。図14に示される結果は、マルチサイクル加熱プロセスにおいて非常に再現性があり、μHDBD−PIDの熱的ロバスト性を証明している。温度が20℃から80℃まで上昇するにつれて、2.356ngヘプタンのピーク高さが2.5倍増加するが、ノイズレベルはそれよりもわずかに高くなり、結果として、SNRが5%減少する。実際には、信頼性のある性能を得るために、μHDBD−PIDの温度が一定に保たれるべきであり、また、温度勾配法がGC分離で使用されるときに分離カラムとμHDBD−PIDとの間の熱クロストークが回避されるべきである。
反応時間
フロースルー形態に起因して、μHDBD−PIDは検体に対して迅速に反応する。μHDBD−PIDと市販のFIDとの間の比較が、実質的に同一のピーク幅を示している図15Aに示された。実際に、内部チャンバ容積は、56ms(1.5mL/分流量を伴うガス掃引時間から計算される)と同じくらい急な最終ピーク幅に対応するたった1.4μLであった。μHDBD−PIDの死容積は、図15Bに示されるCOMSOLシミュレーションからわずか6nLであると推定され、したがって、テーリング効果を無視できる。我々は、揮発度が低いVOC(C−C12、25℃での蒸気圧:約1500Pa〜18Pa)を使用して、図16AのμHDBD−PIDの応答時間を更に特徴付けた。この場合、μHDBD−PIDは、GC炉の外側に室温で配置されるとともに、1mの長さのガードカラムを介して7mの長さの分離カラム(Rtx(登録商標)−VMS)に接続された。一方、市販のFIDが前記分離カラム(Rtx(登録商標)−VMS)に直接に接続されて300℃まで加熱された。比較結果が図16Bに与えられており、この結果は、C〜C12に関してピーク幅に差がないことを示している。したがって、我々のμHDBD−PIDを室温で安全に使用してC12よりも高い揮発度(蒸気圧=25℃で18Pa)を有するVOCを分析することができ、これは検出器加熱のためのエネルギーを節約するのに役立つ。後に、我々は、我々のμHDBD−PIDが凝縮効果を伴うことなく更に低い蒸気圧でVOCを検出できることを示す(「GC分離への応用」の節を参照)。
線形性
正確な定量分析を行なうためには、検体に対する線形応答が非常に望ましい。ここでは、数十pgから数十ngまでの範囲の注入質量をもつ8個の代表的な検体のピーク高さ応答曲線(数百ngの対である分離カラムのサンプル容量によって制限される)が図17A及び図17Bに示され、これは優れた線形性を示す(線形回帰パラメータに関する表2を参照)。前記検体に関するわずか数pgの検出限界(次の節を参照)を考えると、4桁を超える大きさの線形ダイナミックレンジを得ることができる。
表2.回帰パラメータ
Figure 0006929570
検出限界
図18は、図17A及び図17Bに示される8個のVOCに関する注入質量の対数の関数としてのピーク高さを注入質量で割ったプロットである。検出限界は、前記線形性試験における最小注入質量の結果に基づいて3つの標準偏差で計算された(図19参照)。8個のVOCの検出限界及び物理特性が表3に示される。
表3.8個のVOCの検出限界パラメータ及び物理特性
Figure 0006929570
ここでは、検出限界を改善するのに役立つ我々のμHDBD−PIDの形態について論議する価値がある。第1に、μHDBD−PID内の検体チャネル及びヘリウム放電チャネルが流体的に分離され(図15B参照)、それにより、入ってくる補助流によって引き起こされる検体希釈が防止される。第2に、μHDBD−PIDの電極はp型シリコンウエハの側壁全体から構成される。UV照射経路に沿うそのような長い電極(6mm)は、低い検出限界を促進する。同様に、最近の研究では、感度を高めるために複数の収集電極が使用された。第3に、2つの電極間のたった380μmの小さな隙間は、光イオン化によって生成されるイオン及び電子の効率的な収集を確保する。
GC分離への応用
図20及び図21では、μHDBD−PIDの全体的な性能が、永久ガスとEPA 8260標準試薬をそれぞれ検出することによって検査された。永久ガス(水素、窒素、及び、酸素)の混合物がTedlar(登録商標)バッグ内で調製されてPLOTカラムで分離された。窒素のイオン化電位が15.58eVと高い場合であっても、窒素を依然としてμHDBD−PIDによりイオン化して検出することができ、これは我々の検出器の普遍的な適用性を実証する。EPA 8260標準試薬のサブリストには51個のVOCが存在する。図21は、FID(300℃まで加熱される)とμHDBD−PID(室温で動作される)との間の比較を示し、この場合、47個のピークが完全に分離されて両方の検出器により検出される(典型的なピークのうちの幾つかに関する図22及び図23、並びに、51個のVOCの名前に関する表4も参照)。4つの共溶離剤を除き、分離されたすべての溶離剤は、両方の検出器に関して対称的なピーク形状と同等のピーク幅とを示す。特に、図23はクロマトグラムにおける最後の2つの検体(ナフタレン及び1,2,3−トリクロロベンゼン)を示し、これらの検体は、実際には、EPA 8260リストの#96及び#97の検体であり、25℃で11.3Pa及び28Paの蒸気圧をそれぞれ有する。2つの検出器間で比較しても、それらのそれぞれのピーク幅に差は見られず、これは、HDBD−PIDが凝縮の問題を伴うことなく10Paという低い蒸気圧を有するVOCをEPA8260のリスト中のナフタレン及び1,2,3−トリクロロベンゼンに至るまで扱うことができることを示唆している。
表4.51VOC
Figure 0006929570
非破壊評価及び長期動作評価
我々は、図24においてμHDBD−PIDの非破壊的性質を検査した。この場合、FIDは40cmのガードカラムを介してμHDBD−PIDに接続された。μHDBD−PIDプラズマを「オン」及び「オフ」にすることによってFIDのピーク高さを比較したところ、t検定により同じであることが分かった。最後に、μHDBD−PIDは優れたロバスト性を示した。3週間の長い動作中に1つの障害すら観察されなかった。
本発明は、サイズ、重量、製造の容易さ、コスト、電力消費量、検出限界、ダイナミックレンジ、応答時間、及び、検出器寿命において優れた特性及び性能を示す新規のμHDBD−PIDである。このμHDBD−PIDは、現場でのリアルタイムの高感度ガス分析のために携帯可能なマイクロGCシステムにおいて広く使用され得る。図25は、マイクロ流体チャネルにおけるイオン化反応及び結果として生じるピーク分離を含むμHDBD−PIDを示す。
本教示に関する更なる説明に関しては、添付書類Aに注意が向けられるべきであり、それにより、この添付書類Aは、本明細書中に組み入れられて本出願の一部をなす。
[実施例2]
ここで、検出器が製造された。検出器における形態が図26A及び図26Bに示される。この形態では、プラズマチャンバの容積が増大される。したがって、放電されたガスイオンは電子収集チャネル内へ送出される可能性が低い。付加的なシリコン壁が放電領域と信号収集領域との間に形成され、このシリコン壁は、ベースラインを減少させて信号オーバーシュートを防ぐためのイオン・アークシャッタとしての機能を果たす。
材料
P型、両面研磨、厚さ380μmのシリコンウエハが使用される。両面研磨BOROFLOAT(登録商標)33ホウケイ酸ガラスも使用される。
製造手順
陽極接合。
シリコンウエハ及びガラスウエハが65℃で10分間にわたってピラニアにより洗浄される。シリコンウエハ及びガラスウエハにクイックダンプリンス(QDR)及びスピンリンスドライ(SRD)が施される。シリコンウエハ及びガラスウエハが180℃で2分間にわたって焼成される。その後、陽極接合が350℃及び1300Vの電圧でSU−6E接合により実行される。図27Aは、ガラスウエハ上に配置されるシリコンウエハを示す。
フローチャネルエッチング。
プラズマクリーニングが、150℃において、800Wの電力、360秒、80sccmのOで実行される。4μmの厚さのSPR220 3.0が115℃において90秒間にわたりKarl suss ACS 200クラスタソフトベークで回転される。Karl suss MA−BAマスクアライニングシステムが10秒間にわたって露光される。ポストベークが115℃で90秒間にわたって行なわれる。現像がmikcorposit MF 300現像液を用いて45秒間にわたり行なわれる。1つのシリコンキャリアウエハにSantovac 5が取り付けられ、このシリコンキャリアウエハがスルーウエハエッチングのために10℃のバックカック温度で140サイクルにわたりSTS Pegasus 4上でエッチングされる。図27Bは、エッチングされたシリコンウエハを示す。
接着剤結合。
収率エンジニアリングシステム(YES)プラズマレシピ2(800W、360秒、80sccmのO、150℃を用いたDRIE残留物の酸素プラズマ洗浄が行なわれる。結合はNOA 81 UV接着剤を用いて行なわれる。
電極付着。
YESプラズマレシピ2(800W、360秒、80sccm O、150℃)を用いて深堀り反応性イオンエッチング(DRIE)残留物の酸素プラズマ浄化を行なう。CEE100Bを使用して、LOR−10Bを回転さる。500rpmで5秒間(拡散)+3000rpmで30秒間(回転)。ホットプレート上で6分間にわたり190℃で焼く。CEE100Bを使用して、S1813を回転させる。500rpmで5秒間(拡散)+4000rpmで30秒間(回転)。拭き取りによって覆われたホットプレート上で4分間にわたり115℃で焼く。裏側アライメントを使用して、MA/BA上でt=6.3秒SOFT接点を露光する。CEE現像液で現像する。AZ726 mif現像液30秒単一注ぎ(SP)を実行する。光学顕微鏡を使用して完全な現像及びアンダーカットに関してリソグラフィをチェックする。必要に応じて、AZ726 10秒SPレシピを使用して連続的に現像する。IR顕微鏡を使用して裏側アライメントが良好であることを確認する。金属を蒸発の直前に、YESプラズマ(100W、120秒、35sccm、60℃)でクイックOプラズマデスカムを実行する。ベース圧力が2μTorrを下回った時点で、Enerjet Evaporatorを実行してTi(300Å、10Å/秒)、Pt(500Å、5Å/s)を堆積させる。離昇を開始するために一晩Remover PGにウエハを浸す。ウエハ(最大で同時に2枚)を新鮮で熱い(80℃)MicroChem Remover PGに移し、20分間にわたって浸漬する。パーティクルを除去するためにIPAでウエハを洗浄する。その後、QDR及びN乾燥を行なう。他のガラス面についても同じプロセスを繰り返す。図27Dは、検出器上に配置される電極を示す。図28は、ナット接続のためのポートを伴うケースを示す。検出器は、その使用を簡単にするためにケース内に配置され得る。図29Aは検出器の写真である。ここでは、検出器が作動されて、ヘリウム(He)から紫外線を放射するプラズマが生成される。図29Bは検出器の写真であり、この場合、検出器はプラズマを生成するように作動されない。
実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的で与えられた。その説明は、包括的であるように意図されず、又は、開示を限定しようとするものではない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されず、適用可能な場合には置き換え可能であり、具体的に図示又は説明されない場合であっても選択された実施形態で使用され得る。また、同じことが多くの方法で変形されてもよい。そのような変形は、本開示から逸脱すると見なされるべきでなく、そのような修正のすべてが本開示の範囲内に含まれることが意図される。

Claims (21)

  1. サンプル成分をイオン化して検出するための放電イオン化電流検出器であって、前記サンプル成分がUV光によってイオン化され、前記検出器は、
    UV光源と、
    導電材料又は半導体材料を備える第1の表面と導電材料又は半導体材料を備える対向する第2の表面とを有するマイクロ流体チャネルであって、前記第1の表面及び前記第2の表面のうちの一方が収集電極であり、前記第1の表面及び前記第2の表面のうちの他方がバイアス電極であり、前記マイクロ流体チャネルがサンプル成分を受けるように構成される、マイクロ流体チャネルと、
    を備え、
    前記マイクロ流体チャネルは前記UV光源と流体連通しており、それにより、作動されると、前記UV光源からのUV光は、前記マイクロ流体チャネルに入って前記サンプル成分をイオン化することができ、その結果、電子が解放されるとともに、前記イオン化されたサンプル成分及び電子が前記収集電極及び前記バイアス電極によって検出される、放電イオン化電流検出器。
  2. 前記UV光源を前記マイクロ流体チャネルから分離する壁を更に備え、前記壁は、UV光が前記UV光源から前記マイクロ流体チャネルへと選択的に通過できるようにする開口部を備える、請求項1に記載の放電イオン化電流検出器。
  3. 前記UV光源は、第1のプラズマ誘導電極と反対側の第2のプラズマ誘導電極とを備えるプラズマ生成手段を備え、前記第1及び第2のプラズマ誘導電極が反対側にある誘電体バリア層上に配置される、請求項1に記載の放電イオン化電流検出器。
  4. 前記誘電体バリア層が個々に約1μm以上約500μm以下の厚さを有する請求項3に記載の放電イオン化電流検出器。
  5. 前記プラズマ誘導電極間の距離が3mm未満である請求項3に記載の放電イオン化電流検出器。
  6. 前記プラズマ生成手段の前記誘電体バリア層が個々に約1μm以上約500μm以下の厚さを有し、前記プラズマ誘導電極間の距離が約3mm以下である、請求項3に記載の放電イオン化電流検出器。
  7. 前記マイクロ流体チャネルは、第1の端部にある少なくとも1つのサンプル成分入口部と少なくとも1つの出口部とを更に備え、それにより、前記少なくとも1つのサンプル成分入口部は、サンプル成分が前記マイクロ流体チャネルを通じて流れることができるようにするとともにサンプル成分をUV光によってイオン化できるようにし、前記出口部は、イオン化されたサンプル成分を前記検出器から除去できるようにする、請求項1に記載の放電イオン化電流検出器。
  8. 前記マイクロ流体チャネルから前記出口部まで延在する出口チャネルを更に備える請求項7に記載の放電イオン化電流検出器。
  9. 前記UV光源がプラズマ生成手段を備え、前記プラズマ生成手段は、
    第1の導電材料がその第1の露出面上に配置される第1の誘電体バリア層と、
    第2の導電材料が第2の露出面上に配置される反対側の第2の誘電体バリア層と、
    を備え、
    プラズマ生成ボイドが前記第1及び第2の誘電体バリア間に画定され、前記プラズマ生成ボイドがプラズマ生成チャネル又はプラズマ生成チャンバのいずれかである、請求項1に記載の放電イオン化電流検出器。
  10. 前記プラズマ生成ボイドが約1mm以上約20mm以下の容積を有するプラズマ生成チャンバである請求項9に記載の放電イオン化電流検出器。
  11. サンプル成分をイオン化して検出するための放電イオン化電流検出器であって、放電によってもたらされるプラズマを使用して前記サンプル成分がイオン化され、
    サンプル成分入口と、前記入口から延在するマイクロ流体チャネルと、前記マイクロ流体チャネルの第1の側壁を画定する表面を有する第1の電極と、前記マイクロ流体チャネルの第2の側壁を画定する表面を有する第2の電極とを備え、前記第2の側壁が前記第1の側壁の反対側にあり、前記マイクロ流体チャネルが、前記第1の電極と前記第2の電極との間の空間によって規定される約1μm以上約1mm以下の幅を有する、サンプル成分検出部と、
    ガス入口と、下端誘電体バリア層と上端誘電体バリア層との間に画定されて前記ガス入口と流体連通するプラズマ生成ボイドを備え、前記上端誘電体バリアが前記下端誘電体バリアの反対側にあり、前記下端誘電体バリア層及び前記上端誘電体バリア層が独立して約1μm以上約500μm以下の厚さを有する、プラズマ生成部と、
    を備え、
    前記サンプル成分検出部の前記マイクロ流体チャネルが前記プラズマ生成部の前記プラズマ生成ボイドと流体連通する、
    放電イオン化電流検出器。
  12. 前記検出器の一方側で前記マイクロ流体チャネルから第1のサンプル成分出口まで延在する第1のサンプル成分出口チャネルを更に備え、前記第1の電極の第2の表面及び前記第2の電極の第2の表面のうちの一方が前記第1のサンプル成分出口チャネルの側壁を画定する、
    請求項11に記載の放電イオン化電流検出器。
  13. 前記検出器の一方側で前記マイクロ流体チャネルから第2のサンプル成分出口まで延在する第2のサンプル成分出口チャネルを更に備え、前記第1の電極の前記第2の表面及び前記第2の電極の前記第2の表面のうちの他方が前記第2のサンプル成分出口チャネルの側壁を画定する、請求項12に記載の放電イオン化電流検出器。
  14. 前記第1の出口チャネルは、前記プラズマ生成部から生成されるイオン化光が前記サンプル成分検出部に選択的に入ることができるようにする開口部を有する壁によって長手方向で分岐される請求項13に記載の放電イオン化電流検出器。
  15. 前記壁が前記プラズマ生成部を前記サンプル成分検出部から分離する請求項14に記載の放電イオン化電流検出器。
  16. 前記プラズマ生成ボイドが約1mm以上約20mm以下の容積を有するプラズマ生成チャンバである請求項11に記載の放電イオン化電流検出器。
  17. ガードカラムが前記検体入口及び前記ガス入口に配置される請求項11に記載の放電イオン化電流検出器。
  18. サンプル成分を検出する方法であって、前記方法は、
    下端誘電体バリア層と上端誘電体バリア層との間に画定されるプラズマ生成ボイド内でイオン化光を放出するプラズマを生成するステップであって、前記下端誘電体バリア層及び前記上端誘電体バリア層が独立して約1μm以上約500μm以下の厚さを有する、ステップと、
    マイクロ流体チャネルの全体にわたってバイアス電圧を印加するステップであって、前記マイクロ流体チャネルが前記マイクロ流体チャネルの第1の壁を画定する第1の電極と前記マイクロ流体チャネルの第2の壁を画定する第2の電極との間に配置され、前記第2の壁が約1μm以上約1mm以下の距離を隔てて前記第1の壁と対向する、ステップと、
    前記マイクロ流体チャネルを通じてサンプル成分を送出するステップであって、前記イオン化光が、前記サンプル成分と接触して前記サンプル成分をイオン化し、サンプル成分カチオン及び電子を生成する、ステップと、
    前記第1及び第2の電極で前記サンプル成分カチオン及び前記電子を検出するステップと、
    を含む方法。
  19. 前記プラズマは、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、窒素(N)、及び、これらの組み合わせからなるグループから選択されるガスから生成される請求項18に記載の方法。
  20. 前記イオン化光は、前記サンプル成分と接触してこのサンプル成分をイオン化する前に壁の開口部を通過し、前記壁は、前記プラズマが前記サンプル成分及び前記電極と接触するのを妨げる、請求項18に記載の方法。
  21. 前記サンプル成分が送出前にガスクロマトグラフィーによりサンプル混合物から分離される請求項18に記載の方法。
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