JP6928843B2 - レーダ装置およびレーダ装置の対象物検出方法 - Google Patents

レーダ装置およびレーダ装置の対象物検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーダ装置およびレーダ装置の対象物検出方法に関するものである。
近年、車両の周辺に存在する対象物(例えば、他の車両、歩行者、障害物等)を検出可能なレーダ装置が多く使われるようになってきた。
このようなレーダ装置では、送信部から送信アンテナを介して送信された電磁波が、対象物によって反射され、受信アンテナを介して受信部によって受信される。しかし、送信部から受信部へ信号が直接回り込むことがある。そのような場合には、回り込んだ信号がノイズとなって、至近距離に存在する対象物の検出が困難になる。
そこで、特許文献1には、送信による妨害波の影響を抑えつつ、0mに限りなく近い至近距離の測定を可能にする近距離パルスレーダー装置が開示されている。この構成においては高周波回路をディスクリートに構成し、送信信号波の受信部への回り込みを回路構成や位相調整によって低減する手法が採用されている。
また、特許文献2には、ディスクリートな回路構成だけでなくMMICを用いたレーダ構成が開示されている。この例においては送信部におけるMMICと受信部におけるMMICが別体として各々設置された構成において、送信部から受信部に空間を介して回りこむ課題に対して、シールド部にチョーク構造を設けることでその抑制を図っている。
また、特許文献3には、レーダの所望のターゲット信号ではないバンパーのような車体の一部による不要信号に対して、前述のようなレーダ内部に存在する送信部から受信部に回り込む信号を移相器によって位相制御することで打ち消すことで両者不要な回り込みを互いにキャンセルさせるような技術が示されている。
さらに、特許文献4には、レーダの主要送信時間外における受信レベルを低減すべく、移相器を用いた位相制御を各送信アンテナ系列に対して実施する技術が開示されている。これにより主要送信時間外における位相状態を主要送信時間における所望の位相状態とは異なる状態とし、送信アンテナの放射パターンの制御によって主要送信時間外のレベル低減をはかっている。
特開2017−198474号公報 特開2014−093446号公報 特開2015−102458号公報 特開2010−197232号公報
しかしながら、特許文献1に示す技術は、ディスクリートな回路そのものによって回り込みの低減を図るものであり、回路としての一体化、小型化はなされていない。また送信系列および受信系列についてそれぞれ1系列だけを有す例であり送受複数系統を有した場合の回り込み低減を図るものではない。
また、特許文献2に示す技術では、送信部と受信部がそれぞれ独立したMMICとなっている。送受信が一体となったMMICである場合、MMIC外の空間による回り込みにくらべ、MMIC内部での回り込みが発生しやすい状況では、十分低減することができないという問題点がある。
また、特許文献3に示す技術では、レーダ装置の外的要因に対応すべく任意の位相に設定が可能な移相器が必要なことから、装置が高価になるという問題点がある。
さらに、特許文献4に示す技術では、各送信アンテナ系列に対して位相制御を実施しているが、時間的に変化させる移相器を前提にする制御であることから、レーダ装置が高価で大型となるという問題点がある。また、回り込み信号と所望信号を同時に受信する状況において適用できないという問題がある。
本発明は、送信回路から受信回路への信号の回り込みによる影響を簡易な回路構成によって低減することが可能なレーダ装置およびレーダ装置の対象物検出方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、対象物を検出するレーダ装置において、複数の送受信系列を構成する1系列以上の送信アンテナおよび1系列以上の受信アンテナと、前記送信アンテナおよび前記受信アンテナに対して、送信信号および受信信号の入出力を行うとともに、前記受信信号をより低い周波数へ周波数変換する周波数変換手段と、前記周波数変換手段によって周波数変換された送受信系列信号の位相差を含む情報に基づいて前記対象物の方位を推定する推定手段と、前記周波数変換手段よりも低周波側において前記送受信系列信号の位相を調整する第1調整手段と、前記周波数変換手段よりも高周波側において前記第1調整手段による位相調整を打ち消すように前記送受信系列信号の位相を調整する第2調整手段と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、送信回路から受信回路への信号の回り込みによる影響を簡易な回路構成によって方位軸によって分離することで所望の信号の検出が可能になる。
また、本発明は、前記周波数変換手段は、前記送信アンテナへ前記送信信号を出力する送信部と、前記受信アンテナから前記受信信号が入力される受信部と、を有する集積回路として構成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、小型に構成することができ、かつ回り込み信号を低減することができる。
また、本発明は、前記第2調整手段は、前記周波数変換手段と、前記送信アンテナまたは前記受信アンテナの間の伝送路の線路長の少なくとも2つが互いに異なることで位相が調整されていることを特徴とする。
このような構成によれば、高周波領域の特徴である、わずかな線路の経路長の調整により簡易に位相調整が可能となる回路構成によって、第1調整手段による、対象物からの反射信号に対する影響を低減することができる。
また、本発明は、前記第1調整手段は、前記送受信系列信号に対してデジタル信号処理を施すことで位相を調整することを特徴とする。
このような構成によれば、わずかな線路の経路長での調整ができない低周波領域において所望の特性を部品追加ものなく、簡易に実現することができる。
また、本発明は、前記周波数変換手段は、前記送信アンテナへ前記送信信号を出力する送信部と、前記受信アンテナから前記受信信号が入力される受信部と、を有し、前記第1調整手段は、前記送信部から前記受信部に回り込む回り込み信号の位相を調整することで、方位を検出する検出角度範囲外に前記回り込み信号を移動させることを特徴とする。
このような構成によれば、位相の調整によって、回り込み信号を検出角度範囲外に移動させることができ、検出角度範囲内における回り込み信号を低減し、所望の信号の強度を相対的に確保することが可能となる。
また、本発明は、前記送信アンテナのうちの隣接する1組の前記送信アンテナ、または、前記受信アンテナのうちの隣接する1組の前記送信アンテナは、前記受信信号の波長をλとするときに、λ/2の間隔で配置され、前記第2調整手段は、隣接する少なくとも1組の前記送信アンテナまたは前記受信アンテナに対応する前記送信信号または前記受信信号に対して略逆位相となるように位相調整を行う、ことを特徴とする。
このような構成によれば、隣あう系列の回り込み位相が略同相かつ、アンテナの配置が角度検出に実用的なλ/2間隔となるケースにおいて、回り込み信号を検出範囲外に効果的に移動させることが可能になる。
また、本発明は、前記集積回路の前記送信部から前記受信部への回り込み信号の送信系列同士または受信系列同士が略同相となるように設定されていることを特徴とする。
このような構成によれば、原理的に回り込みの組み合わせ数に比べて調整パラメータが不足する状況において、回り込み組み合わせ数を低減することが可能となり、回り込みによる影響を確実に低減することができる。
また、本発明は、前記集積回路と前記送信アンテナとを接続する伝送路、または、前記集積回路と前記受信アンテナとを接続する伝送路は、前記集積回路の中心を通る線分に対して線対称に配置されていることを特徴とする。
このような構成によれば、温度、湿度のような環境変化による影響を低減することができる。
また、本発明は、前記第1調整手段は、前記送信部から前記受信部への回り込み信号のピークが、検出範囲の中心から45度以上の角度になるように位相の調整を行うことを特徴とする。
このような構成によれば、検出範囲の半分以上の検出を確保することができる。
また、本発明は、前記集積回路は多角形状であるとともに、当該多角形状の辺に沿って、複数の伝送路が接続される複数のポートを有し、前記集積回路と前記送信アンテナとを接続する伝送路と、前記集積回路と前記受信アンテナとを接続する伝送路と、は互いに異なる辺に沿ったポートに接続される、ことを特徴とする。
このような構成によれば、送信アンテナから受信アンテナへの回り込み信号を低減することができる。
本発明によれば、送信回路から受信回路への信号の回り込みによる影響を簡易な回路構成によって低減することが可能なレーダ装置およびレーダ装置の対象物検出方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係るレーダ装置の構成例を示す図である。 従来のレーダ装置の構成を示す図である。 図2に示すレーダ装置の動作を説明するための図である。 図2に示すレーダ装置に位相調整部を付加した構成例である。 図4に示すレーダ装置の動作を説明するための図である。 図1に示すレーダ装置の動作を説明するための図である。 図1に示すレーダ装置の動作を説明するための図である。 本発明の他の実施形態を示す図である。 MMICの具体的な構成例を示す図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(A)本発明の実施形態の構成の説明
図1は、本発明の実施形態に係るレーダ装置の構成例を示す図である。この図に示すように、本発明の実施形態に係るレーダ装置10は、例えば、自動車等の車両に搭載され、車両の周囲に存在する他の車両、歩行者、障害物等の対象物を検出する。
ここで、レーダ装置10は、MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)11、送信アンテナ12−1〜12−2、位相調整部13−2,13−4,13−5、受信アンテナ14−1〜14−4、増幅回路15、A/D(Analog to Digital)変換部16、および、信号処理部17を有している。なお、図1に示す実施形態の構成はあくまで一例であり、任意の機能ブロックであってよい。例えば、図1の実施形態では、MMIC11と、増幅回路15およびA/D変換部16は、独立した構成とされているが、増幅回路およびA/D変換部16の少なくとも一方をMMIC11に内蔵する構成としてもよい。また、増幅回路15も必ずしも必要なく、フィルタ等の任意の機能ブロックを設けるようにしてもよい。また、図1の例では、送信アンテナ12−2および受信アンテナ14−2,14−3に位相調整部13−2,13−4,13−5を設け、信号処理部17では、送受信系列Tx1Rx2,Tx1Rx3,Tx2Rx1,Tx2Rx4に位相調整部17−2,17−3,17−5,17−8を設けているが、これらは一例であって、これら以外の組み合わせで設けるようにしてもよい。
ここで、MMIC11は、半導体集積回路によって構成され、例えば、送信部においては制御信号や高周波発振器等の動作により高周波信号を生成して送信ポートから出力し、送信アンテナ12−1〜12−2から送信する。また、送信アンテナ12−1〜12−2から高周波信号が送信され、対象物で反射された反射波を受信アンテナ14−1〜14−4を介して受信し、受信部において受信ポートから入力された高周波信号を低雑音増幅等の処理を介した後、低周波信号に周波数変換して出力する。
送信アンテナ12−1〜12−2は、MMIC11から供給される高周波信号を電磁波として対象物に向けて送信する。受信アンテナ14−1〜14−4は、送信アンテナ12−1〜12−2から送信され、対象物によって反射された反射波を受信し、電気信号に変換してMMIC11に供給する。なお、受信信号の波長をλとするとき、受信アンテナ14−1〜14−4は、グレーティングローブ抑制の観点から略λ/2の間隔で配置されている。また、送信アンテナ12−1〜12−2は、4つの受信アンテナ14−1〜14−4の両脇、または、下部もしくは上部に配置される。
位相調整部13−2,13−4,13−5は、送信アンテナ12−2および受信アンテナ14−2,14−3を伝送される高周波信号の位相を調整して出力する。
増幅回路15は、MMIC11による周波数変換によって低周波信号に変換された信号を入力し、所定のゲインで増幅して出力する。
A/D変換部16は、増幅回路15から出力されるアナログ信号を、所定のサンプリング周期でサンプリングし、デジタル信号に変換して出力する。
信号処理部17は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)等によって構成される。信号処理部17は、A/D変換部16から供給されるデジタル信号に対して、例えば、FFT(Fast Fourier Transform)処理、対象物検出処理、クラスタリング処理、および、トラッキング処理等のデジタル処理を施し、得られた対象物に関する情報を、例えば、上位の処理装置であるECU(Electric Control Unit)に通知する。
(B)実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の実施形態の動作を説明する。以下では、図2〜図5を参照して本発明の実施形態の動作原理について説明した後、詳細な動作について説明する。
図2は、本実施形態の特徴部分(位相調整部13−2,13−4,13−5および位相調整部17−2,17−3,17−5,17−8)を有しない、従来の構成例を示す図である。図2に示す構成では、例えば、MMIC11の内部および周辺において、MMIC11に内蔵されている送信部から受信部への送信信号の回り込み(以下、「周り込み信号」と称する)が発生する。図2では、太線の矢印によって、送信部から受信部への回り込み信号を示している。
このような回り込み信号が発生すると、MMIC11は、高周波信号としての回り込み信号を周波数変換し、低周波信号として出力する。なお、送信アンテナ12−1〜12−2から送信され、対象物によって反射され、受信アンテナ14−1〜14−4によって受信された高周波信号についても同様に低周波信号に変換されて出力される。
MMIC11から出力された信号は、増幅回路15によって所定のゲインで増幅された後、A/D変換部16によってデジタル信号に変換され、信号処理部17に供給される。
信号処理部17は、A/D変換部16から供給されるデジタル信号に基づいて、対象物を検出する処理を実行する。ここで、図1および図2に示す例では、2つの送信アンテナ12−1〜12−2を有し、4つの受信アンテナ14−1〜14−4を有している。MMIC11は、2つの送信アンテナ12−1〜12−2から電磁波を順次送信するとともに、4つの受信アンテナ14−1〜14−4によって順次受信する。このような送信アンテナ12−1〜12−2と、受信アンテナ14−1〜14−4の組み合わせにより、8つの送受信系列Tx1Rx1,Tx1Rx2,Tx1Rx3,Tx1Rx4,Tx2Rx1,Tx2Rx2,Tx2Rx3,Tx2Rx4が形成される。レーダ装置10は、このような送受信系列によって得られる信号(以下、「送受信系列信号」と称する)の位相差を含む情報を処理することで、対象物の存在する角度(方位)を検出することができる。
信号処理部17は、A/D変換部16から供給されるデジタル信号に基づいて、送受信系列信号の位相差を含む情報から角度特性を算出する等の処理を実行するが、前述した回り込み信号についても、対象物からの送受信系列信号と同様に処理される。このような回り込み信号は、対象物からの信号に対してノイズとして作用する。
図3は、図2に示す回り込みが発生した場合の角度特性を示す図である。図3において、横軸は角度(deg)を示し、縦軸はレーダが検出した振幅(au(arbitrary unit))を示している。また、図3では、レーダ装置10の前方の+20degの位置に対象物が存在している場合を示している。また、回り込み信号としては、以下の式(1)に示す送受信系列である場合を想定する。なお、等号に続く[]内は、それぞれの回り込み信号の位相を示している。なお本案では角度検出にFFT処理を例示するが、MUSIC法等の他の処理においても適用できる。
[Tx1Rx1, Tx1Rx2, Tx1Rx3, Tx1Rx4, Tx2Rx1, Tx2Rx2, Tx2Rx3, Tx2Rx4]
=[0deg, 0deg, 180deg, 180deg, 180deg, 180deg, 0deg, 0deg] ・・・(1)
図3において、実線は回り込み信号が存在しない場合の理想的な特性を示しており、+20degの位置に対象物に対応したピークが存在している。また、破線は、回り込み信号の特性を示しており、+20degの位置だけでなく、−20degの位置にもピークが存在するとともに、+40degおよび−40degの位置にも小さなピークが存在している。また、図3の例では、周り込み信号の方が、対象物からの信号よりも振幅が大きくなっている。このため、回り込み信号が存在する場合には、誤検出が生じたり、対象物が検出できなかったりする場合がある。
そこで、回り込み信号を検出範囲外へ除去することを考える。まず、前述した回り込み信号の位相に基づいて、回り込み信号を検出範囲外に追いやるための位相補正を、信号処理部17で実行する場合、以下の式(2)に示す補正を行う。なお、ΔTx1は送信信号Tx1に対する移相量を示し、ΔTx2は送信信号Tx2に対する移相量を示し、ΔRx1は受信信号Rx1に対する移相量を示し、ΔRx2は受信信号Rx2に対する移相量を示し、ΔRx3は受信信号Rx3に対する移相量を示し、ΔRx4は受信信号Rx4に対する移相量を示している。
[ΔTx1, ΔTx2, ΔRx1, ΔRx2, ΔRx3, ΔRx4]
=[0deg, 180deg, 0deg, 180deg, 180deg, 0deg] ・・・(2)
式(2)を、送受信系列毎にまとめると以下の式(3)のようになる。
[Tx1Rx1, Tx1Rx2, Tx1Rx3, Tx1Rx4, Tx2Rx1, Tx2Rx2, Tx2Rx3, Tx2Rx4]
=[0deg, 180deg, 180deg, 0deg, 180deg, 0deg, 0deg, 180deg] ・・・(3)
このような位相調整を実現するために、図4に示すように、信号処理部17において、送受信系列Tx1Rx2,Tx1Rx3,Tx2Rx1,Tx2Rx4に対して、位相調整部17−2,17−3,17−5,17−8を設けて、位相の調整を行う。なお、信号処理部17は、デジタル信号処理部であるので、位相調整部17−2,17−3,17−5,17−8は、プログラム等によって実現することができる。
以上のような位相補正を、信号処理部17において実行することで、図3に破線で示す回り込み信号がある場合の角度特性は、図5に破線で示すように、検出範囲である−50〜+50degの範囲外に追いやられている。
なお、このとき、回り込み信号の位相は以下の式(4)のようになる。
[Tx1Rx1, Tx1Rx2, Tx1Rx3, Tx1Rx4, Tx2Rx1, Tx2Rx2, Tx2Rx3, Tx2Rx4]
= [0deg, 180deg, 0deg, 180deg, 0deg, 180deg, 0deg, 180deg] ・・・(4)
すなわち、信号処理部17における位相の補正処理によって、レーダ装置10における検出範囲外に回り込み成分を方向付けたと言うことができる。
ところで、図4に示す例では、回り込み信号に対して位相の調整処理が実施されるのみならず、対象物からの反射信号に対しても位相の調整処理が実行される。このため、図5に示すように、実線で示す反射信号のピークが+20degではなく、−20degに現れるとともに、それ以外の角度にもピークが現れている。
そこで、図1に示すように、MMIC10の高周波ポートに接続されている線路に対して位相調整部13−2,13−4,13−5を設け、信号処理部17の位相調整部17−2,17−3,17−5,17−6における位相調整とは逆方向となる、以下の式(5)に示す、位相調整を実施する。なお、このような位相調整は、伝送路の線路長を調整することで実現できる。
[ΔTx1, ΔTx2, ΔRx1, ΔRx2, ΔRx3, ΔRx4 ]
= [0deg, -180deg, 0deg, -180deg, -180deg, 0deg ] ・・・(5)
これにより、式(2)に示す、信号処理部17における位相調整が相殺されるので、移相量が0となる。なお、回り込み信号は、位相調整部13−2,13−4,13−5は通過しないので、これらの影響を受けることはない。
図6は、図1に示す実施形態による検出結果を示している。図6に実線で示すように、対象物からの反射信号は、対象物が存在する+20degの位置にピークが存在し、それ以外のピークは+20degのピークに比較すると十分に小さい。また、図6に破線で示す回り込み信号は、検出範囲である−50〜+50degには大きなピークは存在せず、−50〜+50degの範囲外に追いやられていることが分かる。なお、レーダ装置10の検出範囲が−90〜+90degである場合、回り込み信号のピークを−45〜+45degの範囲外に移動させることで、検出範囲の半分以上の領域を検出可能となる。
以上に説明したように、本発明の実施形態によれば、回り込み信号に対応した位相調整処理を、MMIC11の低周波側である信号処理部17において実行するとともに、位相調整処理と逆方向の位相調整を、MMIC11の高周波側において実行することで、回り込み信号を検出範囲外に移動させるとともに、対象物については、正常に検出することができる。
また、本実施形態では、回り込み信号を検出範囲外に追いやることで、極近距離におけるノイズを減らし、極近距離に存在する対象物の検出を容易化することができる。図7は、極近距離(例えば5m以内程度)における受信振幅を示している。図7において、破線は回り込み信号を示し、実線は極近距離に存在する対象物からの信号を示している。なお、図7の横軸は受信時間、それから換算される距離を示し、縦軸は信号の振幅を示している。回り込み信号は、送信アンテナ12−1〜12−2および受信アンテナ14−1〜14−4を経由せずに受信されることで、例えば1m以内に不要信号として存在することから、極近距離に存在する対象物との弁別が困難である。しかしながら、本実施形態では、回り込み信号に特有の位相に基づく処理を実行することで、これらを容易に弁別することができる。なお、ここでの信号の幅はレーダの使用帯域幅に依存し、本案技術は、レーダ自身における回り込む信号の幅以内の極近距離に特に好適である。
(C)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、図1に示す実施形態では、送信アンテナ12−2および受信アンテナ14−2,14−3に対して位相調整部13−2,13−4,13−5を設け、信号処理部17に位相調整部17−2,17−3,17−5,17−8を設けるようにしたが、図1は、一例であって、回り込み信号によっては、これ以外の組み合わせとしてもよい。
また、図1に示す、送受信部が一体的に構成され、複数の送受信系列を有し、かつ小型(例えば、MMICの占有面積100mm以内、または、方形状をなすMMICの1辺の長さが波長程度)に構成されるMMIC11の場合、チップ内配置設計上隣り合う送受信系列信号が略同相となる場合がある。受信アンテナ14−1〜14−4および送信アンテナ12−1〜12−2は、グレーティングローブ抑制の観点よりλ/2間隔で配置されることがあり、同相の回り込み成分を検出範囲外へ移動させる場合、正面方向を検出範囲とするレーダ装置10では、隣り合う送受信系列信号を逆相に設定することで、効率良く処理することができる。
また、図8に示すように、全ての送信アンテナ12−1〜12−2および受信アンテナ14−1〜14−4に対して位相調整部13−1〜13−6を設けるとともに、全ての送受信系列に対応する位相調整部17−1〜17−6を信号処理部17に設けるようにしてもよい。なお、位相調整部17−1〜17−6による移相量は、デジタル信号処理によって調整することから、係数を調整すればよい。また、位相調整部13−1〜13−6については、図8に示すように、位相調整部17−1〜17−6による移相量を相殺できる線路長になるように調整すればよい。
なお、図1および図8に示す実施形態では、位相調整部17−1〜17−6の移相量は固定である場合を例に挙げて説明したが、例えば、位相調整部17−1〜17−6のそれぞれについて、線路長が異なる伝送路を複数準備し、これらの伝送路の中からスイッチによって所望の線路長の伝送路を選択することで、移相量を可変としてもよい。
また、以上の実施形態では、位相調整部13−1〜13−6および位相調整部17−1〜17−4の移相量としては、説明を簡略化するために、180degまたは−180degとしたが、これ以外の値の移相量としてもよい。
また、以上の実施形態では、MMIC11の詳細な構成については説明していないが、図9に示すような構成としてもよい。図9の例では、略方形状をなすMMICの各辺の部分に設けられた送信アンテナ12−1〜12−2が接続される高周波ポートPT1〜PT2と、受信アンテナ14−1〜14−4が接続される高周波ポートPR1〜PR4とは、離れた位置(異なる辺)に配置されている。また、MMIC11の中心を通る破線の線分に対して、送信アンテナ12−1〜12−2に接続される伝送路と、受信アンテナ14−1〜14−4に接続される伝送路とが線対称となるように配置されている。このように、送信アンテナ12−1〜12−2が接続される高周波ポートPT1〜PT2と、受信アンテナ14−1〜14−4が接続される高周波ポートPR1〜PR4とを離れた位置に配置することで、送信側から受信側への回り込み信号を低減することができる。また、MMIC11の中心を通る破線の線分に対して、送信アンテナ12−1〜12−2に接続される伝送路と、受信アンテナ14−1〜14−4に接続される伝送路とが線対称となるように配置することで、例えば、温度や湿度等による影響を略等しくすることができるので、全ての伝送路が受ける影響を略等しくし、特定の伝送路のみが大きな影響を受けることを防止できる。なお、MMICが略正方形状であれば、当該正方形の1つの対角線に対し線対称となる様に配置するようにしてもよい。さらに、図9の例では、四角形状としたが、多角形状であれば、本願発明を適用することができる。
また、図1および図8に示す実施形態では、調整対象となる位相は、送信系列が2で、受信系列が4の場合、2×4=8となるが、高周波側で調整可能な位相(位相調整部13−1〜13−6で調整可能な位相)は、2+4=6となる。このため、位相調整部13−1〜13−6だけでは全ての位相を完全に調整することはできない。そこで、送信系列または受信系列のいずれかの回り込みが全て同相となるように設定することで、調整対象を減らすことをより確実に行うことができる。
10 レーダ装置
12−1〜12−2 送信アンテナ
13−1〜13−6 位相調整部
14−1〜14−4 受信アンテナ
15 増幅回路
16 A/D変換部
17 信号処理部
17−1〜17−8 位相調整部

Claims (10)

  1. 対象物を検出するレーダ装置において、
    複数の送受信系列を構成する1系列以上の送信アンテナおよび1系列以上の受信アンテナと、
    前記送信アンテナおよび前記受信アンテナに対して、送信信号および受信信号の入出力を行うとともに、前記受信信号をより低い周波数へ周波数変換する周波数変換手段と、
    前記周波数変換手段によって周波数変換された送受信系列信号の位相差を含む情報に基づいて前記対象物の方位を推定する推定手段と、
    前記周波数変換手段よりも低周波側において前記送受信系列信号の位相を調整する第1調整手段と、
    前記周波数変換手段よりも高周波側において前記第1調整手段による位相調整を打ち消すように前記送受信系列信号の位相を調整する第2調整手段と、
    を有することを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記周波数変換手段は、前記送信アンテナへ前記送信信号を出力する送信部と、前記受信アンテナから前記受信信号が入力される受信部と、を有する集積回路として構成されていることを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記第2調整手段は、前記周波数変換手段と、前記送信アンテナまたは前記受信アンテナの間の伝送路の線路長の少なくとも2つが互いに異なることで位相が調整されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレーダ装置。
  4. 前記第1調整手段は、前記送受信系列信号に対してデジタル信号処理を施すことで位相を調整することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  5. 前記周波数変換手段は、
    前記送信アンテナへ前記送信信号を出力する送信部と、
    前記受信アンテナから前記受信信号が入力される受信部と、を有し、
    前記第1調整手段は、前記送信部から前記受信部に回り込む回り込み信号の位相を調整することで、方位を検出する検出角度範囲外に前記回り込み信号を移動させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  6. 前記送信アンテナのうちの隣接する1組の前記送信アンテナ、または、前記受信アンテナのうちの隣接する1組の前記送信アンテナは、前記受信信号の波長をλとするときに、λ/2の間隔で配置され、
    前記第2調整手段は、隣接する少なくとも1組の前記送信アンテナまたは前記受信アンテナに対応する前記送信信号または前記受信信号に対して略逆位相となるように位相調整を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  7. 前記集積回路の前記送信部から前記受信部への回り込み信号の送信系列同士または受信系列同士が略同相となるように設定されていることを特徴とする請求項2に記載のレーダ装置。
  8. 前記集積回路と前記送信アンテナとを接続する伝送路、または、前記集積回路と前記受信アンテナとを接続する伝送路は、前記集積回路の中心を通る線分に対して線対称に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のレーダ装置。
  9. 前記第1調整手段は、前記送信部から前記受信部への回り込み信号のピークが、検出範囲の中心から45度以上の角度になるように位相の調整を行うことを特徴とする請求項2に記載のレーダ装置。
  10. 前記集積回路は多角形状であるとともに、当該多角形状の辺に沿って、複数の伝送路が接続される複数のポートを有し、
    前記集積回路と前記送信アンテナとを接続する伝送路と、前記集積回路と前記受信アンテナとを接続する伝送路と、は互いに異なる辺に沿ったポートに接続される、
    ことを特徴とする請求項2または7乃至9のいずれか1項に記載のレーダ装置。
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