JP2019060732A - レーダ装置および位相補償方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる受信IC間の位相差を補償すること。【解決手段】実施形態に係るレーダ装置は、複数の受信アンテナと、第1の送信アンテナおよび第2の送信アンテナと、位相補償部とを備える。複数の受信アンテナは、複数の受信回路に設けられる。第1の送信アンテナおよび第2の送信アンテナは、受信アンテナの位置が仮想的に重なるように受信アンテナから所定の間隔を空けて設けられる。位相補償部は、上記仮想的に重なるように設けられた各々の受信アンテナが受信した各々の受信信号の比較結果に基づき、第1および第2の送信アンテナから送信された各々の送信波の反射波の受信回路間の位相差を補償する。【選択図】図2

Description

開示の実施形態は、レーダ装置および位相補償方法に関する。
従来、車両などに搭載され、かかる車両から送信した送信波が物標に当たって反射した反射波を複数の受信アンテナを用いて受信し、かかる受信アンテナ間の受信信号の位相差を利用して物標が存在する角度を検出するレーダ装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2011−033498号公報
しかしながら、上述した従来技術には、異なる受信IC(Integrated Circuit)間の位相差を補償するうえで更なる改善の余地がある。
具体的には、受信アンテナのチャンネル本数は検知可能な範囲や物標数に影響し、一般的に多チャンネルであるほど高性能であると言える。ただし、受信アンテナが接続され、受信波を処理する受信ICにはチャンネル数に限りがあるため、多チャンネル化を図る場合には複数の受信ICを使用せざるを得ない。
しかしながら、受信ICが異なれば個体差などがあるため、受信IC間の位相差は、温度差等の環境変化や長期間の使用が進むに連れて、受信IC間で誤差が生じてしまうおそれがある。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、異なる受信IC間の位相差を補償することができるレーダ装置および位相補償方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るレーダ装置は、複数の受信アンテナと、第1の送信アンテナおよび第2の送信アンテナと、位相補償部とを備える。前記複数の受信アンテナは、複数の受信回路に設けられる。前記第1の送信アンテナおよび第2の送信アンテナは、前記受信アンテナの位置が仮想的に重なるように前記受信アンテナから所定の間隔を空けて設けられる。前記位相補償部は、前記仮想的に重なるように設けられた各々の前記受信アンテナが受信した各々の受信信号の比較結果に基づき、前記第1および第2の送信アンテナから送信された各々の送信波の反射波の前記受信回路間の位相差を補償する。
実施形態の一態様によれば、異なる受信IC間の位相差を補償することができる。
図1Aは、第1の実施形態に係る位相補償方法の概要説明図(その1)である。 図1Bは、第1の実施形態に係る位相補償方法の概要説明図(その2)である。 図1Cは、第1の実施形態に係る位相補償方法の概要説明図(その3)である。 図2は、第1の実施形態に係るレーダ装置のブロック図である。 図3は、第1の実施形態に係るレーダ装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。 図4Aは、第2の実施形態に係る位相補償方法の説明図(その1)である。 図4Bは、第2の実施形態に係る位相補償方法の説明図(その2)である。 図5は、第3の実施形態に係る位相補償方法の説明図である。 図6Aは、第4の実施形態に係る位相補償方法の説明図(その1)である。 図6Bは、第4の実施形態に係る位相補償方法の説明図(その2)である。 図6Cは、第4の実施形態に係る位相補償方法の説明図(その3)である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するレーダ装置および位相補償方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
また、以下では、本実施形態に係る位相補償方法の概要について図1A〜図1Cを用いて説明した後に、本実施形態に係る位相補償方法を適用したレーダ装置1について、図2〜図6Cを用いて説明することとする。
なお、以下では、図1A〜図3を用いて第1の実施形態について説明する。また、図4Aおよび図4Bを用いて第2の実施形態について説明する。また、図5を用いて第3の実施形態について説明する。また、図6A〜図6Cを用いて第4の実施形態について説明する。
また、以下の説明で用いる図面では、同様の構成要素が複数個ある場合、複数個のうちの一部にのみ符号を付し、その他については符号の付与を省略する場合がある。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る位相補償方法の概要について図1A〜図1Cを用いて説明する。図1A〜図1Cは、第1の実施形態に係る位相補償方法の概要説明図(その1)〜(その3)である。
図1Aに示すように、第1の実施形態に係る位相補償方法では、送信IC10に接続される送信アンテナTX1に加えて、送信アンテナTX2をさらに備える。
送信アンテナTX2は次のように設けられる。図1Bの太い下向きの矢印よりも上側に示すように、第1の実施形態に係る位相補償方法では、まず異なる受信IC20−1,20−2の間で、位相差を比較する対象となる受信アンテナの組み合わせを選定する。ここでは、受信アンテナRX1,RX4が選定されたものとする。
なお、図1Bに示すように、受信アンテナRX1〜RX6は、間隔dで等間隔に設けられ、受信アンテナRX1〜RX3は受信IC20−1に、受信アンテナRX4〜RX6は受信IC20−2に、接続されているものとする。
したがって、受信アンテナRX1,RX4の間は間隔3dと言うことになる。また、送信IC10に接続された従来からの送信アンテナTX1は、上記組み合わせの一方である受信アンテナRX1に対し、間隔Dを隔てた位置に設けられているものとする。
かかる場合に、第1の実施形態に係る位相補償方法では、図1Bの矢印よりも下側に示すように、上記組み合わせの他方である受信アンテナRX4に対し、間隔Dを隔てた位置へ送信アンテナTX2を設けることとした(ステップS1)。
別の言い方をすれば、送信アンテナTX2は、送信アンテナTX1に対し、間隔3dを空けた位置へ設けられる。さらに別の言い方をすれば、受信アンテナRX4に対する送信アンテナTX2の配置関係が、受信アンテナRX1に対する送信アンテナTX1の配置関係とほぼ同等となる位置へ送信アンテナTX2は設けられる。
これにより、送信アンテナTX1の送信波に基づく受信アンテナRX1の受信信号の位相と、送信アンテナTX2の送信波に基づく受信アンテナRX4の受信信号の位相とをほぼ同相になると見なすことができる。すなわち、異なる受信IC20−1,20−2間の受信アンテナRX1の位置と、受信アンテナRX4の位置を、図1Cに示すように仮想的に重なると見なすことができる。
そこで、第1の実施形態に係る位相補償方法では、かかる受信アンテナRX1,RX4の位相を比較し(ステップS2)、その比較結果に基づいてたとえば受信IC20−1側を基準とし、受信IC20−2側の位相を補償する。すなわち、位相の補償とは、受信IC20−2側の受信アンテナRX4〜RX6の受信信号の位相を受信IC20−1側の受信アンテナの受信信号の位相に合致するよう位相器等で変化させることである。また、位相の補償とは、位相差に基づき受信IC20−2側の受信アンテナRX4〜RX6の受信信号の位相を受信IC20−1側の受信アンテナの受信信号の位相に合致させる補正係数を算出し、物標の位置する角度を算出する際に受信IC20−2側の受信アンテナRX4〜RX6の受信信号の位相を補正係数を用いて補正することである。
これにより、異なる受信IC20−1,20−2間の位相差を補償することができる。すなわち、異なる受信IC20−1,20−2間の位相差を解消することができる。位相差を解消することにより、物標の位置する角度をより精度よく算出できる。なお、ここでは、比較対象となる組み合わせを受信アンテナRX1,RX4としたが、受信アンテナRX2,RX5の組み合わせでもよい。また、受信アンテナRX3,RX6の組み合わせでもよい。
以下、上述した位相補償方法を適用したレーダ装置1について、さらに具体的に説明する。
図2は、第1の実施形態に係るレーダ装置1のブロック図である。なお、図2では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
換言すれば、図2に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
図2に示すように、レーダ装置1は、送信IC10と、受信IC20−1,20−2と、プロセッサ30と、メモリ40とを備える。
送信IC10は、信号生成部11と、発振器12と、スイッチ13と、送信アンテナTX1と、位相補償データ用の送信アンテナTX2とを備える。信号生成部11は、後述する送受信制御部31の制御により、周波数変調されたミリ波を送信アンテナTX1,TX2から送信するための変調信号を生成する。
発振器12は、かかる信号生成部11によって生成された変調信号に基づいて送信信号を生成し、スイッチ13へ出力する。スイッチ13は、発振器12から入力された送信信号を送信アンテナTX1,TX2のいずれかへ出力する。
具体的には、スイッチ13は、送受信制御部31の制御に基づき、送信信号を入力する送信アンテナTX1,TX2を順次切り替える。なお、図2に示すように、発振器12によって生成された送信信号は、後述するミキサ21に対しても分配される。なお、分配される信号を、以下では「ローカル信号」と言う場合がある。
送信アンテナTX1,TX2は、スイッチ13からの送信信号を送信波へ変換し、かかる送信波を自車両の外部へ出力する。送信アンテナTX1,TX2が出力する送信波は、たとえば三角波で周波数変調された連続波である。送信アンテナTX1,TX2から自車両の外部、たとえば前方へ送信された送信波は、他の車両などの物標で反射されて反射波となる。
受信IC20−1,20−2は、アレーアンテナを形成する複数の受信アンテナRX1〜RX6と、複数のミキサ21とを備える。ミキサ21は、受信アンテナRX1〜RX6ごとに設けられる。なお、これまでの説明と同様に、受信IC20−1には受信アンテナRX1〜RX3が、受信IC20−2には受信アンテナRX4〜RX6が、それぞれ設けられているものとする。
各受信アンテナRX1〜RX6は、物標からの反射波を受信波として受信し、かかる受信波を受信信号へ変換して対応するミキサ21へ出力する。なお、図2に示す受信ICは2つであり、それぞれに設けられる受信アンテナの数は3つであるが、受信ICは3つ以上であってもよいし、それぞれに設けられる受信アンテナの数は2つ以下または4つ以上であってもよい。
受信アンテナRX1〜RX6から出力された受信信号は、図示略の増幅器(たとえば、ローノイズアンプ)で増幅された後にミキサ21へ入力される。ミキサ21は、ローカル信号と、受信アンテナRX1〜RX6から入力される受信信号との一部をミキシングし不要な信号成分を除去してビート信号を生成し、プロセッサ30のA/D変換部32へ出力する。
ビート信号は、送信波と反射波との差分波であって、送信信号の周波数(以下、「送信周波数」と記載する)と受信信号の周波数(以下、「受信周波数」と記載する)との差となるビート周波数を有する。ミキサ21で生成されたビート信号は、A/D変換部32でデジタル信号に変換された後に、プロセッサ30で信号処理される。
プロセッサ30は、送受信制御部31と、A/D変換部32と、FFT部33と、位相比較部34と、位相補償部35と、角度演算部36とを備える。
メモリ40は、プロセッサ30の信号処理に必要となる各種情報を適宜格納し、参照させるほか、周期的に実行されるプロセッサ30の信号処理の履歴データなどを蓄える。
プロセッサ30は、たとえば、MPU(Micro-processing unit)であり、レーダ装置1全体を制御する。
かかるMPUがメモリ40の一部に対応するROM(Read Only Memory)などに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、送受信制御部31、A/D変換部32、FFT部33などとして機能する。
送受信制御部31は、送信IC10、および、受信IC20−1,20−2を制御する。A/D変換部32は、既に述べたように、ミキサ21で生成されたビート信号をデジタル信号へ変換する。
FFT部33は、A/D変換部32から入力されるビート信号に対して高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理(以下、「FFT処理」と言う場合がある)を行い、結果を位相比較部34へ出力する。
位相比較部34は、図1Cに示した例で言えば、送信アンテナTX1から送信され、反射波となって受信IC20−1の受信アンテナRX1で受信された受信信号と、送信アンテナTX2から送信され、反射波となって受信IC20−2の受信アンテナRX4で受信された受信信号とを比較して、受信IC20−1,20−2間の位相の補償量を導出する。また、位相比較部34は、導出した補償量を位相補償部35へ出力する。
位相補償部35は、位相比較部34から入力された補償量に基づいて受信IC20−2の位相を補償する。なお、受信IC20−2側を基準として、受信IC20−1について補償してもよい。また、受信ICの温度に応じた補償値を予め記憶しておき、受信ICの温度を検出することで、受信ICの温度に応じて受信IC20−1と20−2との位相を補償してもよい。位相補償部35が、受信IC20−1,20−2間の位相を補償すると、位相比較部34と位相補償部35とは所定周期毎に位相比較と位相補償とを行ってもよい。
また、位相補償部35は、位相補償後の、送信アンテナTX1および受信アンテナRX1〜RX6の組み合わせに基づく信号を角度演算部36へ出力する。送信アンテナTX2および受信アンテナRX1〜RX6の組み合わせに基づく信号は位相補償用データであるので出力しなくともよい。
角度演算部36は、FFT処理の結果においてピークとなるピーク周波数を抽出し、抽出されたピーク周波数のそれぞれに対応する反射波の到来方位、すなわち角度とそのパワー値を演算する。
また、角度演算部36は、演算結果から各物標の距離および相対速度を導出する。また、角度演算部36は、各物標の角度、距離および相対速度を含む情報をターゲット情報として、ターゲット情報を処理可能な外部装置へ出力する。
なお、角度演算部36における角度演算は、たとえばESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)などの公知の到来方向推定手法を用いて行うことができる。
次に、第1の実施形態に係るレーダ装置1が実行する処理手順について、図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態に係るレーダ装置1が実行する処理手順を示すフローチャートである。なお、ここでは、スキャン1回分に対応する処理手順を示している。
図3に示すように、まず送信波が順次、送信アンテナTX1,TX2から送信される(ステップS101)。
そして、送信アンテナTX1の送信波に基づく反射波、および、送信アンテナTX2の送信波に基づく反射波を順次、受信アンテナRX1〜RX6で受信する(ステップS102)。
受信アンテナRX1〜RX6で受信された受信信号は、ミキサ21でローカル信号とミキシングされてビート信号が生成され、A/D変換部32によってA/D変換処理される(ステップS103)。そして、デジタル変換されたビート信号に対しては、FFT部33によってFFT処理がなされる(ステップS104)。
つづいて、位相比較部34が、送信アンテナTX1から受信アンテナRX1を経た信号と、送信アンテナTX2から受信アンテナRX4を経た信号とを比較する(ステップS105)。
そして、位相補償部35が、比較結果に基づいて受信IC20−1,20−2間の位相を補償する(ステップS106)。そして、角度演算部36が角度演算処理を実行し(ステップS107)、スキャン1回分に対応する処理手順が終了する。なお、位相補償部35が比較結果に基づいて位相を補償すると、ステップS105およびステップS107の処理は所定周期毎に実行してもよい。
上述してきたように、第1の実施形態に係るレーダ装置1は、受信アンテナRX1〜RX6(「複数の受信アンテナ」の一例に相当)と、送信アンテナTX1,TX2(「第1の送信アンテナおよび第2の送信アンテナ」の一例に相当)と、位相補償部35とを備える。
受信アンテナRX1〜RX6は、受信IC20−1,20−2(「複数の受信回路」の一例に相当)に設けられる。送信アンテナTX1,TX2は、受信アンテナRX1,RX4の位置が仮想的に重なるように受信アンテナRX1,RX4から所定の間隔を空けて設けられる。位相補償部35は、上記仮想的に重なるように設けられた各々の受信アンテナRX1,RX4が受信した各々の受信信号の比較結果に基づき、送信アンテナTX1,TX2から送信された各々の送信波の反射波の受信IC20−1,20−2間の位相差を補償する。
したがって、第1の実施形態に係るレーダ装置1によれば、異なる受信IC間の位相差を補償することができる。
また、受信IC20−1,20−2は、位相補償部35と接続する複数の接続ポートを有し、位相補償部35は、受信IC20−1,20−2に対し、同一の接続ポートに接続された受信アンテナRX1,RX4による受信信号の比較結果に基づき、受信IC20−1,20−2間の位相差を補償する。
したがって、第1の実施形態に係るレーダ装置1によれば、同一構造の受信IC20−1,20−2で同じ側の接続ポートに接続された受信アンテナRX1,RX4を比較するので、異なる受信IC間の位相差を精度よく補償するのに資することができる。
(第2の実施形態)
ところで、上述した第1の実施形態では、いずれも受信IC20−1,20−2の左側ポートに接続される受信アンテナRX1,RX4を位相の比較対象とする場合について説明したが、これに限られるものではない。
たとえば受信IC20−1,20−2の内部設計や入力ポートの位置、配線などがシンメトリーとなる設計がなされている場合などは、接続されるポートの左右に拘る必要はない。図4Aおよび図4Bは、第2の実施形態に係る位相補償方法の説明図(その1)および(その2)である。
すなわち、受信IC20−1,20−2がそれぞれ対称性を有するならば、たとえば図4Aに示すように、受信IC20−1の右側ポートに接続された受信アンテナRX3と、受信IC20−2の左側ポートに接続された受信アンテナRX4とを、位相の比較対象としてもよい。
この場合、送信アンテナTX2は、受信アンテナRX4に対し、送信アンテナTX1および受信アンテナRX3間の間隔Dと同じ間隔Dを隔てた位置、すなわち送信アンテナTX1と間隔dを空けた位置へ設けられることとなる。
かかる場合、送信アンテナTX1の送信波に基づく受信アンテナRX3の受信信号の位相と、送信アンテナTX2の送信波に基づく受信アンテナRX4の受信信号の位相とをほぼ同相になると見なすことができる。すなわち、異なる受信IC20−1,20−2間の受信アンテナRX3の位置と、受信アンテナRX4の位置を、図4Bに示すように仮想的に重なると見なすことができる。
そこで、第2の実施形態に係る位相補償方法では、かかる受信アンテナRX3,RX4の位相を比較し、その比較結果に基づいてたとえば受信IC20−1側を基準とし、受信IC20−2側の位相を補償する。
これにより、位相の比較対象となる受信アンテナRX3,RX4が異なる向きの入力ポートに接続されている場合であっても、受信IC20−1,20−2がそれぞれ対称性を有するならば、異なる受信IC20−1,20−2間で位相差を補償することができる。なお、ここでは、比較対象となる組み合わせを受信アンテナRX3,RX4としたが、受信アンテナRX1,RX6の組み合わせでもよい。
上述してきたように、第2の実施形態に係るレーダ装置1は、受信IC20−1,20−2が、位相補償部35と接続する複数の接続ポートを有し、位相補償部35は、受信IC20−1,20−2に対し、異なる接続ポートに接続された受信アンテナRX3,RX4による受信信号の比較結果に基づき、受信IC20−1,20−2間の位相差を補償する。
したがって、第2の実施形態に係るレーダ装置1によれば、位相の比較対象となる受信アンテナRX3,RX4が異なる向きの接続ポートに接続されている場合であっても、受信IC20−1,20−2がそれぞれ対称性を有するならば、異なる受信IC20−1,20−2間で位相差を補償することができる。
(第3の実施形態)
また、これまでは、プロセッサ30の位相補償部35によって信号処理上で位相補償する場合を例に挙げたが、これに限られるものではない。図5は、第3の実施形態に係る位相補償方法の説明図である。
なお、図5は、図2のブロック図の送信IC10、受信IC20−1,20−2を抜き出して簡略化し、右90度回転させた模式図として表している。また、図5では、増幅器15も適宜図示してある。
図5に示すように、たとえば前述のローカル信号の経路のうち、位相補償される側の受信IC(たとえば受信IC20−2)への経路上に位相器50を設け、かかる位相器50により位相を補償してもよい。この場合、上述した各実施形態における位相補償部35は不要となり、位相比較部34が、比較によって位相の補償量を導出し、かかる補償量に基づいて位相器50が受信IC20−2側へのローカル信号の位相を変化させることとなる。
これにより、プロセッサ30での信号処理によらず、その前段のビート信号生成段階において、受信IC20−1,20−2間の位相差を補償することが可能となる。
上述してきたように、第3の実施形態に係るレーダ装置1は、受信IC20−1,20−2のそれぞれに分配される送信アンテナTX1,TX2の送信信号および受信信号を合成するミキサ21(「合成部」の一例に相当)を備える。位相補償部35は、位相差が補償される受信IC20−2に対して送信信号が伝送される経路上に設けられる位相器50である。
したがって、第3の実施形態に係るレーダ装置1によれば、プロセッサ30での信号処理によらず、異なる受信IC間の位相差を補償することができる。
(第4の実施形態)
つづいて、第4の実施形態について説明する。図6A〜図6Cは、第4の実施形態に係る位相補償方法の説明図(その1)〜(その3)である。これまで説明した各実施形態では、送信アンテナTX1は従来からの通常用であり、送信アンテナTX2は位相補償データ用としていたが、これに限られるものではない。
たとえば、図6Aに示すように、送信アンテナTX2を位相補償データ用に限定せず、送信アンテナTX1を遠距離用とし、送信アンテナTX2を中距離用兼位相補償データ用として設けてもよい。
この場合、図6Bに示すように、送信アンテナTX1からの送信波は、ビーム範囲を絞った狭角ビームB_TX1として送出され、送信アンテナTX2からの送信波は、ビーム範囲を広げた広角ビームB_TX2として送出されるように、アンテナ部60が設けられるとよい。
そのアンテナ部60の設計例を図6Cに示す。図6Cに示すように、第4の実施形態に係るアンテナ部60では、たとえば遠距離用の狭角ビームB_TX1を送出する送信アンテナTX1は、開口面積を大きくして設けられる。一方、中距離用兼位相補償データ用の広角ビームB_TX2を送出する送信アンテナTX2は、開口面積を小さくして設けられる。
また、たとえば受信アンテナRX1〜RX6は、間隔dの等間隔で設けられる。なお、図示していないが、たとえば、受信アンテナRX1〜RX3は受信IC20−1へ接続され、受信アンテナRX4〜RX6は受信IC20−2へ接続される。
ここで、異なる受信IC20−1,20−2間における位相の比較対象を受信アンテナRX1,RX4とした場合、間隔Dをおいた送信アンテナTX1および受信アンテナRX1の配置関係と同等となるように、受信アンテナRX4に対し、送信アンテナTX2は距離Dをおくように設けられる。すなわち、送信アンテナTX1,TX2の間隔は、受信アンテナRX1,RX4の間隔と同様に3dとなる。なお、送信アンテナTX1,TX2、受信アンテナRX1〜RX6の給電点fpは、それぞれ1つずつである。
このように設計されたアンテナ部60を用いて、図6Bに示すようにビームを射ち分け、位相補償に関してはこれまでと同様に、送信アンテナTX2の送信波を位相補償データ用として使用する。ただし、位相補償後は、送信アンテナTX1と受信アンテナRX1〜RX6の組み合わせによって遠距離用の物標検出を行うとともに、送信アンテナTX2と受信アンテナRX1〜RX6の組み合わせによって中距離用の物標検出を行うこととなる。
これにより、異なる受信IC20−1,20−2間で位相差を補償しつつ、狭角ビームB_TX1および広角ビームB_TX2のそれぞれの特性に応じた物標検出を行い、たとえばその結果を合成した判定を行うことで、物標検出の精度を向上させることができる。
上述してきたように、第4の実施形態に係るレーダ装置1は、送信アンテナTX1,TX2の一方が、物標検出用の第1送信波の送信専用であり、他方は、位相補償用および物標検出用を兼ねる第2送信波の送信用であって、第1送信波は、送出範囲の狭い狭角ビームB_TX1として送信され、第2送信波は、第1送信波より送出範囲の広い広角ビームB_TX2として送信される。
したがって、第4の実施形態に係るレーダ装置1によれば、異なる受信IC20−1,20−2間で位相差を補償しつつ、狭角ビームB_TX1および広角ビームB_TX2のそれぞれの特性に応じた物標検出を行い、たとえばその結果を合成した判定を行うことで、物標検出の精度を向上させることができる。
(その他の実施形態)
また、上述した各実施形態では、受信IC20が受信IC20−1,20−2の2つである場合について説明したが、3つ以上であってもよい。この場合、位相の比較対象となる受信アンテナRXは、受信IC20ごとに1つずつ選ばれることとなる。その場合、送信アンテナTXは、比較対象として選ばれた受信IC20の数だけ設けられる必要がある。
また、上述した各実施形態では、レーダ装置1の用いる到来方向推定手法の例にESPRITを挙げたが、これに限られるものではない。たとえばDBF(Digital Beam Forming)や、PRISM(Propagator method based on an Improved Spatial-smoothing Matrix)、MUSIC(Multiple Signal Classification)等を用いてもよい。
また、上述した各実施形態では、レーダ装置1は車両に設けられることとしたが、無論、車両以外の移動体、たとえば船舶や航空機等に設けられてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 レーダ装置
10 送信IC
11 信号生成部
12 発振器
13 スイッチ
15 増幅器
20,20−1,20−2 受信IC
21 ミキサ
30 プロセッサ
31 送受信制御部
32 A/D変換部
33 FFT部
34 位相比較部
35 位相補償部
36 角度演算部
40 メモリ
50 位相器
60 アンテナ部
B_TX1 狭角ビーム
B_TX2 広角ビーム
RX,RX1〜RX6 受信アンテナ
TX,TX1,TX2 送信アンテナ

Claims (6)

  1. 複数の受信回路に設けられた複数の受信アンテナと、
    前記受信アンテナの位置が仮想的に重なるように前記受信アンテナから所定の間隔を空けて設けられる第1の送信アンテナおよび第2の送信アンテナと、
    前記仮想的に重なるように設けられた各々の前記受信アンテナが受信した各々の受信信号の比較結果に基づき、前記第1および第2の送信アンテナから送信された各々の送信波の反射波の前記受信回路間の位相差を補償する位相補償部と
    を備えることを特徴とするレーダ装置。
  2. 複数の前記受信回路は、
    前記位相補償部と接続する複数の接続ポートを有し、
    前記位相補償部は、
    前記受信回路に対し、同一の前記接続ポートに接続された前記受信アンテナによる前記受信信号の比較結果に基づき、前記受信回路間の位相差を補償すること
    を特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 複数の前記受信回路は、
    前記位相補償部と接続する複数の接続ポートを有し、
    前記位相補償部は、
    前記受信回路に対し、異なる前記接続ポートに接続された前記受信アンテナによる前記受信信号の比較結果に基づき、前記受信回路間の位相差を補償すること
    を特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  4. 前記受信回路のそれぞれに分配される前記第1および第2の送信アンテナの送信信号と前記受信信号を合成する合成部
    を備え、
    前記位相補償部は、
    前記位相差が補償される前記受信回路に対して前記送信信号が伝送される経路上に設けられる位相器であること
    を特徴とする請求項1、2または3に記載のレーダ装置。
  5. 前記第1および第2の送信アンテナの一方は、
    物標検出用の第1送信波の送信専用であり、
    前記第1および第2の送信アンテナの他方は、
    位相補償用および前記物標検出用を兼ねる第2送信波の送信用であって、
    前記第1送信波は、送出範囲の狭い狭角ビームとして送信され、
    前記第2送信波は、前記第1送信波より前記送出範囲の広い広角ビームとして送信されること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のレーダ装置。
  6. 複数の受信回路にそれぞれ設けられた複数の受信アンテナと、前記受信アンテナの位置が仮想的に重なるように前記受信アンテナから所定の間隔を空けて設けられる第1の送信アンテナおよび第2の送信アンテナとを備えるレーダ装置を用いた位相補償方法であって、
    前記仮想的に重なるように設けられた各々の前記受信アンテナが受信した各々の受信信号の比較結果に基づき、前記第1および第2の送信アンテナから送信された各々の送信波の反射波の前記受信回路間の位相差を補償する位相補償工程
    を含むことを特徴とする位相補償方法。
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