JP6927247B2 - 抗体の精製方法 - Google Patents
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Description
Lは、複数のアミノ基を有する高分子のアミノ基と吸着部位との結合部位であり、
Z1及びZ10は、互いに独立して、S、SCH3 +、NH、NCH3、O、CH2又はCR1R2であり、但しR1及びR2の少なくとも一方は水素ではなく、
Z2〜Z9、Z11〜Z15は、互いに独立して、N、NCH3 +、CH又はCR3であり、Z1〜Z4の少なくとも1つ、Z5〜Z9の少なくとも1つ、又はZ10〜Z15の少なくとも1つは、CH2、CR1R2、CH又はCR3ではなく、
R1、R2、R3は、互いに独立して、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アシル、シクロアルキル、カルボキシル、アミノ、アリールオキシ、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ又はシアノである)
から選ばれる少なくとも1つの基である。
<pH応答性高分子1>
複数のアミノ基を有する高分子としてε−ポリリジン(EPL)を用い、吸着部位としてメルカプトベンゾチアゾール酢酸(MBTA、2−ベンゾチアゾリルチオ酢酸)を導入した。なおMBTAは、下記構造を有する、抗体吸着能を有するチオフィリック系の化合物である。
複数のアミノ基を有する高分子としてε−ポリリジン(EPL)を用い、吸着部位としてメルカプトベンゾチアゾールプロパン酸(MBT、3−(2−ベンゾチアゾリルチオ)プロピオン酸)を導入した。なお、MBTは、下記構造を有する、抗体吸着能を有するチオフィリック系の化合物である。
pH応答性高分子1、2について、その組成及び吸着部位導入率を以下の表1に示す。表1において、吸着部位については、吸着部位の導入に用いた原料化合物を記載している。吸着部位導入率は、複数のアミノ基を有する高分子のアミノ基量に対し吸着部位により占有された割合を示し、1H−NMR測定によって求めた。
<実施例1の吸着材>
THF/水混合溶液を溶媒として適用し、pH応答性高分子1の1重量%溶液を調製した。このpH応答性高分子1の溶液と、カルボキシル基を表面に有するセファロース(架橋アガロース)担体(GEヘルスケア社製、CM Sepharose 4 Fast Flow)とDMT−MM(10当量)とから得られた懸濁液を室温で一晩振盪させ、THF/水混合溶媒にて洗浄し、pH応答性高分子1が担体に固定化された実施例1の吸着材を得た。
pH応答性高分子1に代えてpH応答性高分子2を用いた以外は実施例1と同様にして、pH応答性高分子2が担体に固定化された実施例2の吸着材を得た。
低分子リガンドとして広く用いられている4−ピリジルチオ基がエチレンジアミン(EDA)を介して担体に固定化された比較例1の吸着材を調製した。具体的には、溶媒として水を適用し、エチレンジアミン(10当量)とカルボキシル基を表面に有するセファロース(架橋アガロース)担体(GEヘルスケア社製、CM Sepharose 4 Fast Flow)、そして縮合剤としてDMT−MM(1当量)を混合し、エチレンジアミンを担体上に導入した。その後、水で担体を洗浄し、未反応のエチレンジアミンを除去した。次に、エチレンジアミンを固定化した担体をTHF/水混合溶媒に分散させた後、(4−ピリジルチオ)酢酸(PyS)(10当量)とDMT−MM(10当量)を混合し、終夜攪拌した。反応後、THF/水混合溶媒で洗浄し、担体上に固定化されたEDAにPySが導入された比較例1の吸着材を得た。なお、PySは以下の構造を有する。
<試験例1>
第1工程の溶液条件における実施例1、2及び比較例1の吸着材の抗体吸着能を評価した。具体的には、1mLの実施例1、2及び比較例1の吸着材をそれぞれカラムに充填し、1重量%の所定のヒトIgGを含むpH7.4の中性のPBS緩衝液(リン酸30mM、塩化ナトリウム150mM)を5mL通液し、カラムから溶出される溶液内のヒトIgG濃度をモニタリングし、溶液中の濃度減少分から各吸着材への抗体吸着量を算出した。ここでいう抗体吸着量とは、吸着材への静的な抗体吸着量を意味し、吸着材1mL当たりの抗体の吸着量(mg)で表す。
吸着材に吸着した抗体を脱離させ、回収する第3工程に関し、検討した。具体的には、実施例1、2及び比較例1の各吸着材を充填したカラムを用いて評価した。1重量%の所定のヒトIgGを含むpH7.4のPBS緩衝液(リン酸30mM、塩化ナトリウム150mM)5mLをそれぞれカラムに通液し、カラムから溶出される溶液内のヒトIgG濃度をモニタリングし、溶液中の濃度減少分から各吸着材への抗体吸着量を算出した。その後、pH7.4のPBS緩衝液25mLを通液してカラムを洗浄した。回収用の溶液として、100mMのpH8.7の弱塩基性の炭酸水素ナトリウム−炭酸ナトリウム緩衝液及び100mMのpH9.5の弱塩基性の炭酸水素ナトリウム−炭酸ナトリウム緩衝液の2種を用いて、カラム内の吸着材に吸着した抗体を脱離させ、回収した。その際、溶出した抗体量が分かるため、吸着材に吸着した抗体量と回収した抗体量から回収率を、以下の式(1):回収率(%)=抗体回収量(mg・mL−1)/抗体吸着量(mg・mL−1)×100に基づき算出した。結果を表4に示す。
第3工程で用いる溶液の塩濃度が抗体回収に与える影響を評価した。具体的には、実施例1、2及び比較例1の各吸着材を充填したカラムを用いて評価した。1重量%の所定のヒトIgGを含むpH7.4のPBS緩衝液(リン酸30mM、塩化ナトリウム150mM)5mLをそれぞれカラムに通液し、カラムから溶出される溶液内のヒトIgG濃度をモニタリングし、溶液中の濃度減少分から各吸着材への抗体吸着量を算出した。その後、pH7.4のPBS緩衝液25mLを通液してカラムを洗浄した。回収用の溶液として、NaCl無添加(NaCl濃度0mM)又はNaCl添加(NaCl濃度20mM)の100mMのpH8.7の弱塩基性の炭酸水素ナトリウム−炭酸ナトリウム緩衝液2種を用いた。抗体の回収率は、試験例2と同様にして前記の式(1)を用いて算出した。結果を表5に示す。
吸着材を洗浄し、カラムを再生する第4工程に関し検討した。具体的には、実施例1、2及び比較例1の各吸着材を充填したカラムを用いて評価した。1重量%の所定のヒトIgGを含むpH7.4のPBS緩衝液(リン酸30mM、塩化ナトリウム150mM)5mLをそれぞれカラムに通液し、カラムから溶出される溶液内のヒトIgG濃度をモニタリングし、溶液中の濃度減少分から各吸着材への抗体吸着量を算出した。その後、pH7.4のPBS緩衝液25mLを通液してカラムを洗浄した。100mMのpH8.7の弱塩基性の炭酸水素ナトリウム−炭酸ナトリウム緩衝液を用いて、吸着材に吸着した抗体を脱離させ、回収した。抗体の回収率を試験例2と同様にして前記の式(1)を用いて算出した。最後に、0.1MのpH12の塩基性の水酸化ナトリウム溶液5mLをカラムへ通液することで、カラムに残存する抗体を除去した。この工程で回収した抗体を定量し、抗体吸着量に対する回収した抗体の割合をカラム再生画分(%)として算出した。カラム再生画分は、以下の式(2):カラム再生画分(%)=抗体回収量(mg・mL−1)/抗体吸着量(mg・mL−1)×100で求められる。結果を表6に示す。
1 pH応答性高分子
2 複数のアミノ基を有する高分子
3 吸着部位
4 抗体
5 担体
Claims (6)
- 抗体の精製方法であって、
抗体を含有するpH4〜8.5の溶液を吸着材に接触させて、前記抗体を前記吸着材に吸着させる第1工程と、
前記吸着材をpH5〜9の溶液に接触させて、前記吸着材を洗浄する第2工程と、
前記吸着材をpH7〜11の溶液に接触させて、前記吸着材に吸着した抗体を脱離させ、回収する第3工程と、
前記吸着材をpH11〜14の溶液に接触させて、前記吸着材を洗浄する第4工程とを含み、
前記第3工程で用いる溶液のpHが前記第1工程及び前記第2工程で用いる溶液のpHよりも大きく、前記第4工程で用いる溶液のpHが前記第3工程で用いる溶液のpHよりも大きく、
前記吸着材が、担体と、前記担体に固定化されたpH応答性高分子とを含み、
前記pH応答性高分子が、複数のアミノ基を有する高分子に前記抗体を吸着する吸着部位が導入されたものであり、前記吸着部位が、式(I)、(II)及び(III)の基
Lは、複数のアミノ基を有する高分子のアミノ基と吸着部位との結合部位であり、
Z1及びZ10は、互いに独立して、S、SCH3 +、NH、NCH3、O、CH2又はCR1R2であり、但しR1及びR2の少なくとも一方は水素ではなく、
Z2〜Z9、Z11〜Z15は、互いに独立して、N、NCH3 +、CH又はCR3であり、Z1〜Z4の少なくとも1つ、Z5〜Z9の少なくとも1つ、又はZ10〜Z15の少なくとも1つは、CH2、CR1R2、CH又はCR3ではなく、
R1、R2、R3は、互いに独立して、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アシル、シクロアルキル、カルボキシル、アミノ、アリールオキシ、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ又はシアノである)
から選ばれる少なくとも1つの基である、抗体の精製方法。 - 前記第1工程で用いる抗体を含有する溶液のpHがpH5.5〜8.5であり、前記第2工程で用いる溶液のpHがpH6〜8.5であり、前記第3工程で用いる溶液のpHがpH7.5〜10であり、前記第4工程で用いる溶液のpHがpH12〜14である、請求項1に記載の抗体の精製方法。
- 前記第1工程で用いる抗体を含有する溶液のpHがpH6〜7.5であり、前記第2工程で用いる溶液のpHがpH6〜8であり、前記第3工程で用いる溶液のpHがpH8〜10であり、前記第4工程で用いる溶液のpHがpH12〜13である、請求項1に記載の抗体の精製方法。
- 前記第1工程で用いる抗体を含有する溶液が、抗体を細胞培養して得た溶液から細胞又はその断片を除去した溶液である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記吸着部位が、Z10がSであり、Z11〜Z14がそれぞれCHであり、Z15がNであり、Lが、複数のアミノ基を有する高分子のアミノ基と吸着部位との結合部位である、式(III)の基である、請求項1に記載の抗体の精製方法。
- 前記複数のアミノ基を有する高分子がε−ポリリジンである、請求項1に記載の抗体の精製方法。
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