JP6927164B2 - 横置きスクロールコンプレッサ - Google Patents

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Description

本発明は、横置きスクロールコンプレッサに関するものである。
スクロールコンプレッサにおいて、旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構が旋回スクロールの軸線方向に対してほぼ垂直方向に配置される。このため、自転防止機構を構成する複数の摺動部のうち上方に配置される摺動部(以下、上側摺動部という)へ供給されるべき潤滑油が重力に負けて上側へ上がり難くなる。
そのため、自転防止機構の複数の摺動部のうち上側摺動部の潤滑が困難であり、さらに自転防止機構としてのオルダムリングは、往復運動を行うため、切り返しの時点で速度が零となる。このため、上側摺動部における油膜の形成が難しいことなどが、一般的に知られている。
また、スクロールコンプレッサでは、冷媒の圧縮反力により旋回スクロールをその軸方向にて固定スクロールから離反させる方向の力(以下、スラスト荷重という)が発生する。
これに対応するため、特許文献1では、旋回スクロールの摺動面からスラスト荷重を受けるスラスト支持面を有する軸受部材が設けられている。
ここで、旋回スクロールの摺動面に対して径方向内側に自転防止機構であるオルダムリングを配置している。この構成においては、圧縮室から吐出される高圧冷媒からオイル分離機構よって分離された潤滑油が高圧貯油室、および減圧制御機構を介して旋回スクロールの摺動面よりも内側に供給される。
軸受部材のスラスト支持面は、旋回スクロールの摺動面からスラスト荷重を受ける。このため、軸受部材のスラスト支持面は、旋回スクロールの摺動面から押接されるため、スラスト支持面および旋回スクロールの摺動面の間から潤滑油が径方向外側に流れることが抑えられる。
このため、旋回スクロールの摺動面よりも径方向内側に潤滑油が保持されるため、オルダムリングの上側摺動部にも十分な潤滑油が供給される。
特開2008−138597号公報
上記特許文献1のスクロールコンプレッサでは、上述の如く、軸受部材のスラスト支持面は、旋回スクロールの摺動面から押接される。このため、旋回スクロールの摺動面よりも径方向内側に配置されるオルダムリングの上側摺動部にも高圧貯油室からの潤滑油が供給される。
一方で、高圧貯油室からの潤滑油が、上述の如く、減圧制御機構を介して旋回スクロールの摺動面よりも内側に供給される。減圧制御機構を潤滑油が通過する際に、潤滑油中の冷媒(すなわち、作動流体)に減圧発泡が発生する。また、摺動部を潤滑するときに油に熱が移動し、加熱されることで加熱発砲が発生する。すなわち、潤滑油中に溶けた冷媒が潤滑油から分離される。
上記特許文献1のスクロールコンプレッサでは、軸受部材のスラスト支持面は、旋回スクロールの摺動面から押接される。このため、その摺接面に対して径方向内側の領域が軸受部材と旋回スクロールとによって区画されている。このため、径方向内側の領域内に潤滑油が保持される。
この際に、径方向内側の領域において、ガス冷媒は上方に移動しやすく、潤滑油は下方に移動しやすくなる。
その結果、オルダムリングの上側摺動部の近傍には比較的ガス冷媒が占める比率が高い潤滑油が供給されるため、オルダムリングの上側摺動部は、貧潤滑となり摩耗が増加する可能性がある。
本発明は上記点に鑑みて、自転防止機構を潤滑にするようにした横置きスクロールコンプレッサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、固定スクロール(34)と、
軸線(S)が延びる方向を軸線方向としたとき、固定スクロールに対して軸線方向一方側に配置され、軸線を中心として旋回して、冷媒を吸入して圧縮して吐出する圧縮室(50a、50b)を固定スクロールとの間に形成する旋回スクロール(32)と、
旋回スクロールを軸線方向一方側から支える支持部(27)と、を備え、
軸線方向が天地方向に交差するように配置される横置きスクロールコンプレッサであって、
圧縮室から吐出される冷媒から潤滑油を分離して潤滑油が分離された冷媒を吐出する潤滑油分離部(63)と、
旋回スクロールの旋回に伴って、変位しつつ摺動する複数の摺動部(72、73)を有し、旋回スクロールの自転を規制する自転防止機構(70)と、
自転防止機構を収納する機構収納室(34c)を形成する収納室形成部(34f)と、
潤滑油分離部によって冷媒から分離された潤滑油を機構収納室に導く潤滑油経路(44、24b、24c、120)を形成する潤滑油経路形成部(44a、24h、24i、120a)と、
潤滑油経路を絞る減圧機構(42)と、
機構収納室内に開口する入口開口部(91)を有する排出経路(90、130)を形成する排出経路形成部(90a、130a)と、を備え、
潤滑油が減圧機構を通過することに伴って潤滑油から分離されるガス冷媒が機構収納室から入口開口部に流入され、この流入されたガス冷媒が排出経路を通して排出され、
潤滑油経路は、入口開口部に対して天地方向下側に配置されており、
入口開口部のうち最も上側の部位を入口開口部の最上部とし、複数の摺動部のうち最も上側に位置する摺動部を上側摺動部とし、上側摺動部が最も下側の部位に位置するタイミングにおいて上側摺動部のうち最も下側に位置する部位を最下部とし、上側摺動部の最下部よりも入口開口部の最上部の方が上側に位置する。
以上により、機構収納室からガス冷媒を排出して、機構収納室内に潤滑油を残すことができる。このため、機構収納室内の潤滑油によって自転防止機構を潤滑にすることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態における横置きスクロールコンプレッサの断面構成を示す図である。 (a)図1の横置きスクロールコンプレッサにおいて軸線Sに直交する断面で切断した断面図である。(b)は、(a)中IIa−IIa断面図である。 (a)図1中の旋回スクロール単体を軸線方向一方側から視た図である。(b)は、(a)中IIIa−IIIa断面図である。 (a)固定スクロールの中心Kpに対して旋回スクロールの中心Spが下側に位置することを示す模式図である。(b)固定スクロールの中心Kpに対して旋回スクロールの中心Spが下側に位置するときの自転防止機構の位置を示す断面図であり、図2(a)に相当する図である。(c)固定スクロールの中心Kpに対して旋回スクロールの中心Spが下側に位置するときの自転防止機構の位置を示す断面図であり、図2(b)に相当する図である。 (a)固定スクロールの中心Kpに対して旋回スクロールの中心Spが上側に位置することを示す模式図である。(b)固定スクロールの中心Kpに対して旋回スクロールの中心Spが上側に位置するときの自転防止機構の位置を示す断面図であり、図2(a)に相当する図である。(c)固定スクロールの中心Kpに対して旋回スクロールの中心Spが上側に位置するときの自転防止機構の位置を示す断面図であり、図2(b)に相当する図である。 図1中のスラスト軸受部の環状円板部100bの摺動面101bを示す図である。 図6中VII-VII断面図である。 図1中のスラスト軸受部の断面図である。 図1中の横置きスクロールコンプレッサのうち旋回スクロールおよび固定スクロールの周辺を拡大した断面図である。 第1実施形態の第1変形例における横置きスクロールコンプレッサの部分面構図である。 第1実施形態の第2変形例における横置きスクロールコンプレッサの部分面構図である。 第2実施形態における横置きスクロールコンプレッサの断面構成を示す図である。 図12の横置きスクロールコンプレッサにおいて軸線Sに直交する断面で切断した断面図であり、圧縮室50bで冷媒を圧縮している圧縮工程を示す図である。 図13中XIII-XIII断面図である。 第2実施形態における横置きスクロールコンプレッサの断面構成を示す図であり、圧縮室50bで冷媒を吸入している吸入工程を示す図である。 第3実施形態における横置きスクロールコンプレッサの断面構成を示す図である。 第4実施形態における横置きスクロールコンプレッサの部分断面構成を示す図である。 図17中XV-XV断面図である。 第5実施形態における自転防止機構の構成を示す図である。 図19中の上側のピンリング機構の構成を示す図である。 第6実施形態における自転防止機構の上側のピン−ホール機構の構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態における車載用の横置きスクロールコンプレッサ10の内部構成を示す縦断面図である。
横置きスクロールコンプレッサ10は、二酸化炭素を冷媒として使用し、圧縮室から吐出される二酸化炭素の圧力が臨界圧力を超える超臨界冷凍サイクルを構成する。本実施形態の横置きスクロールコンプレッサ10は、車室内を空調する車両用空調装置に適用される。
本実施形態における横置きスクロールコンプレッサ10は、ボルトで容器を結合させる密閉容器11内に電動機部20と圧縮機構部30とを収容した半密閉型電動圧縮機である。
密閉容器11は、円筒形をなすケーシングとしてのコンプケース11aと、このコンプケース11aの軸線方向一方側および他方側に配置さられた電動機側端部ケース11b、圧縮機構側端部ケース11cとを備えている。
コンプケース11aの軸線方向とは、コンプケース11aの軸線が延びる方向である。軸線方向とは、横置きスクロールコンプレッサ10が車両に搭載された状態で、天地方向に交差する方向になっている。
コンプケース11aのうち軸線方向一方側において、天地方向上側に、吸入口11dが設けられている。吸入口11dは、車両用空調装置を構成する蒸発器から流れる冷媒をコンプケース11a内の吸入室11eに吸入する開口部である。
吸入室11eは、コンプケース11aのうち主軸受27に対して軸線方向一方側に形成されて、電動機部20等を収納する。
電動機部20は、コンプケース11aの内周面に固定されたステータ22と、回転軸24に固定されるロータ26とを備え、三相交流電動機を構成する。ステータ22は、ステータコアに3相のステータコイルが巻かれて構成されている。ロータ26は、周方向に並べられる複数の磁極を形成する。
ここで、回転軸24は、その軸線がコンプケース11aの軸線に一致するように配置されている。回転軸24のうち軸線方向他方側には、クランク機構24aが設けられている。クランク機構24aの軸線は、回転軸24の軸線に対して平行になっている。
クランク機構24aと回転軸24とは、一体成形品を構成している。このことにより、回転軸24の回転に伴って、クランク機構24aは、回転軸24の軸線を中心として旋回運動する。
回転軸24には、潤滑油経路24b、および潤滑油経路24c、24d、24eが設けられている。潤滑油経路24bおよび潤滑油経路24cは、第1潤滑油経路を構成する。
潤滑油経路24bは、後述する高圧潤滑油室40からの潤滑油を主軸受27、軸受部29、クランク機構収納室(すなわち、軸受収納室)38に供給するための流路である。潤滑油経路24bは、回転軸24の軸線Sに沿って延びるように設けられている。潤滑油経路24bは、回転軸24のうち軸線方向他方側に流入口が形成されている。以下、軸線Sが延びる方向を軸線方向という。
潤滑油経路24cは、潤滑油経路24bからの潤滑油を主軸受27およびクランク機構収納室38に供給する流路である。潤滑油経路24dは、潤滑油経路24bからの潤滑油をクランク軸受部32cに供給する流路である。潤滑油経路24eは、潤滑油経路24bからの潤滑油を軸受部29に供給する流路である。
回転軸24のうち軸線方向他方側は、主軸受27によって軸線を中心として回転自在に支持されている。主軸受27は、コンプケース11aの内周面に固定されている。主軸受27は、後述する旋回スクロール32が旋回可能になるように旋回スクロール32をスラスト軸受100を介して軸線方向一方側から支える。
回転軸24のうち軸線方向一方側は、軸受部29によって軸線を中心として回転自在に支持されている。軸受部29は、コンプケース11aに対してボルト29a等を用いて固定されている。
圧縮機構部30は、コンプケース11a内において電動機部20に対して軸線方向他方側に配置されている。圧縮機構部30は、旋回スクロール32および固定スクロール34を備える。
旋回スクロール32は、軸線方向に直交する方向に拡がる基部32aと、基部32aから軸線方向他方側に突起して、かつてインボリュート曲線に沿って形成されている歯部32bとを備える。
旋回スクロール32の基部32aには、高圧潤滑油室40および潤滑油経路24bの間に形成される潤滑油経路を絞る減圧機構としての減圧制御機構42が設けられている。前記潤滑油経路は、潤滑油経路44、43によって構成されている。
減圧制御機構42は、潤滑油経路44、43の流路断面積よりも小さい流路断面積を有する潤滑油経路を構成する。旋回スクロール32の基部32aには、減圧制御機構42を通過した潤滑油を潤滑油経路24bに流通させる潤滑油経路43が設けられている。
潤滑油経路44、43は、潤滑油経路43、および潤滑油経路44によって構成されている。潤滑油経路44は、固定スクロール34の潤滑油経路形成部44aによって形成されている。潤滑油経路24b、24cは、回転軸24の潤滑油経路形成部24h、24iによって形成されている。潤滑油経路120は、主軸受27の潤滑油経路形成部120aによって形成されている第2潤滑油経路である。
潤滑油経路43は、旋回スクロール32の旋回に伴って、潤滑油経路44に対して間欠的に連結される。潤滑油経路44は、固定スクロール34において、高圧潤滑油室40からの潤滑油を減圧制御機構42に導くために形成されている。
旋回スクロール32は、クランク機構24aを回転自在に保持するクランク軸受部32cを備える。クランク軸受部32cは、基部32aからクランク機構24aの軸線方向一方側に突出してクランク機構24aの軸線を中心とする円筒状に形成されている。
旋回スクロール32の基部32aと主軸受27との間には、クランク機構24aおよびバランサウエイト36を収納するクランク機構収納室38が設けられている。
バランサウエイト36は、回転軸24に支持されている。バランサウエイト36は、回転軸24に伴って回転して、旋回スクロール32における軸線Sに対する重量のアンバランスを相殺する役割を果たす。
本実施形態のバランサウエイト36のうち軸線Sを中心とする径方向外側36a(図9参照)は、後述する潤滑油経路120の入口開口部120bの一部に対してオーバーラップするようにバランサウエイト36および主軸受27が配置されている。
固定スクロール34は、旋回スクロール32に対して軸線方向他方側に配置されている。固定スクロール34は、主軸受27に固定されている。
固定スクロール34は、軸線方向に直交する方向に拡がる基部34aと、基部34aから軸線方向一方側に突起して、かつてインボリュート曲線に沿って形成されている歯部34bとを備える。固定スクロール34の基部34aは、旋回スクロール32の基部32aに対向して配置されている。
本実施形態の固定スクロール34の基部34a、歯部34b、および旋回スクロール32の基部32a、歯部32bの間には、後述する圧縮室50a、50bが構成されている。
圧縮室50a、50bは、吸入口11dから吸入される冷媒を吸入して圧縮して吐出する。圧縮室50aは、圧縮室50bに対して軸線Sを中心とする径方向内側に配置されている。
固定スクロール34の基部34aには、圧縮室50aから高圧冷媒を吐出室60に吐出する高圧吐出流路51が設けられている。高圧吐出流路51のうち吐出室60側には、逆止弁62が設けられている。
吐出室60は、圧縮機構側端部ケース11cと固定スクロール34との間に形成されている。圧縮機構側端部ケース11c内には、潤滑油分離機構(すなわち、潤滑油分離部)63および高圧潤滑油室40が設けられている。潤滑油分離機構63は、吐出室60を通過したガス冷媒から潤滑油を分離する。
この潤滑油分離機構63によってガス冷媒から分離された潤滑油には、冷媒が溶け込まれている。高圧潤滑油室40は、潤滑油分離機構63によってガス冷媒から分離された潤滑油を貯める。このことにより、高圧潤滑油室40内の潤滑油には、冷媒が溶け込まれていることになる。
旋回スクロール32および固定スクロール34の間には、旋回スクロール32の自転を規制する自転防止機構70が配置されている。本実施形態の自転防止機構70としては、オルダムリングが用いられている。自転防止機構70の詳細は後述する。
本実施形態の吸入室11e内において、ロータ26に対して軸線Sを中心とする径方向外側で、かつロータ26に対して天地方向下側には、吸入口11dを通して流入された冷媒を圧縮室50a、50bに導く冷媒経路11fが設けられている。
コンプケース11a内において主軸受27に対して軸線Sを中心とする径方向外側で、かつ主軸受27に対して天地方向下側には、冷媒経路11gが設けられている。冷媒経路11gは、冷媒経路11fを通過した冷媒を圧縮室50a、50bに導く流路である。冷媒経路11gは、固定スクロール34、旋回スクロール32に対して天地方向下側に配置されている。
コンプケース11a内において固定スクロール34、旋回スクロール32に対して軸線Sを中心とする径方向外側で、かつ固定スクロール34、旋回スクロール32に対して天地方向下側には、冷媒経路11hが設けられている。
冷媒経路11hは、冷媒経路11gを通過した冷媒を圧縮室50a、50bに導くための流路である。冷媒経路11h、11gは、ロータ26に対して軸線Sを中心とする径方向外側で、かつロータ26に対して天地方向下側に配置されている。
固定スクロール34には、冷媒経路11hを通過した冷媒を圧縮室50a、50bに導く内部冷媒経路としての冷媒経路11iが設けられている。
冷媒経路11gは、主軸受27の冷媒経路形成部12aによって形成されている。冷媒経路11h、11iは、固定スクロール12b、12cによって形成されている。
本実施形態では、コンプケース11a内において主軸受27に対して軸線Sに対して径方向外側で、かつ主軸受27に対して天地方向上側には、後述する自転防止機構収納室(すなわち、機構収納室)34cからのガス冷媒を吸入室11eに排出する排出経路90が設けられている。排出経路90は、主軸受27の排出経路形成部90aによって形成されている。
旋回スクロール32および主軸受27の間には、スラスト軸受100が設けられている。スラスト軸受100は、主軸受27に支持されて旋回スクロール32を旋回可能に軸線方向一方側から支持する。スラスト軸受100の詳細は、後述する。
次に、本実施形態の自転防止機構70の構造の詳細について図2〜図5を参照して説明する。
自転防止機構70は、固定スクロール34に対して天地方向にスライド移動可能に支持されている。
自転防止機構70は、リング部71、およびキー72、73、74、75を備える。リング部71は、軸線Bを中心とするリング状に形成されている。リング部71の軸線Bは、回転軸24の軸線Sに平行に配置されている。
リング部71は、固定スクロール34のうち自転防止機構収納室34c内に配置されている。自転防止機構収納室34cは、固定スクロール34のうち自転防止機構収納室形成部34f(図1参照)によって軸線方向一方側から他方側に凹むように形成されている。自転防止機構収納室34cは、軸線Rを中心とするリング状に形成されている。軸線Rは、軸線Bに平行に配置されている。
キー72は、リング部71のうち最も下側に配置されている。キー72は、リング部71から軸線方向他方側に突起するように形成されている。キー72は、固定スクロール34のキー溝部80内に収納されている。
キー溝部80は、自転防止機構収納室34cのうち最も下側に配置されている。キー溝部80は、自転防止機構収納室34cの底面34d(図3参照)から軸線方向他方側に凹むように形成されている。
固定スクロール34のうちキー溝部80を形成する溝形成部80aは、キー72が天地方向に移動可能に構成されている。キー72のうち幅方向一方側および他方側には、溝形成部80aに摺動する摺動面72a、72bが形成されている。幅方向は、軸線方向に直交し、かつ水平方向に平行になる方向である。
キー73は、リング部71のうち最も上側に配置されている。キー73は、リング部71から軸線方向他方側に突起するように形成されている。キー73は、固定スクロール34のキー溝部81内に収納されている。キー溝部81は、自転防止機構収納室34cのうち最も上側に配置されている。キー溝部81は、自転防止機構収納室34cの底面34dから軸線方向他方側に凹むように形成されている。
固定スクロール34のうちキー溝部81を形成する溝形成部81aは、キー73が天地方向に移動可能に構成されている。キー73のうち幅方向一方側および他方側には、溝形成部81aに摺動する摺動面73a、73bが形成されている。
キー74は、リング部71のうち幅方向他方側に配置されている。キー74は、リング部71から軸線方向一方側に突起するように形成されている。キー74は、旋回スクロール32のキー溝部82(図3参照)内に収納されている。キー溝部82は、旋回スクロール32において幅方向一方側に凹むように形成されている。
旋回スクロール32のうちキー溝部82を形成する溝形成部82aは、キー74によって幅方向に移動可能に構成されている。キー74のうち天地方向上側および下側には、溝形成部82aに摺動する摺動面74a、74bが形成されている。
キー75は、リング部71のうち幅方向他方側に配置されている。キー75は、リング部71から軸線方向一方側に突起するように形成されている。キー75は、旋回スクロール32のキー溝部83(図3参照)内に収納されている。キー溝部83は、旋回スクロール32において幅方向一方側に凹むように形成されている。
旋回スクロール32のうちキー溝部83を形成する溝形成部83aは、キー75によって幅方向に移動可能に構成されている。キー75のうち天地方向上側および下側には、溝形成部83aに摺動する摺動面75a、75bが形成されている。
このように構成される自転防止機構70では、旋回スクロール32の旋回に伴って、リング部71が溝形成部80a、81aによって支持された状態で天地方向にて往復運動する(図4、図5参照)。この際に、摺動面72a、72bが溝形成部80aに対して天地方向に摺動する。摺動面73a、73bが溝形成部81aに対して天地方向に摺動する。
図4は、自転防止機構70が最も下側に位置するタイミングにおける自転防止機構70を示している。図5は、自転防止機構70が最も上側に位置するタイミングにおける自転防止機構70を示している。
なお、図4では、摺動面73a、73bのうち最も下側の部位(以下、最下部という)と固定スクロール34のうち最も下側の部位との間の距離がLであることを示している。図5では、摺動面73a、73bのうち最も下側の部位と固定スクロール34のうち最も下側の部位との間の距離が(L+α)であることを示している。αは、α>0が成立する距離である。
これに加えて、旋回スクロール32が、リング部71が溝形成部82a、83aによって支持された状態で幅方向にて往復運動する。この際に、摺動面74a、74bが溝形成部82aに対して幅方向にて摺動する。摺動面75a、75bが溝形成部83aに対して幅方向にて摺動する。
本実施形態の排出経路90のうち自転防止機構収納室34cに開口する入口開口部91のうち最も上側の部位(以下、最上部という)は、上側摺動部73a、73bの最下部よりも天地方向上側に位置する。入口開口部91のうち最も下側の部位(以下、最下部という)は、上側摺動部73a、73bの最下部よりも天地方向上側に位置する。
次に、本実施形態のスラスト軸受100の構造について図6〜図9を参照して説明する。
スラスト軸受100は、潤滑油経路120に対して軸線方向一方側に配置されている。スラスト軸受100は、環状円板部100a、100bを備える。環状円板部100a、100bは、それぞれ、軸線Sを中心とするリング状に形成されている。
環状円板部100aは、主軸受27に支持されている固定軸受部である。環状円板部100aのうち軸線方向他方側には、環状円板部(すなわち、旋回軸受部)100bに対して摺動する摺動面101aが形成されている。
環状円板部100bは、旋回スクロール32に支持されている。環状円板部100bのうち軸線方向一方側には、環状円板部100aに対して摺動する摺動面101bが形成されている。
摺動面101bのうち軸線Sを中心とする径方向内側には、軸線方向他方側に凹む凹部103が形成されている。凹部103は、摺動面101のうち軸線Sを中心とする径方向内側に開口されている。
凹部103内には、複数の突起部104が配置されている。複数の突起部104は、凹部103内の底部から軸線方向一方側に突起する円柱状に形成されている。複数の突起部104のそれぞれの軸線方向一方側には、環状円板部100aの摺動面101aから力を受ける受圧面104aが設けられている。複数の突起部104は、凹部103内にて分散して配置されている。凹部103は、潤滑油を保持する役割を果たす。このため、複数の突起部104は、それぞれ、凹部103の潤滑油に囲まれることになる。
複数の突起部104のそれぞれの受圧面104aは、凹部103内の潤滑油が供給されて潤滑された状態で、環状円板部100aの摺動面101aに対して摺動する。摺動面101のうち凹部103に対して軸線Sを中心とする径方向外側は、凹部103内の潤滑油を堰き止める堰き止め部102が形成されている。
本実施形態の環状円板部100aのうち径方向内側先端部110は、主軸受27のうち内周面27aよりも径方向内側に突起している突出部を構成する。径方向内側先端部110は、軸線Sを中心とする環状に形成されている。主軸受27のうち内周面27aは、軸線Sを中心とする環状に形成されている。内周面27aは、内周面27aよりも径方向内側にクランク機構収納室38を形成する軸受収納形成部を構成する。
具体的には、内周面27aにおける軸線Sを中心とする直径寸法をφDbとし、環状円板部100aにおける軸線Sを中心とする直径寸法をφDpとする。φDb>φDpが成立するとように、内周面27aとスラスト軸受100の環状円板部100aとが構成されている。
主軸受27のうち環状円板部100aに対して軸線方向一方側において、クランク軸受部32cに対して天地方向下側には、潤滑油経路120が設けられている。潤滑油経路120は、クランク機構収納室38内の潤滑油を自転防止機構収納室34cに導く流路である。
具体的には、潤滑油経路120は、クランク機構収納室38に開口する入口開口部120bを有する。入口開口部120b(図9参照)は、内周面27aに開口形成されている。
次に、本実施形態の横置きスクロールコンプレッサ10の作動について説明する。
まず、ステータ22のステータコイルに3相交流電力が供給されると、ステータコイルからロータ26に回転磁界が発生される。ロータ26は、回転磁界に同期する。これに伴い、回転軸24が軸線Sを中心として回転する。このため、バランサウエイト36が回転軸24とともに回転する。
この際に、回転軸24がクランク機構24aを介して旋回スクロール32に回転力を与える。このため、旋回スクロール32が固定スクロール34に対して軸線Sを中心として旋回する。これに伴い、旋回スクロール32と固定スクロール34との間において圧縮室50a、50bが形成される。圧縮室50a、50bは、冷媒を吸入して圧縮して吐出する。
具体的には、圧縮室50bは、吸入口11d、吸入室11e、冷媒経路11f、11g、11h、11gを通して低圧冷媒を吸入して圧縮して吐出する。この圧縮室50bから吐出される冷媒は、冷凍サイクル内で、低圧低温の冷媒になる。この低圧低温の冷媒は、再度圧縮室50aによって吸入されて圧縮されて吐出される。
この圧縮室50aから吐出される高圧ガス冷媒は、高圧吐出流路51を通して吐出室60に流れる。吐出室60からの高圧ガス冷媒のうち潤滑油が潤滑油分離機構63によって分離される。
潤滑油分離機構63により潤滑油が除かれた高圧冷媒は、吐出口63aからコンデンサに向けて吐出される。一方、潤滑油分離機構63により吐出室60からの高圧冷媒から分離された潤滑油は、高圧潤滑油室40に貯められる。
この際に、旋回スクロール32が固定スクロール34に対して旋回する。このため、減圧制御機構42が潤滑油経路44に対して間欠的に連通する。このため、減圧制御機構42が潤滑油経路44に対して連通した状態で、高圧潤滑油室40内の潤滑油が減圧制御機構42に導入される。
これにより、減圧制御機構42を通過した潤滑油が潤滑油経路43を通して潤滑油経路24bに流れる。潤滑油経路24bからの潤滑油が潤滑油経路24c、24d、24eを通して主軸受27、軸受部29、クランク機構収納室38、クランク軸受部32cに供給される。このため、主軸受27、軸受部29、クランク軸受部32cは、それぞれ、潤滑油によって潤滑される。
ここで、旋回スクロール32が固定スクロール34に対して旋回するに伴って、旋回スクロール32が自転防止機構70に対して幅方向にて往復運動する。このとき、自転防止機構70は、旋回スクロール32の自転力を受けつつ、固定スクロール34に対して天地方向にて往復運動する。
この際に、キー72の摺動面72a、72bは、溝形成部80aに対して天地方向に摺動する。キー73の摺動面73a、73bは、溝形成部81aに対して天地方向に摺動する。キー74の摺動面74a、74bは、溝形成部82aに対して幅方向に摺動する。キー75の摺動面75a、75bは、溝形成部83aに対して幅方向に摺動する。
ここで、キー72、73、74、75のうち最も上側に位置するキー72が最も天地方向下側に位置するタイミングにおいて、キー72の摺動面72a、72bのうち最も下側の部位を上側摺動部の最下部という。
排出経路90の入口開口部91のうち最も上側の部位(以下、最上部という)は、上側摺動部の最下部よりも天地方向上側に配置されている。さらに、入口開口部91のうち最も下側に位置する部位(以下、最下部という)は、上側摺動部の最下部よりも天地方向上側に配置されている。
一方、高圧潤滑油室40からの潤滑油が減圧制御機構42により減圧されると、潤滑油に溶けている冷媒が減圧発泡を生じる。自転防止機構収納室34c内において、潤滑油とガス冷媒とに分離する。そのため、ガス冷媒は、自転防止機構収納室34cから排出経路90を通して吸入室11e内に流れる。
これに伴い、自転防止機構収納室34c内においては、ガス冷媒成分が少ない摺動特性に優れた潤滑油が残る。このため、キー72の摺動面72a、72b、キー73の摺動面73a、73b、キー74の摺動面74a、74b、キー75の摺動面75a、75bは、自転防止機構収納室34c内の潤滑油によって潤滑される。これにより、自転防止機構70の信頼性を確実に確保できる。
自転防止機構収納室34cから排出経路90を通して吸入室11e内に排出されたガス冷媒は、吸入口11dから吸入室11e内に吸入されるガス冷媒に比べて極めて少ない。このため、排出経路90からのガス冷媒は、短時間で吸入室11e内のうち天地方向下側に位置する冷媒経路11fへ流入する。
このため、排出経路90からのガス冷媒が起因して電動機部20の温度を上昇させる、といった熱影響はない。これにより、電動機部20は、吸入口11dから吸入室11e内に吸入されるガス冷媒によって冷却され、銅損の増加が無く、高効率な状態で運転することができる。
また、自転防止機構収納室34cに潤滑油が満たされた際には、自転防止機構収納室34cから排出経路90を通して吸入室11eに潤滑油を排出することができる。これにより、潤滑油分離機構63による潤滑油の温度が上昇することを抑制することができる。
これに伴い、圧縮室50a、50bの温度上昇も抑制でき、圧縮室50a、50bの形成に有効であり、コンプレッサ効率も向上する。また、潤滑油の温度上昇に伴う摺動部の焼き付きを抑制できる。そして、この潤滑油を吸入室11e内に戻すことができ、冷媒ガスとともに、再び圧縮室50a、50bに戻すことができる。
以上説明した本実施形態によれば、横置きスクロールコンプレッサ10は、固定スクロール34および旋回スクロール32を備え、軸線方向が天地方向に交差(例えば、直交)するように配置されている。
旋回スクロール32は、軸線Sが延びる方向を軸線方向としたとき、固定スクロール34に対して軸線方向一方側に配置され、軸線Sを中心として旋回して、冷媒を吸入して圧縮して吐出する圧縮室50a、50bを固定スクロール34との間に形成する。主軸受27は、旋回スクロール32を軸線方向一方側から支える支持部を構成する。
潤滑油分離機構63は、圧縮室50a、50bから吐出される高圧ガス冷媒から潤滑油を分離して潤滑油が分離されたガス冷媒を吐出する潤滑油分離部を構成する。自転防止機構70は、旋回スクロール32の旋回に伴って、天地方向に変位しつつ摺動する摺動部72、73を有し、旋回スクロール32の自転を規制する。
固定スクロール34は、自転防止機構70を収納する自転防止機構収納室34cを形成する収納室形成部34fを備える。
潤滑油分離機構63によって冷媒から分離された潤滑油を自転防止機構収納室34cに導くために、潤滑油経路44、回転軸24の潤滑油経路24b、潤滑油経路24c、潤滑油経路120が設けられている。横置きスクロールコンプレッサ10は、潤滑油分離機構63から自転防止機構収納室34cに潤滑油を流通させる潤滑油経路を絞る減圧制御機構42を備える。
固定スクロール34は、自転防止機構収納室34c内に開口する入口開口部91を有し、入口開口部91を通して自転防止機構収納室34c内の潤滑油を吸入室11eに排出する排出経路90を形成する排出経路形成部90aを備える。
摺動部72、73のうち最も上側に位置する摺動部73を上側摺動部とする。上側摺動部が最も下側の部位に位置するタイミングにおいて上側摺動部のうち最も下側に位置する部位を最下部とする。
上側摺動部の最下部よりも入口開口部91のうち最も上側に位置する最上部の方が天地方向上側に位置する。具体的には、排出経路90の入口開口部91のうち最も下側に位置する最下部は、上側摺動部73の最下部よりも天地方向上側に形成されている。
したがって、高圧潤滑油室40からの潤滑油が減圧制御機構42により減圧されると、自転防止機構収納室34c内において、潤滑油とガス冷媒とに分離される。そのため、ガス冷媒は、自転防止機構収納室34cから排出経路90を通して吸入室11e内に流れる。
これに伴い、自転防止機構収納室34c内においては、潤滑油が残る。このため、キー72の摺動面72a、72b、キー73の摺動面73a、73b、キー74の摺動面74a、74b、キー75の摺動面75a、75bは、自転防止機構収納室34c内の潤滑油によって潤滑される。これにより、摩耗を防止して摺動抵抗を低減することができる。その結果、自転防止機構70の信頼性や性能の低下を防止することができる。
本実施形態では、高圧潤滑油室40からの潤滑油は減圧制御機構42を通過して所定圧力に減圧されてから各摺動部に供給されるため、各摺動部の信頼性を確保することができる。
本実施形態では、自転防止機構収納室34cから潤滑油や冷媒ガスを排出経路90を通して吸入室11eに排出して潤滑油や冷媒ガスを全量、圧縮室50a、50bに供給し圧縮室形成に活用でき、圧縮途中の漏れ損失を低減できる。
本実施形態では、電動機部20の冷却は、吸入口11dを介して吸入された低圧冷媒により確実に行うことで、モータ効率の向上も期待できる。従って、摺動部の信頼性の向上を低コストで出来、副作用として、効率向上も期待できる。
本実施形態では、吸入口11dから吸入室11e内に流入されるミスト状の潤滑油は、コンプケース11aの内壁や電動機部20(特に、巻線部)への衝突により液滴化され、重力によりコンプケース11aのうち下側に移動する。そして、自転防止機構収納室34cから排出経路90を通して吸入室11e内に流入される冷媒経路11g、11hに移動する。
このことにより、コンプケース11aの下側に溜まった潤滑油をガス冷媒の流れを活用し圧縮室50a、50bに早期給油することができ、極僅かな潤滑油をコンプケース11a内部に残すのみとなる。従って、コンプケース11aへの潤滑油溜まりを抑制することができ、信頼性やコンプレッサ効率を維持するための冷凍空調機器の必要潤滑油量のコントロールが可能となる。
本実施形態では、高圧潤滑油室40と吸入室11eとの間の圧力差を利用して高圧潤滑油室40内の潤滑油を各種の摺動部位に供給する。このように潤滑油の供給に冷媒圧力差を活用することで、コスト高となる容積型潤滑油ポンプは不要となり、各摺動部の信頼性の確保とコスト対応を同時に行う事ができる。
本実施形態では、バランサウエイト36が潤滑油経路120の入口開口部120bに近づくことにより、バランサウエイト36の径方向外側36aが潤滑油経路120の入口開口部120bの一部に対してオーバーラップする。
これにより、密度の高い潤滑油は、バランサウエイト36の遠心力により、クランク機構収納室38のうち外周側に運ばれ、バランサウエイト36の回転力で潤滑油経路120の入口開口部120b内に早期に流入させることができる。したがって、クランク機構収納室38内の潤滑油を潤滑油経路120を通して自転防止機構収納室34cに早期に供給することができる。
これに加えて、バランサウエイト36の回転によってクランク機構収納室38内のガス冷媒、潤滑油を攪拌することにより、ガス冷媒の流れによって潤滑油を潤滑油経路120を通して自転防止機構収納室34cに早期に供給することができる。
本実施形態では、クランク機構収納室38を形成する内周面27aにおける軸線Sを中心とする直径寸法をφDbとし、スラスト軸受100の環状円板部100aにおける軸線Sを中心とする直径寸法をφDpとする。φDb>φDpが成立するとように、内周面27aとスラスト軸受100の環状円板部100aとが構成されている。
これにより、クランク機構収納室38において高さが(φDb−φDp)/2である堰を設けることができるため、クランク機構収納室38内の潤滑油を堰き止めることができる。そのため、クランク機構収納室38内の潤滑油を潤滑油経路120を通して自転防止機構収納室34cに早期に供給することができる。
本実施形態では、摺動面72a、72b、73a、73b・・・74a、74b等が配置されている自転防止機構収納室34cの冷媒圧力と吸入室11eの圧力がほぼ同じ圧力である。このため、自転防止機構収納室34cおよび吸入室11eの間に減圧弁が不要となる。
例えば、差圧作動弁などは、ある一定差圧に到達した時点で作動し潤滑油を排出するが、作動するまでの時間は、排出ができず、潤滑油の排出先が圧縮室の場合、圧縮室形成不足や漏れ増加による性能が悪化、或いは、圧縮内部の摺動部の摩耗が生じる可能性がある。 これに対して、本実施形態では、上述の如く、冷媒圧力の低い場所に設置された各種摺動部位に冷媒圧力差を利用して供給できるため、早期給油が可能となる。
本実施形態では、スラスト軸受100に対して軸線方向一方側に潤滑油経路120が設けられている。
ここで、潤滑油経路120が設けられていない場合にはクランク機構収納室38内の潤滑油をスラスト軸受100における圧損が大きい微小隙間を通過して自転防止機構収納室34cに供給する必要がある。
これに対して、本実施形態では、上述の如く、スラスト軸受100に対して軸線方向一方側に潤滑油経路120が設けられている。このため、圧損を小さくすることができ、自転防止機構収納室34cへの早期給油が可能となる。
本実施形態では、排出経路90は、コンプケース11aのうち主軸受27に対して上側に設けられている。潤滑油経路120は、コンプケース11aのうちクランク機構収納室38に対して下側に配置されている。
このため、電動機部20の停止時には、各摺動部にはわずかな付着潤滑油を残し、余剰潤滑油は自転防止機構収納室34c内の下側に溜まる。
よって、排出経路90が上述の如くクランク機構収納室38に対して下側に配置されている。このため、電動機部20の起動後は、ガス冷媒混じりの潤滑油が、クランク機構収納室38から排出経路90を通して自転防止機構収納室34cの下側の潤滑油溜りに供給される。
このため、自転防止機構収納室34cの下側に溜まった潤滑油を攪拌し、ガス冷媒と共に潤滑油を排出経路90の入口開口部91に運ぶことができる。これにより、潤滑油のみで潤滑するよりも、密度の軽いガス利用して潤滑油を摺動面72a・・・74b等に早期で供給することができる。
本実施形態では、高圧潤滑油室40からの潤滑油を自転防止機構収納室34cに流通させるための潤滑油経路と吸入口11dからの冷媒を圧縮室50a、50bに流通させるための冷媒経路とが独立して設けられている。
ここで、潤滑油経路と冷媒経路とが繋がっていると、自転防止機構収納室34cに供給される潤滑油に含まれるガス冷媒量が大きくなる。
これに対して、本実施形態では、上述の如く、潤滑油経路と冷媒経路とが独立して設けられている。このため、自転防止機構収納室34cに供給される潤滑油に含まれるガス冷媒量が少なくすることができる。これに伴い、自転防止機構収納室34cに供給される潤滑油の粘度が低下することを抑制することができる。
また、横置きスクロールコンプレッサ10は、車両空調装置用の冷凍サイクルを構成する機能部品の中でも重量が重く、温まりに冷めにくい。そのため、外気温度の変化にともない他の機器よりも温度が低い場合には、冷媒ガスが凝集し液冷媒が溜まりやすい。そのため、潤滑経路が吸入経路と分離することで、その液冷媒が各摺動部へ侵入し、各摺動部から潤滑油を持ち出すことを抑制することができる。
なお、吐出口63aや吸入口11dに逆止弁などを設ける場合もあるが、体格の大型化や、コスト高に繋がるため、お勧めできない。
ここで、冷媒経路は、冷媒経路11f、11g、11h、11iによって構成されている。潤滑油経路は、潤滑油経路44、潤滑油経路43、回転軸24の潤滑油経路24b、潤滑油経路24c、および潤滑油経路120によって構成されている。
また、潤滑油経路120が設けられていなく、かつスラスト軸受100の環状円板部100a、100bの間の隙間が極めて小さい場合には、クランク機構収納室38から
自転防止機構収納室34cに流れる潤滑油の流動性は低下する。その結果、摺動熱により潤滑油の温度が上昇して、潤滑油の粘度が低下し、焼き付きが生じる可能性がある。
これに対して、本実施形態では、上述の如く、潤滑油経路120が設けられているため、クランク機構収納室38から自転防止機構収納室34cに流れる潤滑油の流動性を高めることができる。その結果、潤滑油の粘度が低下することが抑制して、焼き付きが生じることを未然に抑えることができる。
本実施形態では、冷媒として二酸化炭素で用いられており、圧縮室50aから吐出される二酸化炭素の圧力が臨界圧力を超える。
ここで、二酸化炭素は、フロン系冷媒(冷媒)にくらべ、運転時の圧力が高く、自転トルクも1.5倍程度と高いため、自転防止機構70にも大きな荷重が作用する。そのため信頼性と性能を確保するために、良好な潤滑環境をつくることで油膜形成や摺動発熱の除去を実現できる。その結果、摩耗を抑制し、低摩擦化による摺動損失の低減ができる。
本実施形態では、冷媒経路11g、11hは、固定スクロール34および旋回スクロール32に対して下側に配置されている。冷媒経路11g、11hは、ロータ26に対して軸線Sを中心とする径方向外側に配置されて、かつロータ26に対して下側に配置されている。
これにより、容積型潤滑油ポンプなどを使用しないため、動力の増加なしで、コンプケース11aの下側に溜まった潤滑油をガス冷媒の流れを活用して圧縮室50a、50bに早期に給油することができ、極僅かな潤滑油をコンプケース11a内部に残すのみとなる。
したがって、コンプケース11a内部への潤滑油溜まりが生じることを抑制することができ、信頼性やコンプレッサ効率を維持するための冷凍空調機器の必要な潤滑油の量のコントロールが可能となる。
また、ロータ26の回転時の撹拌抵抗によりロスが生じ、効率が低下することを抑制し、潤滑油の枯渇による摺動部位の潤滑油が不足、焼き付き、潤滑油セパレータの大型化によるコストアップも抑制できる。
本実施形態のスラスト軸受100の環状円板部100bの摺動面101のうち軸線Sを中心とする径方向内側には、軸線方向他方側に凹む凹部103が形成されている。凹部103は、摺動面101のうち軸線Sを中心とする径方向内側(すなわち、クランク機構収納室38)に開口されている。
旋回スクロール32の旋回運動によって環状円板部100bの内周面の全方向から潤滑油を凹部103に引き込み、複数の突起部104の受圧面104aに油膜を形成することができる。とくに、旋回スクロール32は、公転運動をするため、スラスト軸受100をスクロール型圧縮機に用いた場合の摺速は、スラスト軸受100を回転運動する機器に用いた場合の摺速に比べて小さい。
以上により、スラスト軸受100の内周面の全方位から潤滑油を引き込み、油膜を形成できるため、摩耗や焼き付きを抑制することができる。
本実施形態では、圧縮機構部30は、車両空調機器用のスクロールコンプレッサに搭載されている。このため、車両の走行性能を優先するため、一時的に車載空調用コンプレッサへの電力供給を停止し、速やかに復帰する断続運転が多発する場合でも、早期の給油を実現する本実施形態の効果は大きい。
本実施形態においては、冷媒と常温で1%以上の相溶性のある潤滑油が使用される。二酸化炭素とPAG、HFC、HFOとPVEのように、冷媒と相溶性のある潤滑油(すなわち、相溶油)が使用される。相溶油は、冷媒との溶解性がよく、冷媒に溶けやすく、油の流動性が高い。そのため、圧縮室50a、50bから吐出された潤滑油が圧縮室50a、50bに戻ってきやすくなり、圧縮室50a、50bから吐出された相溶油が冷媒回路内に残留する量(すなわち、横置きスクロールコンプレッサ10から相溶油が冷媒回路内へ流出する量)を減らすことができ、冷媒回路設計が容易となる。
しかしながら、ガス冷媒と相溶する潤滑油を用いた場合には、潤滑油の潤滑経路の流動過程で少なからず溶解ガスの減圧発泡現象が発生する。その場合、潤滑油のみに比べ、ガスは10倍の容積となる。
そのため、バランサウエイト36の回転によってクランク機構収納室38内のガス冷媒、潤滑油を攪拌することにより、ガス冷媒の流れによって潤滑油を搬送して潤滑油経路120を通して自転防止機構収納室34cに早期に供給することができる。
(変形例)
上記第1実施形態では、排出経路90をコンプケース11aと主軸受27との間に形成した例について説明したが、これに代えて、(a)(b)のように、排出経路90を主軸受27に設けてもよい。
(a)図10に示すように、排出経路90のうち吸入室11eに開口される出口開口部92が入口開口部91よりも下側に位置する場合、入口開口部91のうち最も下側に位置する最下部が、上側摺動部73a、73bの最下部よりも天地方向上側に配置されている。
図10では、入口開口部91の最上部が、上側摺動部73a、73bの最下部よりも天地方向上側に配置されている。
(b)図11に示すように、排出経路90の出口開口部92が入口開口部91よりも上側に位置する場合、入口開口部91のうち最も上側に位置する最上部を、上側摺動部73a、73bの最下部よりも天地方向上側に配置する。
図11では、入口開口部91の最下部が、上側摺動部73a、73bの最下部よりも天地方向上側に配置されている。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、自転防止機構収納室34cからのガス冷媒を吸入室11eに排出する例について説明したが、これに代えて、自転防止機構収納室34cからのガス冷媒を圧縮室50bに排出する本第2実施形態について図12〜図15を参照して説明する。
本実施形態と上記第1実施形態とでは、自転防止機構収納室34cからのガス冷媒を排出する排出流路が相違するだけで、その他の構成は、同一である。このため、以下、自転防止機構収納室34cからのガス冷媒を排出する排出流路について主に説明し、その他の構成の説明を省略する。
本実施形態の横置きスクロールコンプレッサ10は、排出経路90に代わる排出経路130(図12、図13、図14参照)が設けられている。排出経路130は、固定スクロール34に形成されている。
排出経路130は、キー溝部81内に開口する入口開口部140と、作動室53に開口する出口開口部121とを備える。作動室53は、固定スクロール34の基部34a、歯部34b、および旋回スクロール32の基部32a、歯部32bによって囲まれる領域である。作動室53のうち一部が圧縮室50a、50bを構成している。排出経路130は、固定スクロール34の排出経路形成部130aによって形成されている。
ここで、入口開口部140のうち最も上側に位置する部位(以下、最上部という)は、上側摺動部の最下部よりも天地方向上側に配置されている。入口開口部140のうち最も下側に位置する部位(以下、最下部という)は、上側摺動部の最下部よりも天地方向上側に配置されている。
本実施形態の作動室53には、吸入口123および吐出口125が開口されている。吸入口123は、冷媒経路11i(図12参照)に連通されている。吐出口125は、高圧吐出流路51(図12参照)に連通されている。
また、本実施形態の横置きスクロールコンプレッサ10と上記第1実施形態の横置きスクロールコンプレッサ10とは、自転防止機構収納室34cからのガス冷媒を排出する排出作動が互いに相違する。
そこで、以下、本実施形態の横置きスクロールコンプレッサ10において排出作動について説明する。
まず、ロータ26の回転に伴って、回転軸24がクランク機構24aを介して旋回スクロール32に回転力を与える。このため、旋回スクロール32が固定スクロール34に対して軸線Sを中心として旋回する。これに伴い、旋回スクロール32と固定スクロール34との間において、圧縮室50a、50bが冷媒を吸入して圧縮して吐出する。
例えば、図15に示すように、旋回スクロール32と固定スクロール34とによって吸入口123と圧縮室50bとの間が開けられた状態で、吸入室11eから低圧冷媒が冷媒経路11g、11h、11i、吸入口123、作動室53を通して圧縮室50bに吸入される。
この際に、旋回スクロール32と固定スクロール34とによって排出経路130の出口開口部121と圧縮室50bとの間が開けられた状態で、自転防止機構収納室34cからのガス冷媒が排出経路130を通して圧縮室50bに吸入される。
その後、旋回スクロール32の旋回に伴って、旋回スクロール32の歯部32bと固定スクロール34の歯部34bとが点P1、P2で接触される。このとき、旋回スクロール32と固定スクロール34とによって吸入口123と圧縮室50bとの間が閉じられる。旋回スクロール32と固定スクロール34とによって排出経路130の出口開口部121と圧縮室50bとの間が閉じられる。
この際に、圧縮室50bが旋回スクロール32と固定スクロール34とによって密閉される。
その後、旋回スクロール32の旋回に伴って、圧縮室50b内の冷媒が圧縮されてこの圧縮された冷媒が圧縮室50aに吐出される。この冷媒が吐出された圧縮室50aは、冷媒を圧縮してこの圧縮した高圧冷媒を吐出口125から高圧吐出流路51および高圧冷媒を吐出室60を通して潤滑油分離機構63に吐出する。その後の作動は、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
以上説明した本実施形態によれば、排出経路130は、固定スクロール34において、自転防止機構収納室34cおよび圧縮室50bの間を連通するように形成されている。
圧縮室50bが冷媒を圧縮する際に、固定スクロール34および旋回スクロール32によって排出経路130および圧縮室50bの間が閉じられる。
圧縮室50bが前記冷媒の圧縮を開始する前に、固定スクロール34および旋回スクロール32によって排出経路130および圧縮室50bの間が開けられた状態で、自転防止機構収納室34c内のガス冷媒が排出経路130を通して圧縮室50bに吸入される。
以上により、減圧制御機構42を潤滑油が通過する際に潤滑油から分離されたガス冷媒を自転防止機構収納室34c内から圧縮室50bに排出しつつ、自転防止機構収納室34c内の余剰潤滑油を圧縮室50bに供給することができる。
このように、排出経路130の入口開口部140を自転防止機構70の上側摺動部に給油可能な高さ位置とすることで、自転防止機構70の摺動面72a、72b・・・・75a、75bに潤滑油が確実に供給でき、且つ、冷媒ガスを圧縮室50bを排出することができる。
これにより、自転防止機構収納室34cへの潤滑油の供給後も滞留させず、潤滑油を循環させることができ、摺動発熱による潤滑油の温度の上昇を抑制できる。また、潤滑油を圧縮室50b内に戻すことができ、圧縮室の形成に活用でき、圧縮途中の漏れ損失を低減できる。また、自転防止機構収納室34cから排出された潤滑油を、コンプケース11a内に戻して圧縮室50a、50bに給油する場合よりも、早期に潤滑油を圧縮室50a、50bに供給することができる。
本実施形態では、旋回スクロール32と固定スクロール34とによって圧縮室50bが閉じ込められることが完了する前に、排出経路130の出口開口部121と圧縮室50bとの間が開けられた状態となる。
このことにより、吸入口123から圧縮室50bに流入される冷媒ガスよりも温度が高い潤滑油が、圧縮室50bのとじ込み前の冷媒ガスを加熱し密度を低下させ、動力の増加させることを抑制することができる。また、自転防止機構収納室34cから圧縮室50bへの潤滑油の流路の経路長を最短とすることができるため、早期に圧縮室50bに潤滑油を給油できる。
(第3実施形態)
上記第2実施形態では、自転防止機構収納室34cからのガス冷媒を圧縮室50bに排出する排出経路130を設けた例について説明した。しかし、これに代えて、上記第1実施形態における排出経路90と上記第2実施形態における排出経路130とを組み合わせた本第3実施形態について図16を参照して説明する。
図16において、図1、図15と同一の符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
本実施形態の横置きスクロールコンプレッサ10には、排出経路90と排出経路130とが設けられている。排出経路90は、排出経路130よりも天地方向上側に配置されている。
ここで、上記第2実施形態と同様に、入口開口部140の最上部は、上側摺動部の最下部よりも天地方向上側に配置されている。入口開口部140の最下部は、上側摺動部の最下部よりも天地方向上側に配置されている。
このように構成される本実施形態では、排出経路90、および排出経路130における天地方向の位置(すなわち、高さ位置)に差を持たせている。ここで、自転防止機構収納室34c内において、ガス冷媒の密度が大きい潤滑油は、ガス冷媒の密度が小さい潤滑油よりも天地方向上側に移動する。
このため、自転防止機構収納室34c内のうち天地方向上側の潤滑油の密度が小さくなり、自転防止機構収納室34c内のうち天地方向下側の潤滑油の密度が大きくなる。
このため、自転防止機構収納室34cから吸入室11eに連通する排出経路90から、主にガス冷媒(或いは、冷媒ガスの密度が大きい潤滑油)が吸入室11eに排出される。一方、ガス冷媒の密度が小さい潤滑油が排出経路130を通して圧縮室50b内に供給される。
例えば、吸入口123を通して圧縮室50bに吸入される冷媒ガスの温度よりも上記減圧発砲により潤滑油から分離されたガス冷媒の温度の方が高い場合、上記潤滑油から分離されたガス冷媒が吸入口123を通して圧縮室50bに吸入されると、次の問題が生じる。
すなわち、圧縮室50b内において上記減圧発砲により潤滑油から分離されたガス冷媒が吸入口123を通して圧縮室50bに吸入される冷媒ガスを加熱するため、体積効率が低下する。
これに対して、本実施形態では、上述の如く、ガス冷媒の密度が小さい潤滑油が排出経路130を通して圧縮室50b内に供給される。これにより、吸入口123を通して圧縮室50bに吸入される冷媒ガスを加熱することを抑制することができ、体積効率が低下することを抑えることができる。
一方で、ガス冷媒の密度が大きい潤滑油は、排出経路90から吸入室11eに排出される。このため、自転防止機構収納室34c内において、ガス冷媒の密度が小さい潤滑油(すなわち、潤滑油自体の密度が高い潤滑油)を自転防止機構70の摺動部の潤滑に活用することもできる。
また、余剰になった潤滑油を圧縮室50bに早期給油できるため、前述したように体積効率を低下させることなく、圧縮室50a、50bの形成や漏れを抑制、また、圧縮室50a、50b内部を潤滑することができる。
(第4実施形態)
上記第1、2、3の実施形態では、潤滑油経路120を回転軸24に対して天地方向下側に配置した例について説明した。しかし、これに代えて、潤滑油経路120を回転軸24に対して天地方向上側に配置した本第4実施形態について図17、図18を参照して説明する。図17、図18において、図1と同一符号は同一のものを示し、その説明を省略する。
本実施形態と上記第〜3の実施形態とでは、潤滑油経路120の配置が主に相違する。
そこで、潤滑油経路120、排出経路90、および自転防止機構70のキー73、72の配置関係について説明する。
自転防止機構70に対して軸線方向一方側で自転防止機構70に隣接して旋回スクロール32が配置されている。
このため、運転中は、自転防止機構70に隣接して旋回スクロール32が旋回運動を行う。そのため、自転防止機構収納室34c内の潤滑油とガス冷媒は、旋回スクロール32の旋回運動と同じ方向に旋回する。
特に、旋回スクロール32の旋回速度が高速である回転高速域では、潤滑油とガス冷媒とが旋回流として流れることが顕著になる。その特性を利用して、以下の配置関係も有効である。
以下、説明の便宜上、旋回スクロール32の旋回方向に対する反対方向を反旋回方向とする。旋回スクロール32が旋回方向に旋回して潤滑油経路120から排出経路90に向けて進行する場合に、旋回スクロール32が通過する経路の長さを第1経路長とする。
旋回スクロール32が反旋回方向に旋回して潤滑油経路120から排出経路90に向けて進行する場合に、旋回スクロール32が通過する経路の長さを第2経路長とする。本実施形態では、第2経路長の方が第1経路長よりも短くなる位置に排出経路90が配置されている。
潤滑油経路120および排出経路90の間において潤滑油経路120および排出経路90に向けて形成される範囲を禁止範囲としたとき、摺動面73a、73b、72a、72bは、自転防止機構収納室34cのうち禁止範囲を避けて配置されている。
ここで、潤滑油経路120から自転防止機構収納室34c内に流入される潤滑油、ガス冷媒は、旋回スクロール32の旋回に伴って、図18中の矢印Gの如く、旋回方向に流れる。このため、潤滑油経路120から潤滑油、ガス冷媒は、自転防止機構収納室34c内にて旋回方向に流れてから、排出経路90を通して吸入室11eに流れる。このため、上述の禁止範囲においては、潤滑油が不足するおそれがある。
そこで、本実施形態では、上述の如く、摺動面73a、73b、72a、72bは、自転防止機構収納室34cのうち禁止範囲を避けて配置されている。
換言すれば、旋回スクロール32の旋回運動において図18中反時計回りの方向を正方向する場合には、排出経路90(仮に回転方向0°位置)に対して、潤滑油経路120の回転位置H>0°とすることできる。このため、摺動面73a、73b、72a、72bを潤滑油によって潤滑化することができる。
また、排出経路90)は、潤滑油経路120よりも、遅角側で、旋回流の下流側となるため、自転防止機構70に供給された潤滑油が早期に排出されることを抑制することができる。
(第4実施形態)
上記第1〜3実施形態では、自転防止機構70としてオルダムリングを用いた例について説明したが、これに代えて、自転防止機構70としてピン−リング機構を用いた本第4実施形態について図19、図20を参照して説明する。
本実施形態の自転防止機構70は、図19に示すように、ピン−リング機構70a、70b、70c、70dを備える。ピン−リング機構70a、70b、70c、70dは、上下左右に分散して配置されている。
ピン−リング機構70aは、図20に示すように、ピン200およびリング210を備える。ピン200のうち一方側が固定スクロール34の穴に挿入されている。ピン200のうち他方側がリング210内に入っている。リング210は、旋回スクロール32の穴部に嵌め込まれている。
ピン−リング機構70b、70c、70dは、それぞれ、ピン−リング機構70aと同様、ピン200およびリング210を備える。
このように構成される本実施形態の自転防止機構70では、旋回スクロール32の旋回に伴ってリング210が旋回する。このため、リング210の内周面は、回転しつつ、ピン200に摺動する。
本実施形態では、ピン−リング機構70aは、ピン−リング機構70a、70b、70c、70dのうち最も上側に位置するピン−リング機構である。そして、図20に示すように、ピン200の外周面のうち最も下側の部位がリング210の内周面のうち最も下側の部位を接触したタイミングにおいて、リング210の内周面のうち最も下側の部位を上側摺動部の最下部とする。
(第5実施形態)
上記第4実施形態では、自転防止機構70としてピン−リング機構を用いた例について説明したが、これに代えて、自転防止機構70としてピン−ホール機構を用いた本第5実施形態について図21を参照して説明する。
本実施形態の自転防止機構70は、複数のピン−ホール機構と、旋回スクロール32と固定スクロール34との間に配置されているプレート70Aとを備える。図21では、1つのピン−ホール機構のみを示す。複数のピン−ホール機構は、上記第4実施形態のピン−リング機構の場合と同様に、上下左右に分散して配置されている。
以下、説明の便宜上、複数のピン−ホール機構のうち最も上側のピン−ホール機構をピン−ホール機構70eとする。
ピン−ホール機構70eは、図21に示すように、ピン200a、200bを備える。ピン200aのうち一方側が固定スクロール34の穴に挿入されている。ピン200aのうち他方側がプレート70Aの穴に入っている。ピン200bのうち一方側がプレート70Aの穴に入っている。ピン200bのうち他方側が旋回スクロール32の穴に挿入されている。
複数のピン−ホール機構のうちピン−ホール機構70e以外の残りのピン−ホール機構は、ピン−ホール機構70eと同様に構成されている。
このように構成される本実施形態の自転防止機構70では、旋回スクロール32の旋回に伴って、プレート70Aが天地方向、幅方向(すなわち、図21中の紙面垂直方向)に変位する。
このため、ピン200aが固定スクロール34の穴内の内周面に摺動する。このとき、ピン200bが天地方向、幅方向に変位しつつ、ピン200bの外周面が旋回スクロール32の穴内の内周面に摺動する。
このため、図21(a)に示すように、ピン−ホール機構70eにおいて、ピン200bが最も下側に位置するタイミングで、ピン200bの外周面のうち最も下側の部位を上側摺動部の最下部とする。或いは、ピン200bが最も下側に位置するタイミングで、旋回スクロール32の穴内の内周面のうち最も下側の部位を上側摺動部の最下部とする。
(他の実施形態)
(1)上記第1〜5実施形態では、二酸化炭素を冷媒として採用して、冷媒圧力が臨界圧力を超える超臨界冷凍サイクルを構成した例について説明したが、これに代えて、冷媒圧力が臨界圧力以下になる冷凍サイクルを構成してもよい。
(2)上記第2、3実施形態では、排出経路130を固定スクロール34の内部に設けた例について説明したが、これに代えて、固定スクロール34と旋回スクロール32の境界面に排出経路130を設けてもよい。或いは、旋回スクロール32の内部に排出経路130を設けても同じ効果が得られる。
(3)上記第1〜5実施形態では、スラスト軸受100のうち環状円板部100bに凹部103、および複数の突起部104を設けた例について説明した。しかし、これに代えて、スラスト軸受100のうち環状円板部100aに凹部103、および複数の突起部104を設けてもよい。
(4)上記第1〜5実施形態では、環状円板部100aのうち径方向内側先端部110を主軸受27の内周面27aよりも径方向内側に突起させる例について説明した。しかし、これに代えて、環状円板部100bのうち径方向内側先端部を主軸受27の内周面27aよりも径方向内側に突起させてもよい。
(5)上記第1〜5実施形態では、横置きスクロールコンプレッサ10を車載用空調装置に適用した例について説明した。しかし、これに代えて、設置型空調装置、設置型の冷凍装置等に横置きスクロールコンプレッサ10を適用してもよい。
或いは、列車、電車、飛行機、船舶等の移動体用空調装置、或いは、移動体用冷凍装置に横置きスクロールコンプレッサ10を適用してもよい。
(6)上記第1〜5実施形態では、自転防止機構70を固定スクロール34と旋回スクロール32の間に配置したが、これに代えて、自転防止機構70を主軸受27と旋回スクロール32の間に配置してもよい。
(7)上記第1〜5実施形態では、排出経路90を自転防止機構70の上側に設けた例について説明した。しかし、自転防止機構70の上側摺動部の最下部よりも排出経路90の入口開口部の最上部の方が上側に位置するのであれば、排出経路90を自転防止機構70の上側以外の位置に設けてもよい。
このことにより、自転防止機構70の摺動部の潤滑を確保することができる。それは、自転防止機構70に供給する潤滑油経路120の入口開口部120bを、自転防止機構70の各摺動部にダイレクトに供給するように構成することである。これにより、潤滑油を確実に、かつ、安定的に供給することができる。
(9)上記第1〜5実施形態では、クランク機構収納室38を形成する内周面27aを軸線Sを中心とする円弧状に形成した例について説明した。
しかし、これに限らず、環状円板部100aのうち径方向内側先端部110が主軸受27のうち内周面27aよりも径方向内側に突起しているのであれば、内周面27aを円弧状に形成しなくてもよい。
(10)上記第1〜5実施形態では、スラスト軸受100の環状円板部100aにおける軸線Sを中心とする円弧状に形成した例について説明した。
しかし、これに限らず、環状円板部100aのうち径方向内側先端部110が主軸受27のうち内周面27aよりも径方向内側に突起しているのであれば、環状円板部100aを円弧状に形成しなくてもよい。
(11)上記第1〜5実施形態では、自転防止機構70として、オルダムリング、ピンリング機構、ピン−ホール機構を用いた例について説明した。しかし、これに代えて、オルダムリング、ピンリング機構、およびピン−ホール機構以外のものを自転防止機構70として用いてもよい。
(12)なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、センサから車両の外部環境情報(例えば車外の湿度)を取得することが記載されている場合、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報を受信することも可能である。あるいは、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報に関連する関連情報を取得し、取得した関連情報からその外部環境情報を推定することも可能である。
(まとめ)
上記第1〜第4実施形態、および他の実施形態の一部または全部に記載された第1の観点によれば、横置きスクロールコンプレッサは、固定スクロールと旋回スクロールとを備える。
旋回スクロールは、軸線が延びる方向を軸線方向としたとき、固定スクロールに対して軸線方向一方側に配置され、軸線を中心として旋回して、冷媒を吸入して圧縮して吐出する圧縮室を固定スクロールとの間に形成する。
横置きスクロールコンプレッサは、旋回スクロールを軸線方向一方側から支える支持部を備え、軸線方向が天地方向に交差するように配置される。
横置きスクロールコンプレッサは、圧縮室から吐出される冷媒から潤滑油を分離して潤滑油が分離された冷媒を吐出する潤滑油分離部を備える。
横置きスクロールコンプレッサは、旋回スクロールの旋回に伴って、変位しつつ摺動する複数の摺動部を有し、旋回スクロールの自転を規制する自転防止機構を備える。
横置きスクロールコンプレッサは、自転防止機構を収納する機構収納室を形成する収納室形成部と、潤滑油分離部によって冷媒から分離された潤滑油を機構収納室に導く潤滑油経路を形成する潤滑油経路形成部とを備える。
横置きスクロールコンプレッサは、潤滑油経路を絞る減圧機構と、機構収納室内に開口する入口開口部を有する排出経路を形成する排出経路形成部と、を備える。
潤滑油が減圧機構を通過することに伴って潤滑油から分離されるガス冷媒が機構収納室から入口開口部に流入され、この流入されたガス冷媒が排出経路を通して排出される。
入口開口部のうち最も上側の部位を入口開口部の最上部とし、複数の摺動部のうち最も上側に位置する摺動部を上側摺動部とし、上側摺動部が最も下側の部位に位置するタイミングにおいて上側摺動部のうち最も下側に位置する部位を最下部とする。上側摺動部の最下部よりも入口開口部の最上部の方が上側に位置する。
第2の観点によれば、横置きスクロールコンプレッサは、吸入口と、吸入口に連通される吸入室とを形成するケーシングと、吸入室および圧縮室の間を連通する冷媒経路を形成する冷媒経路形成部と、を備える。
旋回スクロールの旋回に伴って、圧縮室は、吸入口、吸入室、および冷媒経路を通して冷媒を吸入してこの吸入した冷媒を圧縮する。排出経路は、機構収納室および吸入室の間を連通している。
これにより、機構収納室からガス冷媒を排出経路を通して吸入室に排出することができる。
第3の観点によれば、排出経路は、機構収納室および圧縮室の間を連通している。
これにより、機構収納室からガス冷媒を圧縮室を通して吸入室に排出することができる。
第4の観点によれば、横置きスクロールコンプレッサは、吸入口と、吸入口に連通される吸入室とを形成するケーシングと、吸入室および圧縮室の間を連通する冷媒経路を形成する冷媒経路形成部とを備える。
旋回スクロールの旋回に伴って、圧縮室は、吸入口、吸入室、および冷媒経路を通して冷媒を吸入してこの吸入した冷媒を圧縮する。横置きスクロールコンプレッサは、排出経路を第1排出経路としたとき、第2排出経路を形成する排出経路形成部を備える。
第1排出経路は、機構収納室および吸入室の間を連通し、第2排出経路は、機構収納室および圧縮室の間を連通し、第1排出経路は、第2排出経路よりも上側に位置する。
したがって、機構収納室からガス冷媒を第1排出経路を通して吸入室に排出し、機構収納室から潤滑油を第2排出経路を通して圧縮室に排出することができる。
第5の観点によれば、圧縮室が冷媒を圧縮する際に、固定スクロールおよび旋回スクロによって第2排出経路および圧縮室の間が閉じられる。圧縮室が冷媒の圧縮を開始する前に、固定スクロールおよび旋回スクロによって第2排出経路および圧縮室の間が開けられた状態で、機構収納室内の潤滑油が第2排出経路を通して圧縮室に吸入される。
第6の観点によれば、横置きスクロールコンプレッサは、旋回スクロールに対して軸線方向一方側に配置され、軸線を中心として旋回して旋回力を旋回スクロールに与えるクランク機構を備える。
横置きスクロールコンプレッサは、クランク機構を収納する軸受収納室を形成する軸受収納形成部を備える。潤滑油経路は、減圧機構を通過した潤滑油を軸受収納室に導く第1潤滑油経路と、軸受収納室内の潤滑油を機構収納室に導く第2潤滑油経路と、を備える。
これにより、減圧機構を通過した潤滑油を短時間で機構収納室に導くことができる。
第1の観点によれば、旋回スクロールの旋回方向に対する反対方向を反旋回方向とし、
旋回スクロールが旋回方向に旋回して第2潤滑油経路から排出経路に向けて進行する場合に、旋回スクロールが通過する経路の長さを第1経路長とする。
旋回スクロールが反旋回方向に旋回して第2潤滑油経路から排出経路に向けて進行する場合に、旋回スクロールが通過する経路の長さを第2経路長とする。第2経路長の方が第1経路長よりも短くなる位置に排出経路が配置されている。
排出経路および第2潤滑油経路の間において第2潤滑油経路から反旋回方向に向けて形成される範囲を禁止範囲としたとき、複数の摺動部は、禁止範囲を避けて配置されている。
これにより、複数の摺動部に潤滑油を供給することができる。
第8の観点によれば、横置きスクロールコンプレッサは、軸線を中心として回転してクランク機構を通して旋回スクロールに回転力を与える回転軸を備える。
横置きスクロールコンプレッサは、軸受収納室内に配置されて、回転軸とともに回転して旋回スクロールにおける軸線に対する重量のアンバランスを相殺するバランサウエイトを備える。第2潤滑油経路は、軸受収納室内に開口する入口開口部を有している。
バランサウエイトのうち軸線を中心とする外周側が入口開口部に近づくことにより、バランサウエイトの外周側が入口開口部の一部をオーバーラップするようにバランサウエイトおよび入口開口部が配置されている。
これにより、密度の高い潤滑油は、バランサウエイトの遠心力により、外周側に運ばれ、バランサウエイトの回転力で第2潤滑油経路の入口開口部内に早期に流入させることができる。
第9の観点によれば、横置きスクロールコンプレッサは、支持部によって支持されて、旋回スクロールの旋回が可能になるように旋回スクロールを軸線方向一方側から支えるスラスト軸受部を備える。
軸受収納形成部は、軸線を中心とする内周面を有して内周面よりも軸線を中心とする径方向内側に軸受収納室を形成している。
第2潤滑油経路の入口開口部は、内周面に形成されている。スラスト軸受部は、第2潤滑油経路の入口開口部よりも軸線方向他方側に配置されている。さらにスラスト軸受部には、内周面よりも軸線を中心とする径方向内側に突出する突出部が軸線を中心とする周方向に亘って形成されている。
これにより、内周面に沿って軸線方向他方側に流れる潤滑油が突出部により堰き止められるので、潤滑油を第2潤滑油経路の入口開口部に流入させることができる。
第10の観点によれば、スラスト軸受部は、支持部に支持される固定軸受部と、旋回スクロールに支持されて旋回スクロールとともに旋回して固定軸受部に摺動する旋回軸受部とを備える。
固定軸受部および旋回軸受部のうち一方の軸受部には、他方の軸受部と反対側に凹んで軸受収納室からの潤滑油を保持する凹部と、凹部の底部から他方の軸受部に向けて突起する複数の突起部とが設けられている。
複数の突起部のそれぞれの先端側には、他方の軸受部からの力を受ける受圧部が設けられている。
旋回スクロールの旋回に伴って複数の突起部のそれぞれの受圧部が凹部内の潤滑油によって潤滑された状態で他方の軸受部に対して摺動する。
第11の観点によれば、潤滑油経路と冷媒経路とは、独立して形成されている。
これにより、潤滑油経路を流れる潤滑油に冷媒経路を流れる冷媒が混ざることにより、複数の摺動部に供給される潤滑油の粘性が低下することを未然に抑制することができる。
第12の観点によれば、冷媒経路は、固定スクロールの内部に形成されて圧縮室に連通する内部冷媒経路を有して構成されている。
第13の観点によれば、横置きスクロールコンプレッサは、吸入室内に配置されて、回転軸に支持されているロータと、吸入室のうちロータに対して軸線を中心とする径方向に配置されてロータに回転磁界を与えてロータを回転させるステータとを備える。
冷媒経路は、固定スクロールおよび旋回スクロールに対して下側に配置されており、
さらに冷媒経路は、ロータに対して軸線を中心とする径方向外側に配置されて、かつロータに対して下側に配置されている。
これにより、機構収納室からガス冷媒を排出経路を通して吸入室に排出する際に、吸入室から冷媒経路を通してガス冷媒を圧縮室に短時間で流すことができる。
第14の観点によれば、固定スクロール、および旋回スクロールは、車両空調装置用のスクロールコンプレッサを構成する。
第15の観点によれば、潤滑油は、常温で冷媒と1%以上の相溶性を有する。
第16の観点によれば、冷媒は、二酸化炭素であり、
圧縮室から吐出される二酸化炭素の圧力は、臨界圧力を超えている。
10 横置きスクロールコンプレッサ
32 旋回スクロール
34 固定スクロール
50a、50b 圧縮室
63 潤滑油分離機構
70 自転防止機構
73 キー
73a、73b 摺動面
90 排出流路
91 入口開口部

Claims (19)

  1. 固定スクロール(34)と、
    軸線(S)が延びる方向を軸線方向としたとき、前記固定スクロールに対して軸線方向一方側に配置され、前記軸線を中心として旋回して、冷媒を吸入して圧縮して吐出する圧縮室(50a、50b)を前記固定スクロールとの間に形成する旋回スクロール(32)と、
    前記旋回スクロールを軸線方向一方側から支える支持部(27)と、を備え、
    前記軸線方向が天地方向に交差するように配置される横置きスクロールコンプレッサであって、
    前記圧縮室から吐出されるガス冷媒から潤滑油を分離して前記潤滑油が分離された前記冷媒を吐出する潤滑油分離部(63)と、
    前記旋回スクロールの旋回に伴って、変位しつつ摺動する複数の摺動部(72、73)を有し、前記旋回スクロールの自転を規制する自転防止機構(70)と、
    前記自転防止機構を収納する機構収納室(34c)を形成する収納室形成部(34f)と、
    前記潤滑油分離部によって前記ガス冷媒から分離された潤滑油を前記機構収納室に導く潤滑油経路(44、120)を形成する潤滑油経路形成部(44a、120a)と、
    前記潤滑油経路を絞る減圧機構(42)と、
    前記機構収納室内に開口する入口開口部(91)を有する排出経路(90、130)を形成する排出経路形成部(90a、130a)と、を備え、
    前記潤滑油が前記減圧機構を通過することに伴って前記潤滑油から分離されたガス冷媒が前記機構収納室から前記入口開口部に流入され、この流入された前記ガス冷媒が前記排出経路を通して排出され、
    前記潤滑油経路は、前記入口開口部に対して天地方向下側に配置されており、
    前記入口開口部のうち最も上側の部位を前記入口開口部の最上部とし、前記複数の摺動部のうち最も上側に位置する摺動部を上側摺動部とし、前記上側摺動部が最も下側の部位に位置するタイミングにおいて前記上側摺動部のうち最も下側に位置する部位を最下部とし、
    前記上側摺動部の前記最下部よりも前記入口開口部の最上部の方が上側に位置する横置きスクロールコンプレッサ。
  2. 吸入口(11d)と、前記吸入口に連通される吸入室(11e)とを形成するケーシング(11a)と、
    前記吸入室および前記圧縮室の間を連通する冷媒経路(11g、11h、11i)を形成する冷媒経路形成部(12a、12b、12c)と、を備え、
    前記旋回スクロールの旋回に伴って、前記圧縮室は、前記吸入口、前記吸入室、および前記冷媒経路を通して前記冷媒を吸入してこの吸入した前記冷媒を圧縮し、
    前記排出経路(90)は、前記機構収納室および前記吸入室の間を連通している請求項1に記載の横置きスクロールコンプレッサ。
  3. 前記排出経路(130)は、前記機構収納室および前記圧縮室の間を連通している請求項1に記載の横置きスクロールコンプレッサ。
  4. 吸入口(11d)と、前記吸入口に連通される吸入室(11e)とを形成するケーシング(11a)と、
    前記吸入室および前記圧縮室の間を連通する冷媒経路(11g、11h、11i)を形成する冷媒経路形成部(12a、12b、12c)と、を備え、
    前記旋回スクロールの旋回に伴って、前記圧縮室は、前記吸入口、前記吸入室、および前記冷媒経路を通して前記冷媒を吸入してこの吸入した前記冷媒を圧縮し、
    前記排出経路を第1排出経路(90)としたとき、第2排出経路(130)を形成する排出経路形成部(130a)と、を備え
    前記第1排出経路は、前記機構収納室および前記吸入室の間を連通し、
    前記第2排出経路は、前記機構収納室および前記圧縮室の間を連通し、
    前記第1排出経路は、前記第2排出経路よりも上側に位置する請求項1に記載の横置きスクロールコンプレッサ。
  5. 固定スクロール(34)と、
    軸線(S)が延びる方向を軸線方向としたとき、前記固定スクロールに対して軸線方向一方側に配置され、前記軸線を中心として旋回して、冷媒を吸入して圧縮して吐出する圧縮室(50a、50b)を前記固定スクロールとの間に形成する旋回スクロール(32)と、
    前記旋回スクロールを軸線方向一方側から支える支持部(27)と、を備え、
    前記軸線方向が天地方向に交差するように配置される横置きスクロールコンプレッサであって、
    前記圧縮室から吐出されるガス冷媒から潤滑油を分離して前記潤滑油が分離された前記冷媒を吐出する潤滑油分離部(63)と、
    前記旋回スクロールの旋回に伴って、変位しつつ摺動する複数の摺動部(72、73)を有し、前記旋回スクロールの自転を規制する自転防止機構(70)と、
    前記自転防止機構を収納する機構収納室(34c)を形成する収納室形成部(34f)と、
    前記潤滑油分離部によって前記ガス冷媒から分離された潤滑油を前記機構収納室に導く潤滑油経路(44、24b、24c、120)を形成する潤滑油経路形成部(44a、24h、24i、120a)と、
    前記潤滑油経路を絞る減圧機構(42)と、
    前記機構収納室内に開口する入口開口部(91)を有する排出経路(90、130)を形成する排出経路形成部(90a、130a)と、を備え、
    前記潤滑油が前記減圧機構を通過することに伴って前記潤滑油から分離されたガス冷媒が前記機構収納室から前記入口開口部に流入され、この流入された前記ガス冷媒が前記排出経路を通して排出され、
    前記入口開口部のうち最も上側の部位を前記入口開口部の最上部とし、前記複数の摺動部のうち最も上側に位置する摺動部を上側摺動部とし、前記上側摺動部が最も下側の部位に位置するタイミングにおいて前記上側摺動部のうち最も下側に位置する部位を最下部とし、
    前記上側摺動部の前記最下部よりも前記入口開口部の最上部の方が上側に位置し、
    吸入口(11d)と、前記吸入口に連通される吸入室(11e)とを形成するケーシング(11a)と、
    前記吸入室および前記圧縮室の間を連通する冷媒経路(11g、11h、11i)を形成する冷媒経路形成部(12a、12b、12c)と、を備え、
    前記旋回スクロールの旋回に伴って、前記圧縮室は、前記吸入口、前記吸入室、および前記冷媒経路を通して前記冷媒を吸入してこの吸入した前記冷媒を圧縮し、
    前記排出経路を第1排出経路(90)としたとき、第2排出経路(130)を形成する排出経路形成部(130a)と、を備え
    前記第1排出経路は、前記機構収納室および前記吸入室の間を連通し、
    前記第2排出経路は、前記機構収納室および前記圧縮室の間を連通し、
    前記第1排出経路は、前記第2排出経路よりも上側に位置する横置きスクロールコンプレッサ。
  6. 前記圧縮室が前記冷媒を圧縮する際に、前記固定スクロールおよび前記旋回スクロールによって前記第2排出経路および前記圧縮室の間が閉じられ、
    前記圧縮室が前記冷媒の圧縮を開始する前に、前記固定スクロールおよび前記旋回スクロールによって前記第2排出経路および前記圧縮室の間が開けられた状態で、前記機構収納室内の前記潤滑油が前記第2排出経路を通して前記圧縮室に吸入される請求項4または5に記載の横置きスクロールコンプレッサ。
  7. 前記旋回スクロールに対して軸線方向一方側に配置され、前記軸線を中心として旋回して旋回力を前記旋回スクロールに与えるクランク機構(24a)を備え、
    前記クランク機構を収納する軸受収納室(38)を形成する軸受収納形成部(27a)を備え、
    前記潤滑油経路は、
    前記減圧機構を通過した前記潤滑油を前記軸受収納室に導く第1潤滑油経路(24b、24c)と、
    前記軸受収納室内の前記潤滑油を前記機構収納室に導く第2潤滑油経路(120)と、
    を備える請求項に記載の横置きスクロールコンプレッサ。
  8. 前記旋回スクロールの旋回方向に対する反対方向を反旋回方向とし、
    前記旋回スクロールが前記旋回方向に旋回して前記第2潤滑油経路から前記排出経路に向けて進行する場合に、前記旋回スクロールが通過する経路の長さを第1経路長として、
    前記旋回スクロールが前記反旋回方向に旋回して前記第2潤滑油経路から前記排出経路に向けて進行する場合に、前記旋回スクロールが通過する経路の長さを第2経路長として、
    前記第2経路長の方が前記第1経路長よりも短くなる位置に前記排出経路が配置されており、
    前記排出経路および前記第2潤滑油経路の間において前記第2潤滑油経路から前記反旋回方向に向けて形成される範囲を禁止範囲としたとき、
    前記複数の摺動部は、前記禁止範囲を避けて配置されている請求項に記載の横置きスクロールコンプレッサ。
  9. 前記軸線を中心として回転して前記クランク機構を通して前記旋回スクロールに回転力を与える回転軸(24)と、
    前記軸受収納室内に配置されて、前記回転軸とともに回転して前記旋回スクロールにおける前記軸線に対する重量のアンバランスを相殺するバランサウエイト(36)と、を備え、
    前記第2潤滑油経路は、前記軸受収納室内に開口する入口開口部(120b)を有し、
    前記バランサウエイトのうち前記軸線を中心とする外周側が前記入口開口部に近づくことにより、前記バランサウエイトの前記外周側が前記入口開口部の一部をオーバーラップするように前記バランサウエイトおよび前記入口開口部が配置されている請求項7または8に記載の横置きスクロールコンプレッサ。
  10. 前記支持部によって支持されて、前記旋回スクロールの旋回が可能になるように前記旋回スクロールを軸線方向一方側から支えるスラスト軸受部(100)を備え、
    前記軸受収納形成部は、前記軸線を中心とする内周面を有して前記内周面よりも前記軸線を中心とする径方向内側に前記軸受収納室を形成し、
    前記第2潤滑油経路の前記入口開口部は、前記内周面に形成されており、
    前記スラスト軸受部は、前記第2潤滑油経路の前記入口開口部よりも軸線方向他方側に配置されており、
    さらに前記スラスト軸受部には、前記内周面よりも前記軸線を中心とする径方向内側に突出する突出部(110)が前記軸線を中心とする周方向に亘って形成されている請求項に記載の横置きスクロールコンプレッサ。
  11. 前記スラスト軸受部は、
    前記支持部に支持される固定軸受部(100a)と、
    前記旋回スクロールに支持されて前記旋回スクロールとともに旋回して前記固定軸受部に摺動する旋回軸受部(100b)と、を備え、
    前記固定軸受部および前記旋回軸受部のうち一方の軸受部には、他方の軸受部と反対側に凹んで前記軸受収納室からの潤滑油を保持する凹部(103)と、前記凹部の底部から前記他方の軸受部に向けて突起する複数の突起部(104)とが設けられており、
    前記複数の突起部のそれぞれの先端側には、前記他方の軸受部からの力を受ける受圧部(104a)が設けられており、
    前記旋回スクロールの旋回に伴って前記複数の突起部のそれぞれの前記受圧部が前記凹部内の潤滑油によって潤滑された状態で前記他方の軸受部に対して摺動する請求項10に記載の横置きスクロールコンプレッサ。
  12. 前記潤滑油経路と前記冷媒経路とは、独立して形成されている請求項に記載の横置きスクロールコンプレッサ。
  13. 固定スクロール(34)と、
    軸線(S)が延びる方向を軸線方向としたとき、前記固定スクロールに対して軸線方向一方側に配置され、前記軸線を中心として旋回して、冷媒を吸入して圧縮して吐出する圧縮室(50a、50b)を前記固定スクロールとの間に形成する旋回スクロール(32)と、
    前記旋回スクロールを軸線方向一方側から支える支持部(27)と、を備え、
    前記軸線方向が天地方向に交差するように配置される横置きスクロールコンプレッサであって、
    前記圧縮室から吐出されるガス冷媒から潤滑油を分離して前記潤滑油が分離された前記冷媒を吐出する潤滑油分離部(63)と、
    前記旋回スクロールの旋回に伴って、変位しつつ摺動する複数の摺動部(72、73)を有し、前記旋回スクロールの自転を規制する自転防止機構(70)と、
    前記自転防止機構を収納する機構収納室(34c)を形成する収納室形成部(34f)と、
    前記潤滑油分離部によって前記ガス冷媒から分離された潤滑油を前記機構収納室に導く潤滑油経路(44、24b、24c、120)を形成する潤滑油経路形成部(44a、24h、24i、120a)と、
    前記潤滑油経路を絞る減圧機構(42)と、
    前記機構収納室内に開口する入口開口部(91)を有する排出経路(90、130)を形成する排出経路形成部(90a、130a)と、を備え、
    前記潤滑油が前記減圧機構を通過することに伴って前記潤滑油から分離されたガス冷媒が前記機構収納室から前記入口開口部に流入され、この流入された前記ガス冷媒が前記排出経路を通して排出され、
    前記入口開口部のうち最も上側の部位を前記入口開口部の最上部とし、前記複数の摺動部のうち最も上側に位置する摺動部を上側摺動部とし、前記上側摺動部が最も下側の部位に位置するタイミングにおいて前記上側摺動部のうち最も下側に位置する部位を最下部とし、
    前記上側摺動部の前記最下部よりも前記入口開口部の最上部の方が上側に位置し、
    吸入口(11d)と、前記吸入口に連通される吸入室(11e)とを形成するケーシング(11a)と、
    前記吸入室および前記圧縮室の間を連通する冷媒経路(11g、11h、11i)を形成する冷媒経路形成部(12a、12b、12c)と、を備え、
    前記旋回スクロールの旋回に伴って、前記圧縮室は、前記吸入口、前記吸入室、および前記冷媒経路を通して前記冷媒を吸入してこの吸入した前記冷媒を圧縮し、
    前記排出経路(90)は、前記機構収納室および前記吸入室の間を連通しており、
    前記潤滑油経路と前記冷媒経路とは、独立して形成されている横置きスクロールコンプレッサ。
  14. 前記冷媒経路は、前記固定スクロールの内部に形成されて前記圧縮室に連通する内部冷媒経路(11i)を有して構成されている請求項2に記載の横置きスクロールコンプレッサ。
  15. 固定スクロール(34)と、
    軸線(S)が延びる方向を軸線方向としたとき、前記固定スクロールに対して軸線方向一方側に配置され、前記軸線を中心として旋回して、冷媒を吸入して圧縮して吐出する圧縮室(50a、50b)を前記固定スクロールとの間に形成する旋回スクロール(32)と、
    前記旋回スクロールを軸線方向一方側から支える支持部(27)と、を備え、
    前記軸線方向が天地方向に交差するように配置される横置きスクロールコンプレッサであって、
    前記圧縮室から吐出されるガス冷媒から潤滑油を分離して前記潤滑油が分離された前記冷媒を吐出する潤滑油分離部(63)と、
    前記旋回スクロールの旋回に伴って、変位しつつ摺動する複数の摺動部(72、73)を有し、前記旋回スクロールの自転を規制する自転防止機構(70)と、
    前記自転防止機構を収納する機構収納室(34c)を形成する収納室形成部(34f)と、
    前記潤滑油分離部によって前記ガス冷媒から分離された潤滑油を前記機構収納室に導く潤滑油経路(44、24b、24c、120)を形成する潤滑油経路形成部(44a、24h、24i、120a)と、
    前記潤滑油経路を絞る減圧機構(42)と、
    前記機構収納室内に開口する入口開口部(91)を有する排出経路(90、130)を形成する排出経路形成部(90a、130a)と、を備え、
    前記潤滑油が前記減圧機構を通過することに伴って前記潤滑油から分離されたガス冷媒が前記機構収納室から前記入口開口部に流入され、この流入された前記ガス冷媒が前記排出経路を通して排出され、
    前記入口開口部のうち最も上側の部位を前記入口開口部の最上部とし、前記複数の摺動部のうち最も上側に位置する摺動部を上側摺動部とし、前記上側摺動部が最も下側の部位に位置するタイミングにおいて前記上側摺動部のうち最も下側に位置する部位を最下部とし、
    前記上側摺動部の前記最下部よりも前記入口開口部の最上部の方が上側に位置し、
    吸入口(11d)と、前記吸入口に連通される吸入室(11e)とを形成するケーシング(11a)と、
    前記吸入室および前記圧縮室の間を連通する冷媒経路(11g、11h、11i)を形成する冷媒経路形成部(12a、12b、12c)と、を備え、
    前記旋回スクロールの旋回に伴って、前記圧縮室は、前記吸入口、前記吸入室、および前記冷媒経路を通して前記冷媒を吸入してこの吸入した前記冷媒を圧縮し、
    前記排出経路(90)は、前記機構収納室および前記吸入室の間を連通しており、
    前記冷媒経路は、前記固定スクロールの内部に形成されて前記圧縮室に連通する内部冷媒経路(11i)を有して構成されている横置きスクロールコンプレッサ。
  16. 前記吸入室内に配置されて、前記回転軸に支持されているロータ(22)と、
    前記吸入室のうち前記ロータに対して前記軸線を中心とする径方向に配置されて前記ロータに回転磁界を与えて前記ロータを回転させるステータ(26)と、を備え、
    前記冷媒経路(11g、11h)は、前記固定スクロールおよび前記旋回スクロールに対して下側に配置されており、
    さらに前記冷媒経路は、前記ロータに対して前記軸線を中心とする径方向外側に配置されて、かつ前記ロータに対して下側に配置されている請求項に記載の横置きスクロールコンプレッサ。
  17. 前記固定スクロール、および前記旋回スクロールは、車両空調装置用のスクロールコンプレッサを構成する請求項1ないし16のいずれか1つに記載の横置きスクロールコンプレッサ。
  18. 前記潤滑油は、常温で前記冷媒と1%以上の相溶性を有する請求項1ないし17のいずれか1つに記載の横置きスクロールコンプレッサ。
  19. 前記冷媒は、二酸化炭素であり、
    前記圧縮室から吐出される二酸化炭素の圧力は、臨界圧力を超えている請求項1ないし18のいずれか1つに記載の横置きスクロールコンプレッサ。
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