以下、本発明の実施形態に係る画像処理装置、及び、画像形成装置の駆動方法の一例を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。以下で説明する各図において、共通の部材には同一の符号を付している。また、説明は、以下の順に行う。
1.第1の実施形態(カムで帯電ブロックの位置を変位させて帯電ワイヤーの張力を変動させる例)
1−1.画像形成装置の構成
1−2.帯電装置の構成
1−3.制御系の構成
1−4.画像形成装置の駆動方法(第1例:振動検知部を用いない例)
1−5.画像形成装置の駆動方法(第2例:振動検知部を用いる例)
1−6.耐久試験
2.第2の実施形態(パッド部で帯電ワイヤーの張力を変動させる例)
3.第3の実施形態(カムで帯電ワイヤーの位置を変位させて張力を変動させる例)
1.第1の実施形態(カムで帯電ブロックの位置を変位させて帯電ワイヤーの張力を変動させる例)
1−1.画像形成装置の構成
図1に、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す。本実施形態の画像形成装置1は、電子写真方式の画像形成装置であり、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせるタンデム形式のカラー画像形成装置である。このような画像形成装置1は、複写機、プリンタ装置、ファクシミリ装置、印刷機、複合機に適用されるものである。
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置1は、原稿搬送部10と、用紙収納部20と、画像読取部30と、画像処理部70と、画像形成部40と、中間転写ベルト50と、搬送部23と、2次転写部60と、定着部80とを備える。
原稿搬送部10は、原稿Gをセットする原稿給紙台11と、複数のローラ12と、搬送ドラム13と、搬送ガイド14と、原稿排出ローラ15と、原稿排出トレイ16とを有している。原稿給紙台11にセットされた原稿Gは、複数のローラ12及び搬送ドラム13によって、画像読取部30の読み取り位置に1枚ずつ搬送される。搬送ガイド14及び原稿排出ローラ15は、複数のローラ12及び搬送ドラム13により搬送された原稿Gを原稿排出トレイ16に排出する。
画像読取部30は、原稿搬送部10によって搬送された原稿G又は原稿台31に載置された原稿の画像を読み取って、画像信号を生成する。具体的には、原稿Gの画像がランプLによって照射される。原稿Gからの反射光は、第1ミラーユニット32、第2ミラーユニット33、レンズユニット34の順に導かれて、撮像素子35の受光面に結像する。撮像素子35は、入射した光を光電変換して所定の画像信号として出力する。画像読取部30は、出力された画像信号をA/D変換することにより入力画像データを作成する。この入力画像データには、画像処理部70において所定の画像処理が施される。
画像処理部70は、画像読取部30から送信されてきた入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。画像処理部70において算出されるこれらの画像データは、後述する記憶部としてのHDD204(図4参照)に記憶される。
なお、画像処理部70で画像処理される画像データは、画像読取部30から出力されるデータに限定されず、画像形成装置1に接続されたパーソナルコンピュータ120(図4参照)や他の画像形成装置などの外部装置から受信したものであってもよい。
用紙収納部20は、装置本体の下部に配置されており、用紙Sのサイズに応じて複数設けられている。この用紙Sは、給紙部21により給紙されて搬送部23に送られる。また、用紙収納部20の近傍には、手差部22が設けられている。この手差部22からは、用紙収納部20に収納されていないサイズの用紙やタグを有するタグ紙、OHPシート等の特殊紙が転写位置へ送られる。
搬送部23は、2次転写部60の上流側に設けられ、搬送ローラと、2次転写部60の近傍に設けられたレジストローラ対28とを備える。レジストローラ対28は、駆動ローラ28aと、駆動ローラ28aの上側に圧接した状態で配置された従動ローラ28bとからなる一対のローラで構成されている。そして、駆動ローラ28aと従動ローラ28bとの間に構成されるニップ部が用紙Sの搬送経路となる。
給紙部21より給紙されて搬送部23に送られてくる用紙Sは、搬送ローラ及びレジストローラ対28により転写位置である2次転写部60に搬送される。レジストローラ対28は、2次転写部60においてトナー像の転写が可能になるタイミングで、用紙Sを2次転写部60に送り出す。
画像読取部30と用紙収納部20との間には、画像形成部40と中間転写ベルト50が配置されている。画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成するために、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kを有する。
第1の画像形成ユニット40Yはイエローのトナー像を形成し、第2の画像形成ユニット40Mはマゼンタのトナー像を形成する。また、第3の画像形成ユニット40Cは、シアンのトナー像を形成し、第4の画像形成ユニット40Kは、ブラックのトナー像を形成する。これら4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは代表して第1の画像形成ユニット40Yについて説明する。
第1の画像形成ユニット40Yは、ドラム状の感光体41と、被帯電部材である感光体41の周囲に配置された帯電装置42と、露光部43と、現像部44と、クリーニング部45を有している。感光体41は、駆動モータ(図示を省略する)によって反時計回りに回転する。帯電装置42は感光体41に電荷を与え感光体41の表面を一様に帯電する。帯電装置42の構成については後で詳述する。露光部43は、原稿Gから読み取られた画像データに基づいて、感光体41の表面に対して露光操作を行い感光体41に静電潜像を形成する。
現像部44は、感光体41に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させる。これにより、感光体41の表面には、イエローのトナー像が形成される。なお、第2の画像形成ユニット40Mの現像部44は、感光体41にマゼンタのトナーを付着させ、第3の画像形成ユニット40Cの現像部44は、感光体41にシアンのトナーを付着させる。そして、第4の画像形成ユニット40Kの現像部44は、感光体41にブラックのトナーを付着させる。
感光体41上に付着したトナーは、中間転写ベルト50に転写される。クリーニング部45は、中間転写ベルト50に転写した後、感光体41の表面に残留しているトナーを除去する。
中間転写ベルト50は、無端状に形成されており、駆動モータ(図示を省略する)で感光体41の回転方向とは逆方向の時計回りに回転する。中間転写ベルト50における各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kの感光体41と対向する位置には、1次転写部51が設けられている。この1次転写部51は、中間転写ベルト50にトナーと反対の極性を印加することで、感光体41上に形成されたトナー像を中間転写ベルト50に転写させる。
そして、中間転写ベルト50が回転することで、中間転写ベルト50の表面には、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kで形成されたトナー像が順次転写される。これにより、中間転写ベルト50上には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像が重なり合いカラー画像が形成される。
中間転写ベルト50の近傍で、かつ搬送部23の下流側には、2次転写部60が配置されている。2次転写部60は、中間転写ベルト50が張架された転写上ローラ52と、中間転写ベルト50を挟んで転写上ローラ52側に押圧された転写下ローラ61からなる転写ローラ対で構成されている。
2次転写部60では、搬送部23においてレジストローラ対28で狭持されて搬送されてきた用紙Sを転写下ローラ61で中間転写ベルト50側に押圧する。そして、2次転写部60は、搬送部23から送られてきた用紙S上に中間転写ベルト50に形成されたカラーのトナー像を転写する。
定着部80は、2次転写部60の、用紙Sが搬送される下流側(排出側)に設けられており、一対の上定着ローラ81及び下定着ローラ82からなる定着ローラ対を有する。定着部80では、未定着のトナー像を有する用紙Sを上定着ローラ81及び下定着ローラ82で狭持して加圧加熱することに、用紙Sにトナー像を定着させる。
定着部80の下流には、切換ゲート24が配置されている。切換ゲート24は、定着部80を通過した用紙Sの搬送経路を切り換える。すなわち、切換ゲート24は、片面画像形成におけるフェースアップ排紙を行う場合に、用紙Sを直進させる。これにより、用紙Sは、一対の排紙ローラ25によって排紙される。また、切換ゲート24は、片面画像形成における画像形成面を下方に向けて排紙するフェースダウン排紙、及び、両面画像形成を行う場合に、用紙Sを下方に案内する。
フェースダウン排紙を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転して上方に搬送する。これにより、用紙Sは、一対の排紙ローラ25によって排紙される。両面画像形成を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転し、再給紙路27により再び用紙を転写位置へ送る。
また、一対の排紙ローラ25の下流側に、用紙Sを折ったり、用紙Sに対してステーブル処理等を行ったりする後処理装置を配置してもよい。さらに、図1では図示を省略するが、液晶表示装置(LCD)又は有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイからなるタッチパネルで構成された操作表示部205(図4参照)を備える。
1−2.帯電装置の構成
次に、帯電装置42の構成について説明する。図2A及び図2Bは、本実施形態に係る帯電装置42の概略構成図である。帯電装置42は、感光体41の周囲に配置され、感光体41の回転方向において、露光部43による露光位置よりも手前側に配置されている。帯電装置42は、一対の帯電ブロック101、102と、帯電ブロック101、102間に設けられる帯電ワイヤー103と、帯電ワイヤー103の張力を変動させる張力変動部106とを備える。さらに、帯電装置42は、帯電ワイヤー103の振動を検出する振動検知部107(図4参照)を備える。
一対の帯電ブロック101、102は、感光体41の軸方向に沿うように並べて配置され、感光体41の帯電有効領域41aの外側に配置されている。帯電有効領域41aは、帯電ワイヤー103のコロナ放電によって帯電される領域であり、トナー像が形成される領域である。帯電ブロック101、102は、帯電ワイヤー103を所定の張力で支持すると共に、帯電ワイヤー103に所定の電圧を供給することで、帯電ワイヤー103に放電させる。
また、一対の帯電ブロック101、102のうち、少なくとも、張力変動部106が設けられる側に配置された一方の帯電ブロック102は、図示を省略する弾性部材に接続されている。そして、弾性部材に接続された帯電ブロック102は、後述するカム104の回転角に応じて、帯電ワイヤー103の延在方向に移動可能に構成されている。帯電ブロック102は、弾性部材の効果により、帯電ワイヤー103を他方の帯電ブロック101側とは反対側に引張する方向に付勢されており、後述するカム104と当接することでその位置が規制されている。
帯電ワイヤー103は、例えばタングステンからなり、表面に金メッキが施されたワイヤー状の部材で構成されている。この帯電ワイヤー103は、一対の帯電ブロック101、102間に所定の張力で支持されている。帯電ワイヤー103は、帯電ブロック101、102から所定の電圧が供給されることでコロナ放電し、感光体41の帯電有効領域41aを帯電させる。
張力変動部106は、カム104と、カム駆動部105とを備える。カム104は、回転軸104aから円周までの距離が一定でない円板状の部材で構成されており、本実施形態では、楕円形の部材で構成されている。カム104は、その円周面が、一方の帯電ブロック102における帯電ワイヤー103が接続される側とは反対側の端面に接触するように配置されている。また、本実施形態では、通常時、すなわち、カム104が回転していない場合には、図2Aに示すように、カム104の長軸方向に沿う円周面が帯電ブロック102に接するように構成されている。
カム駆動部105は、モーターで構成されており、制御部200(図4参照)の制御の下、カム104を回転駆動する。カム駆動部105による、カム104の回転駆動のタイミングについては、後で詳述する。
本実施形態では、カム駆動部105によりカム104が回転駆動されることで、カム104の回転角に応じて、帯電ブロック102に接するカム104の円周面の位置が変化する。このとき、一方の帯電ブロック102は、弾性部材の効果により、常に、帯電ワイヤー103を引張する方向に帯電ワイヤー103を支持すると共に、移動可能に構成されている。このため、カム104が回転した場合には、一方の帯電ブロック102は、カム104の円周面に接触した状態を保持しながら、カム104の回転角に応じて、帯電ワイヤーの延在方向に移動する。
例えば、図2Aの矢印X1に示す方向にカム104が回転し、図2Bに示すようにカム104の短軸方向に沿う円周面が一方の帯電ブロック102に接触した場合、図2Aに示す状態と比較し、カム104の円周面が幅Wだけ帯電ワイヤー103側に移動する。これに伴い、一方の帯電ブロック102が他方の帯電ブロック101側に押圧されるように移動する。そして、このとき他方の帯電ブロック101は移動しないため、一対の帯電ブロック101、102の間の距離は狭まる。これにより、図2Bに示す状態では、図2Aに示す状態と比較して、帯電ワイヤー103の張力が低くなる。
さらに、図2Bに示す状態から図2Aに示す状態にカム104が戻った場合には、一方の帯電ブロック102に設けられた弾性部材の効果により、一方の帯電ブロック102もカム104の円周面に接触した状態を保持しながら、図2Aに示す位置に戻る。これにより、帯電ワイヤー103は初期状態の張力に戻る。
また、本実施形態では、カム104は楕円形状であるため、カム104の回転角に応じて、一方の帯電ブロック102の位置は滑らかに移動する。これにより、帯電ワイヤー103の張力の変動は、滑らかになる。
ここで、一般的なワイヤー等の振動体の固有振動数fnと張力Sとの関係について説明する。ワイヤー等の振動体の固有振動数fnは、下記の数1で表される。数1において、lはワイヤーの長さで、ρは線密度である。
そして、固有振動数fnに対応したエネルギーが振動体に加わると、振動体は振動を続ける。張力Sを変動させ続けることで、ある特定の振動数による振動体の振動を抑制することができる。この原理を元に、本実施形態では、帯電ワイヤー103の張力を変動させて、帯電ワイヤー103の固有振動数fnを変化させ続けることで、外部から加わるエネルギーに対応する帯電ワイヤー103の振動を抑制することができる。
ところで、帯電ワイヤーの103張力を変動させる場合、張力は、帯電ワイヤー103が弾性を保持する範囲内で変動させる必要がある。図3は、帯電ワイヤー103に用いられる材料のひずみ量と応力との関係を示すグラフである。図3において、縦軸は、応力であり、横軸は、ひずみ量である。また、図3において、グラフの下部に、ひずみ量に応じた材料の変形例を示している。
図3に示すように、帯電ワイヤー103に荷重をかけていった場合、その応力が弾性限度までは、加えた荷重を止めると材料が伸びていても元の長さに戻る。しかしながら、弾性限度を超える応力が発生するように荷重をかけた場合、塑性変形が起こる。この場合、荷重をかけることを止めても、帯電ワイヤー103は、元の形状に戻らない。したがって、本実施形態では、帯電ワイヤー103の張力の上限値は、発生する応力が弾性限度よりも小さい範囲となる値に設定する。
本実施形態では、図2Aに示す状態を初期状態とすると、帯電ワイヤー103の張力の上限値は、帯電ブロック101、102における初期の支持状態で決定される。したがって、本実施形態では、帯電ワイヤー103に発生する応力が弾性限度よりも小さくなるように、一対の帯電ブロック101、102間に帯電ワイヤー103を支持する。
一方、本実施形態における帯電ワイヤー103の張力の下限値は、帯電ワイヤー103に、カム104の長軸方向における円周面が接触している状態(図2Bの状態)で決定される。したがって、本実施形態では、カム104の短軸方向に沿う円周面が帯電ワイヤー103に接触している状態(図2Bにおける状態)の帯電ワイヤー103の張力が、0よりも大きくなるように、カム104の位置、又は、帯電ワイヤー103の帯電ブロック101、102における支持状態を調整する。
振動検知部107(図4参照)は、帯電ワイヤー103の近傍に配置され、帯電ワイヤー103の振動を検出する。本実施形態では、振動検知部107において、帯電ワイヤー103の振動を検知した場合に帯電ワイヤー103の張力を変動させて、帯電ワイヤー103の振動を抑制することができる。
1−3.画像形成装置の制御系
次に、画像形成装置1の制御系の構成について説明する。図4は、画像形成装置1の制御系の構成を示すブロック図である。
画像形成装置1は、制御部200を備える。制御部200は、例えばCPU(Central Processing Unit)201と、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read only Memory)202と、CPU201の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)203と、を有する。さらに、画像形成装置1は、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)204と、操作表示部205と、画像処理部70とを有する。なお、ROM202としては、通常電気的に消去可能なプログラマブルROMが用いられる。
制御部200は、画像読取部30、画像処理部70、給紙部21、画像形成部40、操作表示部205、帯電装置42及びHDD204にそれぞれシステムバス130を介して接続され、装置全体を制御する。
HDD204は、画像読取部30で読み取って得た原稿画像の入力画像データを記憶したり、出力済みの画像データ等を記憶したりする。
操作表示部205は、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。さらに、操作表示部205は、複数のキーを備え、ユーザーのキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける入力部としての役割を持つ。
画像読取部30は、原稿画像を光学的に読み取って電気信号に変換する。例えば、カラー原稿を読み取る場合は、一画素当たりRGB各10ビットの輝度情報をもつ画像データを生成する。画像読取部30によって生成された画像データや、画像形成装置1に接続された外部装置の一例を示すPC(パーソナルコンピュータ)120から送信される画像データは、画像処理部70に送られ、画像処理される。画像処理部70は、受信した画像データに対し、必要に応じて、シェーディング補正、画像濃度調整、画像圧縮等の画像処理を行う。また、画像形成部40は、画像処理部70によって画像処理された画像データを受け取り、画像データに基づいて用紙S上に画像を形成する。
帯電装置42では、制御部200の制御の下、所定のタイミングで帯電ブロック101、102から帯電ワイヤー103に電圧が供給され、感光体41を帯電させる。さらに、帯電装置42では、感光体41が帯電されている間の所定のタイミングにおいて、制御部200の制御の下、カム駆動部105が駆動制御されることで、カム104が回転する。これにより、帯電ワイヤー103の張力が変動するため、帯電ワイヤー103の振動が抑制される。また、帯電装置42では、必要に応じて、制御部200の制御の下、振動検知部107により帯電ワイヤー103の振動が検知される。
1−4.画像形成装置の駆動方法(第1例:振動検知部を用いない例)
次に、本実施形態の画像形成装置1の駆動方法の第1例について説明する。第1例では、振動検知部107を用いずに、画像形成装置1を駆動する場合について説明する。図5は、本実施形態に係る画像形成装置1の駆動方法(第1例)を示すフローチャートである。第1例では、主に、画像形成装置1の電源をオンしてから、プリント出力を行い、画像形成装置1の電源をオフするまでの間における、張力変動部106の駆動タイミングについて説明する。
まず、ユーザーが画像形成装置1の電源をオンする(ステップS1)。画像形成装置1の電源がオンされた場合、制御部200による制御の下、所定のタイミングで帯電ブロック101、102は帯電ワイヤー103への印加電圧をオンする(ステップS2)。帯電ワイヤー103への電圧印加のタイミングは、例えば、画像形成装置1の電源がオンされた後、トナー濃度の調整などの自動調整の開始の時点とすることができる。その他、帯電ワイヤー103への電圧印加のタイミングは、外部装置であるPC120又は操作表示部205からユーザーによるプリントの開始指示の入力信号を受信した時点としてもよい。帯電ワイヤー103に電圧が印加されると、帯電ワイヤー103においてコロナ放電が開始され、これにより、感光体41が帯電する。
帯電ワイヤー103への電圧印加が開始された後、制御部200は、張力変動部106におけるカム駆動部105をオンする(ステップS3)。これにより、カム104の回転が開始され、カム104の回転角に応じて帯電ワイヤー103の張力が変動する。これにより、外部のエネルギーに応じた帯電ワイヤー103の振動を抑制することができる。
次に、プリント出力を開始する(ステップS4)。ステップS2の段階で、すでにユーザーからプリント出力の指示が入力されている場合には、ステップS2の後、プリント出力が開始される。一方、ステップS2の段階でユーザーからプリント出力の指示が入力されていない場合には、ユーザーのプリント出力の指示が入力された後、プリント出力が開始される。
プリント出力が開始された場合、露光部43は、画像処理部70において画像処理された画像データに基づいて、帯電された感光体41の表面に対して露光操作を行い感光体41に静電潜像を形成する。その後、現像部44において、感光体41に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させることで、感光体41の表面にトナー像を形成する。そして、感光体41上に付着したトナーは、中間転写ベルト50に転写された後、2次転写部60において、搬送されてきた用紙Sに転写される。トナー像が転写された用紙Sは、定着部80を介して排出される。これにより、表面に所望の画像が形成された用紙Sが排出される。
ユーザーの入力指示に従って行われるプリント出力が終了する(ステップS5)。これに伴い、制御部200は、張力変動部106におけるカム駆動部105をオフする(ステップS6)。これにより、カム104の回転が停止され、帯電ワイヤー103の張力が一定となる。この場合、図2Aに示す状態でカム104が停止するように、制御部200はカム駆動部105を制御する。
カム駆動部105がオフすることに伴い、制御部200は、帯電ブロック101、102からの帯電ワイヤー103への印加電圧をオフする(ステップS7)。これにより、帯電ワイヤー103からのコロナ放電が停止する。
その後、例えば、ユーザーが画像形成装置1の電源をオフする(ステップS8)。これにより、画像形成装置1の駆動方法の第1例である制御フローは終了する。
第1例に係る駆動方法では、帯電ワイヤー103に電圧が印加されている間中、カム駆動部105が駆動され、カム104が回転する。これにより、帯電ワイヤー103に電圧が印加されている間中、帯電ワイヤー103が振動するのを抑制することができる。これにより、帯電ワイヤー103の振動に起因する劣化を防ぐことができる。さらに、本実施形態では、帯電ワイヤー103の振動を防ぐことができるため、周期的な放電ムラも抑えることができる。
1−5.画像形成装置の駆動方法(第2例:振動検知部を用いる例)
次に、画像形成装置1の駆動方法の第2例について説明する。第2例では、振動検知部107を用いて画像形成装置1を駆動する場合について説明する。図6は、画像形成装置1の駆動方法(第2例)を示すフローチャートである。また、主に、画像形成装置1の電源をオンしてから、プリント出力を行い、画像形成装置1の電源をオフするまでの間における張力変動部106の駆動タイミングについて説明する。
まず、ユーザーが画像形成装置1の電源をオンする(ステップS11)。画像形成装置1の電源がオンされた場合、制御部200は、所定のタイミングで帯電ブロック101、102から帯電ワイヤー103への印加電圧をオンする(ステップS12)。帯電ワイヤー103への電圧印加のタイミングは、例えば、画像形成装置1の電源がオンされた後、トナー濃度の調整などの自動調整が開始される時点とすることができる。その他、帯電ワイヤー103への電圧印加のタイミングは、外部装置であるPC120又は操作表示部205からユーザーによるプリント開始指示の入力信号を受信した時点であってもよい。帯電ワイヤー103に電力が供給されると、帯電ワイヤー103においてコロナ放電が開始され、これにより、感光体41が帯電する。
次に、制御部200の制御の下、振動検知部107において帯電ワイヤー103の振動検知を行う(ステップS13)。
次に、制御部200は、ステップS13における振動検知部107からの検知結果を受け、カム駆動部105のオン又はオフを行う(ステップS14)。ステップS14では、振動検知部107の検知結果により、帯電ワイヤー103が振動していた場合には、制御部200は、カム駆動部105を所定時間だけオンする。これにより、カム駆動部105がオンされる所定時間だけ、カム104の回転角に応じて帯電ワイヤー103の張力が変動する。帯電ワイヤー103の張力が変動することにより、外部のエネルギーに対応した帯電ワイヤー103の振動が抑制される。
一方、振動検知部107の検知結果により、帯電ワイヤー103が振動していないと判断した場合には、制御部200は、カム駆動部105をオフしたままの状態に保持する。この場合には、帯電ワイヤー103の張力は一定となる。
そして、図6では図示されていないが、ステップS12とステップS15との間の所定のタイミングにおいて、プリントの出力が開始される。ステップS12の段階で、すでに、ユーザーからプリント出力の指示が入力されている場合には、ステップS12の後、プリント出力が開始される。一方、ステップS12の段階でユーザーからプリント出力の指示が入力されていない場合には、ユーザーのプリント出力の指示が入力された後、プリント出力が開始される。プリントの出力が開始された場合の処理は、図5のステップS4と同様である。
ステップS14の後、少なくとも、カム駆動部105がオンされる場合の所定時間経過後、制御部200は、プリントが終了したか否かを判断する(ステップS15)。ステップS15において、NOと判断された場合、すなわち、プリントが終了していないと判断された場合には、制御部200の制御の下、再度、ステップS13及びステップS14を繰り返す。
一方、ステップS15において、YESと判断された場合、すなわち、プリントが終了したと判断された場合には、制御部200は、帯電ブロック101、102から帯電ワイヤーへの印加電圧をオフする(ステップS16)。これにより、帯電ワイヤー103からのコロナ放電が停止する。
その後、例えば、ユーザーが画像形成装置1の電源をオフする(ステップS17)。これにより、画像形成装置1の駆動方法の第2例である制御フローは終了する。
図6に示した第2例に係る駆動方法によれば、帯電ワイヤー103の振動を検知したタイミングで帯電ワイヤー103の振動を抑制することができる。このため、帯電ワイヤー103の振動に起因する帯電ワイヤー103の劣化を防ぐことができる。また、第2例に係る駆動方法では、帯電ワイヤー103の振動を検知した場合にのみ、所定時間、帯電ワイヤー103の張力を変動させる。これにより、張力変動部106における消費電力を抑制することができる。
また、本実施形態では、ステップS14の工程でカム104を所定時間回転させた後、カム104の回転を停止する場合には、制御部200は、カム104が図2Aの状態になるようにカム駆動部105を制御するのが好ましい。これにより、カム104の回転を開始した際に、初めに、帯電ワイヤー103の張力を弱める方向にカム104が始動するため、より速やかに振動を抑制することができる。
以上、本実施形態では、図5及び図6を用いて、それぞれ、張力変動部106による帯電ワイヤー103の張力変動のタイミングについて説明したが、これに限られるものではない。本実施形態では、帯電ワイヤー103に電圧が印加されている間の所定のタイミングで帯電ワイヤー103の張力を変動させる構成であれば、種々の変更が可能である。例えば、振動検知部107による振動検知の有無に関わらず、カム駆動部105のオン/オフを所定時間毎に切り替え、張力変動期間と、非張力変動期間とを交互に繰り返してもよい。その他、装置の状態に応じて、カム駆動部105のオン/オフを切り替える構成としてもよい。
1−5.耐久試験
ここで、線径80μm、弾性限度290kgf/mm2のタングステンからなる帯電ワイヤーを用いて帯電装置42の耐久試験を行った。条件Aは、図2Aに示す張力変動部106を用いて、帯電ワイヤー103の張力を変動させる条件とした。一方、条件Bは、張力変動部106を用いずに帯電ワイヤー103の張力を一定とする条件とした。なお、条件Aにおいて、帯電ワイヤー103にかかる応力が、図2Aに示す状態(初期状態)において290kgf/mm2未満であり、図2Bに示す状態となった場合に帯電ワイヤー103の張力は0よりも大きくなるように設定した。また、条件Bにおける帯電ワイヤー103の張力は、条件Aにおける初期状態と同じ張力に設定した。
条件A及び条件Bの帯電装置において、帯電ワイヤー103を一定時間放電させ、それぞれの条件における帯電ワイヤー103の耐久性を調べた。この結果、条件Bにおいて、帯電ワイヤー103の振動によって帯電ワイヤー103が破断した場合においても、条件Aにおける帯電ワイヤー103は破断しないことを確認した。すなわち、本実施形態の張力変動部106によって、帯電ワイヤー103の耐久性向上の効果が得られることが確認された。
2.第2の実施形態(カムで帯電ワイヤーの位置を変位させて張力を変動させる例)
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置について説明する。図7は、本実施形態の画像形成装置における帯電装置142の概略構成図である。また、図8は、本実施形態の画像形成装置における帯電装置142の斜視図である。図7及び図8において、図2に対応する部分には同一符号を付し、重複説明を省略する。また、本実施形態において、画像形成装置の全体の構成は図1と同様であるので、図示を省略する。
帯電装置142は、一対の帯電ブロック110、111と、帯電ブロック110、111間に設けられる帯電ワイヤー103と、帯電ワイヤー103の張力を変動させる張力変動部を兼ねる清掃ユニット150とを備える。
一対の帯電ブロック110、111は、感光体41の軸方向に沿うように並べて配置され、感光体41の帯電有効領域41aの外側に配置されている。帯電ブロック110、111は、帯電ワイヤー103を所定の張力で支持すると共に、帯電ワイヤー103に所定の電圧を供給することで、帯電ワイヤー103に放電させる。本実施形態では、一対の帯電ブロック110、111は、それぞれの位置に固定されて配置されている。
清掃ユニット150は、移動レール部154と、清掃パッド部151と、ウォームギア159とで構成されている。移動レール部154は、外周面にネジ溝が設けられた棒状部材で構成されており、帯電ワイヤー103の近傍において、その軸方向が帯電ワイヤー103の延在方向と平行になるように配置されている。また、移動レール部154は、感光体41の帯電ワイヤー103よりも長く構成されている。移動レール部154の両端部は、一対の固定部152、153によって、装置内に固定されている。また、移動レール部154の一方の端部には、ウォームギア159を構成するホイール部155が設けられている。
清掃パッド部151は、移動レール部154に移動可能に支持されるレール支持部151aと、清掃パッド保持部151bと、清掃パッド本体158と、接続部151cとで構成されている。図9Aは清掃パッド部151を拡大して示した図であり、図9Bは、清掃パッド本体158を拡大して示した図である。
レール支持部151aは、内周面に移動レール部154に螺合するネジ溝が設けられた円筒形状の部材で構成されている。清掃パッド保持部151bは、図9Aに示すように、断面コの字状に折り曲げられた板状部材で構成されており、その開口部が帯電ワイヤー103を挟む位置になるように、接続部151cによってレール支持部151aに接続されている。清掃パッド保持部151bには、清掃パッド本体158が挿入されている。清掃パッド本体158は、図9Bに示すように、スポンジ部158aと、そのスポンジ部158aの表面に設けられた研磨部158bとで構成されている。清掃パッド本体158は、研磨部158bを内側にして折り曲げた状態で清掃パッド保持部151bに狭圧保持されている。
そして、本実施形態では、帯電ワイヤー103が、清掃パッド保持部151bに折り曲げられた状態で狭圧保持された清掃パッド本体158の研磨部158bで挟まれた状態で保持されている。帯電ワイヤー103の清掃実施時以外では、清掃パッド部151は、感光体41の帯電有効領域41aの外側の非作像領域に退避している。
ウォームギア159は、移動レール部154の端部に設けられたホイール部155と、ウォームギア駆動部157に接続され、ホイール部155に噛み合う歯車を有する円筒ギア156とで構成されている。本実施形態では、ウォームギア駆動部157によって円筒ギア156が回転駆動されることでホイール部155が回転する。これに伴い移動レール部154が回転し、清掃パッド部151が移動レール部154上を移動する。
これらの構成を有する清掃ユニット150は、帯電ワイヤー103の清掃時において、移動レール部154に沿って清掃パッド部151を移動させる。これにより、清掃パッド保持部151bに狭持されたた帯電ワイヤー103に付着した汚れが、清掃パッド本体158によって除去される。
さらに、本実施形態の清掃ユニット150は、張力変動部を兼ねる。以下に、清掃ユニット150を張力変動部として用いる場合について説明する。
清掃パッド部151は、清掃パッド本体158によって、帯電ワイヤー103を所定の摩擦力で狭持している。したがって、清掃パッド部151を図7の矢印X2に示す方向に移動させた場合、帯電ワイヤー103は、清掃パッド部151が移動した方向に引張される。例えば、清掃パッド部151を一方の帯電ブロック111側に移動させた場合には、帯電ワイヤー103は一方の帯電ブロック111側に引張され、清掃パッド部151を他方の帯電ブロック110側に移動させた場合には、帯電ワイヤー103は、他方の帯電ブロック110側に引張される。したがって、本実施形態では、非作像領域において、清掃パッド部151を移動レール部154に沿って微小に往復動作させることで、帯電ワイヤー103の張力を変動させることができる。
したがって、本実施形態の清掃ユニット150を張力変動部として用いる場合には、制御部200の制御の下、ウォームギア駆動部157を駆動して移動レール部154を所定のタイミングで時計回り及び反時計回りに回転させる。これにより、非作像領域において、清掃パッド部151が微小に往復動作し、帯電ワイヤー103の張力が変動する。これにより、帯電ワイヤー103の振動を抑制することができる。
本実施形態において、振動検知部107を用いない場合には、例えば、図5に示した駆動方法と同様のタイミングで帯電ワイヤー103の張力を変動させる。一方、振動検知部107を用いる場合には、例えば図6に示した駆動方法と同様のタイミングで帯電ワイヤー103の張力を変動させる。これにより、帯電ワイヤー103の振動に起因した帯電ワイヤー103の劣化を防ぐことができる。
本実施形態では、清掃パッド本体158による摩擦力により帯電ワイヤー103の張力が変動されるため、清掃パッド本体158が帯電ワイヤー103に与える摩擦力が、帯電ワイヤー103を弛ませたり、破断したりしない範囲内で、清掃パッド部151を設計する。清掃パッド部151によって帯電ワイヤー103にかかる摩擦力は、例えば、スポンジ部158aの幅を変えることで調整することができる。
本実施形態では、清掃ユニット150を用いて張力を変動させることができるので、張力変動部を別途構成する必要がない。これにより、装置の小型化を図ることができる。
本実施形態では、スポンジ状の清掃パッド本体158で帯電ワイヤー103を狭持する構成としたが、張力変動部を兼ねる清掃ユニット150の構成はこれに限られるものではない。帯電ワイヤー103に適度な摩擦力を与えることができる清掃ユニットの構成であれば、種々の変更が可能である。
3.第3の実施形態(カムで帯電ワイヤーの位置を変位させて張力を変動させる例)
次に、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置について説明する。図10A及び図10Bは、本実施形態の画像形成装置における帯電装置242の概略構成図である。図10A及び図10Bにおいて、図2A、図2B、又は、図7に対応する部分には同一符号を付し、重複説明を省略する。また、本実施形態における画像形成装置の全体の構成は図1と同様であるので説明を省略する。
帯電装置242は、一対の帯電ブロック110、111と、帯電ブロック110、111間に設けられる帯電ワイヤー103と、帯電ワイヤー103の張力を変動させる張力変動部160とを備える。
張力変動部160は、規制部材161と、カム162と、カム駆動部163とを備える。規制部材161は、棒状の絶縁部材で構成されている。規制部材161は、帯電有効領域41aの外側であって、一対の帯電ブロック110、111のうちの一方の帯電ブロック111と、帯電有効領域41aとの間に設けられており、その外周面が帯電ワイヤー103に当接するように配置されている。このとき、規制部材161は、帯電ワイヤー103の張力を増加させない程度に帯電ワイヤー103に当接するように配置されている。
カム162は、回転軸162aから円周までの距離が一定でない円板状の部材で構成されており、本実施形態では、楕円形の部材で構成されている。カム162は、規制部材161と一方の帯電ブロック111との間において、その円周面が帯電ワイヤー103に対向するように配置されており、カム162の回転角度に応じて、規制部材161を支点とした上下方向における帯電ワイヤー103の変位量を変動させる。
本実施形態では、初期状態においては、図10Aに示すように、カム162は、その短軸方向に沿う円周面が帯電ワイヤー103に接触すると共に、帯電ワイヤー103を規制部材161を支点とした上下方向の上側に押し上げた状態となるように配置する。そして、カム162が図10Aの矢印X3に示す方向に回転して、カム162の長軸方向が帯電ワイヤー103の延在方向と平行になった場合にも、カム162の長軸方向に沿う円周面が帯電ワイヤー103に接した状態となるように配置する。
本実施形態では、カム駆動部105によりカム162が回転駆動される。そして、カム162が回転することにより、カム162の回転角に応じて帯電ワイヤー103に接するカム162の円周面の位置が変化する。このため、カム162が回転した場合には、規制部材161と帯電ブロック111との間の帯電ワイヤー103は、カム162の円周面に接触した状態を保持しながら、カム104の回転角に応じて規制部材161を支点とした上下方向に移動する。
例えば、図10Aの矢印X1に示す方向にカム104が回転し、図10Bに示すようにカム104の短軸方向に沿う円周面が帯電ワイヤー103に接触した場合、規制部材161を支点として押し上げられていた帯電ワイヤー103が、上下方向の下方側に移動する。これにより、図10Bに示す状態では、図10Aに示す状態と比較して、帯電ワイヤー103の張力が低くなる。
さらに、図10Bに示す状態から図10Aに示す状態にカム162が戻った場合には、帯電ワイヤー103は、カム162の円周面に接触した状態を保持しながら、図10Aに示す位置に押し上げられる。これにより、帯電ワイヤー103は初期状態の張力に戻る。
また、本実施形態では、カム162は楕円形状であり、かつ、カム162は常に帯電ワイヤー103に接触した状態を保持しているため、カム162の回転角に応じて、帯電ワイヤー103は滑らかに移動する。これにより、帯電ワイヤー103の張力の変動は、滑らかになる。
本実施形態においても、振動検知部107を用いない場合には、例えば、図5と同様のタイミングでカム162を回転させる。また、振動検知部107を用いる場合には、例えば、図6と同様のタイミングでカム162を回転させる。これにより、本実施形態においても帯電ワイヤー103の張力を変動させることで、帯電ワイヤー103の振動を抑制することができる。この結果、帯電ワイヤー103の振動に起因した帯電ワイヤー103の劣化を防ぐことができる。
そして、本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
上述した第1〜第3の実施形態では、被帯電部材として感光体を用いて帯電装置の構成を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、コロナ転写や、転写部における静電分離などに用いる帯電装置にも、本発明の構成を適用することが可能である。また、第1〜第3の実施形態では、1本の帯電ワイヤーが設けられた帯電装置を例に説明したが、これに限られるものではなく、複数本の帯電ワイヤーで構成される帯電装置にも、本発明を適用することができる。
上述した第1〜第3の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成について他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。