JP6926459B2 - Szr型ゼオライトを含む炭化水素吸着剤及び炭化水素の吸着方法 - Google Patents

Szr型ゼオライトを含む炭化水素吸着剤及び炭化水素の吸着方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭化水素吸着剤及び炭化水素の吸着方法に関する。
自動車や船舶などの移動体に使用されている内燃機関から排出される排ガスは炭化水素を多く含む。移動体から排出される排ガスから炭化水素を除去するため、内燃機関の後に炭化水素吸着剤と三元触媒とを設けた排ガス処理システムが実用化されている。三元触媒が機能するためには250℃以上の温度環境が必要である。そのため、いわゆるコールドスタート時などの内燃機関の起動時で温度が低い状態で炭化水素吸着剤を用いて排ガス中の炭化水素を吸着し、三元触媒が機能し始める温度が高い状態で炭化水素吸着剤から炭化水素を脱離しこれを三元触媒で分解することにより、炭化水素が浄化されている。このような機能を有する炭化水素吸着剤としてゼオライトが広く用いられている。
内燃機関、例えば自動車エンジンの排気ガスにはパラフィンやオレフィンが含まれているだけでなく、芳香族炭化水素が多量に含まれている。そのため、内燃機関の排ガス浄化においては、芳香族炭化水素の浄化が重要となる。ゼオライトは芳香族炭化水素を吸着するが、比較的低い温度で脱離してしまう。そのため、内燃機関の排ガス、特に自動車エンジンの排ガス処理システムに使用される炭化水素吸着剤の炭化水素の吸着脱離特性、特に芳香族炭化水素の吸着脱離特性の改良がなされている。
例えば、特許文献1では、Zr、Ti又はHfを担持させたMFI型ゼオライトにより、芳香族炭化水素の脱離する温度が高くなること、更には、脱離した芳香族炭化水素の部分還元によりこれを還元剤として利用することが開示されている。しかしながら、Zr等の金属の使用は炭化水素吸着剤の製造コストを上げるのみならず、繰返し使用により凝集するため、芳香族炭化水素の脱離特性の低下があった。さらに、特許文献2ではβ型ゼオライト層上に層間化合物層及び三元触媒層を設けた炭化水素吸着剤とすることで、層間化合物層に芳香族炭化水素の吸着及び脱離をさせることでβ型ゼオライトは低級炭化水素の吸着及び脱離に特化させる排ガス浄化システムが開示されている。しかしながら、このような技術はゼオライト以外とゼオライトの併用によるものであり、ゼオライト自体の芳香族炭化水素の脱離特性の改善はできていない。
一方、安価なアルカリ金属をゼオライトに含有させることで、トルエンの炭化水素の脱離が最も多くなる温度、いわゆる脱離ピーク温度、が高くなることが報告されている(特許文献3)。
特開2000−310114号 特開2006−297375号 特開2001−293368号
本発明は、炭化水素、特に芳香族炭化水素の脱離特性に優れたゼオライト、を含む炭化水素吸着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、ゼオライトの芳香族炭化水素の吸着特性及び脱離特性に関し検討した。その結果、芳香族炭化水素の脱離特性は、吸着した芳香族炭化水素の脱離が始まる温度に着目する必要があること、更にはSZR構造を有するゼオライトを炭化水素吸着剤として使用することで吸着した芳香族炭化水素の脱離が始まる温度が高くなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] アルミニウムに対するカリウムのモル比が0.72以上であるSZR型ゼオライトを含む炭化水素吸着剤。
[2] 前記SZR型ゼオライトのBET比表面積が250m/g以上である上記[1]に記載の炭化水素吸着剤。
[3] 前記SZR型ゼオライトのアルミナに対するシリカのモル比が10以上である上記[1]又は[2]に記載の炭化水素吸着剤。
[4] 上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の炭化水素吸着剤を使用する炭化水素の吸着方法。
[5] 上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の炭化水素吸着剤含む炭化水素含有気体の処理方法。
以下、本発明の炭化水素吸着剤について説明する。
本発明の炭化水素吸着剤はSZR型ゼオライトを含む。SZR型ゼオライトは従来の炭化水素吸着剤として使用されているゼオライトと比べ、よりカリウムを効率よく含むことができる。これにより、例えばMFI型ゼオライトと比べ、少ない量のカリウムであるにもかかわらず、炭化水素の脱離が始まる温度(以下、「脱離開始温度」ともいう。)、特に芳香族炭化水素の脱離開始温度を高くすることができる。
SZR型ゼオライトは、SZR構造を有する結晶性アルミノシリケートである。SZR構造は、国際ゼオライト学会(International Zeolite Association)のStructure Commissionが定めているIUPAC構造コードで、SZR型となる構造である。結晶性アルミノシリケートは、アルミニウム(Al)とケイ素(Si)とが酸素(O)を介したネットワークの繰返しからなる構造(以下、「ネットワーク構造」ともいう。)を有する。
本発明の炭化水素吸着剤に含まれるSZR型ゼオライトはカリウム(K)を含有する。カリウム(K)は、少なくともSZR型ゼオライトのイオン交換サイトに含まれていればよく、イオン交換サイト及び細孔に含まれていることが挙げられる。
本発明の炭化水素吸着剤に含まれるSZR型ゼオライトは、アルミニウムに対するカリウムのモル比(以下、「K/Al比」ともいう。)が0.72以上、更には0.75以上である。K/Al比が0.72未満であると、炭化水素の脱離開始温度、特に芳香族炭化水素の脱離開始温度が、三元触媒が機能する温度よりも著しく低くなる。K/Al比は1.0以下、更には0.8以下であればよい。
本発明の炭化水素吸着剤に含まれるSZR型ゼオライトは、アルミナに対するシリカのモル比(以下、「SiO/Al比」ともいう。)は20以下であることが好ましい。イオン交換サイトは、主としてSZR型ゼオライトのネットワーク構造中のアルミニウム上に存在すると考えられる。SiO/Al比が20を超えると、ネットワーク構造のアルミニウムが少なくなり、これに伴ってカリウム量が少なくなりやすい。SiO/Al比は18以下、更には16以下であることが好ましい。SZR型ゼオライトのSiO/Al比は10以上、更には11以上であればよい。
本発明の炭化水素吸着剤に含まれるSZR型ゼオライトは、BET比表面積が250m/g以上、更には300m/g以上であることが好ましい。BET比表面積が高いほど吸着できる炭化水素量が多くなる傾向にある。SZR型ゼオライトのBET比表面積は500以下、更には400以下であることが挙げられる。
本発明の炭化水素吸着剤に含まれるSZR型ゼオライトは、細孔直径が2nm以下の細孔の容積(以下、「マイクロ孔容積」ともいう。)が0.08cm/g以上、更には0.1cm/g以上であることが好ましい。マイクロ孔が存在することにより、芳香族炭化水素を効率よく吸着することができる。マイクロ孔容積は0.5cm/g以下、更には0.3cm/g以下であることが挙げられる。
本発明において、マイクロ孔容積は窒素吸着等温線の直線相当部分の窒素吸着量からt−plot法によって求めることができる。窒素吸着等温線の直線相当部分の窒素吸着量は、例えば、相対圧0.85以上0.93以下の範囲の窒素吸着量を挙げることができる
本発明の炭化水素吸着剤に含まれるSZR型ゼオライトは、平均結晶径が0.5μm以上、更には0.8μm以上であることが好ましい。平均結晶径が0.5μm以上であることで、熱履歴後の炭化水素吸着量の低下が抑制されやすくなる。
本発明における結晶径とは、一次粒子の粒径であり、電子顕微鏡で観察される独立した最小単位の粒子の直径である。平均結晶径は、電子顕微鏡で無作為に抽出した30個以上の一次粒子の結晶径を相加平均した値である。そのため、複数の一次粒子が凝集した二次粒子の直径である二次粒子径や平均二次粒子径と、結晶径や平均結晶径とは異なる。一次粒子の形状は、立方晶形状、正方晶形状、並びに、立方晶形状又は正方晶形状が複合化した双晶形状からなる群の少なくとも1種であってもよい。
本発明の炭化水素吸着剤の形状は任意であり、粉末又は成形体のいずれの形状であってよい。本発明の炭化水素吸着剤を粉末状で使用する場合、これをハニカム等の基材に塗布又はウォシュコートした触媒部材としてもよい。本発明の炭化水素吸着剤を成形体として使用する場合、球状、略球状、楕円状、円板状、円柱状、多面体状、不定形状及び花弁状からなる群の少なくとも1種の形状、その他用途に適した形状とすればよい。
また、本発明の炭化水素吸着剤を成形体とする場合、本発明の炭化水素吸着剤はSZR型ゼオライトに加え、シリカ、アルミナ、カオリン、アタパルジャイト、モンモリロナイト、ベントナイト、アロフェン及びセピオライトからなる群の少なくとも1種の粘土を含んでいてもよい。
本発明の炭化水素吸着剤は、炭化水素の吸着方法、又は、炭化水素含有気体の処理方法、更には炭化水素の吸着脱離方法に使用することができる。本発明の炭化水素吸着剤を使用して炭化水素を吸着させる場合、被処理ガスとして炭化水素を含むガスを用い、これと本発明の炭化水素吸着剤とを接触させればよい。吸着した炭化水素を脱離させる場合は、これを高温下、例えば、180℃以上250℃以下の温度環境におけばよい。
被処理ガスは炭化水素を含んでいる気体であればよく、炭化水素以外に、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、酸素、窒素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び水からなる群の少なくとも1種を含んでいてもよい。
本発明の炭化水素吸着剤で吸着する炭化水素は、炭素数6以上20以下の炭化水素であることが好ましく、更には芳香族炭化水素、また更にはベンゼン、トルエン及びキシレンからなる群の少なくとも1種を挙げることができる。本発明の炭化水素吸着剤は、芳香族炭化水素の様な嵩高い炭化水素の吸着剤として特に適しているが、炭素数5以下の低級炭化水素の吸着剤としても使用することができる。
さらに、本発明の炭化水素吸着剤は、炭化水素の脱離開始温度が180℃以上である。炭化水素吸着剤には、炭化水素の脱離が最も多くなる温度(以下、「脱離ピーク温度」ともいう。)が高い場合であっても、比較的低い温度から炭化水素の脱離が始まるものがある。このような炭化水素吸着剤では、三元触媒が機能する前に炭化水素の脱離が生じてしまう。
本発明において、炭化水素の脱離開始温度は、水素イオン化検出器(FID)を用い、本発明の炭化水素吸着剤を通過した後のガス中の炭化水素を定量分析することでもとめればよい。具体的には、本発明の炭化水素吸着剤通過前の炭化水素含有ガスの炭化水素濃度(以下、「吸着前炭化水素濃度」とする。)と、本発明の炭化水素吸着剤通過後の炭化水素含有ガスの炭化水素濃度(以下、「吸着後炭化水素濃度」とする。)を測定し、吸着前炭化水素濃度が吸着後炭化水素濃度より高い状態を吸着段階、吸着後炭化水素濃度が吸着前炭化水素濃度より高い状態を脱離段階とみなし、吸着段階と脱離段階とが切り替わった温度をもって、炭化水素の脱離開始温度とすればよい。
次に、本発明の炭化水素吸着剤の製造方法について説明する。
本発明の炭化水素吸着剤は、上記のSZR型ゼオライトを含んでいればよい。
本発明の炭化水素吸着剤の形状を粉末状とする場合、SZR型ゼオライトをハニカム等の基材に塗布又はウォシュコートすればよい。
本発明の炭化水素吸着剤を成形体とする場合、上記のSZR型ゼオライトを任意の方法で成形すればよい。成形方法として、転動造粒成形、プレス成形、押し出し成形、射出成形、鋳込み成形及びシート成形からなる群の少なくとも1種を挙げることができる。また、成形する際は、シリカ、アルミナ、カオリン、アタパルジャイト、モンモリロナイト、ベントナイト、アロフェン及びセピオライトからなる群の少なくとも1種の結合剤と、SZR型ゼオライトとを混合してもよい。
本発明の吸着剤に含まれるSZR型ゼオライトの製造方法は特に限定されないが、シリカ源、アルミ源、アルカリ源、構造指向剤及び水を含む組成物(以下、「原料組成物」ともいう。)において、該アルカリ源がカリウム化合物であるもの、を結晶化する結晶化工程、を有する製造方法によって製造することができる。
シリカ源はケイ素(Si)を含む化合物であればよく、シリカゾル、ヒュームドシリカ、沈降法シリカ、非晶質アルミノシリケート及びテトラエトキシシランからなる群の少なくとも1種が挙げられる。
アルミナ源はアルミニウム(Al)を含む化合物であればよく、水酸化アルミニウム、擬ベーマイト、アルミナゾル、非晶質アルミノシリケート及びアルミニウムイソプロポキシドからなる群の少なくとも1種が挙げられる。
アルカリ源はカリウムを含む化合物であればよく、カリウムの酸化物、水酸化物及びハロゲン化物からなる群の少なくとも1種が挙げられる。これにより、SZR型ゼオライトの結晶化と同時にカリウムを含有させることができる。結晶化するSZR型ゼオライトのカリウム含有量を増やすため、原料組成物はカリウム以外のアルカリ金属を含まないことが好ましい。また、シリカ源等他の原料がカリウムを含む場合、これもアルカリ源としてみなすことができる。
構造指向剤(以下、「SDA」ともいう。)はテトラエチルアンモニウムカチオン(以下、「TEA」ともいう。)であることが好ましい。原料組成物はSDAを塩の形で含んでいてもよく、SDAは、TEAの水酸化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物からなる群の少なくとも1種、更には水酸化テトラエチルアンモニウム(以下、「TEAOH」ともいう。)であることが好ましい。
原料組成物の結晶化は、水熱合成により行えばよい。SZR型ゼオライトが結晶化すれば水熱合成の条件は任意であるが、結晶化温度100℃以上250℃以下、結晶化時間5時間以上240時間以下を挙げることができる。さらに、水熱合成中、原料組成物は静置又は撹拌のいずれの状態でもよいが、攪拌状態で水熱合成することが好ましい。これにより、短い結晶化時間であってもSZR型ゼオライトが得られやすくなる。攪拌状態で水熱合成をする場合、攪拌速度が100rpm以上であることが好ましい。
結晶化工程を経ることによりSZR型ゼオライトが得られるが、本発明の炭化水素吸着剤に含まれるSZR型ゼオライトの製造方法は、カリウム調整工程を含んでいることが好ましい。これにより、SZR型ゼオライトのカリウム含有量を調整し、炭化水素の脱離開始温度を調整することができる。カリウム調整工程では、SZR型ゼオライトとカリウム含有化合物とを接触させることが好ましい。カリウム含有化合物として、カリウムを含む酸化物、水酸化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩及び硝酸塩からなる群の少なくとも1種を挙げることができ、水酸化カリウム又は塩化カリウムの少なくともいずれかであることが好ましい。
カリウム調整方法として、イオン交換、含浸担持、蒸発乾固、沈殿担持及び物理混合からなる群の少なくとも1種の方法が挙げられる。簡便であるため、カリウム調整工程は、イオン交換であることが好ましく、SZR型ゼオライトとカリウムイオン含有水溶液とを25℃以上200℃以下で接触させることが例示できる。
本発明の炭化水素吸着剤に含まれるSZR型ゼオライトの製造方法は、焼成工程を含んでいることが好ましい。焼成工程は、SZR型ゼオライト中のSDAを除去することができる。これにより、炭化水素の吸着に寄与する細孔量が増える。焼成条件は任意であるが、焼成条件として、酸化雰囲気中、焼成温度400℃以上800℃以下、焼成時間0.5時間以上12時間以下を挙げることができる。焼成工程は結晶化工程とカリウム調整工程との間であることが好ましい。
以下、実施例において本発明をさらに詳細に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(結晶構造の同定)
一般的なX線回折装置(装置名:UltimaIV、リガク社製)を使用し、試料のXRD測定をした。線源にはCuKα線(λ=1.5405Å)を用い、測定範囲は2θとして3°から43°の範囲で測定した。
(組成分析)
フッ酸と硝酸の混合水溶液に試料を溶解して試料溶液を調製した。一般的なICP装置(装置名:OPTIMA5300DV、PerkinElmer社製)を使用して、当該試料溶液を誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)で測定した。得られたSi、Al及びKの測定値から、試料のSiO/Al比及びK/Al比を求めた。
(BET比表面積及びマイクロ孔容積)
測定試料を350℃で2時間処理し、前処理とした。前処理後、通常の窒素吸着装置(装置名:BELSORP−max、MicrotracBEL社製)を使用し、測定温度77Kにおける窒素吸着等温線を測定した。得られた窒素吸着等温線の相対圧力0.01以上0.1以下の範囲について、BET法を使用してBET比表面積を算出した。
また、窒素吸着等温線の相対圧力0.85以上0.93以下の範囲について、t−plot法を使用してマイクロ孔容積を求めた。
実施例1
シリカゾル、水酸化アルミニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム35%水溶液、水酸化カリウム48%水溶液及び水を混合し、以下の組成を有する原料組成物を得た。
37SiO:Al:8.0KO:6.2TEAOH:777H
得られた原料組成物は、オートクレーブに充填し、125rpmの撹拌下、150℃で120時間の水熱処理により結晶化した。結晶化物を洗浄及び空気中、110℃での乾燥後、空気中、600℃で焼成しSZR型ゼオライトを得た。当該SZR型ゼオライトはSUZ−4と同等の結晶構造を有していた。
得られたSZR型ゼオライトを塩化カリウム水溶液に混合して25℃でイオン交換した後、洗浄及び空気中、110℃で乾燥することにより、本実施例の炭化水素吸着剤とした。
本実施例の炭化水素吸着剤は、SiO/Al比が12.0、K/Al比が0.75であり、なおかつ、BET比表面積が385m/g及びマイクロ孔容積が0.16cm/gであった。
比較例1
塩化カリウム水溶液の代わりに塩化アンモニウム水溶液を用いてイオン交換したこと以外は実施例1と同様な方法でSZR型ゼオライトを得た。
得られたSZR型ゼオライトを本比較例の炭化水素吸着剤とした。
本比較例の炭化水素吸着剤は、SiO/Al比が11.8、K/Al比が0.26であった。
測定例1(炭化水素の脱離特性評価)
(測定試料の作製及び前処理)
実施例1及び比較例1で得られた炭化水素吸着剤を、それぞれ、加圧成形及び粉砕し、凝集径20〜30メッシュの不定形成形体を得た。成形後の炭化水素吸着剤を常圧固定床流通式反応管に充填し、窒素流通下、500℃で1時間処理した後、50℃まで冷却した。
(脱離開始温度の測定)
前処理後、窒素ガスを炭化水素含有ガスに切り替え、炭化水素吸着剤に以下の組成の炭化水素含有ガスを流通させて炭化水素の脱離開始温度を測定した。
トルエン :3000体積ppmC(メタン換算濃度)
水 :3体積%
窒素 :残部
また、測定条件は以下のとおりである。
測定温度 :50〜600℃
昇温速度 :10℃/分
炭化水素含有ガスの流量 :200mL/分
水素イオン化検出器(FID)を用い、炭化水素吸着剤を通過した後のガス中の炭化水素を連続的に定量分析した。常圧固定床流通式反応管の入口側の炭化水素含有ガスの炭化水素濃度(以下、「入口炭化水素濃度」とする。)と、常圧固定床流通式反応管の出口側の炭化水素含有ガスの炭化水素濃度(以下、「出口炭化水素濃度」とする。)を測定し、入口炭化水素濃度が出口炭化水素濃度より高い状態を吸着段階、出口炭化水素濃度が入口炭化水素濃度より高い状態を脱離段階とみなし、吸着段階と脱離段階とが切り替わった温度をもって、炭化水素の脱離開始温度とした。結果を表1に示す。
Figure 0006926459
表1より、K/Al比が0.75と高い実施例の炭化水素吸着剤はトルエンの脱離開始温度が180℃以上であり、排ガス処理システムとして適用できる高い脱離開始温度を有しているのに対し、K/Al比が0.26の比較例の炭化水素吸着剤は吸着したトルエンを保持することができないことが明らかである。
比較例2
以下の組成を有する原料組成物を使用したこと、及び、イオン交換を行わなかったこと以外は実施例1と同様な方法でSZR型ゼオライトを得、これを本比較例の炭化水素吸着剤とした。
37SiO:Al:8.0KO:3.1TEAOH:777H
本比較例の炭化水素吸着剤は、SiO/Al比が13.8、K/Al比が0.71であり、なおかつ、BET比表面積が380m/g及びマイクロ孔容積が0.15cm/gであった。
比較例3
カリウム型のフェリエライト型ゼオライト(SiO/Al比=18.6、K/Al比=0.71)を本比較例の炭化水素吸着剤とした。
比較例4
カリウム型のMFI型ゼオライト(SiO/Al比=34.6、K/Al比=0.72)を本比較例の炭化水素吸着剤とした。
比較例5
セシウム型のMFI型ゼオライト(SiO/Al比=38、Cs/Al比=1.00)を本比較例の炭化水素吸着剤とした。
測定例2(炭化水素の脱離特性評価)
実施例1、及び、比較例2乃至5の炭化水素吸着剤を使用したこと以外は測定例1と同様な方法で炭化水素の脱離開始温度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006926459
表2より、本発明の炭化水素吸着剤は、MFI型ゼオライトやFER型ゼオライトなど炭化水素吸着剤として従来から使用されているゼオライトにカリウムを含有させたものよりもトルエンの脱離開始温度が高くなった。さらに、比較例4のセシウムを含有するMFI型ゼオライトはトルエンの脱離量が最も多くなる脱離ピーク温度は200℃以上と高かったが、脱離開始温度は本発明の炭化水素吸着剤より低いことが確認できた。
さらに、比較例2及び比較例5の比較より、SZR型ゼオライトはMFI型ゼオライトよりも少ないカリウム量であるにも関わらず、脱離開始温度が高くなることが確認できた。
本発明の炭化水吸着剤は、炭化水素、特に芳香族炭化水素の炭化水素吸着剤として使用することができ、例えば、内燃機関、更には自動車エンジンの排ガス処理システムに使用することができる。

Claims (5)

  1. アルミニウムに対するカリウムのモル比が0.72以上であるSZR型ゼオライトを含む芳香族炭化水素吸着剤。
  2. 前記SZR型ゼオライトのBET比表面積が250m/g以上である請求項1に記載の芳香族炭化水素吸着剤。
  3. 前記SZR型ゼオライトのアルミナに対するシリカのモル比が10以上である請求項1又は2に記載の芳香族炭化水素吸着剤。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の芳香族炭化水素吸着剤を使用する炭化水素の吸着方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の芳香族炭化水素吸着剤を使用する炭化水素含有気体の処理方法
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