JP6926013B2 - フレキシブルプリント基板用銅箔、フレキシブルプリント基板用銅箔の販売製品、それを用いた銅張積層体、フレキシブルプリント基板、及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明はフレキシブルプリント基板等の配線部材に用いて好適な銅箔、フレキシブルプリント基板用銅箔の販売製品、それを用いた銅張積層体、フレキシブル配線板、及び電子機器に関する。
フレキシブルプリント基板(フレキシブル配線板、以下、「FPC」と称する)はフレキシブル性を有するため、電子回路の折り曲げ部や可動部に広く使用されている。例えば、HDDやDVD及びCD−ROM等のディスク関連機器の可動部や、折りたたみ式携帯電話機の折り曲げ部等にFPCが用いられている。
FPCは銅箔と樹脂とを積層したCopper Clad Laminate(銅張積層体、以下CCLと称する)をエッチングすることで配線を形成し、その上をカバーレイと呼ばれる樹脂層によって被覆したものである。カバーレイを積層する前段階で、銅箔とカバーレイとの密着性を向上するための表面改質工程の一環として、銅箔表面のエッチングが行われる。また、銅箔の厚みを低減して屈曲性を向上させるため、減肉エッチングを行う場合もある。
ところで、電子機器の小型、薄型、高性能化に伴い、FPCの回路幅、スペース幅の微細化(例えば、20〜30μm程度)が要求されている。FPCの回路が微細化すると、エッチングにより回路を形成する時にエッチングファクタや回路直線性が劣化し易くなるという問題がある(特許文献1,2)。
特開2017-141501号公報 特開2017-179390号公報
しかしながら、従来の技術では、エッチング性を改善する方策として平均結晶粒径などを最適化することが行われているが、微細回路の形成におけるエッチング性に改善の余地がある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、エッチング性に優れたフレキシブルプリント基板用銅箔、フレキシブルプリント基板用銅箔の販売製品、それを用いた銅張積層体、フレキシブルプリント基板、及び電子機器の提供を目的とする。
本発明者らは種々検討した結果、220方位(101面)の結晶粒のエッチング速度が大きいことを見出した。そこで、特定の方向の220方位の結晶粒を多くすることでエッチング性をさらに向上させることに成功した。
すなわち、本発明のフレキシブルプリント基板用銅箔は、99.0質量%以上のCu、残部不可避的不純物からなる銅箔であって、EBSDにより測定した前記銅箔の表面の結晶方位データに対し、前記表面上でMDとなす角がφ(0〜180度)となる方向を回転軸として、NDからθ(0〜90度)回転させる回転処理を施して(101)面の面積率S101を求めたとき、下記(1)〜(3)のいずれかを満たすフレキシブルプリント基板用銅箔である。(1)θが0度以上30度未満でS101が最大値を示し、かつ該最大値が0.4以上、(2)θが30度以上45度以下でS101が最大値を示し、かつ該最大値が0.2以上、(3)θが45度を超え60度以下でS101が最大値を示し、かつ該最大値が0.4以上 但し、前記φは前記面積率S 101 が最大値を示したときの値である。
本発明のフレキシブルプリント基板用銅箔は、JIS−H3100(C1100)に規格するタフピッチ銅又はJIS−H3100(C1020)の無酸素銅からなることが好ましい。
本発明のフレキシブルプリント基板用銅箔は、さらに、添加元素として、P、Ag、ZnおよびSnからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を合計で0.2質量%以下含有してなることが好ましい。
本発明のフレキシブルプリント基板用銅箔において、200℃×30min焼鈍(但し、昇温速度100℃/min〜300℃/min)した後に、前記(1)〜(3)のいずれかを満たすことが好ましい。
本発明のフレキシブルプリント基板用銅箔の販売製品は、前記角φの値を、前記フレキシブルプリント基板用銅箔に同梱した印刷物、シール、または電子媒体若しくはウェブサイトから配信又は表示することによって、付与してな


本発明の銅張積層体は、前記フレキシブルプリント基板用銅箔と、樹脂層とを積層してなる。
本発明のフレキシブルプリント基板は、前記銅張積層体における前記銅箔に回路を形成してなる。
本発明の電子機器は、前記フレキシブルプリント基板を用いてなる。
本発明によれば、エッチング性に優れたフレキシブルプリント基板用銅箔が得られる。
銅箔の表面をEBSDで測定する方法を示す図である。 EBSDの測定結果から回転処理によりθ毎のS101を求める方法を示す図である。 φを示す図である。 θを示す図である。 101が最大値を示す角θとエッチングの進行方向との関係を示す断面図である。 角θが種々の方向にエッチングが進行した場合の回路の断面を説明する断面図である。 回路の断面形状からエッチングファクタEFを求める方法を示す図である。
以下、本発明に係る銅箔の実施の形態について説明する。なお、本発明において%は特に断らない限り、質量%を示すものとする。
<組成>
本発明に係る銅箔は、99.0質量%以上のCu、残部不可避的不純物からなる。JIS−H3100(C1100)に規格するタフピッチ銅(TPC)又はJIS−H3100(C1020)の無酸素銅(OFC)からなる組成としてもよい。
又、添加元素として、上記組成に対し、P、Ag、ZnおよびSnからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を合計で0.2質量%以下含有すると、フレキシブル基板用銅箔の折り曲げ性や屈曲性が向上する。
上記添加元素の含有量の下限は特に制限されないが、例えば各元素につき0.0005質量%より小さく制御することは工業的に難しいので、各元素の含有量の下限を0.0005質量%とするとよい。
(101)面の面積率
本発明は、エッチング性が最適となる銅箔の組織をEBSDによって規定するものである。具体的には、後述する図2に示すように角度φ及びθで特定される対象断面の(101)面の面積率により規定する。
但し、角度φ及びθで特定される対象断面を露出させてEBSD測定を行うのは難しいため、銅箔表面のEBSD測定を行い、得られた結晶方位データに後述する回転処理を施し、各φ及びθ毎の(101)面の面積率S101を計算で求める。
ここで、図1に示すように、EBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)とは、SEM内で試料に電子線を照射したときに生じる反射電子菊池線回折(菊池パターン)を利用し、結晶方位を解析する技術である。
この回転処理は、銅箔の表面上(MDとTDに平行な面上)でMDとなす角がφ(0〜180度)となる方向を回転軸として、ND(厚み方向)からθ(0〜90度)回転させるものであって、図2〜図4に示すように、ND(厚み方向)からθ回転した方向を面法線Nとする断面を対象断面とする。MDは、圧延銅箔では圧延平行方向である。
そして、角θを0度〜90度の間で変えた対象断面における(101)面の面積率S101を求める。
回転処理は、EBSD装置に付属のソフトウェアで計算(解析)することができ、例えば、株式会社 TSLソリューションズ社のOIM−Analysisを用いることができる。
以上のようにして面積率S101を求めたとき、本発明のフレキシブルプリント基板用銅箔は、下記(1)〜(3)のいずれかを満たす。
(1)θが0度以上30度未満でS101が最大値を示し、かつ該最大値が0.4以上
(2)θが30度以上45度以下でS101が最大値を示し、かつ該最大値が0.2以上
(3)θが45度を超え60度以下でS101が最大値を示し、かつ該最大値が0.4以上
なお、(101)面の法線とのなす角の角度が10度以下の方位を持つ結晶粒を (101)面とする。
面積率S101の計算と、(1)〜(3)の判定は次のように行う。
まず、φを0〜180度の間で一定にしたとき、θを0〜90度に変えて各θにおけるS101を計算する。この計算を、φを変化させてそれぞれ行う。
表2は、後述する実施例21につき、φ、θを変化させたときのS101を示す。φ=22.5度のとき、θ=45度でS101が最大値を示し、かつ該最大値が0.4であった。表2の符号「−」は、S101が0.4未満であることを示す。
従って、(1)〜(3)は、φを0〜180度の間のいずれかの角度における規定である。
なお、φ、θを細かく区切って計算すると膨大な時間を要するため、角度間隔を例えばφを22.5度毎、θを15度毎とするとよい。
次に、図5、図6を参照してエッチングファクタEFとθとの関係について説明する。なお、後述する実施例及び比較例(表1)に示すように、θが60度を超えた比較例はいずれもエッチングファクタEFが劣った。従って、θが0〜60度の範囲について検討する。
まず、図5に示すように、S101が最大値を示す角θ方向へエッチングが進むが、回路形成のエッチングには、エッチングが厚み方向の底に達するまでの段階と、その後、横方向にエッチングが進んで回路幅が狭くなっていく段階の二つに分けられる。
そして、図6に示すように、角θ=45度方向へエッチングが進む場合は、エッチングが底に到達した際に、斜め方向(45度方向)にもエッチングが進展しているため、回路の裾引き部分の厚みが薄くなり、エッチングが底に到達した後は優先的にボトムのエッチングが進展する。このため回路のトップの幅を残したシャープな(矩形に近い)回路断面になる。従って、エッチングファクタEFが良好である。
又、角θ=0度方向へエッチングが進む場合は、深さ方向に優先的にエッチングが進展しやすいため、エッチングが底に到達した際に、幅方向のエッチングがまだ進展していない。このため、回路の裾引き部分の厚みはθ=45度の場合と比べて厚いが、エッチングが底に到達した時点で回路トップの幅が残っている。このため、θ=45度の場合よりはやや劣るが(トップ幅の大きな)シャープな回路断面になり、エッチングファクタEFが良好である。
一方、角θ=90度方向へエッチングが進む場合は、エッチングが厚み方向に進み難い一方、板面方向にエッチングが広がり過ぎるので、回路のボトム幅に対してトップ幅が小さくなり、回路断面がシャープにならず、エッチングファクタEFが劣る。
以上のことから、45度を境目に、(1)θが0度以上30度未満、(2)θが30度以上45度以下、(3)θが45度を超え60度以下の3つの角度範囲を設定した。
そして、後述する実施例及び比較例(表1)に示すように、種々の銅箔試料についてEBSD測定とエッチングファクタEFの測定とを行い、エッチングファクタEFの良否と、S101が最大値を示すθとを、(1)〜(3)の3つの角度範囲で分類し、各角度範囲毎に、エッチングファクタEFが良好となるときのS101の最大値の値から、最大値の閾値を求めた。
なお、上記したように、θ=45度で最もEFが良好になることから、θ=45度を含む(2)の範囲では、後述するように他の範囲よりもS101の最大値が小さくても、良好なEFを得られる。
ここで、エッチングファクタEFは、図7に示す回路の断面のボトム幅、トップ幅及び高さから、下記式(1)により定義される。
Figure 0006926013
実際のEFの測定方法は種々存在するが、本発明では、上述の図5、図6の説明のように、深さ方向と幅方向に十分にエッチングが進行したときの回路の断面形状がθに関係するので、ボトム幅が一定となったときにエッチングを停止し、式(1)からEFを求める。
<200℃で30分間の熱処理>
本発明に係る銅箔はフレキシブルプリント基板に用いられ、その際、銅箔と樹脂とを積層したCCLは、200〜400℃で樹脂を硬化させるための熱処理を行うため、S101が最大値を示すθ、及び最大値が変化する。
従って、樹脂と積層する前後で、θ、及びS101の最大値が変わる。そこで、本願の請求項1に係るフレキシブルプリント基板用銅箔は、樹脂と積層後の銅張積層体になった後の、樹脂の硬化熱処理を受けた状態の銅箔を規定している。つまり、既に熱処理を受けているから、新たな熱処理を行わない状態の銅箔である。
一方、本願の請求項4に係るフレキシブルプリント基板用銅箔は、樹脂と積層する前の銅箔に上記熱処理を行ったときの状態(例えば、熱処理前の銅箔コイルがCCLの製造工場に納入されてCCLに積層されるときの加熱された状態)を規定している。この200℃で30分間の熱処理は、CCLの積層時に樹脂を硬化熱処理させる温度条件を模したものである。なお、熱処理による銅箔表面の酸化を防止するため、熱処理の雰囲気は、還元性又は非酸化性の雰囲気が好ましく、例えば、真空雰囲気、又は、アルゴン、窒素、水素、一酸化炭素等若しくはこれらの混合ガスからなる雰囲気などとすればよい。昇温速度は100〜300℃/minの間であればよい。
本発明の銅箔は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、銅インゴットを溶解、鋳造した後、熱間圧延し、冷間圧延と焼鈍を行い、好ましくは冷間圧延時の初期に再結晶焼鈍を行うと共に、最終再結晶焼鈍及び最終冷間圧延を行うことにより箔を製造することができる。
最終再結晶焼鈍における昇温速度を調整することにより、再結晶時に生成する結晶方位を調整し、θ、及びS101の最大値を制御できる。最終再結晶焼鈍における昇温速度は、2℃/分以下が好ましい。又、θが30度以上45度以下の(2)の場合には、昇温速度は、10℃/分以下が好ましい。
同様に、最終冷間圧延の最終パスのひずみ速度を調整することにより、再結晶時に生成する結晶方位を調整し、θ、及びS101の最大値を制御できる。ひずみ速度は、100〜5000(/秒)が好ましく、200〜500(/秒)がさらに好ましい。
<銅張積層体及びフレキシブルプリント基板>
又、本発明の銅箔に(1)樹脂前駆体(例えばワニスと呼ばれるポリイミド前駆体)をキャスティングして熱をかけて重合させること、(2)ベースフィルムと同種の熱可塑性接着剤を用いてベースフィルムを本発明の銅箔にラミネートすること、により、銅箔と樹脂基材の2層からなる銅張積層体(CCL)が得られる。又、本発明の銅箔に接着剤を塗着したベースフィルムをラミネートすることにより、銅箔と樹脂基材とその間の接着層の3層からなる銅張積層体(CCL)が得られる。これらのCCL製造時に銅箔が熱処理されて再結晶化する。
これらにフォトリソグラフィー技術を用いて回路を形成し、必要に応じて回路にめっきを施し、カバーレイフィルムをラミネートすることでフレキシブルプリント基板(フレキシブル配線板)が得られる。
従って、本発明の銅張積層体は、銅箔と樹脂層とを積層してなる。又、本発明のフレキシブルプリント基板は、銅張積層体の銅箔に回路を形成してなる。
樹脂層としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PI(ポリイミド)、LCP(液晶ポリマー)、PEN(ポリエチレンナフタレート)が挙げられるがこれに限定されない。また、樹脂層として、これらの樹脂フィルムを用いてもよい。
樹脂層と銅箔との積層方法としては、銅箔の表面に樹脂層となる材料を塗布して加熱成膜してもよい。又、樹脂層として樹脂フィルムを用い、樹脂フィルムと銅箔との間に以下の接着剤を用いてもよく、接着剤を用いずに樹脂フィルムを銅箔に熱圧着してもよい。但し、樹脂フィルムに余分な熱を加えないという点からは、接着剤を用いることが好ましい。
樹脂層としてフィルムを用いた場合、このフィルムを、接着剤層を介して銅箔に積層するとよい。この場合、フィルムと同成分の接着剤を用いることが好ましい。例えば、樹脂層としてポリイミドフィルムを用いる場合は、接着剤層もポリイミド系接着剤を用いることが好ましい。尚、ここでいうポリイミド接着剤とはイミド結合を含む接着剤を指し、ポリエーテルイミド等も含む。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されない。又、本発明の作用効果を奏する限り、上記実施形態における銅合金がその他の成分を含有してもよい。また、電解銅箔でも良い。
例えば、銅箔の表面に、粗化処理、防錆処理、耐熱処理、またはこれらの組み合わせによる表面処理を施してもよい。
なお、本発明は、上述の角φにて、所定のθでのS101を規定し、角φの近傍にてエッチング性が優れる。ここで、圧延銅箔の製造者は銅箔のコイル等毎に各φを測定する一方、銅箔のユーザ(例えば回路メーカ)は、回路を製造するに当たり、自身でエッチング性が最良となる角φを探索するのが通例である。
従って、圧延銅箔の出荷時に角φを提示する必要はないが、フレキシブルプリント基板用銅箔の製品(例えばコイル製品)のパッケージに印刷物やシールで角φの値を同梱したり、製品と同梱又は別体の電子媒体(CD−ROM等)で角φの値を提供したり、製品のコイル番号等をウェブサイトで入力したときに角φの値をサーバから配信又は表示されるようにすると、ユーザに便利なので好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。電気銅に、表1に示す元素をそれぞれ添加して表1に示す組成とし、Ar雰囲気で鋳造して鋳塊を得た。鋳塊中の酸素含有量は15ppm未満であった。この鋳塊を900℃で均質化焼鈍後、熱間圧延した後、冷間圧延および再結晶焼鈍を繰り返し、さらに最終再結晶焼鈍及び最終冷間圧延を行って圧延銅箔を得た。
得られた圧延銅箔にアルゴン雰囲気において200℃×30分の熱処理を加え、銅箔サンプルを得た。熱処理後の銅箔は、CCLの積層時に熱処理を受けた状態を模している。
<A.銅箔サンプルの評価>
1.(101)面の面積率
上記熱処理後の各銅箔サンプルについて、銅箔表面を電解研磨後に、図1に示すようにしてEBSD分析(後方散乱電子線回析装置、日本電子株式会社JXA8500F、加速電圧20kV、電流2e-8A、観察範囲1000μm×1000μm、ステップ幅0.5μm)を実施した。その銅箔表面のEBSD分析結果をもとに、上記したようにして角θで規定される測定面を基準とした(101)面の面積率S101を求めた。
θ=0度〜90度(15度刻み)とした。
2.エッチングファクタEF
銅箔と樹脂を張り合わせ、その後ドライフィルムレジストを銅箔表面にラミネートし、レジストに短冊状(L/S=30/20)の回路パターンを形成した。なお、回路パターンの短冊が伸びる長手方向がMDとなす角φを、各実施例毎に変え、上記(1)〜(3)のいずれかを満たしたときのS101が最大値を示したときの角φに一致させた。例えば、表2に示すように、実施例21の場合、φ=22.5度として回路パターンを形成した。
なお、各比較例については、表2と同様な計算を行い、S101が最大値を示したときの角φを採用して回路パターンを形成した。
その後、塩化第二銅エッチャントのスプレーエッチングを行い、図7のボトム幅が一定となるような回路を得た。ボトム幅は、エッチング時間を調整して制御した。そして、図7及び式(1)により、エッチングで得られた回路の断面形状を測定し、エッチングファクタEFを算出した。EFの値に応じて以下の指標で評価した。評価が◎、○であればエッチング性が良好である。
◎:EFが5.0以上
○:EFが3.0以上5.0未満
×:EFが3.0未満
得られた結果を表1、表2に示す。
Figure 0006926013
Figure 0006926013
表1、表2から明らかなように、(1)〜(3)のいずれかを満たした各実施例の場合、エッチング性が良好であった。具体的には、(1)を満たしたのは実施例1、2、9、10、11、17、18であり、(2)を満たしたのは実施例3、4、6、7、8、12、13、15、16、19、20、21であり、(3)を満たしたのは実施例5、14、22である。
なお、(1)を満たす各実施例のうち、実施例9が最もエッチング性が良好でS101の最大値が0.7以上であった。このことから、(1)のθ範囲においてS101の最大値が0.7以上であると好ましい。
同様に、(2)を満たす各実施例のうち、実施例3,4、8、12、13、15、16、19、20、21が最もエッチング性が良好でS101の最大値が0.4(実施例21)以上であった。このことから、(2)のθ範囲においてS101の最大値が0.4以上であると好ましい。
一方、最終再結晶焼鈍における昇温速度が2℃/分を超えた比較例1〜5の場合、エッチング性が劣った。具体的には、比較例1,2は(1)を満たさず、比較例3,4は(2)を満たさず、比較例5は(3)を満たさなかった。
最終冷間圧延の最終パスのひずみ速度が100(/秒)2℃/分未満の比較例6,7の場合、θが60度を超え、エッチング性が劣った。

Claims (8)

  1. 99.0質量%以上のCu、残部不可避的不純物からなる銅箔であって、
    EBSDにより測定した前記銅箔の表面の結晶方位データに対し、前記表面上でMDとなす角がφ(0〜180度)となる方向を回転軸として、NDからθ(0〜90度)回転させる回転処理を施して(101)面の面積率S101を求めたとき、下記(1)〜(3)のいずれかを満たすフレキシブルプリント基板用銅箔。
    (1)θが0度以上30度未満でS101が最大値を示し、かつ該最大値が0.4以上
    (2)θが30度以上45度以下でS101が最大値を示し、かつ該最大値が0.2以上
    (3)θが45度を超え60度以下でS101が最大値を示し、かつ該最大値が0.4以上
    但し、前記φは前記面積率S 101 が最大値を示したときの値である。
  2. JIS−H3100(C1100)に規格するタフピッチ銅又はJIS−H3100(C1020)の無酸素銅からなる請求項1に記載のフレキシブルプリント基板用銅箔。
  3. さらに、添加元素として、P、Ag、ZnおよびSnからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を合計で0.2質量%以下含有してなる請求項1又は2に記載のフレキシブルプリント基板用銅箔。
  4. 200℃×30min焼鈍(但し、昇温速度100℃/min〜300℃/min)した後に、前記(1)〜(3)のいずれかを満たす請求項1〜3のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント基板用銅箔。
  5. 前記面積率S 101 が最大値を示したときの前記角φの値を、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント基板用銅箔に同梱した印刷物、シール、または電子媒体若しくはウェブサイトから配信又は表示することによって、付与してなるフレキシブルプリント基板用銅箔の販売製品
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント基板用銅箔と、樹脂層とを積層してなる銅張積層体。
  7. 請求項6に記載の銅張積層体における前記銅箔に回路を形成してなるフレキシブルプリント基板。
  8. 請求項7に記載のフレキシブルプリント基板を用いた電子機器。
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