JP7194857B1 - フレキシブルプリント基板用銅箔、それを用いた銅張積層体、フレキシブルプリント基板、及び電子機器 - Google Patents

フレキシブルプリント基板用銅箔、それを用いた銅張積層体、フレキシブルプリント基板、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】回路直線性が良く、微細回路に適したフレキシブルプリント基板用銅箔、それを用いた銅張積層体、フレキシブルプリント基板、及び電子機器を提供する。【解決手段】99.96質量%以上のCuを含有し、残部不可避的不純物からなる圧延銅箔であって、300℃×30分の熱処理を行い、前記圧延銅箔の圧延面の測定視野150μm×150μmをEBSD測定し、方位差5°以上を結晶粒界とみなしたときの平均結晶粒径が5.0μm以下であるフレキシブルプリント基板用銅箔である。【選択図】図1

Description

本発明はフレキシブルプリント基板等の配線部材に用いて好適な銅箔、それを用いた銅張積層体、フレキシブル配線板、及び電子機器に関する。
電子機器の回路基板として、フレキシブルプリント基板(フレキシブル配線板、以下、「FPC」と称する)が広く用いられている。FPCは銅箔と樹脂とを積層したCopper Clad Laminate(銅張積層体、以下CCLと称する)をエッチングすることで配線を形成し、その上をカバーレイと呼ばれる樹脂層によって被覆したものである。CCLに貼り合せる樹脂はポリイミド系、液晶ポリマー、PTFEが挙げられるがこれらに限定されない。
そして、このように銅張積層体は、目的とする回路を形成するためにレジスト塗布及び露光工程により回路を印刷し、さらに銅層の不要部分を除去するエッチング処理を経るが、エッチングして回路を形成する際に、その回路が予め表面に形成されたマスクパターン通りの幅にならないという問題がある。
これは、エッチングすることにより形成される銅回路が、銅層の表面から下に向かって、すなわち樹脂層に向かって、末広がりにエッチングされる(ダレを発生する)ことによる。
そこで、この「ダレ」を減少させる技術が開発されている(特許文献1)。
特開2011-216528号公報
ところで、電子機器の小型、薄型、高性能化にともない、FPCの高密度実装が要求されている。FPCを高密度に実装するためには回路の微細化が必要であるが、微細回路ではインピーダンスの整合性を保つために回路幅が回路全体にわたって一定であることが重要となってくる。回路の幅が回路全体にわたって一定でない場合、回路が隣の回路にくっついて(接触して)しまい、不良となるおそれがあるからである。
そして、上述のように、回路幅は樹脂層側(ボトム側)で広がる傾向にあるため、ボトム側が隣の回路により接触し易く、ボトム側の回路幅(ボトム幅)を回路全体にわたって一定に保つことがより重要になってくる。特にボトム幅が35μm以下のような微細回路の場合このような不良がより起きやすい。
しかしながら、上述の特許文献1に記載されたように、回路のトップ幅とボトム幅の差(ダレ)を減少させる技術は開示されているものの、ボトム幅に着目した技術は見られなかった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、回路直線性が良く、微細回路に適したフレキシブルプリント基板用銅箔、それを用いた銅張積層体、フレキシブルプリント基板、及び電子機器の提供を目的とする。
本発明者らは種々検討した結果、銅箔をエッチングして形成した回路の直線性を向上させるには、銅箔の金属組織が均一に近い、換言すれば結晶粒の大きさが揃っている(平均結晶粒径が小さい)ことが重要であることを見出した。これは、平均結晶粒径が小さいと、エッチングによる回路形成時の化学反応(エッチング反応)が均一に生じるためと考えられる。
すなわち、本発明のフレキシブルプリント基板用銅箔は、99.96質量%以上のCuを含有し、残部不可避的不純物からなる圧延銅箔であって、300℃×30分の熱処理を行ったとき、前記圧延銅箔の圧延面の測定視野150μm×150μmをEBSD測定し、方位差5°以上を結晶粒界とみなしたときの平均結晶粒径が5.0μm以下、前記EBSD測定した前記結晶粒径の標準偏差が3.0μm以下である。
発明のフレキシブルプリント基板用銅箔は、JIS-H3100(C1100)に規格するタフピッチ銅又はJIS-H3100(C1020)の無酸素銅からなることが好ましい。
本発明のフレキシブルプリント基板用銅箔は、10~50質量ppmのPを含有することが好ましい。
本発明の銅張積層体は、前記フレキシブルプリント基板用銅箔と、樹脂層とを積層してなる。
本発明のフレキシブルプリント基板は、前記銅張積層体における前記銅箔に回路を形成してなる。
本発明の電子機器は、前記フレキシブルプリント基板を用いてなる。
本発明によれば、回路直線性が良く、微細回路に適したフレキシブルプリント基板用銅箔が得られる。
エッチングして形成した回路のボトム幅wを示す図である。 回路のボトム幅wを複数測定する方法を示す平面図である。 回路直線性を評価する際の直線回路をエッチング形成するための露光マスクを示す図である。 直線回路において、エッチングが進行する状態を示す模式図である。 金属組織が均一でない(結晶粒の大きさが揃っていない)場合に、回路直線性が低下するメカニズムを示す模式図である。
以下、本発明に係る銅箔の実施の形態について説明する。なお、本発明において%は特に断らない限り、質量%を示すものとする。
<組成>
本発明に係る銅箔は、99.96質量%以上のCuを含有し、残部不可避的不純物からなる。添加元素として10~50質量ppmのPを含有すると好ましい。ここで、Cuが99.96質量%以上となる範囲であれば、銅箔の機械的特性を改善する目的で、銅箔にAg、Sn、Zr等を微量に含有させてもよい。
添加元素としてPを含有すると、金属組織(結晶粒径)が均一になりやすく、さらにエッチング後の回路のボトム幅が一定になる傾向にある。但し、Pの含有量が50質量ppm (0.005質量%)を超えると、導電率が低下し、フレキシブルプリント基板に適さない。
本発明に係る銅箔を、JIS-H3100(C1100)に規格するタフピッチ銅又はJIS-H3100(C1020)の無酸素銅の組成、又はAg、Sn、Zr等を微量に含有する無酸素銅若しくはタフピッチ銅としてもよく、さらにこれらの組成に、添加元素として10~50質量ppmのPを含有してもよい。
P濃度の分析は、JIS H 1058(銅及び銅合金中のりん定量方法)に規定されるモリブドりん酸抽出モリブドりん酸青吸光光度法(P濃度:0.0005%~0.01%に適用)を用いて実施する。
<平均結晶粒径>
圧延銅箔に300℃×30分の熱処理を行ったとき、熱処理後の圧延面の測定視野150μm×150μmをEBSD測定し、方位差5°以上を結晶粒界とみなしたときの平均結晶粒径が5.0μm以下である。
平均結晶粒径は、EBSD(ElectronBack Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)測定における結晶方位解析により算出する。
実際の測定は、試料表面を電解研磨後にSEM-EBSD(日本電子株式会社JSM-IT500HR、TSL EDAX SCAN GENERATOR-II、TSL OIM DATA COLECTION7)で下記の条件で観察する。
なお、EBSD測定は、熱処理後の銅箔から切り出したサンプル板(150mm×150mm)に対して行えばよい。
・WD:15.0mm or 16.0mm
・Camera Elavation Angle:2.7 degrees
・Sample Tilt:70.0 degrees
・Camera Azimuthal Angle:0.0 degrees
・加速電圧:15.0kV
・プローブ電流:9.5nA
・SS―CCD Camera:Binning 8×8
・Gain:300~350(Pattern brightness:0.90~0.95)
・Exposure time:4ms
・Background integration count:20times
・観察倍率: 600倍
・観察視野: 150μm×150μm
・ステップサイズ 0.5μm
・Scan Mode: Hexagonal Glid
・Phase List: Copper
また、得られた測定データの解析はOIM Analysis Ver8.0 x64 Advanced packageを用いて下記の条件で実施する。
・Grain Dilation法によるCrean Upを1回実施(Grain Tolerance angle:5,Minimum Grain size:2 points,Multi Row:1, Iteration Fraction:0.25)
・EBSDマップのエッジにかかった結晶粒は計算から除外
・Area Fraction法により、結晶粒径(Diameter)の平均値、標準偏差を算出
ここで、Area Fraction法では、各結晶粒の面積が観察視野全面積に占める割合を各面積値に乗した値の平均値から結晶粒径の平均値を算出する。すなわち、観察視野内において粗大な結晶粒が1つでも観察される場合、Number法よりも平均結晶粒径が大きくなりやすく、Area Fraction法で平均結晶粒径が小さいことは結晶粒の大きさが揃っていてかつ小さいことを示している。
平均結晶粒径、特にArea Fraction法による平均結晶粒径が5.0μm以下であれば、銅箔の金属組織が均一に近く(結晶粒の大きさが揃っていて)、エッチングによる回路形成時の化学反応(エッチング反応)が均一に生じると考えられる。
<回路直線性>
銅箔に表面処理をした後にサンプル板(150mm×150mm)を切り出し、熱処理を加えて銅張積層板とした後に以下のエッチング条件で銅張積層板の銅箔側から直線回路(図2参照)を形成し、回路のボトム幅wを複数測定したとき、ボトム幅w(μm)の標準偏差σ(μm)と、ボトム幅wの平均値Aw(μm)で表されるσ/Awが0.03未満であると好ましい。σ/Awが0.03未満であると、回路直線性に優れる傾向にあることが経験的に得られているからである。
エッチング条件:
エッチング液の組成:CuCl-2HO=3mol/L(比重1.24)、HCl=4mol/L、液温度=50℃、エッチング液のスプレー圧=0.22MPaとし、回路部分をマスクした圧延銅箔をエッチング処理して回路を形成する。
σ/Awは、エッチング形成した回路の実際のボトム幅wを複数(好ましくは、10カ所以上、より好ましくは、50カ所、さらに好ましくは、回路の長手方向30μmごとに100カ所)測定してσ及びAwを求め、σ/Awを算出する。
具体的には、図1に示すように、銅箔をエッチングして形成した回路21、22は、表面から下方(樹脂層4側(ボトム側))に向かって広がっており、このボトム側の回路幅(ボトム幅)wを複数測定する。ここで、符号wtは表面(トップ)側の回路幅(トップ幅)である。
なお、図2に示すように、別々の回路21、22からそれぞれ所定の測定点にて回路幅w1、w2、w100、w101、w102、w200・・・のように50カ所測定することができる。1つの回路上で測定してもよい。
σ/Awが0.03未満であると、ボトム幅wのバラツキが小さく、回路直線性が優れていることを示す。特に、ボトム幅wが10~35μmの範囲においても回路直線性が優れていることが好ましい。
銅箔の回路部分のマスクは、例えばフォトレジスト(ドライフィルムレジスト等)を用いてフォトマスクにより回路として残る部分のみにレジストを残す公知の方法で形成できる。ドライフィルムレジストとしては、例えば日立化成製の製品名RY-5107 (厚み7μm)を用いることができる。
ここで、図3は、回路直線性を評価する際の直線回路をエッチング形成するための露光マスクを示す。露光マスクのレジスト/スペースのパターンは10種類あり、図3の左側(番号10側)ほどスペースが広く、右側ほど狭くなる設計である。そして、全パターンに対し、露光、現像、エッチング、ドライフィルム剥離を順に行った後に、SEMを使用して目標のL/S(L/S=10/40~30/20)に近い回路を、全パターンの中から1個選択し、評価に用いる。
銅箔の厚さは、JISC6515に規定される公称厚さで17μm以下が好ましい。厚さが薄い程、銅箔にかかる応力が小さくなるため折り曲げ性の向上に資すると共にポータブル機器の小型化、薄型化、軽量化にも資する。
<製造>
本発明の銅箔は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、銅インゴットに必要に応じてPを添加して溶解、鋳造した後、熱間圧延し、冷間圧延と焼鈍を繰り返し行うことにより箔を製造することができる。
ここで、冷間圧延の途中で、所定の冷却速度の中間焼鈍を実施し、中間焼鈍の際に発生した酸化スケールを除去して中間冷間圧延を行った後に最終焼鈍、最終冷間圧延をして目的とする最終厚さの箔を得ることができる。
中間焼鈍の最高温度は、350~500℃とすることができる。中間焼鈍の冷却速度は、中間焼鈍における最高温度TM(℃)から、(TM-200)℃の温度まで50~150℃/hで冷却することが好ましい。
以上のように中間焼鈍の冷却速度を50~150℃/hに設定すると、一般的な条件よりも冷却速度が遅くなる。そして、中間焼鈍の冷却速度が遅いほど、材料内の温度勾配が小さくなる(一番初めに冷却される箇所と一番遅く冷却される箇所の温度差が小さくなる)ことにより、金属組織が均一となりやすく(結晶粒の大きさが揃い)、最終厚さの箔を熱処理したときの平均結晶粒径が小さくなる。その結果、エッチングによる回路形成時の化学反応(エッチング反応)が均一に生じるために回路直線性が向上すると考えられる。
これは、上述の通り、AreaFraction法による結晶粒径が小さいほど、結晶粒の大きさが揃っていて、かつ個々結晶粒の粒径が小さいことを意味するためである。
図4,図5は金属組織が均一(結晶粒の大きさが揃う)なほど、回路直線性が向上するメカニズムを示す。
図4に示すように、エッチングは、レジストの無い部分(直線回路の間のスペースに相当)からエッチング液が銅箔内部に侵入して進行するが、スペースから銅箔の左右に向かってエッチングが進む。このとき、図1に示したように、エッチング(回路)は、表面から下方(樹脂層側(ボトム側))に向かって広がっていく。
ここで、図5(a)に示すように、金属組織が均一でない(結晶粒の大きさが揃っていない)場合、図1に示した回路21、22のボトム幅wのバラツキが大きくなる(図5(a)で回路21、22の縁が直線状でなく、波打つように曲がっている)。
この理由は、図5(b)に示すように、例えば視野150μm×150μm内で、回路21側の銅箔の結晶粒が大きく、回路22側の銅箔の結晶粒が小さいと、金属組織が均一でなく(結晶粒の大きさが揃わず)、結晶粒が大きい回路21側でのエッチング速度が大きくなり、結晶粒が小さい部位との間でエッチング量が変わり、ひいてはボトム幅wのバラツキが大きくなるためと考えられる。
なお、図5(b)において、結晶粒と結晶粒界ではエッチングされる速度が異なるので、結晶粒の大きさが揃っていないと、エッチング速度が局所的に大きく変動することになる。なお、本試験のエッチング液では結晶粒よりも結晶粒界のエッチング速度が遅かったが、逆の場合もある。
上記のEBSD測定した結晶粒径の標準偏差が3.0μm以下であると、結晶粒の大きさがより一層揃うので好ましい。結晶粒径の標準偏差の測定法は、上述のEBSD測定について記載した通りであり、測定結果に対してAreaFraction法により、結晶粒径の平均値(平均結晶粒径)だけでなく、標準偏差も算出される。
<銅張積層体及びフレキシブルプリント基板>
又、本発明の銅箔に例えば(1)樹脂前駆体(例えばワニスと呼ばれるポリイミド前駆体)をキャスティングして熱をかけて重合させること、(2)ベースフィルムと同種の熱可塑性接着剤を用いてベースフィルムを本発明の銅箔にラミネートすること、により、銅箔と樹脂基材の2層からなる銅張積層体(CCL)が得られる。又、本発明の銅箔に接着剤を塗着したベースフィルムをラミネートすることにより、銅箔と樹脂基材とその間の接着層の3層からなる銅張積層体(CCL)が得られる。これらのCCL製造時に銅箔が熱処理されて再結晶化する。
これらにフォトリソグラフィー技術を用いて回路を形成し、必要に応じて回路にめっきを施し、カバーレイフィルムをラミネートすることでフレキシブルプリント基板(フレキシブル配線板)が得られる。
従って、本発明の銅張積層体は、銅箔と樹脂層とを積層してなる。又、本発明のフレキシブルプリント基板は、銅張積層体の銅箔に回路を形成してなる。
樹脂層としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PI(ポリイミド)、LCP(液晶ポリマー)、PEN(ポリエチレンナフタレート)が挙げられるがこれに限定されない。また、樹脂層として、これらの樹脂フィルムを用いてもよい。
樹脂層と銅箔との積層方法としては、銅箔の表面に樹脂層となる材料を塗布して加熱成膜してもよい。又、樹脂層として樹脂フィルムを用い、樹脂フィルムと銅箔との間に以下の接着剤を用いてもよく、接着剤を用いずに樹脂フィルムを銅箔に熱圧着してもよい。但し、樹脂フィルムに余分な熱を加えないという点からは、接着剤を用いることが好ましい。
樹脂層としてフィルムを用いた場合、このフィルムを、接着剤層を介して銅箔に積層するとよい。この場合、フィルムと同成分の接着剤を用いることが好ましい。例えば、樹脂層としてポリイミドフィルムを用いる場合は、接着剤層もポリイミド系接着剤を用いることが好ましい。尚、ここでいうポリイミド接着剤とはイミド結合を含む接着剤を指し、ポリエーテルイミド等も含む。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されない。又、本発明の作用効果を奏する限り、上記実施形態における銅合金がその他の成分を含有してもよい。
例えば、銅箔の表面に、粗化処理、防錆処理、耐熱処理、またはこれらの組み合わせによる表面処理を施してもよい。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
電気銅を用いてインゴットを非酸化性雰囲気で作製した。インゴットに含まれる銅の割合は99.96質量%以上であった。このインゴットを900℃以上で均質化焼鈍後、熱間圧延と冷間圧延を行った。冷間圧延中に最高温度400℃の中間焼鈍を実施し、中間焼鈍の冷却速度を最高温度より200℃低い温度まで表1の値として冷却した。実施例の冷却速度は、該実施例と別の材料を焼鈍した時の材料温度実測データから推算した。中間焼鈍の際に発生した酸化スケールを除去して中間冷間圧延を行った後に最終焼鈍、最終冷間圧延をして目的とする最終厚さ12μmの箔を得た。なお、比較例については、最高温度より200℃低い温度までの中間焼鈍の冷却速度を伝熱シミュレーションにより求め、表1に記載した。
得られた箔に対し、大気雰囲気において、300℃×30分の熱処理を加え、銅箔サンプルを得た。具体的には、酸化防止の為に幅30mm×長さ130mm×厚み0.15mmのC7025板2枚の間に銅箔サンプルを挟み、A4サイズのアニール済みのC1100でパッキングを行った後に、300℃になった高温熱風乾燥機の扉を開けて投入し、30分後に扉を開けてを回収し、銅箔サンプルを取り出した。熱処理後の銅箔は、CCLの積層時に熱処理を受けた状態を模している。熱処理後の銅箔の圧延面を電解研磨した後に測定視野150μm×150μmをEBSD測定し、方位差5°以上を結晶粒界とみなしたときの結晶粒径の平均値(平均結晶粒径)及び標準偏差を求めた。EBSD測定の条件は上述の記載通りとした。
また、最終冷間圧延をして得られた箔に表面処理を行った後に、ユーピレックスVT(宇部興産株式会社製)25μmを積層し,加熱プレス機で300℃×30minの熱処理を行って銅張積層板とした後、ドライフィルムレジスト(日立化成製の製品名RY-5107、厚み7μm)を用い、銅箔の回路部分をフォトリソによりマスクし、L+Sが50μmピッチのドライフィルムパターニングを行った。レジストの現像、エッチング及びレジストの剥離は、サンテクノシステム株式会社の「現像・エッチング・剥離ライン」(装置名:DERM)を用いた。エッチング条件は上述の「<回路直線性>」で記載した通りである。
<回路直線性の評価>
上記したエッチング条件により、目標L/S(L/S=10/40~30/20)に近くなるよう各実施例及び各比較例ごとにエッチング時間を種々変えて条件設定したものを、実際に測定したところ、ボトム幅wの平均値Awは表1に示すような値となった。平均値AwはL/SのLを表す。また、「50μm-平均値Aw」はL/SのSを表す。各実施例及び各比較例ごとに、それぞれ各回路のボトム幅wを図2に示すようにして50カ所測定し、平均値Awを求めた。
なお、各実施例はそれぞれ同じ銅箔について、36~54秒の範囲でエッチング時間をそれぞれ変えた。同様に、各比較例はそれぞれ同じ銅箔について、36~54秒の範囲でエッチング時間をそれぞれ変えた。
得られた結果を表1に示す。ここで、実施例1~7のP濃度は10~50質量ppmの範囲であり、比較例1~7のP濃度は10ppm未満であった。P濃度の分析は上述した方法により行った。
Figure 0007194857000002
平均結晶粒径が5.0μm以下である実施例の銅箔を用いてフレキシブルプリント基板を作成したところ、σ/Awが0.03未満であり、隣り合う回路との接触がほとんど見られず、回路直線性に優れていることがわかった。
一方、平均結晶粒径が5.0μmを超えた比較例銅箔を用いてフレキシブルプリント基板を作成したところ、σ/Awが0.03以上であり、隣り合う回路との接触が散見され、回路直線性に劣ることがわかった。

Claims (6)

  1. 99.96質量%以上のCuを含有し、残部不可避的不純物からなる圧延銅箔であって、
    300℃×30分の熱処理を行ったとき、前記圧延銅箔の圧延面の測定視野150μm×150μmをEBSD測定し、方位差5°以上を結晶粒界とみなしたときの平均結晶粒径が5.0μm以下
    前記EBSD測定した前記結晶粒径の標準偏差が3.0μm以下であるフレキシブルプリント基板用銅箔。
  2. JIS-H3100(C1100)に規格するタフピッチ銅又はJIS-H3100(C1020)の無酸素銅からなる請求項1に記載のフレキシブルプリント基板用銅箔。
  3. 10~50質量ppmのPを含有する請求項1又は2に記載のフレキシブルプリント基板用銅箔。
  4. 請求項1又は2に記載のフレキシブルプリント基板用圧延銅箔と、樹脂層とを積層してなる銅張積層体。
  5. 請求項4に記載の銅張積層体における前記圧延銅箔に回路を形成してなるフレキシブルプリント基板。
  6. 請求項5に記載のフレキシブルプリント基板を用いた電子機器。
JP2022112952A 2022-07-14 2022-07-14 フレキシブルプリント基板用銅箔、それを用いた銅張積層体、フレキシブルプリント基板、及び電子機器 Active JP7194857B1 (ja)

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