JP6030325B2 - 圧延銅箔、銅張積層板、フレキシブルプリント配線板及び電子機器 - Google Patents

圧延銅箔、銅張積層板、フレキシブルプリント配線板及び電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、圧延銅箔、銅張積層板、フレキシブルプリント配線板及び電子機器に関する。
電子機器は、製品環境により繰り返しの熱衝撃を受けるため、これに耐え得る信頼性が必要となる。このような熱衝撃を想定した試験としては、JEITAED−4701/001、ED−4701/100、JIS−C60068−2−14等の試験方法が提案されており、マイナス数十℃から100℃前後の温度サイクルに対する耐久性が要求されている。
また、電子機器は、通常複数の電子基板で構成されており、これら電子基板同士を電気的に接続するフレキシブルプリント配線板が電子基板間に設けられている。フレキシブルプリント配線板は、通常、絶縁基板と、該基板表面に形成された銅製の配線とを備えている。電子基盤同士を接続するフレキシブルプリント配線板には、両基板の熱膨張や収縮の違いにより引張応力や圧縮応力が加わるため、良好な屈曲性等が求められる。このようなフレキシブルプリント配線板に求められる特性としては、MIT屈曲性に代表される良好な折り曲げ性、及び、IPC屈曲性に代表される高サイクル屈曲性があり、従来、このような特性を備えた銅箔や銅−樹脂基板積層体が開発されている(特許文献1〜2)。
絶縁基板の表面に銅からなる配線が多数形成されたプリント配線板には、実装する電子部品との電気的接続を確立するために、或いは、プリント配線板の相互接続を行うために、端子部分にSn等からなるメッキ層が形成されているのが一般的である。
プリント配線板は銅箔に絶縁基板を接着させて銅張積層板とした後に、エッチングにより銅箔面に回路パターンを形成するという工程を経て製造されるのが一般的であり、その製造工程において、メッキ層に銅を拡散させるためのフュージング処理(熱処理)が行われる。
しかしながら、Snメッキ層を形成した銅箔をフュージング処理した場合、銅箔とSnメッキ層との界面にカーケンドール効果によると思われるボイドやクラックが発生し、銅箔が脆化して回路が断線するという問題が生じることがある。
このような問題に対する技術として、例えば、特許文献3には、可撓性を有する絶縁基板と、その絶縁基板の片面上に形成する回路パターンと、その回路パターンの接続端子部に隣接する領域上に設け、耐Snめっき液性に優れている第1のソルダーレジストと、少なくとも前記回路パターンの接続端子部を除いて前記回路パターン上に設け、可撓性に優れている第2のソルダーレジストと、回路パターンの接続端子部に設けるSn合金めっきとを備えるフレキシブルプリント配線板が開示されている。そして、このような構成により、第1及び第2のソルダーレジストを形成してからSnめっきを行うようにすれば、ソルダーレジストを塗布するときの加熱処理で回路パターンの銅がSnめっきに拡散して脆い性質のSn−銅合金が形成されることを防いで、断線の無い信頼性を向上したフレキシブルプリント配線板を提供することができると記載されている。
特開2010−100887号公報 特開2009−111203号公報 特開2006−253247号公報
フレキシブルプリント配線板は、電子機器において上述のように2つの基板間に設けられて両者を電気的に接続している。この2つの基板が同じ線熱膨張係数を有するものであれば問題とはならないが、線熱膨張係数に差がある基板であれば、電子機器の電源のオンとオフや、使用場所の気温変化等によってフレキシブルプリント配線板に応力集中が生じる。これに対し、フレキシブルプリント配線板は、MIT屈曲性に代表される良好な折り曲げ性、及び、IPC屈曲性に代表される高サイクル屈曲性については考慮されて設計されているが、通常、上述のような応力集中は予定されておらず、それに耐え得るように設計されていない。
本発明者は、上述の応力集中に起因して銅箔にある問題が引き起こされることを見出した。すなわち、上述の応力集中を受けると、回路表面の比較的脆い部分であるSn銅合金層にクラックが最初に生じる(図4a)。一旦クラックが生じると、応力はその箇所に集中し、クラック近傍の銅箔部に粒界が存在する場合、この粒界に沿って銅箔内部にクラックが進展する(図4b)。表面に粒界が多く存在する銅箔は、初めに生じるSn銅合金層のクラックが粒界に沿った銅箔へのクラックに進展し易い。この時、銅箔粒界が解離しやすい性質であればあるほど、銅箔内部へとクラックが進展し易くなる。すなわち電子機器を長期的に使用することにより、繰り返しの応力集中が生じ、最終的には配線部の銅粒界に沿って回路が断線し、これが電子機器の故障の原因のひとつとなっている。
そこで、本発明は、プリント配線板の配線として用いられたときに、長期の使用によっても配線にクラックが発生しない圧延銅箔、及び、それを用いた銅張積層板、フレキシブルプリント配線板及び電子機器を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、プリント配線板の配線の銅箔として、結晶内における結晶方位の角度差が2°以上である部位を結晶粒界としたとき、ランダム粒界の長さが所定値以下に制御された圧延銅箔を用いることで、長期間使用してもプリント配線板の配線におけるクラックの発生を良好に抑制することができることを見出した。
EBSPにより測定した粒界は、その粒界の性質からΣ(シグマ)値という指標へ分類算出される。Σ値はもともとの結晶格子の単位胞体積と、粒界での重なりとして形成された対応格子の単位胞体積の比で表わされる。すなわちΣ値が小さいほど粒界の単位体積あたりの対応格子数が大きくなり、逆にΣ値が大きいほど粒界の単位胞体積あたりの対応格子数が小さくなる。Σ値が大きいほど単位粒界面に重なる格子数が少なくなるので、その分、粒界剥離が起こり易くなり、それによってクラックが進展し易くなる傾向があると考えられる。また、全粒界から対応粒界を除いた粒界(Σ値に対応しない粒界)をランダム粒界という。ランダム粒界は、最大Σ値の対応粒界より更に単位胞体積あたりの対応格子数が少なく、粒界剥離が更に起こり易いと考えられる。
以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、結晶の金属組織の測定点に電子線を照射して得られた結晶方位と、前記測定点の周囲に0.5μm離間して位置する複数の隣接測定点に電子線を照射して得られた結晶方位との方位角度差が2°以上の部位を結晶粒界としたときの全粒界長T(cm/mm2)を測定し、前記結晶粒界のΣ値を決定し、Σ1〜Σ49の合計の粒界長を対応粒界長S(cm/mm2)とし、T−S=R(cm/mm2)をランダム粒界長としたとき、400℃で1時間の焼鈍後に測定したR値が30cm/mm2以下である圧延銅箔である。
本発明に係る圧延銅箔の一実施形態においては、400℃で1時間の焼鈍後に測定した前記R値が20cm/mm2以下である。
本発明に係る圧延銅箔の更に別の一実施形態においては、第1基板と、前記第1基板の線熱膨張係数の1.2倍以上の線熱膨張係数を有する第2基板とを電気的に接続するフレキシブルプリント配線板の配線として用いたときに、前記フレキシブルプリント配線板に−65℃〜+150℃の温度変化を300回繰り返しても前記配線にクラックが発生しない。

本発明に係る圧延銅箔の更に別の一実施形態においては、Ag、Sn、In、Zr及びZnからなる群から選択された1種又は2種以上を合計で10〜1300質量ppm含む。
本発明に係る圧延銅箔の更に別の一実施形態においては、厚さが5〜70μmである。
本発明は別の一側面において、本発明に係る銅箔を備えた銅張積層板である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る銅張積層板を材料としたフレキシブルプリント配線板である。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板の別の一実施形態においては、端子部又は配線部の少なくとも一部にSn層及び/又はSn銅合金層が施されている。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係るフレキシブルプリント配線板と、前記フレキシブルプリント配線板で電気的に接続された第1の基板及び第2の基板とを備えた電子機器である。
本発明によれば、プリント配線板の配線として用いられたときに、長期の使用によっても配線にクラックが発生しない圧延銅箔、及び、それを用いた銅張積層板、フレキシブルプリント配線板及び電子機器を提供することができる。
圧延銅箔の結晶方位の測定態様を表す模式図である。 第1基板及び第2基板と、それらの間に形成されたフレキシブルプリント配線板との接続形態の一例である。 フレキシブルプリント配線板に対して行う温度変化の繰り返し試験の説明図である。 (a)応力集中を受けてSn銅合金層にクラックが生じた従来の銅箔の断面図である。(b)粒界に沿って銅箔内部にクラックが進展している従来の銅箔の断面図である。
(圧延銅箔の構成)
フレキシブルプリント配線板用圧延銅箔の材料としては、タフピッチ銅(JIS−H3100 C1100)や無酸素銅(JIS−H3100 C1020、JIS−H3510 C1011)が使用可能である。
さらには、タフピッチ銅及び無酸素銅をベースした銅合金箔も使用可能である。タフピッチ銅及び無酸素銅をベースした銅合金箔は、具体的には、Ag、Sn、In、Zr及びZnからなる群から選択された1種又は2種以上を合計で10〜1300質量ppm含む。
なお、本明細書において「銅箔」には銅合金箔も含まれ、「タフピッチ銅」及び「無酸素銅」で形成した銅箔には、タフピッチ銅及び無酸素銅をベースとした銅合金箔も含まれる。
本発明に用いることのできる圧延銅箔の厚さとしては、5〜70μmが好ましく、5〜40μmがより好ましい。銅箔の厚さが5μm未満であると銅箔のハンドリングが悪くなる場合があり、40μm超であるとフレキシブル性が低下する場合がある。圧延銅箔の厚さは、5〜12μmが更に好ましい。
本発明の圧延銅箔は、結晶の金属組織の測定点に電子線を照射して得られた結晶方位と、前記測定点の周囲に0.5μm離間して位置する複数の隣接測定点に電子線を照射して得られた結晶方位との方位角度差が2°以上の部位を結晶粒界としたときの全粒界長T(cm/mm2)を測定し、前記結晶粒界のΣ値を決定し、Σ1〜Σ49の合計の粒界長を対応粒界長S(cm/mm2)とし、T−S=R(cm/mm2)をランダム粒界長としたとき、400℃で1時間の焼鈍後に測定したR値が30cm/mm2以下に制御されている。
ここで、上記結晶粒界の判定法、及び、上記結晶粒界の長さの算出法を具体的に説明する。図1に、本発明の圧延銅箔の結晶方位の測定態様を表す模式図を示す。まず圧延銅箔の結晶の金属組織における測定点を決定する。図1では、測定点を、No.1(以下、測定点1という)と記載している。また、測定点1を中心とし、測定点1と各辺との距離がそれぞれ0.25μmである正六角形を決定する。隣接測定点(測定点2〜7)は、この測定点1を中心にして、周囲に0.5μm離間して位置する(測定ステップ0.5μmという)。そして、測定点1〜7について電子線を照射して得られた結晶方位を測定し、測定点1と、隣接測定点(測定点2〜7)との方位角度差をそれぞれ求める。このようにして求めた方位角度差が2°以上であるとき、当該隣接測定点を結晶粒界と判定する。
さらに、これらの隣接測定点(測定点2〜7)について、測定点1と同様に、それぞれを中心として各辺との距離がそれぞれ0.25μmである正六角形を決定する。このように正六角形を順に決定していくと、図1に示すように互いに接し合う複数の正六角形で銅箔の金属組織が埋められていく。そして、各測定点についても上述と同様にして当該測定点と、隣接測定点との方位角度差をそれぞれ求め、その方位角度差が2°以上であるとき、当該隣接測定点を結晶粒界と判定する。判定した結晶粒界長を測定した合計を測定面積で除することで、単位面積当たりの結晶の全粒界長T(cm/mm2)を算出する。
このようにして決定された結晶粒界の隣接する結晶粒同士の方位及び角度差から結晶粒界のΣ値が決定される。決定されたΣ1〜Σ49までの粒界長を測定し、この合計粒界長を測定面積で除し、単位面積当たりの対応粒界長S(cm/mm2)を算出する。全粒界長Tから対応粒界長Sを引くことで、ランダム粒界長R(cm/mm2)を算出する。
400℃で1時間の焼鈍後の圧延銅箔において、結晶方位の方位角度差が2°以上である部位を結晶粒界と判定してランダム粒界を決定したとき、ランダム粒界長が小さければ小さいほど、耐疲労特性が良好となることを発明者は見出している。この点、本発明の圧延銅箔は、ランダム粒界長が30cm/mm2以下に制御されているため、良好な耐疲労特性を有している。ランダム粒界長は20cm/mm2以下に制御されていることが好ましく、10cm/mm2以下に制御されていることがより好ましく、5cm/mm2以下に制御されていることが更に好ましい。また、ランダム粒界長の合計の下限値は特には設ける必要はないが、銅箔の製造性等を考慮すると0.01cm/mm2以上である。
(フレキシブルプリント配線板の構成)
本発明に係るフレキシブルプリント配線板は、絶縁基板と、この絶縁基板の表面に形成された配線パターンとを備えている。絶縁基板は、フレキシブルプリント配線板に適用可能な良好な屈曲性及び折れ曲げ性を有するものであれば特に制限を受けないが、例えば、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルム、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等を使用することができる。絶縁基板の厚さは、12〜50μmが好ましい。厚さが12μm未満であるとハンドリングが悪くなり、50μm超であるとフレキシブル性が低下する。配線パターンは、上述のフレキシブルプリント配線板用圧延銅箔を用いて形成されている。配線パターンの形状は特に限定されず、どのようなものであってもよい。また、フレキシブルプリント配線板の端子部又は配線部の一部に、Sn層及び/又はSn銅合金層が形成されていても良い。
(フレキシブルプリント配線板の特性)
本発明に係るフレキシブルプリント配線板は、上述のような圧延銅箔を用いて形成されているため、以下の特性を有する。すなわち、フレキシブルプリント配線板が電気的に接続する第1基板及び第2基板について、両基板が1.2倍以上の線熱膨張係数の差を有している場合、フレキシブルプリント配線板に対して−65℃〜+150℃の温度変化を300回繰り返しても配線にクラックが発生しない。フレキシブルプリント配線板が電気的に接続している第1基板及び第2基板の線熱膨張係数の差が大きければ大きいほど、フレキシブルプリント配線板に加わる応力集中が大きくなる。通常、第1基板及び第2基板の線熱膨張係数の差が1.5倍以上であれば、温度変化によって両基板の膨張の差によって発生する応力集中に耐え切れず、フレキシブルプリント配線板の配線にクラックが生じる可能性が高い。これに対し、本発明においては、このような状態においても配線へのクラックの発生が良好に抑制される。
ここで、図2に、一例として、第1基板(FR4)及び第2基板(ガラス基板)と、それらの間に形成されたフレキシブルプリント配線板との接続形態を示す。上記線熱膨張係数は、図2に示すように基板端部が延びる方向と平行な方向の膨張係数であり、室温での値を用いる。また、上記「フレキシブルプリント配線板に対して−65℃〜+150℃の温度変化を300回繰り返す」とは、図3に示すように、フレキシブルプリント配線板に対して高温槽及び低温槽にてそれぞれ150℃及び−65℃で30分間保持し、これを1サイクルとして300サイクル繰り返すことをいう。なお、高温槽と低温槽との間の移し変えは1分間以内で行う。その他の条件はJIS−C60068−2−14に従うことで行う。
(フレキシブルプリント配線板の製法)
フレキシブルプリント配線板は、上記圧延銅箔を用いて製造することができる。以下に、フレキシブルプリント配線板の製造例を示す。
まず、圧延銅箔と、良好な屈曲性及び折れ曲げ性を有するポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルム等の絶縁基板とを貼り合わせて銅張積層板を製造する。
貼り合わせの方法は、ポリイミドフィルムの場合、熱硬化性ポリイミドフィルムに熱可塑性のポリイミド接着剤を塗工、乾燥した後、銅箔と積層させ、熱圧着させる。圧着方法としては常圧または真空下で熱プレスする方法や熱ロールによってラミネートする方法がある。またポリイミドフィルムの場合、銅箔にポリイミドの前駆体を塗工、乾燥、硬化させることで銅張積層板を作製する方法がある。
銅張積層板からフレキシブルプリント配線板(FPC)を作製する工程は当業者に周知の方法を用いればよい。例えば、エッチングレジストを銅張積層板の銅箔面に配線パターンとしての必要部分だけに形成し、エッチング液を銅箔面に噴射することで不要銅箔を除去して回路パターンを形成する。次いでエッチングレジストを剥離・除去して配線パターンを露出することで、フレキシブルプリント配線板を作製する。次に、配線端子部への接続及び防錆目的で、すずめっき及びウィスカー防止のフュージング処理を行い、その後導体パターンの保護目的で必要箇所にソルダーレジストを成膜する。すずめっきの厚みは、一般的には0.1〜2.0μmである。また、フュージング処理により生じるSn層及び/又はSn銅合金層の合計の厚みは一般的には0.1〜3.0μmである。
このフレキシブルプリント配線板を2つの電子基板間に設けて、それらを電気的に接続させることで、種々の電子機器を作製することができる。電子機器としては、特に限定されず、例えば、液晶ディスプレイ、カーナビゲーション、携帯電話、ゲーム機、CDプレイヤー、デジタルカメラ、テレビ、DVDプレイヤー、電子手帳、電子辞書、電卓、ビデオカメラ、プリンター等が挙げられる。
以下、本発明の実施例を示すが、これらは本発明をより良く理解するために提供するものであり、本発明が限定されることを意図するものではない。
(例1:実施例1〜21)
タフピッチ銅〔TPC〕(実施例1,8〜14、19)(JIS−H3100 C1100)、無酸素銅(実施例2〜7,15〜18、20、21)(JIS−H3100 C1020)に表1に記載の元素を添加して作製したインゴットを熱間圧延で厚さ7mmの板に加工し、表面研削で酸化物を取り除いた後、冷間圧延、焼鈍、酸洗を繰り返して、厚さを0.1mmにした。この後、表1に記載の厚さまでの冷間圧延を各パスの平均加工度が10%以下となるように表1に記載の条件で冷間圧延を行って加工した。また、0.1mm以下の冷間圧延で1パスの加工度が10%を超えた場合、そのパスの後に80〜120℃に焼鈍してから次のパスに移った。
なお、各パスの平均加工度は、下記式のように各パスの加工度の合計をパス回数で除した値とした。
各パスの平均加工度(%)=(1パス目加工度(%)+2パス目加工度(%)+…+最終パス加工度(%))/(パス回数)
続いて400℃で1時間の焼鈍を行った。
続いて、銅箔表面に表面処理をスパッタで施した。表面処理としては、フレキシブルプリント配線板のベースフィルムと接着させる表面に、Cr、Niをスパッタにより付着させた。また、上記表面と逆側の表面側に、Pd、Niをスパッタにより付着させた。
続いて、実施例1〜17、19〜21はカプトンEN(登録商標)に熱可塑性PI接着剤を1μm塗工、乾燥して形成した38.5μm厚の樹脂層を銅箔に積層させて真空熱プレスによって銅張積層体を作製した。実施例18は銅箔にポリイミドワニス(宇部興産(株)製UワニスS)を塗工、乾燥、硬化させ37.5μmの樹脂層を形成させて銅張積層体を作製した。
続いて、作製した積層体の銅箔に対して、L(ライン)/S(スペース)=20μm/30μmで回路を形成し、無電解Snめっきをした後、170℃で2時間のフュージング処理をした。これをFPC供試材とした。当該供試材の配線の銅箔表面に対する面積率は、回路を形成していない部分も含まれるため30%であった。
(例2:比較例1〜4)
比較例1及び2は、タフピッチ銅〔TPC〕のインゴットを使用し、厚さ0.1mm以下の冷間圧延で平均加工度10%以下にしない、または厚さ0.1mm以下の冷間圧延で1パスの加工度が10%を超えてもその後に焼鈍しなかった。比較例1及び2の厚さ0.1mm以下の冷間圧延の条件と、厚さ0.1mm以下の冷間圧延で1パスの加工度が10%を超えた後の焼鈍の有無を表1に示す。また、厚さを0.1mmにするまでは、実施例1と同様の加工を施した。比較例1及び2に係る銅張積層体及びその回路は、実施例1と同様に作製した。
比較例3は、メタライズ法によって、Kapton150EN(樹脂厚37.5μm)にシード層であるNiCr層をスパッタ製膜後、銅厚が8μmになるよう銅めっきを施した。作製した積層体の銅箔に対してL/S=20μm/30μmの回路を形成し、無電解Snめっきをした後、170℃で2時間の熱処理をした。これをFPC供試材とした。
比較例4は、市販の特殊電解銅箔にポリイミドワニス(宇部興産(株)製UワニスS)を塗工、乾燥、硬化(400℃1時間)させ37.5μmの樹脂層を形成させて銅張積層体を作製した。作製した積層体の銅箔に対してL/S=20μm/30μmの回路を形成し、無電解Snめっきをした後、170℃で2時間のフュージング処理をした。これをFPC供試材とした。
このようにして作製した実施例1〜21及び比較例1〜4のFPC供試材について、線熱膨張3ppmのガラス基板と13ppmのFR4基板とを図2のように市販の異方性導電フィルム(ACF)を介して熱圧着接続し、−65℃〜+150℃の温度変化を最大1000回まで繰り返した。
ここで、回路断線は以下のように判定した。すなわち、フレキシブルプリント配線板の配線回路の抵抗値を、デジタルマルチメーターを用いて連続測定した。測定した抵抗値が、初期値(上記繰り返し歪を与える前の抵抗値)の150%以上になった時に回路が断線したと判定した。表1では、回路断線と判定されたときの繰り返し歪の付与のサイクル(破断サイクル)の回数を記載している。
上記実施例1〜21、比較例1、2は、最終冷間圧延後に400℃で1時間加熱した後のサンプルについて、その銅箔面を電子顕微鏡JEOL JXA−8500Fを用い、TSL社製OIMでEBSP解析を行い、粒界の銅箔単位面積(mm2)当りの結晶粒界の長さの合計T(cm/mm2)を測定した。Σ値の測定は、OIM Analysis 5.31ソフトを用い、Σ1〜上限Σ49までの各Σ値の粒界長(cm/mm2)を得た。Σ1からΣ49までの粒界長を合計し対応粒界長S(cm/mm2)とした。ランダム粒界長Rは、R(cm/mm2)=T−Sとした。比較例3は、銅めっき後のサンプルを同様に測定した。比較例4は、市販の特殊電解銅箔を400℃で1時間加熱した後のサンプルを同様に測定した。
なお、上記実施例及び比較例のサンプル作製における「400℃で1時間加熱」は、積層板を作製する際のポリイミドワニスの硬化工程を模したものである。
測定結果を表1に示す。
(評価)
実施例1〜21は、いずれもランダム粒界長が30cm/mm2以下に制御されており、線熱膨張係数が1.5倍以上差のある第1基板(ガラス基板)と第2基板(FR4基板)とを電気的に接続するフレキシブルプリント配線板の配線として用いたときに、フレキシブルプリント配線板に−65℃〜+150℃の温度変化を300回繰り返しても配線断線しなかった。
比較例1は、厚さ0.1mm以下の冷間圧延で1パスの加工度が10%を超えてもその後に焼鈍しておらず、ランダム粒界長が30cm/mm2を超えており、繰り返し歪を210回与えたときに配線断線した。
比較例2は、厚さ0.1mm以下の冷間圧延で平均加工度10%以下にしておらず、ランダム粒界長が30cm/mm2を超えており、繰り返し歪を200回与えたときに配線断線した。
比較例3及び4は、圧延銅箔を用いておらず、ランダム粒界長が30cm/mm2を超えており、繰り返し歪をそれぞれ150回、240回与えたときに配線断線した。

Claims (8)

  1. 結晶の金属組織の測定点に電子線を照射して得られた結晶方位と、前記測定点の周囲に0.5μm離間して位置する複数の隣接測定点に電子線を照射して得られた結晶方位との方位角度差が2°以上の部位を結晶粒界としたときの全粒界長T(cm/mm2)を測定し、前記結晶粒界のΣ値を決定し、Σ1〜Σ49の合計の粒界長を対応粒界長S(cm/mm2)とし、T−S=R(cm/mm2)をランダム粒界長としたとき、400℃で1時間の焼鈍後に測定したR値が30cm/mm2以下であり、厚さが5〜70μmである圧延銅箔。
  2. 400℃で1時間の焼鈍後に測定した前記R値が20cm/mm2以下である請求項1に記載の圧延銅箔。
  3. 第1基板と、前記第1基板の線熱膨張係数の1.2倍以上の線熱膨張係数を有する第2基板とを電気的に接続するフレキシブルプリント配線板の配線として用いたときに、前記フレキシブルプリント配線板に−65℃〜150℃の温度変化を300回繰り返しても前記配線にクラックが発生しない請求項1又は2に記載の圧延銅箔。
  4. Ag、Sn、In、Zr及びZnからなる群から選択された1種又は2種以上を合計で10〜1300質量ppm含む請求項1〜3のいずれかに記載の圧延銅箔。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の銅箔を備えた銅張積層板。
  6. 請求項に記載の銅張積層板を材料としたフレキシブルプリント配線板。
  7. 端子部又は配線部の少なくとも一部にSn層及び/又はSn銅合金層が施された請求項に記載のフレキシブルプリント配線板。
  8. 請求項に記載のフレキシブルプリント配線板と、前記フレキシブルプリント配線板で電気的に接続された第1の基板及び第2の基板とを備えた電子機器。
JP2012082168A 2012-03-30 2012-03-30 圧延銅箔、銅張積層板、フレキシブルプリント配線板及び電子機器 Active JP6030325B2 (ja)

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