JP6925742B2 - Ｌｅｄ照明装置 - Google Patents

Description

本発明は、ＬＥＤ灯具に流れる電流値を制御して、ＬＥＤ灯具の明るさを調節するＬＥＤ照明装置に関する。

ＬＥＤ灯具に用いられるＬＥＤの明るさは、ＬＥＤに流れる電流値にほぼ比例することが知られている。そのため、点灯状態のＬＥＤ灯具を消灯する際、瞬間的に消灯するのではなく、徐々に明るさを減少させる、いわゆるフェードアウトをしたい場合には、ＬＥＤ灯具に流れる電流値の減少速度を遅くすることが知られている。具体的には、点灯状態における電流値を例えば１００％とした場合に、所定時間経過後に、電流値が１００％から０％になるように減少させていくことが一般的である（例えば、特許文献１参照）。

特開２００６−３７５０号公報（段落[００６１]）

上記従来のものでは、ＬＥＤ灯具が１灯の場合には問題はないが、ＬＥＤ灯具が複数あり、かつ各ＬＥＤ灯具の点灯時における明るさが相違する場合であって、すべてのＬＥＤ灯具が同じタイミングで消灯するようにフェードアウトする場合には、以下のような問題が生じる。

点灯状態における各ＬＥＤ灯具に流れる電流値を、同じ所定時間が経過した時点で０になるように、一定の比率で減少させていくと、点灯状態での電流値が大きいＬＥＤ灯具、すなわち明るいＬＥＤ灯具については、暗くなっていく速度が他のＬＥＤ灯具より早く感じられ、各ＬＥＤ灯具のフェードアウト速度が異なるように感じられるという不具合が生じる。また、点灯時に暗いＬＥＤ灯具については、特に消灯する直前の状態では、電流値が低く、その電流値が低い状態で電流値の減少速度が遅くなるので、ＬＥＤ灯具がちらつくなどの不安定な状態が生じるという不具合がある。

そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、明るさの異なる複数のＬＥＤ灯具をフェードアウトする際に、各ＬＥＤ灯具についての暗くなる速度が同じに感じられ、かつ、消灯する直前に不安定な状態が発生しないＬＥＤ照明装置を提供することを課題とする。

上記課題を解決するために本発明によるＬＥＤ照明装置は、複数のＬＥＤ灯具に流れる電流値を各々検知して、各ＬＥＤ灯具に流れる電流値を制御する定電流制御部を備え、消灯操作がされると、各ＬＥＤ灯具に流れる電流値を点灯状態における電流値から徐々に減少させて、各ＬＥＤ灯具をフェードアウトするＬＥＤ照明装置において、上記消灯操作がされると、上記定電流制御部は、上記各ＬＥＤ灯具のうち、点灯時における電流値が最大のものである主ＬＥＤ灯具に流れる電流値を連続して減少すると共に、主ＬＥＤ灯具の減少途中の電流値が、他の従ＬＥＤ灯具に流れる電流値まで減少すると、その従ＬＥＤ灯具の電流値を主ＬＥＤ灯具の減少途中の電流値と同じ電流値になるように減少させ、すべてのＬＥＤ灯具に流れる電流値が同じタイミングでゼロに到達するように制御することを特徴とする。

フェードアウト前半では主ＬＥＤ灯具を急激に暗くし、従ＬＥＤ灯具の電流値に一致した時点から主および従のＬＥＤ灯具を同じ速度で暗くすることによって、全体としてフェードアウトの速度が相違すると感じることが緩和されると共に、消灯直前で従ＬＥＤ灯具がちらつくことを防止できる。

なお、点灯時に従ＬＥＤ灯具について、主ＬＥＤ灯具の電流値が従ＬＥＤ灯具の点灯時の電流値に一致するまで、従ＬＥＤ灯具の電流値を一定に保持し続けてもよいが、上記定電流制御部は、上記消灯操作がされると上記従ＬＥＤ灯具に流れる電流値を、上記電流値がゼロになるタイミングより後でゼロになる減少速度で減少させ、その減少途中で上記主ＬＥＤ灯具の減少途中の電流値と一致した時点で、主ＬＥＤ灯具の電流値の減少速度と同じ減少速度で減少させるようにしてもよい。

以上の説明から明らかなように、本発明は、点灯時に明るさの相違する複数のＬＥＤ主ＬＥＤ灯具をフェードアウトする際に、最も明るい主ＬＥＤ灯具の電流値を減少させる途中で、他のＬＥＤ灯具である従ＬＥＤ灯具の電流値に一致した時点から従ＬＥＤ灯具の電流値を主ＬＥＤ灯具の電流値を同じように減少させることによって、各ＬＥＤ灯具のフェードアウトの相違が気にならず、かつ、消灯直前に従ＬＥＤ灯具がちらつくことを防止することができる。

本発明の一実施の形態の構成を示す図 フェードアウト時の電流減少状態を示す第１のグラフ フェードアウト時の電流減少状態を示す第２のグラフ フェードアウト時の電流減少状態を示す第３のグラフ

図１を参照して、１は本発明によるＬＥＤ照明装置の一例を示す回路図であり、このＬＥＤ照明装置１は外部の直流電源２から直流電力の供給を受け、２灯のＬＥＤ灯具３１、３２を点消灯するものである。同じく、外部に点消灯スイッチ２１が設けられており、この点消灯スイッチ２１をオンオフすることによってＬＥＤ灯具３１、３２が点消灯される。

４は定電流制御部であり、ＬＥＤ灯具３１に対してトランジスタ４１が直列に設けられ、同じくＬＥＤ灯具３２に対してトランジスタ４２が設けられている。両トランジスタ４１．４２は各々マイコン５によってデューティ制御され、ＬＥＤ灯具３１およびＬＥＤ灯具３２に流れる電流値を制御するように構成されている。また、このマイコン５にはＬＥＤ灯具３１およびＬＥＤ灯具３２に流れる電流値が入力されるように構成されている。

具体的には、ＬＥＤ灯具３１およびＬＥＤ灯具３２には各々抵抗１１および抵抗１２が直列に接続されており、ＬＥＤ灯具３１と抵抗１１の分圧およびＬＥＤ灯具３２と抵抗１２の分圧がマイコン５に入力される。そして、その分圧値から各ＬＥＤ灯具３１およびＬＥＤ灯具３２の電流値がマイコン５に入力されることになる。マイコン５は点消灯スイッチ２１がオフになると、両ＬＥＤ灯具３１，３２に流れる電流を瞬時に遮断するのではなく、緩やかに減少させていくフェードアウトを行う。そのフェードアウトの状態を、ＬＥＤ灯具３１を主ＬＥＤ灯具とし、ＬＥＤ灯具３２を従ＬＥＤ灯具として説明する。

図２を参照して、主ＬＥＤ灯具であるＬＥＤ灯具３１の点灯状態は電流値Ｉａが流れている。一方従ＬＥＤ灯具３２は、点灯時においてＩａよりも少ない電流値Ｉｂが流れている。点消灯スイッチ２１がオフになると、マイコン５はまずＬＥＤ灯具３１について電流値をＩａから曲線Ｗ１に沿って徐々に減少させていく。一方従ＬＥＤ灯具であるＬＥＤ灯具３２については、点灯状態における電流値Ｉｂを直線Ｌ１に沿って維持したままにする。すると、ＬＥＤ灯具３１の電流値とＬＥＤ灯具３２の電流値とは図に合流点と示した点で一致する。この合流点で一致した後は、ＬＥＤ灯具３２の電流値をＬＥＤ灯具３１の電流値と同様に、曲線Ｗ１に沿って減少させていく。

上記図２に示した電流制御では、ＬＥＤ灯具３２に流れる電流値は、合流点でＬＥＤ灯具３１の電流値に一致するまでは、図においてＬ１で示す水平な直線に沿って全く減少させなかった。しかし、ＬＥＤ灯具３２に流れる電流値を全く減少させない必要性はなく、図３に示すように、ＬＥＤ灯具３２に流れる電流値についてもＩｂから徐々に減少させてもよい。図３に示す例では、その減少の状態は直線Ｌ２に示される。そして、曲線Ｗ１と直線Ｌ２とが交差する点、すなわち合流点に到達すれば、ＬＥＤ灯具３２に流れる電流値は直線Ｌ２から曲線Ｗ１に沿って減少させることになる。

さらには、ＬＥＤ灯具３１について、電流値を減少させる速度について、フェードアウトの前半では直線状に減少させ、フェードアウトの後半では直線状に減少させてもよい。例えば図４に示すように、新たな曲線Ｗ２を想定し、その曲線Ｗ２に対してＩａから接線Ｌ３を設定し、その接点を合流点とする。そして、ＬＥＤ灯具３２についてはフェードアウトの開始から上記合流点に向かって直線Ｌ４に沿って電流値を減少させ、合流点で電流値が一致した後は、ＬＥＤ灯具３２の電流値はＬＥＤ灯具３１の電流値と同様にＷ２に沿って減少させる。

なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。

１ 照明装置
２ 直流電源
４ 定電流制御部
５ マイコン
２１ 点消灯スイッチ
３１ （主）ＬＥＤ灯具
３２ （従）ＬＥＤ灯具

Claims (2)

1. 複数のＬＥＤ灯具に流れる電流値を各々検知して、各ＬＥＤ灯具に流れる電流値を制御する定電流制御部を備え、消灯操作がされると、各ＬＥＤ灯具に流れる電流値を点灯状態における電流値から徐々に減少させて、各ＬＥＤ灯具をフェードアウトするＬＥＤ照明装置において、上記消灯操作がされると、上記定電流制御部は、上記各ＬＥＤ灯具のうち、点灯時における電流値が最大のものである主ＬＥＤ灯具に流れる電流値を連続して減少すると共に、主ＬＥＤ灯具の減少途中の電流値が、他の従ＬＥＤ灯具に流れる電流値まで減少すると、その従ＬＥＤ灯具の電流値を主ＬＥＤ灯具の減少途中の電流値と同じ電流値になるように減少させ、すべてのＬＥＤ灯具に流れる電流値が同じタイミングでゼロに到達するように制御することを特徴とするＬＥＤ照明装置。
2. 上記定電流制御部は、上記消灯操作がされると上記従ＬＥＤ灯具に流れる電流値を、上記電流値がゼロになるタイミングより後でゼロになる減少速度で減少させ、その減少途中で上記主ＬＥＤ灯具の減少途中の電流値と一致した時点で、主ＬＥＤ灯具の電流値の減少速度と同じ減少速度で減少させることを特徴とする請求項１に記載のＬＥＤ照明装置。

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