JP6924883B2 - 流水検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、スプリンクラー設備に使用されて火災発生時などに流水を検知するために用いられる流水検知装置に関する。
従来、流水検知装置は、一般にスプリンクラー設備などの流路の途中に設けられ、その内部には、水圧により作動する逆止弁構造の弁体と、この弁体の動作検知用の検知機構部が設けられ、弁体の動作が伝達機構部を介して検知機構部に伝達されて流水検知されるようになっている。流水検知装置は、配管の狭いスペースに設置されることが多いため、面間距離の短縮化が求められている。
この種の流水検知装置として、例えば、特許文献1の流水検知装置が開示されている。この流水検知装置は、ボールと、ボールの動作の伝達機構部であるスピンドル部、ボールガイドが設けられ、水圧によりボールが弁開方向に移動するときには、ボールガイドがボールに押圧されてスピンドル部が回転され、このスピンドル部の回転が、内部に遅延機構が備えられた検知機構部により検知される。このようにボールが弁体として用いられている流水検知装置の場合、いわゆる、スイング式弁体と呼ばれる弁体を用いた場合に比較して、コンパクト性が発揮されつつ、弁閉時にボールが着座することで止水性が高くなり、スイング式弁体の場合のように軸着部分にあそびを必要としないため、微小流量時の検知精度も向上する。
上記の流水検知装置では、着座部に着座したボール弁体が、円弧状のガイド部によって案内されながら移動可能に設けられると共に、ボデー内周面に略パイプ状の絞り経路が設けられ、この絞り経路内周面とボール弁体外周面との間には、ガイド部を介して環形状のクリアランスが設けられている。流水時には、水圧で押圧されたボール弁体がガイド部により絞り経路に案内され、このボール弁体がガイド部に沿って円弧状に移動することで流路が開口し、圧力損失が抑えられつつ流水がおこなわれる。このとき、ボールガイドがボール弁体で押圧され、スピンドル部が回転することにより流水検知される。スピンドル部は、カバー部に取付けられ、このカバー部がボデー部にフランジ接合されて、スピンドル部がボデー部に対して位置決めされる構造に設けられている。
特許第4796898号公報
特許文献1の流水検知装置では、流水時にボール弁体が上昇するときに、このボール弁体を着座部から上昇させて流路を開口させ、上昇したボール弁体によりボールガイドを押圧してスピンドル部を回転させるために、ボール弁体が円弧状ガイド部に沿って絞り経路を移動するよう設けられている。この場合、圧力損失を抑えて流量を確保しつつ、ボール弁体でスピンドル部を流水検知に必要な回転角度で回転させるためには、流水時にボール弁体が迅速に退避可能な絞り流路の形状とし、この絞り経路の長さもある程度必要になる。その結果、流水検知装置全体の面間距離が長くなり、狭い面間への設置が難しくなることがある。
しかも、この流水検知装置では、ボデーとは別体のカバー部にスピンドル部が取付けられていることで、スピンドル部からボールガイドのボール弁体の接触部分までの距離が長くなる。そのため、ボールガイドを所定の回転角度まで回転させるために絞り経路をさらに長くする必要が生じ、面間距離を短く抑えることがより難しくなる。
本発明は、従来の課題を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、全体の面間距離を短縮しつつ、流水時の圧力損失を抑えながら流量を確保し、流水検知を正確におこなうことができる流水検知装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、流入口と流出口とを備えた流路を有するボデー内に、ボール弁体と、このボール弁体が着座される着座部と、ボール弁体が流体圧により着座部の二次側から上昇作動される案内流路と、ボール弁体の上昇作動が回転運動に変換されるパドル部材を有するスピンドルと、このスピンドルの回転を介して流水を検知可能な検知機構とが設けられ、パドル部材は、その先端付近を避けた中間位置にボール弁体が当接される状態で配置されており、ボール弁体が上昇する過程で検知機構により流水検知可能に設けられている流水検知装置である。
請求項2に係る発明は、案内流路は、この案内流路と同じ向きの垂直流路と、この垂直流路から続けて形成される曲線流路とを有し、ボール弁体が垂直流路を上昇する過程で検知機構により流水検知可能に設けられた流水検知装置である。
請求項1又は2に係る発明によると、ボール弁体が、常時パドル部材の中間位置に当接した状態になることで、ボール弁体がパドル部材の先端とボデーの内壁との間に挟まれることを防止し、誤作動や破損、故障を防止することが可能となり、しかも、流路が、弁座の二次側の垂直流路とこの垂直流路から続けて形成される曲線流路とを有し、ボール弁体が垂直流路を上昇する過程で検知機構により流水検知可能としているため、短い垂直流路によりボール弁体の移動量を極力抑えて全体の面間距離を短縮でき、この垂直流路でボール弁体の上昇時の動作を安定させ、正確に流水検知をおこなうことができる。
本発明における流水検知装置の実施形態を示す断面図である。 図1における検知機構の内部を示す一部省略正面図である。 流水検知装置の開状態を示す断面図である。 図3における検知機構の内部を示す一部省略正面図である。 図3の要部拡大断面図である。 図3のA−A断面図である。
以下に、本発明における流水検知装置を実施形態に基づいて詳細に説明する。図1〜図4においては、本発明における流水検知装置の実施形態を示しており、この流水検知装置(以下、装置本体1という)は、ボデー2、ボール弁体3、スピンドル4、パドル部材5、バネ部材6、検知機構7を有し、その一次側には制御弁8が設けられている。
図1〜図4において、ボデー2は、例えば、鋳鉄やステンレス材料により形成され、その内部には流路10が形成され、この流路10の一次側に流入口11、二次側に流出口12が備えられている。さらに、ボデー2内には、環状の弁座である着座部13が形成され、この着座部13にボール弁体3が着座可能に設けられる。流入口11と流出口12との間には、これらと交差する方向に円形状の開口部15が形成され、この開口部15には、ガスケット16を介してプレート状のカバー17が図示しないボルトで着脱可能に設けられ、このカバー17で開口部15が被蓋されている。
流路10内の着座部13よりも二次側には案内流路20が形成され、この案内流路20の流路方向の両側にはガイド部21が備えられる。案内流路20は、垂直流路22と、曲線流路23とを有し、流体圧により着座部13から上昇作動されるボール弁体3を、流出口12側とは異なる開口部15方向に退避可能な形状に設けられている。
案内流路20において、垂直流路22は、着座部13に続く二次側に、流入口11から流出口12の方向に形成された流路10と同じ向きで、ボール弁体3の外径よりもやや大径により所定長さで形成される。一方、曲線流路23は、垂直流路22から傾いた方向に曲線状に形成される。
このような案内流路20に対して、ボール弁体3は、垂直流路22を上昇する過程で検知機構7により流水検知可能に設けられる。
案内流路20の両側のガイド部21は、曲線流路23に沿って曲線状に設けられ、図6に示すように、ボール弁体3の直径よりも間隔が狭くなるように案内流路20から内方に突出形成されている。流体圧により上昇作動されたボール弁体3は、ガイド部21に沿って開口部15側に案内されるようにして弁開状態が維持される。ガイド部21の角度は、任意に設定可能であるが、本実施形態においては、図3に示すボール弁体3が垂直流路22の流路方向の投影面積S内で上昇する過程において、パドル部材5の角度が所定角度(例えば30°)に達したときに流水検知されるように設けられている。これに加えて、ボール弁体3の移動時に、このボール弁体3のパドル部材5への接点が略一定の位置となるような傾斜角度や円弧形状にガイド部21が設けられ、この場合、ボール弁体3からパドル部材5に安定した力を加えることが可能になる。
なお、特許文献1の流水検知装置では、ボール弁体がボデー内の流路を経て円弧状ガイドに沿ってカバー側に案内され、垂直状の前記流路の投影面積から部分的に外れた位置において、流水を検知するようにしている。
開口部15と曲線流路23との間には、外方に膨出する膨出部24が設けられ、ボール弁体3は、ガイド部21で曲線流路23を案内された後に、膨出部24内に移動可能になっている。
一方、曲線流路23(膨出部24)とは反対側には膨出流路25が形成され、この膨出流路25は、着座部13の二次側近傍から流出口12付近にかけて外方にアール状に膨出した形状に形成される。膨出流路25は、ボール弁体3の上昇作動した直後から着座部13の一次側(流入口11側)と連通可能な形状に設けられ、その膨出形状により二次側(流出口12側)への流路口径が拡大される。膨出流路25を形成する場合、後述のボール弁体の上昇量が少なく垂直流路22を長く設ける必要が無いため、この膨出流路25を着座部13に近接させた状態で形成できる。
ボデー2の膨出流路25と流出口12との間には排水口26が形成され、この排水口26にはボール弁よりなる排水弁27が接続され、この排水弁27の開閉によりボデー2内から排水口26を介して排水可能に設けられている。排水弁27は、例えば、ドレン用や、或は流水試験時の流出側として利用される。排水弁27を介して流入口11からの水を排水する場合には、排水口26が膨出流路25の二次側に設けられた構成により、流量が確保されている。
図1、図3に示すように、ボール弁体3は、ゴム又は合成樹脂により形成されるか、或は、図示しない金属製球体の外側にゴム又は合成樹脂が包囲された二層構造に形成され、ボデー2内に内蔵される。ボール弁体3は、流体により案内流路10を移動して着座部13に接離され、流路が開閉可能に設けられる。ボール弁体3の外径は、着座部13や流出入口11、12の内径よりも大きく形成され、これにより、ボール弁体3が着座部13に確実に着座され、流出入口11、12からの抜けも防止される。
図1〜図5において、スピンドル4は、ボデー2の開口部15近傍に回転自在に取付けられ、このスピンドル4の一端側には、パドル部材5が一体或は別体に固着される。
パドル部材5は、ボール弁体3と当接可能に設けられ、これらの当接によりボール弁体3の上昇作動がスピンドル4の回転運動に変換される。スピンドル4の他端側は、ボデー2に固定された検知機構7に接続され、流水でスピンドル4が回転したときに、この回転が検知機構7に伝達されて流水検知される。スピンドル4は、分割構造に設けられていてもよく、この場合、例えば、分割されたスピンドルの一方側が検知機構7の入力側に組み込まれ、他方側にはパドル部材5が設けられ、これらが凹凸嵌合で同軸に組み合わせられることで一体に回転可能に設けられる。
パドル部材5は、平板状に設けられ、スピンドル4の遠心方向に、一体に回転可能に取付けられる。パドル部材5は、ガイド部21に沿って移動するボール弁体3により押圧可能な長さに設けられ、ボール弁体3の上昇作動により押圧されてスピンドル4の回転運動に変換され、この回転運動が検知機構7で検知可能に設けられる。
図1に示すように、パドル部材5は、その先端付近を避けた中間位置にボール弁体3が当接される状態になるようにボデー2に配置される。この中間位置での当接状態は、例えば、パドル部材5の長さや、スピンドル4のボデー2への取付け位置の調節により設定される。
さらに、パドル部材5は、ボール弁体3の移動方向、具体的には、ボール弁体3が垂直流路22からガイド部21を介して曲線流路23を移動するときの移動方向(図3及び図5に示す矢印方向)に対して、常時略垂直方向からボール弁体3に当接可能となるような位置に設けられる。
このパドル部材5は、バネ部材6を介してボール弁体3の方向に付勢された状態で取り付けられる。図1、図3に示すように、バネ部材6は、ねじりコイルばねからなり、コイル部30と、このコイル部30の両端部に設けられた腕部31とを有している。バネ部材6は、コイル部30にスピンドル4が挿通された状態で、一端側の腕部31がパドル部材5に係止され、他端側の腕部31がボデー2内の図示しない係止部位に係止された状態でパドル部材5に装着される。
これにより、バネ部材6は、ボール弁体3をパドル部材5により弁座方向(図1に示す矢印方向)に押圧付勢可能になる。流体圧でボール弁体3が上昇作動する際には、このボール弁体3によりパドル5がバネ部材6の付勢力に抗して押圧され、スピンドル4が図3、図5において、反時計回りに回転する。
図2、図4に示す検知機構7は、ボデー2内への流水を検知するために設けられ、部品収納用のボックス部40、遅延機構41、マイクロスイッチ42、43、延長ステム44、カム部材45、基盤46等の部品が内部に収納されている。
ボックス部40は、樹脂によって形成され、枠体47が形成されている。枠体47の内側には、遅延機構41や各種部品が設けられ、この状態でボックス部40がボデー2に取付けられる。
遅延機構41は、作動プレート50、ロータリーダンパ51、回転プレート52、おもり53を有し、これらは、枠体47内部に収容される。
作動プレート50は、L字形状に設けられ、スピンドル4のパドル部材5とは他端側に、取付け穴54を介して固着され、スピンドル4と一体に回転可能に設けられる。
ロータリーダンパ51は、枠体47内の所定位置に取付けられ、高粘性流体により図示しないラチェットを介して一方向のみに回転反力が発生可能に設けられ、本実施形態では、図2、図4の時計回り方向に回転反力が発生される。
回転プレート52は、ロータリーダンパ51の回転軸56に対して中央付近が取付けられてこの回転軸56と一体に回動可能に設けられる。回転プレート52の一端側は、所定角度に屈曲形成され、この屈曲部分に作動プレート50のL字に屈曲された端部側が係止可能に設けられる。
回転プレート52の他端側には、おもり53が固着され、このおもり53は、回転プレート52に作動プレート50から力が加わらないときに、その反対方向に回転可能重量に設けられる。回転プレート52のおもり53固着側には、枠体47内にマイクロスイッチ42が取付けられ、回転プレート52の回転によりこのマイクロスイッチ42がオンオフ可能に設けられる。マイクロスイッチ42は、おもり53で回転した回転プレート52が水平状態でオンとなるような位置に設けられていることが望ましい。
回転プレート52の先端側には、スピンドル4と一体に回転する作動プレート50のおもり53側との他端側が係合可能に設けられる。ボール弁体3の全閉時には、作動プレート50の回転力が加わることで、回転プレート52は、おもり53の自重に抗して、図2に示すように左回転する。一方、ボール弁体3による弁開時には、おもり53の自重により、ロータリーダンパ51を介して図4に示すように全閉時とは反対方向に緩やかに右回転する。
検知機構7において、作動プレート50の回転プレート52に対する係合が外れると、おもり53の重量により、回転プレート52が作動プレート50を左回転させながらロータリーダンパ51の復帰方向に回転し、この回転によって回転プレート52がマイクロスイッチ42をオンにして所定の検知開度に達したことが検知される。
図2において、作動プレート50の回転中心(取付け穴54の中心)から先端までの長さをL1、回転プレート52の回転中心(回転軸56の中心)から作動プレート50側の先端までの長さをL2、回転プレート52の回転中心からおもり53の荷重がかかる位置までの長さをL3とし、これら長さL1、長さL2、長さL3は、それぞれ任意に設定可能になっている。
前述のボール弁体3に応じて、ロータリーダンパ51とおもり53との組み合わせを利用した遅延機構7を設ける際には、スピンドル4外周のOリングの摺動抵抗、ロータリーダンパ51のトルク、おもり53の重量に加えて、長さL1、L2、L3を適宜設定することにより、所望の遅延時間等に調節しながら遅延機構41を設計可能となる。本実施形態では、長さL1を短くし、この長さL1に対して長さL2を長くなるように設定しており、この場合、遅延時間を調節した上で、てこの原理を利用して、ボール弁体3の上昇作動による作動プレート50の回転を比較的弱い力で回転プレート52に伝達し、この回転プレート52の他端側のおもり53の重量に抗して回転プレート52を回転可能となる。
図6において、延長ステム44は、後述する制御弁8のボールジスク60のステム部61との対向位置に接続され、ステム部61の回転によりボールジスク60と一体に回転可能に設けられる。延長ステム44の先端側は、ボックス部40の内部まで延伸され、この先端部にカム部材45が固着され、このカム部材45の動作位置にマイクロスイッチ43が設けられる。延長ステム44とともにカム部材45が回転すると、マイクロスイッチ43によりその回転状態が検知可能に設けられている。図2では、説明の便宜のため、制御弁8を全閉とし、マイクロスイッチ43がオンとなる状態を示している。
図2、図4に示すように、基盤46は、枠体47の外側に取付けられ、マイクロスイッチ42、43のオンオフ状態や制御弁8の開閉状態を制御可能に設けられる。このように基盤46が枠体47の外側に露出した状態で取り付けられていることで、この基盤46の端子に図示しない外部配線が接続可能になっている。
図1、図6において、制御弁8は、ボール弁体3よりも一次側に、ボールバルブの態様によって設けられ、ボールジスク60、ステム部61、延長ステム44、ボールシート63、インサート64を有している。
ボールジスク60は、一、二次側にボールシート63、63が設けられた状態で、ボデー2の流入口11から装着される。ボールシート63は、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂により設けられ、一次側のボールシート63は、インサート64を介してボデー2内に取付けられ、二次側のボールシート63は、ボデー2内に形成された切欠き状の装着溝65に取付けられる。
インサート64は、略環状に設けられ、その外周には、ボデー2の流入口11に形成された雌螺子部11aに螺合する雄螺子部64aが形成されている。インサート64の側端面には、ボデー2への螺合時に把持用の工具係合用凹溝66が形成され、この凹溝66は、装置本体1が配管接続された際に、図示しない配管のフランジやガスケットでは覆われることのない深さの寸法に設定される。
これにより、図1に示すように、ボデー2内のキャビティ2aが凹溝66を介して流路10と連通され、キャビティ2aとフランジ部位に係る位置に形成された連通流路67を介して、流路10内の流体圧を図示しない圧力計で検出可能となる。圧力計は、ボール弁体3の一次側と二次側との圧力を測定可能に取付けられ、その圧力測定によってスプリンクラーの放水に必要な一、二次側の双方への所定水圧の負荷状況や、メンテナンス時等の流体漏れなどが確認される。
制御弁8のステム部61には、レバーハンドル70が取付けられ、このレバーハンドル70によりボールジスク60を回動可能に設けられる。これにより、二次側のボール弁体3側への流路が開閉操作可能に設けられ、例えば、図示しないスプリンクラーによる消火完了後や、スプリンクラーの点検時に止水する場合などに流路を締切り状態にできる。
次に、本発明の流水検知装置の上記実施形態における作用を説明する。
上述した装置本体1は、ボデー2内にボール弁体3が流体圧で着座部13から上昇作動される案内流路20が設けられ、この案内流路20が、着座部13の二次側であり流路10と同じ向きの垂直流路22と、この垂直流路22から続けて形成される曲線流路23とを有し、ボール弁体3が垂直流路22を上昇する過程において検知機構7で流水検知可能な構成であるため、流水検知に案内流路20全体を用いることがなく、図1に示す全体の面間距離Dを短く抑えつつ流水検知を実施できる。
この場合、ボール弁体3が垂直流路22を垂直方向に移動して着座部13を開閉することで、開閉時のボール弁体3の動作が安定する。ボール弁体3でパドル部材5を略法線方向から押圧してスピンドル4を回転することで、力の伝達のロスを抑えて流体圧を高い効率でスピンドル4の回転に変換できる。これらにより、正確な流水検知が可能となり、しかも、ボール弁体3の移動時には、このボール弁体3がパドル部材5の中間位置への当接状態を維持することで、パドル部材5とボデー2との間にボール弁体3が挟まれることを防止し、誤作動や破損、故障などを防いでいる。
ボデー2の曲線流路23との反対側に膨出流路25を設けていることにより、ボール弁体3の上昇時には、着座部13の開口直後から膨出流路25と流入口11側とが連通する。膨出流路25は、着座部13の二次側近傍から流出口12付近にかけて外側にアール状に膨出した形状であるため、ボール弁体3の上昇に比例するように流路を拡大でき、短い垂直流路22であっても、圧力損失を抑えながら膨出流路25を介して流水し、流水時の大流量化を図ることができる。
しかも、スピンドル4をボデー2に回転自在に取付け、このスピンドル4を検知機構7に接続した構成としている。これによって、スピンドル4をボール弁体3に近接させて配置可能になり、この場合、ボール弁体3の上昇量が少ない場合にもパドル部材5の回転角度を確保でき、垂直流路22を短く設けたときにも確実に流水検知可能となる。このように、ボール弁体3の上昇量を少なくする短い垂直流路22を設けることで、全体の面間距離Dをより一層短縮し、カバー17側にスピンドル4を取付けていないことで全体がコンパクト化する。
弁閉時には、垂直流路22によりボール弁体3が着座部13に対して垂直方向から着座するため、着座時のボール弁体3が安定状態となり、微小な流体圧が生じたときの誤作動を防止できる。
また、バネ部材6をねじりコイルばねとし、このねじりコイルばね6でパドル部材5にボール弁体3押圧方向の回転力を直接付勢させている。これによって、パドル部材5の付勢用として引張りコイルバネや圧縮コイルバネを用いる必要がなく、ボックス部40内の簡略化やコンパクト化が可能になり、部品点数の削減により組立ても簡単になる。
そのため、ボデー2の面間寸法D内にボックス部40の長さを収めて全体をコンパクト化できる。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は、前記実施の形態記載に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更ができるものである。
1 装置本体
2 ボデー
3 ボール弁体
4 スピンドル
5 パドル部材
6 ねじりコイルばね(バネ部材)
7 検知機構
10 流路
11 流入口
12 流出口
13 着座部
20 案内流路
22 垂直流路
23 曲線流路
25 膨出流路

Claims (2)

  1. 流入口と流出口とを備えた流路を有するボデー内に、ボール弁体と、このボール弁体が着座される着座部と、前記ボール弁体が流体圧により前記着座部の二次側から上昇作動される案内流路と、前記ボール弁体の上昇作動が回転運動に変換されるパドル部材を有するスピンドルと、このスピンドルの回転を介して流水を検知可能な検知機構とが設けられ、前記パドル部材は、その先端付近を避けた中間位置に前記ボール弁体が当接される状態で配置されており、前記ボール弁体が上昇する過程で前記検知機構により流水検知可能に設けられていることを特徴とする流水検知装置。
  2. 前記案内流路は、この案内流路と同じ向きの垂直流路と、この垂直流路から続けて形成される曲線流路とを有し、前記ボール弁体が前記垂直流路を上昇する過程で前記検知機構により流水検知可能に設けられた請求項1に記載の流水検知装置。
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